
総合評価
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powered by ブクログ学校の先輩にオススメされてこの本と出会いました。 ものすごく気持ち悪くて悲しい話、読んで苦しんでみてほしいと言われとても期待しながら読みました。 結果として私の人生最高の一冊になりました。 この本の世界観に圧倒され、恐怖し、自分の中に新しい視点と価値観を与えてくれました。読む前には戻れないとはこういうことを言うのだろうなと思いました。 上巻を読み終わってすぐに自分の世界を書き出してみました。 この本が訴えている問題について自分なりに結論を出したり、自分自身についてもまた深く考えさせられました。 これから下巻を読んでいこうと思います。とても楽しみです。 私にとってのピョコルンはGeminiです。
0投稿日: 2026.07.13
powered by ブクログ村田沙耶香さんの『世界99』を読んだ。これまでにないボリュームに驚くとともに、居心地が悪くグロテスクで退廃的ななかに一筋の光を感じる氏の世界を存分に楽しみ、幸せを感じた。こんなに読みにくい絶望的な世界をこんなに読みやすく描ける文筆家としての氏の力量に打ちのめされる。やはり唯一無二。
1投稿日: 2026.07.12
powered by ブクログ村田沙耶香ワールドを満喫できる作品だった。 現代の中にぬるぬるとSFが入り込む。 内面化されている価値観を巧みに崩してくれる。 村田さんの作品は一貫して「生殖とは?」ということを説いている気がする。今作では軸にはなってないけどやはり重要な要素として出てくる。眉間に皺を寄せながら読むことにはなる。 様々な世界を行き来する感覚に共感する。主人公とは違って、大分大人になって世界が分裂することを知ったけれど。下巻での主人公とそれぞれの人間関係がどう変化していくのか楽しみだ。
1投稿日: 2026.07.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ピョコルンってなんだ?なんなんだ?愛玩動物であり、性欲処理できる動物ってなんなんだ?私にはもう分かりません。小早川さんも主人公の唯一の理解人ではありえなかった。世界が複数あるってどんな気持ちなんだろう。私には世界が複数ないから分からないよ。複数あってほしかった。村田沙耶香の目には世界はどれだけ多数に分岐されてるの?どれだけの目を持てば、小説家になれるの?この本を読んでいて、つぶやきたいって思った。今のことの戸惑いを残しておきたいって。それすらも世界のたった一部でしかない。私はピョコルンがほしいよ。
2投稿日: 2026.07.11
powered by ブクログ聞いたことがない言葉が色々出てきて、独特の世界観があります。差別や性的な描写もリアルに描かれており少し読みづらさはありました。ただ、読んでいくうちに、主人公のように誰でも仕事、家庭、友だちなどの世界に応じて、自分を変えならがらその場を取り繕ったり、付き合っていくものなんじゃないかなと感じました。物語は大きな展開を迎え下巻に移ります。どのような結末になるのか最後まで追いたいと思います。
10投稿日: 2026.07.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
主人公の場面や立場に合わせてペルソナを使い分ける、というのはあそこまで極端でないにしても誰しも持ち合わせている感覚だと思う。 ピョコルンという謎の生き物、ラロロリン人というDNA、読んでるうちになんか具合悪くなってきそうなめちゃくちゃな世界。 下巻読むのしんどいけど、上巻の終わりで世界の境界が崩壊?になったから、続きは気になる。
3投稿日: 2026.07.11
powered by ブクログ4.8 どんなジャンルの本なのか分からない。 とても面白い!! 一人一人が持っている各環境での自分のキャラクターや性格を細かく因数分解し表現されているのが、初めての感覚でとても楽しめた。 また、その描写が描かれている世界観が今の世界と通じる感じもあり薄気味悪いが共感させられる。 下巻もすごく楽しみ
1投稿日: 2026.07.10
powered by ブクログ休み休み、読んでる。村田沙耶香は好きで何冊も読んでるのに…遅読。 なかなかヘビーな話が続くから、どうなるんだ??って、全然先が見えないし。 小説という虚構世界なんじゃなくて、現実世界をデフォルメしている感じで…うーん、実に気持ち悪い。
8投稿日: 2026.07.08
powered by ブクログ図書館で上下揃っていたので 借りてきた。物語はどこへ行くのだろうという感覚のまま 読んだ。上巻読み終えて 誰の中にも 空子はいるんじゃないか?自分の中にも いるわ と。トレースしてる 呼応してる と考えると ある意味 生き方の知恵なんじゃない?みたいなこと 感じた。繰り返すけど 物語はどこへ行くんだろう〜で 速攻 下巻を手に取ったのです。
6投稿日: 2026.07.05
powered by ブクログsf小説のようで設定が突拍子もないこともあるが、表現していることは実に現実世界をうまく表しているように感じた。 人はその場その場で他人に合わせることで生きており、本当の自分というものは存在しない。状況次第で何通りもの性格を使い分けている。 その中でも自分と共鳴する人たちだけのコミュニティで生活しており、そこが“本当の”自分の世界だと感じている人も多いのではないか。 しかし、世界が根本から揺らぐような出来事が起き、自分がいた世界が俯瞰的に見えるようになる。そうすると自分が当たり前だと思っていた世界が実はとても狭かったことに気づく。 このように、言葉にしにくい微妙な感覚をクリアにしていると思う場面がいくつもあった。
11投稿日: 2026.07.04
powered by ブクログ村田沙耶香さんの作品が好きなら必読の一冊。 これまでの村田さんの作品をまとめ上げたかのような仕上がりの壮大なディストピア小説。 上巻で描かれるのは、これまでわたしたちが生きてきた世界に近しい世界。差別、虐め、モラハラ、性被害などが一般的な世界で、空子は自分の性格を持たず、安全で合理的に生きるために相手に「呼応」しながら生きている。 コミュニティによってキャラを使い分けることは誰にでもあると思うけれど、属するコミュニティから見た世界の違いについての描写や、「世界②にいると世界③にいるときに感じていることが感じられなくなる」といったような描写があるように、空子はとても極端に、そして徹底的にキャラの使い分けをしている。 エンターテイメント性があるのが上巻で、最初から引き込まれるだけでなく、中盤からのジェットコースターに乗っているような話の盛り上がりがすごい。読み終えたらすぐ下巻を読みたくなる。
2投稿日: 2026.07.03
powered by ブクログ異常性と嫌悪感が何度も襲って来ては、すぐに社会に馴染むという変な感覚がずっと続いた。空子は初め、コンビニ人間の主人公を思い出したが、結局はみんな誰かをトレースしているはず。自分の意思がない空子が小早川に出会って意思が生まれたのは面白かった。上巻を一気読みしてぐちゃぐちゃになった頭の中を整理するのが難しい。下巻は全く予測がつかない。
11投稿日: 2026.07.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
感情のない主人公空子が取り巻く世界にトレースして呼応する。 SFディストピア小説と思って読み始めると全然そうではなくて、身近な世界が広がっているように思えた。 たしかにコミュニティによって多少人格や、言葉遣いって使い分けているかも。 ピョコルンてなんなの〜どんななの〜って思ってたらまさかのリサイクル人間ということで仰天。 ウエガイコクやシタガイコクが出てきたときになんとなくの分類がわかってしまう自分がちょっと嫌になった。
1投稿日: 2026.07.01
powered by ブクログ村田沙耶香さんお得意の「現実からちょっとズレた世界」、今回はそのズレ方がとにかくえぐい。 主人公・空子は”性格がない”女の子。その場その場で人格を使い分けて、ただ「安全」に「楽に」生き延びてきた人間。……でもこれって、よく考えたら誰でもやってることじゃないか、と気づいて背筋が冷えた。 謎の生き物・ピョコルンの正体が明かされるにつれて、物語の不穏さがぐんぐん増していく。「気持ち悪い」と思いながらも、ページをめくる手が止まらない。 人間の裏側・欲深さをここまでストレートに描ききる村田沙耶香さん、本当にすごい…!
2投稿日: 2026.06.30
powered by ブクログいろんなところで絶賛されてたのをみて とりあえず上巻を読んでみました。 「コンビニ人間」以来の村田沙耶香さんの作品。 コンビニ人間を読んだ時は記録してなかったので 記憶ははっきりしてないけれど、 独特の世界観だったことだけは覚えてました。 そしてこの作品。 なかなかの想像の斜め上をいく世界観で 新鮮ながらにちょっと理解が追い付かない私... ピョコルンにラロロリンDNAと よくこんな世界を描けるな〜 とひたすら感心してました。 私自身は続きが気になる面白さはなくて... それがなぜなのか? と考えた時に 主人公の空子に感情がない ような気がして、平坦な感じがあるからかな、 と個人的には感じてます。 ストーリー自体はちゃんと起伏はあるものの 空子は他に人に合わせて生きるキャラだから 自分のオリジナル感情がないんですよね... 人に合わせてキャラが変わるのは 人間誰しもあると思ってはいるのだけど でもそのなかでその人にしかない オリジナルな感情はあるはずなのに、 私には空子のそれが感じられなくて... とはいえ、あの分厚い上巻を読んだのだから この想像の斜め上をいく世界が これからどう展開していくのか? を見届けたいとは思ってます。
9投稿日: 2026.06.28
powered by ブクログ読み終えて真っ先に出た感想は「とにかく不快」。 それなのに、なぜか読み進めてしまう不思議な引力がある一冊です。 物語が進むにつれ、主人公の空子がコミュニティごとに器用に「顔」を使い分けていく姿には、共感できます。 私たちが無意識に行っている社会への適応や擬態を、ここまで剥き出しに描かれると、自分自身の輪郭すら揺らいでくるような感覚になります。 一方で、作品全体を覆う性被害や差別の描写、そして「ピョコルン」といったあまりに独特でぶっ飛んだ設定には、目を背けたくなるほどの生理的な拒絶反応もありました。 これこそが村田さんの狙いなのだと分かっていても、精神を削られるような読書体験です。 上巻のラストは言葉を失うほど衝撃的。 続きが気になって仕方がない反面、下巻を開くにはかなりのエネルギーと勇気が必要そうです。
7投稿日: 2026.06.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
倫理観が気持ち悪い世界線の話だなあと思った。しかし、行き過ぎているだけで、人の性格や思想、それに伴う技術の変化、またさらにそれに伴う人の思想の変化は通じるものがあると思った。 個人的には、新しいコミュニティや久しぶりに会う友人がいると、今日はうまくいったとかもう少しこう振る舞えば良かったみたいになることがあるけれど、会う頻度が上がるほどに同じような自分に収束していく。これが自分の世界99なのかな?と不思議な感覚に襲われた。 下も楽しみである。
6投稿日: 2026.06.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
主人公である空子は自分がない「人間ロボット」ではないかとずっと考えて生きていた。自分がないから相手に呼応して、相手を「トレース」して理想の友人を演じてきた。誰からも親友だと思われるように。楽に安全に生きていくために。そのおかげで自分が色々な自分に分裂していくという感覚になる。 ここまでは一見普通の小説だなと思う。自分もコミュニティに合わせたペルソナがあるし、誰だって親の前と恋人の前、友人の前、同僚の前だと態度や話し方は違うと思う。空子ほど顕著ではないと思うし、あそこまで相手に合わせられるものでもないが。言われてみればそうだな、という人の一面を他にはない角度で切り取っていて面白いなという印象。 だがここで終わらず、ラロロリン人とピョコルンが出てきたことにより、なんだこの本はと思った。 前者はラロロリン遺伝子?か何かがガイコクで発見されその遺伝子を持っている人がいじめられたり優遇されたり迫害されたりする。(時代によって違う) 後者はパンダとなにかとなにか(もう覚えてない)の遺伝子を混ぜて作られたペットらしい。キューキューと可愛くなく姿に人々は魅了されていた。空子の家にはピョコルンがいて主に空子の母が世話をしていた。餌は人間と同じものを食べる。専用の食べ物がないとか便利だな、と思っていたが、まあ中身が人なんだから同じもの食べるわけで上巻のラストで明かされることは冒頭で暗示されていたのかと鳥肌がたった。 作中の世界では家のことは女がする世界で「家電」と表されていた。夫や子供の食事の世話、掃除、洗濯、夫の性処理などなど。そんな中でピョコルンと性行為するというものが流行りだす。そして空子が大人になった頃、ピョコルンには人工子宮がつけられ、性行為の対象はもっぱらピョコルン。もちろん出産もピョコルン。これで空子は以前の母のように全ての世話をする必要はなく、家事をするだけで良かった。そんな中でピョコルンの中身が人で、人のリサイクルだったと明かされる。さあここからどうなるのってとこで上巻が終わった。 面白いのは面白いが、なんだこれというのが1番に出た言葉だった。なかでも大人になった空子は自分が分裂しているだけでなく世界が分裂していると表すようになり、複数の世界を持っていた。世の中の流行りごとに疎い地元の世界1(多くの人が属しているような平和な世界)、最先端のものにアンテナをはれるような裕福な人が多いキャリア組の世界2(水素水とかすごいサプリとか金持ちだなって世界)、何事もしっかり考え、頭がおかしいと言われようが自分たちは正しいことをしていると主張する世界3(同性婚とか女性の社会参画に理解をとか騒いでる世界)それぞれの世界でラロロリン人が、ピョコルンが、どういうものでどうすべきか異なる判断されている(カッコの中は自分が思うに実社会ではここら辺かなという社会)。そこら辺に順応しているあたり空子は本当に自分がないんだなと感じた。作品の大筋とは関係ないが、世界2の鼻のホワイトニング、世界3の汚水?や廃棄物を摂取して人間の体で浄化するという行為。何やってんだと思ったが、体内にチップを入れるということや磁力で新幹線がとんでもない速度で走ること、自分が生まれた時から自然に受け入れてるだけでチーズやキノコといった菌類を食べていることも今の世界になくて小説の世界に出てくればなんで体の中に異物を入れてるんだというふうに思ったんだろうなと考えると自分もいつか鼻のホワイトニングをする日が来るのかなと思ったりした。
1投稿日: 2026.06.27
powered by ブクログ最初に「人間」を始めたのは、いったい誰なのだろう-。 『コンビニエンスストア様 』以来、そして、同一作家san最多となる21作目の村田沙耶香san。アンソロジー以外、全部読んでます! この世はすべて、世界に媚びるための祭り。性格のない「からっぽ」の空子の一生と人間社会の終着点を描いたディストピア。どうか、穏やかに天国にいけますように。都合の良い「道具」・ピョコルンを生み出した果てに人類が至った極地とは・・・ この作品は村田sanの世界が全てが詰まった集大成だと思います! これまでに読んだ『世界星人』の「ポハピピンポボピア星人」、『しろいろの街の、その骨の体温の』の「ニュータウン」、『授乳』での「母への態度」などのエッセンスがたっぷり入っていました。 出会った人に呼応とトレースを駆使し、安全に生き延びる。一見かわいいだけのピョコルンの能力と変貌。その後の「リセット」とララロロリン人との共存、そして人間リサイクルシステムまで。 上巻ラストの明人の決断や下巻最後の空子の儀式は、分かっていてもトラウマ級の衝撃でした。。>< 【第78回野間文芸賞】
1投稿日: 2026.06.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
この著書の作品、初読。 最初からなんとなく不穏な感じがしていたのだが、最後のところを読んだら眠れなくなった。 昭和の時代を描いていると思っていたけど、ピョコルンって何?あたりからブラックなファンタジー感が出て来て、世界99!ってこれかー!で上巻終わり。えー! 私は登場人物に感情移入できる作品が好きなのかもしれないと思った。この作品は情景がよく思い描けるし、話している昭和な価値観も理解できるけど、全然感情移入出来なかった。むしろイヤな感じすらした。 自分は人間ロボットかもと悩む主人公なのだが、相手によってこんなに態度を変えるとかイヤだ。 下巻に続く
20投稿日: 2026.06.25
powered by ブクログラロロリン人?ピョコルン??なに??気持ち悪い…やばい…でも私らの知ってる世界の話だったね…という感想 共感もできるし、本当にすごい
11投稿日: 2026.06.24
powered by ブクログ内容と長さに反して読みやすい。 コンビニ人間にも通ずる話だけど、自分が所属しているいくつかのコミュニティでペルソナを使い分ける感覚、めちゃくちゃ分かるな〜と思った。 私は強い信念を持ち合わせている訳でもなく、誰かにネガティブな印象を持たれることなくその場をやり過ごそうと周りの様子を伺う癖のようなものがあるので空子の思考や行動には共感を覚えた。 この作品も(題名はもちろん知っていたが)実際に読もうと思ったのは周りの友人複数人が読んでいたからだ。 友人Aと話すときは流行りの言葉でSNSで流行っていることや異性との恋愛についての話題で盛り上がる一方で友人Bと話すときは共通の趣味について盛り上がったり互いに勉強しているアカデミックな話題で盛り上がったりする。 友人Aと友人Bの住む世界は別で、私もそれぞれ違う顔を使い分けている。 友人Bとの世界にいるときの私は流行を追うばかりの友人Aを軽蔑さえしている。 それ以外にも世界はあって、どの世界が過ごしやすいか、どの世界にいる自分が理想的か、それぞれ思うことはあれど、一貫して演じているな、と思った。 きっと皆そうなんだろう、と思う。 個人の中に住まう空子(小早川)に気付かされる作品だった。 ごく稀に住む世界の違う友人同士を引き合せることが得意な人間に出会う。 住む世界の違うもの同士が同じ場所にいても自分の見え方や在り方を変えず(少なくとも変わっていないように見える)人は、どのように"ありのまま"で生きてきたんだろう、と不思議に思ってしまう。 羨ましいとさえ感じる。 私は友人Aといるときの自分と友人Bといるときの呼吸の仕方がまるで違うから、この2人が一堂に会する機会があったら、どんな表情をすれば良いのだろうと戸惑うだろう。 この作品では性差、差別、などなど目を背けたくなるテーマも直接的に描かれていた。 第三者の視点から登場人物を見れる、これが"読書"で助かった!と思った。 SNSに飛び交う差別的な言葉や暴力のことを思うとフィクションかつ、露悪的に描かれている作中の男性の方が"分かりやすい"と無意識に安心してしまう自分が嫌だった。 この作品で描かれている差別などが現実味を帯びていることこそ問題だと思う。 「現実の人間はこんなにひどくない!」と、もっと強く拒否反応を示せるくらい現実の人間がマシだったら良いのに。 もっと現実と乖離していたら感じ方も違ったかもしれない。 気持ちが悪い!上手くまとまらない。 上巻ラストでピョコルンの衝撃的な正体が明かされる。 このあと、どのように物語が展開していくのか楽しみでしょうがない。
15投稿日: 2026.06.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
作者の頭の中はどうなっているのか、複雑すぎて難しい 世界が①、②、③とあるのは何となくわかる。誰でも多かれ少なかれ経験はあるんじゃないかと思う。それをこんなにはっきりと明示した作者はすごい それにしてもピョコルン、言葉の響きとは裏腹にエグい。明人もピョコルン手術って本気か? これで上巻って下巻はどうなるんだろう
113投稿日: 2026.06.24
powered by ブクログ上巻を読み終わった時点での感想。男女について、国籍について、年齢について、収入について、色んな点で偏見や差別があって、それを過剰に激しい描写で綴っている印象。私はその描写がかなり苦手だけど、ここまでの描写をする作者の創造力が気になるので、とりあえず最後まで読んでみる。
1投稿日: 2026.06.21
powered by ブクログ暴力、いじめ、虐待、差別、セックス、ありとあらゆる負の言葉がたくさん。 それが、よくわからない時代で進んでく。 コンビニ人間を読んだのでこの筆者の文体にアレルギーは出なかったが、 なぜ自分はこの本を読むんだろうと思い続けた。 と言いつつ、1週間で読み切らせるこの本を読む間の不思議体験は自分が世界○にいるのかと考えてしまった。 図書館に下巻も来たので、あと少しこのよくわからない世界を感じてみようか。
1投稿日: 2026.06.20
powered by ブクログ気持ち悪い。 「主人公が気持ち悪い」のではなく、「この世界が気持ち悪い」と感じた。 模倣しながら生きる主人公よりも、周囲の人間や世界観の歪さが印象的。とにかく登場した男性たちが皆んな気持ち悪かった。ただ、主人公の人の死への無関心さだけは恐怖を感じた。性的描写はかなり苦手だった。
1投稿日: 2026.06.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
面白かったのだけど思春期の時に出会わなくて良かった本だなーというのが率直な感想。自分も周りに過剰適応するタイプだったので読んだら人生のネタバレを喰らった気になって人生に絶望したと思う。 読んでいて、空子はコンビニ人間の主人公と対比の主人公だなと思った。 コンビニ人間は周囲に合わせようと頑張ったものの実は上手くいってなかった。けれどコンビニという自分にとっての世界を見つけたのに対し、空子は周囲に上手く溶け込んだものの自分の居場所となる世界は見つけられなかったから。 世界99はあるものの、そこには空子以外はいないので、そこが空子が安心できる居場所という感じはしなかった。(音がいるものの、本当の世界99の住人かどうかは判明しなかったので)
2投稿日: 2026.06.17
powered by ブクログ描写が残酷で細かくて嫌でも映像が思い浮かばされる。 誰もが共感できるし私だけが共感していると錯覚するような感じ。 主人公が俯瞰で世界を捉えている、自身の感情と事実を常に切り離していて淡々と生きている。
3投稿日: 2026.06.13
powered by ブクログ全体的に気色悪さ、特に男性が気持ち悪く、女性もそれぞれの世界で尖りすぎていて読んでいて消耗した。 空子は自分のことを賢くないと言うが、あれだけの「世界」を行き来しているのは器用だなと感心する。空子ほど極端ではないが、私も実生活で異なるコミュニティで多少異なるキャラを演じている節がある。その世界でうまく渡り歩いて行くために必要なこと。 「ピョコルン」が話の軸になるとは思っていなかった。多くの属性の人に受け入れられ、正当化されつつあった人類の発明には実はウラがあった… ここまででお腹いっぱいではあるけれど、少し休憩をおいて下巻を読みたい。気持ち悪いと思いつつ、なんやかんや続きが気になる。空子がどのように生きていくか気になる。
8投稿日: 2026.06.08
powered by ブクログとにかく面白い。ここまで突き詰めて心理描写を書いてるのすごい。ぼくもピョコルンになりたくなっちゃうような説得力があった。なりたくないけど。主人公が有能すぎて爽快。よくこんなに体力あるなって思った。人はいくつもの世界を持って生きている。タイトルも好き。また読み返したくなる気がする。
2投稿日: 2026.06.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
良い意味で狂ってる、気持ち悪い話だけど、誰しもが空子ほどでは無いけど分裂した自分と世界があって、そこに適合したコミュニケーションを取る自分を客観的に見ている世界99があると思われるから、共感できることが多いと思うし、そういう自分に嫌気がさしてる人も本書を読んで救われると思う。
1投稿日: 2026.06.06
powered by ブクログ読み終わって、呆然としています… ザ・村田沙耶香ワールド。 ひたすら繰り出されるカオスな状態に疲弊しながら読みました。 ピョコルンにラロロリン人。 途中、衝撃的な事件が起こり、開いた口が塞がらず… 途中で挫折してしまう人もけっこういるそうですが、気持ち分かります(汗) えげつない表現が多いし、みんな急に人格が変わったかのように豹変したり。 でも淡々と進む物語、怖い、気持ち悪い。 フィクションなのに、どこか現実とリンクする場面もあって、それが読んでて苦しい。 そして後半「世界99」というタイトル回収。 最後の締めくくりはアッパレとしか言いようがないですね、もうこれで“完”でもいいと思いますが、下巻があるのですね、これ以上何があるんでしょうか笑 正直お腹いっぱいな感じはありますが、最後まで見届けるため、下巻に進もうと思います!
32投稿日: 2026.06.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
自分自身、分人が多いと実感しているからか、序盤は空子のトレースに共感することが多くて、スラスラ読めた。 決して空子ほど極端ではないけれど。 「この場所ではこういう反応をしておいたほうがいい」 「この人と話すときはこの口調、態度が好かれる」 「ここではこう答えるのがベスト」 自分が無意識のうちに使い分けている自分を、ある意味客観的に見ている気持ちになると同時に、「あ、やっぱり自分だけじゃないんだ」とどこかホッとしたような、空子が小早川さんに対して抱いた思いと少し近しい部分もあったような気がする。 ただ、イジメや性犯罪、モラハラ、宗教など読んでいてウッ( ⌯᷄ω⌯᷅ )となる部分が多くあったので、メンタルが弱っているときには読めないかも。 そしてピョコルン… もう、何も言えません。 最後のほう、ほんと意味分からなかった 村田さんの作品を読むの2作目だったんですが、相変わらず人間心理というか…現実からちょっとズレているけれどズレすぎてないが故に現実味があってどんどん引き込まれていくところ。 そして人間の嫌な部分がどんどん予想外のほうにドロドロ出てくるというか… なのに展開が気になって最後まで読まされてしまうところ… 読了後もなんともいえない気持ち悪さに襲われるけれど、でも読んでしまう。さすがです。
2投稿日: 2026.06.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
この上巻に出てくる男の人、気持ち悪かったりモラハラやDVしてくるような人ばかりで怖い。 第一章は空子の家にいたピョコルンを殺した徳永のキャラが強烈すぎました。徳永とその気持ち悪い仲間たちは頼むから死んでくれ。全滅してくれと思いながら読んでました。 第二章はそこからピョコルンを解体して人間が出てきたりして、明人のピョコルンになりたい発言などビックリさせられながら上を読み終わりました。 音ちゃんとなんとなく一緒に暮らす未来楽しみにしてたからちょっと残念。ラロロリン人てのも空子に教えてくれてなかったのちょっとショック。 これ下巻読むしかない!!!!
1投稿日: 2026.06.02
powered by ブクログ嫌悪感を抱いたり、精神的に疲弊してしまうような展開なのにページをめくる手が止まらなかった。 自分にもそれぞれのコミュニティによって使い分けている顔があって、設定としてはありえない世界観なのに「わかる」と思えるところも多かった。だからこそこんなにも気持ちが削られていくのかもしれないと思った。 下巻の空子はどんな人生を生きるのかな。
2投稿日: 2026.06.02
powered by ブクログ世界と私が分断されていく。 それぞれに価値観や性格を当てていき適応する。性奴隷なる生き物の正体が最後明かされる。設定や展開が個性的で著者ならではの作品でした。面白かったです。
1投稿日: 2026.06.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
現実はこんなに酷い世界ではないと思いつつ、共感してしまう部分が多々あり、なんともいえない感情を抱いた。 人の尊厳をこれでもかも踏みにじった世界。 いじめや性的暴力の描写に、何度か離脱しかけたけれど、読むことをやめられず、第二章の世界の広がりに至ってからは読む速度が上がり、一気に読んだ。癖になる感情。 世界を股にかけるのは皆同じなのではと思いながら、それをかっちり意識して、キャラを作り上げる空子のような人は少ないのかもしれない。 全て破壊して終わった上巻、下巻はとうなるのだろうか。
4投稿日: 2026.05.31
powered by ブクログ作中では、新しい価値観や空気がどんどん更新されていく中で、登場人物たちも違和感を抱えながら適応していく。その姿が、SNSや現実社会の空気感とも重なって見えて怖かった。 特にピョコルンの存在が不気味だった。 かわいらしい名前や親しみやすさとは裏腹に、正体や意味が曖昧なまま社会に浸透していく感じが、みんながなんとなく受け入れている空気そのものみたいだった。 この作品は単純な社会風刺というより、人間が違和感に慣れていく過程を観察しているような感覚がある。 読んでいる自分自身も、気づかないうちにその空気に順応しかけている感じがしてゾッとした。 下巻読むのも楽しみ!!
2投稿日: 2026.05.31
powered by ブクログコンビニ人間や地球星人に通ずるところもありつつ、それをさらに発展させたような。 村田沙耶香がまた新しい世界を生み出してきたように思った。 本文には大袈裟な表現ではあると思うが、誰にでも部分的にでも共感したり頷いてしまうところもあるのではないだろうか。 これまではそれを認識せずにしていたかもしれないが、読んだ以上はきっと思考の片隅にでも残り続けることだろう。
11投稿日: 2026.05.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
不気味で怖くて面白くて一気に読んだ。 私も便利な道具になるのは嫌だ。 正社員共働きで生活費折半を求められて相手もして出産もするの…?それ私に何かメリットあるの…? 誇張されてるけど嫌な登場人物ばかり。 こういう人いるよなぁって。 特に女を見下して家事育児マシーンだと思ってる登場人物。 論点はそこじゃないんだろうけど、とても嫌な気持ちになれた。 世界によって自分を使い分けるって空子程じゃなくてもみんなやってるよね。SNSは垢によって人格違う(笑) ピョコルン…ピョコルン! このままの勢いで下巻突入します。
2投稿日: 2026.05.30
powered by ブクログ最初は性や人間のランク分け、女性の人間家電のようなテーマが重く感じて悶々とした。しかし後半から社会で生き延びるための自己の多様化や役割を演じること、孤独、本来の自分に素直に生きられない生きづらさなど考えさせられることが増えてのめり込めた。 とにかく設定が奇妙で違和感を持つが、こんな未来もあるのかもと思えてきた。それは少し怖いが。 下巻が楽しみ。
3投稿日: 2026.05.30
powered by ブクログ人は誰でも表と裏の顔を持つことはあれど、どこまで多重人格者となれるのだろうか。空子の世界①から③まではついていくことができたが、後半に⑧まで進むともう何が何だかわからない。そして上巻の最後でこの本のタイトルの意味を知る。さらにはピョコルンの正体が明かされるが、このあと一体、下巻はどのような形で着地することになるのか、大いに謎。
3投稿日: 2026.05.29
powered by ブクログ人間の本質や理性が、じわじわとグロテスクに暴かれていく感覚。 不快なのに、なぜか聴くのをやめられない中毒性がある。 世界ごとにキャラを使い分ける主人公を見ていると、“自分らしさ”って何だろうと少し怖くなった。
3投稿日: 2026.05.27
powered by ブクログ面白かった。続きが気になったのではやく下巻を読みたい。常識だと思っていた常識がはびこる世界がひっくりかえる話は読んでいてたのしい。
2投稿日: 2026.05.27
powered by ブクログあらゆる世界に対応して生きる、元々は無感情、しかし最終的には99あると、この子自身は思える数多い世界に顔を持つ(特殊というわけではなく、誰しもが没個性してしまえばなれる顔)女の子の半生。この子は、その世界ごとに浮いたり仲間から外れたりしないように、あらゆる感情をその世界の人々からトレースする。 各世界には良いところも悪いところもあり、対応しやすいとことしづらいところ、そこにうまくハマっていくためのこの子自身が思う術(すべ)がある。 結局各世界の側面を読み取る力がなんともユーモラスでもある。 男の生々しい「性」への嫌悪、が根幹に。
2投稿日: 2026.05.27
powered by ブクログ主人公含め、誰ひとりまともな人が出てこない!唯一白藤さんがまだ普通の感覚に近いのかな。差別に暴力にハラスメントの数々、、、いやはや終始こんなに気持ち悪くて、離脱のタイミングはごまんとあったはずなのに、なぜだか読むのをやめられなくてあっという間に読了。正直、読んでいて楽しいわけでも、感動するわけでもなくて、ぶっ飛びすぎて面白いというのはあるかもしれませんが、、、感想にもならない感想ですみません。自分がこういう本も読めるんだなという新たな発見でした。
30投稿日: 2026.05.24
powered by ブクログ静岡市女性会館図書コーナーの書誌詳細はこちら↓ https://lib-finder.net/aicel21/book_detail_auth?authcode=1c%2BNKK2RkJVltQa2zAi%2Fcw%3D%3D
0投稿日: 2026.05.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
相変わらず村田沙耶香先生は奇妙キテレツながら妙にリアリティのある恐ろしい世界をつくるのが上手い。 人間の中のドス黒いものが事細かに描写されすぎてて、読み進めるのにかなりの精神力を削がれる。そこがいいところなのは重々承知だけど、結構しんどい。もちろんつまらないとかじゃないよ。 でも、その時々に所属するコミュニティで自分の人格を変えるっていうのはわりとありがちなことだと思う。みんな意識はしてないかもしれないけどね。 これは平野啓一郎先生の著作『空白を満たしなさい』の中で「分人」という考え方として、同じように表現されていたことを思い出した。となると本当の自分、つまり素である状態というのは周囲に誰もいない、自分一人のときだけなのだろうか?それってほぼ素を表出する機会がないということでは?ってことは素の自分ってほぼ存在しないものと同義なんじゃない?と飛躍した考えが一瞬頭の中をよぎったが、だからどうなるというわけでもないので特に意味のないことであった。そういうことを一人で無駄に考えることは結構好きなんですよ。 兎にも角にも様々なコミュニティを様々な人格を形成して順応し、渡り歩いていた主人公。その中で見つけた自分の本当の世界、「世界99」。決して相容れることのなかったそれぞれの世界が、最終的に融和ではなく崩壊という形で世界99に収束するという結末に到達するなんて本当にどういうことを普段考えてたらこんな展開を思いつくんだろう。恐ろしすぎて脱帽です。しかもこれがまだ上巻というね。これ以上どうやってこの世界をかき乱すっていうんだ! 本筋とはまったく関係ないけど、ラロロリン人とかピョコルンとかわけのわからん固有名詞のネーミングセンスが秀逸すぎる。わけわからんけどさ!
20投稿日: 2026.05.22
powered by ブクログ独創的でSF展開でとても面白い! なんでこんな面白い展開とフレーズが思いつくんだろてしみじみ思う。 過去作品をブラッシュアップした感じ。 みなが日常で無意識に行っている行動を改めて描写しているため、感情や人格を知る教科書みたいな印象。 人が自分らしさをどのように定義するかは、他人との関わりでわかる。 というより、付き合う他人ごとで見せる自分がそれぞれあって、作者は分裂と表現する。 第二章(35歳)は朝井リョウの生殖記と似てて、各人がそれぞれの世界に支配され、道具と化している
3投稿日: 2026.05.20
powered by ブクログ啓光図書室の貸出状況が確認できます 図書館OPACへ⇒https://opac.lib.setsunan.ac.jp/iwjs0021op2/BB50393794 他校地の本の取り寄せも可能です
0投稿日: 2026.05.20
powered by ブクログまずは上巻を読み終えた。 この恐い話は一体何なんだ、と途中何度も憂鬱な気持ちになりながら、でも続きが気になり、翌日には下巻を借りに図書館へ行った。 読む前に、村田沙耶香さんのポッドキャストを聴いていたので、より面白く読めたのだと思う。 人間の、奥の奥、を覗き読んでいるような話。
3投稿日: 2026.05.20
powered by ブクログ- 妻に「これ本屋さんで取り上げられてたから買っちゃった、衝撃的らしい」と言われ、何気なく読みはじめてしまったが、上巻で挫けてしまった。ちょっと下巻読む元気はない。(ちなみに本人は未読で、概要話すと「ああ私読めないわ…」とのことw) - 出てくる登場人物にまともな人間がいなく、全員が不気味。そしてみんな傷つけ搾取し合っているが、誰一人として幸福な人がいないというディストピア。 - 序盤読んでる段階で「実はピョコルンってもしかして人間なのでは?」と勘ぐっていたのだが、見た目の描写がされたので若干安心して読み続けられていた。その後もエグい描写はありつつも、なんとか耐えられていたが、最後の最後の展開で普通に吐き気をもよおすほどにドン引いてしまった。 - 世界①のえげつないイジメとか、世界②で枯れ葉食べるとか、世界③で産廃の粉食べて人間で浄化するとか…すべてを俯瞰してバカにしている主人公、そして作者。ないけどギリギリありそうなラインでおちょくる皮肉の局地というか…一個前に読んだ朝井リョウの斜めな描写も、今ではもはや優しく感じるよ。
3投稿日: 2026.05.19
powered by ブクログその場その場で周囲の人間に「呼応」し、「トレース」することで生きてきた主人公。自身にはいくつものペルソナがあることを自覚しながら、周囲の人間と接していく。「ピョコルン」と呼ばれる愛玩動物にとある機能がついたことで、世界は変化していく。人間の性に深く迫る物語(上)。 タイトルが気になり購入。 とりあえず上巻を読んで思ったことを書く。 まず、読み始めてすぐ思ったことは「確かに」だった。 人間はいくつかのコミュニティに属し、そのコミュニティにあったペルソナを選択、もしくは創造し馴染んでいく。友達と話すのと、先生と話すのが全く異なるのはそういうことだ。誰しもが無意識にいくつかのペルソナを作り上げている。心のどこかで気づいていたことをこの小説は言語化し、はっきりと気づかせてくれた。 常に素の自分でいるなんて、到底不可能なことだ。 自身の性格、生き方を強く揺さぶられる。 これを書いている私はどのペルソナなのだろうか。 下巻を読むのが大変楽しみである。
2投稿日: 2026.05.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
なんだ、これは?!面白い!! 第一章ではただ空子の人生を描いてるのかなと思っていたけど、第二章ではコミュニティを『世界』として使い分けることで話のテーマが出たかなと思いました。 初めは空子のサイコパス具合に全く共感できなかったけれど、だんだん「あっ、この使い分ける感じあるかも」と『世界』が登場してきたあたりから共感できることが多くなり、ますます惹き込まれました。周りに合わせる→空気を読むというキャラ作りは誰にもあると思います。それを世界①〜99と使い分ける感覚は斬新で興味深かったです。どうしてここまでこんな人物(絶対に空子はサイコパス!)の心情が分かるんだろうと不思議です。 そして、とにかくピョコルンがめちゃめちゃ気になる〜!!思わず「ピョコルン 画像」で調べたくなったけど、出てきたものを見るのが怖くなってやめました(笑) 今回の上は読み始めて止まらなくて1日で読み終わりました。続編もすぐに読みたいです!
1投稿日: 2026.05.18
powered by ブクログ読み進めながら「なるほど、なるほど、分かる分かる」と引き込まれていく。 単なるフィクションというより、倫理の限界を問うケーススタディとしても読める、非常に骨太で参考になるストーリーです。 描かれている世界は、私たちが目指すユートピアのようでもあり、同時に最悪のディストピアのようでもある。この両極端な感覚がせめぎ合い、まだ言葉にできません。この興奮のまま、下巻へ没入します。
2投稿日: 2026.05.18
powered by ブクログ野間文芸賞受賞ということで読み始めたが、、、。 自分の性格がない主人公の女性。その時々の相手に合わせながら、自分のキャラを使い分けていく。 今よりは、おそらくもっと進んだ世界の話、そこにはピョコルンという人間が作り出した生き物がいて、人間たちに飼われている。このピョコルンがやがて進化して人間たちと立場が逆転していく。 3ページに1回ぐらい、きつい表現があるので、単純に読むのがきつかった。
15投稿日: 2026.05.17
powered by ブクログ図書館本 「性格はセッションだ、とこういう時、時にそう感じる。」 「差別と一緒で、「感動」もバランスだし、セッションだ。リズムに乗って、私たちは言葉を投げ合い、どんどん高まっていく。」 うますぎる、表現 村田沙耶香さんの本は、『コンビニ人間』しか読んだことかなかったけど、あの本の中にあった、普通に合わせる感覚とか、ズレてる人達の気持ち悪さがさらにドロドロに溶かされて濃縮されている感じ 性的な話題も沢山あるから苦手な人も多いかも この世界はかなり貞操観念が終わっているけど、読んでるうちに、私が清潔でいようとしすぎるのか?と不安になるくらい世界に飲み込まれた 下巻も楽しみすぎる
2投稿日: 2026.05.14
powered by ブクログ吐きそうなくらいしんどい。 分厚いのにまだ読み足りないくらいめっちゃ面白い。 また見返しても一気に読み終えてしまうと思う。
2投稿日: 2026.05.14
powered by ブクログ如月空子には性格がなく、出会う人それぞれに合わせて人格を作り出していた。相手の感情と〈呼応〉し、行動を〈トレース〉する事で相手にとって居心地の良い人間を演じる。 舞台は現代の日本のようだけど少しディストピア的な世界で、愛玩用の新しい生物ピョコルンや、優秀な遺伝子を持つとされるラロロリン人の存在が物語に大きな影響を与えていく。 この世界、とにかくロクな人間がいなくて読んでいてしんどい!しんどいのに展開が気になって面白い! 男尊女卑、人種差別、セクハラモラハラが当たり前な社会で、人々もそれを受け入れながら生きている。 その場に合わせたキャラを作るのは実際誰でもしていることではあるけど、空子はキャラ作りが特に上手いうえにキャラの数も多い。場に応じてキャラを使い分ける器用さと同時に危うさもあって目が離せなくなる。 そしてピョコルン…空子の暮らしに大きな影響を与えてきたピョコルン…衝撃だった…!
2投稿日: 2026.05.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
だれしも社会に適応するために無意識に行っていることをそこまで極端に露悪的に描写しなくても…と思ったり思わなかったり 最近現実世界でモフリンというペットロボットをみて、ピョコルンを連想せずにはいられなかった
1投稿日: 2026.05.13
powered by ブクログ男性に媚びる女性。女性を服従させようとする男性。養われている主婦=人間家電 人間でいるにはお金がいる。 えっ世の中ってこんな夢も希望もないの? ピョコルンは人間のリサイクルーピョコルンの中から出てくる人間の体の部位...おぞましい 村田沙耶香さんの本ってこんな感じなんだ...
1投稿日: 2026.05.12
powered by ブクログ上巻は10歳の記憶から始まる。相手により自らのキャラを変えて人格を重ねていく女性の物語で、キャラを変える自分と対比する対象である白藤さんとの出会いの記憶からだ。キャラを相手によって変えていくことは、程度の差こそあれ誰もが経験していることなので “キャラ変ネタで下巻までどうやって物語を維持するんだ?と思っていただけに、上巻終盤に受けたショックは大きかった。差別的な世の中に生きる主人公のエピソードだけではなく、とんでもない要素を加えられ、より加速度を増して下巻を読み進めていった 性別、人種等目に見えるモノから、DNAの特性といった見えないものまでを差別、格付けの具にする苦しい世界を著者は描いている。ページを繰るごとに語られる物語は、差別的で暴力を内包している現実世界を描写しているが、グロテスクな感じがなく、ただ淡々と語られていく。まるで、フィリップ芸のあるあるネタを見ているようだ。 物語は、清潔で美しく皆幸せに暮らすユートピア世界に至り落着くが、それはとんでもないディストピアの様相を呈していた。
1投稿日: 2026.05.12
powered by ブクログ愛とか、優しさとか、思いやりとか、他人を敬うとか、助け合いとか、そういうのが一切ない。 何と言ったら良いか・・・悪意に満ち溢れ、みんな何かの奴隷であり、何かに対して従順に生きている世界の話。 主人公空子は、周りの空気を読むどころか、シンクロしてしてしまい、その時々に自分がいる集団の中に溶け込むことで、自分がしんどい目に合わないように生きていきます。 ただ、空子の中には主義や、思想はなく、その場その場でシンクロした際に思うことはあるけど決してそれを持ち続けません。 集団が変わったら、あっさり捨ててしまいます。 考えることを放棄する免罪符の様に繰り返されるセリフ「私は馬鹿だから」っていうのが印象的でした。 このセリフ、下巻の話でなんかつながるんですかね? 初見の集団でも相手をトレースすることで、瞬時にキャラを作り馴染むっていうところで、いわゆる多重人格とはちょっと異なる感じですかね。 ラロロリン人とピョコルン(これも、なんか人を小馬鹿にしたような、イラっとするネーミングですね。なんだよ、ラロロリン・ガール・ラブって(笑)。こういったところにも作者の悪意みたいなものを感じました。)という多分何かのメタファーが話の展開を劇的に変えていき、上巻の最後もピョルコンの正体が明らかになったところで終わります。 まだ下巻に続いていくのですが、ここまで読んだ感想は、よくもまあここまで毒々しい内容の話が書けるようなぁ・・となんか一周回って感心してしまいました。 いじめの描写とか、痴漢の話とか、バイト先のおっさん?の話とか、習字のセラピーの話とか、終盤にかけて欲望のはけ口にしていたピョコルンの正体がXXで、それを確認した際に現れたのが△△であったりとかの件とか。 特にこの話に出てくる男の描き方が酷い・・・・そんなに男って人種はクズなん?っていくらい酷い。 ここまで酷いと、作者の方の男性観というか世の中の男性に対する呪詛か?と勘ぐってしまうくらい。 なんというか、毒を毒と分かって挑まないと、強烈さに取り込まれててしまうのでは?と思いました。 感受性豊かな思春期の子供には絶対読ませたくない(笑)。
14投稿日: 2026.05.11
powered by ブクログ現実世界の見る視点が増えそうな本。そういう本は貴重だから嬉しい、ほんとに無感情な人が俯瞰的に世界を見るとこんなに滑稽でグロテスクなんだなと思った。ストーリー自体も面白い。 以下気に入った文。 ○4歳 わたしはなんだか、薄気味悪くなった。七夕の短冊の色くらいで、一体なぜみんなで泣いているんだろう。変な儀式の真ん中にいるみたいだった。 ○6歳 「お母さん」はとても便利だけれど、その内側に常に何かを溜め込んでいるのが見てとれた。もしそれが爆発すれば私は怖い目に遭うだろうし、便利な存在を失うかもしれないから、それなりに大切に扱ったほうがいい。それが、当時の私の漠然とした感覚だった。 ○11歳 私を育てるために一生懸命お金を稼いでいる父のことを、かわいそうだなあと思う。 ○12歳 「あのね、だから、私に意思なんてないのよ。危機を回避して、安全に生きていくこと。誰とも摩擦を起こさず、ただただ、楽に生き延びること。私、それだけなの。ただそれだけの生き物なの。でも、本当はみんな、そうなんでしょう?」 ○14歳 レナは自殺をしたのではなくて、心が殺されたので、身体をそれに合わせただけなのだ。そんな簡単なことが、なんでみんなすぐに理解できないのか、よくわからなかった。 ○20歳 同性の世界に媚びている男の人を見ると、私だったらもっとうまくやるのに、と思う。 可愛い女の子を口説いて、コミュニティにハメ撮りでも献上できたら、媚びはかなり成功するだろう。ブスがマグロだったとか、顔はいいけど喘ぎ声が大きくて萎えた、という話も、定番とはいえ自分ならもっと大袈裟に、うまく話して喜ばれる自肩がある。身近な女の子の容姿やその劣化、便利さをはみ出した生意気な態度をこき下ろすのも、私はとても上手に、いろんなバリエーションでやることができる。 みんなの記憶が都合よく改竄されているのだろうか。それとも、私の記憶が間違っているのだろうか。どちらでもいいのかもしれなかった。こうなってしまえば、これが真実なのだ。 記憶は多数決だなぁ、と思う。 「白藤さんが誘導しているのって、「正しい』教だよね。それって、世界一規模が大きいカルト宗教でしょ?それに入すると、とっても正しくて、自分が世界を守っているんだ、って思えるんだよね。とても楽しそうだし、気持ちよさそうだね」 喋りながら、あ、これが「意思」か、と思った。なるべく「楽」に生きたい。ただそれだけだった私が、こんなに強く意思のようなことをしゃべるのは、初めてのような気がした。 「この資格をとったら、私は『典型例の人生』から解放されるって思えるの」 「典型例?なにの?」 「何もない人間の。何もとりえがなくて、やりたい夢もなくて、意思も感情もない、かといって『女』としての奴隷労働もあんまり好きじゃない。そういう、『無』の人間の」 ○35歳 野口くんは小学校でも中学校でも、女子に人気のある男の子だった。地元のコミュニティで集まると、当時の力関係の世界に久しぶりに来られてうれしい、と彼が全身で発言しているのを感じる。 世界①は、地元の友人たちから繋がって出来上がっているコミュニティだ。定期的に飲み会があり、クリーン・タウンの近隣に住んでいる子も多いので、いつもここで集まっている。 世界②はある程度お金がある人が多いので、世界①とはだいぶ金銭の感覚が違うが、所属してみると、それだけではないなあと思う。世界②のコミュニティには、世界①の友達よりずっとお金がない人もすっと入ってきて、自然に溶け込んでいる。楽しく生きたいように生きていて、なにか明権にやりたいことや才能があること。とくに決められたわけではないが、そういう人物像が、世界②にいるときには求められている、と感じる 世界②は、風水とか占いが好きな人が多くて、私たちにはとても信頼しているライフアドバイザ 1がいる。ライフスタイルコーディネーターの一ノ瀬さんのセッションをほとんどの人が受けている。 「一ノ瀬ちゃんの話だと、来年は、部屋の中に、わざとごちゃごちゃっとした場所をつくるのがいいんだって。そこに悪い「気』をわざと集めるの。あと、過去のカオスへの感謝って意味もあるんだって。私、感動しちゃって」 「サラー」は、汚染された廃棄物や、処理できないような不燃ごみを、粉にして、食べられる状態にしたものだ。それを食べ、体の中で分解して外に出す。そうすると、世界を汚す存在だったごみたちは、綺麗な土になる。 「サラー」は美味しくはないし、身体にも悪い。食べている人間自身が汚染された廃棄物になってしまわないよう、定期的に検査も受けなければならない。けれど、自分の身体を使って恐ろしいごみを分解し、濃過し、少しでも地球がよくなることに貢献できているのだと思うと、がんばって食べることができる。 世界③は、奏さんの大学時代の仲間から繋がったコミュニティで、その友達の友達だとか、仕事でたまたま会って価値観が合った人がぼんやりと連なって出来上がった世界だ。私は白藤さん経由でこのコミュニティの集まりに顔を出すようになった。 世界③にいると、世界①や世界②にいたときの自分が、ドラッグでもやっていたのではないかと不安になる。たくさんの人が苦しんでいる世界で、いったいなぜ、あんなに能天気にしていられたのだろう。 世界③の人と話していると本当に落ち着く。同時に、悲しくてつらくなる。 ミドリさんと奏さんは、サラーだけでなく汚染水を飲んで身体で浄化する活動も始めている。専門のお医者さんに管理してもらわないとできないので、私はまだ始めていないが、自分も早くあの水を飲みたい、と思う。 わかるのは、自分がこの人間に捨てられたら、一人では食べていけない存在だということだ。 3つの世界があるとすれば、ここは世界⓪なのだろう。私と明人だけのコミュニティのようでいて、私は明人の道具でしかない。 私は急いで明人の食事の準備を始めた。ポケットの中でスマートフォンが震えるたびに、3つの世界が顔を覗かせる。世界①から『また来週集まらない?油小路さんがおすすめしてた映画、みんなで観にいこうよ!」、世界②から、『一ノ瀬ちゃんが新しいサプリ始めたんだって。予約完売らしいんだけど、特別な人の分はキープしてくれてるって~!愛してる!』、世界③から、『ごめん抱えきれなくて、このニュースがあまりに残酷で、苦しすぎて』、世界①、②、③、それぞれの言薬が、私の中へこぼれ落ちてくる。 富裕層が、ピョコルンで性欲処理をし、ピョコルンに子供を産ませるようになったのは、就職して少し経ったころだと思う。 最初にウエガイコクのそのニュースを聞いたときは驚いた。白藤さんは激怒していた。女性が病院で卵子をとり、男性の精子を体外受精し、それを手術によって人工子宮を備えたピョコルンの中に入れると妊娠し、ピョコルンから人間の子供がちゃんと出てくる、というニュースは私には衝撃的なものだった。こんなことは残酷だとみんな反対するだろうと思ったし、実際に最初はそうだったはずなのだが、今では、私たちの生殖にピョコルンが関わることは、少しずつ自然なことになってきていた。 こともなげに世界②の小早川さんが答える。 「世界99?」 「月城さんみたいに、世界①、②、③、④、って同時進行的に自分がいたら、その世界の後ろのほうに、世界が並んでいるのを見つめてる世界、があってもよさそうじゃないですかー?世界1万でも、世界100万でもなんでもいいんですけど、とにかく、たくさんの世界で生きている無数の自分をその世界の自分がぼーっと見てる感じ、すごくわかりますー」
1投稿日: 2026.05.09
powered by ブクログ冒頭から村田氏の世界観全力。下巻に出てくる言葉も含め、多様なワードが刺さる。呼応、ダウンロード、セッション、データ、正しい教、粒子。国家や人々の区分も興味深い。
6投稿日: 2026.05.09
powered by ブクログ現実離れしている設定に見えて、実は心理の核をついている話のように思えます。 人間として当たり前のように思える振る舞いが話の中で「トレース」「分裂」と表現されていて客観視すると確かにこれは奇妙な行為なのかもしれないなと嘲笑しました。 いくつもの世界に生きている自分を冷静に捉える場面なんかは特に人間の心理の本質をついているような描写で何度も「わかるわかる、それバラしちゃうんだ」と半ニヤケでついふっ、と笑いが出ました。
6投稿日: 2026.05.09
powered by ブクログ「可哀想」という暴力、「正しい」という名の宗教、「恋」という疑似結婚的な肉体労働、「感動」という記憶の捏造、などなど。 この作品を構成する要素は多種多様で、今まで見てなかった側面に光が当てられ、新たな気付きを抱かせてくれる。下巻以降でさらなる要素の展開を期待している。加えて、第二章で明らかになる「ピョコルン」の存在意義が今後どういった展開になるのか、人類がどう変化していくのか、もあわせて楽しみである。 主人公は自分という意思が欠落している。自分発信の意見が芽生えない。そのため相手に好かれる人格を幼少期から終始、多面的に使い分けて社会に馴染もうとする。意思がないからこそ俯瞰的に物事を捉え、思考が言語化され整理される。この作品はとにかく俯瞰的な視点から、どこか冷笑的だが物事の核心をついているような言葉が多く、ただただ感心させられる。 上巻の個人的に印象的なシーンとして、映画を観に行くシーンをあげる(重要なネタバレではありませんが、気になる方はここまでにして下さい)。 主人公が中学生のとき、友人が失恋を機にいじめが横行され、遂には自殺で亡くなった。二十歳のころ、その出来事を美化した話が巷で広まり話題となって映画化された。ただ、映画内容は叶わぬ恋に悲観し自殺を選んだ悲しい恋愛物語として歪曲されている。 主人公は中学校時代の友人達とともにその映画を観に行く。友人の中には美化した話を創作した者や、いじめの加害者として自殺の原因を作った者も含まれる。 しかし、その友人たちは、映画に感動しひたすら涙をこぼす。中学校時代の記憶も映画とともに捻じ曲げ美化しているともいえる。いじめの加害者が、自殺した被害者をモデルにした映画で号泣している。その涙は何で死んじゃったのと言わんばかりの涙で、主人公は「え、殺したのお前じゃなかったっけ」と困惑する。 これには全く同意である。現実のいじめ加害者もおそらくこうなのだろう。罪悪感は無く悲しい出来事として記憶しているのだろう。 映画を観終わった後の感想会でも、実際の過去の出来事は触れられず、友人たちはいじめ被害者の恋愛が体感できた良かったと話す。友人皆が記憶喪失にでもなってるかのように、都合の良い思い出を語りあう。 人の記憶は時間とともに風化され薄れていき、細かな箇所は忘れる。そうなったとき人は都合良く今の価値観で美化して補おうとする。そこに「感動」という刺激が加われば、都合良く美化した捏造された記憶が定着する。そういった人が世の中にごまんといる事を考えると悲しくも悍ましいとも思えた。
14投稿日: 2026.05.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
GWを使ってなんとか読み切れた。 Page turnersのYouTubeで、竹下さんと三宅さんが激推ししていたので、読まねばと思っていたが、なかなか読むタイミングを掴めず購入できないでいた。 海外出張が入ったので、機内で読もうと思い、いくつか電子書籍を購入していた。その中の一つが本書だ。 結局その時は機内で読むことができなかったので、読むタイミングを伺っていたが、そんな折にGWがやってきたというわけだ。おまけに旅行の予定もなく、さらには軽く風邪を引いてしまったこともあり、この大作を読み通すにはちょうど良かった。 他の賢い方々同様に大絶賛といきたいところだが、残念ながら自分の理解力が至らず、終始嫌な感じを引きずりながら読み進めた。あまりにしんどいので、必死に高速で読み進めた。 描かれるのは、空子という主人公だが、とても受け身で名前の通り空っぽのキャラクター。終始周りに合わせて、キャラを使い分けて、キャラに応じた世界を持っていて世界1〜99まである、ということでの世界99というタイトルになっている。 そんなにやりたいことがないなら死にたくなるだろうな、と思っていたら自殺のようなことをしていて、納得した。 ピョコルンという不思議な存在が、女性が押し付けられている嫌な役割を請け負っている。それは、家事だったり、性行為だったり、出産だったりする。 仕事の楽しさや生きる面白さは全く描かれず、ただただ"イエ(恋人間、夫婦間でのこと)"の中や"ウチ(近しい人間関係での出来事)"の中の負の側面ばかり描かれる。 稼げないと、誰かの経済力に頼らざるをえず、その生活はパートナーとの関係性に大きく依存したものになるー 一つの場所で生きれないと、そこでの人間関係をうまくやるしかなく、それに失敗すると詰んでしまうー 自分のやりたいことがなく、主張も何もないー 空子はこんなイメージで、それがためにその場その場に応じてキャラを使い分ける必要があった。 確かにこの本は新しい世界観の提示なのかもしれない。 そして読んだこと自体は、良かったし、幅は広がったと思う。 だがしかし・・・、内容が暗い。新しい知識や自分の人生をより良い方向に持っていく、という感じではない。 将来的に自分の子どもが進路に迷った時、周囲の人間に関わる際に、このような読書体験が活きることはあるとは思う。 だがしかし・・・、という思いが拭えない笑。 ただ、読んで良かったと思う。次回以降、このような本はもっと猛スピードで読めるようにしたい。
2投稿日: 2026.05.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ナニコレ。 わたしは割と自覚的に〈呼応〉と〈トレース〉を繰り返し擬態してきたのかも。 最後のピョコルンの中身、最近国芳展行ったのもあって、脳内で割とはっきりと内部が描かれてしまって吐き気。
1投稿日: 2026.05.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
最後10ページで訳がわからなくなった。早く下巻読みたい。おもしろかった。 ・ケア・奉仕に使われる女性 ・ウエガイコクとシタガイコクの差別 ・痴漢、性加害 ・遺伝子による差別 ・何かの考えを信仰しているかのようなそれぞれのコミュニティ 自分のキャラはそこまで変わらないように思うけど(思ってるだけでそんなことはないのかもしれない)、地元コミュニティ世界①、金持ちスピ系世界②、意識高い系世界③も、なんとなく自分も見たことがあるように思った。作中に出てくるほど顕著に違う世界を自分で目の当たりにしたことはないけど、なんとなく予想ができた。 小早川さんと繋がって嬉しかった感覚、すごく伝わってきたのに「結局1人か、まあなんとなく予想できてた」と思う空子、かわいそうだったけど、世界99にいる彼女はそういうふうに考えるよな。 426 「孤独ほど抗えないエネルギーはない。(…)孤独はなによりも強力な力を持ったエネルギーで、それに突き動かされてるとき、少し変だなと思っても、それに逆らうことは決してできない。」 →なんでかよくわかんないけど、この一連の文章がすごく残った。孤独な時、誰かと異常なまでに繋がりたいとき、それをすることをやめられない。自分にも経験があるのかな?考えるとよくわかんないけどなぜかすごく残ってる。
2投稿日: 2026.05.05
powered by ブクログ先が気になって、1日で読み終わっちゃいました。しかも、ここでかってところで上巻が終わってしまって悲しい(´・д・`)。
2投稿日: 2026.05.04
powered by ブクログめっちゃいいね。この世界と限りなく近い。 ピョコルンとかラロロリン人とか、そういう作中独自の象徴はこの世にあるけど固有名詞として明言していないだけで、普通に色んなものに置き換えることができるよね。「Aさん(仮名)」みたいな感じ。 主人公の言っている「呼応」みたいなのもすんなり理解できる……というかまあ人間ならみんなそうだし特にその感覚が強い人ね、みたいなとっつき易さがある。性的、社会的な役割の割り振りっていうのはこの作者の物語によく出てくる概念だしね。 なんならこれ一冊でも話としていい感じな気もするんだけど、ここからどうやって下巻の話が展開されるのか楽しみ。
2投稿日: 2026.05.03
powered by ブクログ「最悪」が積み重なる上巻。かなりキツイものがあるが、「面白い」と感じてしまう自分もいる。女性の地獄を描いているのか?と思いきや、段々と単にそういう話では無い事が分かってくる。社会人になってからの展開が面白すぎる。「加害者」側の人間としての共感が多く居心地悪いが、最後の1ページはなんとも言えないワクワクを感じてしまった。
1投稿日: 2026.05.02
powered by ブクログ突飛な世界観のようで、共感できるそこに自分が見える、強制的に「味方」にさせられる?なる?感覚。 とても好きです。
2投稿日: 2026.05.01
powered by ブクログ最近、コンビニ人間、消滅世界、地球星人と続けて読んでいて、村田ワールドにどっぷり。空子はどこかコンビニ人間の古倉さんっぽいなと思いながら読んだ。 近未来という点では『消滅世界』に近いが、「ピョコルン」の発明がこの作品を唯一無二にするだろう。 付箋を立てたところを読み返すと、人間の本質は空虚なもので、何らかの核があるのではなく、空洞が自分そのものである、という感覚を得た。記憶は改竄され、善意も理解も信用できない世界で、人間とは何かを考えさせられる。簡単に他人を理解した気になっていないだろうか。 かなり強烈で、読む人は選びそうだけれど、これまでにない読書体験になることは間違いない。 他の人と語りたくなる作品ではあるが、「ピョコルンかわいい」で読み始めると、なかなか大変なことになる。
0投稿日: 2026.05.01
powered by ブクログ村田ワールド全開!期待を裏切らない…裏切られた…どちらなんだろうか?最近、柚木麻子のBUTTERを読んだが、その次がこの本キツイ、心が病みそうだ。まだ、下巻があるのか...厳しいw
0投稿日: 2026.05.01
powered by ブクログやっと上巻読み終え、、、 キツくてなかなか進まなかった 独特の設定は面白いし、思考や社会問題にもドキリとさせられる けど 、、、まだ下巻がある、、、のがキツい
1投稿日: 2026.04.28
powered by ブクログ人間の醜さをたくさんみせられる。でも、共感できるところもあり、全く理解できない世界ではない不思議な本。
2投稿日: 2026.04.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ちょーーーおもしろい!!! うっすら考えてるリアルを誇張しつつラストはSF強め 今日は午後6時間使ったわ!読書はいいねぇ! これで完結感あるけどな...! あっきーはどんなピョコルンになるのか、音ちゃんの逃避行は?とか、ピョコルンの扱いがどうなっちゃうのかは確かに気になるけど、ここで終わらせないの多くの小説家の一歩先を言ってる気がする村田さんよ...
1投稿日: 2026.04.27
powered by ブクログ村田さんの作品はコンビニ人間しか読んだことないけれど、あの薄さでインパクトが凄いので、上・下巻の厚みと表紙の不気味さに興味が湧いて読んでみました。 最初からコンビニ人間を超えてくる異質な感じがあって「やばそう」と思いながら読み進めましたが、ほんとにほんとに異質すぎて怖い! 最終的に気持ち悪い。ずっと気持ち悪いなぁ〜って読んでたけど、上巻読み終わる頃にはマジで気持ち悪い。 こんな嫌悪感が付きまとう話なのに読みやすくわかりやすく書けるって凄い。村田さんの表現力が凄い。 こっちはこんなに心揺さぶられて何かしらこの作品のことを言葉として吐き出したいのに、上手くアウトプット出来ない。 下巻では一体何が起きるのか楽しみにしつつも恐ろしいです。
3投稿日: 2026.04.24
powered by ブクログ世界観はすごいけど、エログロすぎて、もうおなか一杯。下巻は買ってない。 新世界より だっけ、あれと一緒で途中離脱。
2投稿日: 2026.04.24
powered by ブクログ村田沙耶香の本は相変わらず気持ち悪い。褒めている。 誰しもが分類して生きている世界をこうも言語化して、文章にできるのか、 生きていてこの奇妙で不気味で、でもとんでもなくリアルで面白い文章を読めてよかった、 私も世界99の住民であると空子に言いたくてどうしようもなかった途端に、音ちゃんが来て、最後みんなが世界99の住民になってと、 どうしようもなく続きが気になる終わり方で終わった。 下で会いたい空子よ。
2投稿日: 2026.04.20
powered by ブクログ終盤には空子が少し人間味が出てきた、世界の数字は属しているコミュニティの区分けらしい、そしてそのコミュニティに応じて自分を変化させている。浮世離れしているようで自分の生きている世界とリンクしている所が混在している。誰しもが少なからず幾つかのコミュニティに属していて、空子のように適応しているのは確かだ。ただ彼女の場合は自我が薄いからなのか居心地が良くなさそうな所にも適応している。きっと自分ならそこから離れるだろうな。全ての物事や、他人の機微に俯瞰して思考する彼女にどこか尊敬するところもある。 いい意味で薄気味悪い醜悪な世界観を描くのが村田さんの持ち味なのかな? 終盤は様々な出来事が重なって自ずと頁を捲る手が速まっていた。 下巻が楽しみです
1投稿日: 2026.04.17
powered by ブクログかなりボリューミーで、読み応えのある一冊。思考実験的な要素が強いため、頭を働かせながら読み進めていったのが、刺激的で良かった。再読すると、さらに理解が深まりそう。だが、長いのである程度の余裕がないと続かないかもしれない。
2投稿日: 2026.04.16
powered by ブクログ一体どのように生きたらこんな風に人間、世の中をこんな角度で見れて文字に起こせるのか。不思議で堪らないです。また村田沙耶香ワールドに引き込まれました。
1投稿日: 2026.04.14
powered by ブクログエグい けど面白い けどエグい! 色々トリッキーではあるけど、「相手に呼応する」とか「アカウントを切り替えるみたいに、異なるキャラ、世界がある」とか、根っこは分かる感覚ばかり 誰もが誰かに道具として使用されるのも、誇張表現なだけで、確かにそれはそう….って感じ 友達に薦められないが、早く下巻を読みたい
2投稿日: 2026.04.13
powered by ブクログ他者のトレースで創り上げる自分については、現実の私にも共感できる部分があったので、ディストピア小説にしては読みやすいものだった。 (とりあえず上巻だけ買ったけど、下巻は買わないかなあ、、、(´;ω;`))
1投稿日: 2026.04.13
powered by ブクログ気持ち悪いーーー。 気持ち悪いんだけど、どこかわかるなーというところがあって、怖いもの見たさも手伝って読み進めてしまう。 ピョコルン周りだけは純度100パーセントのグロテスクさだった。おえーーー。最終盤はちょっとありえなさすぎて笑っちゃったけど想像したら吐きそう。 最終的にどうなっちゃうのか、読了後どう感じるのか、それが気になるが故に(というかそれだけの勢いで)下巻も完走したい………自信はないけど………。
2投稿日: 2026.04.11
powered by ブクログこの世の汚いところ、目を背けたくなるところ、嫌のところを濃縮してドリップしたような内容で、こんな世界絶対嫌だよな。と思いながら読んでいた。 でも、考えてみると、今生きている世の中で十分起こり得ることだし、起こっていることだし、今生きている世の中の残酷さについて考えるきっかけになった。 そして人格をトレースする空子にも共感する面は多々あり。。
2投稿日: 2026.04.10
powered by ブクログストーリーの説明見てもいまいちピンとこなかったけど、好きな作家が絶賛してたのを見て読んでみた。 結論、読んでよかった。 性格のない主人公とかピョコルンとかとっつきにくいように感じますが、物語の中で怒ってることは実際の自分たちの社会で起こる差別や性被害が風刺画みたいに描かれてるんだなーて思った 気持ち悪いひとはいっぱい出てくるから疲れるかも
3投稿日: 2026.04.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
自分の意思を持たない空子は常に相手やコミュニティが期待している"自分"に呼応して、その人格を分裂させていく。 次第に自分自身だけでなく、さまざまな世界が並列して存在しており、自分以外の人間もそれぞれの世界が求める姿に呼応して、複数の世界を生きているという認知を持っていく。 この空子の感覚自体は、仏教の空の思想を捉えているように思う。自分自身も空子ほど意識的ではなくても、コミュニティに応じたさまざまな人格を無意識に使い分けている。というか、多分全ての人間がそうなんだろう。 ホモソーシャルな環境に適応した匠くんのような人格もかつての自分のなかには存在していた。この本が読む人の感情をザワつかせるのは、誰もが持っている・言葉にしなくても感じている感情をかなり露悪的に、いやーな感じを大幅に増幅して描いているからなんだろう。 「いやいや、ここまで酷いことは言わんだろ」とか自分に言い聞かせつつ、でもこんなことは思ったことあるかも…と、自分の心にざらつく何かを残していく。 上巻ラストで分裂していた世界全てを崩壊させるような、とんでも展開をかましたあと、下巻で何描くんだ⁇という、こちらの要らぬ心配をよそに、下巻は下巻で人類補完計画的な、とってもディストピアなラストを迎える。 全ての人間が同じような思想・考えを抱くようになった世界、みんながみんな世界99に暮らす世界で、白藤さんが最後に見せた表情は⁇穏やかなものなのか、ピョコルンになった空子を憐れむ表情なのか?、世界に取り残された寂しさなのか⁇
2投稿日: 2026.04.09
powered by ブクログ自分にも空子と同じ要素があるという後ろめたさを感じてしまうからなのか、ピョコルンの描写が妙に生々しいからなのか、読んでいて気持ち悪い、でも目が離せないという作品だった。
2投稿日: 2026.04.09
powered by ブクログ誰しもこういう面あるよねっていう究極の皮肉だなぁ。特に今のネット社会では尚更。 「裏表のない人」というのは大抵の場合褒め言葉になるけど、一面しかない人っていないのではないかな。 話は女性目線だけど、男性目線だったらもっとグロテスクな性が語られるのかもしれないと思うとゾッとする。 さて、これから下巻に突入。
2投稿日: 2026.04.09
powered by ブクログ衝撃的作品!差別対象になるラロロリン人、性処理ペットのピョコルン…異世界の話なようだけど、ただただリアルな世界そのもの。物凄い内容なのに物凄く読み易くてびっくりする。心理描写がなんとも言えぬ…心えぐられる。
1投稿日: 2026.04.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
これぞフェミニストの見てる世界 面白かった(趣がある、の方) この物語に登場する男性は、みんな一目で分かる犯罪者or犯罪者予備軍だった しかし、女性もパッと見では分からないが、よく見てみるとろくな人が居なかった 結論、登場人物は皆どこかしらヤバい人だった、というのが上での感想 フェミニストの価値観や、男がどんな風に映っているのか大変勉強になった 私は、フェミニストとは恐らく一生分かり合えないんだろうなと感じたし、分かり合おうするのではなく距離を置くのが大正解なのだろうなと思った 蛇足:トレースと呼応は、多かれ少なかれ皆やってるんじゃないかな
2投稿日: 2026.04.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
聴いていてここまでこの世界観にどっぷり 浸かるのかと恐ろしくなるほどに 今私が身を置いている世界にも影響が大きい 今の私たちの世の中の汚いものを 全て煮詰めたようなこの世界で どこか他人事ではないような出来事が 次々へ起こる。 男尊女卑、痴漢、差別、自殺、出産、 ピョコルン。 主人公の空子は名前の通り空っぽで 性格のない人間。 空子は対人関係の中で相手によって 自分を変えて生きている。 そのあまりの極端さに異常だと感じながらも それを行っていない人間なんていないと 自分自身を振り返ってしまう。 救いのない1冊でありながらも なぜかこの世界から目を離せなくなっている 自分に恐怖を感じている。 はじめはただの新種の愛玩動物だった ピョコルンが品種改良によって 人間の性欲処理や出産育児にまで参加して いく様子も実にリアルでおぞましい。 そしてその愛すべきピョコルンの招待。 私は初めて本を読みながら鳥肌がたった。 怖かった。 恐ろしくもこの世界の行く末を見届けたいと 思ってしまっている自分がいる。
2投稿日: 2026.04.07
powered by ブクログディストピア作品だと思って読み始めましたが、単なる架空の世界ではなく、私たちの現実の延長線上にある物語なのだと強く感じました。 設定自体は非常に大胆で、現代のモラルからするとインモラルに思える出来事も数多く描かれています。しかし、それらが淡々と書かれる事でかえって不気味すぎるほど現実味を帯び、これは決して他人事ではないと思わされる瞬間が何度何度もありました。少し怖くなるくらい。 主人公・如月空子の、場面ごとにペルソナを使い分ける在り方には強く感情移入をしました。だからこそ、白藤さんの生き方はどこか眩しく映り、対照的な存在として印象に残っています。私は白藤さんになりたかった。 村田沙耶香さんの作品は、どれも既存の価値観や常識を揺さぶる圧倒的なパワーがあり、本作も圧巻でした。読んでいる間は常に思考を刺激され、読み終えた後にはどっと疲労感が押し寄せますが、その感覚こそが心地良く、魅力だと感じています。 ピョコルンに関する衝撃的な事実が明かされる場面で物語が一区切りを迎える構成が印象的で、「ここで終わるのか」と思わされつつ、続きへの期待が強く高まりました。早く下巻を読みたいとウズウズとしてしまいました。 この作品の世界は一見すると極端に見えますが、現実を細分化して、それを淡々と描き出しているに過ぎないのではないかとも感じました。空気を読み、その場に適した役割を演じるという行為は、すべての人が日常的に行っているのではないでしょうか。 いじめや性的な描写も含め、すべてが淡々と同じ温度で提示されることで、強い違和感と衝撃を与えられます。だからこそ、少しの主人公の動揺に、読者である私も呼応して、ドキドキとさせられてしまうのです。この容赦のなさこそが本作、そして著者の魅力であると改めて実感しました。
8投稿日: 2026.04.06
powered by ブクログ『世界99』を読み終えてまず感じたのは、これはディストピア小説ではないということだった。設定だけを見れば、十分にディストピアだ。人格を使い分ける主人公、生活のあらゆる負担を肩代わりする存在、再構築される社会。しかし本作が描いているのは、崩壊した未来でも管理された社会でもなく、「すでに私たちが生きている世界の延長線」だ。極端に見える構造は、むしろ現実を誇張しただけに過ぎない。 主人公・如月空子は「性格のない人間」として描かれる。彼女は相手や環境に応じて人格を作り替え、「安全」と「楽」を基準に生き延びてきた。コミュニティごとに異なる自分を持ち、それぞれを“世界①”“世界②”と切り分ける。その姿は一見すると異常だが、読み進めるほどに気づくのは、これは誰もが多少なりともやっていることの極端な形だという点だ。空気を読み、場に合わせ、期待される役割を演じる。それを徹底した結果が空子である。  本作の核にあるのは、「主体性の欠如」ではなく、「主体性とは何か」という問いだ。自分の意思で生きていると思っている人間も、実際には環境や他者の期待に強く規定されている。空子はそれを隠さないだけだ。むしろ、意識的にそれを最適化している。その意味で彼女は“空っぽ”ではなく、“最も合理的に社会適応した存在”とも言える。 そこに登場するのがピョコルンという存在だ。かわいらしい外見を持ちながら、人間の負担を引き受ける装置として機能する。出産、育児、介護、性、労働といった「面倒なもの」をすべて委ねることで、人間は快適さを手に入れる。しかしここで重要なのは、負担が消えた先に何が残るかという点だ。人間は自由になるのではなく、むしろ「何のために生きるのか」という問いに直面する。  この構造は非常に冷酷だ。多くの物語では、苦しみから解放されることが救いとして描かれる。しかし本作では、苦しみが消えたあとに空虚が残る。役割を失った人間は、自分の存在理由を見失う。ここで浮かび上がるのは、「不自由さそのものが人間を形作っていたのではないか」という逆説だ。 さらに本作は、社会の再構築というテーマにも踏み込む。一度崩壊した世界は、「よりクリーンで優しい社会」として再生される。しかしその“優しさ”は、徹底的に管理され、最適化された結果でもある。誰も傷つかない世界は、同時に誰も逸脱できない世界でもある。この均質化された世界の中で、個人はどこまで自由でいられるのか。本作はそこに明確な答えを出さないまま、読者に突きつける。  読後に残るのは、不快感に近い違和感だ。だがそれは単なるグロテスクさではない。「自分も同じ構造の中にいるのではないか」という感覚だ。空子のように極端ではないにせよ、私たちもまた場に応じて人格を変え、楽な選択を積み重ねている。その延長線上にこの世界があるのだと考えると、本作はフィクションとして処理できなくなる。 『世界99』は、奇抜な設定のSFではなく、人間の適応と最適化を極限まで突き詰めた思考実験だ。社会に合わせて生きることは、本当に「自分として生きること」と両立するのか。快適さの先にあるものは何か。本作はそれらの問いを、容赦なく読者に突き返す。読み終えたあとに残るのは答えではない。むしろ、「このままでいいのか」という持続的な違和感だ。それこそが、この作品の本質的な価値だと感じた。 #2026年14冊目
31投稿日: 2026.04.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
上下巻あっという間に読了。重い重い。気が滅入る。だけれどこれがリアル。 村田沙耶香さんの女性ならではの女性にむけた小説が大好きで何冊か読んでますがその中でも1番好きだった。 上巻は特に女性差別の嵐で、それは令和の今も感じる女性の感覚(女性にしかわからない感覚)を誇張して描いているようでとても共感できた。上巻最後の展開はワクワクしすぎてページを捲る手が止まらなかった。 下巻では主人公は被害者から加害者へ。そして世界は、感情を持たずトレースを繰り返してきた主人公へと近づいていく。 被害者でも加害者でもない人間など存在しない。全員がどちらにもなり得る。そして加害者と差別的な評価が飛び交う中で、何が自分を自分たらしめるのか。 すごくまとめるとそんな感じなのか? 50歳最後のオペシーン、あれは是非映像化してほしい。美しく残酷なシーンになりそうだ。
2投稿日: 2026.04.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
主人公以外の人たちは、自分が大事にしているものしかこの世に存在していない、他の世界など存在しないと生きている。そこに主人公と同様に世界99の感覚を持った人物・小早川さんが現れる。ピョコルンの実態が世に知られ、主人公以外の人たちは、ほかの世界との境界線を見失っていく。視野狭窄?から広い世界へ 序盤はコンビニ人間の拡大版かーとつまらない話の進行を予想していたけれど、後半の後半で3つぐらい予想外の展開が待っていた。 ・世界99の存在を主人公が感じたとき ・同じく世界99の世界観を持っている小早川さんとの出会い ・ピョコルンがリサイクル人間だったこと
2投稿日: 2026.04.05
