人を動かすナラティブ
大治朋子(著)
/毎日新聞出版
作品情報
あなたの「物語(ナラティブ)」が狙われている!
不安や怒りを煽り、社会を分断する「情報兵器」のメカニズム。
新聞協会賞2年連続受賞&ボーン・上田記念国際記者賞受賞の ジャーナリスト、待望の最新刊!
「ナラティブ」という英語の表現がある。
日本語では「物語」「語り」「ストーリー」「言説」などと訳されることが多い。
物語性を示す言葉で、これほど広い意味を持つ単語は日本語にはない。
だが、英語圏では日常的に使われている言葉でもある。
私たちは頭の中で、無意識的にナラティブを語り続けている。
学校や職場に向かう道すがら、「今日はどんな一日にしよう」とか、家路につく電車や車の中で、「明日はどんな一日になるだろう」と思い浮かべながら、いつの間にかストーリーを創っている。ハッピーな物語になる時もあれば、自己嫌悪の物語に終始する時もある。
頭の中に浮かぶナラティブは私たちの感情をかき立て、個人を、そして社会を突き動かす。
私たちはナラティブに囲まれて生きているにもかかわらず、ナラティブがいかなる力を持ち、なぜ人間を虜にするのか、そのメカニズムをほとんど知らない。
本書では、近年国内外で起きたさまざまな事件や現象の背後に潜むナラティブのメカニズムとその影響力を解き明かす。
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この作品のレビュー
平均 4.5 (9件のレビュー)
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表紙と試し読みで持った自分のナラティブは安易でした
表紙絵とコメントから「安易なお話に引き寄せられる心性の解明」がテーマかと思いきや(それもあるのだが)、正解を求める論理科学モードの認知的スキルと発散的思考のナラティブモードの社会情動スキルを各種の場面…で丁寧に追った上で、ナラティブとアルゴリズムを駆使する心理操作がなぜ可能でどう活用されているかが解き明かされており、それが表紙の意味だと気付いて私自身が安易なナラティブに乗っていたことに愕然とした。
今年ここまで読んだ本で、有数の面白さでした。続きを読む投稿日:2023.07.11
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会社の素敵Guyおすすめの書で、この本の内容への興味からというよりは、おすすめしている人への興味から読んだのだが、めっちゃくちゃおもしろかった!
大変な良書。さすが素敵Guy。素敵すぎて目がハートにな…ったわ!(ま、彼の前ではいつもなんだけど)
忙し過ぎて感想を書く暇がなく、読んでから時間がたっているので、忘れちゃっている部分もあるのだけど、この本は一つだけじゃなく、複数の違うテーマを扱っていた気がする。(例によって図書館本なので、今、手元になく、記憶で書いているのだけど)
特に後半に書かれていたことは現代人が知っておいた方が良い「基礎知識」なんじゃないかなと思った。
あなたの個人情報が、あなたのアイデンティティが、あなたの感情が、どのようにネット上で発信され、それがどのように利用され、時には悪用され、時にはビッグデータとして力を持ち、世の中に大きく影響を与えていたりする。
善悪という二元論では語れない話で、個人では手に負えないという意味で、恐ろしいと思うと同時に、もはやインターネットやSNSがなくなることはないんだから、私たちは否が応でもこうしたシステムと付き合わなくてはならないんだなぁと思った。
こういうこと、学校で教えるべきことじゃないのかな。道徳とかのしょーもない時間を削って。このタイトルどおりの「人を動かすナラティブ」ってタイトルで。あるいはインターネットとの付き合い方、というテーマのクラスの一部でもよいかもしれない。
読んでからすっかり時間がたっていて、何がおもしろかったのか忘れちゃっていて、当時のメモを読み直したが、全部フレッシュにおもしろかった。そのうちのほんの一部をご紹介。
"そもそも私たちの脳には意識と無意識があり、この無意識が果たす役割が意外に大きいということだ。車の運転に喩えれば、意識が運転席にいて無意識が助手席にいると思われがちだが、現実には運転席にいるのが無意識で、意識は助手席に座っているに近いという。無意識が下した判断を、意識が「合理化する。意識が無意識より先じゃないっていうことは、毎日生きていると分かる。いつの間にか眠っているし、起きている」"
"「いいね」の傾向を分析すると、高い確率でユーザーの性的指向や政治的思考、性格、幸福度、依存傾向、家庭環境、信仰などが一定程度予測できることが分かった。彼らはその結果を2013年発表の論文「個人の性格と属性は、人間のデジタル上の行動記録から予測可能」で報告した。 またスティルウィル氏らは別の論文「コンピューターは人格分析で人間を追い越した」で、ある人のFBの「いいね」を10個分析するとその人の職場の同僚より、150個でその家族より、300個で配偶者より正確にその人の性格や嗜好、考え方を把握できるという実験結果を報告した。
この論文は世界の政治家、軍事関係者、広告関係者らに大きな意識革命をもたらした。「いいね」はユーザーの「アバター(分身)」そのものだとの認識を世界に広め、大衆心理の捜査をもくろむすべての関係者らがSNSに熱視線を向けるきっかけとなった。”
"「昨今の紛争は、国際社会の支持を得るためのナラティブの戦いだ。国際社会はそれを踏まえたうえで、自分たちの判断が紛争当事国のナラティブに影響され過ぎないように気をつけなければならない。紛争当事者のうち、資源や力、さまざまなコネクションを持つものが高い道徳意識やモラルを維持しているとは限らない。紛争をしっかりと観察し、人権の侵害が行なわれていないかを監視し、どちらかの側について紛争をあおったりたきつけたりするのではなく、和平を結ぶ方法はないかと探求し続ける必要がある」多くの教示を含んだ言葉である。"
最後の引用は、非常に含蓄に富んでいて素晴らしいですね。エネルギー問題やら地政学やら経済状況やらが絡んで大変に難しいけれど。
「いいね」を分析すれば性格が分かる、は、そうかもしれないなと思う。「いいね」をつける数が極端に少ない人(それは私もですが)も、「いいね」はつけないけどSNSに参加して発言しているあたり、何か一つの性格カテゴリを表現していそうだなーと思ったりもする。続きを読む投稿日:2024.04.04
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