ミッション・エコノミー 国×企業で「新しい資本主義」をつくる時代がやってきた
マリアナ・マッツカート(著)
,関美和(訳)
,鈴木絵里子(訳)
/ニューズピックス
作品情報
NHK「コロナ危機 未来の選択」出演で大反響!
「資本主義の未来を築くリーダー25人」(WIRED誌)選出
「ビジネス界の最もクリエイティブな50人」(Fast Company誌)選出
「英国で最も影響力のある50人」(GQ誌)選出
「世界でもっとも影響力のある経済学者の一人だ。マッツカートの資本主義修復計画に、私たちは耳を傾ける時期に来ている」
――WIRED誌
行き過ぎた新自由主義による「スタートアップ盲信」「民営化盲信」の時代は終わった。これからは国と企業が手を取り合い、万人のウェルビーイングからSDGsまで巨大なミッションを掲げ、経済を成長させながら「公共の目的(パーパス)」をかなえていく時代だ。それこそが「新しい資本主義」の姿である――。
スウェーデン、ノルウェー、イタリア、南アフリカ、アルゼンチンなど各国首脳の経済政策顧問を務め、ビル・ゲイツ、ローマ教皇、トップCEOらに立場の違いを超えて支持され、ウィズコロナ世界で急速に注目を集める経済学者、マリアナ・マッツカート。彼女が本書で提唱する「ミッション・エコノミー構想」は今、欧州委員会ホライズン・プロジェクトに採用され、世界各国の経済政策に実装されつつある。
『ファクトフルネス』訳者・関美和氏+気鋭のベンチャーキャピタリスト・鈴木絵里子氏の共訳で、最新作にして主著が早くも日本上陸!
「人間の公共心を信じることが『より良い資本主義』につながるというマッツカートの主張が今この時代に大きく注目されていることに、私は希望を感じている」
――関 美和(MPower Partners Fundゼネラル・パートナー。本書共訳者)
「いま求められているのは『富の分配』をめぐる議論ではない。『新たな富』を生み出す議論だ。そうマッツカートは言う。世界中の政治家が耳を傾けている」
――ニューヨーク・タイムズ紙
「マッツカートは火炎放射器のような経済学者だ。『価値』とは何か? 誰がその意味を決めるのか? 誰がそれを測るのか? 彼女は根本的な問いを突きつける」
――Forbes誌
「彼女のビジョンこそが未来を考える助けになる。私はそう信じています」
――ローマ教皇フランシス
「イノベーション創出における『市場』と『政府』の役割について、マッツカートは従来の経済学の見解をくつがえす」
――エコノミスト誌
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商品情報
- 著者
- マリアナ・マッツカート, 関美和, 鈴木絵里子
- 出版社
- ニューズピックス
- 書籍発売日
- 2021.12.22
- Reader Store発売日
- 2021.12.22
- ファイルサイズ
- 9.2MB
- ページ数
- 288ページ
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この作品のレビュー
平均 3.6 (10件のレビュー)
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新しい資本主義をつくるために政府をつくり直す
組織にとって、危機は学習のチャンスである。
新たな挑戦が手強いものであればあるほど、実践を通じて組織の総合力は高まり、成員のスキルは強化される。
しかし、コロナ禍で取られた各国政府の対策はこれとは…真逆のものだった。
接触者追跡システムの管理など多くを外注することで、組織的な学習に投資せず、困難な課題の管理をコンサルティング会社に丸投げしてきた。
公的機関自らが主体的に社会課題を解決しようとしなくなったのは、何もいまに始まったことではない。
民間企業の方が効率がいいと誤解し、多くの公共事業が民営化され、外注が進んだ。
「もっと規制緩和し、もっと節約を」と、公的機関を営利企業のように運営しようという試みは、深刻なツケを招くことになった。
とりわけITサービスは、外注を通して民間に委ねられることが多かったが、外注されたサービスの品質や信頼性は、総じて期待外れで割高なものとなった。
民営化と外注によって、経験豊富なベテラン官僚の仕事が奪われ、政府は専門的な能力を失い、官僚のスキルやモラルはどんどん低下していった。
気候変動や少子化対策など、今日のビッグイシューに対し、イノベーションで解決していくために求められる、政府の能力は何か?
「今、政府に必要な大切な能力が、リスクを取り、不確実性を歓迎し、試行錯誤を通して学ぶ力である」
政府の役割は、大胆な目標を掲げ、多くの人たちとの力も心も注ぎ込んで、ミッションを成し遂げることであって、起きた問題に対処することではないはずだ。
そのためには「予算がどれだけあり、それで何ができるのか?」と問うのではなく、「どう予算を組んだらその目標が達成できるか」と自問すべきだ。
政府の仕事は、規制し、再分配し、市場の失敗を直すことではない。
自ら経済の方向性を先導し、「最初に頼れる投資家」としてリスクを取るべきだ。
政府には率先して市場を形づくり、望ましく必要なパーパースを果たすため、新たに社会を創造し形づくる役割がある。
これまでの市場「修正」ではなく、市場「形成」に政府の役割の軸足を移すべきだ。
そのために著者は、官民が手に手を取って重要な社会課題を解決するための手法として、「ミッション志向」の取り組みを掲げる。
大胆で刺激的な目標を設定すれば、予測できないテクノロジーや組織のイノベーションを生む波及効果が期待できる。
その好例がアポロ計画だった。
この実験は、航空宇宙工学に留まらず、多くの分野に革新をもたらした。
食品、医療、材料、生物学、微生物学、地質学、さらにはトイレ、航空宇宙工学、電子工学、コンピュータなど、こうしたすべてのイノベーションが、物理的な製品から社会変革まで、数多くの予期せぬ波及効果を生み出した。
幅広い分野にまたがるイノベーションとコラボレーションのきっかけになったのは、「10年以内に人類を月に送り、帰還させる」という、明確で大胆で差し迫った期限つきの目標だった。
このミッションを達成するには、官民の協力はもとより、異なる分野や業界の研究者が問題解決に向けて力を結集させる必要があった。
ミッションには明確な方向性が必要で、技術的な偉業を達成するミッションの方が、社会的なミッションよりも人々の賛同を得やすい。
気候変動対策といったものより、「100のカーボンニュートラル都市をヨーロッパにつくる」といった、具体的でしかも数字で測れるものがよい。
締切も重要で、期限が決まっている方が、課題にフォーカスしやすい。
イノベーションによって解決したい課題に焦点をあわせれば、技術は後からついてくる。
インターネット自体がコンピュータへの注目から生まれたわけではなく、衛星を使った通信の必要性から生まれたものだ。
「ミッション志向の取り組み方とは、支援したいセクターを選ぶのではなく、さまざまな分野の連携をうながすような問題を見つけることだ。また、小さいからとか、困っているからという理由で資金を手渡すのではなく、多くの組織から異なる解決策(プロジェクト)を呼び込めるように政策を設計することだ。それは、市場を修正することではなく、市場を創造していくことを意味する。それは、リスクを取り除くことではなく、リスクを共有することである」
まず「つくりたい社会の姿から逆算してすべてを決めろ」とか、「課題にフォーカスすれば、技術は後で追いつく」であるとか、「大胆なミッションのためには、競争環境や条件を、公平中立なものではなく、偏らせる勇気も必要だ」など、刺激的な提言に溢れる一方で、主張に説得力を持たせる成功事例がほぼ「月面着陸」一択なのが気にかかる。続きを読む投稿日:2023.04.21
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大きな夢を掲げることや、社会的意義を共有し人々のモチベーションを作ることの重要性が書かれていた。大きく無謀な目標と、小さく現実的な目標、目標自体の難易度は前者のほうが高いはずなのに、人がついてきた結果…、前者のほうが実現できる皮肉...と思った。
「皮肉なことに、雇用創出等の短期的な経済価値だけに目を向けると、商業化は遅れる。逆に、ミッション志向の政策のほうが商業的な波及効果は大きい。商業化を考えない方が、商業化が進むということだ。(月面着陸の副産物として、カメラ付き携帯電話やワイヤレ スイヤホン、マウス、LED 等、現在の生活を取り巻くものは生まれた)」とあった。
JR九州相談役の唐池さんは「世界一」を多用し大きな夢を掲げることで人がついてくる組織を作ったそう。結果、豪華客船『ななつ星』は大成功した。重なるなあ。
大きな夢を掲げることや、社会的意義を共有し人々のモチベーションを作ることの重要性は、今の社会課題解決にも通ずると思う。成長期の『資本主義』とも違い『社会課題』に目が向けられている時代だからこそ尚更。続きを読む投稿日:2023.07.23
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