
ガガガ文庫 電子特別合本 人類は衰退しました
田中ロミオ,戸部淑
ガガガ文庫
妖精さんの地球。そして…。
『わたし』と妖精さんの物語です。祖父の所長と無口な助手さん。そして中盤から出番を増すYとK。妖精さんが引き起こす楽しいトラブル。童話災害ですか。いや、結構なお菓子の登場具合なことです。国連の国際公務員である調停官の『わたし』は妖精さんに君臨したり、近未来都市を探索したり、過去の文化であるMANGAを再興したり、もうやることに際限がありません。挙句、宇宙…。『わたし』は夢を見る大事さに気がついたのでしょうか。きっと最終巻での妖精さんたちに願った願いが正しいのでしょう。どこかドキッとさせるような作品でした。星5つ。
1投稿日: 2015.07.06かのこちゃんとマドレーヌ夫人
万城目学
角川文庫
私は猫又である。
猫主観は夏目漱石の吾輩は猫であるを思わせます。また、猫と犬と人間が織りなす物語は短いけれどぐっとくる作品です。自由と愛ある束縛を選ぶとしたら。人間の言葉が猫に通じているとしたら。犬と猫が言葉を交わすことができるとしたら。そんな猫をめぐるファンタジー。マドレーヌ夫人はどこに旅立ってしまうのでしょうか。それとも居残ってしまうのでしょうか。自由も愛ある束縛もどちらも代えがたいものです。小品ですが、いい作品です。
1投稿日: 2015.07.05ドラゴンフリート戦記 神眼の英雄提督
富永浩史,コニシ
HJ文庫
敵強いなー。
神聖帝国。もう名前だけで神聖です。強力な海賊たちと、竜と、錬金術の粋を集めた人型兵器をもってしても苦戦します。ですが、主人公の知略っぽい何かのおかげで大勝利です。まあ面白いですよ。海賊ものはいい。浪漫ですね。
1投稿日: 2015.07.05空戦魔導士候補生の教官1
諸星悠,甘味みきひろ(アクアプラス)
富士見ファンタジア文庫
空戦魔道士は教官にかなわない。
教官は無敵で配下の舞台は寄せ集めです。エンダーのゲームを思いだしました。なんとなく教官の無理筋な要求に、トラウマっぽいものを克服していく展開です。教官つえーなー。まあ、あれです。Fランクから始まってSランクを目指してそして実戦で敵の怪物たちをめったざしに切り刻む展開があればいいなあと思います。敵は知性を持っているらしいので、エンダーのゲームのような展開が起こればなあとか思います。星5つ。
1投稿日: 2015.07.03英雄教室
新木伸,森沢晴行
ダッシュエックス文庫DIGITAL
元勇者強し。
魔王と相打ちになって勇者の力を失った男が主人公です。魔剣。人造勇者。人型ドラゴン。どれもファンタジーものにありげなのですが、うまい具合に料理されていて読ませます。主人公が無敵に近いので、なんでもありです。まあ、読めばわかります。面白いです。
2投稿日: 2015.07.02偽勇者クエスト とある村人の覚醒
久遠くおん,電柱棒
HJ文庫
愛は胸!
愛と生命の神の力は胸に宿っているらしいです。はい。まあ、展開は早いし、ライトノベル的な要素を詰め込んであります、読めないわけではない? か? 偽勇者ですから、まあ、あまり強くはありません。胸重視なので敵の親玉も悪人っぽいところでとどまっています。まあ、あれです。時間があれば読むのも悪くないかも。
1投稿日: 2015.07.02道徳という名の少年
桜庭一樹
角川文庫
道徳…。
道徳的ですね。全くもって正気の作品です。読むと疲れます。後半に掲載されているインタビューを読むと、物を書く人たちの会話の断片はスタイリッシュっぽいなあと感じました。人間は死にますし、人類も滅びます。地球最後という感覚はなんとなく分かりますが、だからどうだという気もします。インタビューの方が長い印象を受けてしまいます。ですが、まあ、星は5つです。読み終われば達成感があります。全くもって正気の作品でした。
3投稿日: 2015.07.01【合本版】いつも心に剣を 全5巻
十文字青,kaya8
MF文庫J
二人の異端者と神と悪魔の舞踏に関する物語
レーレとユユという血のつながりのない兄弟と、魔女と魔女狩りたちの物語。黒幕のハイジロ君、おしい。あと一歩で新世界の神になれたのに…。魔女は秘儀と悪魔に堕した神々と契約を結び、指輪を媒介にサイオンによって僻地に追放された異形のものたちを率いて人類に敵対します。設定が面白く読ませてくれます。ただ残念なのはユユの魅力がよく分からないところにあるような…。後半部では人の弱さを抉り出すような展開が続きます。戦いはきれいごとでは無いらしい描写が続いていくのに最後の終わり方はなんだかいい話っぽくなっていて以外でした。面白いですよ。
2投稿日: 2015.06.30夢をつなぐ 宇宙飛行士・山崎直子の四〇八八日
山崎直子
角川文庫
宇宙飛行士という非日常の日常
スペースシャトルの爆発を記憶する少女時代から始まって、すごい経歴とともにそれでも宇宙飛行士の認定試験に挑む著者の決断力に脱帽します。そして訓練と正式な宇宙飛行士としての任務。家族の何気ない支えと、周囲の人のサポートを賞する謙虚さ。やはり、成功する人はどこか違うものを持っているのでしょう。遺書を書き、決意し、その決意と訓練によりトラブルにも打ち勝つ人間の極限の力に感じ入ります。
2投稿日: 2015.06.29星の王子さま
サン=テグジュペリ,管啓次郎
角川文庫
本当に大切なことは目に見えない。
昔、読んだのですが、再読したかったので購入しました。王子の星と薔薇の話、めぐってきた星々の話、王様、自惚れや、酔っ払い、そして星を数えてその所有を宣言し銀行に証書を預けるビジネスマン。そして墜落した飛行機のりとの間のやり取り。澄んでいる物語は胸を打ちます。王子、故郷へ帰郷できたらいいですね。名作です。
1投稿日: 2015.06.28