Reader Store
かんけつさんのレビュー
いいね!された数18
  • 老人と宇宙

    老人と宇宙

    ジョン スコルジー,内田 昌之

    ハヤカワ文庫SF

    高齢者の宇宙戦争

    75歳以上で編成された、意識を新たな身体にムーヴされた兵士たち。随所に作者らしいユーモアが散りばめられてるが、まだ押さえ気味かな。

    0
    投稿日: 2019.04.06
  • 農協月へ行く

    農協月へ行く

    筒井康隆

    角川文庫

    筒井康隆らしさたっぷり

    「日本以外全部沈没」は今こんな先品を書く作家がいるかな、と今更ながら感心した。「沢井長庵」の悪漢ぶりもすごいし。表題作はどこかで読んだ記憶があるが、金造は「すすめパイレーツ」のオーナーだな。後の作品への影響もたいしたもの。

    0
    投稿日: 2018.12.08
  • アジャストメント ディック短篇傑作選

    アジャストメント ディック短篇傑作選

    フィリップ K ディック,大森 望

    ハヤカワ文庫SF

    ディックらしい短編集

    本邦初訳作品意外、エッセイ含めてすべて既読なのが残念だ。内容も覚えてたのが多かったし。

    0
    投稿日: 2018.03.21
  • 有限と微小のパン THE PERFECT OUTSIDER

    有限と微小のパン THE PERFECT OUTSIDER

    森博嗣

    講談社文庫

    真賀田四季、天才との物語

    「すべてがFになる」以来の、真賀田四季四季の天才ぶりがまたしても物語の動かす。彼女の行動を理解できるのは犀川先生くらいなのか。 作中のVRの描写はPSVRなどが商品化された今読むと、技術の進歩を実感。まだ商用としては追いついていない部分があるけど、当時はVRゴーグルだけが2500万円くらいと想定されてたのか。 ユーロパークなるテーマパークの装飾がヒントかな。

    0
    投稿日: 2018.01.08
  • 今はもうない SWITCH BACK

    今はもうない SWITCH BACK

    森博嗣

    講談社文庫

    犯人?の動機は結局理解できず

    他人の心理がそう簡単に分かれば苦労はしないので、本作も動機は想像するしかない。 それはともかく、本作は主人公笹木の一人称で語られているだけに、叙述トリックじゃなかろうか、語りを信じていいのやら・・・と迷わされつつ読んだ。 たまたま最近読んだイーガン「白熱光」の奇数章と偶数章の読書経験があったので、犀川先生の登場する章と笹木一人称の章の関係は予感があったな。

    0
    投稿日: 2017.12.23
  • 夏のレプリカ REPLACEABLE SUMMER

    夏のレプリカ REPLACEABLE SUMMER

    森博嗣

    講談社文庫

    誘拐犯の仲間割れと思われたが

    本作はこれまでと大いに変わっていて、西之園萌絵の親友吐萌が主人公視点。前作「幻惑の死と使徒」の偶数章であり、前作の奇数章で萌絵と分かれた後に吐萌が体験した誘拐・殺人事件の謎解き話。 犀川先生も出番は少なく、萌絵も謎こそ解くものの大活躍とまでは行かないのである。 読み終わって、トリックは全然違うのだが某作品を連想したが、ネタバレになるかもしれないので黙っておく。

    0
    投稿日: 2017.12.17
  • 詩的私的ジャック JACK THE POETICAL PRIVATE

    詩的私的ジャック JACK THE POETICAL PRIVATE

    森博嗣

    講談社文庫

    連続殺人の動機は理解不能

    動機が理解不能なのが難点だが、犯人の描写が多いわけでもないので、読む方はますます理解が難しい。これは倒叙ミステリにして犯人の心理描写するしかないかも。犯人は当たったが、アリバイ崩せず確証を持てなかったなあ。

    0
    投稿日: 2017.12.01
  • あなたの人生の物語

    あなたの人生の物語

    テッド・チャン,浅倉久志

    ハヤカワ文庫SF

    多様な表現と優れた発想の合体

    映画「メッセージ」公開ということで積ん読状態だったこの本を読んでみた。想像以上によかった。コミュニケーション、言語がテーマの話が多いが、数学、物理の小説化としても感心。「オロモルフ号の冒険」を思い出したり。表現作は映画を見た後読み返して更に感動が深まった。

    0
    投稿日: 2017.06.03
  • バナナ剥きには最適の日々

    バナナ剥きには最適の日々

    円城塔

    ハヤカワ文庫JA

    平易な文章でも超難解

    「屍者の帝国」「Self-Reference ENGINE」に続く三冊目の円城塔。 ほとんど訳が分からず頭の中に?がいっぱい。最後まで読んで漸く分からないけれど面白いのかもしれないという心境に。解読翻訳してくれる人がいりそう。

    0
    投稿日: 2016.07.01
  • 宇宙の眼

    宇宙の眼

    フィリップ・K・ディック,中田耕治

    ハヤカワ文庫SF

    ようやく読めた「宇宙の眼」

    ディック初期の佳作と評価は高かったものの、ハヤカワSF文庫になかなか収録されなかったせいで、私にとっては長いこと幻の作品だった。70年代後半から本格SFを読み始めた貧しい学生にハードカバーの世界SF全集とか高すぎた。そんなわけでサンリオSF文庫の「虚空の眼」が出たときは嬉しかったものである。 両方読む前の想像だとブラウン「発狂した宇宙」的パラレルワールドものを想像していたのだが、ベバトロン陽子ビームなるものの謎な作用で事故に巻き込まれた人の精神が、意識を保った一人の精神世界に巻き込まれて恐怖体験するという物語。インナースペースものだった。過去に与えた影響は小さくなかったろうが、今となっては目新しさはないかも。とはいえ、ディックらしさはもちろんたっぷり。宇宙の眼は聖四文字で表されるえらそーな神様の眼のこと。神様との接近遭遇体験とか、世界からものが消えていく下りあたりとか、ほとんどギャグでチープでホラーである。

    0
    投稿日: 2016.06.11