戦争の条件
藤原帰一(著)
/集英社新書
作品情報
アラブの春を皮切りに、中東情勢の先行きがますます混迷の度合いを深める一方、尖閣諸島、竹島、北朝鮮の核開発をめぐって、東アジアでもかつてない軍事的緊張が高まっている。戦争はあってはならないという考えに反対する人は少ない。しかし、信頼できない外国政府の行動を押さえ込むために軍隊は必要だと考える人も多い。平和を壊すのも平和を保つのも軍隊であるという国際政治の逆説のなかで、私たちはいかにして判断し、行動すべきなのか? 戦争の条件を考え抜くことで、逆説的に平和の条件に至る道を模索した、もっともリアルで読みやすい国際政治学の入門書。【目次】はじめに/第一章 戦争が必要なとき/第二章 覇権国と国際関係/第三章 デモクラシーの国際政治/第四章 大国の凋落・小国の台頭/第五章 領土と国際政治/第六章 過去が現在を拘束する/第七章 ナショナリズムは危険思想か/第八章 平和の条件/結び/ブックガイド
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商品情報
- シリーズ
- 戦争の条件
- 著者
- 藤原帰一
- 出版社
- 集英社
- 掲載誌・レーベル
- 集英社新書
- 書籍発売日
- 2013.04.22
- Reader Store発売日
- 2013.10.25
- ファイルサイズ
- 0.4MB
- ページ数
- 208ページ
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この作品のレビュー
平均 3.9 (21件のレビュー)
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戦争と平和を考える、時宜にかなった本です。
国際政治学者で藤原帰一東大教授の本です。「書籍説明」欄にも書かれているように一筋縄でいかない国際政治を、いくつかの問いを立て、それに答えていくという形で議論が進められます。答えるとはいっても、そこは国…際政治です、誰もが認めるただひとつの正解なんてあるはずがありません。昨今のわかりやすそうに聞こえる「日本国民を守るため」と称する思考停止の単純な議論ではなく、いろいろな条件を丁寧に考えることで平和の条件を考えるという、真正面から国際政治の思考方法に触れられる本だと思います。とはいっても、難解な本ではありません。もちろん国際政治を扱っているので、たてられている問いはどれも簡単に答えられるものではありませんが、問の難度と記述の平易さは別ものです。勇ましい議論でカタルシスが得られるような本ではありません。今の日本、戦争と平和を考えるとき、時宜にかなった本だと思います。続きを読む
投稿日:2014.08.15
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今年退官の藤原氏の講義録。論点を提示するスタイル(おそらく授業で討論?)。保護する責任と沈黙の陰謀は初耳、人道的介入は戦争回避と矛盾するがそこが課題。
アメリカと同盟を結ぶ各国の存在から勢力均衡では…なく公共的覇権国の意義を見出すが、筆者はその意義を疑問視。覇権国による恣意的判断には不満が募るが、強制力に疑問符がつく多国間協調よりは実効性があるのではないか。
民主主義による文民統制が平和を生むという仮説を三浦瑠璃の議論から反論する。民主主義は国際関係よりも国内社会を優先するため両者の調整には外交官が不可欠だと思う。
権力移行論については両者が合理的行動を取れば覇権戦争は起きない立場をとっているが、筆者は勢力が同程度の場合を見落としている。勢力均衡だから大丈夫ということだろうが、この場合は成長速度に有意に差があるので成立しないと思う。割愛したのだろうが、場合分けをしているのだから説明してほしかった。経済(生産力)と軍事が一体化する近現代において分離して考えるのは違うと思った。
領土対立については、国益増進における国土の重要性が減ったという理屈には概ね首肯できる。民族意識に基づく国民国家の思想と国際法の矛盾(棚上げ最適?)が対立を起こしているのも理解できた。歴史問題について、国内被害者・兵士・国外被害者の三者に双方が目を配れていないことが問題と語る。ナショナリズムと結びつき、増々拗れてしまう。
そのナショナリズムであるが、民族自決に基づく分断回避のための自己欺瞞として「国民」の中に包摂することで共通の歴史を創造するものとして評価している。今年の東大入試に出題されたが、日本人としては歴史的資料から日本は古来より一体の国であったといいたいが、中々難しいものではある。
最後に核開発について、軍事行動・経済制裁・国際対話から手段を選ぶが、結局は主観的リスクと相手の信頼だと喝破する。そこから平和の条件として勢力均衡・絶対平和主義の止揚としての戦争違法化と好戦国排除を提案するが、実効性・正当性を齎すには課題山積である。玉石混交の国際政治で玄人の貴重な意見に触れられてよかった(タイムリーでもあったし)。
2022/3/5続きを読む投稿日:2022.03.23
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