wingfootさんのレビュー
参考にされた数
93
このユーザーのレビュー
-
女子高生、リフトオフ!
野尻抱介 / ハヤカワ文庫JA
軽くて小さいんだからしょうがない
3
ロケットで1Kgのものを打ち上げるには大変なコストがかかる。
それは例えばはやぶさがあれだけ苦労してダイエットしていることからもうかがうことができる。
だったら、軽くて小さい女の子(かわいければなおよ…し)をパイロットにすればいいじゃん。というのは、なかなか説得力がある。スキンタイト宇宙服も、理由があってセクシーになっちゃったんだからしょうがない。
このように、それなりに設定に理由付けがされているのがこの本のいいところ。それと、ところどころに入る技術者たちの熱い思いにグッとさせられるのも、この作者の上手いところだと思う。
気軽に読めるので、酔った帰りに電車で読むのにも最適な一冊。
電子書籍になってくれて感謝。 続きを読む投稿日:2015.04.08
-
ドキュメント 宇宙飛行士選抜試験
大鐘良一, 小原健右 / 光文社新書
ありのままの自分のレベルが高い
0
内容については他のレビュワーの方に譲りますが、この本は簡単に言うと宇宙飛行士への就職採用試験のドキュメンタリーとなっています。
この本に出てくる受験者はそれぞれその道のスペシャリストばかりですが、そん…な彼らでも厳しい状況に追い込まれてしまいます。そんなとき、彼らは「ありのままの自分」を出すことを心がけ、そして問題を解決してゆきます。
この本では受験者のバックグラウンドについても取材がされており、彼らがそれまでにどのような経験を積んできたかを知ることができます。つまり、彼らの「ありのままの自分」のレベルがとても高いことがわかります。
就職試験ではありのままを出すのが良いといわれるそうですが、それをハイレベルなものとするには、やはり日ごろの修練が必要だということです。老婆心ながら、もし就職活動の学生さんが読まれる場合、参考にはしてもそれが付け焼刃とならないようにしてください。この本の受験者のようになるには、社会に出てから十分に経験を積めばよいのですから。日々精進です。
続きを読む投稿日:2014.10.03
-
宇宙の戦士
ロバート・A・ハインライン, 矢野徹 / ハヤカワ文庫SF
ガンダムのモデルっていうけど、イラストだけでしょ
14
小学校の頃から、かれこれ30年近く読んでる本。今持ってるのはたぶん4冊目くらい。
年齢や立場が変わるにつれて、好きな部分が変わっていきます。
小学校のころはもちろんパワードスーツの出てくるシーン。
大…学生や社会人になりたてのころはジョニーの新兵訓練のシーン。
子供ができた最近では、デュボア先生の講義のシーンが好きです。
特に仔犬の飼い方から青少年の道徳についてのパート(185ページから)が気に入っています。
かなり過激ですが、子育て論みたいなことが書かれています。
昨今の体罰問題と絡めて、考えさせられてしまいます。
とっかかりは表紙のパワードスーツでしたが、人間としての成長や、現代社会がかかえる社会的な問題も提起している、良書だと思っています。
20150716更新
文庫本が崩壊したため、電子版を購入。
キャンプ・キュリーがキャンプ・カリーになっているなど、少し引っかかるところがありますが、なんといっても挿絵がないのが痛い。電子版を購入されるかたはインターネット等で挿絵を探してもらい、イマジネーションの補完をする必要があるかと。ちなみに、外国語版のパワードスーツの挿絵も探されると、面白いかもしれません。
それと、本文とは関係ありませんが、巻末の戦争云々に関する討論がなくなっているのも
残念です。
また昨今のギリシャ問題や我が国の安保法案に起因する一連の国民の反応を見るにつけ、本書の世界では退役軍人にのみ与えられる「参政権」について考えてしまいました。なかなか面白い主張を見ることができます。
20160708更新
新訳版もでたんですね。試し読みしてみましたが、ちょっとマイルドになってしまった気が。
やはり軍曹には汚くののしられたいものです。また、こちらの旧版ではパワードスーツのことを「最新流行服(ファンシースーツ)」と表現していた部分があるのですが、新訳版ではなくなっていたのが個人的にはなぜかとても残念でした。
いちど、原書を読んでみるのもいいかな。 続きを読む投稿日:2013.11.12