
総合評価
(517件)| 202 | ||
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powered by ブクログ強烈です。 普通では考えられないような非人道的な事でも、人間の中で常識となって仕舞えば、そこからはもう当たり前のこととして受け入れてしまう人間の気持ち悪さを感じた。ずっと不穏です。何かやばいことが今にも起きてしまいそうな感じがゾクゾクします。 それに対して冷静に世界を俯瞰して見ることができる、主人公空子の視点が面白い。 最後はとんでもないことになった。下巻が楽しみ。
4投稿日: 2025.07.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
図書館でめっちゃ待った。上下巻一緒に頼むの結構大変。だから読みたかった。でも辞めよっかな。ディストピアっていうの?ファンタジーっていうの?知らんけど。ピョコルンが可哀想でならないよ。犬飼ってるからさ。下巻も一緒に返しちゃおっと。 だけど私も人によって人格変えるよ。内緒だけど。みんなそうでしょ。
6投稿日: 2025.07.27
powered by ブクログこれは…好みが分かれるだろうと思う。ただ村田沙耶香さんが好きなので購入したのであれば、面白いのではないだろうか。 いやー…ピョコルンが怖すぎた。 このまま下巻にいきたい。
14投稿日: 2025.07.27
powered by ブクログ久しぶりに小説を一気読みして、休日で読み終えてしまうほど、個人的にはとても刺さりました。 とても生々しい描写が多いので、読んでる最中はモヤっとした気持ちになりますが、そのモヤモヤこそ、作者が読者に感じて欲しいんだろうなぁ、と思いました。 社会の当たり前をここまで言語化できる作者が素晴らしいなと思いました。「普通」の生活をしている人にほど読んで欲しい作品です。
10投稿日: 2025.07.27
powered by ブクログ村田沙耶香さん初読みです。 まず表紙が怖い...。なんだかとても疲れてしまう作品でした。 自身に感情がないという主人公は自身のキャラを自身が所属するコミュニティによって使い分ける。相手に呼応し、トレースする。すごい観察力と適応能力。私にはできない....。 下巻もずっとこんな調子なのかな...。
144投稿日: 2025.07.26
powered by ブクログ・読み終わった第一声としてはグロテスク。 ・人間の嫌な部分を煮詰めて灰汁でできた物語という感じなのに、妙にリアルで読まずにはいられない。
9投稿日: 2025.07.24
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性格がない空子はいろんな世界を持ちそこの人に合わせて感情をトレースしている。ピョルコンという変な生き物を飼い生活していたが、その正体がわかると世界は99になった。自分も空子のように本当の自分がいるのだろうか
65投稿日: 2025.07.24
powered by ブクログ村田沙耶香さんの作品を読んだのは、「地球星人」に続いて、2作品目でした。「地球星人」を読み終わった後、この人の作品は、もう読めない(読む体力が無い)かもと思っていましたが、つい、世界99も手に取ってみました。後半からは最後まで読まないと止まれないという気持ちであっという間に読んでしまいました。 でも、やっぱり、村田沙耶香さんの作品を読む時は、気持ちにゆとりがある時がいいかも。何でそんな展開に? というびっくり展開。 どこか私は、この展開にびっくりするのが好きなのかも。 いや、それだけでなく、村田沙耶香さんの表現があらゆるところで的確で、その表現を浴びるのも好きなんだ、私。 この物語に出てくる「トレース」ということ、多くの人がしてるよなぁ…そして、私は、トレースしても、そこに合わせるのが下手な人間なんだろうなぁってことが分かりました。 下巻を読むのにもエネルギーが必要なので、一冊気楽な本を読んでリラックスしてから、下巻に入りたいと思いました。
16投稿日: 2025.07.23
powered by ブクログ図書館にて借りる、第756弾。 (京都市図書館にて借りる、第222弾。) 凄く気持ち悪くて面白い(褒めています)、ディストピア小説。 よくもまぁ、こんな不快な、人間を醜悪に描くお話を思いつくなぁと感心する(褒めています)。 後半、ピョコルンに人間が支配される展開になるんじゃないかと期待しているんだけど、どうなるのか。 とりあえず、上巻だけでも相当人間が嫌いになる、けど面白い。 星は4つ。夢中で読んだから4つだ。
5投稿日: 2025.07.22
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村田紗耶香さんは初読み。 ピョコルンというかわいい愛玩動物がいて、「ラロロリンDNA」を持つ人が執拗な差別を受ける日常。 誰でもある程度は相手によって態度を変えることはあるけれど、主人公・空子は意思がなく、自分の役割を察知し、人格を変えて接する。なので、あるときはラロロリン人をクラスのリーダーたちと一緒にいじめるし、あるときは、リロロリン人を理解する――といっても意思がないので、流されているだけなのだけれども。 大人になってからは空子の母親がそうであったように、経済的に恵まれた夫にしいたげられながら奴隷のように家事をする。社会の奴隷になるか、夫の奴隷になるかの選択なのである。 全体的に「あかんやろう」「わかるわー」「なんで?」…の繰り返し。その「なんで?」も飲み込ませられてしまう。 そして衝撃の事実… 図書館でこの本を借りられたことが嬉しくて、内容も知らず「♪ピョコルンルン」って歌いながら帰った自分が恥ずかしい。 こんなに胸糞悪く(これしか言葉が見つからなくてごめんなさい)下巻に続くなんて…。 もう、怖すぎて読むエネルギーがない…。 でも続き読みます。
54投稿日: 2025.07.22
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第一章は割と面白かったけど、第二章から登場人物が増えてわからなくなっていった 私は、 世界① 家 世界②会社 世界③中高の友達 世界④大学の友達 世界⑤小学校の友達 世界⑥趣味 くらいかなあ 細分化したらもっとありそう
3投稿日: 2025.07.20
powered by ブクログ初めて著者の作品を読んだが、とにかく評価が難しい… 読んでいて不快に感じることが多く、思わず顔をしかめてしまうような描写はあるけど、読み進めてしまう。 本にはのめり込めていて、「世界」と分類してペルソナを使い分けているような主人公には共感できる部分もあるが、とにかく世界観が不気味で気持ち悪い。 いずれ最終的な評価は下巻を読み終えてからにしたい。
5投稿日: 2025.07.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読んでいると鬱屈とした気持ちになるのに読む手を止められない作品でした。 空子の言っていることが理解できない気持ちとすごくよくわかる気持ちを行ったり来たりしながら読みすすめていきました。 自分がいろんな世界に所属しているというのは共感できていろんな自分を使い分けて生きているのはみんなそうじゃないかなと。 村田さんの文章力で引き込まれすぎて1章まで読んだときは落ち込みました笑 下巻も早くよみたいと思います!
5投稿日: 2025.07.19
powered by ブクログずっと村田沙耶香の作品を読んでもいまいち自分の物語として消化できていなかったのだけど、これは構造的に、すべての読者が自分の物語として引き受けさせられる、ようにできている。逃げられないようにできている。そう、世界99は心地よいのだ。
5投稿日: 2025.07.18
powered by ブクログ図書館の本106 衝撃的な作品だった。SFというと、好みがはっきり分かれるので少し身構えて読んだけれど、絶妙にこちらの現実世界にも通ずる感覚がはっきりと存在したまま物語が進行してゆくので、とても気持ち悪いのに面白いという奇妙な感覚になった。(ほめている) 幼少期から母親を便利なものとはっきり認識する主人公、色んな立場や他人をドライに客観的に、「自分にとってどう得を与えてくれるか」というものさしで見ていて、あけすけすぎる文章に、少し後ろめたい気持ちと「わかるーー!」という性格の悪さを持ち合わせて読んでしまった。しかもそれが楽しい。なんだか読んではいけないものを読んでいるような、、、そして最後の怒涛の展開で「え!?」、これは後半も読まなければ、、!の気持ち。後半でたくさんの「世界」だ出てきて、「タイトルの「世界」ってそういうことだたのね」と楽しくなってくる。そして世界と認識しているのは大げさにも見えるけれど、現実でも小規模で起こっているんだろうなって。友達の前と、家族と、恋人と、ってそれぞれと過ごしているときは多少キャラとか見せ方って少し違うと思うし。下巻も楽しみです。
15投稿日: 2025.07.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
何ともいえない気持ち悪さが全体的にあり性的な表現も多い。わざわざ言語化しなくても…と、流していることを文字で目の前で出されて、ざわざわとする。 ただインパクトは強くどう展開するのか気になる本だった。
3投稿日: 2025.07.17
powered by ブクログピョコルン、ラロロリン人 何じゃこりゃ⁈と思いながら、空っぽな空子がコミュニティごとにキャラを演じ分け、そこから見えてくる人間の持つ醜悪な部分には現実に通ずるものがあって、何とも不思議な世界観に魅了された。 ただ、終盤の展開がカオス過ぎる。 下巻、ついていけるかな。
4投稿日: 2025.07.17
powered by ブクログこれは村田沙耶香さんの読んだことある作品の中で、というより私が読んだことある全ての作品の中でトップかも! もっともらしいストーリーが最初から存在していて、そこにぴたりとハマるような感情や状況に遭遇すると、人はそれらしさ(ストーリーの妥当性)に震えて心を感動で揺れ動かす、その演技くささへの不快感、違和感は私の中で年々輪郭が強固なものとなっている。自分のそういう感覚は斜に構えているが故の思春期的なものではないかと今でも悩んでいるが、演技に入り込む能力に差があるだけなのかも(呼応をしているうちに本当にそういう性質が自分本来のものかもという気持ちになるから入り込む素質は紛れもなく存在する)しれない。もっともっと自然に馴染まなきゃと思う一方で完全に擬態したら本来の自分がわからなくなってしまうのでは、と不安になり、その度に、そんな自分すらも本当だという根拠が果たしてどこにあるのかと自分の存在自体が揺らいでいく。 大人ウケは小さい頃から半意識的に狙っていたが、主人公ほど自覚的ではなかったしプロでもなかったと思う。主人公が今の自分と似通うところが多い分、私もそういう幼少期だったかもと錯覚してしまいそうで怖い。 自己開示の場において本音として受理してもらえるのは、予測・納得可能な範囲内での反応。選択肢が最初から決まったゲームに何となく身を投じているうちに自分も元々そうだったような気がしてくる。rpgに素直に従っているうちに、元の自分は何だったのか、果たしてそんなものが存在していたのかすらわからなくなってくる。rpg内の他の人物は、自身固有の性質がもともと備わっているように堂々と振る舞うから、他者に答えを求めたり相談したりするハードルも高い。分裂の大元の細胞なんてものは本来性ない幻想かもしれないが、そのような存在を想定するとして、それは幹細胞のように何にでもなれるからこそ何でもないようなものかもしれない。今思考している自分すら分裂を繰り返したうちの一個の細胞でしかないのに、確固たる思考主体(親元)としてそのポジションを軸にして思考や判断を繰り広げる(「私たちは本当はどう思っているんだろうね?」「何をしたいんだろうね?」「自分の気持ちに素直になったら、どういう想いがみえてくるかな?」なんていう話し合いや問いに代表される)、そんな珍妙な作業を真顔でするから、自己らしき手持ち札を全て放棄して逃げ出したくなってしまう 特に自発的な感情はないけど安全と楽のために呼応する主人公と自分が重なる。 何にも興味がないけど、それを悟られないように生きているうちに、便宜的に設えた興味対象や目標が本当に自分に宿った気がして、それに全力投球する。そして次第に精神的疲労が大きくなると、楽に生きるための行為が逆に自分の首を絞めていることに気づき、そのコスパの悪さに辟易する。やはりちょうどいい塩梅が大事。 楽に生き延びるために演技的に振る舞っているのは私だけではなくて、みんなに共通の普遍的なものじゃないのか。ただそれを表立って主張しないのが暗黙のルールであり、そのむず痒さに蓋をすることができない自分はただ未熟なだけじゃないのか、そんな自意識に圧されることも多くあるが、実際どうなんだろう。演技性を指摘しないのがお作法という概念が完璧に染み付いているから疎外感を(私含めて皆が)感じるのか、才能ある人は演技を演技と認識しない技術が卓越していて生存に最適化されていくからこのような悩みすら持たない(もしくは忘れてしまった)のか、それとも自分が本当におかしいのか。みんな本音を出さないし本音なんてものはおそらく存在しないので、永遠に疑問のまま。変なのならば、さっさと変という称号を獲得し(この話の中で言えば、他の人はちゃんと人間で、自分だけが人間ロボットなのだということを知って)正当に悩む権利を得たい、この身動きできない状況から解放されたい。 人間とロボットの中間なのでは?という考えも浮かんできたが、人間とロボットの間のグラデーションのように感じる部分は単に、自分は人間であるという感覚をどれくらい持つかの違いであってやっぱりロボットであることに変わりはない気がする 「母にとっては私も、「強制的に可愛い生き物」なのだろう。世界中の人が、可愛い子供をきちんと愛しているか、母を見張っている。」 p39のこの言葉も刺さる。実家に帰って犬と接する時、子供と接せる時の気持ちに似てる。大好きだけど、好きだと思うなら可愛いと思うならちゃんと遊ばなきゃいけないみたいなどこか煩わしさがある。大好きだと思っているのか?などと疑うのも面倒で関わり合いが億劫になる。そんなことが言うのも許されない圧迫的な空気感を自分からも世間からも感じる点も類似。 第1章12歳 痴漢行為が倫理的に最低だと知らなかったらどう解釈されるのだろうか、主人公が知識がなくても五感で不快感と危険信号を感じ取ったということは、痴漢というラベルがついてなくても、危険だと察知すべき(だとこれまでの人生で学んだ)要素が複数あったということか。 痴漢行為をされたとわからず、その時何の感情も抱かなかったとしても、人生の後の時点では確実に、それが痴漢行為にあたるということ、そしてそれに付随する世間の評価、持つべき感情が学習される。そしてそこから振り返って過去の経験が解釈されるので、最低なことをされたと認識されない余地はない。 ラベルがつくことは、そのラベルの持つ感情チケット(こういう思いを抱いていいですよという権利)を得られるというメリットもあるが、そのチケットが正当なものかどうかという精査も入り混じり、それが「もっとちゃんと痴漢されている人がいっぱいいるのに」「だんだんと全部自分の勘違いだとしか思えなくなり、嘘つきと罵られることを考えると、口を開けなくなった」という考えにつながる。自分の最初に感じた感情を信じていい、なんていう言葉をかけられても、ラベルやチケットを獲得してしまったあとは、それらの介入を排除することができず、原体験がゲシュタルト崩壊していく。保健の先生が担任に呼応した後に主人公に対して話をさらに聞こうと問いかけてきたが、それを拒否した気持ちにも共感。人間か人間ロボットかの区別もつかず不安定で得体の知れない何かに真剣に相談してわかってもらえるはずがない。みんな自分のトレースや呼応に騙されており、意識的に都合のいいストーリーに当てはめてあげると安堵するくせに、と皆に不信感を覚え、1人で賢く上手く生き抜いていくしかないという覚悟と決意につながる。それは強がりでも見下しでもなく、ただ傷つかずに楽に生き延びるための手段。 14歳p133 「私たちは、最近では、ラロロリン人の匂いがすると本当にゾッとすることがある。ゴキブリを見たときのように、生理的に気持ちが悪いと感じる。私たちは世界の更新をたやすくダウンロードする。当たり前のように、生まれた時からそうだったように、ラロロリン人の遺伝子を蔑んでいる。きっと、白藤さんは、自分たちとは違うものに洗脳され続けているのだろう。私たちがダウンロードしている容易い嫌悪感よりも、もっと強固なものが、彼女を洗脳し続けているのだろう。」このダウンロードは知らぬ間に起こっているから驚く。erでメンタルの患者さんが来た時にpというラベルとそれに付随する嫌悪感が自然に湧くようになり、その一方でみんながきつい態度を取る中優しい声音で話す自分に陶酔できる感覚もある。本当はどうしたいかとか別になくてただ自然にダウンロードされているものにわざわざ違和感を抱いて戦うことはせず、世間的な正しさにも少し媚びられれば、というスタンスで普段は深く考えずに動いていることに気づく。ちょっと考えると全てがどうでも良くなってきて、深く考えると最初からどうでもよかったことに気付く。 レナはなぜこんなにも素な感じがするのか。レナもこれまで出会ってきたものの呼応とトレースでできているにすぎないのに。自分を守るための媚びがあまり見えず、どこか傷つくことを許容しているようにみえるからなのか? 主人公はストーリーに嵌め込む形での経験の消費や自覚的でない演技の才能があまりない(なりきったり騙されきったりすることが苦手という意味で)ので、その分合理性に寄せて書かれすぎな気もするが、一歩引いて世界との関係性を戦略的に考えている語り口調で、それが終始安心感を与えてくれる。 20歳 ピョコルンが性行為に使われている時に出す声が喘ぎ声なのか安堵の声なのか甘え声なのか、それとも恐怖に怯える泣き声なのか。もっともらしい解説をつければその真偽に関わらずそんな気がしてくる。ただの鳴き声でしかないものを、ストーリーに当てはめようとし、ぴったりピースがハマるほど全体像が鮮明に見えてくる、そしてそれに私たちの感覚器官、さらには脳が支配される。 主人公は媚びがとにかく上手い 媚びている自覚が主人公くらい明確にあり媚を身につける前の空っぽ状態が確かな感触としてあるのなら、分析を重ねても大きくはぶれないと思うが、私程度の人が、これは媚びだったかも?演技だったかも?こういう思いが根本にあってこれに対応しただけかも?と解釈を過剰にするとどんどん自分が元の空っぽ の状態に近づくようで逆にゴミを詰め込んでいる状況になっているかもしれない この恐怖感が読み進めるごとに肥大していって、感情なんて何も信用せず、過去はそっと流すようにしよう。振り返るのすらやめよう、一瞬一瞬適切な対応をしよう、という考えに至った。防衛的な方針。完璧主義すぎてチワワ化している。村田さんの語りがうますぎて、もともと私もシルバニアファミリーの一員として生きているような違和感を抱えていたはずなのに、それすらこの本を読んでそう感じていたように感じているだけなのかもしれないという疑念に変わっていってしまうのが少し惜しい。 p199「いろんなことがどうでもいいからそう思うのかもしれなかったし、無意識下で白藤さんを「トレース」し始めているだけかもしれなかった」 人生で習得したストーリーのバリエーションが多すぎるし、トレースの能力も染み付きすぎている。これらの影響を取り除いたら何が残るんだろうと考えてみても、そもそも何にも関心も興味も執着も本来はないんだろうな、と思考が働く限り虚無感に帰着する。 レナの映画をみんなで見るシーンで、どうしても鼻につく人が一部存在するのは、そういう人たちが綺麗に洗脳されきっていてロボットの素振りすら見せない完全な生存適合者だからだと再認識できた。p208「記憶は多数決だなあ、と思う」p256「世界とは、液体で、ゆっくり入り込んできて、私たちの記憶を改竄する」これでしかない。洗脳は、ひっそりと違和感なく整合性の良いストーリーを未来と過去の両方に伸ばしていく。 呼応に対する呼応がセッションだという表現は秀逸。女の典型例、男の典型例、ラロロリン人の典型例、まあみんな苦しいのだろうけど、そんなのどうでもよくて。自分の苦しみを、他者のもの(想像上のものでしかない)と比較して横暴に振る舞ったり傷つけたり、あるいは直接的な危害は加えずとも見下したりすることを各々合理化している。社会において「便利」の食物連鎖があるように、自己憐憫に伴う合理化された悪意の食物連鎖が確かに存在する。 可哀想さを世間に納得されづらい者は上手く逃げるのが吉、恋愛アルバイト辞めるのは得策だった。 楽にいきたいという本音すら、操作されたものでは?と思うが、生存本能の一種とも捉えられるか。 白藤さんの思想は「信仰」の主人公にも似ている、その正当性が後には更新されるかもしれない(からこそp277にあるように「考え続けること、考えるのを決してやめないこと」が最終回答として提示されるが、考え続けることに何の意味があるか本当に教えて欲しい、これこそ「それでも考え続けることに意味がある」宗教だと感じる)ような不安定な正しさチックなものに縋る大規模なカルト宗教。 物心ついた時に既に敬虔な信者となっていたら楽だが、1から入信する場合は洗脳されてしまった方が生存に有利と分かっていても反骨心を抑えるのに苦労する。正しさにも救われてこなかった人生であれば特に。 ピョコルンの無惨な姿を見て、主人公がどんな心情を持ったのかはわからないが、私だったら整理しなくてはいけない膨大な量の感情が自分の中で破裂していることはわかるが、その処理に時間と体力が必要で呆然としてしまう。そして「抱きついて泣いて、いかに後悔しているか、どれほどどうしようもなかったか、アピールしなければいけないことはわかっていた。そうしなければ、人間の心を持っていないと思われる」という思考が自然に湧き上がった時点で一次感情なんて触れられないほど雲散霧消してしまっていると思う。 第二章 世界①も②も③も捨て去り自由になって仕舞えばいいのにと一瞬思ったが、呼応で輪郭を保っているから全てから解き放たれたら自分の存在がなくなってしまうのか。自分とは何かという際限ない問いに悩まされるぐらいなら、丁度いいピースとしてどこかにぴったりハマって、背景に馴染んで輪郭がぼやけた方が生きやすい。ただ所属する世界があまりにお互い交差しないものだと、調整が億劫だし、その矛盾の隙間からアイデンティティに対する問いが顔を見せる時もあるので、慎重な選択が必要。最適な選択をするために、自分はどこが1番楽か?と問うも、深掘りすればするほど全てどうでもいいに行き着くので、結局コミュニティを剪定することなく流れるままに呼応していくことになるのかな。 主人公の被害者としての語りが落語家のようになった場面で戦争の語り部の心はどういう仕組みになっているんだろうと思った。被害者としての活動をするなら徹底的に被害者であることを監視されるが、自分の感情と記憶に確かな信頼はあるのだろうか。 スムーズに記憶が手術され、スムーズに新たな価値観がダウンロードされ、スムーズに多数派の宗教に洗脳される、そんな摩擦のない受け身であることが生存のコツだとしみじみ感じる ラロロリンメロドロマの構成が精緻すぎて感動、人の心理をここまで分解して予想できるのが羨ましい、素直に勉強になる 人の人生やその人の本質について知った気になって本人に教えてあげることで快楽を得るという娯楽には、解釈者/分析者が優位感を持ってしまうという傾向が関与しているのだと思う。人についても自分についてもこういう性向や背景があるな、と安全なところから俯瞰して構造を見抜いた気になり、観察者側だからこそ作り出せる筋が通ったストーリーを信じ込む。善悪はさておき、そうした性質で過去の自分を解析することでまた新たなストーリーの波に飲み込まれ、さらにその経験により今の自分すら未来の自分に優位性を与えるような解釈の余地がある解析対象なのではないかという存在の不安定さに怯えてしまう。 この主人公はトレースで人格ができているという認識がある分、環境と人格が合致する場合、世界③で裁かれるような「正しくない」ものでもごく標準的なものと受け入れるところが面白い 小早川さんのような呼応に自覚的な同類と、呼応に呼応を重ねてセッションを繰り広げた後どうなるのか。世界丸いくつと名付けられるような新たな世界が今まで同様創られるだけなのか、番号で区別できるようなものではなく空っぽの自分の方に近い何かに仕上がるのか、そう考えながら読んでいたら 世界99か!その意味での世界99か、題名にもなっているのに思い至らなかったことにびっくり。番号として存在するくらいの分類は分け与えるが、1や2と平行なものとしてではなく、常にどの世界にいてもバックグラウンドとして閉じられてはいない世界99か。まあ小早川さんにとっては13ぐらいの気持ちかもしれないが。どうせ擬態しきれず自覚的にチャンネルを使い分けるのなら99の住人としてのスキルを磨きたいが私はそれも中途半端、それは自分の本質が(白藤さんや匠くんのように)どこかに根差していてそこで理解者に出会えないかという希望を捨て切れていないことが原因かもしれない。自分の本当のチャンネルがどこかと探しているうちに、呼応を重ねた最新作を本物っぽく錯覚してしまうものの、さらなる呼応で番号がどんどん新規更新されていくだけで、変わらない立ち位置としてそこにあるのは結局99だけ。誰かと深く分かり合いたいという希望を持つのなら、99ほど社会から距離を置かずに、いろんな番号に定住することもなく浮遊しながら、様子を見て本当ぽい何かを自己開示して1番しっくりくる瞬間を待ち構えればいいのかも。その際どっぷりどこかに没入する瞬間があると移動時に批判や奇異の視線をむけられがちなのは注意が必要なのでこれもバランスが難しい。 主人公が、自分が今までうまく呼応とトレースをして人間関係を構造分解していた分、音と通じ合っているかもと興奮しつつ、慎重になり(「音ちゃんはとても器用に、「わたしより少し重い」。」に滲み出ている)興奮を鎮めようとしているのがかなりリアル。 最後は震えが止まらない、世界99へようこそ、各々にとって吉と出るか凶とでるか、待ち続けたスタート地点がここにやっと生まれた! ロボットか人間かは断定できないものの、人間らしく振る舞うロボットという気味悪さからは解放された。 下巻が楽しみすぎる
18投稿日: 2025.07.14
powered by ブクログピョコルンてこういう位置付けだったの!!ととんでもな内容の連続で、下巻を読まざるを得ない状況になっている。本で初めてトリガーアラートを出したらしいが、読んで出すべきと納得した。全然下巻の展開が読めないのだが、上巻の段階でA24とかで映画化とかあるかも、と思ったりしてました。
5投稿日: 2025.07.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
関わる人、所属によって、呼び名も変わる。そこに当てはなるように変貌していく如月空子。幼少期のあたりは興味深く読んでいたが、だんだんなんとなく気持ち悪くなった。下ではこの先どうなっていくのか気にもなるが、心地よい読了には程遠い感じ。
2投稿日: 2025.07.13
powered by ブクログもう……村田沙耶香怖いニョ。若い子たち、世界はここまで最悪じゃないからこれを読んでも絶望しないで欲しい。確かに限りなく「あるある」を描いているし、この本に出てくるようなカス男もいるにはいるが、こればっかりではないので、絶対……。こんなに読んでいてずっと嫌な気分だった本も、途中でやめて時間空けて読んでもすぐにまた新鮮に嫌な気分になれる本もなかなかない。読んだことない。(褒めてます) 前代未聞だと思う。下がめっちゃ気になるけど劇物なのですぐ読むと精神病みそう。ドグラマグラよりよっぽど精神触れるよ。村田沙耶香が心配だ……でも面白かったよ……若い子、本当にこれを真に受けるなよ……(私はフェミニズム関連の本を読みまくって「世の中ってこんなに腐ってたんだ!」って絶望した経験があるので……) まあでも読んでると「グラデーションはあるけど、確かに結局こんな感じかもねえ……」みたいな気持ちにも、なるね……とはいえ……村田沙耶香には善良な男性の友達とかいないんだろうか……
6投稿日: 2025.07.12
powered by ブクログあまりの分厚さと上下の2巻ということもあって、ちょっと読むのに躊躇したけど、読み始めたら思ったよりあっという間に読めた。400ページ越えではあるけど、世界観がしっかりしていて現代のようで現代でない世界が舞台となっていて、リアルのようでフィクションな世界に夢中になってしまった。 空子は周囲の人によって、自分自身の振る舞いを変える少女。こうした方が上手くいくな、という性格を作り上げて自分の中にたくさんの性格を持ち、それぞれの世界で生きる。家族に対する自分、学校の先生に対する自分、友人に対しての自分、恋人に対しての自分。そのまま成長していき、大人になった空子は3つの世界を中心に生きている。 いやー、めちゃくちゃ物語ではあるんだけど考えさせられる一冊!まだ上巻なのでラストがどうなるかわからないけれど、興味深い内容だった。きっと誰しも自分の中に作った自分が少なからずいると思う。空子のようにあそこまで変貌するようなものではなくとも、この場面はこう言った方が良さそうだな、とか面接試験の時とかはハキハキした快活な雰囲気を出すようにしたりとか、ちょっとは本当の自分を変えて発言したりすることもあると思う。ただ、ここまで変えられる空子がすごいし、本当の空子はどこなのだろうと思ってしまった。 そして、ペットとして人気のピョコルンや虐げられるラロロリン人などフィクション要素も不思議なんだけど考えさせられる一部。下巻も今読み始めてるけど、どういうラストなのか楽しみ。
19投稿日: 2025.07.12
powered by ブクログ村田沙耶香さん、ぶっ飛んでます。 この世界最初は、自分にも少しはあるのか? と思ったけれど、全然違ってました。 凄いわー!さぁ下巻楽しみになって来ました。
2投稿日: 2025.07.11
powered by ブクログ空子のような人間は決して珍しくはないと思う。 ただ女性の生きづらさをズバズバ刺してくるので、読んでいて苦しくなる人もいるかも。著者は女性性を憎んでいるの?と思わせる迫力ある筆致で圧巻。
4投稿日: 2025.07.09
powered by ブクログまだ読み始めだが、すごいゾワゾワする。 この主人公の女の子が特殊なのか、こういう世界なのか、ちょっとはっきりしないが。ゾワゾワ。 しかし、「お母さん」の姿は将来の自分自身の姿になる可能性もあるんだよ、と呟かざるを得ない。
1投稿日: 2025.07.09
powered by ブクログ一度読み始めたら止まらない ちょっとやり過ぎでしょとは思うのにどっぷり空子に共感してしまうのは、私も女だから 善良な男が全く出てこなくて逆に気持ちいい笑 胸糞は悪くなるけど、こういう邪悪な男たちがいるってことを村田さんが全力で描いてくれていて好き 女の前に人間なのに、呼応してトレースして回避しようとしても女でいることの不合理不条理不思議さは存在し続ける 自分が見て見ぬふりしてる不快さや自己の醜悪さを炙り出してくるような話が好きなんだな 世界99の意味がわかったときはなるほどーー!と気持ち良い驚きと納得 小早川さんに向ける気持ちが苦しくて、それをみんなに与えてたことに空子は気づいてるのかな ピョコルンへの虐待がキツイ そうしないと自分が傷付けられていて… 結局この話に出てくる人たちはみんな対等じゃなくて話もしてない 正論や正義で人を救いたい、目を覚まさせたいって一歩間違えばカルトで、ただそれが相対的にマシに見えるだけで他者への同意なき介入は暴力なのかもなと思ったり、でも明らかに間違ってる人は助けなくちゃ?でも間違ってるって自分の価値観や正義なだけで、それって正しいの?とグルグルが止まらない 男性はこの話読むとどう思うんだろう 邪悪な男たちを見て自分とは全く違うと思うのか、部分的でも自分の中にある醜悪さを自覚するのか 私は②の人たち以外の女性の気持ちは全部分かるというか想像の範囲内にはあるよね 保健室の先生の言動も分かってしまう ②の方々はちょっと難しい☺️
5投稿日: 2025.07.09
powered by ブクログあーあーーー さすが村田沙耶香って感じ 上400頁越えだけどあっという間に読めた 分裂と呼応とトレース コミュニティごとに人格を作り上げる主人公 現実世界でもみんなそうなのだと思う こんなにも空っぽではっきりと使い分けている人はあまりいないかもしれないけど 世界99の題名に納得 可愛いペットの存在だったピョコルンがいつの間にかある存在へと変わっていく ほとんどの人が複数の世界を行き来している 多くの人が心のどこかで本当の自分の置き場所を決めている シタガイコク ウエガイコク ラロロリン人 鼻の穴のホワイトニング
4投稿日: 2025.07.08
powered by ブクログこの本、めちゃくちゃ引き込まれる。かなりぶっ飛んだ話なのに不思議と理解できるし、むしろ変にリアルで、読んでてちょっと不気味な感じもある。空子ちゃんの生き方にも、共感できるところが多すぎて、自分もこうなるのかなーなんて俯瞰で自分を見てるような感覚になるのも面白い。 これから「下」に入るけど、かなりやばい展開が待ってそうで、正直ワクワクしてる。
3投稿日: 2025.07.08
powered by ブクログ出てくる人間の誰にも感情移入出来なすぎて、逆に面白かったです。ノンデリ人間のオンパレードで、読んでいて胃もたれします。 そしてクリーンタウンとはなんだったのか。なんか差別のない街とか言う話があったような気が、、。 著者の作品はコンビニ人間しか読んだことがなかったですが、そういえばあの世界にも嫌な人間が多かったですね。そういう描写が得意な方なのでしょうか。
4投稿日: 2025.07.06
powered by ブクログいやもう、現実にいるだろうヤバイやつだけかき集めてピョコルン足したら出来そうな世界なのに、相乗効果でエグい世界できてるのすごい
2投稿日: 2025.07.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
凄まじかった…。目を覆いたくなるような描写がいくつもあったけど、それ以上にこの本によく出てくる、「分裂」「呼応」「トレース」という言葉が私の中にすんなりと入ってきました。無意識のうちに行っていた事柄に名前を付けられたような感覚です。 村田沙耶香さんの本はいつも私の痛いところを突いてきます。今回もそうです。世界が分裂し、それらの世界に「自分」が同時に存在している…。
1投稿日: 2025.07.02
powered by ブクログ私にとってはあまりにも奇想天外な世界観で、想像力が追いつかず没入しきれないまま読了。 今後の展開も皆目見当がつきません。 とりあえず下巻へ読み進みます。
2投稿日: 2025.07.02
powered by ブクログよくわからんかった 上巻は何が起こるのかのワクワクもあってまだ良かったけど… ファンタジーも苦手だし、著者とも気が合わなさそうだなと思った
2投稿日: 2025.07.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
主人公の心情・考え方・世界観に、どこか共感できるようで、決して相容れない部分がある。この本の世界に、どこか現実と似た構造を見出しながらも、決して現実ではないと思い知らされる部分がある。現実と虚構の狭間というか、リアルではあるがドキュメンタリーではない、絶妙な描写。現実を文学・フィクションに落とし込む、エンタメとして再出力するという意味で、すごい作品だと思った。 自分が所属する「世界」毎に立ち振る舞いを変えるという、程度に差はあれ誰しもやっているであろう行動を出発点に、主人公が触れる「世界」たちが描かれていく。コンビニ人間の時と同様に、主人公には感情や意思が乏しい。だからこそ、フラットに世界が描写されていくが、状況が好転していくことはない。 非常にシビアな書き方で、露悪的だと感じる部分や、生々しい描写も多かった。自分の中にある差別意識や汚い・黒い感情を掘り起こされるような読書体験でもあった。それでも「この先どうなるのだろうか」「この世界はどうなるのだろうか」という関心がどんどん高まる。 ある種、思考実験のような面白さがあった。
1投稿日: 2025.07.01
powered by ブクログ上下巻あるので読み切れるか不安だったが 凄い世界に引き込まれる。 人によっては嫌悪を抱くかもしれないが、 下巻でどんな展開になるか気になる。
2投稿日: 2025.06.30
powered by ブクログ第一章のわりとすぐ、空子が最初に分裂したあたりからずっと、読んでいて心がざらざらっとする感覚があった。たぶん、空子さんが相手の性格に呼応して自分をつくっていく様子が、自分の中の何かにシンクロしていたからだろう。 読み進めていくにつれて、これは自分ではないのかという気が強まってきた。 思えば、幼少期の自分も、小学校の自分も、中高大、そして大人になってからだって、常に周りの環境に対して、何かしら呼応するように自分のキャラができていったのだって、やってることは空子とほとんど同じだろう。 そしてそれが自分だけかといえばきっと違うくて、特にぼくたち日本人はそうだと思うけど、周りの空気を読みながらキャラをつくり、まっとうしながら生活するのって、みんなが当たり前にやっていることだ。 だから、今のリアルな世界に、ピョコルンやラロロリン遺伝子が本当に登場したら、きっと、この世界にも同じようなことが起こるだろう。それは容易に想像できるし、自然なことのようにも思える。 これは本当にフィクションなのだろうか。何十年後か、あるいは何百年後かのノンフィクションだと言われても、わたしはたぶん驚かない。
1投稿日: 2025.06.30
powered by ブクログ長編小説だが、一気読みした 下巻も楽しみだ 架空の世界を描いているが、人間の心理描写はリアリティがある 人はそれぞれのコミュニティ毎にいろんな顔を持つ 当たり前だが、それを分かりやすく表現していると思った 自分は99は流石にないが、いくつの顔を持ってるのかなと考えてみた
1投稿日: 2025.06.28
powered by ブクログとりあえず上巻読了。第一章のラストより第二章のラストの方が訳わからんエグさグロさが村田沙耶香さんらしくてというか、画が想像出来ないくらいかなりキツくて良かった。 下巻も早く読みたいと思っちゃってるんだから本当に不思議だよなぁ。 ちゃんとした感想は下巻の方に。
1投稿日: 2025.06.27
powered by ブクログこの作品にノレるかどうかは描写の露悪さに同調できるか否かだが、作中で暴かれた人間や世界の本質は偏狭かつ一面的で、著者の筆力で何とかギリ保ててるだけ。フェミニズムと反出生主義を拗らせるとこうなるような感じで、その世界観は性嫌悪をするけど誰よりもセックスから目を離せない女子中学生と変わらない。 まず、あれだけ露悪と差別と加害に溢れて現実の日本とほぼ変わらない生活様式を保ったまま成立しているディストピア世界に説得力を全く感じられず、「純文学だから」「ディストピアものだから」を免罪符にリアリティラインを放棄してるようにしか読めない。「思考実験」を帯でも謳ってるけど前提がおかしいでしょ。現実世界にもっと広義の「性」にまつわる地獄はいくらでもあるわけで。 「世界99」が主人公・空子の視点に限定される必然性も感じず、後半は凡人になって建前的な正しさの側に立つお友達相手に論破お人形劇やってるだけだった。 一応上巻は目を通したけどこんな分厚いのを読むのはこの人の作品を好きでその周波数に同調できる人ですね。こんな感じで自分の中では最低評価だが、その筆力は確かすぎるのでこの内容が中編くらいだったらそれなりに高評価だったと思う。 でも、たぶん過去作の中編で同じようなことずっと書いてるんだろうなというのは解る。 下巻はいいや。
0投稿日: 2025.06.26
powered by ブクログ子どもの頃から誰かを相手にころころと自分を変えていく如月空子。 コミュニティごとにそこに相応しい人格を作り上げていくのは、器用なのか、不気味なのか…。 ペットのピョコルンの世話が面倒だと考えていたが、周りの視線を気にし、白藤さんと出会って彼女に好かれるよう振る舞っていたが、白藤さんの兄に対して接した人格を見られて距離を置かれる。 大学生になりバイト先に白藤さんが入ってきて… どうしようもないときに頼ったのは白藤さんで。 第2章からは、35歳になった空子。 彼女は、しっかりと三種類に分けた世界で生きている。 いつのまにか明人と結婚していた空子だが、胡散臭さが拭えない明人と一緒にいるのがわからない。 相変わらずラロロリン人に振り回されているなぁと思ったところで、ピョコルンの正体がわかり何コレ⁈となる。 わかりたくない世界観に振り回されているうちに上巻を読み終えてしまう。 どうなるの下巻。
79投稿日: 2025.06.26
powered by ブクログ人間の汚い部分がいっぱい詰まっていて、読むのが本当に辛かったが、途中から、これはコメディだと自分に言い聞かせながら読んだら、何とか読み終えられた。でも、まだ上巻…。コンビニ人間とは違いすぎて、読むのにかなりのパワーがいる。
2投稿日: 2025.06.24
powered by ブクログ良い意味で、深刻に読むのが難儀な一冊。綻びながら頁を捲る。逐一ツッコミながらも、特異な世界観に惹き込まれてゆく。過激な毒気もご愛嬌。『世界99』の存在に気づいた空子の行く末は…下巻へ。
6投稿日: 2025.06.23
powered by ブクログこれはまたすごい小説!話題になるのも納得! 序盤はちょっと変な世界で、こういう感覚なんとなくわかるなーと読んでいましたが、 中盤からの異様な雰囲気に、終盤の展開… 言葉にならない衝撃でした。 同じ分厚さの下巻が待ってることが楽しみでもあり恐ろしい。
1投稿日: 2025.06.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
複数の世界に合わせ別人格として振る舞う空子なのに、男性と付き合う世界では、誰と付き合っても一貫してディストピアキャラになるところが面白い。 今まで考えたこと無かったけど、私にも常時世界は1〜8くらいあって、時々世界1の私が3の私にチラついたり、世界99の私がそれを冷めた目で見たりしてる。 こんな当たり前のことを本にするなんて、作家ってほんとすごい! ちなみに私の世界99の私にはキャラは無くて、総括的な視点。 #世界99 (上巻)#読了 下巻楽しみ! #村田沙耶香
2投稿日: 2025.06.22
powered by ブクログ村田沙耶香さんの本は相変わらず、リアリティがすごい。 今回の主人公は、自分という軸やアイデンティティがなく、存在するコミュニティや人をトレースして、その場で最も安全なキャラクターを演じ分けることができる空子。 彼女は、恐ろしいまでに周りに対して客観的に観察をしており、登場人物の心理をありありと分析してしまう。 多面性って誰にでもあるし、どこでも同じ自分なんて存在しない。自分という存在は何なのか?と疑問を持たざる得ないけど、どのコミュニティを選ぶかが自分という存在を形成することと一緒だよなあと。
2投稿日: 2025.06.21
powered by ブクログ架空の存在で表現されてはいるけど現実世界に重ねられる話だなと感じました SNSに日々投稿されている人間の醜いエピソードを集めて煮詰めたようなグロテスクが延々と続いて、わたしには耐えられませんでした 4分の3くらい読んでギブです 下巻でどうなるのか気にはなりますが…… 『コンビニ人間』もわたしには合わず、相性が良くないみたいです ひたすらに”普通”を求めるような作品を書く方なのでしょうか
4投稿日: 2025.06.20
powered by ブクログ『コンビニ人間』の村田沙耶香さんが3年かけて書いた連載を上下巻の本を出してすぐに話題になっていたので 主人公の空子が幼い頃から相手を「トレース」して相手が求める像に簡単になれるタイプだった。 大人になっていろんな顔を持ち、それぞれ世界①〜③のコミュニティでうまく生きている。 明人というモラハラ夫と結婚していて本当の自分は誰なのか?ということを感じつつ、最後の方で友達になった職場の音ちゃんでいろんな顔を持っている人と共鳴してきっと下巻に繋がると思う。 女性がモノとして扱われる世界線で性暴力が普通、男尊女卑がすごく顕著な世界。ラロロリン人への差別、ピョコルンで代理出産など様々な問題が発生している世の中。心苦しくなってしまうパートは多くあったが、きっと現代でいうこの件かな〜と照らし合わせながら読み進めるのが楽しかった。 ハンガーゲームやメイズランナーなどディストピア系が流行った高校ぶりだった。 ストーリーの衝撃度は五つ星⭐︎ ここからどうなるんだろう?下巻がとても楽しみ。 去年『信仰』読んでああこの人の作品好きかもって思っていたけど、今回もすごく読みやすく絶妙なラインを突っついてくる感じが改めて好きだなと感じた。
2投稿日: 2025.06.19
powered by ブクログ普段心の奥底でうすうす感じてたことをすごく最悪な形で言語化された気分。人間の灰汁の部分だけを抽出されたような小説で気持ち悪けど面白い
4投稿日: 2025.06.19
powered by ブクログ倫理観の崩壊、価値観の転覆__ 世界が変容していく光景が残酷で血生臭くて、あまりのイカれ具合に顔をしかめながらも読むのを止められない。村田さんの作品に何度も精神力と体力を奪われてきたが、それでもまた手に取る自分の異常さが恐ろしい。
9投稿日: 2025.06.18
powered by ブクログこわいなぁ。エグいなぁ。 世界は美しく繊細なようで、残酷で凶暴だ。 〈呼応〉と〈トレース〉かぁ。 認知バイアスの本にそゆうのいっぱいあったなぁ。現実世界と紙一重のディストピアなんじゃないかと思った。 下も楽しみ
19投稿日: 2025.06.17
powered by ブクログ生々しい。読んでてわかると思ったり、自分もそうやってるけど人にはあまり話さないことをあるがままに描いてる。好き嫌いがはっきりわかる作品だけど私は好き。
1投稿日: 2025.06.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
どうしたらこんな世界を思いつけるのだろうか その一言に尽きます。 ピョコルンという存在により、全てが何か違う世界。コミュニティ間で考え方が全く違う。 異なる思考を持つ人だとしても同じ世界に暮らしているはずなのに、彼らはまるで違う世界に住んでいるようでした。 村田さんはもしも世界にいるとしたら、 どの世界でどんな生き方をしているのでしょうか。気になりました。 ただ好き嫌いはわかれる作品だとおもいます。
1投稿日: 2025.06.17
powered by ブクログ今年読んだ本の中で、1番面白かったです。 コミュニティを分断した世界と表現していることや、コミュニティによって人格を分裂と捉えてる表現が面白いと思いました。 また、ピョコルンなどSF的な要素も混ぜつつ、社会の問題などが描写されていた。 最後のどんでん返しが凄かったです。
1投稿日: 2025.06.16
powered by ブクログ村田沙耶香の長編小説はどんなものになるのだろうと思いながら読み始めて気付いたら上巻を読み終わっていた。不思議な世界観と気持ち悪さに連れて行ってくれる。
3投稿日: 2025.06.16
powered by ブクログすごい世界観ですね… プロ友達たる分裂、わからなくもないけれど、苦しいでしょうにね。 時々ふと現れる世界99の素の空子が見えると、少しホッとします。 しかしなんだろう。 近未来なのか昭和初期なのか… 発展のような衰退のような世界。 この世界に生きるのは、ご勘弁です。
44投稿日: 2025.06.15
powered by ブクログ読み終えてはや1週間、鈍痛がずっと体内に残ってる きっかけは反資本主義でフェミニストの友人に勧められたこと SFディストピア小説と謳っているが、自分にはあまりに現実味が強かった あらゆる方向からの暴力、それから今の社会構造への疑問と己の矮小さ/愚かさが何重にも重なっており、何度も嗚咽しながら読んだ つまり最高の読書体験だった 真正面から苦しみを引き受けたい人におすすめです
2投稿日: 2025.06.15
powered by ブクログ如月空子は小さな頃から分裂して生きている。分裂した世界を上から俯瞰で見ている空子もいる広がる世界99個あるとして、感情をまず持たない空子はそれぞれの世界に合わせて生きる。一見すると精神病んでそうと思う。だが現実世界snsでも私たちは性格を使い分けやっている。ピョコルンやラロロン人や家電人間など独特の世界観は賛美ありでも面白い。 空子が感情を持たないためか、全てが受動的で読んでいて少しイラッとくる笑笑。 読むのがめっちゃ時間かかってかなり性格の使い分けに苦労しながら読んだ。 出てくる男子も女子から見たらクズばかりだし、ピョコルンが最後あーそう言う事とわかる時デストピアだなあーって思った。 まだ下巻あるよ。読めるか心配……。でも面白かった。
23投稿日: 2025.06.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
如月空子という名前の主人公は キサちゃん、空ちゃんなど自分を「分裂」させて過ごしている。 大人になると分裂でなく、世界が別れていくイメージになる。 世界1〜8まであり、そのどれでもない本当の自分が世界99。 感想とかは後編読んだ時に書こうっと
2投稿日: 2025.06.11
powered by ブクログ村田さんの作品も何作も読んでいますが、一番読むのが疲れました…なかなか付いていけない世界観。上巻でお腹いっぱいだわ。でも下巻も買ってある…。 『クリーン・タウン、呼応、ピョコルン ラロロリン人、ウエガイコク、シタガイコク…など』…村田さん作品らしい独自の言葉を理解しながら中和し、納得までは落とせなかったかな~。 結局のところ、コミュニティに合わせた自己表現(=キャラ設定)が世界①~⑧ということなのかな? 現代人も実際キャラを作っていて本当の自己を守っていると聞いたことがあるけど、楽に生きるためにキャラ設定しているのに、相手に合わせすぎは逆に大変だろうな。
22投稿日: 2025.06.10
powered by ブクログなんだこりゃあ。非常に露悪的。めちゃくちゃ面白い。 自分の価値観に全力1000%で振り切った人間しか出てこない。特に男性側が言葉では言い表せないほど歪んだ女性像を押し付けてくる。あと村田沙耶香が描く世界②の人たちの解像度が高すぎる。「意識が高い」とは…?という哲学的疑問を投げかけてくる、スピ寄りウェイ系(?)。 その中を空子は泳いでいる。「なんだこの地獄は」、と1周回ってギャグ漫画を読んでいる時のような笑い方(爆笑)をしてしまうのだけど、この地獄には既視感がある。過去に見たことがあるし、今もどこかで見ている。社会や、ニュースや、インターネットで。自分も参加していたし、現在進行形で加担している世界があるのだと思う。曖昧さを的確に言葉にしてくるから、虚構が現実側に像を結んでしまう。 世界も自分も偽善者で傍観者で差別主義者で、総じてゴミカスだなあ、でもそれが人間の豊かさだよね、本当に終わってんね!、と改めて思える、そう矯正されちゃう上巻。いやいや良いところも沢山あるよね、人間だもの。 下巻はどうなるんだ…、ピョコルン…!!という気持ち。 ちなみに私は白藤さんが嫌いじゃないです。リリアン女学園とか肌に合いそう。
4投稿日: 2025.06.10
powered by ブクログ圧倒的に村田沙耶香らしい作品。 SNSを開けば、美容垢、子育て垢、中学受験垢、政治垢、勉強垢、フェミニスト垢、 みんなそれぞれ自分が見たい情報だけを選び取っていればその中で価値観が構成されていく今の時代。 現実世界でも無意識に自分の性格をその人の価値観や経済状況に合わせて振る舞っている自分と重ねて読んだ。 村田作品を読むと、結婚とは、仕事とは、専業主婦とは、恋愛とは、というありふれた事象について良くも悪くも懐疑的になってしまう笑 下巻も買ってあるので一気に行きます(°▽°)
5投稿日: 2025.06.08
powered by ブクログ●読前#世界99 主人公は「性格のない人間」とのことだが、いったいどんな人間なのだろう? そして、そんな人間が「性格」を使い分けてディストピアを生き残るという、読んでも楽しくなさそうな話が続きそうな上下合わせて864ページ。最後まで読みきれるのだろうか https://amzn.to/4kU8IN8 ●読後#世界99 こんなディストピア長編を最後まで読み切らされた筆力に感服。そして、僕が現代社会に感じている数多くのモヤモヤが取り上げられていて、ありえないと思いながらも、未来はこんな社会になるのかも、という妙な現実感も拭いきれなかった https://mnkt.jp/blogm/b250305c/
20投稿日: 2025.06.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読んでいて不快な気持ちにはなりつつも一気に読み切った本だった 続きが気になって仕事にも持って行って、休憩中食べながら読んだりしたが、ピョコルンの解体のシーンは休憩中との相性が最悪だった笑 所属によってある程度は自分のキャラを使い分けていることに大学生の時に特に意識したことがあったので世界99の感覚はこういうことなのかなと思うところはあった
2投稿日: 2025.06.07
powered by ブクログはぁ…。 村田沙耶香さんの「嫌・不快」な気持ちの言語化はとても鮮やか。だからすごく気分悪くて、それがすごく気分良い。
4投稿日: 2025.06.06
powered by ブクログ↓ 感想はまとめて下巻へ! https://booklog.jp/users/ravster/archives/1/4087700011
19投稿日: 2025.06.05
powered by ブクログ全ては下巻の読了後に…と思ったけど… 下巻読み始めたら、これは書いておかねば… という気持ちになった!! 村田沙耶香さん!! とんでもない『世界』を生み出したな!! 何度…いや、10回以上はもう読むのはやめよう!!と 思ったことか… 『ミソジニー男』の不快なこと!! それでも、村田ワールドに引きずり込まれての読了。 人間はみんな、人類の道具。 そうなのかもしれない。 いや、そうなんだ!! 近い将来、家族のあり方も友達のあり方も変化していくのかもしれない。 近い将来、ピョコルンのようなペットも存在する世界になるのかもしれない…究極のSDGs 近い将来…近い将来… おぞましくも どこか切なくて そんな世界を覗いて見てほしい!!
8投稿日: 2025.06.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
おもしろい。 人間が誰かの奴隷とかいう発想はすごいと思うし、まさにその通りだと思う。 だから気づかないうちは幸せなんだな。と改めて思いました。下が楽しみです。
2投稿日: 2025.06.05
powered by ブクログ世代や環境にあわせて自分の性格や振る舞いが変わるというのは、過酷な社会環境で自分を大切にくるため全員が備え付けられている能力だなよなと思いつつ、読み進めると、差別、女性軽視、社会格差などSF小説なのに現実を直視しなくてはならず、読んでいて辛い描写があった。 なのに病みつきになってしまい読むのを止められない。 早く下を読みたいです。
4投稿日: 2025.06.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
内容も重量も激重の本作。読めば読むほど心が抉られていく感覚がする…人によってキャラを変えるのは誰でもどこかで経験がある。それをスタートとしてここまで展開できるのはさすが村田沙耶香と言わざるを得ない納得の作品であった。実際のピョコルンを想像してしまうと残酷でグロテスクだと思ってしまった。本当にこのような未来が来るのだろうか。
3投稿日: 2025.06.04
powered by ブクログトレースと呼応 言語化すると受け入れ難いものがあるけど、少なからず全ての人間が意識してるのかどうか問わずやってることで共感できた。分厚いけど淡々と読めてとっても充実した読後感!
2投稿日: 2025.06.03
powered by ブクログ強すぎて一気に読むには息が…って感じだけど止められない、 感情のない空子さんは、「コンビニ人間」の主人公をもっともっと世界に浸透させた感じ。なので集団の中で浮いてはいなくて、だから恐ろしいし、読んでるこっちに身に覚えもある、既視感も強い。 幼少期は笑いながら読んでしまったけど、大学生の頃は特にピョコルンがかわいそうすぎて。。 ラスト数ページで恐ろしすぎる急展開。。 怖いけど読みたい… しかしよくこんなに思いつくな…。こわいよクレイジーさやか…
2投稿日: 2025.06.03
powered by ブクログ感情の無い主人公空子が他者への迎合と擬態でいくつもの世界を作りキャラを纏って生きていく。この辺りは共感できる部分もあるが、ピョコリンの存在が気持ち悪くてこの巻の最後に明かされるリサイクルに衝撃を受けた。怖すぎる。
1投稿日: 2025.06.02
powered by ブクログ清潔でグロテスク。人間の汚いところを全て詰め込んだような物語。でも頁をめくる手が止まらないのは、多かれ少なかれ人が誰でも隠し持っている感情を、誇張はあってもリアルに描いているから。怖いもの見たさについ読んでしまう。共感はしなくても思い当たる節があって胸が苦しくなる。
15投稿日: 2025.06.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
世界99 上 村田沙耶香 ∞----------------------∞ 村田沙耶香ワールドだなーと思うけど、この世界って"この世界"とそんなに違っちゃいないよなとも思う。 この主人公みたいに極端じゃないけど、その時に周りにいる人に影響されて言葉遣いが変わったり生活が変わったりするのは不思議なことでは無いし、記憶もどんどん有耶無耶になっていって、あったことが無かったことに、逆も然り。コミュニティによって話し方を分けるっていうのも若干あるかも。 なんだか主人公の思考が「コンビニ人間」を思い出した。 ラロロリン人っていうラロロリンキャリアを持った人たちが迫害されてるとか、人工的に作られたペットとその使用目的とか、なんとなくリアルだよね。こんなキャリアないし、こんなペットいないしって理由で、"この世界"じゃないとは言えない。 そして、はじめと最後でピョコルンの存在がまるっきり違うものに。はじめは可愛いだけの存在だったのに、性欲処理に使われ、更には子供を代理出産するようになり、ついには人間のリサイクルと判明。 中々ハードでボリュミーだったけど、更に下巻へ⬛︎ 2025/06/01 読了(図書館)
7投稿日: 2025.06.01
powered by ブクログ村田さんの本は、キモさ覚悟で(むしろそれを求めて)読むけれど、予想以上にこちらの本はキモかった。 すぐ隣にあるよその世界の話、あるいは極端な現実の話と表現すればいいのか、描写が絶妙にリアルなのがキモさを際立たせる。 最後の一気に駆け抜ける感じが読む手を止まらなくする。(下)もすぐ読み始める。
4投稿日: 2025.05.31
powered by ブクログ村田沙耶香ワールド全開!! こんな話ありえへんやろって読んでるはずやのに ありえそうに思えてくるの怖い 生々しい描写やからか現実感めっちゃ出てて 読んでて目背けたくなる でも惹き込まれて読んでしまうのは 作者の凄さよなー
4投稿日: 2025.05.31
powered by ブクログ世界を俯瞰して冷静に見れる人なのかと思いきや、「呼応」して媚びてサゲマンになり、「安全」第一に行動してるはずが、相手をますます悪戯な人間にし「安全」とは真逆へと破滅する末恐ろしい空子。感情がないと言いつつ、実はコミュニティをたくさん持ち、幸せになりたい、と「生」に対して誰よりも敏感で執着してるのかというようにも見える。人間は自分次第で周りも変わるということを教えられた。
5投稿日: 2025.05.30
powered by ブクログ相手をトレースし、相手の思う反応をして生きている主人公の話。 この著者の作品を読むのはコンビニ人間以来だが、コンビニ人間の主人公と近いなと思った。ただし今作の主人公は空気を読んでその場に溶け込む能力がずば抜けているので、あらゆるコミュニティ(世界)でうまく生き抜くことができている。 この主人公が生きる社会はとにかく男尊女卑がものすごく、ゴミのような男性しか出てこない。また、目に見えない血統的なものの差別にまみれており、読んでいてかなり胸糞悪い。ただし主人公はそれに対してあまり感情が動いておらず、そのような人達を愚かだと思っているコミュニティ(世界)も描かれているので特にイラつかずに読むことができる。 上巻だけでも成立しそうなくらい面白かったが、下巻はどんな展開になるのだろう。期待して読む。
4投稿日: 2025.05.29
powered by ブクログ村田紗耶香さんの世界、さらに研ぎ澄まされてる!鋭利すぎる!! 発売後あまり間をあけず新刊で読める幸せを噛みしめながら、重いページを次々に捲った。 性格のない、空っぽの主人公・空子。 特に主張がないので、他人に呼応し、トレースし、コミュニティごとに性格を変えて暮らしている。 こういった面って誰しもあると思うけど、「あ~別にどうでもいいのに合わせちゃったな~」とか後で自己嫌悪したりするじゃないですか。 そういう気持ちを煮詰めて煮詰めて1滴で気絶するくらい濃縮したエッセンスにしたっていう感じのエピソードが連なっている…。 まさに小説の神様への供物。磨きぬかれた。 ーーー以下ネタバレーーー 第一章では、空子が10代だからだろう、特に性的搾取の描写・構造が強烈で震えあがった。 「ちゃんと」痴漢されないととりあってもらえない、とか。性行為を迫られると同時に処女性を説かれる、とか。年齢で「賞味期限」を決められる、とか。 全部見聞きしたことのある地獄だ!怖すぎる! 匠くん、ナオト先生、明人、徳岡さんという、世にいる酷い男性のプロトタイプみたいなキャラが次々に登場するのが異様なんだけど、すでにこの世界自体が冒頭から異様なので溶けこんでおり、なぜかとてもリアルに感じられる。 シスターフッド路線に進むこともなく、空子は空っぽなのでそれなりに地獄を眺めながら一人で生きている感じがすごい。 ラストは本当に吐き気を覚えた。邪悪すぎる…。 しかしここで、「ピョコルン」という可愛くてお世話されるべき愛玩動物の運命というものは、「支配される側」からどうやっても抜け出せない、という絶望が示唆される。この絶望はこの作品を通してずっと影を落とし続ける。 だから2章で明人が「ピョコルンになる」=「コストのかかる支配側から、テイカーだが根源的に支配される側へ」という展開に暗い笑いが止まらない。匠くんに唆されて選択している所も含めて。 男女間の分断や支配構造の上には「男→男社会への媚び」がある。これも聞いたことがある地獄。 タイトル「世界99」の意味が分かるシーン、大盛り上がり。大好き。 世界が構築され、一気に奥行きが広がる様子が映像的で美しい。着信音がそれぞれ、①波の音②鳥の声③雨の音、というのも映像的でいい。 小早川さんが登場し、空子の人間らしい一面を感じることもできたし、複数の世界でくるくると生きる空子が子供の頃よりも自由に動いていて、こちらの気分もやや軽快だった。色んな意味で一番動きの大きい章だった気がする。2章、好きだなー。 そんなふうに読者を満足させておきながら、全てを崩壊させる。これもまた美しい。 上巻を「世界99へようこそ、」からの文章で締めくくるセンスよ…。本当に芸術作品だよ。 下巻まで読んだ今、上巻を振り返り考えること。 1章・2章のラストではそれぞれ、世界が引きちぎられるような衝撃で自分自身が傷ついたような気分になった。 まるで現実の若い時代と同じように、クリアな世界の中で信じられない出来事や思いがけない変化に振り回され、すべてを鋭敏に感じる。 ところが下巻の3章・4章は一転して閉塞感に満ち、進んでも同じところを巡るばかり、という雰囲気だった。 人生と一緒なのでは…と思いながら、下巻をひらくと空子は49歳になっている。
9投稿日: 2025.05.29
powered by ブクログ世界②とか私の現実のあの人たちみたいなコミュニティだなー、フリーランスとか自営業の人たちとかね、怪しいセッションとか勧めてきたり、常に前向きでいよう!、みたいなねー。世界①や③もそれぞれ何かわかるよーいるねー。こんな微妙なニュアンスをなぜ上手に文章化できるの!これぞ才能! そこはかとなく漂う不気味な空気に途中で飽きることもなく続きが気になって下巻へ…
10投稿日: 2025.05.28
powered by ブクログ主人公の空子は「呼応」と「トレース」をしながら生きている。 誰でも色んな顔を持っている。 空子はそれにナンバリングしている。 世界①、世界②、世界③…まだまだ続くけどそれらを俯瞰して見ている自分が世界99。 色んな自分がいる…ということまでは理解できる。 『ピョコルン』の存在は初めは慣れなかったけれどそういう世界なのね…と、無理矢理思う。 このピョコルンが重要な存在だとは思いもしなかった。 それにしてもピョコルンの使われ方がおぞましい…。 だけれども続きが気になるので下巻へGO!
24投稿日: 2025.05.27
powered by ブクログラロロリン人、ピョコルン、、 馴染みのないはずの単語が本を読み始めると当たり前のように頭に入ってくる感じ、村田さんにしか出せない世界だと思う。 読んでいくうちに空子が自分に乗り移るような感覚になれるのも、私も普段「キャラ」を使い分けて呼応している証拠なのかなと思った。 早く下も読みたい!!!
2投稿日: 2025.05.27
powered by ブクログ性格のない人間・如月空子。彼女の特技は、“呼応”と“トレース”を駆使し、コミュニティごとにふさわしい人格を作りあげること。「安全」と「楽ちん」たけを指標にキャラクターを使い分け、日々を生き延びてきた。空子の生きる世界には、ピョコルンがいる。ふわふわの白い毛、つぶらな黒い目、甘い鳴き声、どこをとってもかわいい生き物。当初はペットに過ぎない存在だったが、やがて技術が進み、ピョコルンがとある能力を備えたことで、世界は様相を変え始める―。性格のない「からっぽ」の空子の一生と人間社会の終着点を描いた、全世界注目のディストピア大長編!(e-hon)
1投稿日: 2025.05.26
powered by ブクログ強い不快感を持ちながらも上巻読破。 気持ちが弾むようなことは何もない。 ピョコルン裂いたら生首とか手足とか出てきて無理なんだけど。 でも下巻も読む。
14投稿日: 2025.05.25
powered by ブクログ村田沙耶香さん初めてでした。 ドン引きされそうだけど、すごく好みの作家さんだし、この作品もすごく好み。 おもしろかった( ◠‿◠ ) 読み始めて数ページで「朝井リョウさんと似た匂いがする」と思ったら、やっぱりお2人は親友だそうで。笑 朝井リョウさん、湊かなえさん、村田沙耶香さんが好きって言ったら性格ひん曲がってると思われそうだな。笑 人間の黒い部分や生々しい部分、ディストピアをそれぞれの世界観で描き切っているところが魅力的で私はやみつきになる。 誰もが生きる世界に合わせてキャラや顔を変えているのは当たり前だと思う。 だから空子ちゃんにはなんの疑問も持たないけど、今の(現実の)世の中では自分の価値観を大切にしよう!みたいな風潮があるから、空っぽだと感じる人は減ってるのかな。 すごくおもしろい。興味深い。 人間はどんどん便利な道具を生み出していくけど、それゆえに新しく苦しみも生まれるわけで。 ピョコルンが今後どうなっていくのか、それに伴って社会がどう変容していくのか楽しみ。
9投稿日: 2025.05.23
powered by ブクログ凄い話だな。。 村田沙耶香さんの本はコンビニ人間しか読んだことないから分からないんだけど、こういう感じの小説家さんなのですか? フィクションだとしても衝撃的。でも読む手が止まらない。下巻はどういう展開になるんだろう。
18投稿日: 2025.05.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
書かれてしまうと身も蓋もない、ある種の真実が延々と続く。まさに悪夢としか言いようがない。思っても言わない言葉の羅列が続く。村田沙耶香のこれまでの作品と同一路線で読むのが嫌になる。露悪的だ。今は216ページ。 第2章に入ってからは、さらにテンポが増す。エンターテイメントではないのに、割り切ると面白いかも。現代のネット社会、分断社会を徹底的に皮肉る。過去に多くのニヒリズム文学があったが、これは徹底している。容赦がない。 世界99とはなにか。トラウマ理解における解離状態だ。一見安全なようで、根底は絶望だ。生きるためにどうしてもとらなければならない状態。
2投稿日: 2025.05.22
powered by ブクログ架空の話しだと思うがどうもあまりいただけない話しが多いな。例えば母は家族の奴隷だとか、ピョコルンはセックスの道具とか人種差別の話しとか。まあしかし架空の話しだから良しとするとしよう。下巻になったらと期待しよう。
1投稿日: 2025.05.21
powered by ブクログ空子には自分の性格というものがなく、コミュニティに合わせてキャラクタを使い分けて生きてきた。こうして文章にすると、ひどく特別なことのように思えるが、考えてみると誰もが無意識にやっていることのようにも思える。絶対的に可愛い愛玩動物のピョコルンにある能力が備わったり、ラロロリンDNAを持った人が迫害されたり。それに対するそれぞれのコミュニティの反応も様々で、空子はその場その場でそこのリーダーの行動をトレースして呼応する。上巻のラストではそれまでの現実がガラリと崩れるが、その先に何が待っているのか予想もつかない。スカッとした結末は待っていないだろうことは想像できる。
2投稿日: 2025.05.20
powered by ブクログ発売当初は、私には合わなそうだと思い避けていましたが、想像以上に話題になり、地元の新聞でもおすすめの本として紹介されていたので、購入しました。 なんとなく村田さんの作品の世界観は独特で取っ付きづらそうと思っていましたが、性暴力、差別、DVなど、たくさんの社会問題が描かれていて、特に女性なら共感できる部分がたくさんあると感じました。このまま、どう下巻に進んでいくんだろと思っていたら、最後の最後でまさかの展開が… 下巻が気になります。
3投稿日: 2025.05.20
powered by ブクログなんだ、なんだ、この作品っ!!わけがわからないけど、読む手が止まらないっ…普通わけがわからない想像すら難しい作品って、無理だからと読むのを止めてしまうのが今までの私だったけど、わからないのに面白いのって!!さすが村田沙耶香さん!!スゴイ作品です。 主人公は空子、過去がなくて公平な街、クリーンタウンに父母と住んでいる。空子が6歳のときに、ペットとしてピョコルンが家に来た…。ピョコルンはガイコクで働く父が熱心に進めてきた、パンダとイルカとウサギとアルパカの遺伝子が偶発的に混ざり合ってできた生き物…。空子は周りにあわせて自分を作り出す、呼応とトレースを繰り返し年を重ねる。ピョコルンも年月を経て進化していくのだが…。 空子が面白いっ!というか、誰にでも周りに合わせちゃうことあるけど、超ド極端で!!なんだか、スゴイんです。でも、いろんなところで今もある、今後起こり得る問題もはらんでてそれを提起してるような印象も受けました。長いし、賛否両論ありそうですが、私的には下巻も楽しみです。
102投稿日: 2025.05.19
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相手に「呼応」して、自分の性格を作り出す。空子の思考回路と言動がすごく興味深くて面白かった。一歩引いたところから人間観察ができるのはうらやましい。自分含め人間みんな、空子ほどではないがコミュニティや相手によって自分の性格を変えていると思う。
2投稿日: 2025.05.19
powered by ブクログブクログで高評価で溢れている。 でも読むのは覚悟が必要だったようで、何気なく読み始めると、女性蔑視、性犯罪、差別が延々と続き、自分の身を守るため、呼応とトレースを繰り返す主人公の空子。 そんな空子の生き方もしんどい。 自分には合わないと思うけど、図書館で下巻も予約済みなので、またしばらくしてから読み進めることになる予定。 上巻のみだと星2つですが、覚悟を持って下巻に対峙し、自分の感想も変わるのか楽しみだ。
31投稿日: 2025.05.18
powered by ブクログページ数が多く分厚い本でしたが、それを感じさせないくらい大変引き込まれる内容でしたので、スラスラと読めてあっという間に読み終えてしまいました。 村田沙耶香さんの集大成と言っても過言ではない作品であったなと感じました。今作を通して改めて自分は村田さんの文章、作品に大変心惹かれているのだなと認識いたしました。笑 続きが大変気になるので、下巻も早く読みたいです!
11投稿日: 2025.05.17
powered by ブクログ本当にグロくてありえないほど残酷な世界で、これはディストピアだ と思ってるのはきっと世界のどれかの私で、世界99の私は「ああこれは限りなく現実だな、私の生きる世界だ」と思ってしまう。 フィクションでSFチックなのに、空子の世界は確実に私の世界でもあった こわいのに面白い、苦しくなるのに不快なのに止まらない、これは残酷なエンタメだからなのか、私が生きる世界をあまりにも忠実に描いているからなのか 今ここでこの人に、本音かもしれない思いを話してる私は一体世界の何番の人間なんだろう。 私は、大事だと思っている誰かは、そもそもどこの世界のなになんだろう。人間なんだろうか。 共感というよりも心の世界を見つけられてしまった感じ、怖くて、人間不信とかそんな言葉でも片付けられない感覚に陥る展開ばかりでした。 読まないなら読まない方が幸せでいられるかもしれない、でもまだこの世界を覗いていたい気持ちでページをめくる手が止まらなかった。 読むの激遅の私が5日半で読了。 毎日寝る前に読んでは悪夢見て、現実に帰ってくるのが大変すぎた、笑 さあ行くぞ下巻
2投稿日: 2025.05.17
powered by ブクログKさんおすすめ https://www.nikkei.com/article/DGKKZO93488680W5A221C2MY6000/
0投稿日: 2025.05.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
自分の性格がないという主人公。 コミュニティによって自分を使い分けている。 架空の話のようであるが、現実世界でも人はそのコミュニティによって多少は自分のキャラクターの使い分けはあるので共感できる部分もあった。 ピョコルンを性処理道具として使っているのはおぞましいと思ったが、その中から人間が出てきたというのはもっと恐ろしかった! 共感できる人に出会って、この続きがどうなっていくか楽しみ!
2投稿日: 2025.05.16
powered by ブクログ本当に大好きな作品、世界観。 主人公の、他者の感情が理屈としてはわかるけど感情としてはわからないの、すごくよく理解できる。 上巻まで読み終わって、つくりあげられた世界の崩壊まで描かれた。 下巻をすぐ読む。
1投稿日: 2025.05.15
powered by ブクログ一気読み。読んでる間は目を背けたくなる程辛かったけど、現実世界の方がよりグロテスクで気持ち悪いかもなと思った。『女性』として世の中に搾取されたくないとか、何となく共感できるところもあった。 男性はこれを読んでどう感じるのか知りたいと思った。
3投稿日: 2025.05.15
powered by ブクログ度が過ぎてるだけで、この世界の話だった。いや、もしかしたらこの世界を上から見られたら度なんか過ぎていないのかもしれない。言葉を置き換えているだけで、差別もイジメも奴隷も道具もこの世界からなくなることはないし、自分たちの幸せのためにいつだって責任は転嫁して見ないふりをして便利を謳歌して生きているし。あ、こんな風に感想を抱く私は世界何番の私だろうか! 私も世界③くらいは使い分けてるような気もするけど、世界①と②と③はグラデーションなっていると思うし、そこまで器用に演じれてないかな。それに30代後半にもなれば、世界⑨⑨でいる時間が一番長い気がする。世界⑨⑨を分かり合えるパートナーに出逢えたら最強だなぁ。 あ 今呼応した、トレースした、なんて脳内で思うようになっちゃっておもしろいです。 村田沙耶香さん最高です。
34投稿日: 2025.05.15
