エンデの遺言「根源からお金を問うこと」
河邑厚徳(著)
,グループ現代(著)
/NHK出版
作品情報
『モモ』『はてしない物語』などで知られるファンタジー作家ミヒャエル・エンデのラストメッセージに導かれながら、実体経済や生活現場から乖離し暴走しはじめている「お金」を根源から問い直す旅に出かけた。忘れられた思想家シルビオ・ゲゼルなどの「老化するお金」の考え方や、欧米に広がる地域通貨の試みの数々をレポートする。
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商品情報
- シリーズ
- エンデの遺言「根源からお金を問うこと」
- 出版社
- NHK出版
- 書籍発売日
- 2000.02.01
- Reader Store発売日
- 2011.12.16
- ファイルサイズ
- 2MB
- ページ数
- 264ページ
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この作品のレビュー
平均 4.0 (49件のレビュー)
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お金からお金を生み出すシステム。借金がなくなると経済が停滞する
「お金」は、我々の一番身近にあり、命・時間を犠牲にして得ている。
そんな大切な時間、ときには生命を削って得ているにも関わらず、お金というと「汚い」という印象を持っている人がいる。
今一度、お金という歴…史、システムを知るべきだと私は思う。
大昔のヨーロッパでは、金貸し業は卑しい仕事だった。人道的・道徳的なことを考えれば、それは当たり前ともいえる。
今の資本主義経済、良い反面、懸命に働いている人よりダラダラ過ごしているだけの人の方がお金を得ているということがある。
そんな資本主義システムの矛盾が鋭く書かれています。
もっと一生懸命頑張れ!と言う人もいますが、この矛盾は、根本を変えない限りは永遠に続き、今後さらに拡大していきます。
続きを読む投稿日:2013.11.21
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人生で初めて「お金とは何か」について学んだ本。お金については、電化製品と同じように、なんとなく使い方を知っているから「知っている」気になっていた。ところが、お金のメカニズムについては、電化製品と同じく…、まるでわかっていなかった。
冒頭でエンデは、以下のように語る。
「重要なポイントは例えばパン屋でパンを買う購入代金としてのお金と、株式取引所で扱われる資本としてのお金は、2つの全く異なった種類のお金であるという認識です」
お金には、交換媒体、価値尺度、価値保蔵の3つの機能がある。パン屋でパンを買うお金は、最初の2機能だが、資本としてのお金とは、価値を保蔵できるがゆえに成り立つ。そして、価値を保蔵できること自体の希少性から、お金そのものが商品として売り買いされるようになる。
新品の時点からモノは劣化し、サービスは提供された時点で価値が尽きるのに、お金だけは時間を経ても価値を保ち続ける。お金の価値保蔵機能をフル活用する者にお金が偏り、お金を交換・価値尺度に使う多くの庶民には、お金が回らない。
そこで、お金から価値保蔵機能を除くことができないか考えた。つまり、お金を持ち続ける(使わない)ほど価値が下がる「エージングマネー」だ。そのアイデアの創始者がルドルフ・シュタイナーであり、それを地域通貨という形で実践したのがシルビオ・ゲゼルだ。
使わないと価値が下がるお金なんて、誰が使いたがるかと思った。ところが、使わないと価値が下がるなら、下がる前に使おうということで、地域通貨の流通量は高いままとなり、コミュニティは活性化したらしい。
これは、僕の感覚から言うと、「メルカリ経済」に近い。メルカリで不要品を売って、ポイントが貯まると、換金せず、そのままメルカリで何か買おうとする。換金すると目減りするし、メルカリのコミュニティでも、いろいろとほしいものがあるからだ。メルカリのポイントを貯める意味は、そこそこまとまった物を買うこと以外にない。
コロナ禍の今、岸田政権は子育て世代への10万円給付をクーポンでやろうとしていた。自治体の反対で現金給付になりそうだが、給付を必要としない家庭にも現金を配れば、それは貯金や投資(価値の保蔵)に回されるだろう。
ICカードかQRコードを使って、2ヶ月以内に使わないと目減りするようなエージングマネーとして実店舗で使える仕組みを作ったら、コロナ禍の経済対策になっただろうに。子育て世代なら、ICカードでもQRコードでも問題なく使いこなせるだろう。続きを読む投稿日:2021.12.19
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