チョッピーさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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おれのおばさん
佐川光晴 / 集英社文芸単行本
願いをこめて
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他の人から見ればどんなに破天荒な人生であっても、どんなに罪深い人生であっても、学ぶべき点は学ぶべき点として認める心と、自分も罪深く弱い人間である可能性を認める心を持つ、冷静でありながら、涙も流し、ひた…すら前向きであろうとする主人公の中学生の心の有り様に「こうありたい」と願う作者の気持ちが反映されているように思えました。心に沁みる良作です。 続きを読む
投稿日:2014.05.06
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誰もいない夜に咲く
桜木紫乃 / 角川文庫
力強い物語の数々
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ひたすら「厳しい」としか思えない世界の中で、特に女性の「生きる力」を感じる事が出来た短編集でした。他人が思うような一般的な「哀しみ」や「孤独」のような「記号」に埋もれず、ある意味「クール」で颯爽として…いすらあるそれぞれの登場人物の姿に、読み手である自分も凛としていたい、と思わせる力を持った物語だと思いました。それぞれの登場人物の気骨溢れる姿を際立たせる為の背景としての北海道という舞台も物語として素晴らしく機能していると思います。 続きを読む
投稿日:2014.08.24
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氷の闇を越えて〔新版〕
スティーブ・ハミルトン, 越前敏弥 / ハヤカワ・ミステリ文庫
読みやすい、でも浅くない。
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主人公のキャラクターに捻りが効いている点や、登場人物達の描き分けが明確で状況設定や自然描写のバランスも良く、結末のロジックも小説らしい「無理やり」感はありつつ明快で、全体的には非常に好感が持てる内容で…した。継続的なシリーズ作品の翻訳を個人的には希望したい所ですが・・・。 続きを読む
投稿日:2014.05.06
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世界を変える日に
ジェイン・ロジャーズ, 佐田千織 / ハヤカワ文庫SF
登場人物の動かなさと思い込みの激しさがちょっと・・・。
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「思春期の反抗」というテーマとも呼べないテーマをアクロバティックに描こうとした作品にも思えますが、彼女の「決断」に何の説得力も見出だせない為、プロットの無さも含め読むのが苦痛でした。『わたしを離さない…で 』を参考にした、というのはうなずけますが、『わたしを離さないで』で十分に私には思えます。 続きを読む
投稿日:2014.05.06