ドイツ人はなぜヒトラーを選んだのか――民主主義が死ぬ日
ベンジャミン・カーター・ヘット(著)
,寺西のぶ子(訳)
/亜紀書房
作品情報
分断、移民、グローバリズム、フェイクニュース……
独裁者は見慣れた場所から生まれる。
ナチ党の活動は、第一次大戦後に英米が押し進める国際協調、経済的にはグローバリゼーションに対する抵抗だった。
戦後賠償だけがドイツを追い詰めたわけではない。
ロシア革命などによる東方からの難民、共産主義への保守層の拒否感、社会の激しい分断、正規軍と準軍事組織の割拠、世界恐慌、「ヒトラーはコントロールできる」とするエリートたちの傲慢と誤算……アメリカを代表する研究者が描くヒトラーがドイツを掌握するまで。
——現代は1930年代の再来?
【目次】
イントロダクション
1 八月と一一月
2 「信じてはいけない、彼が本当のことを言っていると」
3 血のメーデーと忍び寄る影
4 飢餓宰相と世界恐慌
5 国家非常事態と陰謀
6 ボヘミア上等兵と貴族騎手
7 強制的同質化と授権法
8 「あの男を追い落とさねばならない」
訳者 あとがき
ナチ党が政権をとるまでの主な出来事
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商品情報
- 著者
- ベンジャミン・カーター・ヘット, 寺西のぶ子
- 出版社
- 亜紀書房
- 書籍発売日
- 2020.09.30
- Reader Store発売日
- 2020.12.18
- ファイルサイズ
- 5MB
- ページ数
- 416ページ
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この作品のレビュー
平均 3.7 (11件のレビュー)
-
原書のタイトルは邦訳の副題「民主主義が死ぬ日」だが、本書は邦訳タイトルの通り、なぜヒトラーが首相の座に就くことができたのかを、第一次世界大戦敗戦後のドイツの歴史を辿りながら考察したものである。
…シュトレーゼマン等の活躍により安定期を迎えたヴァイマル体制だったが、1920年台の中盤から終盤にかけて、主に4つの反政府運動が起こり、民主主義を弱体化させようとしたとする。極端なナショナリズム運動、共産党、巨大企業と軍隊である。巨大企業は、高額な賃金妥結を嫌い、軍は社会民主党が軍事予算に賛成票を投じないことに怒っていて、国会の力を制限する権威主義的な体制を望んだ。そして、当時のドイツ社会は、階級、宗教、性別、民族などの違いで分裂していて、歩み寄りが困難になっていた。(P133~)
ヨーロッパ諸国の中でファシズムが台頭したのは、民主主義が進み、左派の社会主義が中流階級を脅かすほど成功している国に限られている。ファシズムとは、左派を強く恐れる人々による、左派に対する防御反応だといえる。(P186)
そして、ヒトラーとナチ党を除外して反民主主義連合を組むことが出来なくなったとき、ヒトラーを雇う、ヒトラーを飼い慣らせると考えたパーペン、シュライヒャー、ヒンデンブルクそれぞれがそれぞれの思惑で、ヒトラーを首相の地位に就けることになった。
そこからは、国会議事堂炎上事件を奇貨とした授権法による独裁体制の確立に至る。
最終章に出てくる、34年の抵抗運動、エドガー・ユリウス・ユングによるパーペン演説については初めて知った出来事で、もしかしたら違う歴史があり得たかもしれないとの思いが浮かんだ。
この後、ホロコーストのようなことをヒトラーがしでかすとは誰も予想していなかったとは思うが、社会が分断され、お互いが歩み寄りができない状況になってしまった場合、とんでもないことが起きてしまう恐ろしさを感じさせられた。続きを読む投稿日:2021.02.22
このレビューはネタバレを含みます
この一冊を読めば1918年から1945年までのドイツの内部での動き、(題名の通り)なぜドイツ国民はヒトラーを選んだのか80%位は理解出来るかなと踏んでいたが、分からなくなったというのが正直なところ。…
レビューの続きを読む
当初は、ヒトラーがナチスを作りユダヤ人が嫌いだから差別します。くらい分かり易い構図だと思っていたが、そうは問屋が卸さなかった。
あとがきの部分で「小さな成長で変化に気づかないけど、気がついたら頭の高さを超えていた」という引用があったがまさにその通りで、一人一人が隣人はいなくなったけど自分は大丈夫だという精神が乗数的に重なり、ナチ党、ヒトラーという大木を生み出したと捉えられるが、国民を責めることは決して出来ない(当事者がメタ認知は難しい)。
この出来事を単なる「過去の出来事」と捉えるのは簡単だが、これらを前例とし、そして当事者ではない第三者として考えることで得られる知見、防ぐことができる未来があると思う。
一見一本の線に見える出来事を複数の線から観察させてくれたこの本との出会いは新しい観測点を得る良い機会だったと感じている。続きを読む投稿日:2023.07.28
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