SEIJIさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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破門
黒川博行 / 角川文庫
会話のやり取りが面白い
9
イケイケではあるがどこか計算ずくのところのあるヤクザの桑原と
建設コンサルタントという一般業を持つ二宮のコンビ。
騙されて持ち逃げされた金を取り戻すためにあちこちと走り回るのですが
このコンビのやりと…りはもとより、騙した詐欺師というのがなかなか個性的で
詐欺師とのやり取りもすごく面白い。
大阪在住の作家ということもあって、会話の掛け合いや間合いが
文章中からも感じられます。
また実際にある地名もたくさん出るので
土地勘のある人にはさらに楽しめる作品になっています。 続きを読む投稿日:2016.12.02
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人類資金VII
福井晴敏 / 講談社文庫
待った甲斐がありました
8
人類資金6から一年以上、やっと最終巻7を読む事ができました。
ここまで何度も危機を知恵と行動力で切り抜けてきた真舟。
この作品でも次々と危機に陥りますが、
そこで忘れかけていた人物が登場してきます。
…多くの人を巻き込んでついに目的を達する事に成功する真舟達。
この最終巻ではその後の真舟や石優樹、高遠美由紀と笹倉暢人との関係
も描かれています。
真舟達の最終の目標がなんなのか、人類資金は一体どうなるのか。
”人類資金1〜7”を通して一番引き込まれる作品になっています。
普段こういった連作物の作品はどこかで読む事をやめてしまいそうで
あまり読む事がないのですが、1年以上待った甲斐がありました。
読み始めると次々に展開していき一気に最後まで読み進みたくなる
作品です。 続きを読む投稿日:2015.07.27
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ABC殺人事件
アガサ・クリスティー, 堀内静子 / クリスティー文庫
驚くような結末
7
これは凄い!
今までにもアガサ・クリスティの作品の本やDVDをいろいろ
観ていますが、この作品は秀逸です。
最後の最後まで犯人がわからず、驚くような結末を迎えます。
推理小説の見本とも言えるような名作…ですね。
続きを読む投稿日:2015.10.16
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徳川家が見た「真田丸の真実」
徳川宗英 / PHP新書
幸村が家康の親戚?
6
この本の作者がれっきとした徳川家の当主。
暴れん坊将軍・徳川吉宗が家康を真似て作った御三卿(田安、一橋、清水)
の一つ、田安徳川家の第11第当主というのだから、文章にも重みがあります。
真田幸村は何と…!家康の親戚だった!
えっ!そうだったの?ということも含めて目からウロコの話が満載です。 続きを読む投稿日:2016.04.06
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オー・ヘンリー 名作傑作選 『最後の一葉』『賢者の贈り物』『都会の敗北』『警官と讃美歌』などを収録
オー・ヘンリー / ゴマブックス
話の続き
6
『最後の一葉』『賢者の贈り物』どちらもすごく有名な作品です。
多くの人が題名を聞いたことがあると思います。
病に侵された一人の女性がベッドから外を見ると窓の向こうに壁に這う
蔦が。日、一日と少なくな…っていく葉っぱに自分の寿命を照らし合わせて
最後の一枚が落ちると自分の寿命も尽きると信じ込んでいる少女。
それを見かねた友人が年老いた画家に壁に蔦の葉を描くことを依頼します。
いつまでも落ちない最後の一枚に勇気付けられた少女は助かります。
(最後の一葉)
とても良い話です。
しかし、私はとても感動する話として、ここまでしか知りませんでした。
でも、この話にはこのあとほんの少し続きがあります。
貧しい若い夫婦がクリスマスを控えて生活をするにも困っているにも
関わらず、プレゼントを買うためにお互い自分の大事なものを
売り払ってでも愛する人のためにプレゼントを購入します。
しかし、結局それはお互いがお互いを思うあまり使うことのできない
贈り物になってしまったというハートフルかつ切ない話です。
(賢者の贈り物)
しかし、この作品もお互いの贈り物をどうしたかという
ちょっとした話の続きがあります。
どちらの作品もとても好きな話で、誰もが知っている話ですが
両作品共最後まで読むと少し印象が変わります。
話の続きを読んでみませんか。
続きを読む投稿日:2016.03.11
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ラストレシピ 麒麟の舌の記憶
田中経一 / 幻冬舎文庫
レシピに込めた想い
6
最後の食卓に、思い出のある料理を食べたい。
そんな人達に話を聞き、その料理を再現する料理人。
その料理人が受けた一件の仕事が、壮大な話に展開されます。
過去と現代が、どんどん繋がっていき、最後には
料…理が思わぬ人間関係をあらわにし、
感動のフィナーレへと繋がっていきます。
料理の作りかたを記したレシピ。
そのレシピに想いを込めた料理人。
久しぶりに感動した素晴らしい作品です。 続きを読む投稿日:2017.01.12