konohaさんのレビュー
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このユーザーのレビュー
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空中ブランコ
奥田英朗 / 文春文庫
笑っちゃう
1
精神科医・伊良部を主人公とした連作短編小説。
伊良部はカウンセリングを受けようと思って来た患者に、「話をしただけで治るわけない」と言ってしまうのだから、まともな医者ではない。注射が好きで、患者にはとり…あえず注射するのだが、看護師マユミが注射するのを興奮しながらじっと見ているのである。子どもがそのまま大きくなったような人間で、空中ブランコ乗りが患者としてやってくれば、自分も空中ブランコをやりたいと言って実際にやってしまったり・・・
まったく笑っちゃうような話ばかりで、おもしろい。
第131回直木賞受賞作というのも驚き。直木賞は大衆小説を対象とした文学賞だからいいのか。 続きを読む投稿日:2014.07.04
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3001年終局への旅
アーサー・C・クラーク, 伊藤典夫 / ハヤカワ文庫SF
シリーズ最終作
4
シリーズ完結編というよりは最終作というべきか。(タイトルはファイナル・オデッセイとなっているものの、このさらに続編というのもあり得たストーリーである。)
ここでは「2001年宇宙の旅」でコンピューター…HAL9000の反乱により死亡し(たと思われ)、宇宙空間を漂っていったフランク・プールが発見され、蘇生するところから始まる。
フランク・プールを主人公にして、1000年後の世界が真実味を持って描かれる。
そして、今作では、かつてモノリスを地球に設置した存在が問題となる。
かつて人類を進化に導いた存在は、その成果(つまり地球人類)をどう評価するのか?
2001年以降の続編を読んできたら、これも読まずにいられないでしょう。 続きを読む投稿日:2014.02.01
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2061年宇宙の旅
アーサー・C・クラーク, 山高昭 / ハヤカワ文庫SF
シリーズ3作目
1
前2作と比べると読後の印象が希薄だったのは否めない。このさらに続編の「3001年」のほうが印象に残った。
さて、今作では老いてなお元気なヘイウッド・フロイドがユニバース号で再接近したハレー彗星へ向かう…一方、孫のクリスの搭乗するギャラクシー号が禁断の星エウロパに向かい、そして事件が起きるのだが・・・
お馴染みのモノリスにボーマン、そしてハル・・・ラストはなかなか興味深いです。 続きを読む投稿日:2013.12.05
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2010年宇宙の旅〔新版〕
アーサー・C・クラーク, 伊藤典夫 / ハヤカワ文庫SF
期待を裏切らない「2001年」の続編
4
「2001年宇宙の旅」の映画の印象があまりにも強烈なので、続編はどうか? と思う人もいるかもしれないが、小説版の「2001年宇宙の旅」が良かったと思う人なら、決して期待を裏切らない内容だと思う。
「2…001年宇宙の旅」から進化・発展した壮大なストーリーです。 続きを読む投稿日:2013.11.16
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ミレニアム2 火と戯れる女(上・下合本版)
スティーグ・ラーソン, ヘレンハルメ美穂, 山田美明 / 早川書房
リスベット、かっこよすぎます!
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「ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女」でミカエルが雇った調査員リスベット・サランデルが主役になって再登場する。
義務教育を修了しておらず、無能力者として後見人が付けられているが、その実、優秀な調査員…であり、ハッカーであるリスベット。強烈な個性の持ち主だが、非常に謎の多い女性であるリスベットの秘められた過去が明らかにされる。
たった一人で世界を相手に戦おうとするリスベットが実にかっこいい。
まったく、「ミレニアム2」におけるリスベットには完全にまいってしまった。
そして、終盤における衝撃の展開には「え~~~っ! そんな~~~っ!?」
これはスゴイ! 続きを読む投稿日:2013.11.09
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風が強く吹いている
三浦しをん / 新潮社
市民ランナーから見ると
1
私自身市民ランナーなので、興味深く読みました。
たった10人、しかも多くは陸上未経験者で箱根駅伝に出るなんて、絶対に無理。こんな短期間にこんなに走れるようになるわけない・・・
そんなことは経験者でなく…ともわかることですが、そんな理屈は抜きにして、楽しめる小説でした。
走るのが好きな人にも、好きでない人にも勧められる本です。 続きを読む投稿日:2013.11.09