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JumbleSoulさんのレビュー
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  • それから(漱石コレクション)

    それから(漱石コレクション)

    夏目漱石

    集英社文庫

    それから

    金持ちの親の脛を噛じって生活している息子が、好きだった親友の人妻に告る話。何度も出てくる古臭い結婚観を読まされるのには退屈。最後まで堂々としてりゃいいのに、結構小心者だったという結末も何だかなという感じ。

    0
    投稿日: 2015.04.01
  • 夕ばえ作戦

    夕ばえ作戦

    光瀬龍

    角川文庫

    夕ばえ作戦

    1974年にNHK少年ドラマ・シリーズでドラマ化された名作。ドラマの主演は「ずうとるび」ブレイク直前の山田と今村。筒井康隆原作の「タイムトラベラー」に比べ、主人公が男子なので恋愛要素が薄い分こちらが好き。相手は中学生なのに風魔忍者が弱すぎる気もするが、やはり面白い。今のキャストでドラマ化して欲しい作品。

    2
    投稿日: 2015.03.14
  • 世に棲む日日(四)

    世に棲む日日(四)

    司馬遼太郎

    文春文庫

    世に棲む日日(四)

    前半の下関クーデターもいいが、中盤からの晋作とおうのの逃避行、終盤の晋作の最後が感動的。師匠であった松陰と晋作を対比する箇所を読むと、主人公を途中でチェンジした作者の意図が良く分かる。

    0
    投稿日: 2015.03.14
  • 雪国

    雪国

    川端康成

    角川文庫

    雪国

    「悲しいほど美しい声であった。高い響きのまま夜の雪から木霊して来そうだった。」 冒頭のあまりにも有名な「トンネル~」よりも二人のヒロインの一人、葉子が登場するこのシーンが鮮烈な印象で心に残る。「悲しいほど美しい声」とは、どんな声なのだろうかと読了するまで想像してしまう。 一気に書き上げられた長編ではなく、小出しで色々な雑誌に掲載し完成するのに13年かかったらしく時系列が時々変になるが、お話よりも新潟県の温泉町の情景と美しい日本語を楽しむ作品。

    0
    投稿日: 2015.02.01
  • 世に棲む日日(三)

    世に棲む日日(三)

    司馬遼太郎

    文春文庫

    世に棲む日日(三)

    高杉晋作が騎兵隊を結成し、長州征伐により九州に脱出する激動の時期を描く。中盤から重要人物である井上聞多が登場。高杉以上にエキサイティングな人物で、魅力溢れるキャラクターが好き。終盤から登場する山県有朋の今後の活躍も楽しみである。

    0
    投稿日: 2015.01.23
  • 野火

    野火

    大岡昇平

    新潮社

    野火

    戦争の悲惨さを伝える文学は沢山あるが、敗戦国側の一兵士の目から見たこの作品は国産では最高傑作だろう。 戦艦大和やゼロ戦にビルマの竪琴などの物語が甘い夢物語だと、戦争を経験していない自分にも理解できる気がする。 ちなみに市川崑監督が映画化した傑作は原作と結末は違っている。

    2
    投稿日: 2015.01.18
  • 瞬きよりも速く 〔新装版〕

    瞬きよりも速く 〔新装版〕

    レイ・ブラッドベリ,伊藤典夫,村上博基,風間賢二

    ハヤカワ文庫SF

    瞬きよりも速く

    ブラッドベリの大人のための極上のファンタジーを堪能できる宝箱のような一冊。生まれながらのダンサーの話「バッグ」、図書館ファンタジー「交歓」、映画好きのための「またこのざまだ」の三作が心に残った。

    2
    投稿日: 2015.01.07
  • 世に棲む日日(二)

    世に棲む日日(二)

    司馬遼太郎

    文春文庫

    世に棲む日日(二)

    前半は吉田松陰が主人公。松下村塾での久坂玄瑞達とのエピソードを、もう少し読みたかった気も。松陰が刑死されてからは高杉晋作が後を継ぐ。上海視察から脱藩するまでだが、この作品が偉人伝ではなく幕末のルポのような構成なので、松陰も晋作も英雄というよりは、時代の寵児としての生き様を客観的に描かれている。

    0
    投稿日: 2015.01.07
  • 世に棲む日日(一)

    世に棲む日日(一)

    司馬遼太郎

    文春文庫

    世に棲む日日(一)

    桂小五郎や高杉晋作が武の腕も兼ねていたのに比べ、学一筋のガリベン侍だった吉田松陰の青春時代を描く。第一巻は脱藩してまで行った東北旅行、佐久間象山への師事、黒船来航まで。これと思ったら良く考える前に行動する人物だったらしく、外見は侍にしては女性的だったらしい。お滝という松陰の母親が実にユニークな人物として描かれている。

    0
    投稿日: 2015.01.07
  • 酔って候

    酔って候

    司馬遼太郎

    文春文庫

    酔って候

    幕末の藩主達を主人公にした短編集。呑兵衛殿様の山内容堂(土佐藩)、どちらかと言うとバカ殿様の島津久光(薩摩藩 )、マニアックな武器ヲタ殿様の鍋島閑臾(肥前藩)と、キャラの濃い藩主達の物語は面白い。人格者だったらしい伊達宗城(伊予宇和島藩)編のみ、軍艦のエンジニアを命ぜられた町人が主人公で、頭の古い侍達に苦しめられるが苦難が実を結ぶ結末が爽やか。

    3
    投稿日: 2015.01.07