bandeapartさんのレビュー
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漫画 君たちはどう生きるか
吉野源三郎, 羽賀翔一 / マガジンハウス
少年の葛藤に学ぶ
5
1937年に新潮社から出版されて以来、多くの人に読み継がれてきたという本書。既に岩波版を読んでいたものの、「マンガ」の表紙は新鮮で再び手にしました。
主人公の少年は学校生活を通じて直面するいじめ・格…差といった問題を前に、悩みます。その悩みを叔父が真摯に受け止め、2人で答えを探す。物語りはこの形式で進みます。
少年がある時ふと思い至った「人間は分子」のエピソードから、叔父は敬意を込め少年にコペルニクスの「コペル君」というあだ名をつけました。
答えを導く役目の叔父自身もそうであったように、真っ直ぐに生きようとしてもがく少年の思考から、大人も学ぶことが多い本だと思います。 続きを読む投稿日:2017.10.21
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死ぬほど読書
丹羽宇一郎 / 幻冬舎新書
死ぬほど読書のススメ
3
”本は、人間力を磨くための栄養だ”
読書の価値が下がりつつある現代。
そんな時流に真っ向から立ち向かうのが本書。
読書することで得られる教養、
いわゆる「無知の知」や「相手の立場に立っ…てものごとを考えられる力」の大切さを全編にわたり説き続けます。
例えば「無駄な読書なんてない」と著者は語りますが、
その具体例として、学生時代に大人たちに後ろ指をさされつつも
「ガロ」や「官能小説」に夢中になった自身の思い出を引き合いにしています。
伊藤忠商事前会長と地位や名誉のある方が、
自分の読書体験を素直に告白する姿勢に共感しました。
「傍から見れば雑草のような本でも、興味があればどんどん読んでいけばいい」
まさに“死ぬほど読書”のススメです。 続きを読む投稿日:2017.09.02
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宝くじで1億円当たった人の末路
鈴木信行 / 日経BP
末路
1
タイトルの「末路」という言葉、結末とは言わず“末路”と表現した所に本書の思いは込められています。
人生で何かを選択する時、
それによって得られる結末を我々はその時点で知り得ません。
「選…択」は、自分が望む望まないに関わらず何度も現れます。まさに“ぼんやりとした不安”を抱きながらまだ見ぬ未来を選ばなければいけないのです。
本書では「宝くじで1億円てにいれた人」「キラキラネームの人」「ワイシャツの下に何を着れば良いか悩んでる人」など20以上の例を挙げて、選択の末路を提示しています。そのまま鵜呑みにする、懐疑的になるかは読者の判断するところですが、多くの選択を見られるのはありがたいです。
個人的には「体の硬い人」「バックパッカーを続けた人」の末路が興味深かったです。ストレッチしないと。軽めの読書に最適です。
続きを読む投稿日:2017.06.28
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バカは最強の法則~まんがでわかる「ウシジマくん×ホリエモン」負けない働き方~
堀江貴文, 真鍋昌平, 松本勇祐 / 小学館
ホリエモンのエピグラム
1
『ウシジマくんvs.ホリエモン 人生はカネじゃない!』の内容を、マンガを用いてより解りやすく表現している。
①お金=信用、お金を稼ぐには信用を稼がなければいけない。
②信用を勝ち取るにはgiv…e、give、give、ただし八方美人であってはいけない。人間関係の断捨離が必要。
③バカになれ、がむしゃらに行動しろ。
ストレートもストレートな言葉の連発、言いたいことのムダをそぎおとし、エピグラムの如くシンプルに言動するホリエモン。マンガになってもさすが、キャラにブレがない。
続きを読む投稿日:2017.07.31
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人工知能はどのようにして 「名人」を超えたのか?―――最強の将棋AIポナンザの開発者が教える機械学習・深層学習・強化学習の本質
山本一成 / ダイヤモンド社
人間からの卒業
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AI棋士ソフト「ポナンザ」が現役最強のひとりである佐藤天彦名人を電王戦で破る、それも圧倒的に、という映像を多くの人が衝撃をもって目撃した。
本作は著者自ら開発したAIポナンザが、
機械学習とい…う人間の介さない学習方式をとり
人間の積み重ねた知性の歴史を猛烈なスピードで抜き去っていく様子を記している。
人間は人間の知性を超える存在とどのように共存していくのか。
SFであれば恐ろしい未来を提示されかねない展開であるものの、
本書で書かれている将棋や囲碁のプロたちは思いの外現状を好意的に、
そして飽くなき探求心の向かう道として捉えていた。
29連勝の藤井聡太四段もAI対戦を積極的に取り入れているという。
AIは確実に人間を卒業し、私たちに前人未到の「超知能」を見せてくれるだろう。
しかし今はさらに、“人間も人間を卒業する”チャンスが訪れている。
本書はAIだけでなく人間の未来についても興味深く読むことができる良書だと思う。 続きを読む投稿日:2017.07.03
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まんがでわかる 地頭力を鍛える
細谷功, 星井博文, 汐田まくら / 東洋経済新報社
仕事のとらえ方を見直す良い機会に
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仕事に取り組む際、「良い仕事にしようと考え混んで時間ばかりかかってしまった」というような経験、多くの人がしていると思います。仕事はやはり自信をもって人前に出したいし、少しでも精度を上げたいと思うもの。…ただし、限られた時間の中で成果を求められる時代ではビジネスマンが「良い仕事」にばかり囚われるのはかえってマイナスとなりかねません。
本書にあるようにそもそも会社の仕事は「ひとりで100点をめざす」のではなく、多くのメンバーが個々の能力を発揮し「200点、300点をめざす」もの。学校のテストでも、芸術家の仕事でもありません。分かってはいるけど、陥りやすい罠に対して気づきの多い本です。マンガは理解が促進するので、更におススメです。 続きを読む投稿日:2017.10.22