チョッピーさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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影踏み
横山秀夫 / 祥伝社文庫
少々「薄味」でした。
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泥棒が「名探偵」の役割を演じ、且つ、主人公の主観に「他者」が入り込むという独特の設定で読ませる7つの連作短編集でした。泥棒業界?の「隠語」が沢山出てきたりする点に「らしさ」を感じつつも、全体的には少々…「薄味」で、読後の余韻のようなものは思ったよりも無かったように感じます。主人公の抱えているものの重さとそれぞれのエピソードの「謎解き」の要素が余りうまくマッチしていなかったからかも?とも思いました。 続きを読む
投稿日:2014.07.20
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海と毒薬
遠藤周作 / 角川文庫
考え続ける事こそ。
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「戦争」の中を生き、そして帰ってきた人達が普通に身近にいる時代を出発点に、その後戦時下で行われたある「実験」に関わったそれぞれの人々の「個人的」な体験をそれぞれの視点で描く事で、「戦争」の中で行われる…人間の行為の「罪」と「罰」の存在を、この「物語」を読んだ人間それぞれに考えさせる作品だった、と個人的には考えます。単純な「答え」など存在するはずもありませんが、その「答え」とは一体何なのかをひたすら考え続ける事こそ、人間が人間である事なのかも知れません。 続きを読む
投稿日:2014.07.20
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田舎の刑事の趣味とお仕事
滝田務雄 / 創元推理文庫
少々微妙のような。
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日常ミステリ?という分野があるのかは個人的には良く分かりませんが、「誰も殺されない」ミステリ短編集。とにかくキャラクターで読ませる作品で、話が進むにつれ、どたばた度が増していき、主人公のキャラも「壊れ…ていく」という少し変わったミステリ?でした。謎解き部分は意外に(失礼)凝っている作品でしたが、もう少し深みのある作品が好みではあります。 続きを読む
投稿日:2014.05.15
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福家警部補の再訪
大倉崇裕 / 創元推理文庫
スーパーウーマン?
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福家警部補の2作目。今回は余り同情できる動機を持った犯人はいなかったかな?という所と、少々後出しジャンケン的な詰めが気になりました。福家警部補のスーパーウーマン振りも少しやり過ぎのような感もあり、そろ…そろコロンボでは無いですが、彼女が本気で「怒る」ような悪そのものという犯人との対決があっても良いような気もします。3作目はどうなのでしょう? 続きを読む
投稿日:2014.05.08
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廃墟建築士
三崎亜記 / 集英社文庫
相変わらずの「読み手」を選ぶ作品
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読み手を激しく選ぶタイプ、と勝手に思っている三崎亜記さんの作品。個人的には三崎さんの描く「喪失感」のようなものに惹かれています。今回の作品にも色々な「喪失」が描かれていましたが、「動物園」の姉妹編「図…書館」が今作ではお気に入りでした。不思議な世界を体験したい方には是非読んで欲しい作家の一人です。 続きを読む
投稿日:2014.05.06
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家族ゲーム
本間洋平 / 集英社文庫
今読むのは少々・・・。
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小説の感想欄ですが、やはり森田芳光監督と松田優作コンビによる映画化された作品がベストに思えた作品です。設定だけが似通った別の作品と考えるべきなのかも知れませんが、小説としては書かれた時代からの経年変化…には現在耐えられていないのではないでしょうか。「あの」時代の空気を伝える作品ではあると思います。 続きを読む
投稿日:2014.05.06