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同志少女よ、敵を撃て
同志少女よ、敵を撃て
逢坂冬馬/早川書房
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総合評価

480件)
4.4
245
145
56
3
4
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    独ソ戦争にて、田舎娘が戦争に巻き止まれて狙撃手として、軍人として成長していく。 タイトルにある敵を撃て、はたして敵とは、ということが最後にはっきりする、読み終わってみればタイトルからもうよく出来た小説。 読後感も良く、傑作であることは間違いない。

    0
    投稿日: 2025.11.10
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    イリーナによって生かされたセラフィマ。しかしそれは死と隣り合わせの過酷な戦場を生きるという選択だった。敵を人を殺すということ、戦友の死、人を殺して感じた高揚感、味方の愚行。セラフィマが闘う敵とは何か。 終戦が彼女たちの戦争の終わりではない。銃を持ち血生臭い戦場で身を守るため仲間を守るために敵を撃った事実。たとえ戦争が終わっても記憶からは消えない。戦争は何も生み出さない。亡くなった命は二度と返ってこないし代わりになる命も存在しない。多くの命が犠牲となり多くの悲しみと憎しみ、恐怖を生んだ戦争は二度と起きてはならないと思う。

    1
    投稿日: 2025.11.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ソ連とドイツの戦争を題材とした社会派小説。 故郷を急襲され、恨みを晴らすべく狙撃兵の道を選んだ少女セラフィマがいくつかの戦場を経て、成長していく物語。 総じて思うのは戦争という状況の異常さ、人間の自己正当の愚かさを本書を通して感じた。蹂躙され、セラフィマは「復讐」を糧に生きることを決め、戦士は鬱憤を晴らすために女を犯し、兵士は皆が「何人殺した」と戦果を誇り讃えられる。 どれも戦争が終われば反転する価値観が正当とされている世の中を力強く描いていて熱量を感じる作品だった。 「お前は子どものころ、どんな大人になりたかった?」という言葉が沁みる。

    2
    投稿日: 2025.11.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    第二次世界大戦でのソ連の女性狙撃兵の話。 戦場で実際に兵士として女性が戦っていたのは全く知らなかった。そこにスポットライトが当たっていないのは不思議だとまず感じた。 この小説を読んでその頃の女性の扱いを知ってかなりショックを受けた。 また、セラフィマがいつしか殺した数を誇り戦争兵器と化していく様子は誇らしくもあり悲しくもあった。スターリングラードで同じ狙撃兵を殺された日で「こんな日でも眠れるのだろうか。・・・丸一日寝てからイリーナに優しく起こされたとき、自分がなんだかとても薄情に思えた。」という表現はまさにそうで特に悲しい部分だった。だけど慣れてしまえばそんな異常な日々がそれが日常となり得ることなんだと思った。ソ連で女性が兵士として戦ったことは広く伝わるべきだと思うし、戦争の歴史ついてもっと知りたいと思うきっかけとなった。

    0
    投稿日: 2025.11.06
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    戦闘に参加した、少女の視点から独ソ戦を語るという新鮮な小説。戦争や殺戮がメインで積極的には選ばない小説ではあるものの、視点話者が少女だからこそ、読み切れた。 生々しい、残酷な殺戮を経て、兵士たちが最後に至る境地とは。長い物語の最後にそれを受け取れるから、読後感は意外にも爽やか。 戦時における、アメリカ、ドイツ、ロシアの女性の社会的役割の違いに納得した。そして、戦争を語る視点が男性に偏るという事実にも蒙を啓かれた。

    0
    投稿日: 2025.11.06
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    第二次世界大戦におけるロシアの女性狙撃兵の話。 ナチス側の本は読んだことがあったけど、ロシアがメインの本は初。読み応えがあり、次へ次へと読み進められた。

    2
    投稿日: 2025.11.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    セラフィマが故郷を焼かれ、イリーナに拾われて狙撃兵として訓練を受け、戦場でフリッツと呼ばれるドイツ兵を撃っていく、この一連の体験を読んでいて追体験させられる。読んでいて、自分も英雄的女性狙撃兵の罪を背負っていく感覚があった。 銃を撃つという行為自体の享楽的な魅力は、自分を現実の苦しみから解き放ってくれるが、それは一瞬で、現実はいなくなってはくれない セラフィマやユリアンが求めた狙撃手としての境地など無く(文字通りでもあり、逆に無しかない)、自分や仲間、そして敵、人間の生と死がただあるだけ。 愛と趣味だけがそうした現実の中で、自らと、周りの人達を生かしてくれる

    2
    投稿日: 2025.11.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

     壮絶な全滅戦争である独ソ戦を、史実に基づきながら写実的に描写しているのが印象的。ウラヌス作戦、第六軍、パウルスなど独ソ戦といえば、という名詞が大量に出てくる。レニングラードの市街戦だけでなく、ルーマニア軍との名もない塹壕戦、カリーニングラードの要塞戦など様々な戦況とそれに応じた兵器がリアルに登場し、凄惨な戦場をありありと描いていく。(特に対戦車犬はしんどかった…)  主人公のセラフィマは小さな村で狩猟の名手として知られていたが、ドイツ軍の襲撃により母を含めた村そのものを失うことになり、軍人イリーナに拾われ、彼女の元で似た様な境遇の少女達と訓練を受け、戦場を駆け抜けながら一流の狙撃手となる、というのがざっくりしたストーリー。正直主人公の憎悪の対象であるイリーナがツンデレだったり、ブラックラグーンという作品に出てくるアフガン帰りのソ連軍女性大尉バラライカにそっくりだったり(個人の感想です。)、人間ドラマはややドラマチック過ぎな様に感じた。とはいえ、戦果を上げること、敵のスナイパーを殺めることに快感を覚え始めている自分に気づいた主人公の葛藤など、生々しい心理描写は引き込まれる。とあるウクライナ兵が語っていた「ドローンで敵陣地で隠れている敵、こちらには気づいていない敵を見つけて爆弾を落とす。これはそういうゲームなんだ。それ以上でもそれ以下でもない。」という言葉を思い出した。極限までシステマチックに人を殺める為に感情を殺す、それはある種の自己防衛なのだと感じるけれど、辛いのは戦後日常生活に戻った後で、本書でもその辺りにも触れていた。 「戦争を生き抜いた兵士たちは、自らの精神が強靭になったのではなく、戦場という歪んだ空間に最適化されたのだということに、より平和であるはずの日常へ回帰できない事実に直面することで気づいた。」 (↑この辺りはスヴェトラーナ=アレクシェーヴィチの『亜鉛の少年』が個人的には最も重い本として記憶に残っている。)  また本作は、敵味方関係なく常に戦争という異常事態で犠牲になるのは女性達、というテーゼにスポットが当てられている。ドイツ軍がソ連人女性はたらいた蛮行を、ソ連軍も同様にドイツ人女性にはたらいていた。「女性たちを守ること」に戦う目的を見出した主人公は、ドイツ兵を撃つことだけでは自分の望みは叶えられないというジレンマにもぶつかる。これはイデオロギー戦争の面も持つこの戦争で展開されていたプロパガンダが、如何に矛盾を孕むものであったのかを強烈に映し出していると感じた。  全体を通して、ソ連軍サイドから独ソ戦を眺めるには良書だし、何より戦争の狂気を女性という視点から見ることで、そこには「被害者」しかいないことをあぶり出す本作は戦争の捉え方を問うている作品と言えよう。最後に個人的には、ちゃんとカチューシャの歌が出てきたのがちょっと嬉しかった。。

    2
    投稿日: 2025.10.30
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    歴史の知識があったらもう少し物語の背景が見えてきて面白く読めたと思う。最後の方で、タイトルの意味がわかる瞬間や伏線が回収されるところは良かった。

    2
    投稿日: 2025.10.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    物語への引き込み方が天才的。 胸ぐら掴まれてグイって引っ張られてるみたい。 そのぐらい無理やり物語に引き込んでくる。 正直、外国をテーマにした話は苦手でしかも歴史も苦手。 なのでカタカナの登場人物や時代の背景とかは少し抵抗感あったけど、割と砕いて説明してくれるところもあり、読了できた! 登場人物の心情がすごく、戦時中という設定もあってとにかくインパクトがすごかった。 最後のイリーナとの関係も納得いく終わり方だったし、タイトルの名はその意味が深すぎる。 最後に撃ったのがあの人物というのも、「敵」という概念と自身の信念を深く表現してるとこが最高。 ただ個人的に苦手分野なだけあってやや抵抗感があったのは否めない。 でも面白かった。

    3
    投稿日: 2025.10.27
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    半分から積読中 気分転換に読むもんではない 今は気分じゃないのでオチは知らないでおきます 多分これ映画とかの方がわかりやすい

    2
    投稿日: 2025.10.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    フィクションの歴史小説だが史実に沿った内容が多く、ソ連で従軍した女性兵士の境遇をリアルに考えさせられた。戦時では、普通の村で暮らす少女が戦うか死ぬかを突きつけられる。仕事や生き方を自分で選ぶことのできる今がどんなに恵まれているか、その平和が成立するためにどれほどの犠牲者がいたのか考えさせられる。 高校で世界史を勉強した時は興味を持たなかったが、この本の後に世界史の本を読んだら「スターリングラードの戦い」に目が引かれた。勉強では好きなものと結びつけることが効果的、というのを今更再認識した。

    11
    投稿日: 2025.10.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    第二次世界大戦の独ソ戦を舞台に、故郷と母親を失い、復讐のために女性狙撃兵となったセラフィマの成長物語。モスクワ郊外の農村での牧歌的な生活は一瞬で終わり、セラフィマは仲間と過酷な狙撃訓練を乗り越え、激戦を生き抜く中で戦争の残酷さと人間の変容を体験する。それぞれの背景や状況にも触れ、当時の流れを理解した上で物語に集中できた。信念が違えば誰でも「敵」になり、立場が変われば正反対になる曖昧なものに縋るしかない辛さも伝わった。愛する人と生きがいがあることに幸せを感じる一方で、本当の戦争の終わりについて考え続けたい。

    4
    投稿日: 2025.10.23
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    戦争テーマということで心が締め付けられるような描写はあるが、読み応えがありおもしろいと感じた。 戦争の背景や各局面での政治など地政学を知っていると更に楽しいだろうなと思った。改めて学ぼうという気持ちにさせられた。

    2
    投稿日: 2025.10.22
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    面白かった。戦争の悲惨さだけでなく、戦う意味やその後の生きる意味など、基本的に女性がという主語でのものだが、とても心に響いた。 全世界で読まれてほしいと思った。

    2
    投稿日: 2025.10.22
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    すべての登場人物に生命が宿っていて、本当に美しい小説でした。教習中は少女であったセラフィマたちが、葛藤の中で徐々に兵士になっていく様子に心が痛みました。 そしてソ連とドイツ両軍での視点が描かれることで、戦争の凄惨さと歪さを感じることができたような気がします。 長編だったので少し躊躇いましたが、読んで良かったです。

    18
    投稿日: 2025.10.19
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    面白かった! すごい重いって訳でもなく、比較的軽く読めるのではないかと思う。それでありながら、悔しかったり悲しかったりする部分はちゃんと心に迫ってきて、最後まで飽きる部分なく読めた。 セラフィマの成長と、イリーナの人間性が魅力的だと思う。ちょっと戦争の部分が難しいが、多少理解できなくても大丈夫ではある。多少の基礎知識はあった方が楽に楽しめる、くらいの感じ。(ロシアと仲間の国がどこか、コサックとは何か)少々グロさはあるかも? 長いけど、一気に読める感じがあるので、本好きにはぜひ読んでほしい

    2
    投稿日: 2025.10.19
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    2025/09/24〜2025/10/18 最初は「自分にはちょっと難しいかな」とか思ってたけど読んでいくうちにどんどん惹き込まれてって、6章なんてもうあっという間だった。 解説にもあったことだけど、今まで戦争小説はあっても女性を兵士として主人公にしたものはなかったよねみたいに書いてあって、確かにねと思った。女性兵士が主人公だからこその描かれ方とかもあったんじゃないかなみたいに思った。 600頁近くの長編を読んだのは初めてだったけど、不思議と長いとは感じなかったし、でもって読み終えたときの達成感はひとしきりのものがありました。

    2
    投稿日: 2025.10.18
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    幼少期に親をナチスに殺害された主人公がスナイパーとなり復讐を目指す物語。 緊張感の高い戦地で奮闘する過程で、それぞれが抱えるバックグラウンドが戦いに影響する心理面の葛藤が読んでいて伝わってきた。 個人的にミリタリー映画が好きなので、全体のストーリーとしてはよくある流れだが、本ならではの心理描写が映像で観るよりも印象深く伝わる。

    1
    投稿日: 2025.10.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最初はページ数が多いなと思ったが、内容は引き込まれるもので、戦争犯罪や心の葛藤など考えさせられるものがあった。現在、起きてる戦争についても都合の良い部分しか見ようとしていない自分。この本に書いてある内容が実際に今起きているかもしれないという事実。直視すべき現実を知った。また、愛すべき人を持つ事や趣味などしっかり持って生きていこうと思った。さらに、心の強さや芯の強さ、やり抜く事、強靭な意志がその人の心を支えるものになると認識できたため、読んでよかった。

    1
    投稿日: 2025.10.15
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    図書館で目が合うたびに読んでいる気がする。 訓練された少女たちは、男相手に引けを取らない強さを持つようになる。人間を殺すことに躊躇しなくなっていく少女たちが、リアルで悲しかった。敵も同じ人間だ。戦争という状況下で誰を助け、誰を撃ち殺すのか。考えさせられた。

    9
    投稿日: 2025.10.15
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     本屋大賞をとったときから、読みたかったのですが、分厚いのとロシアの話ということで躊躇していましたが、文庫化されたので買いました。  読み始めるとグイグイ引き込まれました。

    2
    投稿日: 2025.10.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    国家間の話が難しかったので、時代背景はぼんやりしか理解はしていないが、案外サクサク読めた。 『敵を撃て』のタイトルは他の人の感想で、幼馴染のことだと理解した。 同期でアヤが1番に離脱するとはちょっと驚いた。

    1
    投稿日: 2025.10.14
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    タイトルから思想強めな印象を受け、売れてるのは知っていたけど読むことは無いと思っていた。図書館で今日返ってきた本の棚にあるのを見つけ、本屋大賞受賞と知り、それならと思い借りてみた。 暗い。目を細めて読めば異世界転生ストーリーとも思えなくないが、実際の地名や年号や歴史的資料が出てくるとリアリティを感じて気分が沈む。私は本に現実逃避的な楽しみを求めているので、読後にリフレッシュ感が欲しいのだが、このまま読み進めていいの?と考えながら読了。 この本が今売れるのはなぜ?戦争に備えさえようとしている?射撃手なんて身近なものでは無かったけど、子供達がハマっていたスプラやシューティング系のあのゲームも、戦争を受け入れやすくするためのものだったらと思うと怖い。考えすぎかな。 幼馴染と再開し、御伽噺のような結末を予想した。教官が本当はいい人なのだと思って読んだあとがき。白旗を振ったとしても無事ではいられないのがリアルなんだろう。

    2
    投稿日: 2025.10.13
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    正直読み物として読みやすいものとは感じなかったが、 今の世の中では良いとされない男女区別や、 復讐を生き甲斐にスキルを伸ばすといったものが、 戦争の中で生きていくということなのだと感じ取れた。

    10
    投稿日: 2025.10.07
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    自分を見失わず、普通でいることが戦争という残酷な環境の中でどれほど難しいことか。 ソ連とドイツ、敵と味方、倒すべきなのはドイツ人だけなのか、助けるべきなのはロシア人だけなのか、読み進めるうちに線引きが難しくなり、考えさせられる。 同志少女よ、敵を撃て。 このタイトルに全て詰まってる。 イリーナとの関係の変化も訓練学校時代からの仲間もレニングラードで出会った仲間もしっかり深掘りされていて、全部きれいにまとめられている。 ただ、面白いけどどこか物足りないような、でも面白い、みたいな気持ちを繰り返しての読了だったので、なんとなく消化不良感はあるかな。

    23
    投稿日: 2025.10.07
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    なかなか読み終わらず、途中から軍事作戦など難しくて着いていけなくなり、あげく飛ばして読むようになってしまいました。 それでも星4つです。 読み終わったとき、何か心に引っ掛かることがあって、冒頭を読み返したときにそれがありました。 故郷で口ずさんだカチューシャの歌と、幼なじみの彼を見て口ずさんだカチューシャの歌。 当時の戦時流行歌であるカチューシャの歌を口ずさんだあの時、どちらも悲しくて、でも引き金を引けと自分に命じ、そして明鏡止水に入る瞬間だった。 リュドミラ・パヴリチェンコが手に入れろと言ったもの2つを手に入れたフィーマ。 次にフィーマがカチューシャを歌うときは穏やかな笑顔であってほしい。

    3
    投稿日: 2025.10.04
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    1人の少女が親の仇を打つ為に、過酷な戦争を生き抜く様がとてもよく描写されている。 日本人作家特有の堅苦しさがない文体で、海外文庫に引けを取らないスケールがとても印象的だった。

    1
    投稿日: 2025.10.04
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    物語は主人公セラフィマの一人称で描かれる。 本を取る前は兵士として訓練され、戦争へ送り出される可哀想な少女の話かと思っていた。 しかし、実際は自ら銃を手に取り、復讐という炎を植え付けられたセラフィマの姿が数々の闘いにより映し出されていた。 セラフィマが悩み自分の戦う意味をひたすら考えていくところに引き込まれていった。

    1
    投稿日: 2025.10.04
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    以前「戦争は女の顔をしていない」を読んでロシアが女性も兵士にしていたことは知っていましたが この小説は、それを思い出させるなぁと思ったら、最後にこの本も関わってきていました。 銃についてや軍事戦略については、よくわからずとばして読みましたが、戦争は、人の精神をおかしくしてしまうことをしっかりあらわしている小説でした。異常な世界の中で自分を保つことの難しさ。何を選択することが正しいのかがわからなくなります。「戦わず、死にもしない」ということを選択できる強さを持った人でありたいと思いました。 何より、戦争のない世界を作りたい。

    7
    投稿日: 2025.10.02
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    【短評】 「2022年本屋大賞」「第11回アガサ・クリスティー賞」「第9回高校生直木賞」を受賞した逢坂冬馬のデビュー作。読了後、しばし呆然としてしまうような圧倒的な読書体験だった。 舞台は第二次世界大戦の独ソ戦。ドイツ軍に故郷を焼かれた少女・セラフィマは、かつて勇名を馳せた狙撃兵・イリーナに導かれ、自らも狙撃兵となることを選択する。中央女性狙撃兵学校において同じ境遇の仲間達と出会い、辛い訓練を経て、狙撃兵旅団・第三九独立小隊、通称「魔女小隊」に入隊する。これは「一人の少女」の目線で語られる戦争の物語。ウラヌス作戦、スターリングラード攻防戦、ケーニヒスベルクの戦いという激戦を潜り抜けた末に、セラフィマがまみえる「敵」とは何か。 「セラフィマ」と言うミクロな視点を主軸に叙述される戦争。転戦の程に一流の狙撃兵として研磨されていく様が丁寧に描かれており、終始彼女に寄り添って戦争を体験するような読書となった。体力の消耗が激しい。 復讐の正当性。燃え上がるような憎しみ。殺戮が齎す高揚感。狙撃兵が至る「空」の境地。彼女は常に内省し、探求している。私も考えた。やはり体力の消耗が激しい。 復讐心に駆られるままに狙撃兵への道を邁進するなかで、訳も分からぬままに受容していた幾つかの言葉が立ち現れる構成が実に上手い。 曰く「お前たちが泣くことが出来るのは、今日だけだ」 曰く「狙撃兵は動機を階層化しろ」 曰く「丘の上に立ったら、その向こうを見てくれ」 それが何だったのか、すぐには言語化出来ない。だが、今でも心に引っ掛かっている。狙撃兵・セラフィマが最後に撃ち抜いたモノが、私の心を掻き乱し続けている。 「畜生」と叫び出したいような気持ちにさせる。 【気に入った点】 ●戦略的な解説は最低限に留め、終始セラフィマに寄り添った視点としたのが良い。戦争における大義の在処とか大仰で答えのない方向に行かず、唯一人の少女の戦争体験であることが本作の魅力である。「勧善懲悪」や「狙撃道」みたいなシンプルに割り切れる話ではないため、消化に時間が掛かりそうだ。 ●シャルロッタが気に入っている。持ち前の明るさで適度に空気を緩めてくれる。救いが無さ過ぎるのもアレなので、こういうキャラクタがいることも大事だろう。 ●オリガも良いんだよなぁ。感情の発露が殆ど無いだけに色々と思いを馳せるキャラクタである。 【気になった点】 ●戦略面の説明がやや教科書的でリズムを削がれた部分もあった。物語に組み込めば冗長化するし、割愛すると戦場の意味合いが薄れるので難しい塩梅だろう。 昨今の政情により「ソ連」という国を色眼鏡で見てしまう部分は否定しない。読書中間違いなく色々が過る。作者が後書きで触れているように物語を取り巻く状況としては、大変特殊である。 それでもこの本を手に取ったことを後悔はしていない。「面白かったぜ」と拍手喝采する類ではないが、一人の少女の生き様に思いを馳せるずしりと思い読書も趣深いものである。

    7
    投稿日: 2025.10.02
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    平和、人の尊厳を守る大切さ。 心が痛む描写があって、途中で読みたくないとも思ったけど、読んでよかった。戦時の極限の精神は、平和な今の日本で過ごす自分には分からないけど、世界に分断がある今、分かろうとしないといけない、想像しないといけないと思う。

    1
    投稿日: 2025.09.30
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    なんやろう。 面白かったと言うのが正しいのかわからん。 ただ、独ソ戦の詳細を全く覚えていない私でも、最後まで止まることなく読み進めることができた。 アガサクリスティ賞とのことで、ミステリー小説だと思って読んでいたのだけど、どこがミステリーなのかだけはわからんかった。ミステリーなのか? 私は、戦況とかは戦術とかは頭に入ってこずに、ただ人間関係だったり心情だったりに重きを置いて読むので、ミステリーなのかもしらんけど、あんまりそこはわからんかった。 さて、それはそれとして。 この話は戦争で戦う“女性”の話なんだなと感じた。 その視点で書かれるからこそ新たに見える部分もある。 あとは、戦争に悪も善もないのだと改めて感じた。 小説の内容には関係ないけれど。 戦争はダメだというとき、日本国内で語られるのは、負けていた時に一般市民が理不尽に死んでいく残酷さが多いイメージだけど。 日本が戦争中に実際に他国に行ってきた残虐さとかはあまり語られないよなと、この小説を読みながら思った。 戦争に負けても勝っても、一方的な被害者ではなく一方的な加害者でなく。 たしかに戦争を始めましょうと始めるのは一国民ではないけれど、戦争を始める空気を作るのは一国民だし、そこで人を殺すのも殺されるのも一国民で。 だから、戦争は怖い。と思う。 なんとなく、不穏な今の世の中。 どうか、戦争に発展することなく、自分や周りの幸せをただ大切にしたいと思える世の中でありますように。 そんな世の中になるように、動けますように。

    1
    投稿日: 2025.09.29
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    あー想像力が乏しいからいまいちストーリーが頭に入らなかった。この小説は個人的に難しかったです。ただ戦争の悲惨さは伝わった。感想欄見てるとちゃんと理解して読めた人が多くて羨ましい。

    0
    投稿日: 2025.09.28
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    ソ連、ドイツ、双方の目線で「敵」がどのように映っているのか描かれていて、それが物語の厚みに繋がっているように感じた。色々な展開もあり、物語がどう進むのかハラハラして読むことができた。読み進めている最中は、戦場の悲惨さや、何が「敵」なのか(タイトルの意味)を考えることも多く、興味深い一冊だった。

    1
    投稿日: 2025.09.28
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    戦争時代、ロシア側の視点の話をあまり見たことがなかったので新鮮感があった。 戦争という非日常が舞台だからこそ、キャラクター一人一人に感情移入がしやすく、そのキャラクターが大変なことになるとドキドキハラハラする。 本というより漫画にしたら面白そうだなと思った1冊。

    1
    投稿日: 2025.09.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    戦争小説は初めて読んだけど私には難しい所が多かった。 戦争で戦うのは男だけとおもっていたが、女も戦かっていたのだなって驚いた。 主人公やその仲間達の関係がよく書かれていて皆好きになる。 ただいきなり同性愛者みたいな感じになってあれ?って思ったけど海外では普通なのかな… 犬が好きなら読むのキツいかもしれません…

    6
    投稿日: 2025.09.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    まずはソ連に女性狙撃兵がいたことも知らなかったので…。冷帯地域だから人口が少なく、女性も戦争に行き活躍していたことに驚きました。 同志少女よ、敵を撃て 敵とは?ドイツ人だけが敵なのか、なんのために戦うのか、何故殺し合いになるのか…。今まで読んできた戦争小説とは違い、女性が、主人公なので女性だから思うことがリアルに描かれていました。

    0
    投稿日: 2025.09.23
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    「お前たちが泣くことができるのは、今日だけだ」 上官からの言葉。 初めての戦闘だからこそ。 次からはそんな甘えは許されない。 そういう意味だと思って疑わなかったが、現実は違った。 その日を最後に皆泣けなくなるのだ。 戦う者たちは、あまりにも多くの死を見すぎる。 ソ連とドイツとの過酷すぎる戦争のさなか狙撃兵として生きた少女たちの物語は、目を背けたくなるような、あまりにも悲しみに満ちたものだった。 目の前で母と村人を殺され、復讐することだけを生きる糧としてきた少女セラフィマ。 数年の間に優秀な女性狙撃兵としておよそ100名の敵を殺してきたその少女が、最後の最後に「敵」として何を見たのか。 何のために自分は戦ってきたのか。 その答えに人としての強さと弱さを見た気がした。 命の重みを知ること以外に、戦争によってもたらされるものはあるのか。 泣くことも笑うこともできなくなる戦いに、どんな意味も存在しない。 過大に称賛される戦績も、インタビュー記事も、そんなものは財産でも何でもない。 彼女たちが生きて、その目で見てきたものだけが真実であり、未来を生きる意味なのだと思う。

    16
    投稿日: 2025.09.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    まだ途中だけど、 自分は頭も悪くて歴史のことにも詳しくはない人間なので、専門用語が出てくるたびにこれなんだっけ?ってなりながら読んでました。フィクションであるし、造語なのか実際に当時使われてたのかな?とか考えつつ。初めて出た用語には説明が綴られているのですが、読む期間が空いたり、シンプル自分が記憶力が無いのもありで、章の初めや終わりの戦況の変化が書かれているところは頑張って解釈して読みました。 プロローグ 主人公セラフィマが自身の村で暮らしているところにドイツからの襲撃を受け、母親や親しい村人たちを目の前で殺される。絶望の淵に立っていたところ、助けてもらったソ連の凄腕女性狙撃兵イリーナに家族を侮辱され、それらに復讐を誓い、イリーナの元で狙撃兵としての訓練を受けながら、彼女と敵国兵の首(頭)を狙う。 途中(第4章完まで)で感想を書こうと思ったのは、初めて小説を読んで涙を流したからだ。 序盤の訓練期の話からの頭ひとつ抜けた同期アヤの死も心を抉るものがあったが、スターリングラード防衛戦にて、自分のせいで家族を失ったと思ってる元大学生の狙撃兵ユリアンの死と、家族を守れなかったマクシム隊長の、自宅と亡骸のユリアンと一緒に敵兵との戦死を決断したところ。感涙した。 大学生時代の意中の女の子の為に狙撃兵としての最善ではなく、自分としての最善を貫き、殺されそうな彼女を守ろうと動いたユリアン。むりだよ、泣かないのは。マクシム隊長もカッコよすぎだろ。息子のように思ってたユリアンも亡くなり、彼にとってはもうこの場所以外生きる意味がないからわかるけどさ。でも部下から慕われるような隊長であるからこそ、悲しかった。 シャルロッタは死なないでほしいな。 ママは空気がちだけど、どうなんだろうね。 追記 読み終わった。はーーーーーー面白かった

    0
    投稿日: 2025.09.22
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    長かったー。正直、詳しい時代背景や作戦内容の描写は斜め読みしてました…。全体的には時代の勉強になったし、面白かった。 戦争ものは苦手だけど、これはまだ読みやすい方かな?

    0
    投稿日: 2025.09.22
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    リアルで重厚で、光景が自然と浮かんでくる丁寧な作品だった。セラフィマと一緒に、あるいは彼女を通して大祖国戦争を生き抜いた感覚が残った。生存者各位がそれぞれ最後の未来へと生きていったの結構良かった

    1
    投稿日: 2025.09.21
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    2022の本屋大賞の本 一回図書館で単行本借りてチャレンジしたけど内容が重めなのと分厚すぎて家でなかなか読み進められず早々に断念した。 今回は購入したので着々と読めた。 でも長いから久しぶりにこんなに読み切るのに時間かかった!2週間以上もかかった、、 名前が外国語だとほんとに覚えにくいのと戦争の用語?や作者の選ぶ言葉が難しいものが多くて調べながら読むのが余計に時間かかった。 ただ色々勉強にもなった。 戦争の話なので、そもそもが重いテーマでまず自分では進んでは読もうとしない本の種類で読んでいてこれほんとに良かったって最後思えるかなーと思いながら読んでた。 分厚い本って読むのはほんとに時間かかるけど、やっぱりその分描かれる人間関係の深さや厚みがより感じられてすごく読み応えがある。 自転しながら公転するを読んだ時にも思ったけど、物語が長いと人物の心理描写などがより細かく繊細に描かれるからなのか、共感しやすくその世界に入り込みやすくなるので読み終わった時にもう終わってしまったんだ、、というような喪失感みたいなものすら感じるほど登場人物を身近に感じられるようになる。 本の紹介動画でどう紹介されていたか忘れていたけど、終盤でイリーナがあたたかい母親のような人物になっていったところで 最後はイリーナが好きになる、というような紹介の言葉があったことをふと思い出した。 最初は冷酷で人情味のない人だと思っていたけど、本当はあたたかい心を持つ優しい指導者だったのだとわかったとき何とも言い難い心がじわっとあたたかくなるような気持ちになった、、 仲間が死んでしまったり、逆に敵を殺したり、、どちらの立場のときの心情も細やかに表現されていて戦争を体験したことはないけどこんな嘘みたいな世界の話が本当に現実に起こっていて皆生き延びるために必死に無我夢中になる人や生きることを諦めて逃げる人などの様々な考えや感情がひしひしと伝わってきて心が苦しくなった。 本を読んだからと言って理解できるとも言えないけれど、今まで戦争の最中のことを考えたことがなかったので戦争により感情が麻痺していく少女セラフィマの変わりようを見ていくと悲しくなった。

    6
    投稿日: 2025.09.20
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    あっという間に読み終わった。 あとがきで作者も語っているように、これは過去の話ではなく、現代にも訴えかけられる作品である。ロシアによるウクライナ侵攻。ニュースで毎日毎日取り上げられていたあの時期に、私は本書を手に取ることはできなかった。でも、勇気を出して読んで本当によかった。 「戦争」は誰が悪いとか何が正しいとか全く見えない中で、同じ人間同士で傷つけ合わなければならない。本当はみんな戦いたくないのかもしれない。銃なんか持ちたくないのかもしれない。しかし、そんな気持ちは一瞬の怒りで掻き消されてしまう。オリゴが拷問部屋でドイツ人捕虜とした会話。ほんの数秒の会話。ほんの数行の会話。本当はあの会話こそ国を超えて、男女関係なく、みんなでしなければならなかったものだと強く感じた。 丘を降りた後には何があるのか。私が彼女たちの返答を待ち、その景色を空白にしていた中に何も足されることがなかった瞬間は言いようもなく悲しくなった。

    6
    投稿日: 2025.09.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ドイツが「敵」のストーリーなのかと思いながら読み進めたら、多くの「敵」が錯綜しており、自分なりに考えて読み進める感じが面白かったです。 戦争を生きる中で、男の献上の意図も汲み取れるし、最後どういう気持ちでそれを受け取ったのかセラフィマ目線のみなのでしかわからないけど、戦争は女の顔をしていないし、人の顔もしていないと信じたいです。

    1
    投稿日: 2025.09.19
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    第二次世界大戦中の、ソ連軍の狙撃兵セラフィマを主人公にした物語。戦争の姿に疑問を抱きながら、敵も味方もなく、女性を守るために戦うという信念を持ち続けるセラフィマ。狙撃スコアを上げるほどに、信念が揺さぶられる。そんなときに、しっかりと彼女を支えるのが師や戦友たちだった。 本書を読んで、ひとつの問いが心に残った。戦争はそれぞれの国の正義のために始まるものだけど、その”正義”とは、いったい誰にとっての何なのか?  女性兵士の目線から語られる戦争では、人はその人らしさを失ってしまう。容易に信念がより曲がってしまう。正義と悪、敵と味方、そんなふうに二極化できるものではなかった。 わたしの問題として、歴史の知識が乏しく、、、読み進めるのが大変だったけど、何度も読み返したくなる作品でした。 >> 被害者と加害者。味方と敵。自分とフリッツ。ソ連とドイツ。 それらは全て同じだと、セラフィマは疑うこともなく信じていた。 だが、もしもこれらが揺らぎうるならば。 もしもソ連兵士として戦うことと、女性を救うことが一致しないときが来たのなら。 ソ連軍兵士として戦い、女性を救うことを目標としている自分は、そのときどう行動すればよいのだろう。 (p.390 第四章 ヴォルガの向こうに我らの土地なし) >> どのような時代も、いかなる民族、国籍、人種も、その全体を憎悪してはならず、戦争行為と悪行の責任が、それら全体に還元され、懲罰の対象と捉えられることがあってはならず、同様に、いかなるアイデンティティも、共感の対象から排除されることがあってはなりません。それは虐殺を防ぐ論理ではなく、新たなる虐殺を誘発する論理であるからです。 (p.592 文庫化によせて 逢坂冬馬)

    4
    投稿日: 2025.09.16
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    第二次世界大戦時に自分の村を焼かれた少女セラフィマが復讐のため狙撃兵になるという物語。 まだ10代の少女たちが戦いを通して心を変えざるを得ないということが悲しく、心に残る作品だった。 少女たちが狙撃をするときの情景や心情の描写が繊細で、自分もその場にいるような感覚になる。 そして最後、セラフィマにとって本当の敵は誰であるのか? タイトルの回収に鳥肌が立った。

    2
    投稿日: 2025.09.15
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    ゴリゴリの戦争や戦闘の描写、作戦の解説や専門用語など、戦争小説に慣れていない私には少し難しい表現が多かったが、なんとか追いついて読めた。 この作品のすごいところは戦争を通して、主人公の変わりゆく様が綺麗事は無しに描かれていたところだと思う。 戦争は人を変えてしまい、人を殺すことや犯すことに喜びさえ感じるようにさせてしまう。殺す側、殺される側一人一人に人生のドラマがあるけれど、「犠牲者〇〇万人」の中の単位1にされてしまう虚しさ。 そんな異常な環境にあって、自分の芯を失わないことの難しさと大切さなど、戦争だけでなく人間ドラマとして読み応えがある一冊だった。

    3
    投稿日: 2025.09.15
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    ページ数が多く読破するまでに多少時間がかかったが、読了感が大きく、非常に良い作品であった。 物語は女性に視点を当てた第二次世界大戦中の状況を描く戦争小説である。明確な描写や表現によりその状況を想像することが出来、臨場感を味わえる。まるでこの状況がいまこの瞬間に起こっているかのように。

    0
    投稿日: 2025.09.15
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    独ソ戦や戦術の知識がないので、細部を理解しながら読むのは難しく、時間もかかった。 だけど、読めてよかった。 人生の大半を平和ぼけして生きてきて、戦争のリアルについて自ら学ぶ意欲はほぼなかった。各国が自国ファーストを掲げて、世界がきな臭くなっている現代だからこそ、この物語を知るべきだったと思える。本屋さん大賞に感謝です。 普通の少女が狙撃兵として戦場で生きていかなくてはいけなかった運命に、歴史の教科書にはない戦う人の心を見た。教科書の行間には、人間一人ひとりの、無数の物語がある。 同志少女は、仇を討つために、敵を撃つ。だけど、それはまた誰かの新たな仇をつくる。終わらない戦い。 兵隊は常に生と死のわずかな隙間のなかで戦う。 あぁ、なんて無惨なんだ。 世界で起こる偉い人のための戦争は、どうしたら終えられるのだろう。1日でも早く世界に平和が訪れることを心から願う。

    8
    投稿日: 2025.09.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    主人公セラフィマが女性であり、そして狙撃兵という立場だからこそ、他の戦争小説とは異なる部分にフォーカスが当たっていた。作品を通しての問いかけが非常に重い。 穏やかな日常が一瞬で業火に消え、クライマックスで見えるであろう敵軍の凄腕狙撃兵、そして師でありいずれ殺すと誓ったイリーナとの出会いまでが息つく間もなく展開し、読者にも因縁が叩き込まれる。 読むのを躊躇するような苛烈な戦場のシーンが続いても、この因縁がどう帰着するのかという興味が、ページを捲るモチベーションになった。 フィアンマが聡明で人の機微をよく見ている子なので、周囲の登場人物達の解像度が上がり、別れが一層辛くなるのもきつかった。 フィアンマの消しきれない青臭さとオリガの徹底した汚れ役へのなりきりが真逆で印象深い。 最終章では、今までの経験全てをかけて敵討ちに挑む熱さと、「女性を守る」ために直面する現実の冷たさが怒涛の勢いで押し寄せてきて情緒がえらいことに。 復讐や女性同士の強い結びつきが物語では目を引くが、敵味方関係なく、戦時の女性への性犯罪に言及している点に意義深さを感じた。

    2
    投稿日: 2025.09.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    戦争を物語として描き その物語を読んで 戦争の終わりを想像する すでに終わった過去の戦争だからこそ 終わることは知っているし 終わったことはわかっている では 今起きている戦争を 終わらせるには どうすれば良いのか どうすれば終わらせられるのか 一人一人の兵士が終わった時代に思いを馳せる その当時ももちろんなんだけど 今の人たちも終わった後に思いを馳せているのだろうけど

    0
    投稿日: 2025.09.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読み終わってまず作者さんに書いてくれてありがとうという気持ち。 あとがきにもあるように新人の作家が胸の張り裂けるような思いで重版の知らせを聞くのはなんて残酷で運命的なのだろう。 ただ、(作者としては意図せず重ねられてしまったであろう)本としての社会的意義とかは置いておいて純粋に一冊の本として読めて良かったと思った。 読み終わってみて改めて考えるとタイトルもあらすじも蔓延る男尊女卑への抵抗とも取れるけど、読んでいる最中はそのことを忘れて普通の戦争小説と同じ気持ちで読んでいた。 それはやはり高橋源一郎さんも言ってたように、ある意味これまでの「男性主役の戦争小説」が女性主人公で語られていたからだろう。 終盤まで女性だから、男性だから、ということではなく、いかに自分の意志を戦場というイレギュラーで貫くかというところにフォーカスすることで、戦後、それが彼女らはあの戦争の最中でもその次元で戦わなければならなかったのだということへの痛烈な批判としてうまく作用していると感じた。 私は普段から男尊女卑とかそう言った主張と意図的に距離をとっている(それは容易に人格否定に走る時があるから)なので、この話も最初からそういった視点で読んでいなかったが、最後の「戦争は女の顔をしていない」という(この本の存在は知っていたが)一文で彼女らの生きている世界を思い出しハッとさせられた。 でもやはりこの本のテーマはあくまでどんな境遇でも自分の意志を貫く人々の物語だと思う。 セラフィマにとってそれが女を守ることだったから、そこが主点になっただけで。 こういう争う系の話って大体主人公が当事者となって巻き込まれることで、自分の信じていたこととかが揺らいで悩んで自分の道を見つけていくという話が多い印象あるけど、これは最初から最後まで登場人物たちが揺らがないものを持っているのも新鮮だった。

    1
    投稿日: 2025.09.12
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    2025.09.08 第二次世界大戦 独ソ戦 女性狙撃兵 復讐 戦友 守りたい相手は誰か 撃つべき敵は誰か 王道だけど新しい感じ、よく知らない独ソ戦だからか?前半は第六章までの伏線。最後のタイトルと同じ一文がでるところは何とも言えないカタルシスが。 エピローグ、「2つとも」見つけられるというエンドでよかった。 浅い平和教育や報道なんかよりも、よっぽど戦争の悲惨さを伝えられる作品。

    1
    投稿日: 2025.09.08
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    本屋大賞を取ってからずっと読みたかったやつ。文庫化されたのでやっと買って読めた! 戦争という状況において、親を殺され村を焼かれ復讐に生きるため狙撃兵になった少女セラフィマ。出会った人たち、別れた人たち、死んでしまった人たち。 戦争作品はたくさんあるけど、女性が兵士として前線に出ているものはたしかにあまりない。男がたくさん殺せば英雄になり、女がたくさん殺せば魔女と恐れられる。この差は何なのか。 戦争という状況でさえあらわれるこの差は何なんだろう。戦争という状況だからこそなのか。敵兵と恋仲になったり、敵兵に襲われたり。そのことを兵士たちは全く変に思っておらず、女を襲っていたから射殺された上司を殺したやつに対してナチュラルに怒ることができる。 どこまでも悲しい 戦争は本当に悲しい 絶対にしたくない オリガがつらかった 最後にセラフィマを助けてくれた時に「シャルロッテとかじゃなくてごめんね」って言ったところがめっちゃ悲しい シャルロッテ、ママ、オリガ、そしてイリーナ。精鋭部隊の女性狙撃兵たちは、それぞれに自分が守るべきものを胸にずっと前線で戦った。 「同志少女よ、敵を撃て」タイトルの言葉。 第二次世界大戦、独ソ戦争において女性狙撃兵となって復讐を果たす1人の少女の話。それだけ聞くと、タイトルの「敵」はドイツ兵だと勝手に思っていた。 でも作品中で、主人公セラフィマは、味方であるソ連兵を撃つ時にこの言葉を心の中でつぶやく。 「同志少女よ、敵を撃て。」 「私は、私が信じる人道の上に立つ。」 「敵」とは誰なのか、何なのか。人を殺せ、と国に命令されていた時代で、世界で、本当に大切にするべきものは何なのか。 490ページ、フリッツへの拷問のシーン。サッカー選手になりたかった、外交官になりたかった、モデルになりたかった。みんなそれぞれ当たり前に持っていた将来の夢。子供達の、あったはずの未来。戦争によって奪われた希望や未来。大人の事情で奪われた明るい未来を思うと、戦争は本当に必要ないことだと思う。 作者のあとがきに、「この作品を書かなければのかった、と何度も本気で思った」と書いていた。2021年11月に単行本としてこの本が発売され、2022年2月にロシアはウクライナに全面侵攻を開始した。日々戦争に関するニュースを見聞きして1人で泣き、泣きながら重版の知らせを毎月のように聞いていた記憶がある、と。筆者の気持ちを想像すると私も涙が止まらなかった。 この作品を書くにあたっての筆者の想いや、参考文献の量。私なんかとは比べ物にならないくらいの莫大な時間、戦争に向き合った作者だからこそ、現実で起こっている戦争のニュースを聞くのは本当に辛かっただろうと思う。たくさん辛い思いをしたからもう戦争は起こらない、と作品中の少女たちは確信していたはずなのに、どうして人間は争いをやめられないんだろう。 今、この本を読んでいる瞬間、地球のどこかではセラフィマのように親を殺され、村を焼かれ、帰る場所がなくなり、復讐を胸に生きるしかない子供が生みだされているかもしれないと言う現実に、どうしようもない絶望を感じる。 でも私はもう何もできない子供じゃなくて、投票権もあるし社会的立場もあるし、今を生きる子供達に考えを伝える環境を持っている。自分が信じる人道の上に立って、自分にできることをしていきたい。 p371 ユリアンて不思議ですね。銃を手に取っているときは戦歴の兵士に見えるのに、ああしているとまるで普通の、可愛い少年だから… セラフィマに言われたとき、胸を抉られるような衝撃を受けた。その言葉が、彼女らを見て感じた印象とまったく同じだったから。 マクシム隊長のこの衝撃が苦しい。ユリアンだってセラフィマだって、普通の少年少女だから当たり前だ。銃を持った時の方がおかしな状況なんだ。普通の少年や少女たちを、まるで別人の戦士のように仕上げる何か。それが戦争。 p396 スターリングラードにおけるソ連軍の勝利 この一語を得るために失った人命は、ソ連軍が110万人、市民20万人。 p550 ターニャ、あなたは敵味方の区別なく治療するの? ああ。というよりも、治療をするための技術と治療をするという意志があたしにはあり、その前には人類がいる。敵も味方もありはしない。たとえヒトラーであっても治療するさ。 p581 セラフィマが戦争から学び取ったことは、八百メートル向こうの敵を撃つ技術でも、戦場であらわになる究極の心理でも、拷問の耐え方でも、敵との駆け引きでもない。 命の意味だった。 失った命は元に戻ることはなく、代わりになる命もまた存在しない。 学んだことがあるならば、ただこの率直な事実、それだけを学んだ。

    2
    投稿日: 2025.09.08
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    圧巻だった。長いのにずっと続きが気になって1週間で読み終わった。 セラフィマは架空の人物だけれど、戦争の内容はほぼほぼ事実に沿って書かれてあって、映像ではなく文章なのに、思わず目を背けたくなるようなことがたくさんあり、胸が苦しかった。 本当に戦争は悍ましいものなんだなと改めて感じた。 学校の授業でただ戦争の悲惨さについて教えるのではなく、この本を読んでもらうほうが悲惨さや恐ろしさが伝わると思う。 ウクライナとロシアの戦争が終わりますように。 薄ぺっらい言葉だけど、世界が平和になりますように。

    3
    投稿日: 2025.09.07
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    同志少女よ、敵を撃て タイトルの意味がわかった瞬間、ここまで読み進めて良かったと思えた。 心にずっしりと残る良い作品だった。

    1
    投稿日: 2025.09.07
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     第二次世界大戦で母を殺されたロシアの田舎娘セラフィマは、復讐のために狙撃兵となり、戦禍に加わっていく。  セラフィマは、戦いで仲間を失い、自らも多くの敵兵を殺していく。戦場という過酷な環境が、ロシア、ドイツ両軍の兵士を悪魔の様に変えていく中、彼女が最後に狙った“敵”とは何だったのか? …「お前かーぃ!」  

    1
    投稿日: 2025.09.06
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    よくぞここまでの内容を書けたなな と思うほど主人公の心の逡巡と戦場のリアルさが描かれていました。主人公のセラフィマの成長とともに彼女を取り巻く人達の心の中など、沢山の内容が凝縮されており読み応え十分でした。日本人がここまで書けるのかと驚きましたが参考文献の多さにも驚きました。ロシアとウクライナの戦争が早く終結する事祈りたいと思います。

    10
    投稿日: 2025.09.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    分量が多いわりには読みやすかった。 第5章までは、伏線はあるものの、戦争小説として面白いなとだけ思っていた。第6章でこの物語が真に書きたかった部分が現れる。主人公は女を守ることを戦争で戦う目的としていたが、女の敵は単純に敵国ではない。想像もしなかったような身近な存在も敵になり得る。最後の戦闘でドイツ降伏後、ドイツ人女性を暴行する幼なじみを主人公が自分の手で射殺する描写がなかったとしたら、単にエンタメ性の高い戦争小説という印象しか残らなかったと思う。 宣伝では特に言及していないようだが、この本はフェミニズム文学である。しばしば見落とされがちな戦争時における女性の視点を書いた本がベストセラーになっていることを嬉しく思う。 ずっと読みたかった「戦争は女の顔をしていない」に強く影響を受けたとのことで、そちらも早く読みたい。

    3
    投稿日: 2025.09.01
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    よかった。戦争小説でありながら少女の葛藤と成長と友情が描かれていて、さながらジュブナイル小説のよう。 前半の射撃学校での青春と、スターリングラードでの手に汗握る戦闘シーン。後半のかつての知識が生きる伏線回収のシーン。不謹慎かもしれないけど純粋にエンタメ小説として素晴らしいと思った。

    2
    投稿日: 2025.08.30
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    主人公の少女セラフィマが本当に撃ちたかったものは何であったのか、敵とは何だったのか? それを読後も考えさせられる作品であるし、読者それぞれの答えがある作品だとも思った。 自分の立場が、女性か男性で受け取り方や見方は変わるだろうし、年代によっても変わるだろう。 中年男性の私は、解った気になっていたと思う。 いわゆる婦女暴行的な事についての女性の思いというものを。大半の男性は、正直言ってそうだと思う。 たくさんの他の作品でもその時の女性の心情などなど教えてくれるとも思うが、有史以来男性はこの悪事をまだ克服出来ていない。 今一度男性は男性としての矜持を持つべきだ、と教えてくれる本屋大賞受賞作でした。

    2
    投稿日: 2025.08.30
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    内容は超王道で、展開も読める。 ただ、物語がソ連対ドイツの戦争を背景にしているので、王道ながらも新鮮で読み応えがあり、すごく面白かった(詳しくなかったので、さらに!)。 誰も悪くない、という個人的に大好物な展開と、戦時中の人々の複雑な意識のあり方を考えさせられる内容を、うまく組み合わせていてすごいと思う。 デビュー作?天才ですね。新しい作品も読みたい。

    5
    投稿日: 2025.08.29
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    戦争小説であり、ただ面白い面白くなかったで評価することは難しいと感じた。作中の最後でも触れられる、『戦争は女の顔をしていない』を読みたい。

    1
    投稿日: 2025.08.25
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    プロローグ 小さな村のささやかな活気、そして善良で仲の良い村人たち。 それが尊ければ尊いほど後に起こるであろうおぞましい出来事を想像して読むのをやめたくなってしまう…。 母を殺され故郷の村を焼かれた18歳のセラフィマは赤軍の狙撃兵となるべくイリーナが教官長を務める女性狙撃兵訓練学校にはいる。 悲しみのなかにいた彼女を動かしたのはドイツ兵への、母の敵のイェーガーへの、そして母の亡骸を侮辱したイリーナへの〝怒り〟だった。 同じ境遇の仲間を得てイリーナの厳しい訓練に耐え卒業した彼女たちは戦地へと送られる。 戦時下の異様な空気の中 自分の信念を貫くことの難しさと戦争の残酷さもさることながら狙撃手のもつ研ぎ澄まされた無心の境地の静けさが戦地にあって印象的だった。 この話の素晴らしさは彼女たちの戦後を書いていることにあると思う。彼女たちの戦後は決して華やかなものではなかった。 イリーナは第二章でこう語っている。 「私の知る、誰かが…自分が何を経験したのか、自分は、なぜ戦ったのか、自分は、一体何を見て何を聞き、何を思い、何をしたのか…それを、ソ連人民の鼓舞のためではなく、自らの弁護のためでもなく、ただ伝えるためだけに話すことができれば…私の戦争は終わります」 きっとこの役割をセラフィマが担うのだろう。 ずっと読もうか読むまいか迷っていた本だったけれど 読めてよかったと思う。

    13
    投稿日: 2025.08.24
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    第二次世界大戦下、実在した女性狙撃兵部隊をモデルに描かれた物語。主人公セラフィマは家族を失い、復讐と信念を胸に戦場へと向かう。戦争の描写は生々しく、倫理観さえ揺らぐ異常な世界に胸が苦しくなる場面も。女性兵士としての立場や葛藤が丁寧に描かれ、読み進めるのが辛くなるほどの臨場感があった。 それでも、セラフィマの強さと逞しさには心を打たれた。どんな状況でも信念を貫く姿は、今を生きる私たちにも勇気をくれる。少し長めで中だるみも感じたけれど、ロシア・ウクライナ情勢が続く今だからこそ、一度は読んでおきたい作品。 戦うのは敵じゃない。自分の心の弱さだ。

    2
    投稿日: 2025.08.23
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    寝不足になるほどの良書。 兵士の苦悩や戦争の壮絶さが描かれる一方で、時にシューティングゲームかのような心理の揺れも興味深い。 戦争小説でありながら少女たちの成長物語でもあり、グロ描写も淡々としていて重すぎない。 ソ連の話だが、兵士の心境は今も昔も国を問わず同じだと思わされた。 この本が好きなら『ベルリンは晴れているか』もおすすめ。

    2
    投稿日: 2025.08.22
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    忘れられない本になりそう。今はロシアがウクライナに侵攻しているが、第二次世界大戦のロシアはまさに今のウクライナと同じ状況だった。侵攻された国がどんな景色を見るのか。一人の女狙撃兵の物語を読みながら戦場を回ってきた感覚。恐ろしく辛い思いをしたからこそ、復讐心や大事なものを守るために相手にも同じことをしてしまう。正義とは、敵とは、なんなんだろう。単純なの結論に収まらず深く深く考えさせられる。社会主義国の中から見た自由主義、資本主義というのも興味深かった。

    14
    投稿日: 2025.08.21
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    面白いらしい、あと何かの賞を取ってたらしいので購入 分厚いのと主人公の名前がカタカナなので覚えるの面倒でちょっと放置してた 早く読めば良かったとすごい後悔するほど面白い 文章は読みやすく情景が頭に入ってくるし、戦闘はドキドキする 世界史をまともに学んでこなかったのがもったいないと感じた (多分史実をもとにしてるよね?) 主人公の戦争への、人殺しへの向き合い方はよく考えさせられる また読み直したい一冊

    1
    投稿日: 2025.08.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    久しぶりに読んでて止まらなかった小説。 ジャンル的には、戦争小説になるのだろう。ただ、別に戦争のことが詳しくなくても、丁寧な状況解説があるので、とっつきやすい。 最初は、あまり慣れないロシア人名が出てきて、混乱したが、読み進めて慣れていくと、そこからはノンストップだ。 まず、シンプルにエンタメ小説として高レベル。 個性豊かなキャラ、それらが互いに絆を作り、そこからドラマが生まれ、それがより緊迫感を戦闘シーンでもたらす。 特に、狙撃部隊の少女たちのキャラ付けは、バランスがすばらしい。エンタメに相応しいわかりやすいキャラでありつつ、戦争に巻き込まれた少女の悲哀による重さもしっかりとある。 周りのサブキャラも素晴らしい。 戦闘描写もピカイチで、地味になりがちな狙撃戦を、こうもうまく描写するとは。 そして、「ただおもしろい」だけではなく、しっかりと「考えさせる」内容になっている。 ウクライナで戦争が起きており、まさにこの小説の舞台となったロシアの大地で戦争が行われ、そして終戦記念日を迎えようとしている夏のお盆前に読めて、非常に良かった。 「戦争はいけない」という陳腐なメッセージを、いかに心に染みさせるか。それがこういう戦争小説において大事な技量になると思っているが、この作品は完璧だった。

    2
    投稿日: 2025.08.21
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    長編だが、すぐに読み終わった。悲惨なソ連とドイツの戦争が生々しく描写されている。命について、生きる意味について考えさせられる

    1
    投稿日: 2025.08.20
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    少女の狙撃手を主人公とした今までにないストーリー。戦争小説なのでやや重い感じもするが、次へ次へと読みたくなく展開である。

    2
    投稿日: 2025.08.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    分厚く、読み始めるまで中々気が進まなかったが、読んでしまえばあっという間。 独ソ戦の中のスナイパーの話。 敵を打つ前の"無の境地"各国の思惑、同志が敵に撃たれてしまう描写。 中々にリアルでどんどん読みすすめた。地元の人々の命を奪った敵に敵を討つ。幼なじみの性格が、戦争を経験したことで変わってしまった中での再会。ドン引きする感情。 初めて読んだような内容だった。新鮮で面白かった。

    10
    投稿日: 2025.08.17
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    戦争とは何か 本当の敵は、ドイツ、仇、女の敵 戦争の残酷さを知った 人間の愚かさを知った 自分を大切にしてくれる人を大切にすべき 多くを望まず、何気ない毎日を大切に

    3
    投稿日: 2025.08.16
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    正直分厚さに圧倒されて買ってから読むまで時間が経ってしまいましたが、友人に勧められたのを機に読んでみました。 戦争やロシアについての知識は特別なかったけれどかなり読みやすかったです。他の方も仰られていましたが、信念をもっているキャラクターが多くその信念にそって行動しているのが印象的でした。 個人的には予想できなかったような展開もあってハラハラしながら読みました。死についての描写はやはり戦争が題材なので多く、死の瞬間何を考えていたのかとよく考えさせられました。 ただ、とても辛い内容ではあったので再読やおすすめはしづらいという意味で星4です。まだ読んでない方は、人生で一度は読んでみたら良いのではないかと思います。

    3
    投稿日: 2025.08.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    いつかは読みたいと思っていた本。 最初からずっと胸が苦しくなる展開で読み終えるまで辛かった。戦場から帰っても、第二の人生を謳歌するとは簡単になれないのも理解出来るから余計に辛い。 主人公が自分の生き方を掴み取っていく心の動きは読みながらグッときたものの、読み終わってから主人公やイリーナの年齢を確認して、自分より年下だということに改めて戦争が起こす悲惨さを感じた。 作品としてとても感動したけれど、辛い展開を思うとしばらくは読み返せないと思う。

    1
    投稿日: 2025.08.13
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    面白い 久し振りにこんなに夢中になってページを捲った 登場人物たちみんなが魅力的で、みんなに死んで欲しくないと思いながら戦争の悲惨さを目の当たりにするような感覚だった

    3
    投稿日: 2025.08.13
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    面白い 面白いんだけど、お話はあくまでも王道。意外性みたいなものはなく、展開が読めてしまうし、キャラクターの処遇も分かってしまう。 それをマイナスとするのか、という点はあるものの、もう少しお話しとしての捻りが欲しかった。 一方で、話のテンポ、展開、キャラクターの深掘りが上手く、600ページくらいあるがサクッと読める。

    4
    投稿日: 2025.08.12
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    歴史背景の記述と状況描写が素晴らしく、まるで最前線にいるかのような臨場感があり、最後まで飽きずに読めました。主人公がかっこいい。

    1
    投稿日: 2025.08.11
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    胸が苦しくなる。だけどこれが現実。 戦争で亡くなった、人数だけで表される人々の、その一人一人に人生がある。家族がいる。大切な人がいる。亡くなった人だけじゃない、戦争のある世界にいる一人一人に人生がある。暴力的に何かを奪われる戦争は、偉い人たちが考えて実行されるけれど、実行している人々にも人生がある。 苦しいね。仕事が辛いとか、ほんとちっぽけなことで悩んでる自分が嫌になるね。苦しいね。 でもそういうもんなんだよね、自分は自分のわかる範囲でしか悩めない。だから比べるのは違うし、自分の辛さは辛さで大事にしなければいけない。 だけど、そんなちっぽけな悩みさえ奪われてしまう戦争は、やはり何も産まない。産まないと思うよ。

    2
    投稿日: 2025.08.10
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    8月8日 読了 戦争に関心があったわけではないが、話題の小説ということで読んでみた。戦争を追体験できたし、女兵士の葛藤や戦争によって変わる主人公がリアルで面白かった。

    2
    投稿日: 2025.08.08
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    戦争は人を変える。戦争は残酷。戦争は…。 ありきたりな言葉しか出てこないがなんとも形容しがたい同情、悔しさ、虚しさが残る本だった。 「兵士たちは、自らの精神が強靭になったのではなく、戦場という歪んだ空間に最適化された。より平和であるはずの日常へ回帰できない」という言葉が印象に残った。戦地に赴いた知り合いがいるはずもなく話を聞くことはできないが、心理学を学んでいた身として興味が湧いた。生半可な気持ちで向き合うことは許されないと思うが、学びたいと思った。 また、実際に独ソ戦においてソ連兵が女性兵士を用いた事実についても詳しく知りたいと思った。同じ女性として私とは全く異なる世界で生きた彼女たちを理解して忘れたくないと思った。今のこの世界に感謝、過去に感謝したい。

    1
    投稿日: 2025.08.08
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    初めて戦争小説と呼ばれる物を読んだが思っていた以上に読みやすくエンタメとしての見ごたえがあった スターリングラードが出てきた時に急にこれが史実も含まれている現実だということにぶつかり、重みのある雰囲気があったが、学園モノのような各キャラクターの個性と関係性も楽しめたり、アクションもふんだんで緊張感もあり、感情が色んな方向に動く戦争を追体験できる作品だった

    1
    投稿日: 2025.08.06
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    犬が死ぬ描写があるので苦手な人は注意してください。 戦争が、教科書の上の出来事ではなく、物語の中で生きた実感として描かれている。物語の強さを感じる作品でした。

    0
    投稿日: 2025.08.06
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    タイトル回収。戦争の最中で懊悩しながら出した一つの意思。敵とは誰のことなのか、自分の志を貫いたところが非常によい!戦地に赴くものは全員が正気を失わなければならず、精神を保つために自分のなすことを正当化しなければならず、その中で最後まで変わらずにいたママ聖人すぎる。戦争ってなんやねん。

    2
    投稿日: 2025.08.05
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    第二次大戦中のソ連の女性狙撃兵が題材というあまりの敷居の高さに、評価の高さは知りつつも読むのを躊躇していたが、高橋源一郎の解説という驚きもあり、ついに読んでみた。 テーマは重いが、それを除けば圧倒的なリーダビリティやキャラ立ち、心理描写の多さなどはラノベに近く、かなり読みやすい。 テーマの重さと小説としての軽さのアンバランスがやや気になるが、例えば佐藤亜紀くらい硬質だとこちらもなかなか読み進められないので、このくらいで良いのかもしれない。 なんだかんだ言ってずっと心に残り続けそうな一作。

    7
    投稿日: 2025.08.05
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    おもしろくはあるんだけど,深みがない。本当にマンガっぽいという感想。自分はエンタメは向いてないんだなと思い知らされた。これがあれほど話題になったことを考えると,自分の趣味がマジョリティじゃないことを痛感する。

    1
    投稿日: 2025.08.05
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    んー面白かったし勉強にもなった。 だけれどもなぜか遅々として読み進まなかった タイトル回収は秀逸でした

    10
    投稿日: 2025.08.03
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    私だったらこの場面でどうしていただろう、なんて簡単に想像することすらしてはいけない気がしてしまう戦争の物語。 戦争は女の顔をしていない。本当にその通りだと思うし、だからこそこの小説はこれからもたくさんの世代に読まれ続けて行ってほしいと思います。

    0
    投稿日: 2025.08.03
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    銃の言葉とか理解しにくい言葉も出てきたけど、ストーリーが面白い。そして強い女性たちがかっこよかった。 読み終えて、戦争ってなんなんだろうなと改めて考えさせられる作品。印象に残ったのは、国に関係なく、相手国も自国の男たちも、それぞれの国の女性に暴行をするし、それが仲間意識を生むというところ…。「●●人だから悪い奴」みたいな単純な思考でいたくないと強く感じた。

    5
    投稿日: 2025.08.03
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    登場人物たちがみんな漫画的な個性を持っていて読みやすい。作者自身の書きたいところは戦争の実態なんだろうと思うけれど、それをより多くの人に伝えるためにエンタメ性を持たせてるのが良かった。しょーみ読まれないと意味ないから。 個人的に、戦争が終わった後のエピローグが印象的だった。いままで少女たちも読者も胸を熱くして「敵を撃て!」と思っていたが、なぜ撃たなければならないのか。「敵」という存在を失った人々はどうやって日常に溶け込んでいったのか。 皆誰かが作った物語の中を生きていたということに気づいてその物語が終わっても人生は続いていく。 戦時中の方が自殺率が低いってどこかで聞いたことがあるけど、世の中には戦争がないと生きていけない人もいるのかもしれない。

    0
    投稿日: 2025.08.03
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    著者のデビュー作にして、大ベストセラー。 舞台は第二次世界大戦の独ソ戦。 ソ連の地方の村がドイツ軍の虐殺に会い、生き延びた少女が狙撃兵となって復讐に燃える物語。 同じような境遇や人種的な問題を抱えたさまざまな事情を持つ少女たちが一つの部隊となって、ともに戦う。 不遇な境遇から、生きる術(狙撃術)を修得して、成長する過程はスポ根そのもの。 しかし、ここは戦場。スキルを磨くことは人を殺すことでもあり、成長と引き換えに彼女たちの人間性を奪っていく。 「同志少女よ、敵を撃て」 このタイトルに込められた意味が最後の最後で、明らかになる。 彼女たちが撃った敵は果たしてドイツ兵なのか、それとも戦争によって許容された理不尽なのか。 人間であることの尊厳を戦争は簡単に奪う。 奪われたものはたちは、その尊厳を簡単には取り返すことはできない。 でも生きていかなければならない。 戦後も丁寧に語られることがこの物語の救いなのかもしれない。

    0
    投稿日: 2025.08.03
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    読むのに時間がかかった。それは決してつまらなかったとか難しかったとかではなく、大切にゆっくり読んだから。昔から女性スナイパーの映画が好きでよく見てきた。この本も絶対面白いと思った。だから大切に読んだんだ。これ映画化されたら、面白いだろうな。でも実写じゃなくてアニメがいいと思う。声も芸能人ではなく、プロの声優で。どうでしょうか?

    1
    投稿日: 2025.08.03
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    戦争で生き残った兵士の精神疾患率が非常に高い事に納得しました。 読み終えた後に、愛する人を持つ事と趣味を持つことの大切さを改めて感じました。

    2
    投稿日: 2025.08.03
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    読み応えのある戦争小説。主人公セラフィマは男性兵士ではなく、女性の狙撃兵である。世界史でうっすら聞いたことがある程度の知識しかなかったが、当時の情勢が細かく描かれており、勉強になった。フィーマ(セラフィマの愛称)の苦悩、葛藤、変化…様々な心情描写が戦争の過酷さ、苛烈さ、下劣さを見事に捉えている。ロシア・ウクライナ間の戦争が続いている今、読者が増えるのも頷ける。 途中から人が亡くなる描写が簡素化されていくのもフィーマの感覚と連動しているようで恐ろしかった。タイトルが回収される場面で人間の本能が剥き出しになる戦争の惨さを改めて感じさせられた。

    3
    投稿日: 2025.08.02
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    読み応えあった。 戦争の過酷さの一部を観れた。 表紙のセラフィマが美しくて思わず買った。 この表紙の存在は売れ行きにかなり貢献しただろう。

    10
    投稿日: 2025.07.31
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    正義とは?愛とは?赦しとは?戦争とは? そういった問いを真正面からぶつけてくる一冊。 史実ではないが、こんな少女兵が本当にいたかもしれない。 それだけ精巧に、戦争を描いた一冊。 作中紹介された本も読んでみたくなった。

    1
    投稿日: 2025.07.30
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    圧巻。 狙撃兵ならではの緊張感と面白さに飲み込まれながらも、生々しさと目を背けたくなる醜悪に胸が締め付けられる。 人が人でなくなる。倫理観の崩壊と人の内に潜む魔性。絶対悪を正当化してしまう大義名分。 物語でも歴史でもなくこれぞ現実を突きつけられる。

    2
    投稿日: 2025.07.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    一時期、超話題になっていた一冊。独ソ戦をソ連側の少女狙撃手の視点から描いた超大作。独ソ戦に関しては結果だけ知っていたので、こんなことがあったのかと勉強にもなった。ドイツ軍に村を焼かれた何も知らない少女が、ただ復讐だけを心の糧に、一流の兵士として成長していくお話。戦争ものだけあって人はあっけなく死ぬし、戦地には正義も悪も存在しない。そんな中で主人公は最終的に、自分が殺そうとした相手の女性を愛することにした。その流れがあまりにも美しく、そして爽やかに描かれている。分厚い本ではあるものの読みやすいし、戦況も地図があるので分かりやすい。ほんとにこれが一作目なのか?と思うくらい凄い作品だった。

    2
    投稿日: 2025.07.29
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    長い映画を観ているよう。 ページも多くて、戦争の話は重いし歴史詳しくないですが、最後まで飽きずに読めました。 少女たちがそれぞれの正義を抱えながら生きていくさまに圧倒されました。

    6
    投稿日: 2025.07.29