八六丸さんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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公園で高校生達が遊ぶだけ
園生凪, トコビ / 講談社ラノベ文庫
本当に公園で高校生達が遊ぶだけ話すだけ。それがいい。
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特に事件とかは起きません。タイトルの通りそれだけ。それだけが面白い。時間経過のある短編集形式でさらさらと読めます。
かなりライト文芸的な雰囲気の作品という印象です。普段ライト文芸系のレーベルしかチェ…ックしてなくてこの作品見落としてる、この作品が凄いツボにはまる人というのがかなりいそう。
西尾維新の雑談パートが好きな人とかにもお薦めできそう。あれを普通の日常にして灰汁もかなり抜いた感じと言ってうまく伝わるかどうか。
とりあえず試し読みしてみてほしい。ReaderStoreの試し読みだとプロローグから1話の冒頭までですが、講談社ラノベ文庫の公式サイトの試し読みとかなら1話目の最後まで入っているのでそちらで。プロローグ+15話+エピローグ、全般その1話の雰囲気でさらにいい感じになっていきます。1話に琴線に触れるものがあったなら絶対に買いです。 続きを読む投稿日:2018.09.06
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悪役、はじめました
千輝紅葉, 羽鳥ぴよこ / オーバーラップ文庫
読みやすい悪役もの 重すぎず軽すぎず悪人過ぎず善人過ぎず
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主人公が悪の組織側という作品はラノベではそれだけでひとつのジャンルと言っていいぐらいあるかと思います。ヘビーでダークに振り切ったり、ギャグに徹したり、シリアスからコメディまで色々な作品がある中で、この…作品はダークではないシリアスぐらいの重さです。
タイトルに書いた通り、重すぎず軽すぎず悪人過ぎずで、そのさじ加減がドンピシャの好みでした。そうそう、このぐらいが好きなんだよという人は私の他にも結構居るはずです。ぜひ一度読んでみてください。
…個人的には冒頭のノリは少し苦手で、そこ過ぎたあたりからが好みでした。 続きを読む投稿日:2018.04.22
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絶対に働きたくないダンジョンマスターが惰眠をむさぼるまで 4
鬼影スパナ, よう太 / オーバーラップ文庫
相変わらず安定したラノベらしい面白さのラノベ【書籍説明以上のネタバレ無し】
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ネタバレ避けると1巻での感想以上のことで書けることはあまりないのですが、書籍説明にあるように主人公村長になりました。いよいよ、異世界転移・転生チート主人公定番のNAISEIっぽいパートもあります。お…約束要素は広く浅く拾っている感じですが、相変わらず引いちゃうようなやり過ぎ感は無いのが絶妙なところ(※個人の感想でありなんちゃらかんちゃら)
作中で桁違いの上位互換が居ることなど主人公すげーの度合いだけでなく、それぞれの要素に割いてる文章量の配分…いろいろな要因で成り立っているバランスだと思います。定番をうまく使いこなして娯楽作品としてのラノベに徹していて作られています。おすすめですよ。 続きを読む投稿日:2017.03.02
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俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件: 11
七月隆文, 閏月戈 / 一迅社文庫
間違って漫画版を買っていたというわけではないのでご安心ください【←以外ネタバレ無し】
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漫画で始まってますが原作小説の方ですので安心してください。私は本気で間違えて買ったかと思って、本棚まで戻して確認してしまいましたが。
さて、最終巻です。正直なところ、え?最終巻!?と思いましたし、…唐突に締めた感はありました。ただ、仮にまだ終わらせず続かせて色々とエピソードを挟んだとしても、この物語のラストは同じようにこれになるだろうなという納得のラストでもありました。好意的に見れば、逆に人間関係が動くのってこんなふうに唐突なものなのかもなと思えるレベルだったかも知れません。
内容としては唐突感を除けば最後までこの作品らしさを保っていて良い最終巻だったと思います。ここまでこの作品を読んできたファンは終幕をぜひ見届けてください。
楽しい物語ありがとうございました。 続きを読む投稿日:2016.07.30
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六畳間の侵略者!?13
健速, ポコ / HJ文庫
作者の得手不得手の両方がよく出てた巻
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宇宙人組回ですね。
既存キャラの再登場やこれまで会話の中の名前だけだった人物の初登場
いくつかの謎や伏線の回収などなど六畳間らしい展開です。
主人公やヒロイン達とのやりとり内心の描写はいい意味でラノベ…してます。
ココらへんは作者の得手部分といえいつも通りに、あるいはそれ以上に堪能できます。
ですが、不得手な部分も出てしまっているように感じました。
多少批判的になりますし、ネタバレ描写は避けますが展開にも触れるので数行空けて書きます。
今回は集団戦や政争話が出てきます。どうにもこれが…。
大きな絵図を描こうとするほどに、どうにも悪い意味でラノベ的になってしまうようです。
個人対個人の戦闘の殺陣を工夫し書くことは得意な作家さんでシリーズの魅力だと思いますが
戦闘参加人数が増えれば増えるほどにイマイチになってしまうようで、
これまでもそういう傾向がありましたがこの巻の集団戦ではそれがより強く出てしまっています。
タイマンと比べ作者が得意な戦闘中ひとりひとりの内心描写に手が回らないのもあり、
集団戦になるとモブ戦闘員は魅力的に動かしきれないのかもしれません。
また、これまでの中ボスとのバトル展開では理由付けなしに敵を謎能力制限しての
戦闘進行はあまりないのですが集団戦になると少し出てきてしまっているようです。
特に「ついに現れた恐ろしい集団としての敵」や「主人公側の意外な力に蹴散らされるだけの敵」
であるときはまだいいのですが主人公側に押され気味になった敵がさらに反撃に出てからが
主人公側に「犠牲者を出さないギリギリ」で追い詰め主人公側再逆転までの「間をもたせる」ため
敵の振る舞いがとどめの直前で中途半端になり魅力が落ちてしまっている感じがします。
「身内を守り切る主人公」であり「積極的には殺さない主人公」であることが
作劇の難易度をより上げてもいるのでしょうが。
一方で政争がらみが薄く感じるのは魅力的かつ有能な政治家を敵として描写した上で
主人公側を更に上回らせることが困難なのでしょう。
戦闘とは違い政治の話は終わっていませんから後の巻で納得の展開が?とも思いましたが
どうも16巻まで読んでいる現段階の感触としては善玉の主人公側・悪玉の敵側以上に
政治や個別の政策、思想や主義に深く踏み込むつもりは作者には無いように感じます。
伏線っぽいものも有りますからいい意味で更に裏切ってくれることを期待していますがね。
散々書いてきましたが、幾つもの伏線が回収され色々と大きく話が動くこの巻。
主人公やヒロイン達の会話や心の動き、成長、関係の変化…etcがとても魅力的なこのシリーズ。
ここまでついてきた読者なら読まないという選択はありえませんよ! 続きを読む投稿日:2014.08.29
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俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる
裕時悠示, るろお / GA文庫
ラブコメ(ハーレム)系ラノベのラブコメ要素のみを意図的に抽出した作品
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かなりいまさらながらに読みました。
ラノベを読むこと自体かなり久しぶりですが、多く読んでいた時も異能バトル系や伝奇ものが中心で
完全なハーレムものはなんとなく苦手意識があってあまり読んでいませんでした…。
この作品は0から王道ラブコメテンプレを組み合わせていって作ったというよりも、
昔の一般的なラブコメ(ハーレム)系ラノベからファンタジーやSF、ミステリーといった
ラブコメ(ハーレム)部分以外を意図的して丁寧に削ぎ落していって作られたように思えました。
それまで、ラブコメ(ハーレム)系ラノベと言われてもファンタジーやSF、ミステリーの
ギミックを排除しきることには踏み切れていなかったと思います。
ラブコメ(ハーレム)系ラノベの中には巻を重ねるごとにギミックが持て余され空気になり、
結果的に実質ラブコメ(ハーレム)要素のみになってなお成立している作品は割とあります。
(で、最終巻付近で思い出したように取り上げられてgdgd展開とかも…)
ならば、ラブコメ(ハーレム)系ラノベにもはやギミックは不要で
最初からラブコメだけで成り立つのではないか?
という実験的意図を読んでいる時に感じました。
考え過ぎかもしれませんが、あとがきを読むとそれほど的外れでも無いように思えます。
とまぁ、なんだかんだ書きましたが
「いやぁ、ラブコメって本当(ほんっとう)にいいもんですね〜」 続きを読む投稿日:2014.06.28