八六丸さんのレビュー
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54
このユーザーのレビュー
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背すじをピン!と~鹿高競技ダンス部へようこそ~ 2
横田卓馬 / 週刊少年ジャンプ
主人公達初試合→文化祭準備 中学生の頃の高校生活のイメージって漫画の影響あったよね【ネタバレ無し】
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試合結果とかネタバレを避けると書けることはかなり減るのですが、誰しもが持つ初○○を思い出させてくれるものでした。
おっさん視点だと懐かしさや、あるいはこんな高校生活送りたかったよといったものになり…ますが、中学生とかが読んだら高校生活というものに憧れを膨らませるのだろうなと思いました。今回は文化祭の準備風景とか部活外も含めての充実した学校生活も描かれててなおさら。友達とかのキャラクターも良い感じ。
現実と断絶しているとは思わせない、自分もきっとと思わせるさじ加減の戯画化だと感じます。バトル物とはまた別のベクトル、子どもへ少し先の将来への期待や夢を持たせる意味で「少年漫画の在り方」のひとつかもと思いました。 続きを読む投稿日:2015.12.18
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背すじをピン!と~鹿高競技ダンス部へようこそ~ 1
横田卓馬 / 週刊少年ジャンプ
それまで全くやったことがなかった新しいことを部活に入って始めたあの感じ!
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主人公は本当に普通の初心者です。実は天才とか、他競技で培った能力が花開いてとかも(連載分含めても今のところは)ありません。それだけに、初心者が新しい世界を知っていくドキドキ感や一生懸命さ、あの頃体験…した…なんというのでしょうか「部活感」というべきものが本当に出ています。
少年漫画主人公的な才能枠は先輩たちが主人公の代わりに担当している感じでしょうか。こちらもとても魅力的。二年生になる頃には主人公とヒロインの二人もそうなっているのかな?
あと、1巻では他校の生徒は数人+匂わす程度で、本格的にたくさん出てくるのは2巻以降になりますが「マイナージャンルゆえの顔見知り率&専門店遭遇率」が少年漫画特有のやたらと多い違う学校間での知り合い関係というのを自然にしている気がします。
素敵な青春モノで部活モノだと思います。超オススメです!
…次巻からは実体本と同時発売になってくれるかな? 続きを読む投稿日:2015.11.18
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10年ごしの引きニートを辞めて外出したら ①自宅ごと異世界に転移してた〈上〉
坂東太郎, 紅緒 / オーバーラップ文庫
書籍版とweb版との違いは主人公の5歳若返りと従妹JK(表紙の子)追加
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web版とはかなり大胆に変えてきてます。なろう系の書籍化にあたって、テコ入れ?で主人公が若返ったり女性キャラ追加したりはよく有ることといえばよく有ることなんですが、転移にJKひとり追加したことにより…しょっぱなでルート分岐しています。主人公30歳→25歳での変化は今のところ設定上の数字が変わっただけな感じではありますが、JKとの釣り合いも意図されてのことでしょうか?
これはこれで悪くないとは思いますし、実際web版既読者でも気にならない人は気にならないでしょうし、大きく違うからこそ書籍版を買うというweb版既読者もいらっしゃると思いますが、私の場合はweb版を知っていることで違いが気になってしまうというのが正直あります。ストーリー上の基本的な出来事やおおまかな流れは同じ部分多いのですが、作品の雰囲気…まではいかない空気感?レベルで違いが結構出てます。とはいえ、読み続けていけば慣れて、逆にそれぞれの違いを楽しむようになれるかな?あ、この作品の大きな魅力のひとつである掲示板パートのノリはまんまです。 続きを読む投稿日:2016.07.22
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下ネタという概念が存在しない退屈な世界 ○EX
赤城大空, 霜月えいと / ガガガ文庫
最低に最高なお話をこれまでありがとうございました
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書籍説明にあるようにアニメのBD特典小説6編と読者プレゼントSSSと電子合本購入特典SSSの計8編を、原作最終巻本編終了後の主人公たちが思い出として話しているという書き下ろしで繋いだ短編集です。全巻…購入してるのにSSSのためだけに合体本を買うとかせずに済みましたw
特典小説の類をまとめただけと言われればほぼその通りなのですが、書き下ろしの繋ぎで全体を思い出話に仕立てたことで「特典小説が8編」から、本編終了後の余韻を受け止めてくれる「短編集」というひとまとまりの作品になった感じがしました。また、本巻の中心となっているアニメBD特典小説はアニメ各巻時点前後の話で小説シリーズの中では序盤部分になるために、出番がないか存在を匂わす程度に留まるアニメ化範囲以降に登場したキャラクターが書き下ろし部分で登場してくれているのもうれしいですね。
特典小説未読の本作ファンの方になら普通にオススメです。ひたすら本編の頭悪いところ(良い意味で)な部分を取り出したような本作独特のあのノリを思い出させてくれる話や、それをしつつ本編のあのとき・そのとき、以外なあのキャラの背景や裏話的なものが書かれたりしている話が詰まっています。特にアニメBD6巻特典小説だった前日譚にあたる「現役JK あやめ十六歳~初体験の興奮~」は私の推しです。あと、電子合本購入特典「振り返りピロートーク」も本作のもうひとつのラストシーンとして良いものでした。
アニメ全巻や合体本買っていて特典短編本体全部既読という方に対しては絶対買うべき!とまでは言えませんが、前述のように思い出話の体でつなぐ書き下ろしパートもあるので、「円盤に比べればお高くないし本編を買ってたなら読みやすい形で手元に置いとく為に買っておいても悪くはないと思うよ」という程度には薦められる感じです。
いやー、この一冊で本当に終わった感じですが、最低に最高なお話をこれまでありがとうございましたの一言です。 続きを読む投稿日:2016.07.29
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背すじをピン!と~鹿高競技ダンス部へようこそ~ 3
横田卓馬 / 週刊少年ジャンプ
第2回「次にくるマンガ大賞」大賞第1位受賞おめでとうございます!個人的には既に来まくってますがね!
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この3巻から実体本と同時発売になりましたね。
文化祭編後半と二回目の大会参加。
トラウマやそこまでいかないまでも「ひっかかり」や「棘」の類はなんかかんかあったりします。「時間が解決してくれる」…とか「時間が一番の薬」は多くのことにあてはまったりしますが、それは単に時間経過ということだけでなく、生きていればなんやかんやあって、なんやかんやあるうちにいつの間にかというものですよね。
その絡みでは、ラブコメ要素…では明らかに言い過ぎ、青春の甘酸っぱさ…でもちょい言い過ぎな部活モノにちょうどいい味加減でさじ加減の「そういうの」もいいですね。
あと、主人公ペアの成長速度がやはり良いです。私は社交ダンスが分かるわけではありませんが、そういう人間にも「ガチ系部活の環境でちゃんと練習積んでいってる初心者の成長速度とその中での気持ち」として描かれているとマンガ表現としてしっかり伝わってきます。
賞も受賞されて、この漫画のこれからが本当に楽しみです! 続きを読む投稿日:2016.02.09
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僕のヒーローアカデミア 4
堀越耕平 / 週刊少年ジャンプ
2・3巻のような命の危機はないけど強い想いをかけた熱い戦い!【具体的なバレなし】
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よくあることではありますが、連載で追っていた時と単行本でまとめて読むとでまた少し印象が違いました。とくに、最終種目の第一試合が連載の時はあっさり目に感じられたのがちょうどいい感じに。あ、連載時が悪か…ったというわけではないですよ。念のため。
最終種目に入ってからの試合ごとの対戦描写するしないの割り切りは思い切ってるなぁと感じました。この対戦観てみたかったなぁという思いも無いではないですが、改めて単行本で読むと物語全体のテンポのためには必要な割り切りだったんだろうと感じました。単行本おまけ?の某キャラの紹介ページのコメントに「強いところをいつかしっかり描いてやりたい。」とあったので、そのキャラだけでなくみんなに見せ場が来るときを期待して待とうと思います。これまでのクラスメイトたちの活躍のさせ方を見れば無為に待つわけじゃないと思えますし。
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各キャラごとの色々な動機付けが掘り下げられていってるなと感じました。ネタバレを避けるとあまり具体的には書けませんが本当にキャラごとに違うものを色々持っている。事情や動機が新たに提示されたキャラもいれば、これまでにある程度会話として出ていたのが深められ肉付けされたキャラも居る。深刻そうなのもそうでなさそうなのも色々だけれど、どれが上とか下とかない感じも好きです。
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学校がちゃんと「教育」しようとしていることを描写してるのもいいですね。現役ヒーロー達が休憩室で中継見ながらダベってるシーンが特に象徴的に感じました。で、学校は学校として組織で「教育」に取り組んでいると同時に、教師ヒーローが個人的に導いたりツッコミ受けたり、別のが学校のやり方にダメ出ししてたり、親ヒーローが個人的になんかかんかやってたりと色々やってる。そして、それらのどれかが一方的に正しいとも間違っているともされてはいない。それぞれがそれぞれの方針で「現時点での最善」を探り探りしている。別の巻の感想にも書いたかもしれませんが、教育の「正解」をどのキャラにも持たせていないからこそ、教育機関と教育者を描けているんじゃないかと思います。(あのキャラのあのやり方はあれな感じとして描かれてますが今後どう扱われるかで変わってくるかもしれないので)
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体育祭なので2・3巻のような命をかけた切った張ったはありませんが、変わらずそれぞれの想いをかけた熱い戦いがありました!やっぱり面白かったです。 続きを読む投稿日:2015.06.04