一億総ガキ社会~「成熟拒否」という病~
片田珠美(著)
/光文社新書
作品情報
急増するひきこもりや新型うつ病、何でも他人のせいにするクレーマー、覚醒剤や合成麻薬などの依存症…。筆者が最近の精神科臨床で感じている3つの特徴的な傾向の背景には、同じ病理が横たわる。「こうありたい」という自己愛的イメージと現実の自分のギャップが大きすぎ、ありのままの自分を受け入れられないのだ。精神分析でいう「対象喪失」が機能しなくなっている現状を分析。喪失を受けとめ真の再生を果たす処方箋を示す。【光文社新書】
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商品情報
- シリーズ
- 一億総ガキ社会~「成熟拒否」という病~
- 著者
- 片田珠美
- 出版社
- 光文社
- 掲載誌・レーベル
- 光文社新書
- 書籍発売日
- 2010.07.20
- Reader Store発売日
- 2011.08.05
- ファイルサイズ
- 0.8MB
- ページ数
- 248ページ
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この作品のレビュー
平均 3.6 (48件のレビュー)
-
他責について知りたくて読書。
他責の人間が増えている。日本だけの現象なのか不明だが日本は確実に増えているなと感じている。
本書は、著者が接している患者などの例も含めてモンスター〇〇について紹介され…ている。
他責の癖がある人間が、新型うつ病と呼ばれる現象の原因になっていると指摘される。では、どうして他責の人間が増えてきたのか。
著者は、現在の日本社会が原因だと指摘してると読み取れる。不況からの閉塞感や先の不安、現状の不満から自分を守るため責任を他人に押し付けることで無意識に自分自身を守っているのかもしれない。
問題は、周りで関わる人間に他責の人間やモンスター〇〇の類がいたときの対処法だ。それが知りたいと思った。
他責人間になるのは社会の問題もありそうだが、家庭教育にも原因がありそうだ。著者が指摘するように挫折や失敗が少ない人間は、自己肯定力が異常に高く、自己客観視や自己分析力は弱いと思われる。失敗やちょっとしたつまづきを多く経験させて、そこから立ち直るための助言や援助を経験して立ち直って前進してきた人間は他責人間にはなりづらい。
大切なのは、転んだとき、
一)他人のせいばかりにしない。
ニ)敗因を分析する
三)自分で起き上がる
この三つの練習を積み重ねていくことだ。(p247)
自責ばかりだと抑うつ状態になるので、他責と自責はバランスが重要。心のなかで思うのは自由なので、メンタルヘルスコントロールのために、意図的に他責を用いることも方法の1つ。
前に読んだ人が、p47の引きこもりの子がインターネットに没頭するのは、インターネットは無限のパワーを手に入れた氣分にさせるからの下りに書き込みがあった。
違う、インターネットに没頭するのは、楽で飽きないからだ、と。
これに関しては書き込んだ人に同感で、インターネットや依存に陥るのはその行動の方がハードルが低くて楽だからだと思う。
電車で読書よりスマホでゲームやLINEをやるのは、後者の方が楽だからだと思う。行動に多少の苦痛がもとないハードルもやや高いが読書をする人は、読書にそれ以上の価値があることや得たい目的があるからその行動を選択していると思う。
本書は色々なことを考えさせてくれた。
覚せい剤に溺れた芸能人の心理分析は、なるほどと思った。過去の栄光と現状とのギャップに耐えられない。そこにはやや歪んだ自己愛が関係している。
かくいう私も先月末にこの10年で経験がないほど落ち込んだ。我ながら弱いなと思ったのだが、そんなときに本書を手にしたのは、潜在意識が手にさせたのかもしれない。
読書時間:約1時間25分続きを読む投稿日:2016.03.16
感想
ピーターパンの憂鬱。成熟拒否は異常なことなのか?解消すべき問題か?時代と共に何が悪いか何が良いかは変化する。成熟拒否を拒否して良いのか?投稿日:2022.11.10
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