自分の中に毒を持て<新装版>
岡本太郎(著)
/青春文庫
作品情報
長年愛されてきたロングセラーが、満を持しての新装刊。 文字が大きく読みやすくなり、カラー口絵付きで、パワーアップして生まれ変わりました!“才能なんて勝手にしやがれだ” “だめ人間なら、そのマイナスに賭けてみろ”岡本太郎の遺した作品と言葉は、いまでも私たちに鋭く問いかけています。 瞬間を生き抜く、岡本太郎のパッションは、強い力をもって私たちの生命にズシンと響くのです。さあ、あなたも歓喜と驚きに満ちた人生をつかみとってください。
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商品情報
- シリーズ
- 自分の中に毒を持て<新装版>
- 著者
- 岡本太郎
- 出版社
- 青春出版社
- 掲載誌・レーベル
- 青春文庫
- 書籍発売日
- 2017.12.08
- Reader Store発売日
- 2018.02.23
- ファイルサイズ
- 7.5MB
- ページ数
- 256ページ
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この作品のレビュー
平均 4.1 (337件のレビュー)
-
【感想】
幻冬社の見城徹みたいなストイックな生き様。
・・・いや、「見城徹が岡本太郎のような生き方をしている」と言った方が正しいのか。
"安定"とは対極の位置でひたすら何かと戦い続ける、岡本太郎の生き…様・考え方について書かれたエッセイでした。
常に"安定"を求めて、ヌクヌクと日々生きている僕に対し、ズシンと心に響く言葉を多々頂きました(笑)
1つ1つが耳の痛い言葉ばかり・・・・この人は一体何故こんなに尖っているんだ・・・・
本書を通して岡本太郎さんが一貫して言っている事はただ一つ。
「将来の事など考えず、"今"だけに対して精一杯挑戦しろ!!一瞬一瞬にベストを尽くせ」この一点です。
そこに妥協や保身、周りの視線などを一切考慮するな!との事。
芸術家として常に自分自身のみと向き合い、またやや過激な運動家としても自身の言葉を主張し続けてきた岡本太郎さんの自負心や生き様を感じます。
言い訳がましいですが、、、僕自身妻子持ちで家族を愛していますので、著者のように「すべてを捨てて人生に挑む」なんて事は到底真似はできません。
ただ、「守るべきものがあること=保身」となってしまい、常に周りの顔色を窺い続け、結果として自己実現が一切できない人生なんて、絶対にイヤだと思います。
筆者のように「芸術は爆発だ!!」と振り切る事は絶対にしませんが、一瞬一瞬に対して精一杯挑戦し、「俺はとことんやり切ったぞ!!」と胸を張れるような生き方が出来るのではないでしょうか?
とまぁ、読んでいて筆者と僕との熱量の違い・温度差をやや感じましたが、もっと自分自身は今現在に対して精一杯やりきらんといかんな~と思いました。
ただ、20代前半の若者が読むと色々と大きく勘違いしそうな"毒"が、ふんだんに盛り込まれている1冊ですね(笑)
いやぁ、面白かった!!
【内容まとめ】
1.岡本太郎の人生観
人生は積み重ねだと誰でも思っている。ぼくは逆に、積み減らすべきだと思う。
財産も知識も、蓄えれば蓄えるほど、かえって人間は自在さを失ってしまう。
過去の蓄積にこだわると、いつの間にか堆積物に埋もれて身動きができなくなる。
人生に挑み、本当に生きるには、瞬間瞬間に生まれ変わって運命をひらくのだ。
捨てれば捨てるほど、いのちは分厚く、純粋に膨らんでくる。
2.自分らしくではなく、"人間らしく"生きろ!
自分らしくある必要はない。むしろ、“人間らしく”生きる道を考えて欲しい。
本当に生きていくためには、周りと、そして自分自身と闘わなければ駄目だ。
3.人間にとって成功とは一体何だろう?
結局のところ、自分の夢に向かって自分がどれだけ挑んだか、努力したかどうか、ではないだろうか。
夢がたとえ成就しなかったとしても、精一杯挑戦した、それで爽やかだ。
4.そもそも自分を他と比べるから、自信などというものが問題になってくるのだ。
我が人生、他と比較して自分を決めるなどというような卑しいことはやらない。
ただ自分が信じていること、正しいと思うことに、脇目振らずに突き進むだけだ。
5.やろうとしないから、やれない。それだけのことだ。
もう一つうまくやろう、成功しようとするから、逆にうまくいかない。
「人生うまくやろう」なんて利口ぶった考えは、誰でも考えることで、それは大変卑しい根性だと思う。
世の中うまくやろうとすると、結局人の思惑に従い、社会のベルトコンベアの上に乗せられてしまう。
制約の多いところでこそ自分のしたいことをするのが本当の行動になる。
中途半端はいけない。とことんまで明朗に、自分を誤魔化さずにやりきれ。
6.大事にするから弱くなってしまうのだ。
己自身と闘え。自分自身を突き飛ばせばいいのだ。
自分を認めさせようとか、この社会の中で自分がどういう役割を果たせるんだろうとか、色々状況を考えたり、成果を計算したり、そういうことで自分を貫こうとしても無意味な袋小路に入ってしまう。
今この瞬間、全く無目的で、無償で、生命力と情熱のありったけ、全存在で爆発する。それが全てだ。
7.人間本来の生き方は無目的、無条件であるべき。それが誇りだ。
死ぬのもよし、生きるのもよし。ただし、その瞬間にベストを尽くすことだ。
【引用】
p11
人生は積み重ねだと誰でも思っているようだ。
ぼくは逆に、積み減らすべきだと思う。
財産も知識も、蓄えれば蓄えるほど、かえって人間は自在さを失ってしまう。
過去の蓄積にこだわると、いつの間にか堆積物に埋もれて身動きができなくなる。
人生に挑み、本当に生きるには、瞬間瞬間に生まれ変わって運命をひらくのだ。
捨てれば捨てるほど、いのちは分厚く、純粋に膨らんでくる。
p12
自分らしくある必要はない。
むしろ、“人間らしく”生きる道を考えて欲しい。
本当に生きていくためには、周りと、そして自分自身と闘わなければ駄目だ。
p27
人間にとって成功とは一体何だろう?
結局のところ、自分の夢に向かって自分がどれだけ挑んだか、努力したかどうか、ではないだろうか。
夢がたとえ成就しなかったとしても、精一杯挑戦した、それで爽やかだ。
p28
みんな、やってみもしないで、最初から引っ込んでしまう。
それでいて俺は食うためにこんなことをしているが、本当はもっと別の生き方があったはずだと悔いている。
いつまでもそういう迷いを心の底に押し殺している人が殆どだ。
食えなきゃ食えなくても、と覚悟すればいいんだ。
それが第一歩だ。その方が面白い。
p51
「今はまだ駄目だけど、いずれ」と絶対に言わないこと。
“いずれ”なんて言うヤツに限って、現在の自分に責任を持っていない。
生きるというのは、瞬間瞬間に情熱をほとばしらせて、現在に充実することだ。
過去にこだわったり、未来でごまかすなんて根性では、現在を本当に生きることはできない。
p56
・そもそも自分を他と比べるから、自信などというものが問題になってくるのだ。
我が人生、他と比較して自分を決めるなどというような卑しいことはやらない。
ただ自分が信じていること、正しいと思うことに、脇目振らずに突き進むだけだ。
p65
人間は他の動物より進歩しているかもしれないが、不安や恐怖を抱かずにはいられないという悲しい運命を背負っている。
逆に、人間の方が他の動物よりも辛く寂しい生き方をしているのだ。
人間として生まれてきた以上、恐怖感があるというのはむしろ当然なことなのだ。
恐怖感は自分ひとりじゃなく、人類全体の運命なんだと思って取り組んでいけば、意外に救われるんじゃないか?
p120
やろうとしないから、やれない。それだけのことだ。
もう一つうまくやろう、成功しようとするから、逆にうまくいかない。
人生うまくやろうなんて利口ぶった考えは、誰でも考えることで、それは大変卑しい根性だと思う。
世の中うまくやろうとすると、結局人の思惑に従い、社会のベルトコンベアの上に乗せられてしまう。
制約の多いところでこそ自分のしたいことをするのが本当の行動になる。
中途半端はいけない。とことんまで明朗に、自分を誤魔化さずにやりきれ。
p158★
スピードにしてもセックスにしても、自分がそれに賭けて満たされるかというと決してそうではない。
どちらも、永久に満たされないものなんだ。
その満たされないものに、それでも諦めることなく自分を賭けていくのが、真のプレイボーイだ。
つまり、ものすごいロマンチストだといえる。
自分がモノにした女性の数を誇ったりするのは野暮の骨頂。本当のプレイボーイじゃない。
p169★
「子ども」という枠にはめてしまって、人間的責任、誇り、人格を認めないから、そのズレに苛立ち、無力感や憤懣が生まれてくる。
親子、先生と生徒、当然立場の違いはある。
親だから生活的面倒はみる。先生は教える。
としても、しかし人間としては人間同士としてまともに向き合うべきだ。
でなければ、尊敬も愛情も、一体感も生まれるはずがない。
p194
大事にするから弱くなってしまうのだ。
己自身と闘え。自分自身を突き飛ばせばいいのだ。
自分を認めさせようとか、この社会の中で自分がどういう役割を果たせるんだろうとか、色々状況を考えたり、成果を計算したり、そういうことで自分を貫こうとしても無意味な袋小路に入ってしまう。
今この瞬間、全く無目的で、無償で、生命力と情熱のありったけ、全存在で爆発する。それが全てだ。
p195
生きる。
それは本来、無目的で、非合理だ。
生命力というのは盲目的な爆発であり、人類のほとんどの部分は非合理である。
我々はこの世になぜ生まれてきて生き続けるのか、それ自体を知らない。
存在自体、肉体も精神も、そして環境もまた無限の迷路である。
だからこそ生き甲斐があり、情熱が湧く。
合理的でなくてもいい。
p217★
人間本来の生き方は無目的、無条件であるべき。それが誇りだ。
死ぬのもよし、生きるのもよし。ただし、その瞬間にベストを尽くすことだ。続きを読む投稿日:2021.05.28
このレビューはネタバレを含みます
いわゆるドーパミン勢ではある。高揚感こそが生きがいという形。
レビューの続きを読む
読書をすることが対話となる点、浮き沈みが激しい(おそらくドーパミンを求める反動だと思う)点も納得。
現代では、もっとバランスの良い生き方に…フォーカスされているが、昔ながらの考え方を学ぶというところではおもしろかった。続きを読む投稿日:2024.04.05
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