
総合評価
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powered by ブクログ上下ともに、会社のリフレッシュルームにあったので読了。 愛くるしい見た目の新種のペットであるピョコルンが、実はラロロリンという遺伝子をもった人たちがリサイクルされてできた動物であることが判明した。ラロロリン人は優秀な能力を持っている『恵まれた人』であるが、亡くなったらリサイクルされピョコルンとしてこき使われる。ピョコルンは出産、簡単な育児と家事の能力があり、人々の性欲や育児、介護は全てピョコルンが引き受ける。元々空子は
0投稿日: 2026.07.13
powered by ブクログ下巻はなかなか進まなかった。 「話は面白いんだけど進まない」という謎の感覚。 ジョージ・オーウェルの『1984年』を読んだ時に「考える自由」のありがたさを感じたが、この作品でもそれに近いことを感じた。 人と意見が違ってぶつかったり、嫌な感情を抱いたりすることは決して心地よいことではない。でも、それぞれが違う価値観を持っているからこそ、新しい考えや変化が生まれて世界は前に進んでいくんだと思う。 みんなが同じになってしまった最後の世界は、平和というより不気味さの方が強く残った。
1投稿日: 2026.07.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
長かったというのが、まず第一声。分からん。まったく分からん。主人公の如月が記憶を吸収されて、ピョコルンになりたがった経緯が分からん。白藤を気にしてないそぶりで、でも、一番「シロちゃん」を見ていて、影響も受けている。でも、如月はそのことに気づいてないの?最後は「シロちゃん」が記憶を上書きして、平和に暮らせると良いって望むのに?シスターフッド的な物語かと言うとまったくそう思えないのに、このストーリーを人に伝えるならそのことばしかない?如月は一体全体、何がしたかったんだろう。何が彼女を苦しめたの?分からん。 本当は白藤を解放したかった?だから、記憶を吸収して、性格の統合を願った?でも、白藤は最後まで統合を拒絶して、弱いながらも個人であり続けた。女、結婚、母、すべてが如月にとっては重しで、実は如月こそが白藤より弱かったのかもしれない。究極の「自己からの逃げ」の物語ともいえる。そして、私はピョコルンには、なりたくない。
1投稿日: 2026.07.12
powered by ブクログ村田沙耶香さんの『世界99』を読んだ。これまでにないボリュームに驚くとともに、居心地が悪くグロテスクで退廃的ななかに一筋の光を感じる氏の世界を存分に楽しみ、幸せを感じた。こんなに読みにくい絶望的な世界をこんなに読みやすく描ける文筆家としての氏の力量に打ちのめされる。やはり唯一無二。
1投稿日: 2026.07.12
powered by ブクログ私は本を娯楽として読んでいるので、村田沙耶香さんの書く本は娯楽として読むには少しきつかったです。 ただ、読ませる筆致がすごい。前に読んだ殺人出産は分量が多くなく気づかなかったのですが、今回の厚さ上下2冊を飽きることなく読ませてしまう筆致は素晴らしい、しかも、あまり私が得意ではない内容でもって。
1投稿日: 2026.07.12
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この感情を何と言ったらいいのか…。 無意識のうちにその場その場に合わせて人格を形成することは誰にだってあると思う。それを究極的に客観的に見たときにこんなにも不自然なことをしているのかと驚き。 ピョコルンという異質な存在があまりにも目立ってしょうがなかった。 最後に空子がピョコルンになる時の描写がえぐかった。 異世界のことを書いているようで、日常のことを描いている不思議な小説体験だった。
0投稿日: 2026.07.12
powered by ブクログすごい物語にどっぷり浸かれたなという満足感。いろいろ考察しようとするけれど、言葉にまとまらずに呆然としてしまう。ラストに向けてはもうちょっとボリュームあっても良かったな。でもあの状態の空子さんが語れる解像度はあのくらいかな。 「実用的輪廻転生用大量均一記憶人間リサイクル製造施設」のネーミングに爆笑。
0投稿日: 2026.07.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読了・記録日:2026年2月26日 上下巻併せての感想です 「女の子について男の人が『教えくれた』」って表現、昨今のXすぎてめっちゃグロかった……。 「相手の望む自分を演じてるだけで自分なんて存在しない」というの、あ〜私も子供の頃同じこと考えてたな〜って共感しながら読んでたのに途中からめっちゃグロくなった。 物語に精神まで影響されることってあまりないけれどこの物語はすごい。どんどん具合悪くなる。女性はみんな具合悪くなると思う。男性が読んだらどう思うのか、感想を知りたい。 これ読んでいると世の中のモラハラやDVや性加害や差別が憎くてたまらなくなり、Xやニュースで見かける話題に心から憤り、今の自分は世界③にいる時の空子みたいになってるなぁと思う。 コンビニ人間が海外でヒットしているけど、この作品も翻訳されたら海外の人はどう思うのだろう。 あまりにもひどい世界でただのフィクションだと思うかな。日本人女性が読むと、あまりにもひどい世界でもありながらリアルだと感じてしまうんだよなぁ。 総評、現代を生きる日本人女性としては、こんな世界羨ましいなと思う面もあり、一方で恐ろしいディストピアだと思う面もあり。最後まで混乱させられっぱなしだった。 同様に空子には共感する面も嫌悪を感じる面もあった。この世界の唯一の違和感はおそらく近未来想定なのにAIが無いということかな。 この世界にAIがあったら…と思ったけど、ある意味空子がAI的なのかもしれない。あと、この物語には完全に「愛」の表現が欠けていたけど、いくらピョコルンに性欲の処理をしてもらっても「友愛」を超えた「愛」は無くならないのでは?…と人を愛したことない自分は考えたけど実際そんなことはないのだろうか。 この物語は村田先生が人生で得た経験の一部が描かれてるんだな〜と思ったけど、それは日本人女性なら誰しも経験したり身近で見聞きしたことのある被害だった。 それを生々しく描いていて、読んでいて時折気分が悪くなった。そういう被害をピョコルンに捨てられたらいいのに、と思う気持ちは理解できる。 でもピョコルンに被害を代わってもらうということは今度は自分が加害側になるということで……。 加害を無くすことが出来たらいいのに、この世界では加害を無くすのではなく、人間以外(ピョコルン)に加害すれば良い!という発想なんだな。うーん、やっぱり恐ろしい世界だ。すごく心に傷を遺した作品です。
1投稿日: 2026.07.09
powered by ブクログご本人も奇書と仰せだけど、私にとっても色んな意味で奇書でした。笑 上巻のラストで下巻への期待値がグッと上がって、ワクワクしながら下巻を読み進めたんだけど、とても低いところをグツグツと突き進んでいくような重たさで眩暈が。笑 属するコミュニティによってキャラがかわる主人公に共感しつつ、なぜそこまで空っぽであることを意識しているのか、本当に空っぽなのかがわからず、最後まで感情移入できずに終わってしまった。でもダヴィンチの村田さんのエッセイを読んで、主人公は世界を拒絶して、思考停止状態だったのかなぁとか、拒絶した結果消える選択肢を選べて幸せだったのかなぁとか、最終的に一番シタにいけたけど周りからシタであることを意識させられて苦しくないかなぁとか、色々考えてしまった。読了後にエッセイを読んで泣きそうになりました。 消化不良ではあるものの、村田沙耶香さんの作品はまだ制覇していないので、制覇したらもう一度読んでみようかな。気が重いけど、感想も変わるかもしれないし、私も実験してみようと思います。
0投稿日: 2026.07.08
powered by ブクログ第3章のラストなんかおぞましいというか、、グロいというか、、 でも、すごーく大きな意味で言ったら人間のリサイクルというこの話の意味が、生きたい人と生まれ変わりたい人、死にたい人の需要と供給をちょうどよく合理的に組み合わせたカタチを表しているのかなと思ってしまった。
1投稿日: 2026.07.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
確かに前評判通りの気持ち悪さ。 でも人の中に確かに微かにある恐怖や嫌悪や狡猾さ滑稽さ、人間の薄汚さをデフォルメして描かれてるように感じた。どれも見覚えのある感情で、SFという説明に少し戸惑ったのと、そのせいで生々しく感じていたので、だよな、これはSFだよな。良かったと安心したような気持ち。 主人公の空子は「空虚」で感情がないように描かれていて好きになれる人物か不安だったけれど、波や琴花を性被害から守ろうとしていたり、音に対する感情だったり、感情や愛情みたいなものを見せてくれてその度に親近感が湧いていた。 何よりも匠や明人というキモい男の集大成みたいな「女の敵」を上手くかわして欲しいという応援の気持ちが大きかった。
2投稿日: 2026.07.06
powered by ブクログ読む手が止まらないので、土日全ての時間を使って上下巻読了。 読み進める手が全く止まらないのに、読後はずーっとまとわりつく気持ち悪さが残る。 ピョコルンが気持ち悪いのはもちろんのこと、主人公に自分の意思が全くなく、「媚びる」姿が気持ち悪いし架空の街が舞台なのに、後半から突然西新宿の交差点とか、新宿御苑とか、リアルな場所での出来事が盛り込まれ、自分のリアルな生活とほんの僅かなずれの先に悍ましい世界がさもリアルの世界のように描かれていることが気持ち悪かった。 主人公が本当に我慢ならなかったのだけれど、こういう人はどこにでもいるなあと。自分のことを「頭が悪い」と卑下し、怒りを出さずに媚びて生きていく。あーマジでいやだ。 普段は読書の後「よかったー!」と思いつつ内容をすぐ忘れてしまうのだが、まとわりつく梅雨の雨とカビ臭い空気みたいにあの世界がずっと頭から体から離れない。 だからといって星1つとかではなく、村田沙耶香という作家がただただ化け物だ、という意味で高評価。 「早く、私に、爽やかでほっこりする物語をください」と叫びたくなる。
20投稿日: 2026.07.06
powered by ブクログこの世界が、普通の人間から生まれたとしたならば、 どこの部分から構想を得たのだろうか? ピョコルンの姿が最後までイメージできない。 なのに、そうなったらいいなと思わせる。 ずっと、ここはどこで、これはどんな感じの生き物でがわからないので、 読み終わるのに苦労をした。
0投稿日: 2026.07.05
powered by ブクログ物語が壮大過ぎて、なんと表したら良いか分からない。 上巻よりもピョコルンが進化して第三世代となっており、出産、育児、家事まで担えるようになったことで、人間の価値観や華族のあり方などが、大きく変化していた。 そして衝撃の結末、読者は耐えられるだろうか。 幸福感というのは絶対的なものでもあるけれど、それ以上に相対的なものだろう。 自分より不幸な人がいることを知ることで、自分が相対的に幸福であることを知る。 作中に登場する「かわいそうな人」がいなくなり、人類全員が幸福な人になるのが理想であろうが、幸福感を得るために人間は「かわいそうな人」を作り続けるのだろうと思った。
3投稿日: 2026.07.05
powered by ブクログなるほど こうきたか!読み終えて まず これ。歳を重ねた空子さんやその周りの人々。人間って 結局 なんなのよ。生殖する生き物なのかな。私 馬鹿だから〜は都合の良い逃げっぽいけど 空子さんは 馬鹿じゃないね。変わる世界にいちばん順応してる と拍手したくなった。未来はどうなるんだろう。最後は自分で自分をなんとかしないといけないのは、ずっと変わらないんだろうな。いつもは読めない漢字がでてきたら 適当にながしていたんだけど 今回は 書き出して調べた。そうしないと もったいない気持ちになった。久々に充実した読書時間だった。
6投稿日: 2026.07.05
powered by ブクログ上巻で目まぐるしく変わる世界が描かれたが、下巻では「イベント」と呼べるような大きな世の中の変化は少なく、それに応じて空子の心理描写や、哲学的な思想が描かれる。 異様なまでに殺菌された世の中は、今すでに世の中に蔓延している「負の感情を外に出すことは恥ずかしい」という風潮に通じるところがある。 搾取される側の人間も、時代の変容によって搾取する側になり得る。人は多面的で、善にも悪にもなり得る。そして脳は記憶を最も簡単に書き換え、マジョリティに順応していく。 途中、若干繰り返しになる描写が多くなり、少し間延びした印象を受けたが、最終章の気味の悪さはさすがだと思った。 グロい描写や性暴力などトリガーアラートが付いているのも納得の内容だが、普段そういった描写を避け、SF小説も読まないわたしでもとても楽しめる読書体験だった。
0投稿日: 2026.07.03
powered by ブクログ著者の、創造する力に参りました。 自分としてはグロい…と言う感想が第一に来てしまいます。 内容は、私にはついていけない感が強かったけれど、最後はどうなるのかと言う期待をして読み終えました。
0投稿日: 2026.07.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ごめんけど、これ嫌いだわ……。 嫌いなだけじゃなく、普通に読み物としても粗悪寄りだと思う。 上巻の最後の盛り上がりで、ちょっとだけ面白くなりそうな予感はしたけど、けっきょく最後まで読んで「時間返せ」レベルで失望した。こういう感覚は久しぶりかも。 評価なし以下は選択できないけど、本当なら−5点ぐらい。 『コンビニ人間』が良かったのは、“ちょうどいい短さ”だったからなんだなぁ……。この作者の独特の文体や世界観は、べつに上下巻も食らいたくない。 せいぜい『世にも奇妙な物語』ぐらいの小話として読む分には面白い設定だけど、長々と語るほどのもんでもない。 ピョコルンやラロロリン人が現実世界のあれこれを暗示しているのだということぐらいは理解できるが、そういう読み手の脳内補完ありきで、“なんか深い社会批判してることに酔ってる”風ですげぇ鼻につく。 なんでこんなイラついた感想が出てくるのかって、まず第一に、空子という主人公が1ミリも好きになれないせい。 自らを哲学ゾンビと自認するくらいには他人に興味がない、いわゆるサイコパス気質の主人公で、その点は『コンビニ人間』にも共通している。 子どもや動物を心から可愛いと思えなかったり、人の心がわからないので周囲をトレースしながら生きている人はいるのだと思う。別にそのこと自体は何とも思わない。 が、空子の場合は共感力が欠けているだけでなく、うっすら周りの人間を見下しているくせに、自分は無知なままでいることにあぐらをかいている。 そのせいで、役に立たない資格を取ろうとしたり、明人のようなモラ夫と結婚したり、「自分が楽に生きられさえすればいい」という信念でさえ一貫していない。 「白藤さんの不器用な生きざまを馬鹿にできるほど、お前もうまく生きられてないだろ」 というツッコミが、常に頭の中でノイズになる。 そんなダメで一貫性のない空子が、世の中に対してどんなに鋭いことを言おうが、説得力に欠ける。 空子自身が人間の美点に関して盲目であるから、当然、人間の汚い部分ばかりが描かれることになり、それがまぁ読んでいて苦痛。 確かに人間社会にはダメな部分がある。 差別があったり、表面だけの平和を取り繕ったり。多くの人が普段は言葉にしないけれど、うっすら感じていることをこうして作品として落とし込むことには、一定の価値があるのかもしれない。人によっては爽快感すら感じるのかも。 しかし私にはことごとく刺さらなかった。 作中の言葉を借りるとすれば、「他の価値観がすでにインストールされていて別の者になれない可哀想な人」「正しい教の信者」が、まさにこの私なのだろう。 だとすれば、こんな感想を書いていること自体、すでに冷笑されている気分になる。読んだ後まで不快というダブルパンチ。 まったくクソッタレな読書体験でした。
2投稿日: 2026.07.02
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上巻のしんどさに比べると、下巻は世界が一度「リセット」されて穏やかになる。でもその穏やかさがむしろ、じわじわ不気味で。 きれいな心でいること、クリーンであること——その残酷さをここまで描けるのか、と思った。 ラストは、全ての人が平等に幸せになるにはそういう世界になるしかないのかな、と。答えは出ないまま、でもずっとざわざわしてる。 読後、しばらく現実に戻ってこられなかった一冊。体力と気力のある時じゃないと、読めない作品だと思う。
0投稿日: 2026.06.30
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気持ちが悪かったが、さらっと読めました。 予想ができない展開で、下は共感もあまりできなかった。生きることに、考えることに疲れすぎるとピョコルンや見守り人のように無になりたいと思うのだろうか。 音ちゃんとの理解し合える関係を望んでいた部分があるので、最終的に音ちゃんに搾取されたような、音ちゃんが要領よく生きているような最後がモヤっとした。アルバイトだった世界②の音ちゃんとの上下関係が崩れてもはや崇拝のようになっている主人公が怖かった。
2投稿日: 2026.06.29
powered by ブクログ文章量に対しては読みやすい作品 ただ、この作品が描く世界、人物はなんなんだろう 不気味さと皮肉がこれでもかと表現されていて社会や人間のことをどれだけ嫌いなのかと思う
0投稿日: 2026.06.28
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分裂症の話かと思いきや、予想の斜め上を行った。ピョコルンがものすごい存在感を出してくる。後半から怒涛の展開で、キモいという若者言葉が頭の中に鳴り響いていた。 あまり実際的な事を考えても意味はない。これは何が言いたいのか。単純化された世界は理想なのだろうか。もはやディストピア小説なのかな。どんな人も自分の頭で考えて行動すべし、という事か。 それにしても昭和な感覚もわかる主婦から見たら本当にゲンナリする言葉のオンパレードで、そういうふうに家庭生活を見ていたら、そら結婚も出産もしたくはないだろうと思う。昭和な価値観に戻りたいとは思わないけど、良いところもあったでしょ!と反発したくなる。私の考え方はどちらかと言えば「かわいそうな人」に近いかも。 考えすぎるとピョコルンの悪夢を見そう(*^◯^*)
22投稿日: 2026.06.25
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世界 自分の観測している世界はいくつあるか、考えてみたけど仕事中かそれ以外かくらいしかないかも。しかも、会話する内容が違うというだけで、正義が違うということはない。空子が定義している世界は多様性があってそれぞれ現実でもありそうなリアリティがあった。自分が認識していないだけで実際はそれぞれの世界が混ざり合わないで存在するのかも。鈍感な自分にそれがわからないことは良いことなのか。本当は従うべき正義があるのかもしれない。 人格 空子が人格を世界に合わせるように、自分も人格を使い分けていないだろうか。そして使い分けた結果、元の人格を見失っていないだろうか。自分の場合は、人格を使い分けているがそもそも世界に合わせていないかも。求められている役割や言動を必ずしも実行していない。相手の求める人格にはなっていないかも。でも仕事で必要なコミュニケーション能力に合わせて人格が形成されているような気もする。これは単純に成長と言ってもいいのだろうか。自我がなくなったための劣化とも言える? ケア論 ケアが労働のように押し付け、押し付けられる世界。これはかなり現実的に感じた。ケアは愛情によって成立するのだろうか。それとも対価を支払って得るものだろうか。自分が弱っているときに優しくしてくれる人はとても嬉しい。これは愛だと思いたい。自分にとってのケア論をちゃんと考えるべきと思う。 平等 人間として得をした場合はピョコルンになって仕事をするべき。記憶を共有して格差を埋めるべき。という展開になるが、これは目指すべき平等だろうか。全体が等質化することによって、人間性は完全になくなってしまったようにも思う。「完全な平等の実現が、人間らしさを失わせる」というテーマはSFでよく語られるが、その系譜としてかなり面白かった。技術によって不平等を解消できたとして、それでも残したい差異は何かを考えさせられた。 下巻も面白かったけど、上巻の方が好き。
1投稿日: 2026.06.22
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オーディブルで視聴。 上を読んだ(聴いた)ので、下も読むか…という感じで始めたものの、途中で断念した。 空子の性質は、極端ではあるものの、誰もが持っているものだと思う。 いじめがひどすぎたり、女性蔑視がひどすぎたりで、気分が滅入るので、下巻の途中で「もうだめだ」ってなった。 最後、どうなるのか気になりつつ、みなさんの評価を見ているとハッピーエンドではなさそうなので、もう読まなくてもいいか!
2投稿日: 2026.06.20
powered by ブクログ村田沙耶香さんの「世界99」上下刊とも読み終わりました。メチャメチャ疲れました。村田さんの作品を読むと僕は必ず疲労感が残ります。ある種SFですが、現在社会を思いきりデフォルメしたようにも捉えられました。村田さんにはこう見えているのかもしれません。一体どんな表情でどんな目つきで文章を綴っているんでしょうか。なんか怖くなります。
10投稿日: 2026.06.18
powered by ブクログ世の中の流れが変わるにつれて「良い」とされてるものが変わりそれに人々が乗っかっていく感じや、自分の本当の感情(汚い感情)に蓋をして周囲の人に馴染めるよう”クリーンな人”でいようとすることは現実の世界でもあると思う。 人との付き合いの中ではもちろん汚い感情を出す事が正解ではない場面もある。 どこかおかしいと思いながらもその環境の中で理想とされる”クリーンな人”であろうと心掛けるあまり自分の感情を押し殺す。 しかし、その結果、その環境で感じるべき感情と自分の本当の感情にギャップに苦しみながら生きている人たちも少なくないのではないだろうか。 自分がこれまで生きてきた中で感じてきた違和感が言語化されていた作品でした。 出会えて本当に良かったです。
1投稿日: 2026.06.18
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産まれてから死ぬまで、女性というだけで、性処理、家事、出産、育児、全てを押し付けられる。 愛玩動物だったピョコルンが、時を経て、家事や出産、性処理、育児、今まで女性に押し付けられていたことを全て担うようになった。 そして今度は、感情を捨て、同じ記憶を持ち、皆同じ表情で過ごすようになる。 それは、平和な世界。だって、皆同じ記憶で感情だから。争いもない。 でも、それって本当に幸せなのだろうか? 怒りや悲しみはないけど、喜びもない世界なのでは? 世の中は難しい。 皆が一人一人、自分の尊厳も他人の尊厳も守って生きていくことができなければ、一部の「賢い人」の思惑によって、いつかこのような世界が来てしまうのかもしれない。
2投稿日: 2026.06.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
続きが気になって一気読みでした。 男性と女性、加害者と被害者の対立構造にピョコルンやラロロリン人を入れることで、キャラクターが加害者・被害者に固定化されずにどちらにもなりうる、という点を上手く描きすぎてて読んでてしんどかった。 家族愛やシスターフッドのような無償の愛ではなくある程度の損益で協力し、それぞれが孤独のまま物語が終わるのが良かったです。
1投稿日: 2026.06.17
powered by ブクログあまりにもグロくてリアルで見てられないんだけど確かにこの世界にある現実でもあって、人によっては価値観が破壊されてしまうんじゃないかってくらいダメージを与えそうだし、逆に救われる人もいそうな、そんな作品だと感じた。 自分はどんな視点で世界を見ているだろうか、とかそういうことを考えた。
1投稿日: 2026.06.16
powered by ブクログ村田沙耶香独特の言い回しが時にぎょっとし、時に笑え、性、子育ての問題今の女性たちが厄介に感じていることをピョコルンで見事に解決。それは本当に幸せで滋味あふれる社会と言えるのか!? ピョコルンが登場するたび、頭の中でぴょこるんの画像を思い浮かべるが、私の思ってるピョコルンをここへ描いてみたい。みんなは果たしてどんなピョコルンを思い描いているのだろう。
1投稿日: 2026.06.15
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読む皮肉。だけど、下巻は皮肉度減ってて面白かった。最初ぴょこるん気持ち悪いって思ってたのにだんだん慣れていく自分がまさにリアルでゾッとした。
3投稿日: 2026.06.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
だから、ラロロリンガール・ライフってなんだよ(笑)と序盤から突っ込みを入れながら読み始めた下巻。ようやく読み終わりました。 いや~強烈でした。ここまできっつい話はそうそう読めないですよね。 こんな無茶苦茶な話あってたまるか!!と思いたいところですが、それがそうでもないのでは?というのが今の感想です。ラロロリンキャリアも、ピョコルンも存在しない我々の実生活ですが、皆、何かに搾取され隷属しているのは大なり小なりあるわけで、案外無意識に空子みたいに達観して世の中眺めている人そこそこいるんじゃないのかな? 怖いなぁと思ったのが、観覧車で空子と音が話するシーン。今更ながら気付いちゃいました。「あ、これAIチャットじゃん。」 この人は自分の理解者と判断したら、そこからはその人の言うこと考えなしで受け入れてしまうもんだよなぁ・・考えようとしない空子なら猶更ですよね。 空子は音に儀式の話をされ共感、参加を決めるのも自然な流れかと。AIにそそのかされて、考えようとしない人、一杯いますもんね。 そういう風に見ると、この話のようなディストピアな世界にあるなんてこともあながち・・・・って思い、怖くなりました。 しかし、なんで空子はピョコルンになる選択をしたのか・・・ちょっと考えてみた。 空子はずっと“他者に合わせて生成される存在”として生きてきた訳で、全部世界のために最適化され、己自身のための「自分」が存在しない。 一方ピョコルンは話の中では欲望のはけ口とか人生の時間を食いつぶす雑務のごみ捨て場みたいなこと言われてましたが、雑務をやる=相手のために存在するというか・・・役割を果たすための生き物、とも考えられないだろうか? これが成立すると、空子ってある意味ピョルコン的な存在だったのかもと。 思うに人って、自己を持つ、自己選択する、自己責任を負うみたいなことをやっていかないと生きていけないところもあるわけですが、空子は基本そういったことが欠落している訳で、自分を持たなくていい存在=ピョコルンになる、ということは、空子に最も合った生き方であるとも言えるのでは? と、考えると、空子は「ピョコルンになることが一番“自分らしい”」と感じたからそうしたので、逃げでもなんでもなく彼女にとっては自然な帰結だったのかなぁ?と思いました。 あと、読んでて悲しくなったのは、儀式直前のお祭りに行った場面での、空子のある意味対極的なポジションにああった白藤さんに対して抱いた感想。 「やはり白藤さんこそが人間ロボットだったのかもしれない、と思った。最初にダウンロードしたデータでしか生きられない人間ロボット。かわいそうに。」 白藤さんは、最後まで自己を持ち続けようとして、そして世界に絶望しながらこの話が終わった先も一人生きていくことになるのかと、想像すると何とも言えないものがあるとしみじみ。 他にも思うこといっぱいあるけど、きりが無いのでこの辺にしたいと思いますが、冒頭でも述べましたが、強烈な話でした。痛くておぞましい話でした。 星5つの内容だと思いますが、強烈すぎて他人には絶対勧めたくない本・・・ですね。
10投稿日: 2026.06.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
白藤さんは私が考える人間のまま世界を見続けてるんだな。 疲れきった人がピョコルンになりたがる、名誉なことなのか? 女性が負わなければならなかった妊娠出産家事育児をピョコルンに負わせることができる世界。羨ましいと思い読み進め、最終的には…おぞましい世界観だった。 何か別のものに押し付けるのではなく、夫婦で、家族皆で分担すればいいよね。妊娠出産は今のところ女にしかできないし、女も正社員を一生続ける現代だしね。1人だけ便利に使われ続けるなんて嫌だから、それを見てきてるから少子化なのもあるよなぁ。 「子宮を見張られる」と、空子母の「次はお前の番だ」的な表現や圧、あるある過ぎて読んでて苦しかった。 いじめやお母さん関連、男関連。胸糞悪いところが多かった。オーバーだけど文章にすればこういうことだよねって納得できて現実で知ってるシーン過ぎて…。 すごいものを読んだなぁ…
4投稿日: 2026.06.12
powered by ブクログ多少冗長なところもあったけど上下巻でたっぷり読めてよかった みんなのぴょこるんはどんなイメージだろう
1投稿日: 2026.06.11
powered by ブクログ上巻はあっという間に読み終えたものの、下巻は早々にギブアップ、、、。 序盤を少し読んで、あとは最後だけ流し読みしました。 ハッピーエンドで終わらないのが村田沙耶香さん。 最後まで気持ち悪かったというか、下巻は共感しづらくて読み進めるのがキツかったです。
2投稿日: 2026.06.10
powered by ブクログネタバレなしで感想を書くのが難しい作品だな〜と思います、なので個人的に印象に残った表現を。 “風が吹き、桜がまるで嘔吐するように花びらを落とす。” 読みながら目を見開きました。 桜をこんな表現する人見たことなくないですか、 唯一無二と評されるゆえんが分かります。 ざっくりディストピア小説です。 上巻で巻き起こった事件後の物語。 私はどんな本でもとりあえずは最後まで読み切る派なんですが、今回ちょっとしんどくて離脱しそうになりました。 理解が追いつかず、何度も思考停止しながらもなんとか読了。 ラストはそうですね、ある意味、理想郷に到達したんですね… うん、もうなんと言っていいか分からないです笑
29投稿日: 2026.06.09
powered by ブクログすごい世界を見た感じ。舞台は現在とほとんど変わらないけど、人間の嫌なところを面白く描いてる。最後までニコニコしながら楽しめた。ぼくの中では名作。
1投稿日: 2026.06.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
人間不信になりそうな世界で、 久しぶりに本を読んで暗い気持ちになった。 誰も好きになれませんでした。 …笑 とにかく出てくる男性全員が無理でした。 だけど、 自分の中では言語化できてなかったことを言葉で表してくれて分かりやすく理解できる そのような箇所がいくつもあって、とても興味深かったです!! みんな生まれた時は最初は空っぽで、自分というものは無いのかもしれない、いやたぶんないんだな〜そこから周りの環境や人たちが1人の人間を形成していく、本書でいうトレース。うーん確かに!そうだなと思いました。 自分も色んな人たちをトレースしてきて自分があって、それを自分だと思い込んでいるのかなって。 「見ていてもらえますか」とは、「死なないように見張っててください」ということでもあり、~~~もしこの期待を裏切れば、お前は残酷な存在としえ裁かれるだろう。 →いや、それは全くこの言葉通りなんだけど、言葉にするとめちゃくちゃ重い!!!って思いました。 世界によって都度言動を変えたり差別をする空子たちには共感できませんでした…自分が空っぽならそれを貫いてなんでもいいよスタンスで貫けば良くない?それが空子なんだからと思ってしまったが、それすらも私はどこかでトレースされた考えなのだろうか…と。 空子を自分は空っぽだと思わせていた、それすらも周りの環境や人達だったのだろうか…。 空子という名前もピッタリすぎた。 いじめられてて大人になってからその人たちと仲良くとか無理すぎる! 正直レナがあっさり死んだのショックだった、いちばん好になれそうなキャラだったのに。 ラロロリン人が先導して世の中の人たちの人格を統一したり、クリーンにしたり、考えるのを放棄させて、人間が衰退してしまうのでは…??と思いました。 白藤さんが一番会いたかった人に会えると思うって誰のことだったんだろう?? ピョコルンが人間ていうのも…最後の方の「儀式」もなんだかすごく人体実験じみててグロかった。あのグロシーンは必要だったのかは謎。 なんで最後、儀式中に担当医は空子が家族がいると言っただけで、親だと分かったんだろう???分かるセリフとかなかったと思うけど…。
1投稿日: 2026.06.07
powered by ブクログ49歳になった空子はピョコルンになることを選択し公開手術を受ける。世界から個性も感情もなくなり、性愛が求められなくなる。なんとも理解し難い展開の連続(これが村田さんらしいところ)であったが、この本を通して村田さんには生きるとはどういうことなのかを問われたような気がする。
2投稿日: 2026.06.05
powered by ブクログ思い通りに世界を創造する。そして、安らかに生きる。謎生物になる為に手術することになった。友情婚、記憶の統一化といった言葉が登場するのも特徴的だ。 今作は著者の集大成的なものと言えるだろう。
1投稿日: 2026.06.03
powered by ブクログ直接的なグロテスクな表現はあまりないのに、こんなに食欲が減退する本は初めてです。 気持ち悪い、でもわかる、こんな世界ありえない、でもこれって現実も一緒じゃない?そんな気持ちの繰り返しで頭がおかしくなりそうでした。 でも村田沙耶香先生にしか書けないこの物語が、世界観が好きなんだなぁと改めて思ったりしました。 第4章を迎えた空子がどんなことを感じて、思って生きているのかもっと知りたいと思った。 コミュニティによって使い分けている部分があるという自覚はあったけど、これが私の世界への「媚び」なのかもしれないなぁ。
1投稿日: 2026.06.02
powered by ブクログ世界1とか2とか99とか…。いろんな世界を持って生きてるんだろうなとは思うんだけど。リセットと再生とか、ラロロリン人とかピョコルンとか。すごい世界観に“げんなり”…。
13投稿日: 2026.06.02
powered by ブクログ感想としては、最初は違和感しかなかった空子に対して、「あっ、でもこんなこと自分もやってる!?」とドキッとして、違和感と共感(認めたくないけど!)を同時に感じた。 自分も空っぽでトレースして考えで生きているだけなのでは?などと考えてしまうくらい、この世界に入り込んでいた。だってこんなにも奇抜な世界を描いているはずなのに、ものすごく現実味と説得力が あったから。 感動も不幸話も娯楽で、可愛い動物動画見たらキャッキャしなくてはいけなくて、不幸な話を聞いたら悲しいふりをしなくてはいけない?たしかに! 人間は過去の記憶や経験から行動が決まるプログラミングされたロボット化してるのか。 世の中は多数派の変化で変わっていくわけで、鼻の穴のホワイトニングもみんながする時代が到来する未来がくるかも!?
3投稿日: 2026.06.02
powered by ブクログ一日で読み切った。いやぁ、疲れた(笑) 人間社会や人間自身のもつ醜さ、卑しさとにかく蓋をしたいことにピントを合わせてこれでもかと鮮明に、驚異的な表現力で色んな角度から突き抜けられる。SFでありながら現実世界と地続きな部分もあり私の考える常識もある世界や世代からはきっと異常性があるのだろう。今この瞬間も私は社会や国、環境に媚びて洗脳されて生きている、そう自覚させてくれる作品。
1投稿日: 2026.05.31
powered by ブクログ上巻はどんどん読み進めて、しんどい・苦しいところもありつつ話の内容は掴めた。 ピョコルンとか、ラロロリン人とかSF要素はありつつ現代社会への問題提起にもなっていた?かと思えた。 そのまま下巻でどうなるかと思いながら読んだ。 読み終わりました。 正直分からない!天才すぎて分からない! 空子がピョコルンになったけど… 村田沙耶香さんは何を1番に伝えたかったんやろ…
24投稿日: 2026.05.31
powered by ブクログ村田さんワールド全開!といった感じ。現実離れした不思議な世界を前にして、はじめは首を傾げてページをめくるが、気づけばその世界の構造を理解してしまっている。それはきっと、村田さんが作り出すその不思議な世界は、現実世界の人々がもつ一面(しかもなるべく認識したくない、口にしたくない一面)を内包しているからなのかなと思う。
1投稿日: 2026.05.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「世界99上」に比べて話がだいぶ難しくなったように感じます。 リセット後の世界が統一されてきて、それが汚い感情のないクリーンな世界。そこには感情も表情も感動もない、かわいそうな人もいない。そんな素敵な世の中で記憶を操作してロボットのように生活する⋯なるほど、面白い結末になったなと思いました。 ピョコルンが最初から最後まで大活躍で、ここまで重要な鍵を握っているとは上の時点では予想していなかったです。 また、村田さんの女性の性に対する考えや出産や育児に対する想いが所々の言葉(搾取など)で溢れていて、やっぱり女性ならではの思考だなと共感しました。特に「母ルン」という言葉は私の中で大ヒットです!思わず笑ってしまいました。私も母ルンですし、世の中のがんばっているママたちを見る度に「がんばれ、母ルン!!」と応援したくなります。 泣いて笑って怒って、一生懸命空気読んで、場面場面でキャラ変えて、1人の時にホッと一息ついて、各々の寿命まで人生の楽しみを見つけていきましょう!
1投稿日: 2026.05.30
powered by ブクログ苦手な要素を次々突きつけられ、頭がパンクしそうだった。 人は“都合のいい物語”を作って生きている。忘却も改竄も、他人事じゃない。 もう二度と読みたくないような、 でももう一度読みたいような作品。
3投稿日: 2026.05.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
おもしろかったのは間違いない。だけどこの作品に惹き込まれた理由はおもしろかったからじゃないんだよ。うまく言えないけど、社会に順応する人間の内部に蠢いているもの、その深淵に触れるような感覚というか……。結局は怖いってことなのかもしれないけど、そんな簡単な表現で収まるものじゃない気もするんだよなぁ。私はうまく言語化できないので、誰か代わりにうまいこと説明しといてください。 従来の価値観が崩壊し、新しい常識の中で生きていく人々。その中には当然、過去を捨てきれずに、自分の中の正しさを追い求め続ける者もいる。しかし、周囲に白い目で見られ、自身の幸福を投げ売ってまで、その信念を貫く意味はあるのかなと私自身も思ってしまう。そもそも正常、常識的であることというのは、結局は多数派の考えに合わせるということだと思うので、この考え方からすれば前述する人は異常者ということになる。社会という大きなコミュニティの中のマジョリティをそう簡単には崩せない。まぁそれが起こってしまったのが前巻の最後なわけだけども。簡単に崩すことはできないけど、崩れてしまえば変わるのは一瞬、ということだ。そういう人間の薄情さみたいなものを感じるのもこの本を読むのがしんどい部分の一つかもしれない。 また、この世界ではピョコルンなる生物が家事や育児、性欲処理、なんと出産までも担当する便利な存在として君臨している。実際はそこまで完璧にすべてをこなせるわけでもなく、所有者はその尻拭いをさせられ疲弊しているのだけど、そんな便利なものを持っているあなたたちは楽をしている!ズルい!と陰で言われてたり。 不憫だなと思いつつも、物が違うだけで今の状況とさほど違いはないなとも感じる。世の中どんどん楽になってはいるけど、人間の介在まったくなしでできることはそんなにない。結局は誰かその作業を担う人がいるわけで、そういう人たちの存在を軽視してますよね?と言われているようでグサグサ刺さりました。 普段目に見えないところを勝手に想像して自分たちに都合のいいように解釈する人間の悪いとこ出てるわー。私もその人間の一人だわー。もう人間でいるの嫌だわー。 ということで、あんな結末になるのもわからないでもないんだよ。そう考えるとこの物語はハッピーエンドと言えなくもないのかもしれない。悍ましいけど。
24投稿日: 2026.05.27
powered by ブクログ差別・利用の矛先の循環、感情の循環、色々考えさせられる話だった。上巻よりずっと問題提起感が強いように感じた。恐らくこの物語のことを理解しきれていないので、曖昧な感想しか出てこない。もう一度読み返したい。
1投稿日: 2026.05.27
powered by ブクログ上まではめっちゃおもしろかったのですが、 下でちょっと飽き始め、 下の後半からはもう、もう村田沙耶香いいかも!!!!って気持ちになってしまった 村田沙耶香さんは本当に人間の不気味さを描くのがうますぎる。そして、言葉にならないモヤモヤっとした気持ちや感覚を言語化するのがめちゃくちゃ上手すぎる!!!これ以上の表現はないだろってくらいそれがうまい。ただ、不気味が続きすぎて何が何だかわからなくなってきて、えっえっえって感じで終わって、結局得られたものは人間って何者も不気味だよねってことだった笑
3投稿日: 2026.05.25
powered by ブクログ世界99下巻、中断しつつ2ヶ月くらいかけて読み終えました笑 バケモンだなやっぱ村田沙耶香って。 物語自体も独特で面白いけど、終始作者はなぜこの発想に至るのか。 に思考が引っ張られていた。 この世界にいたとしたら… ピョコルンにはまだ自分はなりたくないなあ笑 にしても世界99と自分が重なると思う部分は少しある。 空子みたいに世界を分けるのに似たようなことを自分もやっていて、それが趣味や分野ごとにSNSのアカウントを分けていること。 このアカウントではこういう言葉遣いでつぶやこうとか。 ここではここからここまでを曝け出そうとか。 このアカウントは①のアカウントより落ち着いている人が多いから自分もリラックスした丸い性格で呟けるなぁとか。 どこか架空なんだけどちょっとリアルさも時に感じられた。 それから自分は犬を飼っているから、もしこの子の中身が死んだ人間だとしたら…なんで考えたらゾッとする。 その反面、その中身の人間が〇〇だったら… 家での行動をもしその人に全部見られてたら。 みたいな変な妄想をしたりして楽しんだ。 村田沙耶香の作品は、いい意味で頭の使ってない部分を使ってるような考え方をするからなんか、狂う。いい意味で。
2投稿日: 2026.05.25
powered by ブクログ「リセット」と「再生」が行われた世界。ピョコルンには新たな能力が加わり、さらに人間の生活、社会は変容していく。人間の性愛に深く鋭く迫る物語。 「上」と同理由で購入。 上下を読んだ感想を書く。 上ではペルソナについて深く迫っていた。しかし、下はまた違う切り口で人間に迫っている。 人間の性愛は to人だから成り立つのではないのか。 良い生き方ってなんだ。 社会に納得されるように生きるのが正解なのか。 こんなことを考えさせられた。 言えることとしては、私はピョコルンにはなりたくないかな。こんなこと言ったら非難されるかもだけど。 キュー
2投稿日: 2026.05.23
powered by ブクログ静岡市女性会館図書コーナーの書誌詳細はこちら↓ https://lib-finder.net/aicel21/book_detail_auth?authcode=RcyZ86teDy3Y0TsVz8ODtg%3D%3D&word_mode=1&sysTime=1779503737705&rootURI=
0投稿日: 2026.05.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
上巻ラストで世界中に衝撃を与えた『リセット』から14年、空子は人畜無害な『クリーンな人』として実家で旧友の白藤遥とその娘の波と暮らしていた。 リセット以降人々の価値観が変わり、ピョコルンは家事や出産ができるまでに改良され、よりSF感が増した世界。 他者を嫌ったり怒ったりすることは『汚い感情』とされ、クリーンであることを求められる世界に空子は上手に馴染んでいるが、同居人の遥はリセット前の価値観を捨てることができずに疲弊しており、娘の波もそのことに不満を抱いている。 14年経っているということもあり、上巻とはガラッと雰囲気が変わった様にも見えるが、クリーンな世界でも差別意識や性的搾取はなくならないどころか、リセット前を知らない波の世代の無防備さがハラハラする。 そして差別や搾取が当たり前だった時代を適切に『媚びて』危険を回避してきた空子は無防備な波や変われずに疲弊する遥を世界99から傍観する。 だいぶSF的なラストに行きついたけど、空子結局それは使われる側になってしまってない?それとも世界99ですらないところに行きついているからそれはそれでいいのかな?
3投稿日: 2026.05.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
図書館本 結末までみて、主人公は一番幸せなルートに行った気がした、歪んでいるけど 被害者になることで、加害したことないみたいな顔できるの、わかるなあと思った
2投稿日: 2026.05.20
powered by ブクログ既存の世界が崩壊してリセットされた後の話 人間のいい加減さが表されてる内容が続く 生きるためには都合の良いように物事を捉える力が必要だよねって再認識した 最後らへんの展開がそこらへんのSF小説も真っ青なディストピア展開で面白い ちょっと変わるけど、インザメガチャーチが資本主義の系譜としたら、こちらは社会主義的な話で終わる
2投稿日: 2026.05.20
powered by ブクログ気持ち悪さを我慢しながら読み、共感もする。女子が性的なものとしていつの時代も見られている苦しさは、しつこく最後まで描かれる。 ピョコルンになったら感覚はどうなるんだろう? この世界で得をしているのは誰なんだろう? ラロロリン人は結局幸せなのか不幸なのか? 性癖、女子蔑視、見下し、いじめ 汚いものを取り去ったら表向き綺麗な人がそろうけど、その世界の人は幸せを感じているのだろうか。面白くないのだろうか。 最後まで不思議だったのは、ピョコルンのサイズ。 人間のいろんなものが詰まっていたら、背丈のちっちゃいサイズに収まらないような気がするのだけど。 。。。。 【読書メモ】 クリーンタウン ピョコルン キュウキュウ ラロロリン人、ラロロリン遺伝子 かわいそうな人、クリーンな人、恵まれた人 上外国 下外国 世界1 地元(象徴的な場所は居酒屋)(あみちゃん) 世界2 職場、自分磨き、キラキラ、新しい物好き(象徴的な場所は誰かの家で開かれるサロン) 世界3 理想主義者、世の中と戦う(象徴的な話題は、事件があった場所に追悼し、話を聞きに行く)(白藤さん) 世界4 傷つかない世界、綺麗な言葉しか使わない 世界8 男性性かきつい人、小児性愛者(匠お兄ちゃん) ・ ・ ・ 世界99 空子のような、相手によってキャラを変えることができ、いろんな世界を楽しむことができる人が素になるとき意識する世界(小早川さん)
3投稿日: 2026.05.20
powered by ブクログ啓光図書室の貸出状況が確認できます 図書館OPACへ⇒https://opac.lib.setsunan.ac.jp/iwjs0021op2/BB50393795 他校地の本の取り寄せも可能です
0投稿日: 2026.05.20
powered by ブクログ読後、真っ先に伊藤計劃の『ハーモニー』を思い出した。 病も不条理も調停されたあの世界と同じように、本作のピョコルンの世界は、一見クリーンでありながら「人間が死んでいくような感覚」を抱かせる。 生殖も介護も、人生の「面倒くさいこと」や「泥臭いこと」をすべて外部化して手に入れた平穏。そこに人間らしさはあるのだろうか。読んでいると、どんなに不条理が多くても、泥臭く生きていきたい、あの生々しい「人間的な感覚」を取り戻したい、ピョコルンのような世界は創りたくない、という強い拒絶感が湧き上がってくる。 しかし、本を閉じて現実を見渡したとき、もう一つの冷徹な思考が頭をもたげる。 そもそも、現実の私たちがそこまで完璧な管理社会(ユートピア)を創り出せるかといえば、おそらく無理だろう。 だとするならば、私たちはむしろ、あの「ピョコルンの世界(=徹底的な効率化や苦痛の排除)」をひとまずの目標として目指し、科学を進歩させ、社会的な評価を追い求めておいても損はないのではないか。なぜなら、私たちが生きる「目の前の現実の人生」においては、科学の恩恵や社会的な達成もまた、等しく重要で不可欠なものだからだ。 「人間らしさのために泥臭くありたい」という倫理的な願いと、「現実をサバイブするために進歩を求める」という実利的な割り切り。 自分の中で、この二律背反する結論に着地して良いのかはまだわからない。しかし、綺麗事だけでは片付けられない現代の生きづらさに対して、ひとまずの、そして切実な私の感想だ。
2投稿日: 2026.05.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
なんというか、異世界?それとも未来?世界が少しずつ変化していき主人公だけが感情がない世界から最終的に全ての人の感情が統一されるのが幸福なのか不幸なのか、とにかくいい意味でムズムズさせられた。感動は娯楽。それは世界99の話だけでなく、私達の世界にも通ずるものであることはもう下手に感動できないな笑と思わされた。
1投稿日: 2026.05.17
powered by ブクログ女の子は子どもの頃に子宮を取り、子を産むのは人間をリサイクルし人工的に作られた生き物(ピョコルン)。ここまでは、こんな未来が来てもおかしくないのかも...と思えたが、最後は記憶を調合って...。そこまで行くともう自我もなく、ただ生かされてるだけ。この世界の人間は何のために生きるんだろう。 上巻では色々な世界があり、それを世界99から冷静に観察する空子がいたが、下巻では、世界99の世界観は全くなくなって、別の物語のようだった。 苦痛な時間だった。
4投稿日: 2026.05.15
powered by ブクログ初・村田沙耶香さん。 リアルな世界とディストピアが、絶妙なバランスで表現されていて、ときに涙が出そうになったり、ときに吐き気を催したり、情緒不安定な読書となった。 小説ってだいたい主人公にすごく共感できるか、まったく共感できないかのどちらかが多いような気がするが、そのどちらもを同時に体験した不思議な感覚。多重人格とペルソナの境目に、根底に流れる差別とミソジニー、呼応と支配について、そのほか諸々、ずっと答えの出ない問題を考え続けながら読んだ。 やはり答えは出ず、まだ混乱したままである。
26投稿日: 2026.05.13
powered by ブクログ上巻は10歳の記憶から始まる。相手により自らのキャラを変えて人格を重ねていく女性の物語で、キャラを変える自分と対比する対象である白藤さんとの出会いの記憶からだ。キャラを相手によって変えていくことは、程度の差こそあれ誰もが経験していることなので “キャラ変ネタで下巻までどうやって物語を維持するんだ?と思っていただけに、上巻終盤に受けたショックは大きかった。差別的な世の中に生きる主人公のエピソードだけではなく、とんでもない要素を加えられ、より加速度を増して下巻を読み進めていった 性別、人種等目に見えるモノから、DNAの特性といった見えないものまでを差別、格付けの具にする苦しい世界を著者は描いている。ページを繰るごとに語られる物語は、差別的で暴力を内包している現実世界を描写しているが、グロテスクな感じがなく、ただ淡々と語られていく。まるで、フィリップ芸のあるあるネタを見ているようだ。 物語は、清潔で美しく皆幸せに暮らすユートピア世界に至り落着くが、それはとんでもないディストピアの様相を呈していた。
3投稿日: 2026.05.12
powered by ブクログ統率されてく社会怖い。今も遺伝子とか知能とか、最適解が徐々に分かり始めてる世界になってきてるから、いつかこの世界も一つの良いものに向かって収束してく気がする。 後半、役たたずのピョコルンにイライラしてしまった。気持ち悪い世界観で面白かった。 世界99に住んでる人は、多分沢山いる。 ○49歳 白藤さんは、10%の「かわいそうな人」そのものの行動をするので、たまに一緒に買い物に行ったりするととても恥ずかしい。どうして、「怒り」だとか「憎しみ」だとか、誰かを「叱る」だとか、そういう「汚い感情」を持ち続けているのだろう? 私たちは矛盾している。でも、矛盾してなかった私たちなんて存在しただろうか?なのになぜ、薄気味悪い「汚い感情」をわざわざ表に出して「お前たちは嘘つきだ」と言わんばかりの顔をするのだろうか。嘘つきじゃない私たちなんて存在するのだろうか? 「ピョコルンができたことで、性犯罪は減りましたよね。私たちは、私たちは、ピョコルンに・・・・・・」 捨てることができるようになりましたよね。 自分の性欲を。人生の時間のほとんどを食い潰されてしまう日常の中の名前のない雑務を。「汚い感情」を。他者の「汚い欲望」を自分の肉体で処理される苦しみを。出産することによる肉体の損傷を。ピョコルンの能力でできる範囲の、最大限の育児を。さまざまな老いた家族の介護を。 私たち、ピョコルンに、全部捨てられるようになりましたよね。そのことは、私たちを昔よりずっと、幸福にしましたよね? めんどくさいな、興奮させやがって、と、かつての明人や底くんが口にしそうな言葉が、自分の内側から這い上がってくる。勃起したからといって、自分が本当に能動的なわけではなく、「勃起させられている」と感じている。もっといえば、「世界中の至る所にピョコルンポルノが仕掛けられていて、それによって強制的に興奮させられている」という説明のほうが、自分の実感に近かった。 人間の配偶者。美しいピョコルン。ピョコルンが産んだ子供。 「幸せの典型例」の家族構成は、今ではすっかりこういうイメージになっていた。 なんか、人間って大体、『感情のお手本」を見ながら自分の感情作ってませんか?クラスの友達とかじゃなくて、なんか、もっと大きなお手本みたいな人がいません?前は世界①と②と③に、今は「恵まれた人』『クリーンな人』『かわいそうな人』それぞれに、きっちり準備されてる感じがするんですけど。ニュースを見ても、それが怒るべきなのか同情するべきなのかどうでもいいニュースなのか、お手本の人を見て大体自分のスタンス決めていればよかったですし。 でも、自分がそれになるときついっすね。なんか、『感情のお手本』の人って集団幻覚の実体化だから。そこからズレると死ぬほど叩かれて犯罪者みたいに扱われて生きてくことになりますしねー。そうなる前に、前もって死んでおきたいなーって思います。 ○40歳 光は麻酔なんだな、と父を見て私は思った。人生や日常、肉体の苦しみや痛みを麻凍させる。よく皆が「光」と呼ぶものは、そうした痛みを和らげるための麻薬のようなものなのではないかと思うと、父以外のさまざまな人間が見せる「光」に対する反応にも腑に落ちるものがあった。 私の記憶と白藤さんの記憶、どちらが正しいのかはわからない。おそらく、どちらも実際の事実関係とは異なっているのだろう。世界は違う脳で録画され続け、その録画データである記憶は改竄され続けているのだから。生きていくために脳はなんでもするのだと、白藤さんを見てしみじみ思った。 ○49歳・2 死ぬ準備というものは、作業としてはかなり面倒でどこまでやればいいのか際限がなく億劫である一方、奇妙に気持ちを安定させるものであると、実際に始めてみてわかった。 不透明だった自分の未来を計画的に処分できるということは、将来の不安が一気に削除されるということでもある。これからどんどん身体が老いていって、働くのが難しくなり、ピョールのローンと維持費が続く未来は、私を陰鬱にしていた。それが急になくなったことで、私はかな解放感に包まれていた。 ○50歳 新宿御苑が真っ白なビニールで塗りつぶされていくことに、「恵まれた人」も「クリーンな人」も特に反対しなかった。白藤さんを含む「かわいそうな人」の中ではそれなりに反対の声があがっていたが、もはや大多数を占めている「クリーンな人」はそんなふうに「汚い感情」や「強い言 薬」を発したり受け止めたりするほど元気ではなく、興味も持たなかった。 「友愛と出産の結びつきのほうが強くなって、ピョコルンが性愛を引き受けるようになって、でも実際には性行為をしなくてもピョコルンに子供を産ませることができますよね。人間の性欲ってどういう意味を持ってると思いますか?」 「中毒性のある摂楽だと、音はよく言っているけど。どうなんだろうね。低俗だと思うときもあるし、高尚だと思うときもあるの、昔から。でも、本能だと思ったことはないから、やっぱり娯楽なのかも。人生って、生命維持と労働だけしかないと精神が崩壊するんじゃないかな。音といると、友愛ですら麻薬に思える。最初は陶酔して、それからもっと強いのがほしくなる」 「ああ、それはそうですよね。どんどん、完璧に調合された、善良な行動のみを生産する人間になるのに最適な記憶のワクチンが創られるようになっていく。そう思うと、今は、個人的な記憶を抱えて生きている最後の時代ですからね」 「そうなんです。これから私たちの記憶は統一されていく。記憶は個人的なものではなく、総合的な、善良な私たちになるための材料として、調合されることになる。そういう時代に、生まれたほうがラクですよね。見学席にいる私の友人は、典型的に苦しい人生だったんじゃないかと思うので。 だったら、均一に記憶が調合されて、脳に配置されて、その記憶にきちんと操作されて清潔な行動と感情しかない世界で生きていく、これからの未来のほうが、本当はあの人には向いていたんです」 このまま世界が素晴らしくなっていったら、きっと、かわいそうな人っていなくなりますよね。 みんな公平に幸福になる」 「はあ、そうですね」 「かわいそうな人って、僕、ずっと好きで、やっぱり、そういう人を見て泣くと、心が浄化されるじゃないですか。だから実際にはかわいそうな人がいなくなってからも、娯楽としての『かわいそう』は残ってくれるといいなって思います。かわいそうな人を見て泣くと、心が綺麗になるし」
2投稿日: 2026.05.12
powered by ブクログ上巻 ★★★★★ 下巻 ★★ 世界の見え方が自分と同じだ!と楽しかったのに、物語が進むにつれどんどん興味を無くしていく。人間観察が大好きなわたしにとって、最悪のディストピア。娯楽は残してくれないと困る。 わたしは世界99の人間だと思う。コミニュティによって人格が違うし、その自覚があるから職場の人達には「プライベートは別人格なので、外で見かけても話しかけないでください」と言っている。損得勘定で「媚びとくか」も考える。仲良くなりたいときはトレースする。でも、世界99の人間が大嫌いだ。 媚びてくんな、って思う。人と人とが呼応する瞬間、気持ち悪いなって思う。こんな赤裸々な感想書いてたら友達いなくなる気もするけど、まぁその時は別の世界があるからいいかなって思う。わたしも世界①②③④⑤⑥⑦⑧ってリスト作ってSNS眺めてる。色んな人間がいるから、この世界は面白いんだよ。
4投稿日: 2026.05.11
powered by ブクログ「可哀想」という言葉は、なんて身勝手で都合がよく厚かましい言葉だろう。その言葉を聞かされた他人は肯定しなければ、冷たい人間という烙印を押される。見る目を変えられる。 それゆえ思っていなくても同意せざるをえない。なんて暴力的で脅迫じみているのだろうか。本作を読んで非常に嫌いな言葉になりつつある。そう思わされるのは、著者の筆力というほかない。「可哀想」は「娯楽」になる、と作中に出てくる。これは当事者というよりは、俯瞰した第三者から見た景色ではあるが、そんな見方もあるのだなと素直に感心した。普段何を考えていたらこんな物語を描けるのか、尊敬なのか畏怖なのか、自分でもよくわからない感情を抱かされる。 「価値観」とは何なのか。他にもこの本を語るにあたって様々なことを焦点にして展開できるが、上下巻を通して、一貫して感じたことがそれである。 ピョコルンの存在は現実世界でいうところの将来のAIに近しいと妄想した。今はまだ無形の存在として人間に知恵や労働の手助けをしているだけだが、今後50年、100年後の世界では、有形の存在として育児、家事、介護、娯楽、性交、出産などを担っているかもしれない。そうなった世界では今の価値観では考えられないことが常識となっているのだろう。AIと結婚していないなんて今どき遅れている、と非難されるような社会となっているかもしれない。価値観なんて結局、その時代に生きやすくなるための社会からの洗脳なのだろう。 普段考えていないことに焦点当てられて、物語を通して考えさせてくれるのが小説の醍醐味だ。
14投稿日: 2026.05.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
これだけの量を積み上げてきた物語の最終章があのボリューム、かつあっさりした描写。個人的には最後にもうひと山を期待してしまったが、均一化された世界の表現としては妥当か。
5投稿日: 2026.05.09
powered by ブクログ上よりも生々しい表現はなくて、その分民族的というか哲学的な描写が多かった。 改めて……今の現代社会を痛烈に風刺してるなーと思う。 文章で読むと絶対的に違和感があるのに、でも確かに今の社会ってそうだよなーって。 とりあえず上下合わせて約800p、脳みそぐらぐら。
2投稿日: 2026.05.09
powered by ブクログオーディブルで上下読了。色々と凄まじく恐ろしくてでも完全なフィクションと切り離してみる事も難しい作品で驚いた。 下で何をするのかと思ったら上で出てきた価値観を下でひっくり返したりして、あらゆる物事の負の側面を見せてくれるのがすごい とんでもない物語だった
2投稿日: 2026.05.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
上巻では、高級愛玩動物であるピョコルンが、実は差別対象であったラロロリン人をリサイクルした存在だったことが明かされる。これにより、それまでの常識が覆り、差別されていた側が一転して価値のある存在になる。“正しさ”や“常識”は時代や状況によって変化する脆いものだと感じた。 また、『感動は娯楽であり、かわいそうな人はみんなの娯楽』という描写が心に残った。私は女性であることで嫌な思いをした経験があり、自分を被害者側だと思っていた。しかし同時に、自分より弱い立場の人を無意識に探し、同情することで安心感を得ていた部分もあったのではないかと気づかされ、自分の中にある差別意識や醜さにゾッとした。感動することと見下すことは、本質的には表裏一体の様に描かれていたことも印象的だった。 作中で“クリーンな人”という分類が生まれて以降、人々の思考停止が加速していく。確かに、何も考えずに正しさへ従うことは楽である。炎上や他者からの批判を恐れ自分の本当の意見を伝えず包み隠して相手や世間に合わせることで自分を守っているのかもしれないがどんどん自我が薄れていく…この感覚は自分も経験があったので共感しながら読み進めた。 クリーンな人、かわいそうな人、恵まれた人――誰が正しいのか最後までわからなかった。そして、登場人物たちが誰一人として楽しそうに生きているように見えなかったことも印象的だった。その閉塞感が、登場人物達の“死にたい”という感情につながっているように感じた。 ラストではワクチン接種が進み、人々が同じ価値観を共有する“クリーンな世界”が完成していく。その世界では皆が穏やかに微笑んでいるが、私には非常に不気味に映った。自我が薄れ、同じ思考を持つことが善とされる世界は、まるでクローン社会のようだった。また、現代社会もAIが普及することで、人間も“効率的で正しい答え”を求めるようになり、多様な価値観よりも均一性が重視されやすくなってきているのではないかと感じる。本作はAIと人間が共存する未来への皮肉にも見え、強い薄気味悪さを感じた。 そして自分のこととして考えたことは、私は空子と同じように世界をトレースして、クリーンな人として今を生きている。けれども、自分の本当の意見を押し殺し、正解と予想されることばかりを話すことで、自分は概念的には、死んでいたのかもしれない。もっと自分の意見を伝えたい。自分の意見を上手に伝えられるようになりたい。この本を読んでそう思わずにはいられなかった。
4投稿日: 2026.05.07
powered by ブクログ自分という存在を極限まで薄めて周囲に馴染む事ってわたしは苦手に感じていて。 でも、それを当たり前にして、それについて何も思わず、流されて生きていく方が楽だから、意識的だろうが無意識だろうが、自分を守る為や他者を守る為にその行動が良いものとされていて。 “普通”や“正しさ”なんて、当たり前に変わっていくのにね。 わたし的には読後感が比較的サラッとしていたこの、悪夢であり救いであるを読んだ色々な属性の人の感想が知りたい。
2投稿日: 2026.05.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
上下読了。確かにディストピアではあるんだけど、なんとなく作者的にはそういう意図が感じないような気もする。 というか、「めちゃくちゃ倫理的にグロいけどみんなの幸福を考えるならこれが最善だよね」的な一種の世界の模範解答を提示しているように受け取りました。 「時代性と環境が先にあって、人格ってそれによる化学変化でしかないですよねー」ってセリフ、これがこの世界の人間の全てなんだなと思う。
3投稿日: 2026.05.06
powered by ブクログ長編でここまで飽きさせずに壮大な世界に引き摺り込むのはさすがの一言。内容が衝撃的なので、ちゃんと毎日少しずつ読んでも設定を覚えておけるのは良さか。 ただ、美しさを見るために読んではいけない。どこかの書評にあった「ディストピア」という言葉がとても似合う作品。
2投稿日: 2026.05.06
powered by ブクログ『世界99 下』を読み終えて感じたのは、この物語は「結論を出す話」ではなく、「構造を見せ切る話」だということだった。 上巻で提示されていた違和感は、下巻でさらに具体的な形になる。とくに大きいのは、「世界が整理されていく過程」だ。 下巻では、人間が“クリーンな人”“恵まれた人”“かわいそうな人”のように分類されていく。この分類は一見すると合理的だし、優しさにも見える。誰かを責めるわけでもなく、対立も減る。だから社会としては安定する。 ただ、読み進めるうちに違和感が強くなる。なぜかというと、この仕組みは「排除しない代わりに固定する」からだ。 かわいそうな人は、ずっとかわいそうな人のまま。 クリーンな人は、ずっとクリーンな人として振る舞い続ける。 表面的には優しいが、実際には人間の変化やズレを許さない構造になっている。 ここで見えてくるのは、「正しさ」の怖さだ。誰も傷つけないように整えられた価値観ほど、強く人を縛る。暴力で抑えつけるわけではないのに、人は自分からその枠に合わせていく。 下巻は、この“静かな支配”をかなりはっきり描いている。 もう一つ印象に残るのは、主人公・空子の変化だ。 上巻では、環境に合わせて人格を切り替えることで生きていたが、下巻ではその状態がさらに進む。 周囲にとって都合のいい存在として、違和感を持たずに振る舞えるようになる。 ここで重要なのは、「無理している感じ」がなくなることだ。苦しみながら適応するのではなく、自然にそれができてしまう。 これは成長にも見えるが、同時にかなり怖い変化でもある。なぜなら、自分で考えているつもりでも、実際には環境に合わせているだけ、という状態に近づいているからだ。 終盤の空子の選択も、この延長線上にある。何かに抗うわけでもなく、かといって流されるだけでもない。 ただ、これまでの積み重ねとして「そうなるしかなかった」という形に見える。 このあたりは、読んでいて一番引っかかるポイントだった。 全体として下巻は、「人はどこまで環境に合わせてしまうのか」という話になっている。 自由に見えても、実際には選択肢はかなり限定されている。その中で合理的に動けば動くほど、同じような場所に行き着く。 それは極端な未来の話ではなく、今の社会にもそのまま重なる感覚がある。評価されやすい行動を選び、無駄を避け、空気を読む。その積み重ねがどこに行き着くのかを、少し先まで見せたのがこの作品だと思う。 下巻は、上巻よりも派手さは少ない。その代わり、「どういう仕組みでこの世界が成立しているのか」をしっかり見せてくる。 そして最後まで、明確な答えは出さない。ただ、「こういう形になる」という結果だけを提示する。 読み終えたあとに残るのは納得ではなく、引っかかりだ。でもその引っかかりこそが、この作品の価値だと思う。 『世界99 下』は、物語としての面白さよりも、「自分たちの生き方がこのまま進むとどうなるのか」を見せることに意味がある。 だから読み終わったあと、すぐに消化できない。むしろ、時間が経ってからじわじわ効いてくるタイプの一冊だと思う。 #2026年15冊目
30投稿日: 2026.05.05
powered by ブクログ上巻では変な人と思っていた空子が下巻では普通の人、に見えてきたから不思議だ。 人の価値観が一変する“リセット”的なことって現実でも定期的に起きている気がする。何が正常か、異常か。 人間がひとつの感情に統一されていっている、それが良しとされている、というのは現実世界でも起きていることなのかな。
12投稿日: 2026.05.02
powered by ブクログどちらの生き方も、希望ないとおもちゃ、、、 でもやっぱり、みんなが「同じ」ほうがマシかも、、、、、、 丸の内魔法少女に入ってた、「怒り」がなくなる話がすごい印象的だったけど、なんか総じてこれが村田沙耶香世界なのだとおもた もっとよみたいです
1投稿日: 2026.05.01
powered by ブクログ最近、コンビニ人間、消滅世界、地球星人と続けて読んでいて、村田ワールドにどっぷり。空子はどこかコンビニ人間の古倉さんっぽいなと思いながら読んだ。 近未来という点では『消滅世界』に近いが、「ピョコルン」の発明がこの作品を唯一無二にするだろう。 付箋を立てたところを読み返すと、人間の本質は空虚なもので、何らかの核があるのではなく、空洞が自分そのものである、という感覚を得た。記憶は改竄され、善意も理解も信用できない世界で、人間とは何かを考えさせられる。簡単に他人を理解した気になっていないだろうか。 かなり強烈で、読む人は選びそうだけれど、これまでにない読書体験になることは間違いない。 他の人と語りたくなる作品ではあるが、「ピョコルンかわいい」で読み始めると、なかなか大変なことになる。
2投稿日: 2026.05.01
powered by ブクログ上巻はまだ眺めていられる感じだったけど、下巻はもうよくわからないところでなんか凄いことしてるなぁと遠くを見るような気持ちで読みました。 「世界99」を読んでいて感じる気味悪さや異質さは、今の自分の世界で感じるモヤっとした気持ちが強調されて形になって動き出してることなんだろうなと思うのだけれど、明確にこういうことか!と把握することは私には一読では難しいと思いました。 今後、生活の中で「あ、世界99の中でもあったやつだなー」と気がついて理解していけるのかもしれない…? 心で「ギョエェェェ!!!!」となりながらも、普通では得られない読書体験ができました。
2投稿日: 2026.05.01
powered by ブクログ壮大な愛の話だった。ひたすら認めたくない加害の「共感」を敷き詰めて、行き着く先がまさかの場所でびっくりする。語られる事と、行動と、どちらがその人の本当なのだろう。 コロナ後、社会のホワイト化は拍車がかかっているように感じる。SNSという記憶(価値観)のワクチンを接種して、僕らは均一化されている。(作品の中でも「海外はそうでもない」というのが面白かった。)これは良い方向に向かっているんだろうか。 無い頭で色々考えてパンクしそうなんだけど、単純に、友愛や性愛に分類されない。いや「愛」という言葉で合っているのかもわからない、2人の関係性について、とてつもない感動を覚えた。村田沙耶香版「ちびまる子ちゃん」だと思う。
2投稿日: 2026.05.01
powered by ブクログ本作は、支配する側と支配される側という明確なヒエラルキーの中で生きる人々の姿を通して、現代社会の歪みを鋭く浮かび上がらせている。主人公・空子の家庭環境においても、母親は父親に絶対服従し、その構図は無意識のうちに空子へと継承されている。空子自身もまた、母親を道具のように扱う存在となっており、支配と従属の連鎖が個人の内面に深く組み込まれていることが印象的だった。 物語の舞台である「クリーンタウン」は、過去に縛られない理想的な社会として設計されている。しかし実際には、差別意識やいじめといった問題が根強く残っており、「新しい世界」であっても人間の本質は容易には変わらないことが示唆されている。この点に、現実社会との強い連続性を感じた。 空子という人物は、感情の発達が鈍い一方で、他者の言動や空気を鋭敏に読み取る能力に長けている。彼女は他人をトレースしながら自己を形成していく存在であり、その姿は「人は他者との関係性の中で自己を構築する」というテーマを象徴しているように思える。ただし、彼女の高い認知能力は必ずしも主体性の獲得にはつながらず、特に異性との関係においては、両親の関係性をなぞる形で従属的な態度を取ってしまう。この点に、人間がいかに無自覚に環境を内面化してしまうかという怖さを感じた。 また、ピョコルンという存在は非常に示唆的である。彼らは女性の雑務を代替することで生活を効率化するが、その一方で新たな問題も生み出している。利便性の向上が必ずしも人間の幸福につながるわけではないという点は、現代のテクノロジー社会にも通じる重要な論点である。 作中では、「知能の高い者が責任を負うべき」という価値観や、常に他者からの評価を意識する“他人軸”の生き方が描かれている。しかしその世界は、決して自由でも幸福でもなく、むしろ空虚さが際立っている。自分自身の意思や責任に基づく“自分軸”が欠如しているために、人々は生きる意味を見失い、ただ社会の中で機能する「道具」として存在しているように見える。 こうした状況からの脱却として提示されるのが、「ピョコルンになる」という選択である。それは単なる死ではなく、人間という枠組みを離れ、別の形で社会に貢献する存在へと移行することを意味しているように読める。家族の形や常識が変容していく中で、人間とは何か、生きる意味とは何かという根源的な問いが突きつけられている。 『世界99』は、極端な設定を用いながらも、現実社会の構造や人間の在り方を象徴的に描き出した作品である。読み進めるほどに、自分自身がどのような価値観に支配され、どのように他者をトレースして生きているのかを問い直さずにはいられない。読後には、不穏さとともに強い内省を促される一作であった。
14投稿日: 2026.04.29
powered by ブクログ終始気色が悪い作品だった。 ここまで薄気味悪いこの味を出せるのはきっと村田沙耶香さんの持ち味だろうな。
2投稿日: 2026.04.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
誰かをトレースして、キャラクターになる この場面では、この感情、このセリフを言えばいいんだ いつもその世界の正解を探して、振る舞う その感覚を知っている 世界に媚びている感覚を私も持ったことがある 媚びている人だと思ったこともある 誰かに役割を押し付けたことも、押し付けられたこともある これは、突拍子もない話ではなく、 この世界の成れの果てだと思った 平均的な記憶をみんなが持つのだから 平和なはずなのに、息苦しい
1投稿日: 2026.04.27
powered by ブクログ最後に老婆が見せたであろう表情と全く同じ顔をして読み終わったと思う。 生まれてしまったからには生き延びるしかない。 今の生活が誰かの犠牲の上に成り立っていることなんて分かってるけど、じゃあどうしたらいいの?代わりに自分を犠牲にすればいいの? もういいから。分かったからそれならどうか緩やかに殺してくれ。 そんな淡々とした叫びと叫鳴が常に張り巡らされていてこれがディストピアでこの世界だ。 男だから虐げられるのではない。女だから虐げられるのではない。ピョコルンだから虐げられるのではない。
9投稿日: 2026.04.26
powered by ブクログ他人の消費、差別、無意識に行なってしまっているんだろうな。環境や相手に応じたペルソナの変化も。結局自分ってなんなんだろう誰なんだろう。 ラストの空子の選択は上巻からの考え方の変遷が気になる。
5投稿日: 2026.04.26
powered by ブクログ結局人は自分が思うように人の事を認識できないし、 勝手にこれまでの情報を処理して、 勝手に目の前の人のストーリーを作って、理解したきになっているんだな、、、 人は過去の情報量で積み上げられた融合体であり、ただ存在している国に媚びて、合わせようとしているだけな存在かもしれないと悲しくなった。
2投稿日: 2026.04.24
powered by ブクログ出てくる男が全員この世の終わりすぎて、やばめのフェミニストみたいな思想なりかけるw 著者は男の人のせいで相当嫌な体験をしたんやろうな、、、 アキトくんまじでやばすぎるって 同時に、なんか男の人も性欲のせいでしんどいんやろうなと思った。知らんけど。 全体の感想としては、、こういうこと言うと顰蹙買うけど、やっぱ幼少期から可愛かったり面白かったり、空気読めたり、、etc 好かれる要素を持ってる故に比較的色んな人と仲良くなって色んなコミュニティに属して生きてる女の人ってほんまに、表面上わからんけどみんな死ぬほど気使って生きてきてるよな、と。それこそ小学生の頃から。みんな色んなキャラを使い分けて生きてるんだわ。それは生き易さのためでもあるけど、普通にその場を楽しませたい、つまらん思いをさせたくない責任感もあるねんな。普通に努力です。親用、先生用、上司用。その他諸々。さすがに99個も世界はないけど。その努力をしない人が嫉妬したり嫌味言うのも、努力に気づかん無神経な奴もみんなむかつくよね。 もはや自分でも自分のほんまのキャラとかわからんし。自分探しの旅にでも出るか?
3投稿日: 2026.04.21
powered by ブクログ上巻で受けた衝撃は薄れ、下巻は読むスピードがだいぶ落ちた。それでも普段感じる何気ない感覚が見事なまでに言葉にされて目の前に差し出される感覚が面白く最後まで読み切ったー。 もし映像化されるとしたら、ピョコルンってどんな感じなんだろうとか思ったりもしたけど、こんだけの心理描写は映像化できないだろうなと…
2投稿日: 2026.04.21
powered by ブクログ主人公空子の一生を描いた本。日常の性暴力、父権社会、マイノリティやギフテッドへの迫害がリアルな解像度で編集されていて怖かった。普段は無意識下で気づいているけど無視してしまっている事実をありありと見せつけられている感じ。特に、性欲の描き方がリアルで村田沙耶香さんの過去作にもつうづる物があるんだろうな。男性性の暴力は日々の中に確実にあって、それが彼女たちを少しづつ殺しているというのはたしかに真実なのかもしれない。
2投稿日: 2026.04.20
powered by ブクログどうにか読み終わった辛かった、、、、生理的嫌悪がずっとまとわりついてほんとに何度途中で止めようかと思ったけど読後に何かあるかも知れないから最後まで行った。特に何もなかった。なんか偽悪的というかわざとここまで気持ち悪くする必要ある?ラ行を多用した単語の音すら生理的に無理だった。役割期待と社会人格、女性性、現代日本のジェンダー問題とかやりたいことはわかるけど無理このひとの本はもう読まないしだいたいほんとうのわたしとかそもそもないから ------ 単にわたしが女性の日本人作家の書くものほぼ全部好きじゃない問題があるな 好きなの佐藤亜紀と山田詠美と斎藤美奈子くらいだ
3投稿日: 2026.04.18
powered by ブクログ怒りや妬みや恨みや、そんな悪い感情をふんだんに有する私のような「かわいそうな人」を代表する者にとって、これでもかというほど読み心地の悪~い未来の世界が、これでもかというほどのボリュームで描かれております。人間生活を脅かす犯罪を生むのはそうした悪い感情であり、さらには性欲であり、それを一切排除して誰しもを「クリーンな人」へと変えていく。それによって仕事に福祉に教育に、とにかく社会全般において安全と効率を最優先に導かんとする世界。ラロロリン人にピョコルン、現在の倫理観を徹底的に皮肉って、読者を痛めつけてくる。
2投稿日: 2026.04.16
powered by ブクログ下巻は読み進めるのがちょっとしんどくなってしまった。 人間が背負いたくないあれこれをピョコルンに負わせ、人間はとてもクリーンな存在でいられる世界。しかしそれは、全くクリーンではなくむしろ人間の汚さがクリアになる世界なんだな。いろんなことを背負ってもがいて生きるのが真の人間ってことか。
2投稿日: 2026.04.16
powered by ブクログ世界99の世界には、住みたいとは思わなかったが、唯一共感できたのは、生きることに疲れたときは、ピョコルンになることができるということである。この人生のリセットという機能は、現代の倫理に反するが、将来的には存在するかもしれないと思った。 ピョコルンにはなりたくない。
9投稿日: 2026.04.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
上巻を読んでからめっちゃ時間経っちゃったので登場人物を思い出しながら読んだけど、やっぱ最悪な読後感!でも最後の最後はなんかちょっと世にも奇妙な物語的なファニーな感じで終わって、不思議な感じだった。最後のピョコルンが空子なのかな?みんながみんなの地獄を生きていたね。光の家族の話が知りたいというか、子ども産まない方がいいのかなと思うが、まあ結局旦那次第なところも大いにあるんだろうなと、思う……母や祖母は明らかに搾取されてきた側だし……でも……うーん……て感じだ。すごく嫌な気分になるので、あんまり健康に良い本ではない。
2投稿日: 2026.04.14
powered by ブクログ世界観が完成していて違和感なく読み進められた。 自分が女性であるからか、共感できるものも多く、空子の生き方に似たものもあり、読んでいて面白かった。 社会風刺のような感じで、今の世界に通ずるものがあると思えた。
1投稿日: 2026.04.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
単行本で上下巻合わせて900ページ近く、その間ずっと不愉快しかない世界の描写を読まされて、メンタル弱っている時なら発熱しかねないような気持ち悪さ居心地の悪さ…なのに、小説としてはとんでもなく面白い。 なんじゃこれ! コンビニ人間を読んだ時にもった違和感だけを抽出して、丁寧に培養して大きく育て上げた感じ。 授乳を読んだ時ほど、女性限定感はないが、全ての人間とピョコルンは虐げられるべき存在という世界観は性差抑圧なんだろうなぁ。 村田沙耶香おそるべし、とんでもない小説家に進化している。読者としての俺は果たしてどこまでついていけるのか?もうすでに青息吐息ではあるが…。
1投稿日: 2026.04.11
powered by ブクログ上下巻でなかなかのボリュームで空子の人生に後半はだんだん疲れてきた部分もありましたが、 差別やピョコルンの存在が時代によって変わるのも優しい人ばっかりの世界みたいな移り変わりも今の社会に通じるものがあって、 便利だと思って使い出したAIに仕事が奪われるとかそういうのをピョコルンから感じたし きもい人をきもいと言えなくなる世の中もどうなのか?とか性格の作られ方とかなるほどなーと思うことばっかりだった。 作者どんなひとなんだろ
2投稿日: 2026.04.10
powered by ブクログ上巻で空子には自分を重ね、下巻で白藤さんに自分を重ね少しメンタルを削られるくらいの迫力を感じてしまった。 正しくあろうとする事って、正しい方向にいってもいかなくても、それが呪いになって積み重なって生きづらく感じることがあるが、そういった事が本当に救いがなく描かれていて、上手く生きれるようになりたいと痛切に思ってしまった。
1投稿日: 2026.04.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
49歳の空子の物語。 世界の崩壊により全ての人が 世界99に身を投げられてしまったところから物語は始まる。 世界は必要な形に変容していく。 人々の価値観も、社会問題も 目まぐるしく変容していく。 ピョコルンという生物の正体、 差別の果ての姿、人間の理想の形… 様々な価値観が変化していき この世界の変容は止まらない。
1投稿日: 2026.04.07
powered by ブクログ下巻、共感できることがほとんどなくて読んでて辛かった。 家事、性欲、出産、育児、介護…これらは人間の時間を蝕むのかもしれない。だけど、一筋縄で行かない面倒くささこそが、生きる意味なのではないのかなと思った。 それを雑務だとして、ピョコルンに任せられる社会は、果たして本当に幸福なのだろうか。本書の世界で人間が生きる意味、幸せとはなんだろう。 世界は一部の優秀な人たちのおかげで、よりよい社会が作られる。それなのに、可哀想な人たちは、感謝もせず不満ばかり言う。これはたしかにそういう面もあるなと思った。 いまの私には難しい作品だった。
4投稿日: 2026.04.06
