幕府軍艦「回天」始末
吉村昭(著)
/文春文庫
作品情報
歴史に秘められた事実を掘り起こした傑作長篇。
明治二年三月二十五日の夜明け。
宮古湾に碇泊している新政府軍の艦隊を
旧幕府軍の軍艦「回天」が襲った――。
箱館に立てこもった榎本武揚、土方歳三らは、次第に追い詰められていく状況を打開しようと、新鋭艦・開陽丸なきあと二番手の軍艦だった「回天」を使い、大胆な奇襲に賭けたのだった。
奇襲には成功したが、外輪船で小回りが利かない「回天」は、新政府艦隊に包囲されて集中砲撃を浴びる――。
一切作者の主観的視点は入れ込まず、事実のみをたどり、「回天」の運命を追いながら、初めて海上から箱館戦争が描かれた。
後に書かれる『天狗争乱』につながる、隠れた名作。
薩摩藩領宝島において、外国の捕鯨船員と島の警備の日本人との間の、小規模ながら戦闘がおこなわれた様子を描く「牛」を併録。
解説・森 史朗
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商品情報
- シリーズ
- 幕府軍艦「回天」始末
- 著者
- 吉村昭
- ジャンル
- 教養 - 戦記(ノンフィクション)
- 出版社
- 文藝春秋
- 掲載誌・レーベル
- 文春文庫
- 書籍発売日
- 2022.03.08
- Reader Store発売日
- 2022.03.08
- ファイルサイズ
- 0.5MB
- ページ数
- 208ページ
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この作品のレビュー
平均 3.6 (7件のレビュー)
-
吉村昭らしい細かい資料収集に基づく軍艦回天の最後。土方歳三とかも居るのにその最期にすら触れないとは流石としか言えません。新撰組には期待せず、幕末~明治の海戦や青森・岩手沿岸に興味のある方にオススメです…!続きを読む
投稿日:2022.04.11
戊辰戦争において、北海道で新政府軍と戦いを続けた榎本武揚の旧幕府軍。彼らの主力というか強みは海軍にあり、その中の一隻が表題にある「回天」。始末とあるのは、榎本海軍の始末ですね回天一隻の話ではなく。その…回天の一世一代の見せ場が「宮古湾海戦」。
海軍主力だったはずの「開陽」が箱館攻略中に座礁沈没してしまったのが、ケチのつきはじめという気がします。そして、戦争している以上仕方がないとはいえ、無謀な出航が多かったようにも感じました。榎本海軍の作戦行動において、十全とは言わないまでも、全うしたのは回天だけなような気もしてしまう。天地人のうち、天を味方につけられなかった。これでしょうか。
「甲鉄」が新政府軍にある、ということもあり、北海道に引きこもっているだけでは勝利することはできない、という戦略的理由もあっての奇襲作戦「宮古湾海戦」。
これが成功していたら戊辰戦争はどうなっていたのか、を考えてみるも、ただずるずると内戦が長引いていただけで、何もなさなかったのではないかと思うのだけど、どうでしょうね。外国からの応援もなかっただろうしなぁ。フランス武官が帯同していとはいうものの、勝手に乗り込んでいるだけで、命令違反のようなものだったらしいですし。
エンタメの点で見ると、魅力的ではありますが。覆面奇襲、接舷のち抜刀突撃、というのはね。
エンタメとして、戦争に参加した武士、軍人の記録を描くのでなく、地元の人々との関わりを記録しているのが、読んでいて新鮮です。
妓楼での金払いゆえの人気の有無や、戦後の影響など取材あっての描写。まだ、記録出なくて記憶が残っているから、できたことでしょう。「和宮様御留」でも感じましたが、歴史上の出来事が、記憶として触れることができるのは幸福だと思います。後世に残してゆくための資料として。
表題と「牛」の2編が収録されている本作。
「牛」は薩摩藩領・宝島において外国船との接触を描いた短編。異国船打払令のきっかけになったという事件だそうです。おそらく、このような長崎の事件や各地の事件が重なってのことなんでしょう。
まあ、いきなり訪れて攻撃略奪となれば、撃退すべし、となるのはわからないでもない。言葉のわからない中、なんとか交渉しようとする様は臨場感と必死さがありました。続きを読む投稿日:2023.12.06
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