かんけつさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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アジャストメント ディック短篇傑作選
フィリップ K ディック, 大森 望 / ハヤカワ文庫SF
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農協月へ行く
筒井康隆 / 角川文庫
筒井康隆らしさたっぷり
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「日本以外全部沈没」は今こんな先品を書く作家がいるかな、と今更ながら感心した。「沢井長庵」の悪漢ぶりもすごいし。表題作はどこかで読んだ記憶があるが、金造は「すすめパイレーツ」のオーナーだな。後の作品へ…の影響もたいしたもの。 続きを読む
投稿日:2018.12.08
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老人と宇宙
ジョン スコルジー, 内田 昌之 / ハヤカワ文庫SF
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聖なる侵入〔新訳版〕
フィリップ・K・ディック, 山形浩生 / ハヤカワ文庫SF
「ヴァリス」に続いて新訳版だが・・・
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サンリオSF文庫版を初めて読んだ時は「聖なる侵入」の方がずっと分かりやすく思ったが、新訳版ではむしろ印象が逆転した。
初めて読んだ時や「ヴァリス」に比べても神学談義が煩わしく感じて、訳は読みやすいのだ…が読み進むのに苦労した。聖書や宗教関連文書からの引用が多いのだが、引用を使っての話の展開がどうにもなじめないのだった。
それと、「ヴァリス」に比べると「聖なる侵入」の方は覚えている内容は極めて少なかった。「ヴァリス」の内容はある程度覚えていて、読み進むにつれて内容の記憶も蘇ってきたものだが、こちらはほとんど思い出せず。その意味では初読に極めて近かった。
処女解任して神性を地球圏に密輸入するため危篤症状にされているユダヤ教徒の女性ライビスなんて全然覚えてなかった。処女マリアの妊娠線云々のいかにも話のネタになりそうな話くらいは覚えていても良さそうなのに。
移民星から地球へ侵入を図る話と10年後の話が平行して描写されるくらいで構成がややこしいというわけでもない。そう考えると、ディックの神学かぶれの分身ファットの書いた小説という解釈は非常に納得できる。
それにしても、かつては神を外宇宙へ追放したはずの悪魔ベリアルの扱い随分と粗略である。あっさりハッピーエンドすぎるので、実はそう思わせない夢オチだったのかもしれないな。 続きを読む投稿日:2016.02.07
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恐怖
筒井康隆 / 文春文庫
「恐怖」だからってホラーではなく
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文化人が狙われる連続殺人事件。ホラーではまったくない。題名が”恐怖”だから、ホラーだと思うのはあまりに安直すぎる思い込み。
恐怖におののき半狂乱になっていく文化人・村田の姿が笑いを誘う。それも恐怖が過…ぎて笑うしかないというのではなく、被害妄想かと思われるほどびびりすぎな姿が笑える。
大変読みやすい。記録を見ると4時間くらいで読み終わっていて、私にしては早い。 続きを読む投稿日:2015.09.22
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作画汗まみれ 改訂最新版
大塚康生 / 文春ジブリ文庫
高解像度な端末で読もう
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読み終わったのは随分前で、手持ちのPRS-T2で読んだ。しかし、だいぶ内容を忘れているのでレビューを書くに当たってPCのブラウザで開いてみると、挿絵や写真の見栄えが随分違う。カラーもあるし。ウェブブラ…ウザで読み直すと随分印象が違うのではないかという気がする。
それにしても大塚さんの15歳頃のスケッチの描写の細かさには驚かされる。絵の上手い人の観察力は並大抵ではない。
宮崎・高畑監督の同志である大塚さんの書いたこの本、アニメージュ連載時に部分的に読んでいたが、電子書籍化をきっかけにはじめて通して読んだ。
「ルパン三世」とか子供心に強烈な印象を受けた作品も彼らが作り出したもの。
そんな日本のアニメーションの歴史を作ってきた職人アニメーターの歩みが描かれた良書。 続きを読む投稿日:2015.09.22