シマエナガちゃん
小原玲(著)
/講談社
作品情報
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
90年代の「アザラシの赤ちゃん」ブームの仕掛人・動物写真家の小原玲氏が、北海道で暮らす体長14cmほどの小さな鳥、真っ白“もふもふ”のルックスで人気のシマエナガを撮り下ろし!写真集の中では、小原氏がこれまでに撮影した冬のかわいらしい姿を中心に、春の子育て、そして貴重な「巣立ち」シーンなど、成長の様子を追いかけています。他に、「♪鳥くんのシマエナガ講座」と「シマエナガQ&A」も収録。
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商品情報
- シリーズ
- もっとシマエナガちゃん
- 著者
- 小原玲
- 出版社
- 講談社
- 書籍発売日
- 2016.11.01
- Reader Store発売日
- 2017.11.10
- ファイルサイズ
- 45.9MB
- ページ数
- 96ページ
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この作品のレビュー
平均 4.3 (17件のレビュー)
-
エナガ団子可愛過ぎ。
写真集だよ。何時もながら動物の決定的瞬間をカメラに撮るのには頭が下がるね。エナガは2秒とじっとしてない鳥らしいので普通のアップだけでも難しそう。兎に角可愛らしいよ。
投稿日:2021.06.23
-
シマエナガとは、北海道に暮らすエナガの亜種で、名前の通り(柄長)、その長い尾が特徴的なのだが、改めて、羽をふくらませ、モフモフと丸っこい可愛らしい体にさせる、北海道の冬に感謝したい。
本書の扉絵…の、つぶらな瞳でこちらを真っ直ぐにジッと見つめてくるシマエナガちゃん。
そんなに見つめられると照れるのですが・・・。
本書は、その寒い冬から始まり、冬の終わる頃には、つがいとなって、巣を作り子育てをし、やがては巣立っていく様子までを収めた、ストーリー性も充分に感じられる内容は勿論だが、なんといっても特筆すべきは、小原玲さんの写真家としての思いや拘りを感じさせる、シマエナガちゃんの貴重なベストショットである。
雪の上をぶらぶらと気ままに歩き出すシマエナガちゃん。
時には物憂げに下を向き、雪を見つめるシマエナガちゃん。
その光を通して、シルクのような肌触りの良い柔らかくて光沢のある毛を実感出来る、シマエナガちゃんのアップ。
羽を広げて飛んでいる時は、たちまち優雅に様変わりするシマエナガちゃん。
そして鉄板は、表紙の小首を傾げたシマエナガちゃん。
やはり、可愛すぎるよね・・・。
また、可愛いだけではない、シマエナガちゃんの魅力として、木の枝に仲良く佇むつがいの後ろ姿や、桜と一緒になると切なさも感じさせる姿に加えて、白かった毛が少しずつ黒く汚れていくのは、それだけ子育てに忙しく動いている、子どもへの愛情の証でもある点に、改めて、シマエナガも同じ世界で必死に生きているのだなと感じられ、中でも、天敵のハイタカが巣に襲来したときは肝をつぶしたが、これが奇跡的にも小原さんのおかげで助かったのかもしれず、こんな点には、写真撮影を通していながらも、人間と鳥の温かい共存共栄の姿を見たようにも思われて、ハッとさせられる。
そして、私が何よりも感銘を受けたのは、小原玲さんが貴重な写真を撮ることが出来た裏には、彼の、シマエナガちゃんの生活に対する誠心誠意の配慮があったことであり、それはシマエナガの習性を知ることや、タイミングをずっと待ち続ける根気は勿論、他のバードウォッチャーやカメラマンへの注意喚起を優しくされている様子からも、感じさせるものがあった。
その中でも、特に印象的だったのが、人間が巣の近くで観察を続けることで、カラスやカケスなど、シマエナガの天敵に巣の場所を教えてしまう危険性があることから、小原さんは、ブラインドに隠したカメラから、HDMIケーブルで映像信号を離れたところに停めた車まで送って、モニターを見ながらリモートコントロールで撮影したそうで、それが後半で見られた、最初は上手に飛べなくても頑張って飛ぶ練習を繰り返す、感動的なヒナの撮影にも繋がったのだろうなと思わせるものがあって、そこには、小原さんのシマエナガへの愛の賜物が、確かにあるような気がした。
小原さんのシマエナガ撮影のきっかけは、皮肉にも、暖冬で27年間続けていたアザラシの赤ちゃんの取材が出来なくなったことだったのだが、それでも、初めて写真を見たときの第一印象、「アザラシの赤ちゃんみたいじゃないか」により、それならばシマエナガを撮ろうということになって始めたら、思わず「シマエナガちゃん」と呼んでしまう、それほど表情も仕草も可愛らしい小鳥と感じてくれたのだから、これはこれで良かったのであろう。
それから『おわりに』の、寝そべっている小原さんの隣で一緒に腹這いになっているアザラシの写真の可愛さも印象的だが、何よりも小原さんを全く警戒していないアザラシの姿には胸に迫るものがあり、改めて小原さんの撮影するものからは、生き物への愛から感じさせる共存性の素晴らしさを実感させられたのが、私にとって、本書を読んで最も良かったと思えたことなのかもしれない。
本書というか、久しぶりにシマエナガの写真集を読むきっかけを与えてくれた、かなさんに感謝を。ありがとうございます。続きを読む投稿日:2024.01.16
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