話が進むにつれて、色々な伏線がどんどん回収されていくのが見物です。途中びっくりするようなシーン(苦手な人にとっては地雷かも?)もあるのですが、私は最後まで読み進めて良かったと思えました。

乱歩作品が醸し出すような昭和の耽美な雰囲気のある作品です。正義感のある元少年探偵の小林が、「怪人」と思しき男に魅入られていき、戸惑いを感じている様子がとても良いです。

「彼」の全てを受け入れると決めた小林の言葉で、いつもは不敵そうな「彼」の底にある不安定な部分が救われたと思うと、本当に良かったです。

いつもは小生意気な遠藤が体を張って大活躍してくれた回でした!途中、小林がモブレされてる!?と戸惑いますが、最後まで読んでホッとしました。

速水だった時の記憶を失くした「怪人」の中に、それでも速水を求めてしまう小林の気持ちが切ないです。

速水の記憶が無いとわかっているのに、小林の身体は速水を求めてしまうのが切ないです。

これまで語り部的な立ち位置にいた小林の意外な過去が判明し、ますます面白い展開になってきました。

速水の死亡を知り、速水との思い出を回想して泣きむせぶ小林の様子が切ないです。この回の終盤では、速水は本当に死んだのか?という疑問が湧き上がってくるので、先がますます気になります。

小林と速水氏がようやく両想いの関係になった途端、謎の男須原によって、新たな事実(？)が明らかになり、大変ドラマチックな回でした。

普段は余裕そうな態度なのに、今回初めて明智に嫉妬する速水氏が見られて、速水氏が小林に心惹かれていることがうかがえて、恋愛面でも盛り上がってきました。