クラフト★ビア★マンさんのレビュー
参考にされた数
601
このユーザーのレビュー
-
七つの大罪(3)
鈴木央 / 週刊少年マガジン
仲間ってどこかに尊敬がある
9
口先やうわべではない、人が人を認める瞬間が描かれていて、ぐっときました。
ひとつ冒険を乗り越えて結束した仲間となる過程は胸が熱くなります。
アクションだけでなくて、戦いの後の宴の描写もとてもいい。
…かっこいいアクションやかわいいキャラだけでなくて、友情の描写(それも、男と男ではなく女と女の友情!)を通して、
このマンガの懐の深さを感じられる巻です(ただし1巻から読むべきです)。
おすすめ。 続きを読む投稿日:2013.10.28
-
十頁だけ読んでごらんなさい。十頁たって飽いたらこの本を捨てて下さって宜しい。
遠藤周作 / 新潮社
人のこころをつかむとは
2
この本は遠藤周作死後に見つかったエッセイだが、不思議と、現代のコミュニケーションに苦しむ人が欲しかった答えが書いてある。
人のこころをつかむとはどういうことか。
就職の面接や、仕事でのお客様との対…応、好きな異性への気持ちの伝え方など、人生のあらゆる面で遭遇する、人と人とのコミュニケーションの具体的な事例がでてくる。ずばり解決方法を提示してくれるのではないけれど、示唆に富んだアドバイスを与えてくれる。
私は、文章表現範囲でのきれいな言い回しとか、かっこつけた言い方とか、俳句の季語的な教養の話かと思って本書を手に取ったのだが、そういう発想自体が浅はかだった。
そういう、自分の中に閉じた考え自体が、「伝わらない」ことの根本であって、本当に人にこちらが言いたいことを伝えるには、「伝わらないかもしれない」恐怖を胸に秘めつつ、それでも相手に「私はあなたのことが大事だと思っている」ことを、言葉ではなく、行動で示し続けることが肝要だと説いているように私は読んだ。
ずばり言い切り型で明快な答えで書いていないことが、むしろ、
コミュニケーションの本質とは、人それぞれ、場所それぞれで、こころの持ち様くらいしか他人から教えてもらえないのだといわれているようで、その点も深みがあってとっても勉強になった。
本自体は長いものではなく、文章も軽快なのに得るものは多い。
おすすめです。 続きを読む投稿日:2013.10.07
-
マギ(18)
大高忍 / 少年サンデー
特別な人間「魔道士」と統率された個の力のぶつかり合い
0
前巻で開戦した戦争がまるまる1巻続きます。
突出した魔道士の力で戦う魔法大国マグノシュタットと、統率された個人と科学の力で戦う軍事大国レーム。それぞれの正義をぶつけ合いながら、大量の死者を出していきま…す。
互いに死力をつくし、シーソーゲームのように戦況が入れ替わるスリルは、バトルものとして純粋に面白い。
ではあるが戦争の悲惨さもにじませならが書かれるのは本作ならではといったところ。
主人公アラジンがその戦況を左右する”マギ”の力を久々に開放するのだが・・・・という展開なのですが、それだけでも終わらず、さらに先があり、非常によく練られた展開にうなります。
個人的に、アラジンが「風の谷のナウシカ」に重なりましたが、ナウシカとは違い、アラジンは特別な力をどう使っていくのか、先が気になります。
続きを読む投稿日:2013.10.02
-
マギ(17)
大高忍 / 少年サンデー
幸せな食卓が引き起こす戦争という矛盾
2
表紙の美味しそうな食事、楽しげな食卓が本巻を象徴しています。
誰もが当たり前に望むことができるはずの、幸せな食卓、美味しい食事のシーンがあるからこそ、その後の悲痛な状況に強く感情を揺さぶられ、何回読ん…でも涙が止まらなくなります。
さらに発展して行く愛があるが故の開戦…と、それぞれの正義とその背景を丹念に書きながら進んでいく物語には、どこかに軸足を置いて読むことを許さず、大人でも唸ってしまう骨太な歴史や文化の衝突を見て取らざるを得ません。
それにしてもマグノシュタット校長の聖と濁の描写は、よく少年誌でこの魔道士と非魔道士の差別という重いテーマを正面から捉えたなぁ、と衝撃を受けました。差別主義の悪魔のような側面と、心優しい父親のような側面が凝縮されていて、好きになっていいのか判断に迷います。 続きを読む投稿日:2013.10.01
-
七つの大罪(1)
鈴木央 / 週刊少年マガジン
ここ数年で読んだ少年漫画で1位か2位
12
少年漫画の持つみずみずしさとわかりやすさ、勢いのある絵、キャラクター、心奪われる演出。
もうやりつくされたと思っていた少年バトルマンガのパターンを踏まえつつ、軽やかに超えつづける(といってもまだ数巻だ…けど)七つの大罪。
某マンガに絵が似てるといった批判も聞くがそんなことはお構いなしに、作画のすばらしさに感動してしまった。
第1話の主人公を探して逃げてきた姫様エリザベスが追い込まれていく見開きのシーンの構図は、少年マンガの魅力が詰まっていて、作者のマンガ家としての腕にやられます。
ストーリーもめちゃくちゃなようで伏線や強さのインフレを計算しながら進んでいる感じで、安心して長く楽しめそう。
次第に魅力を増していくキャラクターたちには目が離せず、特に昭和のエッチなマンガのノリを地で行く(主人公にセクハラされても笑顔で流す)エリザベスがかわいい。
今後も楽しみなマンガです。
個人的に表紙のデザインとロゴのデザインが今のマンガに見えない(15年くらいまえのマンガだと最初は思った・・・)ので星は4つで(笑) 続きを読む投稿日:2013.09.25