中国経済の謎―なぜバブルは弾けないのか?
トーマス・オーリック(著)
,藤原朝子(著)
/ダイヤモンド社
作品情報
“最強の隣国”を正しく恐れよ――。嫌中的な風潮には閉口しつつも、中国および中国共産党への驚異を日々感じている「良識派」に贈る最良の中国経済入門。ブルームバーグのアジア・チーフエコノミスト、WSJ北京支局特派員を歴任した著者が10年間の取材と分析をもとに記す、世界一の資本主義国家の強さの秘密とは?
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商品情報
- シリーズ
- 中国経済の謎―なぜバブルは弾けないのか?
- 著者
- トーマス・オーリック, 藤原朝子
- 出版社
- ダイヤモンド社
- 書籍発売日
- 2022.03.29
- Reader Store発売日
- 2022.03.30
- ファイルサイズ
- 4.2MB
- ページ数
- 336ページ
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この作品のレビュー
平均 3.9 (9件のレビュー)
-
中国がもつ強みを理解する
なぜバブルが弾けないのか?
いやそもそも、瀬戸際に追い込まれるほどの危機があったのか?
直近では2015年がそうだった。
人民元の下落と莫大な資本逃避が重なり、株価は暴落し、中国経済は一巻の終わ…りと思われた。
崩壊論者が小躍りして喜びそうな現実、市場のメルトダウンは実はこの時起こっている。
それでもなぜ最悪の結果が回避されたのかと言えば、まだ株式市場が個人投資家にとっても、企業にとっても、限定的な役割しか果たしていなかったためだ。
ただ、こうした運の要素を別にすれば、鄧小平の改革開放以来続く歴史は危機の連続だった。
危機が起こるたびに中国崩壊論が繰り返し唱えられたが、どれも現実にならなかった。
1989年のソ連崩壊時には共産党体制も続いて瓦解すると思われたし、1992年のアジア通貨危機時には、非効率な国有企業の命は長くないと思われた。
2001年のWTO加盟時には国内に失業者が大量に生まれると思われたし、経済が発展すれば中間層が台頭して、一党独裁体制は終わりを告げると思われた。
2008年の世界金融危機の時には、これで中国の輸出は崩壊して、体制を揺るがす危機の引き金になると思われた。
しかし、これらすべては杞憂に終わった。
こうした崩壊論が悉く外れてきた要因として著者は、「中国を外から見ると透明性が低いことと、見る者が感情的であることが、正確で偏見のない評価を難しくしている」と指摘しているが、一番の要因は中国の政策当局者の力を侮り、過小評価してきたことにある。
端的に言って政策当局者が、一党独裁国家ならではの強引で野蛮なほどの力技と、西側の想像を凌駕するほどの独創性と柔軟性を持ち合わせていることを、識者の多くが見誤っていた。
地方政府が持つ莫大な借金を、建設会社に肩代わりさせるなど、本来は会計上あり得ない奇策なのだが、実に有効だった。
中国経済で最も多くの債務を抱えていたのは、重工業、不動産業、地方政府だったが、これらの債務整理の方法は、見事と言うしかない。
重工会社の過剰な生産能力は有無を言わさずバッサリと閉鎖し、住宅の供給過剰により下落した不動産価格は、スラム一掃、強制立ち退き、住み替えの推進によって、過剰在庫を吸収させる。
この野心的なスラム整備は、老朽化した建物の取り壊しと、不動産在庫の削減という一石二鳥の取り組みとなった。
「地方政府はスラム住宅を一掃し、住民に補償金を払って立ち退かせ、その土地の所有権を獲得する。スラム住民は補償金で新しいマンションを買う。これにより住宅の過剰在庫が吸収され、不動産デベロッパーの利益を押し上げる。利益は増えたし、さらに需要拡大が予想されるから、不動産デベロッパーは地元政府からもっと土地を購入する。地方政府は土地収入で借金を返済し、すべてが丸く収まる」
ゴーストタウンから空室ゼロヘ、不動産の供給過剰は政策当局にとって悩みの種だったが、地方都市はこれにより息を吹き返す。
中国は、こうしたサプライサイド改革とデレバレッジ(過剰債務の削減)・キャンペーンによって、借金の増幅を抑え、経済を再膨張させることに成功した。
面白いのは、西側のサプライサイド改革とは対照的に、中国のサプライサイド改革は、経済の効率を高めなかったこと。
むしろ、「経済活動の多くの側面に、政府が強引に首を突っ込むことにより、ほぼ確実に経済を非効率的にした」のだ。
これにより、中国経済の問題を完全に解決したわけではないが、手続きや法令を無視して、政策を急転換することを厭わない姿勢は、これまでのところ図に当たっている。続きを読む投稿日:2022.08.05
-
「中国が失敗することにかけるのは、中国がいかに問題を解決するのがうまいかを無視する行為だ。中国がこれまでチャンスを見出したりチャンスを掴んだりすることに成功してきた。事実も無視している。」315ページ…
ということです。結論は。はぁそうですか。まぁそうだよね、という他ない。
超要約するとこういうことかしら。
中国は問題を解決するのがうまいので失敗しない。中国はこれまでチャンスを見出し、掴んできた。だからバブルは弾けない。
続きを読む投稿日:2024.03.09
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