人質の朗読会
小川洋子(著)
/中公文庫
作品情報
遠く隔絶された場所から、彼らの声は届いた――紙をめくる音、咳払い、慎み深い拍手で朗読会が始まる。祈りにも似たその行為に耳を澄ませるのは、人質たちと見張り役の犯人、そして……。人生のささやかな一場面が鮮やかに甦る。それは絶望ではなく、今日を生きるための物語。今はもういない人たちの声、誰の中にもある「物語」をそっとすくい上げて、しみじみと深く胸を打つ、小川洋子ならではの小説世界。
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商品情報
- シリーズ
- 人質の朗読会
- 著者
- 小川洋子
- 出版社
- 中央公論新社
- 掲載誌・レーベル
- 中公文庫
- 書籍発売日
- 2014.02.25
- Reader Store発売日
- 2014.04.04
- ファイルサイズ
- 0.2MB
- ページ数
- 243ページ
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この作品のレビュー
平均 3.9 (216件のレビュー)
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読み終えるのが惜しくなる、死者の朗読会
南米を旅行中にゲリラ事件に巻き込まれた8人の人質。その全員が死亡してしまうというショッキングな事件からこの物語は始まります。
やがて発見された朗読テープにより、この世にもう存在しない彼らの人生が明かさ…れます。
欠けたビスケットをベルトコンベアーから拾い上げる仕事をしている製菓業の女性、談話室で開かれる奇妙な集会に足を運ぶ男性、片目の老人が作るぬいぐるみに心惹かれる少年、それぞれの話はどれも幻想的で美しいのだけれど、それらが死者の声によって語られているというシチュエーションが、物語の緊張感と神秘性を一層引き立てます。
最後の一人が語り終えるその瞬間まで、どっぷりと小川洋子の世界に浸れる一冊。続きを読む投稿日:2014.04.21
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静謐、諦観
南米旅行中にゲリラに巻き込まれて命を落とす日本人達が囚われている間、長い捕虜期間を過ごすために行っていたと思われる朗読会の内容です。一人一人が誠実に生きてきた証。殺害の瞬間まで、続いていたそれぞれの様…々な人生。
過ごした人生は違っても、それぞれに流れる静謐感は同じ。ゲリラに殺害される人質の残した話、という陰惨なテーマながら、不思議としみじみとした読後感の残る、日本人的な感覚の良い作品だと思います。続きを読む投稿日:2015.02.22
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