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  • 韓国徴兵、オレの912日 兵役体験をコミカルに綴る赤裸々ノンフィクション!

    韓国徴兵、オレの912日 兵役体験をコミカルに綴る赤裸々ノンフィクション!

    チュチュンヨン,中山茂大,水野あきら

    impress QuickBooks

    初年兵教育をユーモアで語ってる

    一人前の兵士を育てるには、こんな風に人間の尊厳を取りあげなくてはダメなのか。我が父もその一員だったため話を聞いたり、その後自分で本を読んだりして知った大日本帝国陸軍という立派な名前のおぞましい初年兵教育とどこが違うのか。どんな風に進歩しているのか。その辺を知れたら、と思ったのだが。悲惨な話を悲惨には書いていないので、途中投げ出すこともなくあっという間に読んでしまった。

    2
    投稿日: 2014.10.22
  • 日の名残り

    日の名残り

    カズオ・イシグロ,土屋政雄

    早川書房

    読んでよかった

    映画は見ていない。しかし、読んでいる最中の主人公の執事と女中頭のイメージは、映画の二人。この映画は見ていなくても、他の映画で見た二人がピッタリはまる。イギリスの執事とは何か。どうあったのか。才気煥発で仕事もそつない女中頭。激情をつい皮肉や無愛想や無視という態度に変えてしまう女性から慕われていることをそこはかと察しながらも職務遂行にプライオリティを置く執事。人生の夕暮れ時に、そのような生き方しかできなかった「執事」を思ってくれていたことをはっきり知る。自分の雇い主への尊敬と品格ある執事という職務へのプライドの結果、今後の人生はひとりであることを選びとった。その過程が丁寧に納得できるようつづられている。1973年~74年イギリスに1年滞在。執事がいるような方とはお知り合いにならなかったが「さもありなん」と思われる人間関係。土屋氏の翻訳も読みやすかった。

    6
    投稿日: 2014.10.22
  • 慟哭 小説・林郁夫裁判

    慟哭 小説・林郁夫裁判

    佐木隆三

    講談社文庫

    死刑でなく終身刑

    地下鉄サリン事件から20年。なぜ、優秀な心臓外科医がオウムになど?『慟哭』を読んでその理由の一端が納得できた。自分が手を染めてしまった犯罪を、完全にマインドコントロールが解けた今、語らねばとの思いがよく伝わってきた。佐木隆三氏の文章も読みやすく、ほとんど一気に読み終えた。

    2
    投稿日: 2014.09.08