「超」MBA式 ロジカル問題解決
津田久資(著)
/PHP研究所
作品情報
本書は、「超MBA式」という考えに基づいた「論理的な問題解決法」入門である。では、その「超MBA式」とは何か? 著者はそれを、「マインド」「ツール」「情報」の三つのキーワードで解説する。「マインド」とは、日本人に最も欠けている「結論志向」のことであり、この前提がないとどんな知識も活きてこないと著者は主張する。続く「ツール」については、ロジックツリーなどの既存のツールをその本質的な意味から捉えなおすことで、本当の知恵を醸成する手段を教える。そして「情報」。スピードが重視されるビジネス社会では、どう情報を集めるのかが重要となる。ケーススタディではわからない「情報の収集」について解説する。以上のことから分かるように、本書はただの「お勉強」本ではなく、「本当にビジネスの現場で使うためのMBA」入門である。本書を読むか読まないかで、MBAに関する理解が格段に違ってくる、と断言できる一冊。
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商品情報
- シリーズ
- 「超」MBA式 ロジカル問題解決
- 著者
- 津田久資
- 出版社
- PHP研究所
- 書籍発売日
- 2003.11.01
- Reader Store発売日
- 2014.10.31
- ファイルサイズ
- 14.4MB
- ページ数
- 288ページ
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この作品のレビュー
平均 4.0 (15件のレビュー)
-
オリジナリティではなく、スピード⇒世の中にオリジナリティなんてそうそう無い
大事なことは目的に適っており、具体的であることと解決までの筋道が明確であること(なんとなく、こういうときはこうするとうまくい…く、みたいなやつはダメ)
◾心
常にその時点で答えを持つこと。データがわからない、って思っても考えればだいたいのことはわかる。その上で調査をすることが大切。少なくとも「不確定の度合い」はわかるはず。
結論思考はスピードに繋がる。
「ハーバードの白い尾」
ゼロベース思考。常識や経験に対して、WHYを繰り出す難しさ。
⇒非常識になれ、と同意
⇒チェックリストが役立つ
◾技
フレームワークやMECEは漏れなく考えるためのチェックリストか判断基準を与えてくれるマニュアル。
優れたアイディアは拡散⇄収束を繰り返すもの→チェックリストを用いて漏れなく考え、その上で閃くことが大事
⇒チェックリストで具体的なアイディアが閃く水準にまで細かく分類すればいい
チェックリストを作れば自動的にアイディアが決まるわけではないので、必要以上に細かくすることは不要。
⇒やり過ぎちゃうことってある。そういうときは目的が曖昧。目的がしっかりしてれば、結論思考になることができる。
課題、目標は定量化する。数字。
出てきたアイディアは目的達成への寄与と実現可能性で優先順位をつけていく。
積み上げと飛躍のバランス。個人ごとのセンス。なぜその判断をしたのか、という点を探る。
論理を積み上げるところまでは、どこの会社でもできることで差異は生まれ得ない。その上にある判断、価値によって差が生まれる。他社ベンチマークをする意味は、基礎となる論理の考え方がおかしく無いかを見るという意味で価値がある。その理由や考え方を把握した上で、違う判断をすることは正しく、逆にこの価値基準が違うから違う判断になったというところまで確認しないと他社ベンチマークの意味がない。
◾体
論理的思考力⇒文や言葉の論理的なつながりを意識すること
ここの部品(言葉)を正確に作り、正確に組み上げる(文章として繋いでいく)
戦略とは競合優位性に基づいた、継続的で整合性のある総合活動。競合優位性に基づいていないものはすぐに模倣されてしまい、消耗戦になる。
⇒戦略の裏にある競合優位性を意識する。
マニュアルとはPPMみたいに、こういうときはこうしましょうというもの。
オープンクエスチョンは顕在化したニーズしか拾えない。潜在ニーズには具体的な仮説をぶつけることが必要。
シンキングタフネスは読み応え有続きを読む投稿日:2013.12.11
このレビューはネタバレを含みます
なぜ自分は仕事ができないのだろう、なぜいつもミスばかりするのだろう、なぜ嫁はいつも怒っているのだろう。
レビューの続きを読む
答えの見えない「なぜ」に押しつぶされそうな日々が10年近く前にありました。
・・・
40過ぎ…の転職直後のダメなオッサンを指導したのは、30代そこそこのデキメンメンターでしたが、その時「オヤジさん、ミーシーで考えてください」としょっちゅう注意されていました。
でこれが、Mutually Exclusive and Collectively Exhaustiveのことで、よく「漏れなくダブりなく」と言われるものです。どうやらマッキンゼーかどこかのコンサルの手法とのことだそう。
・・・
で、MECEって何に使うかというと、何かの可能性を総ざらいする際につかうことが多いと思います。例えばある製品が売れない理由、例えば海外進出先を決めるとき、など。
こうしたときに、人は大体ひとっとびに決定しがちです。「プロモーションが圧倒的にすくない」「進出先はインドで決まり」とか。これが失敗のもと。
でもそういう時に、売れない理由を樹形図で左から右へ「有り得る」理由・シナリオを書き連ねると、実はそこに発見があったりするものです。
このようにして、漏れを論理的に防ぎ、盲目的な決断を防ぐもの、これがMECEではないでしょうか。
・・・
かような問題解決は、練習すれば結構役に立ちそうです。間違った選択の可能性をかなり減じてくれそうです。
ただ、しいて問題点を言えば、現場では使っている(練習している)余裕はないかなーと。私もそうですが、皆、特定のタスクをこなすのが日々の生活でありましょう。あるイシューを解決する、原因を分析するなんていうのはコンサルだったり、特定のプロジェクトに参加している人以外、あまりチャンスがないのでは。だから訓練する機会を確保するのがちょっと難しいかな、と。
その点でいうと、この技術を具現化するフィクショナルストーリーは、読者に「なるほどこうやって使うのか」と実感させる好例になります。本書では電鉄会社の経営企画部的な部署での若者とデキメンマネージャーが取り上げられていました。ちょっとレア、ですよね。。。古いから仕方ないかなあ。
・・・
ということでMECEの本でした。
でも、実はMECEでAmazonで検索してもあんまり出てこないのです。その点ではこの津田氏の書籍ですが、数少ないMECEで引っかかった本です。内容的にも知っておいて損はないと思います。
ひょっとしたら最近はもっと効率的な問題解決フレームワークがあるのでしょうか? あったら使ってみたいですねえ。「どうすれば私の老後の不安は和らぐのか」みたいな笑? ひとっとびに答えを出すならば「定年まで馬車馬のように働き金をためろ」ですかね。MECE出来ていませんね・・・。続きを読む投稿日:2023.12.06
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