コンテンツの秘密 ぼくがジブリで考えたこと
川上量生(著)
/NHK出版
作品情報
ジブリ哲学がいま初めて明かされる。
メディア界の若きリーダー、初の新書!
クリエイティブとはなにか?
オリジナリティとはなにか?
コンテンツの情報量とはなんのことか?
宮崎駿や高畑勲、庵野秀明など、トップクリエイターたちはどのようにコンテンツをつくりあげているのか?
コンテンツの情報量の仕組み、マンネリを避ける方法、「高そうに見せる」手法など、ヒットコンテンツの背景にある発想のありかたを鋭く読み解く。
ジブリ見習いプロデューサーにしてメディア界の若きリーダー、初のコンテンツ論!
[内容]
第1章 コンテンツの情報量とはなにか?
第2章 クリエイターはなにをアウトプットしているのか?
第3章 コンテンツのパターンとはなにか?
第4章 オリジナリティとはなにか?
※電子版では一部の図版がカラー図版になっています。
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この作品のレビュー
平均 3.9 (44件のレビュー)
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新幹線のお供にいいかなと思い、コンパクトなこの本を持っていったのだが、1ページも読まずに、座席前のネットのところにメガネケースと一緒に忘れてしまった、、、
後日、JR東海に問い合わせ、宅急便で送って…もらったのだが、メガネケースを忘れていなければ、送ってもらわなくていいです、と断っていたであろうこの本を、そこそこの宅配料を払ってまで手元に戻ってきたのも何かの縁なのだろう、ということで読み始めることに。
なんとなく自慢話を聞かされるような気がしていたのだが、まったくそういうものではなく、もっと早く読んでおきたかった、と後悔しながら読んでいた。
面白いコンテンツ、それらを作る人たち、そして天才とは?
そんな根源的な疑問を、気取らず知ったかぶらず、真摯に分析していく過程を含めての考察だったので、わかりやすかった。
そして、著者の疑問を投げかける相手が、鈴木敏夫や宮崎駿、高畑勲、庵野秀明、宮崎吾朗、西村義明などなど、錚々たる人たちなので、返ってくる答えも面白いものばかりだった。
アニメーションが軸で、その過去と現在、そして未来。そこに、実写映画やピクサーなどの3DCGアニメーションとの横軸も絡めつつのコンテンツ論。続きを読む投稿日:2024.03.22
川上さんだからジブリ側も許可したんだろうな、と感じた。ガチガチの理詰め人間が場の空気読むことなくクリエイターを質問攻めにして煙たがられる光景が目に浮かぶ。その質問の切り込み方がクリエイターとして絶望的…にセンスないんだけど、2年間ジブリの現場に滞在して咀嚼した後の言葉がうまいと言うか、説得力ある落とし込みになっているので読む価値はあった。
<優れたクリエイターは理論か?感性か?>
・結論は両方。優れたクリエイターは皆、理論武装もスゴいが、最後は感性で判断している。
↑当たり前だよね。料理人はレシピや調理器具というマニュアルをマスターしているが、最終的には味の微調整も盛り付けも感性が問われる。
<天才とは>
宮崎吾朗さんと米国の制作現場を見学した時に出した結論としては、
天才は「自分のヴィジョンを表現してコンテンツを作る時に、どんなものが実際にできるのかをシミュレーションする能力を持っているヒト」とのこと。
米国ではこれをスタッフ全員でボトムアップ式にお金と手間暇をかけてやるが、予算の乏しい日本ではひとりの天才がやるので結果的に安上がりであると。これができるから日本のアニメは米国に対抗できている、とも言えるが、優秀なクリエイターが安い人件費のアニメ業界にそもそも集まらなくなっているという。天才を安く買い叩いていたからこそ日本のアニメ界が世界と戦えてた、だなんて悲しすぎる現実。手塚治虫さんらのレジェンドらが安く請け負ってしまってたのが始まりだろうけど、こんな状態だから若い才能が他の産業に行ってしまったり、テンセントなどのITジャイアントのエコシステムに引っ越したりするんだ。
<オリジナリティとは>
・脳のヴィジョンを再現する時に偶然できたもの
・デタラメ要素入れて意図的に生み出したもの
・自分だと生み出せない要素をパッチワークで”奇跡”的にできたもの
・既知パターンを分解して再構築した新しい組み合わせ
<コンテンツとは>
・コンテンツとは「双方向性のない遊び」をメディアに焼き付けたもの
・コンピュータの登場で、ゲームやウェブサービスでは双方向性が加わり、「遊びをメディアに焼き付けたもの」と言える
↑これについてもゲーム、ウェブサービスもゲーミフィケーションをベースにしたUXをどこも重点置いてるよね。続きを読む投稿日:2021.07.18
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