八六丸さんのレビュー
参考にされた数
54
このユーザーのレビュー
-
僕のヒーローアカデミア 4
堀越耕平 / 週刊少年ジャンプ
2・3巻のような命の危機はないけど強い想いをかけた熱い戦い!【具体的なバレなし】
2
よくあることではありますが、連載で追っていた時と単行本でまとめて読むとでまた少し印象が違いました。とくに、最終種目の第一試合が連載の時はあっさり目に感じられたのがちょうどいい感じに。あ、連載時が悪か…ったというわけではないですよ。念のため。
最終種目に入ってからの試合ごとの対戦描写するしないの割り切りは思い切ってるなぁと感じました。この対戦観てみたかったなぁという思いも無いではないですが、改めて単行本で読むと物語全体のテンポのためには必要な割り切りだったんだろうと感じました。単行本おまけ?の某キャラの紹介ページのコメントに「強いところをいつかしっかり描いてやりたい。」とあったので、そのキャラだけでなくみんなに見せ場が来るときを期待して待とうと思います。これまでのクラスメイトたちの活躍のさせ方を見れば無為に待つわけじゃないと思えますし。
*****
各キャラごとの色々な動機付けが掘り下げられていってるなと感じました。ネタバレを避けるとあまり具体的には書けませんが本当にキャラごとに違うものを色々持っている。事情や動機が新たに提示されたキャラもいれば、これまでにある程度会話として出ていたのが深められ肉付けされたキャラも居る。深刻そうなのもそうでなさそうなのも色々だけれど、どれが上とか下とかない感じも好きです。
*****
学校がちゃんと「教育」しようとしていることを描写してるのもいいですね。現役ヒーロー達が休憩室で中継見ながらダベってるシーンが特に象徴的に感じました。で、学校は学校として組織で「教育」に取り組んでいると同時に、教師ヒーローが個人的に導いたりツッコミ受けたり、別のが学校のやり方にダメ出ししてたり、親ヒーローが個人的になんかかんかやってたりと色々やってる。そして、それらのどれかが一方的に正しいとも間違っているともされてはいない。それぞれがそれぞれの方針で「現時点での最善」を探り探りしている。別の巻の感想にも書いたかもしれませんが、教育の「正解」をどのキャラにも持たせていないからこそ、教育機関と教育者を描けているんじゃないかと思います。(あのキャラのあのやり方はあれな感じとして描かれてますが今後どう扱われるかで変わってくるかもしれないので)
*****
体育祭なので2・3巻のような命をかけた切った張ったはありませんが、変わらずそれぞれの想いをかけた熱い戦いがありました!やっぱり面白かったです。 続きを読む投稿日:2015.06.04
-
六畳間の侵略者!?17
健速, ポコ / HJ文庫
二年目の夏休み!全編日常パート巻
2
いやぁ、アニメ終わりましたね。
アニメから入って一気に原作を読み進めた方もいらっしゃると思います。
私はアニメ化のちょっと前ぐらいからの読者ですが、
読んでいる時に頭の中で流れる登場人物の声が完全にア…ニメの声になりました。
この巻は限定版でドラマCD付きの実体本も出ていますが、
ずっとこちらで買っているので電子書籍版で買いました。
moraと組んで限定版の音源とセットの電子書籍とか無理なんでしょうかね?
まぁ無理なんでしょうけども。
さて、ルースさんが表紙ですがルースさん回というわけではなく
全部が日常パートの全員回という感じでした。
ここ何巻かはバトルの分量が増えていて
相対的に日常パートが減っていましたが、
その何巻か分を一気に補充した感があります。
今巻は前述のようにバトルは全く無いのですが、
笑いを主体に狙ってきているシーンも少なめで、
ラブコメ回というよりラブ回という印象でしょうか。
穏やかな日常パートが好きな読者は満足できると思います。
ストーリーも大きくは動きませんが主人公たちが
これまで積み重ねてきた成長の形や人間関係の変化を再確認し
その上で登場人物たちがそれぞれに考えている「自分たちのこれから」と
それに向けてのじわりとした変化を書こうとしているように感じました。
あと、いつものように伏線らしきものもところどころに差し込まれていますね。
バトルパートが好きな人には物足りないかもしれませんが
いつもお馴染みの次巻予告パートは激しいバトルを予感させるものです。
次巻以降に期待しましょう。
というわけで、じんわりと楽しめる巻でした。 続きを読む投稿日:2014.09.30
-
【下セカコラボSS付き!電子特典版】出会ってひと突きで絶頂除霊!
赤城大空, 魔太郎 / ガガガ文庫
『二度めの夏、二度と会えない君』映画化で注目の中の新作!
2
追記:下セカコラボSS面白かったので、下セカ読者なのに出てすぐSSまだついてない時に買って読んだからまだ読んでないって人はDLしなおして読もうぜ!下セカ未読の人はSS読むのは下セカ全巻読んでからの方が…いいかも?
本作は『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』(以下下セカ)のような社会風刺があるわけでもなく、ただひたすらバカエロラノベです。いい意味で。頭からっぽにして楽しむのに最適です。このタイトルで『二度めの夏、二度と会えない君』(以下ニドナツ)っぽさを期待する人もいないと思いますが、下セカっぽい風刺を期待して肩透かしされた気分になる人はいるかもしれません。風刺要素は探そうとせずただ娯楽作を読む心づもりが良いように思います。何らかの要素を風刺だと自然と感じられたなら、それはそれでその人の読み方とは思いますけど。
話の大まかな流れはラノベ読み慣れている人なら読むうちにだいたい予想できてだいたいその通りになります。予想を裏切り期待も裏切るより、捻らず予想の通りの期待に応えるエンタメを選んだ感じです。主人公が常識人で不快感のない良い奴なのでさらっと読めます。また、あらすじ通りの能力なのでエロいっちゃエロいシーンもあるんですけど、エグさはないのでそちらもさらっとしたギャグとしてのエロさでしたね。なんというか「使う用」って感じのではないです。
作者とガガガ文庫の勇者っぷりはあとがき読んだらいいと思います。タイトルにも書きましたがニドナツ映画化して色々分かったうえであえて最初に出すのがこれというのが最高にロックンロールだと思いました。この作品に風刺要素があるとしたらそこだよ。多分風刺とかじゃなく書きたいの書いただけで風刺と思われたら困るだけでしょうけど。
ともかく、この作品もたくさん売れてこれからも作者が硬軟好きなのが書ける感じであって欲しいなと思うので、さあ皆さん買った買った。 続きを読む投稿日:2018.01.11
-
異世界コンサル株式会社
ダイスケ / 幻冬舎単行本
ビジネス書としても読めるラノベがよりビジネス書な感じに。
1
面白いコンサル系異世界転移ものラノベであり、経営やビジネスのイロハのイを知れる確認できる思い出せる入門書的ビジネス書である、作品情報通り掛け値なしにビジネスライトノベルしている作品です。
私は「小説…家になろう! 」で投稿が始まった割と初期のころから読ませていただいていて、専門用語を使わずに経済やお商売の考え方を巧みに物語に落とし込んでいてビジネス書としても読めるラノベだなとは思っていましたが、書籍化にあたってここまでがっつりとビジネス書に寄せてきたのには正直意表を突かれました。
物語の加筆修正は置くとして、一番の違いはビジネス書的解説の「この節のまとめ」が章の終わりごとに付いたことでしょう。自分がなろう版を読んでいた時に本文から読み取っていたビジネス書的な面で作者の伝えたいことは、そう間違ってもいなかったらしいと答え合わせ出来た気分でした。読み取り切れてない部分もありましたけどね。また、要点になる部分がところどころ太字になっているのですが、そこもビジネス書っぽさを増しています。本当に要点を押さえていて理解のしやすさに繋がってはいるのですが、読みはじめしばらくはそこに小説・ラノベとして読む上で多少の視線の引っ掛かりを覚える方もいるかもしれません。ラノベとして面白いので読んでいるうちに慣れると思いますけれど。
そう!ラノベ、異世界転移ものとして面白いんですよ!巻末のおまけ「異世界主人公診断チャート」では、作者はこの話を「異世界苦労譚」に分類されています。ちなみにこのチャート、どっぷり愛好してる人からは異論反論付け足したいとこあるかもしれませんが、なろう系異世界転移・転生ものになじみのない方が色々あるんだな程度に知るには参考になると思います。閑話休題、なろう系は模倣・ひねり・派生からのサブジャンル化がどんどん進む事が多いですが、異世界転移・転生のサブジャンルでコンサル系と個人的に呼んでる作品群があります。この作品はその中でも群を抜いて地に足がついてて好みです。
小説・ラノベとビジネス書解説書を合わせた作品はこれまでにも色々とあり、ブームになるような話題作もありました。しかし、ここまで小説・ラノベとしての娯楽性とビジネス書解説書としての分かりやすさや妥当性を両立している作品はなかなか無いです。経営やビジネスのイロハのイだからこそ忘れちゃいけないとても重要なことがスッと入ってきますが、それは物語が面白いからこその部分がとても大きいです。
なろう版の方はこの後も物語が続いているので、書籍にも続きを期待したいです。あと、書籍で初めて知った方には変更点もあるのでなろう版も読んでみてもらいたいですね。なろう系になじみのない方には特に。 続きを読む投稿日:2017.07.14
-
絶対に働きたくないダンジョンマスターが惰眠をむさぼるまで 1
鬼影スパナ, よう太 / オーバーラップ文庫
バランスの取れた広い層のラノベ読みに薦められる「ダンジョンマスターもの」【具体的バレなし】
1
web小説の異世界転生モノの中でもジャンルのひとつといえる「ダンジョンマスターもの」です。この作品の特徴は「やりすぎ」も「やらなすぎ」もしておらず、多くの人に読みやすい「ラノベらしいラノベ」に仕上げ…ている作者のバランス感覚だと思っています。
「ダンジョンマスターもの」の作品はジャンルになるぐらい多くあるのですが、ダンジョンで殺しまくりでめっちゃエロ・グロ・ダークとか、NAISEIに目覚めてダンジョンの外で国づくりとか、ダンジョンにダンジョンらしからぬなにかがあるほのぼのとか、割りと好みが分かれたり最初からテンプレ逆手に取ってる作品が少なくないです。で、そういう作品で好きなのたくさんありますが、そういうのを「ダンジョンマスターもの」というジャンル紹介の入り口として誰にでも薦められるかは難しかなと。
そんな中でこの作品は「ダンジョンマスターもの」のテンプレを王道としてしっかり押さえながらダンジョンの仕掛けの工夫とかしつつ、チートありつつも上には上ってか遥か上が居て主人公だけが強すぎはせず、ダンジョン内で人死→ダンジョンポイントとかエグいこともやりつつ引っぱりすぎないので暗くなりすぎず、ちょいエッチな要素挟みつつも添える程度でエロすぎずと、娯楽作品に専念したさじ加減が巧みです。
ラノベ読みで「ダンジョンマスターもの」未体験の方は、このジャンルがあうかどうか、この作品で試されるのもいいのではないでしょうか。 続きを読む投稿日:2016.12.10
-
冒険者パーティーの経営を支援します!! ~異世界コンサル株式会社~
塔サカエ, ダイスケ, 弘司 / 角川コミックス・エース
異世界コンサルから異世界ベンチャーへ
1
なろう版、書籍版からの読者。コミカライズで端折られた部分もあるのでいくらかダイジェスト感はあるのですが、その分するする読めたとも。漫画で図示されることで分かりやすくなってたところもありましたし。面白か…ったです。 続きを読む
投稿日:2020.05.29