レビューネーム未設定さんのレビュー
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131
このユーザーのレビュー
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俺物語!! 1
アルコ, 河原和音 / 別冊マーガレット
シュールギャグ…ではない。
3
ついに買ってしまった。少女マンガにしてはあまりに異色な表紙に興味を惹かれてはいたのだけど…
おもしろい。
主人公の親友もヒロインも美男美女なのに、主人公はごついおっさんのようで、しかし同じ画面におさま…っていてもなぜか違和感がなくてすごい。
シュールギャグかと思いきや(その要素ももちろんあるけれど)正統派の少女マンガ。主人公の人柄が良すぎて、普通に素敵なヒーローのように思えてくるから不思議。
恋愛描写が潔いから、かゆくならずに読めた。すごいなあ。 続きを読む投稿日:2013.12.28
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Landreaall: 1【イラスト特典付】
おがきちか / Comic ZERO-SUM
どこまでも遠く広がっていくような…
2
ハリーポッターみたいなファンタジーが好きな人には向かないかもしれない。
いわゆるファンタジーと聞いて想像するような剣と魔法の世界とはちょっと違う、ゆる~いファンタジー。
竜がいて、魔法(のようなもの)…もあって、剣ももちろん使うけれど、注目すべきはそれらのアイテムを
生かすこの世界独特の法則。
主人公は強いけれど万能ではないし、言葉では語られないこの世界の「当たり前」の中で生きていることが
感じられる。ひもを手繰っていくように少しづつストーリーが展開していくので、ミステリーやSFが好きな人には
おすすめかも。
4巻からは突然学園ものになって一瞬驚いたけれど、彼らの生きている世界の一面ということで受け入れ
られるようになったし、最初はあんまり好きじゃなかったキャラクターもストーリーが進むにつれてその
人間性がわかってきて好きになってしまう。
おまけもおもしろいよ! 電子書籍版だとカバー裏が収録されないのが残念…。 続きを読む投稿日:2013.09.26
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モノレールねこ
加納朋子 / 文春文庫
ザリガニのくせに……!
2
めちゃくちゃいい作品なのにこれまで何故かレビューが書けなかったので、やっと書き込み画面ができて小躍りしながらのレビュー。みんなに読んでほしい。
もとより加納朋子は連作短編の名手だけど、この短さでこれほ…ど心に残るストーリーはちょっとないんじゃないかと思う。
日常に潜む小さなミステリ、そこにまつわる人々の温かさはいつもの通り秀逸だけど、本作はそこに生と死がからんでくる。とはいってもありきたりなお涙頂戴ではなくて、どこかとぼけた登場人物達が心に抱えた悲しみや優しさが迫ってくるようで、どの短編も思わず涙をこぼさずにはいられなかった。
中でも最高傑作なのが「バルタン最期の日」。
主人公であるザリガニの視点から彼の飼い主である少年とその家族の姿が描かれる。人間とザリガニという種族の壁、水槽のガラスという物理的な壁に隔てられたバルタンが家族を眺めているうちに次第に彼らに情愛を抱き始める、淡い紐帯と家族のためにバルタンが最後に見せる漢気がたまらない。
何度読み返してもバルタンが格好良すぎて拳を握ってしまう。ザリガニのくせに! 続きを読む投稿日:2014.12.22
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ハーモニー
伊藤計劃 / 早川書房
これはすごい。
2
「虐殺器官」の時にはさしてすごいとも感じなかったけれど、これはすごい。どこからこんなアイディアが生まれてきたのか。
全体的に無機質な感じの漂う作品で、所々に挿入されるHTMLのような謎のコード。まさか…それがあんな仕掛けになっているとは。
登場人物の名前が独特で最初ちょっととっつきにくかったけど、読み進めていくと、この世界の異質さを表すのにちょうどいいアイテムのように思えた。
ライトノベル風味のグレッグ・イーガンって感じ。
確かフィリップ・K・ディック賞を受賞してたと思ったけど…伊達じゃない。早世したのが惜しまれる。 続きを読む投稿日:2013.10.11
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王様の仕立て屋~サルト・フィニート~ 1
大河原遁 / スーパージャンプ
題材が渋い
2
弱冠の天才職人がスーツで人生のお悩みを解決しちゃうよ、的なストーリー。
でも主人公礼賛になっているわけじゃなく、浪花節のような台詞回しや、金よりやりがい的な職人気質が渋くて粋を感じさせる。
スーツは着…ないのだけれど、読めば読むほど味わい深く知識も増える。
野球のルールはわからないけれど面白く読める野球漫画の紳士服バージョン、みたいな。
話が進むごとに登場人物もどんどん増えていって、その人間関係もまた面白い。 続きを読む投稿日:2013.10.19
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ちはやふる(22)
末次由紀 / BE・LOVE
思わず叫んだラスト!
2
また良い所で続くなあ! と思わず叫んでしまった。
素晴らしくドキドキして、残りページ数をにらみながら読み進めた。楽しくて読み終わるのがもったいなくて仕方がなかった。
大舞台に立つ主役と、彼ら彼女らを支…える人々の思いがそれぞれあって、誰を贔屓にしていいやら迷ってしまう。
そしてどシリアスな場面をことごとく壊していく周防名人の笑いの才能がツボ。
早く続きが読みたい! 続きを読む投稿日:2014.03.27