「自傷的自己愛」の精神分析
斎藤環(著者)
/角川新書
作品情報
「自分には生きている価値がない」「ブサイクだから異性にモテない」。極端な言葉で、自分を傷つける人が増えている。「自分が嫌い」をこじらせてしまった人たちの、自傷行為のように見える言動。その深層心理にひきこもり専門医である精神科医が迫る。誰にでも何歳からでも起こり、一度おちいると出られない、徹底的な自己否定。「ダメな自分」の思い込みを見つめ直し、健全な自己愛を取り戻す方法を探る。
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商品情報
- シリーズ
- 「自傷的自己愛」の精神分析
- 著者
- 斎藤環
- 出版社
- KADOKAWA
- 掲載誌・レーベル
- 角川新書
- 書籍発売日
- 2022.12.09
- Reader Store発売日
- 2022.12.09
- ファイルサイズ
- 1.7MB
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この作品のレビュー
平均 4.2 (15件のレビュー)
-
「自傷的自己愛」は自分のこと全てにおいて全く自信が持てない人で、かつ自分がダメな人間だということに絶対の自信を持っている人。
なんか矛盾しているようで的を射てる…
著者も同様のことを書かれているが、…自分がもし現代の学校生活を送らなければならないとしたら、スクールカーストの最下層になる自信がある(汗続きを読む投稿日:2023.01.20
大学の先生が書かれた本ということで拝読。
自分の導き出した生き方は間違ってなかったんだなと思えた。皆もっと自分大好きになっていいんだよ。自分の主観が世界の全てなんだから、勝手に生きやすくしていいんだよ…。人生の目標は自分が幸せであることだからね。
✏こういう場合の「正解」は、いわゆる「アイ・メッセージ」、「あなたが自分を責めたい気持ちはわかったけれど、私は同意はできないよ」と言うことです。
✏繰り返しますが彼らは、「自分がダメであることに関しては、誰よりも自信がある」ので、その自信までも否定され傷つけられたくないのです。こういった人々は、自己愛が弱いのではなく、むしろ自己愛が強いのではないか。つまりこれらの発言は、自己愛の発露としての自傷行為なのではないか。その根拠の一つとして、彼らが自分自身について、あるいは自分が周囲からどう思われるかについて、いつも考え続けているということが挙げられます。
✏この社会には成熟によって避けられる苦痛がたくさんあるとは考えています。
✏コフートによれば、自己愛の発達のもっとも望ましい条件は、青年期や成人期を通じて自己を支持してくれる対象が持続することです。特に青年期には、たとえ一人でも、無条件で支持してくれる人の存在が重要です。
✏自傷的自己愛の一番わかりやすい構造は、この「高いプライドと低い自信」というギャップです
✏万能感はその本質からして開かれた幻想なので修正機会がありますが、無力感は徹底して閉じた幻想なので、修正がきわめて難しい。つまり自傷的自己愛は、徹底して閉じているという点で、もっとも完結した自己愛と考えることもできます。
✏別にキャラいじりをされたわけでもいじめられたわけでもないのですが、「そう思われているだろうな」という思い込みだけで、その経験はトラウマ化するようです。
✏「同一化」とは、簡単に言えば、母親が娘に「自分の人生の生き直し」を求めることです
✏健康な自己愛こそは親が子に与えうる最上のプレゼントではないかとすら思います。ここで私が「親」というのは、「子どもの身近にいる人」という意味なので、必ずしも母親であるとか肉親を意味するわけではありません。いかなる家庭環境でも健康な自己愛を与えることができますし、あえて言えば「コスパ」も最高です。成人してから自傷的自己愛の修復にかかるコストを考えるなら、健康な自己愛を育む価値はいくら強調してもしたりないほどです。
✏ 母との関係に問題があると気付いた娘が、こうした母娘関係から自立するには、どうしたらいいのでしょうか。先述の著書で私が提案した解決策は、第一に「問題の存在に気付くこと」でした。私がほとんど極論のように「すべての母は毒母であり、すべての母娘関係は支配関係である」と主張しているのは、かなりどぎつい表現を用いないと、当事者にこの問題に気付いてもらえない、という危機感があるからです。
✏問題の存在に気づいたら…
①母親の権威を相対化する。母親は娘のあなたにとって特別な存在だけど、その前に一人の不完全な人間であることを理解する。結婚前の話を聞くのもおすすめ。
②両親の前で一回全部吐き出す。親の何が嫌だったか繰り返し語っていく。繰り返し口に出すことで思いが緩和され関係が修復されることがある。
✏最も高度に達成された自己愛は透明化する、という考え方もあります。経済的にも養育的にも恵まれた環境の中で育った人の中には、そういう人がいます。自己愛の最も健全で望ましい形は、それが空気のように透明化することかもしれません。もはやいちいち「自分が好き」とすら思わないほど、安定した自意識の基盤になってしまうわけです。
✏それに比べれば、常に「自分大好き」の人は、いくぶん不安定のように思います。常に内省的に自己愛を確認している人は、わずかな傷つきにも動揺しやすい。その意味で「自分が好き」であることが誰の目にもわかりやすい人は、その自己愛も案外盤石ではないのかもしれません。
✏対話でなされているのは基本的に「主観と主観の交換」です。対話の相手がどんな主観の世界に住んでいるか教えてもらうわけです。その世界がどんなにおかしなもので、間違ってるように思えたとしても、いったんは受け入れます。反論や説得、批判はタブーです。
✏もし社会がひきこもる自由を容認してくれたら、ひきこもりへの偏見は減少し、自分自身への偏見故にひきこもりをこじらせる人も減るでしょう。その意味で、ひきこもりの容認こそが、ひきこもり対策の究極の解とも考えられます。続きを読む投稿日:2024.04.22
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