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藍を継ぐ海
藍を継ぐ海
伊与原新/新潮社
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総合評価

385件)
3.8
78
159
116
11
0
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    伊与原新さんの作品は3冊目。表紙の美しさに惚れて。 個人的には『宙わたる教室』の次に良いと思います。 5つの短編集で印象深いのは『祈りの破片』でした。 長崎に落とされた原爆の石、そして影を、爆心地を起点に方位まで調べた形跡。 原爆症で最期は亡くなるが、それは未来の私たちへの『継承』される情報だったこととだったのではないかと。 原爆があまりにも凄惨であり、人類の『継承』を途絶えさせる武器である悍ましいものと痛感させられました。 生命や自然、原爆調査、隕石や地域の歴史。 人間、自然も動物も『継承』することが今回のキーとなり、私たちのミッション。 自然の摂理を私たちはどう捉え、未来へと繋いで行くのかを考えるきっかけになった5つの短編集でした。

    23
    投稿日: 2025.04.06
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    宙わたる教室のドラマがとてもよかったので、初めて伊代原さんの本を読んだ。「ウミガメ」「狼犬」「陶芸」「原爆の資料」「隕石」といったテーマでなんとなく知っていることに科学的な知識を与えてくれて興味深かった。興味を持ったり使命に駆られたりして、本当に深いところまで真相を探る人たちがいる。そんな深い知識をその土地の風土や歴史にも触れながら物語の中に組み入れて、分かりやすく伝えてくれた本だった。

    10
    投稿日: 2025.04.05
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    うーん、期待したほどではなかった。今までのが面白かったんだけどコレは今ひとつ入れなかった。何でだろう。賞を取ったとのことだけど。。。

    3
    投稿日: 2025.04.04
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    「祈りの破片」で浦上のクリスチャンの「神の摂理」という考え方を初めて知った。その原爆を落としたのも、おそらくはクリスチャンではなかっただろうか?と思い、何とも非情な巡り合わせを感じ、戦争の愚かさを痛感した。全ての短編に儚さを感じるような作品だった。

    2
    投稿日: 2025.04.02
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    配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。 https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=01437169

    2
    投稿日: 2025.04.02
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    自然科学×人間ドラマの全5話の短篇集 読後にそっと本を閉じ良い物語を読んだなと余韻に浸る素敵な作品だった あとがきや参考文献の多さから緻密で丁寧な取材が物語に深みをあたえ美しく豊かな描写に繋がっているのだなと感じた 今まで知らなかった世界を体感させてもらった

    11
    投稿日: 2025.04.02
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    短編5編・・・ほとんど知らないことが(私の)とても興味深く、それぞれの物語に興味深く・・・登場する人物にも心惹かれました。 もっと読んでみなくては・・・

    48
    投稿日: 2025.04.02
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    「宙わたる教室」が良かったので、これも読んでみました。 短編集でどの話も読了後、優しさに包まれる感じでした。

    24
    投稿日: 2025.03.31
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     実際に活動されていたモデルから着想を得て、広島の原爆投下直後の瓦や岩石の被爆資料を収集する男の足跡を描いた第三話「祈りの破片」  アオウミガメの生態、産卵を背景に姉妹の人生を重ねあわせた、表題作となっている第五話「藍を継ぐ海」 この2作品が心に残った!  第172回直木賞受賞作品というのを失念していた。

    8
    投稿日: 2025.03.30
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    優しいお話の中に 高い熱量と深い思いを持つ人達の存在を感じました その人に触れて 化学反応的に少しずつ変わっていく人達 どのお話の人達も最後は必ず 数歩前に進んでいました

    25
    投稿日: 2025.03.29
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    直木賞受賞作という事で読んでみた。 短篇5編が収録され、どれも最後には優しい気持ちにさせてくれる。素直にとても良い作品だなぁと思った。 5編それぞれに出てくる業界のトリビアに「へー!?」とか「そうだったのか!」と明日誰かに話したくなるエピソードも勉強にもなります。 私が思う良い本は、読後“心にぽっかり穴が空く系“と“ぽっかり空いた穴を埋めてくれる系“の2つで、この作品は後者の方。 表題作の『藍を継ぐ海』と『狼犬ダイアリー』が特に好き。 ここに出てくる登場人物達はとにかく何かに一生懸命で、何より優しい。

    9
    投稿日: 2025.03.26
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    直木賞受賞作の短編集です 短編ってあまり手にしないのですが 宙わたる教室がすごくよかったのと ねこさんに短編と長編の読み分けを教えてもらったのでこれを機に手に取りました 科学を取り入れた題材で 静かに情熱を燃やしている人々の物語でした その情熱がじわーっとこちらに伝わってくる心地よさがありました なかなか足を運べないようないろいろな土地の歴史や風土も知れて面白かったです 夢化けの島 山口県見島 萩焼 狼犬ダイヤリー 奈良県東吉野村 狼 祈りの破片 長崎県長与町 原爆 星隕つ駅逓 北海道遠軽町 隕石 藍を継ぐ海 徳島県姫ヶ浦 ウミガメ 土地も題材もバラバラで、幅広いのに詳しく書かれていて驚かされます あまり長い時間読めない日に開くとちょうど良い読書量でした。 やっぱり長編の方が没入感があって評価は上がりがち。 でもまた違った楽しみ方がわかったような気もしています(^^)ねこさんありがとうございます♪

    111
    投稿日: 2025.03.26
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    第172回直木賞受賞作品です。 伊予原新さんの作品は、科学のイメージがあって、難しいのかもと勝手に思っていました。読んでみると全然そんなことはなかったです。むしろ興味深く読みごたえがありました。 五つの短編からなる作品は、どれも引き込まれ知識欲が刺激される内容でした。静かに物事が進むなかで、人の情熱を感じる部分もありました。 『夢化けの島』は、山口県萩市の北西にある見島が舞台。そこで岩石の地質調査をする女性と萩焼に使う見島土を探す男性の物語。地道な作業と終わりのない道を歩んでいる2人でした。私が今までほぼ興味のなかった岩石と少し興味のある萩焼について、より知ることができました。科学の力で見つけ出された紅萩手の陶片を西日にかざしてみたときの美しさに、これからへの期待を感じた作品でした。 『祈りの破片』は、長崎県長与町の田之坂郷の外れの集落の空き家で見られた不思議な光が物語の発端でした。町役場で働く男性がその空き家で見つけたものは、原爆の跡地で収集された多くのものでした。読みながらその作業の大変さと執念とも思える行動に引き込まれました。 『藍を継ぐ海』の舞台は、徳島県阿須町の姫ケ浦地区。ウミガメの産卵にちなんだ物語でした。黒潮が深い藍色で大きな川のように見えることを初めて知りました。この過疎地で唯一の中学生の沙月と、ウミガメ監視員の佐和さんと、日本が大好きなティムが見送った子ガメ達の様子が、満月の光の道や波の音 と共に目に浮かぶようでした。この作品では、これからの沙月とウミガメの一生に想いを馳せて応援したくなりました。 他『狼犬ダイアリー』『星隕つ駅逓』

    54
    投稿日: 2025.03.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    主題の藍とは黒潮のこと。海カメについて正しくない知識、正しい知識をアップデートできた。萩焼についての短編もとても面白い内容でした。見島の地層を研究している女性と見島土を求めて見島に来た青年の物語。見島に向かう船の上で船酔いでつらい思いをしている青年に内気な女性が頑張って親切にするとこから二人の関係が始まっていく。研究対象の岩が恋人と言う女性がどんどん気になって調べている。探究心が満たされていく様がわたしもワクワクして読む手が止まらない。

    1
    投稿日: 2025.03.25
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    「宙わたる教室」のドラマがめちゃめちゃ良かったのと、直木賞作品だったので読んでみた。 それぞれのお話で、石や土など、地球の自然に関係するモノが鍵となっている。専門的な単語も出てくるけど、分かりやすく説明されてたので勉強になった。 短編なので、だいぶさらっとしてる印象。ちょっと物足りない感じかなー。登場人物の心情よりも、鍵となるモノの話に重点が置かれてるような気が。 「宙わたる~」も、原作を読んだ訳じゃないから、小説が良かったのか、ドラマの演出が良かったのかわからない。なので、別の作品も読むべし!だね。 ドラマは本当にオススメ!ぜひ見て欲しい。

    12
    投稿日: 2025.03.25
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    なんかお行儀の良い本だった。 あまりおもしろくない… 夢化けの島 陶芸の土を探す 狼犬ダイヤリー 狼がいるかも 森へ帰った 祈りの破片 長崎の原爆投下後、現場周辺の石とかを調べた人がいた。 星隕つ駅逓 隕石が落ちた田舎町の名前を残したい 藍を継ぐ海 ウミガメの話

    1
    投稿日: 2025.03.25
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    直木賞受賞の短編集。 どの話も、正直に生きているが、どこか不器用な人たちが、時間や空間の向こうを見つめ、一歩進んでゆく物語です。 表題の「藍を継ぐ海」は、ウミガメの話で、少女が殻を破って大きくなるのにふさわしい舞台が用意されています。 すごく面白いエンタメでもなく、大粒の涙を流すこともないのですが、じわじわ胸に沁み入る良質な作品です。

    20
    投稿日: 2025.03.24
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    さすが直木賞受賞作。とても面白かった。 地方を舞台とした科学をモチーフとした作品で、難しそうに感じるが、主人公たちが方言を喋るがらスラスラと読める文章だった。

    1
    投稿日: 2025.03.24
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    第172回直木賞受賞作。 いい小説というのはこういう小説なのかなと思いました。 あまり「楽しい」とか「愉快」とか「手に汗握る」とかの要素は少なく、エンタメ度は低めだと思います。 品格があるのかなと思いました。 連作ではない短編集です。 ーーーーーーー 「夢化けの島」 32歳で山口県の国立大学で助教授をしている久保歩美が偶然船の中で出会った島の人間ではない一番苦手なタイプの男、三浦光平。 三浦は自分のことを「ただの無職のヒマ人」と語りますが陶芸の窯で働きたいと言い出します。 以前は写真家だったと言いますが、果たして三浦は何者なのか…。 「狼犬ダイアリー」 東京から来たフリーのWEBデザイナーのまひろ30歳は奈良の山奥に移住して半年です。 借りている家の大家さんの一人息子の拓己、10歳と友だちになります。 拓己がオオカミの鳴き声が聞こえたと言ったのち拓己の飼っていた犬のギンタがけものに追われて行方不明になります。けものはオオカミに違いないという拓己。果たしてオオカミは現代に存在するのか。 オオカミに興味のある方には面白いと思います。 「祈りの破片」 九州の長崎田之坂郷の集落から車で二十分のところにある不思議な空き家にまつわる話。 役場の住宅課の小寺が「えすか家や」(怖い家だ)と言われる家の調査をします。 時は長崎に原爆が落とされたころに遡ります。 キリスト教の信者にまつわるお話でした。 「星隕つ駅逓(ほしおつえきてい)」 北海道の遠軽町。 郵便局の配達員の38歳の信吾。 その妻の涼子が落ちてきた隕石をみつけますが、それを知った「日本流星ネットワーク」のマニアらに不審な点を指摘されます。 「藍を継ぐ海」 徳島県姫ケ浦のウミガメの話。 主人公は沙月という中学二年生。 祖父と二人暮らし。未婚で出産した母は亡くなり、家を出て東京へ行った姉がいます。

    156
    投稿日: 2025.03.22
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    過去と現在を紡ぐ短編集。個人的には祈りの破片が好みだったなー。原爆が投下された長崎にて、一人の男性が原爆というものの正体を追い求める。それは祈りに通じる何かだったのかもしれない。

    12
    投稿日: 2025.03.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    神戸大学や東大大学院で理系の学問を専攻した著者ならではの科学、自然現象と人間ドラマが融合した短編集。第172回直木賞受賞作。 火山、地質学、日本狼、長崎の原爆資料、隕石、ウミガメの保護といったテーマが取り上げられ、物語を楽しみながら、科学や自然環境に関する知識を深めることがてきる。 ●「夢化けの島」  火山で形成された島を舞台に火成岩の研究のため地質調査を行う国立大学の女性助教が、陶芸家の血筋を持つ青年と出会う物語。二人がお互いの立場を理解するまでをドラマチックに描いているが、その過程で、島の伝統である陶芸が地質学という科学と繋がっていることを学ぶことができる。  ●「狼犬ダイアリー」  都会でのフリーのWebデザイナーの仕事がうまくいかず、奈良の山奥に移住した女性が、隣家の子どもの話を聞き、日本狼の現存について関心を持ち、のめり込んでいく。 日本狼の生態や過去の人間との関わりについて、環境問題や生物学の観点も含め、物語を通して、知識が身につく。  500年の歴史を持つ吉野林業の背景には、山守が受け継いできた高度な育林技術があることも勉強になった。 ●「祈りの破片」  長崎市役所の職員が空き家調査の際、見つけた大量の古い資料や日記。それは、長崎に落とされた原子爆弾が如何なるものかを追求しようと集められたものだった。 集めた人物は、大学で地質学を修めた後、博物の教師をしており、熱線を受けた岩石やレンガを集め、フィールドノートに記録していた。 膨大な資料を集め、戦争の記憶として守り、歴史の承継に務めながらも、自らも被爆が原因で命を落としたこの人物の熱量に感服する。 ●「星隕つ駅逓」  過疎化が進む北海道の田舎町で長年親しまれてきた郵便局が閉鎖されようとしていた。そこに隕石が落ち、民間の調査チームが探索に訪れる。彼らと町の人々とが交流する中で、壮大な宇宙の話と、過疎の町の現実が対比される。 隕石を発見した女性が郵便局の名前を残そうとして葛藤する様子が人間ドラマとしての要素になっている。 ●「藍を継ぐ海」  海辺の町で暮らす少女がウミガメの卵を盗み、自分で育てようとするが、それは自然の営みを妨げる行為だった。少女は次第にウミガメの生態を学び、自分が取った行動の意味を考え、地域の文化や自然との関わりを知り成長していく。 堤防ができることで産卵適地がなくなる、放流会は、その日まで水槽で待たされることで子ガメが本来持つ「フレンジー」と呼ばれる興奮状態 が終わってしまい、他の生物の餌食になりやすい、ウミガメは体内に何らかの方位磁針を持っていて方角や緯度を知覚するなどの話は興味深かった。    

    1
    投稿日: 2025.03.17
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    第172回 直木賞 受賞作 表題作含む五篇の短編集。 著者の膨大な科学の知識と綿密な取材と文献の読み込みに裏打ちされた、リアリティ溢れる骨組み。それを柔らかく誰かが何かを受け継ぐ物語が包んでいて、清々しくそしてあたたかい気持ちで読了。お気に入りは「夢化けの島」

    10
    投稿日: 2025.03.16
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    5つの短編集。それぞれの場所でそれぞれの暮らしがあり、生き方があります。とにかく景色の描写が綺麗で、懐かしさを感じつついつの間にか惹き込まれてしまう。

    6
    投稿日: 2025.03.16
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    子供の頃を思い出す。坂道で三輪車レースをやり、誰かがこけて、膝擦りむいて、赤チンに。竹で、敵味方に分かれ、チャンバラごっこ。年少組は、卵と呼ばれ、参加はするが、斬られても、やられた事にならない。自然いっぱいの遊び場が周囲にたくさん!

    1
    投稿日: 2025.03.16
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    海端の暮らし、山奥の暮らし、小さな島での暮らし。田舎には固有の風土があり、でも資源は多彩でなく限られている。人との関わりも限定されるぶん濃ゆいから、うまく立ち回らないと生きにくい。生まれ故郷にこだわる必要はなくても、そこに自分が身を置く価値を見つけられるのかどうか。それを探り悩む面々の生き方なり成長なりが各話に綴られる。俺なんて至極現状満足型なので、特に故郷を離れたくもなく、かといってここに打ち込む何かがあったわけでもない。今さらながらウミガメよろしく、も少し回遊してくりゃ良かったかな。いや、めんどいわ。

    2
    投稿日: 2025.03.16
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    美しいものがたり。自然、歴史の大きな流れの中で生きている、生かされていることを知る。伝統や歴史、自然保護といった、なんとなく大切そうだが心から理解できていないことについて考えるきっかけになる。

    1
    投稿日: 2025.03.14
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    伊与原新さんの5つの短編。 夢化けの島:大学の助教と見島土を探す謎の男の物語。 狼犬ダイアリー:行き詰まりを感じているフリーランスが狼を探す。 祈りの破片:役場の男が空き家で大量の原爆の資料を見つける。 星隕つ駅逓:町に隕石を探しに人が集まる。 藍を継ぐ海:海辺の土地でカメの卵を孵化させようとする少女の物語。 各話色んな分野の知識についてたくさん取材されているんだろうなと思った。 難しい科学分野も読者にわかるように書かれていて、そこに想いをかける人々の姿に少し力をもらえた。 ☆3.5

    1
    投稿日: 2025.03.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    伊予原さんの本は難しい。気を抜いて読むと話が入ってこなくなる。短編だからと甘くみてると前に戻るを繰り返す。 狼犬ダイアリーがおもしろかった。

    1
    投稿日: 2025.03.12
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    短編が5つ。どれも、勉強になるようなお話。題名と同じ『藍を継ぐ海』はうみがめのお話で、海亀の生態が少し分かった気がして、健気さと神秘さがすごいなぁと感動。沙月のこれからの成長も楽しみ。 他のお話も、石の話や土の話など、トータルで地球のすごさを感じたかなぁ。地球に住んでるのに、地球のこと知らな過ぎると思った。

    3
    投稿日: 2025.03.11
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    伊与原さんの作品を読むのはこれが3作目でした。過去2作の印象は一言で言えば「優しい作風」。 さて今作、直木賞受賞作という事で、若干ハードル高めで言うと 「(以前と変わらず)優しいけれど、些か地味」。かと言って、小説としての体幹は?とすれば、弱めに感じました

    10
    投稿日: 2025.03.11
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    田舎や集落、地方が舞台で、自然の歴史や人間がたどった歴史にも触れながら、科学の視点に基づき、主人公と共に話が進んでいく。時空を超えて、当時の彼らの思いが現代の者へと伝わり引き継がれていくようなスケールの大きさを感じた。ただあまり全体的にピンとこなかった。 5話の短編集になっていて、初めはあまり魅力が感じられなかった。 実際にある土地で、実際にあったことも織り交ぜながらの話なので、勉強にはなるが、興味のない部分は退屈に感じた。専門用語などは頭に入ってこない。多分私の頭がおいついていないだけ。 3話目の長崎原爆投下後に、独自で研究のために壊れたものや断片を拾っていた人が実際にいたのには、脱帽したし、最後のウミガメの話もよかった。お姉さんからのメールが返ってきたらいいなと思った。

    1
    投稿日: 2025.03.09
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    相手のことを理解するのに、その人からではなく、自然や生き物の習性を通して、生き方を感じさせていくところが、心に沁みてきました。

    2
    投稿日: 2025.03.08
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    伊予原さんの作品はすごく好きなんだけど、これは合わなかった。どの短編も響いてこない。出てくる地域と縁があれば、もうちょっと違う感想になるんだろうか。 表題作を読んで思ったのは、人間がウミガメを保護しようといくら頑張っても、自然の中ではなるようにしかならず、保護しようと思うこと自体が人間のエゴなんじゃないかということ。保護が悪い訳ではないんだけど、あくまで自然のことはそっとしておいた方が良いのだろう。ウミガメが必ずしも故郷の海に帰ってくるとは限らない、好きだったら帰ってくるし、嫌いだったら帰ってこないというような言葉が出てくるんだけれど、人間も同じだと思った。人間もウミガメももっと自由に生きられるといいね。(書いてて何の感想かさっぱり分からない) 「星隕つ駅逓」は結構好きだった。隕石は、落ちた場所の最寄りの郵便局の名前が付けられるという興味深い話に振り回される人間が出てくる。確かに自分の思い入れのある地名が隕石についたら、何だろう、鼻高々とは言わないが気分は良いかもしれない。 町おこしにもなるのかな? ううーん、やっぱり無理やり感想書いた感がある…が、懲りずに著者の作品は追いかけていきたい。

    4
    投稿日: 2025.03.08
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    科学と小説の融合。情景描写が美しく、それぞれ行ってみたくなりました。なじみのない題材でしたが楽しく読み、もっと知りたいと思いました。著者の他の作品も読んでみたいと思いました。

    1
    投稿日: 2025.03.08
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    とても胸に染みた。初読みの作家さんだったけど、文体も読みやすいし良かった。科学的な言葉も、嫌悪感などはなく読み進められた。田舎の人々の心の動きが丁寧に描かれ、そんな人間ドラマに科学がスパイスとして混ざっていて、この人にしか書けない物語があるんだなと感動できた。特に「祈りの破片」が好き。

    2
    投稿日: 2025.03.07
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    20250307 どこの土地にも、さまざまな個人の歴史があることを伝えてくれる短編小説。 最初の小説の舞台は、去年訪れた山口県萩市! まだまた知らない世界が日本各地にあることを教えてもらって、ますます国内旅行に行きたくなった。 徳島、、いきたいなぁ。

    2
    投稿日: 2025.03.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    直木賞受賞作。短編の全ての作品を通して、科学は時を超えて人々に感動を与えることができる感じた。科学はもっと自分にとって遠い存在だと思っていたけど、意外と近くにあるものだと強く思った。どの作品も普段の生活で抱えている問題を明確に捉えており、だけど最後は前向きになれるような作品だった。

    2
    投稿日: 2025.03.05
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    この作家さん初めて読みました。人の感情の描写が素直ですっと入ってきて読みやすい。日常の内容だけど、隕石とかウミガメとか、ちょっと遠い話なのが面白かった。

    8
    投稿日: 2025.03.05
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    伊予原さんらしい、科学的な知見をベースに人とのつながりを描いた良い短編集でした。 それぞれのストーリーを長編でも読んでみたい。

    7
    投稿日: 2025.03.05
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    私が知ったのは最近ですが、すでに10年以上のキャリアがある作家なのですね。端正で上品な文章がとても素敵で、物語に埋め込まれる自然科学的エピソードもバランスよく配置されてます。つまり、とても読みやすいということ。 僕は「夢化けの島」や「狼犬ダイアリー」のような、若い女性が主人公となる作品が好きです。若さゆえの気持ちの揺れとか、生きづらさ、みたいなのがうまく描かれていると思いました。 3.6

    8
    投稿日: 2025.03.04
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    ▼配架・貸出状況 https://opac.nittai.ac.jp/carinopaclink.htm?OAL=SB00557514

    0
    投稿日: 2025.03.04
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    五つの短編集。タイトルの「藍を継ぐ海」は最後にある。 焼き物の粘土を探してる窯元の息子、絶滅した狼を追いかける少年、おじいちゃんの足跡を辿る女子大生、アイヌのことを調べてる元郵便局長、ウミガメの子どもを育てようとする女子中学生… それぞれにみんなが、何かを過去から現在、未来へ継ごうとしている。 いま、ここにいるのは何かから継がれている、そんなことを考えるグッとくる本。

    3
    投稿日: 2025.03.03
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    長い時間をかけて受け継がれたり守られてきたものが大切に描かれていて感動的でした。 藍を継ぐ海はもちろんですが、萩焼好きな私としては夢化けの島に も引かれました。 どれを取ってみても素晴らしく、 沢山の資料などを読み込まれていてさすがだと思いました。

    8
    投稿日: 2025.03.03
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    いい内容の本でしたが、少し単調で面白味には欠けたかなと。私が選出できるなら、直木賞は飽くなき地景に一票です。

    2
    投稿日: 2025.03.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    直木賞受賞作 夢化けの島 萩焼と土 狼犬ダイアリー ニホンオオカミ、狼混 祈りの破片 被爆資料収集 星隕つ駅逓 隕石とアイヌの伝説 藍を継ぐ海 海亀の孵化 科学的な分析と共に進む物語だけれど、謎解・ミステリーではない 心に染みる、心温まる話たち

    1
    投稿日: 2025.03.02
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    直木賞受賞作。 5つの物語のどれも主人公は優しくて、真面目で、心の中に葛藤や悩みがあって。 物語は静かに展開し、読了感は爽やか。 タイトルとなっている『藍を継ぐ海』が一番良かった。 作者は理系の博士ということで、科学の学習にもなった。

    27
    投稿日: 2025.03.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    伊与原さん初読み。「狼犬ダイアリー」反抗的なオオカミの仔は殺されて、集団から野性が無理やり取り除かれてしまったのかと思うと、やはり切ない」の一文で、作者を好きになった。

    3
    投稿日: 2025.03.02
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    つい先日、伊与原新さんの「宙わたる教室」をプライムビデオで見ました。とても感動し面白かったので、今回こちらの作品を読みました。 5篇の短編集で、どのお話もそこの土地の歴史や人々の想いを深く掘り下げており、大変興味深かったです。また科学的な要素も取り入れられ、小説としてだけでなく、科学の図鑑を見ている感覚のような面白さもありました! ・夢化けの島 山口県見島市 萩焼 ・狼犬ダイアリー 奈良県東吉野村 狼 ・祈りの破片 長崎 原爆 ・星隕つ駅逓 北海道 隕石 ・藍を継ぐ海 徳島県姫ヶ浦 ウミガメ 読了後、最後まで心に残ったのは、狼犬ダイアリーと祈りの破片でした。 また他作品も読みたいです。

    98
    投稿日: 2025.03.02
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    科学と舞台となる場所の歴史をもとに展開される5つの短編集。いずれも主人公が前向きになる締め方をするので読んでいて心地よい。 個人的に「夢化けの島」とタイトルの「藍を継ぐ海」がお気に入り。

    4
    投稿日: 2025.03.01
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    緻密な取材による物語の短編集。日本各地が舞台で、方言が心地よい。真ん中あたりに収められてる『祈りの破片』が特によかった。 表題になっている『藍を継ぐ海』は映画になりそうな風景描写。 科学的な裏付け、というか、科学的な小話が興味深く知識欲を満たす。『宙わたる教室』ほどの興奮はなかったが、落ち着いた小品集でよかった。

    8
    投稿日: 2025.03.01
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    四国や長崎の小さな集落を舞台に、地質調査や岩石の調査などをベースにした短編集です。一話完結です。科学的に取材されていることが、よく分かります。海亀の話が、1番心に残りました。

    10
    投稿日: 2025.03.01
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    参考文献までしっかり載っていて、研究者が小説を書くとこうなるんだなと思わされる。著者が地球磁場の研究をされていたという背景もちゃんと小説にも描かれていた。 「夢化けの島」、「祈りの破片」、表題作の「藍を継ぐ海」が好みだった。探究心や先人への畏敬の念、観察を通した主人公たちの感動など、知ることの楽しさがよく伝わってくるようで、読んでいる身としても嬉しい気持ちになった。 ========== 陶芸家は、ろくろ挽きをしながら粘土の声を聞く。それを器の形にするのが、彼らの仕事だからだ。 地質学者もまた、ハンマーを振るい、ルーペをのぞいて岩石の声を聞く。それを漏らさず記載することで、研究という器の形ができていく。(p.56) 大坪の言うとおり、この気の遠くなるような収集作業は、加賀谷にとって義務でも職務でもない。しかしこれは彼の中で、やはり仕事だったのではないか。一個の地質学者として、焼き尽くされた街にたまたま残された一人の人間として、なさねばならぬという念がさせた仕事だ。 原爆症に苦しみ出してからは、自身の命も長くはないことを悟っていたかもしれない。それでも彼は、廃墟を歩き続けた。やり遂げることはおそらくできないと知りつつも、この仕事をあきらめようとはしなかった。(pp.157-158) 先頭集団が波打ち際に達した。砂が水分を含んで進みやすくなったのか、急にスピードが上がる。数匹がついに、寄せる波にさらわれた。いったん押し戻された小さな体が、引き波とともに一瞬で水の中に消えていく。そこから先は、月明かりでは見えない。 人間にはほんの小波でも、子ガメたちにとっては大波だ。怯むことなく次々とその中へ突っ込んでいく彼らを見つめながら、沙月はぽつりと言った。 「この子たちみんな、勇気ありますね」 この海の向こうに、何があるかわからないのに。 待ち受けているのは、きっと大変な試練ばかりなのに。(p.261)

    3
    投稿日: 2025.03.01
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    宙わたる教室のドラマから作者を知り、初めて作品を読んだ。 物語の中に身を委ねる中で、不思議と山や海から伝わる空気を直に感じ、郷愁に駆られながら、登場人物たちの行く末を見守るような気持ちになっていた。

    9
    投稿日: 2025.03.01
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    以前からこの作家の本を読むつもりだったが、「宙わたる教室」のドラマ化で本が後回しになってるうちに「藍を継ぐ海」が直木賞に輝いた。 読んだ。五つの短編はどれも素晴らしかった。芥川賞の方はどこがいいのかさっぱり分からず6割頑張ったが放り投げた。自分はこっちが断然好きだ。

    15
    投稿日: 2025.03.01
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    ウミガメの習性を少し調べたくなった。不思議なことがたくさんある。 狼毛ダイアリーはよかった。 一人でいたいとき、いる時は孤高のオオカミ、寂しくなったり、何かに行き詰まったりした時は従順な犬になる! 使い分ければいい!!

    20
    投稿日: 2025.02.27
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    直木賞受賞作。科学に関わる短篇五篇。 一番好きなのは「狼犬ダイアリー」。狼犬の孤高の姿とかが『おおかみこどもの雨と雪』を彷彿とさせた。(この映画が大好き) ギンタをよくぞ送ってくれた…

    6
    投稿日: 2025.02.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    直木賞受賞作品。理系作家の作品は、いつもと違う脳の部位を使って読んでいる気がする。 科学の知識が散りばめられた短編集。自然科学が教えてくれる真理に気づいた登場人物たちが、自分の人生に新たな意味づけを与え、それぞれ前を向いて歩いてゆく。 継承の物語だった。

    11
    投稿日: 2025.02.25
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    直木賞受賞作だが、これまで読んだ伊与原さんの作品に比べると物足りないのは多分短編集だからかな。どの作品も伊与原さんらしい理科系知識がごろごろは短編ではちょっと量が多くなりすぎてすこししんどい。私は「祈りの破片」が良かったわ。広島出身だからかしら?

    2
    投稿日: 2025.02.24
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    伊与原新さん、初読。短編集でした。 ウミガメって、そんなに遠くまで泳いで行って、戻ってくるのかとビックリしました。迷子にならないのが生命の不思議!

    38
    投稿日: 2025.02.24
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    2025年11冊目 短編集なので全体的にあっさりした話の印象がある。特にどんでん返しとかはなく淡々と味わう話。私は夢化けの島と祈りのかけらが好きかな。作者のバックボーンに由来する科学知識が中々面白い。1週間で急いで読んだため少しその科学色がくどいとも感じだが、本来はゆっくり読んだ方がいいであろう作品。 個人的には祈りの破片が良いと思った。世界のために自分にできることを一つ一つ着実に積み上げる。良い人生観だと思う。

    1
    投稿日: 2025.02.23
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    ドラマで知った作家さん 本も読もうと図書館に予約した本が 直木賞受賞 期待が高まりすぎたのか ちょっと全体的にあっさりと感じる でも 北海道舞台の話は 道民というところからも興味深く 年齢的にも感情移入してしまうストーリーで いろいろ共感しながら楽しめた 公務員や研究者の日常のようなものも 垣間見れ どのストーリーも未来が明るく感じられる 清々しくさえ感じられた読後感で 他の本もそうなのかなと 安心して読める作家さんなのかなと 期待

    1
    投稿日: 2025.02.23
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    最近、疲れている自分を奮い立たせた、を高評価とする傾向があるように思えて、それはそれで残念な状況ですが、『祈りの破片』はとくに効きました。別の本で私に刻まれた「それにもかかわらず」に通じる、蓄積や執念の重要さを感じました。話の語り口は軽やかで、執念からくる重さはないですが、、 あと『夢化けの島』の科研費その後、気になります。

    8
    投稿日: 2025.02.22
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    約2ヶ月、ゆっくり時間をかけて読みました。サクッとも読めるのだろうけど、この本だけはゆっくりと時間をかけて楽しみたかった。そういう1冊です。 どの物語もとても深い愛の詰まった素敵な話ばかり。 「星隕つ駅逓」と「藍を継ぐ海」が特に好きです。

    8
    投稿日: 2025.02.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    全ての話が美しい表現で日本の素晴らしい文化について書かれていてとても面白かった。実際にその場所に足を運んでみたいと思ったし、そのような日本の文化を守っていかなければならないと思った。直木賞も納得の心温まる話だった。

    3
    投稿日: 2025.02.22
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    興味深く読めました。内容が深いのは、徹底的に調べられてから、よりリアリティーに感じ、共感できる小説に創られてらいるからであろう。短編のなかで「夢化けの島」が特に印象に残った。全ての物語は、シンプルで素直な作品で、作家の人柄が表れているような感じがした。それにに加えて、詳しいdataの信憑性があるから、一段と物語に引き込まれてしう。 2025年は真実性が乏しく多忙に生きているが、読んでいる自分が素になれ、大変面白く読めた。

    3
    投稿日: 2025.02.22
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    5つの短編集だ。5編ともそれぞれ別の地域の逸話だ。話しの内容もとても素晴らしい。読んでいて内容も方言も違和感なく楽しめた!およそ3年に渡っての作品集だ。読みながら感じたのはそれぞれの短編を纏めるにはかなりの参考資料とそれぞれの地方弁を学んだことだろう!巻末を見て然もありなんと著者の努力にびっくりだった!

    3
    投稿日: 2025.02.22
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    5つの短編。全て日本の実在する場所が舞台となっています。 個人的には、本題の「藍を継ぐ海」が最も心が震えました。ディスカバリーチャンネルを見た時の感動に、更に人生観を上乗せされたような、そんな感覚です。 「この本の舞台に行ってみたい!」そう思える作品でした。

    1
    投稿日: 2025.02.22
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    日本の各場所で進む大きく小さい話。 偶然にも行ったことのある場所、小さな地域で起きる出来事と自分が行った時の思いが重なるような、全然重ならないような。 また行きたくなるお話たち。

    1
    投稿日: 2025.02.22
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    短編5編 それぞれの日常に地球や宇宙の時空といった壮大な舞台を絡めて、ほっこりしながらも一歩前に進もうという気持ちにさせてくれるストーリー ・夢化けの島(見島・萩)  見島に通って何万年も前に噴出した溶岩を研究する地質学者の歩実とその溶岩が起源の見島土を使った萩焼陶芸家の子孫の光平と出会って… ・狼犬ダイヤリー(東吉野村,奈良)  本当にいたら会ってみたい!少し怖いので遠くから ・祈りの破片(長崎)  原爆投下直後の長崎で、未来のために今しかでき無いことに自分の命を注ぎ、どんな思いがそこにあったのだろう ・星隕つ駅逓(野知内・北海道)  壮大な時空の中に日常があるんだと感じ、北の大地で満天の星空を見上げたくなる作品 ・藍を継ぐ駅(姫ヶ浦・徳島)  一歩前に進んでもいいんだ、という気持ちにさせてくれるストーリー

    57
    投稿日: 2025.02.22
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    表題作もよかったけど、「祈りの破片」が秀逸だと感じました。これはもう長崎はもとより全国的に”教科書レベル”の作品と言えると思います。 舞台となった5つの土地の方々にとっては心に染み入るお話なんだろうなあ、と想像しながら楽しく読めました。 さすがの直木賞作品でした。

    2
    投稿日: 2025.02.21
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     伊予原さんの本は、科学的な記述が多く、大変勉強になる。よっぽど下調べをしてから、書いているのだろう。  小説のストーリーとしては、若者向けかな?

    6
    投稿日: 2025.02.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    表題と一話目がよかった。 全て読み終わってから「藍を継ぐ海」というタイトルを見ると少しウルっと来ました。 たとえどんな場所を選ぼうが、海は、自然は繋がっていく。

    7
    投稿日: 2025.02.21
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    久々の本を新刊で購入。 会えた時のうれしさ(近場の本屋さんで売り切れていて、でも、本屋さんで買いたくて自宅から30分ほど車で走らせた本屋さんでGET! どうしよう。 嬉しくて、でももったいなくて、まだ読めない。でも、ちょっとお守り代わりに持ち歩く。どうしようもない時に、読めるという安心感☆ 伊予原さんの新刊を待ちわびて、やっと新刊!と思ったら直木賞☆ より、特別な時に読みたくなっている☆ はぁ~どうしよう。もったいなくて読めない。

    3
    投稿日: 2025.02.21
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    怪しげな男がやってきた山口県の見島、会社を辞めたウェブデザイナーが移住した奈良県東吉野村、金髪の女子大生が訪れた長崎県長与町、父を元気にしたい妊婦が住む北海道遠軽町、子ガメを助けた女子中学生が育つ徳島県の海辺の町。5つの物語に出てくるのは、萩焼の赤土、ニホンオオカミ、原爆で壊れた教会の鐘、隕石、アカウミガメ。これらを科学の知識を通して見ると、時間も空間も遙かに広がって自然の神秘に胸がふるえる。

    2
    投稿日: 2025.02.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    伊与原作品 3冊目 「地球惑星物理学」博士課程の理系作家 伊与原さんの本領発揮といったところ ・萩焼に使う土を求める男と その土がある見島の成り立ちを研究する地質学者 ・フリーのwebデザイナーが出会った 狼混(狼犬)のバックボーン ・廃屋にたくさん積まれた 原爆の痕跡を残す瓦礫や石をみつける市役所職員 ・隕石を見つけて 地元の名前を残したい女性 ・昔よりウミガメの産卵が減ってきた姫ヶ浦で 亀の孵化をさせたい少女 とても綿密な取材と、地球や宇宙の時の流れを織り込みながら、いろいろな事象を小説にしていて おもしろい。 私的には「狼犬ダイアリー」がおもしろかった(「博士ちゃん」観てるし、三峯神社も参拝したしね) でも 作品としては「宙わたる教室」が好きです。

    2
    投稿日: 2025.02.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    伊与原さんの本は『八月の銀の雪』を始めて読んでから次の期待、次に期待と、この本で三冊目。ようやっといい作品に出合えたなぁってなりました。 短編を貫きながらもその一話一話にかける情熱がすごく、どれだけの資料をいつも集めて読んでいるんだろうとかと感心するばかりで、それぞれのロケーションがバラバラなのにどれも文献資料をしっかり集めて書いているなぁと感じる。公開時と本にするにあたっていくつかタイトルが変更されているが、それも洗礼されていて熟考されたのが伺えます。短編はあまり好きではないけれど、伊与原新さんの本はまた追い続けたいなぁと思ってます。

    2
    投稿日: 2025.02.19
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    短篇にも関わらず、一篇ごとに内容が濃かった。 様々な地域とそこに住まう人々の関係のなかで、科学が問題を解き明かしていく素敵な物語だった。 著者の科学に対する『想い』みたいなものが滲んでたように思う。 さすが直木賞作品でした。

    8
    投稿日: 2025.02.19
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    短編小説で全ての話が余り馴染みの無いニッチなテーマでそれに纏わる主人公の生活を描きどのテーマも興味深くとても良い内容だった。伊予原新さんの本は「8月の銀の雪」「月まで三キロ」からの3冊目で又、読みたい。 ・夢化けの島 テーマ:萩焼 山口県萩から船で渡る「見島」で陶芸家家系の光平と地質学者歩美が出会い、先人が使ったとされる萩焼に必要な赤土を見島で探し当てる話。 ・狼犬ダイアリー テーマ:狼犬 Webデザイナーで奈良の山奥に移住した綾乃とその大家の小学生の子拓巳が狼の声、姿を見聞きして狼探しをして狼混犬を見つける話。 ・祈りの破片 テーマ:長崎原発 長崎県長与町役場勤めの小寺は、空き家対策を命じられ不審者情報から空家の捜索を行い、その空家から原発投下での溶解物の瓦礫の山が見つかりそれは、被爆資料として集められて貴重な資料である事で収集して方々の尊敬の念を募らせる話 ・星隕つの駅逓 テーマ:隕石 北海道遠軽町にある日火球が落ちその隕石探しの話。 義父が務めた郵便局が無くなる切ない状況で隕石発見場所近くの局名が隕石名として命名される噂話を信じた隕石の発見に纏わる話。 ・藍を継ぐ海 テーマ:海亀 徳島県阿須磨町の姫ヶ浦地区での海亀産卵に纏わる話。。。 海亀の地磁気検知能力での母浜回帰。。 黒潮に乗っての太平洋横断。。と主人公中学生沙月、カナダ教師ティム、海亀監視員佐和との海亀繋がりの話で一番心に沁みた。

    3
    投稿日: 2025.02.18
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    自然科学と終わりを迎えつつあるものについての短編集だと思った。舞台になっている町や村は、文化や伝承、その土地の自然など、どこかに終わりの気配を有している。 けれど、読後感は明るくて爽やかだった。 おそらく、研究者やその土地の人たちが強い思いで、のちの世代に繋いでいこうとしているからだと思う。それぞれのストーリーも前を向いていけるようなものばかりで、私自身も励まされた。 『月まで3キロ』を読んだときよりも読みやすくて、科学が自分たちの身近でどう生きているのかを知ることができる。文化と科学という組み合わせもすごく面白かった。 理科の好きな生徒がいたらオススメしたい。

    51
    投稿日: 2025.02.18
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    自然や生き物の本来持っている、循環することだったり、手を施さないでも未来に継いでいくことの神秘さをじんわり感じられる短編物語です。 伊予原さんの科学愛がふんだんに詰め込まれているのをめちゃくちゃ感じます。 表題作の藍を継ぐ海は特に生命の儚くも強さみたいなものを感じられる。 ウミガメは産まれて間もなく、浜から海に戻り海流に乗り遠い地へと向かう。 地図もなければ、泳ぐ体力もないのに、備わった能力と自然の力を借りて日本からカナダ程の距離だろうがたどり着く。ほとんどの個体が途中で死に絶える運命だとしても。 生き残ったウミガメは繁殖を終えるとまたどこかの浜へと… 想像しただけで切なく儚いのに、なんか人間も抗わずに思うまま生きることも悪くないんじゃないかと心射たれる作品でした。  "引用" 人間も、同じや思うんよ。好きなところで、気に入った場所で、生きたらええの。生まれた土地に責任がある人なんて、どこにもおらんのよ。

    4
    投稿日: 2025.02.18
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    [藍を継ぐ海]早くに母親を亡くし姉と共に祖父のもとで育てられてきた沙月は中学生、アカウミガメの産卵地となっている徳島の漁師町で暮らしています。そんな彼女がアカウミガメの産卵に触れて成長する物語りだと思いました。個人的には、主人公と家族や近所の人などとの関係性がもう少し多く語られたら良いのにと感じてしまったところがあり星3つとしましたが、読みやすい綺麗な内容と思いました。

    10
    投稿日: 2025.02.17
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    人と自然は切っても切れない。ならば自然の長期視点に立った時、自分の置かれた状況はどう解釈できるか?と問いかけられたような気がした。

    4
    投稿日: 2025.02.16
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    伊与原新さんの作品が大好きです。今作も期待通りの面白さでした。読んでいる時間が心地よく、ふとしたと時に繰り返し読みたくなるだろう作品です。「星隕つ駅逓」が一番好みですが、印象的だったのは「祈りの破片」。

    4
    投稿日: 2025.02.15
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    短編集だがどれも濃く、中編集といったところ。 いつかは直木賞受賞されると思ていたけれど、おめでとうございます。 作品の中では、「祈りの破片」がいちばん良かった。 まだまだ語り続けるお話がある、なんだか救われる思い。

    17
    投稿日: 2025.02.14
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    2025年第172回直木賞 デビュー当時から使い古されてしまったけど 作品に自然科学のエッセンスを含ませるという 絶妙な特色を持たせている 「夢化の島」 山口県見島 萩焼に使われる幻の土を違う方向から追う研究者と陶芸家 「狼犬ダイアリー」 奈良県東吉野村 都会からの移住者が狼犬の存在とその気質を知り 自分の生き方を鑑みる 「祈りの破片」 長崎県長崎市 取り残された空家に残された瓦礫 そこに残された記録と記憶 「星隕つ駅逓」 北海道遠軽町 隕石をめぐる今とアイヌと科学と人の想い 「藍を継ぐ海」 徳島県姫ケ浦 ウミガメの産卵を保護する人々 土地に家族に縛られる少女がウミガメに寄せる思い 今回の短編5作には自然のモチーフとともに継承が描かれているとのことです そして科学の部分を読み飛ばされないようという お気持ちは充分反映されていました 小説に落とし込まれた科学から読み解く 伝統と継承

    108
    投稿日: 2025.02.13
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    短編が5つで、どれも独立した物語だけど、地学をベースにしていることが共通点だなぁと思ったら、理学部の博士課程を修了した方が書いているのね。 1つ目は粘土とか地層とか焼き物とか興味がなくて読む進めるのが大変だったけど、犬好きで被爆地在住の私にとっては2話目3話目はとても興味深かった。 4話目は隕石、5話目はウミガメの話でこれもまたおもしろかった。とくに5話目は象徴的で心が温かくなる物語でした。

    8
    投稿日: 2025.02.13
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    短編集5篇 萩焼に必要な見島の土、日本狼との混血の野生の犬というより犬と混血の狼、浦上天主堂の原爆の痕跡。北海道に落ちた隕石、徳島の海辺に産卵するウミガメ、少し変わった材料をその地に生きる人々の感情で料理してあり、また考えさせられることもあって面白かったです。

    3
    投稿日: 2025.02.12
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    表題作より、最初の三篇が心に残った。 「宙わたる教室」よりも、筆者の筆が冴え渡っている。どんどん腕を上げているなと感じられる作品。 「夢化けの島」の舞台の「見島」、訪れたい場所の一つとなった。インターネットで検索してみると、エメラルドグリーンの海と切り立った崖の島。こんな場所があるのねぇ。 「狼犬ダイヤリー」の「狼混」という存在。狼と犬の混種、というだけでなく、人間の生き方の一つの在り方として、作者は提示する。 「ひ弱で日和見の狼混で構わない。一人でいたいとき、いるしかないときは、孤高のオオカミを気取る。」 「そして、寂しくなったり、何かに行き詰まったりしたときは、従順な犬になる。鼻を鳴らして誰かに甘え、頼るのだ。そんな風に都合よく思い込めばいいと思うと、何だかとても楽になった」 そして、この短編集のメインは「祈りの破片」だと(私は)思う。科学者としての知識が遺憾無く発揮された新たな切り口の原爆小説。長編小説にもなる題材だと思う。 表題は、甘やかで既視感があるのだが、最初の三篇は、新しい小説が誕生したなど思った。直木賞も納得です。

    42
    投稿日: 2025.02.12
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    継ぐ…がテーマの優しい短編集。 タイトルと同じ藍を継ぐ海が好き。 徳島弁とそこに生きる人たちの優しさ。 海のように深い優しさ。 彼女はどんな大人になるんだろう。

    6
    投稿日: 2025.02.11
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    静かで温かな読後感。科学だけど人が歩んできた歴史や大切にしてきたものなどがたくさん語られ奥深い。陶芸、ニホンオオカミ、岩石、隕石、ウミガメどれも短編なのに内容が色濃く、物語にも富んでいて素晴らしい。特に、狼犬ダイアリーが犬好きには堪らなく語られる全てが面白かったし楽しかった。うちの犬も狼の遺伝子と99.5%以上が共通しているんだなぁと感慨深い。地球の歴史はとても長く長くて、人の人生も長く感じるけど地球にしてみたらほんの一瞬。科学も自然も動物も、すべてが愛しく思える優しい作品でしみじみと好きを感じられた。

    14
    投稿日: 2025.02.11
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    『継ぐ者』がテーマとなった短編集。 それぞれ実在の日本の町が舞台になっていて、その土地の歴史や背景も描かれている。 各地の空気の香りや景色が目に浮かぶようで、思いを馳せることができる 陶芸、狼、原爆、隕石、ウミガメ…。 普段注目する人が少ないようなことも、日本のどこかで誰かがひっそり想いや意思を引き継いでるんだよね。 著者は地球磁場の研究の経歴からこのような作品を生み出しているのだと思うが、世界の様々な出来事に自らの知識を絡める想像力と研究愛に驚かされる。 彼の作品はラストに必ず優しい気持ちになるエッセンスをまとっている所が好き。 『藍を継ぐ海』は藍染の『藍』かなと想像してたけれど、もっと素敵な『藍』のことだった。

    40
    投稿日: 2025.02.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    今月発表された直木賞 受賞作 売れ切れてて入荷待ちだったのが、今週店頭に並んでるのを見つけて、即買いした 前に読んだ月まで三キロも好きだったけれど、 これもとっても好きな作品だった 科学と地学がつまってた 山口の萩焼、奈良の吉野で最後に見られたニホンオオカミ、長崎の浦上天主堂にあった岩石、北海道に落ちた隕石、徳島のウミガメの産卵、どれももうなくなってしまったものについて描いていて、そこで生きた人々の思いがつまっていた どれもお気に入りのお話だけど、ニホンオオカミがものすごく惹かれて、めちゃくちゃ調べてしまった やっぱりもういないのかな、どっかで生きてたらいいな

    4
    投稿日: 2025.02.11
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    直木賞受賞作「継ぐ」をテーマにした短編5篇。萩焼、狼、原爆、隕石、ウミガメ…それぞれモチーフは違うが、目に見えるものだけでなく、遠い時間や携わってきた人達の想いがつながっていることに気付くとき、とても清々しい気持ちになれました。 伊与原さんの作品の主人公は、人生を諦めてたり問題から逃げていたり、人生に躓いて立ち止まってしまった人が多い。そして少し切ない。 そしてハッピーエンドとまではいかずに、少し顔を上げて進めるんじゃないかな?ってところで終わるのがとても好きです。 「夢化けの島」が好み。

    9
    投稿日: 2025.02.09
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    伊与原さんの作品は基本的にハッピーエンドで、読んでいて心が癒されます。 特に「祈りの破片」が好きです。 ただ伊与原さんの作品、短編だと、上手く行きすぎだなぁと、感じることが多いです。 個人的には長編の方が好きかな。

    45
    投稿日: 2025.02.09
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    短編だけど、どの話も共通するテーマがある。 失われつつあるもの、これから失われるであろうもの、過去に失われたもの…。 どの話も切ない、でも温かい。 理系小説を書く作家さんで、本作は2冊目なのだけど、読後感や、理系の面白さを存分に伝えてくれる。 理系と一言で言っても、文明を支える技術的なものではなく、地質学や生物学などの自然学が中心のお話。 それだけではなく、その土地に残っていた忘れ去られた物を蘇らせ、新しい世代が繋いでいく。 理系要素だけではなく、僻地の課題にも言及しながら、自然科学と人間生活をリンクさせつつ描かれた短編はどれも読み応えがあった。 都心の人々には、地域の人の思いを知る機会もないと思うので、ぜひこの本を読んでほしいと思う。 人が住まうために開発された部分が少ないからこそ、歴史の中で埋もれている意外な事実もあるのかも、と少し夢を持てた。 どの話も舞台が地方なのもあり、スケールは小さくとも、そこに関わる人々の、知られていなかった思いを描いている。 文明だ、開発だで、これからさまざまなものをなくしていくと思うのだけど、それぞれの主人公たちが、そのことに折り合いをつけて、自分たちの中でモヤモヤに決着をつけていく、そこがとても良かったと思う。 どの話もちょっとだけミステリー要素があったのも、惹きつけられるポイントだったと思う。

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    投稿日: 2025.02.09
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    その土地ならではの事柄や出来事について書かれている。心温まる短編集。理系の著者だから書ける内容でだった。

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    投稿日: 2025.02.08
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    各地域の伝承や伝統などを繋ぐ人に焦点をあてた短編集。どれも繋ぐことに一生懸命というか真摯に向き合う登場人物が素敵で心温まる印象でした。

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    投稿日: 2025.02.08
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    それぞれの土地に伝承されている事柄ついてまとめた優しい小説。田んぼ道や海辺など静かでどこか懐かしい風景を思い浮かべながら読み進めていく物語。

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    投稿日: 2025.02.08
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    伝統とか継承とかそんなテーマのそれぞれ独立した短編集。面白くてどんどん読み進めてしまうというのではなく、品があって良いお話という感じ。直木賞受賞という事で頑張って三遍だけ読んだ。

    3
    投稿日: 2025.02.08
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    陶芸、狼、原爆、隕石、海亀といった現在の人間の生活にほぼ役立たないものを情熱をもって探究する人たちを主人公とした短編集。彼らはだいたい世間に評価されなくても、自分の探求に意味があるとは思っている。しかし、最後、確信がもてず、故郷から旅立つかどうか迷う主人公の話で締めるのがよかった。あと、問題はこれらが実在のものを題材にしたフィクションであることだ。その虚構化もセンス次第なのだが、原爆が題材になると、安易に感動ポルノに仕立てているように思えた。現実にはあそこまでうまく史料が残り、発掘されることはないだろう。

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    投稿日: 2025.02.07