この作品のレビュー
平均 3.4 (16件のレビュー)
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メディアリテラシー教育論として読む
ITという変化の早い世界の話で、2008年の新書というのは今更どうなのだろう、と思いながら読んでみた。
IT関係の話としてはごく入門的だ。
2008年に読んだとしても、おそらく新しい話ではなかっただろ…う。
だが、やはり今読んでみても一定の価値を見いだせるのは、
直接的な内容に、ではないように感じた。
本書は、子供を持つ親や教師のために書かれたものである。
ケータイは通話だけではなく、多様な機能を持つ情報端末であるという認識を、
大人が持たなければならない、というところから始まるのに、正直驚いた。
2008年だ。既にスマートフォンも出ていた時代だ。
そこから、なのか。
「子どもたちは」「大人の知らないところで」という言葉が続くが、
自分は子どもではないはずなのだが、本書で言われている大人でもないようだ。
自分の常識が、必ずしも同世代の常識とは限らないということか。
(まあ、想定している年代は私よりも上ではあろうが)
自分の価値観や知識を他人にまで拡張してはならないという、
当たり前のことに気付かされた。
また、ITの発達による変化を扱いながら、そこに見られる
普遍的な人間心理に対する考察が、常識的で、だからこそ意義深い。
例えば、子供の世界には強い同調圧力が働く、という。
同調圧力とは、周りと同じようにしなければならないという雰囲気による圧力だ。
もちろん、どんな時代にもどんな世代にも同調圧力は存在する。
本書は2008年時点でのITの発達によって、子供たちの間に働く同調圧力がどのように変化しているかを考察している。
本書の考え方と新聞記事・テレビで現在の情報などを合わせれば、
今起こっている問題に対してどうしていけばよいのかを考える手がかりとなるであろう。
フィルタリングと表現の自由の対立という概念も、
現在に置き換えればますます重要になっていく問題だろう。
著者の研究分野はメディアリテラシー教育である。
膨大な情報の中から自分で真偽を判断できる力を養う、というのを目指すものだ。
よって、本書も様々な提案をしつつも
「これで解決!」という答えは出していない。(出したらメディアリテラシーを語る資格はないだろう)
が、「異質な他者とかかわる力を育てる教育」が必要であるという主張には納得できる。
個別的な事例は古いながらも、
「異質な他者とかかわる」ために、本書から読み取れる問題は普遍的で、
何をすべきかを考える手がかりとなる。
続きを読む投稿日:2015.01.21
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「学校裏サイト」に代表されるいじめや誹謗中傷、アダルトや暴力との接触、個人情報の不用意な遺漏、フィッシング・不正請求・援交・誘拐・殺人などさまざまな犯罪の温床…。
こういうスレットだけでなく、近ごろ…の事件や違法行為にケータイが絡むケースが本当に多くなっています。
でももちろん、「ケータイがあるから事件が起こる」と考えるのは短絡でしょう。ケータイは、いわば触媒か狂言まわしに過ぎないのです。
「悪いサイト(大人)が多い」「親の目が届かない」「社会的に運用ルールが定まっていない」など、ケータイ環境自体の不備も確かにありますが、根底にあるのはなんといっても基礎コミュニケーションの崩壊ではないでしょうか。
本書でも、ケータイの健全な運用には
「親子であらかじめこうした問題について話し合っておき、何かあったときに子どもが話せる信頼関係を築くことを目指すとよいでしょう。」
と言っていますが、それがとっくに失われていることがそもそもの問題です。
ケータイだけを取り出して論じてもしょうがないんです。
粗有無省やメーカーによるフィルタリングへの取り組みや地域のセーフティネット(子供を「暖かく」監視する)とかいうテクニカルな対策は進められているようですが、意味がないとは言いませんが、そういう問題ではないと思います。続きを読む投稿日:2019.06.13
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