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このユーザーのレビュー
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お伽もよう綾にしき ふたたび 1巻
ひかわきょうこ / メロディ
安定の面白さ!
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「お伽もよう綾にしき」の続編です
相変わらず男はカッコよく、女は頼りがいのあるたくましさ(笑)
ひかわ先生の作品はどれもそこは外さない!
新九郎やおじゃる様の過去も前作より詳しく描かれていて満足
小さ…なすずとお父さん呼ばわり(笑)されてた18歳の新九郎の話が
もっと見たい。ってかそれメインでさらに続編をお願いします 続きを読む投稿日:2017.05.06
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パーフェクトファミリー
菅知香 / 小学館
子供たちのヒーローか?
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児童虐待をテーマにしています
子供が神隠しのようにいなくなる事件が起こり警察が動き出し、
児童相談所の職員や警察官など視点を変えながら話が進みます
ただかわいそうというだけの話ではありません
ちょっと…現実味のないファンタジーな設定ではあるけれど
この問題を考えるのにはいいんじゃないかな
きちんとエンターテイメントとしてキャラが立ってるのもいいです
続きを読む投稿日:2017.04.28
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マイガール 1巻
佐原ミズ / コアミックス
なんでか泣ける
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もう泣かされます
わかってても、特に1巻は泣かされます
昔ドラマにもなってそれもよかったけど、マンガもいいです
泣かせようという話ってワザとらしくて嫌いなんだけど
これはそれでも泣けちゃう
そしてほん…わか優しい気持ちにさせてくれます
続きを読む投稿日:2017.04.03
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漂流巌流島
高井忍 / 東京創元社
歴史ものの小説ができるまで、みたいな
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佐々木小次郎と宮本武蔵の巌流島の決闘、年末恒例忠臣蔵など日本人なら誰もが知っているこれらの話の真実は通説通りなのか。
テレビドラマの企画で、有名なチャンバラモノをオムニバスで作るという話が持ち上がり脚…本家と監督がまず本当のところはどうなのか、それはどこまで信用できるのか、そして真実はどこにあるのかを話し合っていく。この過程を描いた短編集なのですが、さてしかし、こんな有名な話になぜそんなに検証が必要なのか。
それはこの企画の頭に「実録」とつくから・・・
現代までこれらの事件がドラマになるほど知られているのは、そもそも昔から講談や芝居、草紙となって親しまれてきたからだ。なのでもちろんそこにはたくさんのアレンジが施されるわけで、通説となっていることはそのまま史実ですとはいかない場合が多い。
「小次郎敗れたり」の名台詞を本当に言ったのか、そもそも佐々木小次郎とは何者なのか。
忠臣蔵の敵討ちは忠臣ゆえだったのか?新選組はなぜ単独で池田屋に乗り込んだのか。
脚本家が資料を調べて監督にレクチャーするわけだけど、もちろん文献は研究書ではないから読むほどに矛盾や疑問が出てきて、はっきり書かれていない部分もあれば文献ごとに内容が違ったりとこの辺りは歴史ものを書く作家の苦悩がのぞけるところ。
そして監督が言うのだ。それはつまりこういうことだろう、と。
本格ミステリーのような謎解きがされて膝を叩くことしきり。さてあなたならどう読み解きますか?
続きを読む投稿日:2014.08.17
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お台場アイランドベイビー
伊与原新 / 角川文庫
日本って平和じゃないんだね
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この著者は始めて読んだ。タイトルの印象よりずっとハードボイルドだった。
舞台は地震によって壊滅的な被害を受けた東京。
その様子は今の私たちには容易に想像できるけど、これが書かれたのは震災前。
主人…公の巽が気が置けないキャラなので、状況は厳しくて悲しくて理不尽だけれど
読み進むのは苦じゃなくむしろさくさく読める。
この作品で初めて無国籍児というものを詳しく知った。
日本は昔から言われているような豊かで平和な国とは言えなくなって
いるのかもしれない。
最後のほうのシカケ(?)と終わり方だけが自分の好みではなかったのが残念だったけど。
この著者を知ったのは「ルカの箱舟」という本を見て面白そうだと思ったのが最初。
どんな作家だろうと著作を検索してみると、まったく印象の違う書影が並んだので
ますます興味がわいた。
次も期待大です。
続きを読む投稿日:2015.03.29
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純平、考え直せ
奥田英朗 / 光文社文庫
奥田さんって読み心地が抜群
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ヘンなタイトルだなぁ、と思ったら全編タイトル通りだった。
ヤクザの構成員、純平は心から慕うアニキの啖呵を真似てみたり、ヤクザの道(?)に外れた汚いことを心から嫌ったり、女の子や友達にはいいカッコをしよ…うとし、とにかくなんだか憎めないキャラだ。おまけに言うことが的を得ていてカッコイイ。
このまままっすぐ育ってくれよ、と思わず願ってしまうが彼の生きている世界がそれを許さない。
組の親分から敵対する組の幹部の命を取ってくるよう言われる。
純平は待ってましたと喜び勇んでこの指令を受けるわけだが・・・
とにかく純平がカッコかわいい。
普段は目にすることのない裏社会の話だが、過剰にアンダーグラウンドの凄惨さを醸し過ぎず、映画のようにキメ台詞をビシッと言ったり外国かのようなアクションシーンがあるわけではなくて、そこがいい。
全編が純平にとっては日常のことでその雰囲気がよく伝わってくる。だから止めようもなく人生を転落して行こうとしているはずなのにそこに危機感は感じられない。
純平に悲壮感がないからだ。
殺人という罪の話でもあるはずなのに、道徳の教科書のように真正面からそのことを書くことはしない。
人と関わり多くを感じ純平がどう決断するのか、皆さんもぜひ一緒に見ていただきたい。 続きを読む投稿日:2014.06.16