
総合評価
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powered by ブクログ短編集だが、どの章も緻密な取材をされて、じっくりと作品に向き合われたのだろうと確信できるほど、濃密な物語が綴られていた。 長崎の話では浦上天主堂が当時の人たちにとってどんな存在であったのか、知ることができた。 また、北海道にある遠軽を舞台にした物語も、へき地の郵便局や親子の絆が描かれていて、胸が熱くなった。 そしてタイトル作の藍を継ぐ海は、なんて感動的な話だったことか。 亀も人間も、好きな所で、気に入った場所で生きればいい、という言葉は、とても重く胸に響いた。
0投稿日: 2025.11.14
powered by ブクログ思った以上に読み終わるまで時間かかってしまった。 これは伊予原さんの得意分野での執筆なのかなぁ…なんて思いつつ。 ただ私にはなかなか難しい部分も笑 またちがう作品も控えているので楽しみ。
0投稿日: 2025.11.13
powered by ブクログどの話も興味深く、読んで気付かされたことや知らなかったことがたくさんあった。特に狼犬ダイアリーはオオカミについて何も無知だったなと、もっと知りたいと興味を惹かれた。
0投稿日: 2025.11.11
powered by ブクログ日本のさまざまな地域で眠っている科学的事象を物語に展開する力は素晴らしかった。 小説を通して科学に出会うには、著者の作品が最も適しているのではないか。 ただ劇的なストーリーを期待する人には向かわない小説でもあると思う。
0投稿日: 2025.11.10
powered by ブクログ史実と物語とミステリーと科学と、あらゆる要素が掛け合わされているからだろうか。読み進める度、新しい世界がどんどん開かれていく。そのことを全身で感じて心が震える感覚を久しぶりに感じた。この人の作品全てを読みたいと思ったのはいつぶりだろうか。また一人、素晴らしい作家に出会えた。
7投稿日: 2025.11.09
powered by ブクログとても読みやすく文体が私に合ってる作家さんだと感じました。化学や天文、生物など理系の内容は苦手な事が多いのですが、理系的な事をテーマにしながらも人間の繋がりや歴史、芸術への視線もあり、心に響く作品でした。人に勧めたい作品です。直木賞納得です。
1投稿日: 2025.11.08
powered by ブクログ5つの小さなお話。地球の不思議さや、自然の偉大さを感じながら、人の営みまでを考えさせられた。どのお話もとても心があたたまるお話でした。
0投稿日: 2025.11.06
powered by ブクログ短編集。著者は若い人なのかなと思いながら読んで、あとがきで女性なのかなと思ったら、自分より年上の男性だった。 地質学者と陶芸家の話、オオカミの話、原爆投下後の資料収集、隕石、ウミガメの話。 わかりやすい感動話でないことで不思議な読後感だった。 著者は東大の地球惑星科学博士とのこと。すごい経歴。 でもそれでテーマも雰囲気もたしかに理系!と納得したのでした。
1投稿日: 2025.11.03
powered by ブクログ日本各地を舞台に人から人へ何かを継いでいく物語。 陶芸、狼等各短編のテーマが面白いく、人の描写も優しく見応えがありどの短編も面白く染みた。 伊与原さんの長編も読んでみよう。
0投稿日: 2025.11.02
powered by ブクログある島の土と陶芸一族、ニホンオオカミと田舎移住者、原爆の記録と記憶、隕石と親子、ウミガメの生涯とそれぞれの人生模様が重なる短編集。陶芸家といい感じになる展開をはじめとして人間の心情の動きにそうはならんやろみたいなのはあるがひとつひとつのテーマがかなりよく調べられてよくできてるので納得の直木賞ではある
2投稿日: 2025.10.31
powered by ブクログどのお話も、限りなくノンフィクションに近いフィクションなんだと思う。 人の想いは紡がれてると信じたい。 星隕つ駅逓と祈りの破片で特にそう感じた。
1投稿日: 2025.10.29
powered by ブクログ「受け継ぐ」をテーマにした短編5編。 専門的な内容も多く、読むのに時間を要したが、勉強になった。 個人的には「星隕つ駅逓」が好き。 読むスピードがグゥッと上がった話。 火球、8月に九州で観測されたと読了後知った。 読む前にニュースをチェックしておきたかった!
2投稿日: 2025.10.29
powered by ブクログテレビドラマで「宙わたる教室」を見て、原作者を知ったいつもと逆のパターン。科学者としての知識を持つ人が書いた五つの短編。個人的には「夢化けの島」と「祈りの破片」に心惹かれました。生き物が好きなのか、鉱物に惹かれたのかそうれだけの違いかどうかわからないけど、それぞれに味わい深く、静かな物語であるところがよいと思いました。
0投稿日: 2025.10.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
山口や北海道など、地域にまつわる歴史が 多く語られていて、 この一冊で色んなことが学べてお得だな~ と贅沢な気分で読ませてもらえました笑 特に印象的だったのが 原爆投下後の長崎で 瓦礫の調査に携わっていた男性のお話です 人にお願いされたわけでもなく、 自分の足で"コツコツと"調査を進め 後世に当時の長崎の記録を残したことに 渋いカッコよさを感じました。 このお話のモデルとなった方が、 広島にある平和記念資料館の運営に関わっていたとのことだったので、実際に資料館の方にも足を運びたいと思います。
24投稿日: 2025.10.26
powered by ブクログオーディブルで聴きました。しっとりしみじみ良かった。宙わたる教室もすごく良かったけれど、どういう実験をしているのか、ドラマで見るまでイメージできなかったけれど、今回はついていけました。 どのお話も、なんとなく取っ掛かりにくい状況で、そんなに魅力的でもなさそうな人物から始まるのだけれど、途中からぐっと引き込まれました。表現がきれいで、取材(研究?)の裏付けがしっかりしている感じがして全部いいお話で読後感もさわやか。 狼犬のお話は、河崎秋子氏のともぐいに出てくるわんこもお利口だったなと思い出した。カメのお話も砂月がけなげで良かった。やはり動物が絡むとほっこりする。(ハッピーエンドがマストだけれど) 彼の他の作品も読んでみたい。
4投稿日: 2025.10.26
powered by ブクログ最初の短編が趣味に合わず、読了までとにかく時間がかかった。 「狼犬ダイアリー」と「祈りの破片」は面白かった。
1投稿日: 2025.10.21
powered by ブクログそれぞれ違う分野の話で、とても深くて面白かった。 特に「改題」に関して考えさせられた。 一番好きだったのは『狼犬ダイアリー』 臨場感が伝わってきて、いい作品だった。 古い伝承にテーマを置きながら、今を生きる主人公の成長に繋がっている。
0投稿日: 2025.10.19
powered by ブクログ日本大学図書館生物資源科学部分館OPAC https://brslib.nihon-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1000347727
0投稿日: 2025.10.18
powered by ブクログとても頭の悪い感想だけど、これは頭の良い人が書いた本だ…というのが第一の感想で、読後に著者について検索してみたら、東大卒・博士号取得・専攻は地球惑星物理学…と出てきたので、やはり、と思った。 5篇の短篇集なのだけど、総じて「研究者視点」で書かれている印象。理系の小説という感じ(またしても頭の悪い感想。笑) 余談だけど去年だったかNHKで放送していた「宙わたる教室」がこの方の原作だと知って、おぉ!と思った。このドラマ観ていたから。そしてまたしても納得。地学×ドラマで面白かったから。 小説に話を戻すと、表題作はウミガメの産卵に1人の少女の孤独を絡めた切なくて爽やかでウミガメの生態も知れるという、これまでにあまり読んだことがないタイプの物語だった。 他の4篇も、人間ドラマ×理科という感じ。 陶芸家だった祖父と父を持つ1人の青年がとある土を求めて巡るお話や、田舎に移住したフリーのWEBデザイナーがその地で起きたニホンオオカミ騒動と触れるお話、地方の郵便局員である青年とその妻が地元に落ちてきた隕石によってとある行動をして…というお話など。 物語として面白いのはもちろんだけど、それプラス地質学や生物学について勉強にもなる。素人的には、へぇ〜って思いながら読みました。笑 2024年下半期の直木賞受賞作で、かつ高校生直木賞受賞作でもある。自分がもし人の親だったら、子どもにはこういう本を読んで欲しいと思ったかもしれない。物語で学んだことが将来に影響を与えることも多々あると思うから。
1投稿日: 2025.10.18
powered by ブクログ自然科学を知る取っ掛かりに文系人間にもやさしく門戸を開いてくれる作品。 星隕つ駅逓がなんだか人間臭さが出ていて一番印象に残った。
0投稿日: 2025.10.18
powered by ブクログ夢化けの島 萩焼の土を求めて 狼犬ダイアリー 日本オオカミ!? 祈りの破片 謎の家 星隕つ駅逓 隕石と郵便局 藍を継ぐ海 ウミガメ、お守り 5話のオムニバス どれも良かった
0投稿日: 2025.10.16
powered by ブクログとても優しい文体で、直木賞らしい作家さんだが、それほどグッとくるものがなく、サラーッと流れていった感じでした! 人間も、同じや思うんよ。好きなところで、気に入った場所で、生きたらええの。生まれた土地に責任がある人なんて、どこにもおらんのよ。
11投稿日: 2025.10.13
powered by ブクログ上すべりしてしまい、頭に内容が入ってこない だいぶ進んだと思ったらまだ30ページだった 全く話に入り込めない 今の私はまだ読むべき時では無かったので、また読みたいと思う時まで寝かせます ※もちろんこれは本の内容がつまらないということでは決してなく、全て私の問題のため未評価です(星ゼロということではありません)
11投稿日: 2025.10.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
◇藍を継ぐ海/伊与原新 (2025/10/10読了 桑名市立図書館) アカウミガメの卵を孵化させようとする中学女子の話。その他、短編が五編くらい。 作家氏は学位を持つ科学者なので、分野を問わずロジカルでサイエンティフィックな文章が小気味良い。また流さずに頑張って読むと勉強になると言うかウンチクの獲得と言うか。ただそれが裏目に出てくどく感じる場面もありちょっとしんどいかなあ。 短編のなかでも「藍を継ぐ海」は一番読みやすく読後感が爽やかで良いです。
0投稿日: 2025.10.10
powered by ブクログ・著者は東京大学地球惑星科学専攻後富山大学で教鞭をとっており、裏付けの確かさで物語に説得力があります。読後爽やかな気分にさせてくれる作品です。 ・大切な何かを「受け継ぐ」人々の5つの物語。技術を、夢を、命を、想いを、つないでまた次へと伝えていく。そんな長い歴史の一ページに私たちはいるんだなあと、しみじみと感じさせてくれる作品でした。
1投稿日: 2025.10.10
powered by ブクログのめり込む様な小説ではないが、優しい文体で作家は女性かなと勘違いした。直木賞を受賞した作品か、なるほど。
0投稿日: 2025.10.09
powered by ブクログまったく繋がりのない短編5集 共通するのは登場人物の優しさ 読み終えて感じるのは 「なんとなく励まされた気がする」 「頑張ろうっ↑」 好きなのは 狼犬ダイアリー 祈りの破片 藍を継ぐ海
0投稿日: 2025.10.08
powered by ブクログ夢化けの島、狼犬ダイアリー、祈りの破片、星隕つ駅逓、藍を継ぐ海の5話の短編。 個人的には祈りの破片が好み、他の話も数々の文献を参考に組み立てられたであろう、興味深い内容で読後感も非常に良かったです!
3投稿日: 2025.10.06
powered by ブクログ第172回直木賞受賞作 5編からなる短編集 どの作品も優しく、ゆったりしている感じ テーマは違うのだが、全体的な雰囲気が似ているからか、続けて読むと物足りない
0投稿日: 2025.10.05
powered by ブクログ伊与原新さん三作目。 このかん3ヶ月以上、本を何冊も最後まで読み切ることができずにいて、この本も休み休み、途中で挫折しそうになりながら、なんとか読了することができた。伊与原さんの作品で、ようやくトンネルから抜け出ることができ、感謝です。 あとがきを見て、そうだよね、小説なんだもんね、どの作品も架空の話なんだよね、とあらためて思うくらい、ノンフィクションを読んでいると錯覚するような感覚があった。それはきっと、緻密な取材に基づいて書かれているからなのだろう。科学者の作品らしい、実直で誠実な一冊だった。 ただ、これまで読んできた二作品に比べると、筆が走るのを止められなくなってしまったんですねと思わず微笑えんでしまうような、好きで好きでたまらない世界をワクワクしながら描いている感じは薄くて、その分だけ、馴染みのない専門的な世界に入り込みにくかった。どの話も最後は心に染みる終わり方だったので、じっくり長編で読んでみたい気がする。
2投稿日: 2025.10.05
powered by ブクログ直木賞にしてはややとっつきにくい印象。多くの人に馴染みがないであろう岩石や隕石、動物の生態など、地球科学を題材にした5つの短編集。個人的には1作目が物語に1番入りづらく読むスピードが鈍ったが、2作目から徐々に加速していった。未知の世界の知識がたくさん得られるので楽しくはあるが、もう少し馴染みやすさが欲しい。表題作は可愛いウミガメの赤ちゃんが過酷な長旅を経て成体になることを知り、彼らをひたすら応援したくなる。地球や自然について思いを馳せ、改めて人間も地球の付属物のうちの1つに過ぎないと実感した。
1投稿日: 2025.10.04
powered by ブクログ表題『藍を繋ぐ海』以外は説明文が多くて読みにくかった。 だから読了するのに時間がかかった。ただ女主人公だと心情描写が上手なので物語に入っていける。細かい風景描写、歴史の説明があるので想像しやすいが、短編集なので長編は難しそう。 人は住みたいところに住めばいい。この言葉に自由さを感じて気持ちが安らいだ。土台はしっかりしてるので短編集ってのが惜しいなと思います。
0投稿日: 2025.09.30
powered by ブクログめちゃ面白かった。んだけど、貫くテーマがなんなのかは全くわかっておらず、、ブクログの作品紹介にあった「科学が気づかせてくれる未来」のフレーズで全部腑に落ちた。 科学がつなぐ過去と未来。そして人や動物との縁。 あったかい話ばっかりだったな。 これだから小説はやめられん、笑
7投稿日: 2025.09.29
powered by ブクログ宙わたる教室に続き、2作目です。 図書館で借りたのですが、私の後、300人待ちでした。直木賞作家さんですし、人気の高さを感じる一冊です。 こちらは、5作の短編集でした。どれも本当にありえるような話で、私が知らない世界(知識)を少し見せてくれた、そんなワクワクする話でした。 ちょっと人に自慢したい知識かも。と。 巻末の協力者へのお礼を読んで、ああ、だから物語がリアルに感じるのだな、とか。 同じく巻末の参考文献?が数ページにわたり書かれていたのが印象的でした。
11投稿日: 2025.09.28
powered by ブクログバランスが良いと言えばそうなのだろうとは思うのですが、それだけにどの作品もうまく消化できなかった気がします。 個人的にはもっと学術によるか、文学によるか、エンタメに振るかして欲しかったかなという気がしました。
2投稿日: 2025.09.27
powered by ブクログ人口減少や高齢化、家族や社会との軋轢を抱えながら生きていく人々を描いた短編集。現代のいづれもローカルな世界で生きている人々の思いが、壮大な地球(宇宙)規模の時の流れ、人間の歴史と交差する。その時、私たちの生活がとても貴重な奇跡のような出会いに満ちたものであると感じさせてくれる。『宙わたる教室』の著者であると納得。直木賞作品。
0投稿日: 2025.09.27
powered by ブクログ理系の作者なので、ネタが文系にはないものが多くて新鮮。一方で心理描写などは、はっきりと登場人物に語らせてしまったりする部分が、物足りなくもある。
0投稿日: 2025.09.23
powered by ブクログ時間や距離が離れた世界も、何かで微かに繋がっている。そういうものに思いを馳せる。しっとりした雰囲気の短編集。
0投稿日: 2025.09.23
powered by ブクログ科学の知識をわかりやすく織り交ぜながら、しっかりストーリーを展開していく。この作家さん、やっぱり好きだ。
1投稿日: 2025.09.21
powered by ブクログ伊与原新さんの作品を読むのは2作目です。 前回読んだ、『宙わたる教室』が良かったので、本書を図書館で予約を入れていたのですが半年経ってもあと30人待ち(^^;; 待ちきれずaudibleで聴けるのがわかったので、audibleで聴きました。 科学+家族や人の繋がりを描いたハートフルなお話し5篇です。 読んでいると目の上を滑るだけの難しい科学の話しも、聴いてるとスーッと頭に入る感じがします。 私は、表題作になっている、『藍を継ぐ海』が1番好きでした。 全部面白かったし、『夢化けの島』はちょっと恋愛もあって、伊与原新さんにしては珍しいと思って‥、自分、伊与原新さん語れるほど読んで無いじゃんっとツッコミを入れました笑 伊与原新さんを語れるほど、読んでみたいと思ってます!
21投稿日: 2025.09.18
powered by ブクログ陶芸、狼、原爆、隕石、ウミガメについての専門的な目線をわかりやすく、読みやすく、また、生涯からさらに未来まで想いを馳せる、心潤す作品でした。
0投稿日: 2025.09.18
powered by ブクログ短編集とは知らず2つ目の話まで読み、うーん物足りないと思って読むのをやめようかと考えたけど、その後3つはどれも胸にきて、知らない知識もたくさんあり読み進めてよかったと思った。
8投稿日: 2025.09.17
powered by ブクログ短編が5編なのだが、そのどれもが重厚なお話だった。 1つ1つが立派な長編になりえる感じで。 「狼犬ダイアリー」が1番好きかな。 萩焼の話も良かったし。
2投稿日: 2025.09.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
良い。 上質、科学的、多角的。知らない事をうまく伝えてくれる。 大きな犯罪、事件が起こるわけではないが、ミステリータッチで先が読みたくなる。
0投稿日: 2025.09.13
powered by ブクログおもしろかった。文章が柔らかく、方角など描写がとても細かく、頭に浮かぶ景色がとても綺麗だった。風や海の音をリアルに想像できる。 科学を知るほど、身の回りの自然がより尊いものに思えてくる。 すっきりと心が整う良い本。
0投稿日: 2025.09.13
powered by ブクログ2025年1月 第172回直木賞受賞作品 表紙は夜の海を照らす美しい灯台 あっ!蒲生田岬灯台(かもだみさきとうだい) 四国最東端にある徳島県の岬の灯台 以前内部公開を観に行った美しい岬の上に建つ灯台です お話は日本各地を舞台にした夢とロマンを感じ、心揺さぶられる5つの短編集 ・「夢化けの島」山口県の陶器お話 ・「狼犬(おおかみけん)ダイアリー」奈良県のニホンオオカミのお話 ・「祈りの破片」長崎県の原爆にまつわるお話 ・「星隕つ駅逓」北海道の隕石のお話 ・「藍を継ぐ海」徳島県のウミガメのお話 伊与原新さんの本は初めて読みましたがどれも引き込まれて面白かったです 特に「藍を継ぐ海」は内容も面白かったですが表紙への興味もあり ウミガメの生態と置かれた現実と夢とロマンを感じるお話で良かったです 表紙の灯台ですが、灯台自体の特徴的なシルエットはそのままなのですが その足元の景色は全然違い本物はもっと壮大で美しいです あと個人的には照射灯だけでなくLEDですが本来の灯台にも灯を灯して欲しかったです
7投稿日: 2025.09.12
powered by ブクログ『夢化けの島』『狼犬ダイアリー』読んで、退屈だった。自分の知らない知識が学べる面は興味深くて興奮したけど、オチや展開がもう一つ欲しい。情景描写が多すぎた。でも、せっかく待って借りたから受賞した『藍を継ぐ海』は読まなきゃと思って読んだ。星4か5。浮かぶ情景も話の内容も綺麗だった。読まずに図書館に返却するところだったけど、『祈りの破片』『星隕つ駅逓』読んで良かった!!『祈りの破片』以降のストーリーはおすすめできる。
0投稿日: 2025.09.10
powered by ブクログ直木賞受賞作品。 短編集。どの作品も科学とそこに登場する人物の人生を織り込んだ話で、読み終わった後、幸せな気持ちになるだけでなく、登場する土地や科学についての知識も少し深まった感じにもさせてもらえる作品だと思う。 あるサイトでは、心が整う作品と表現されていたが、そのとおりだと思った。 もっと伊予原さんの作品を読んでみたいと思った。
9投稿日: 2025.09.10
powered by ブクログ第172回直木賞受賞作。その土地であったり、土そのもの、砂浜、隕石、遠い記憶の中で繰り広げられる5つの短編が綴られている。
9投稿日: 2025.09.07
powered by ブクログこの人の本は、初めて読む。「宙わたる教室」というドラマを見ていたことがあって、原作も読みたいと思っていたけれど、直木賞ということもあり(ミーハーです)手に取った。 山口での萩焼、吉野の狼、長崎の欠片、北海道遠軽の隕石、徳島の黒潮を背景に真面目に生きようとする人の物語が5つ並ぶ。場所を変え、視点を変え、すばらしいお話で、特に、私は、長崎のお話は胸が熱くなり、涙が出そうになってしまった。 生き方を見つめながら生きるって大切なことです。 ・あの心優しい清太がなぜ、人類の罪悪の償いを負はねばならなかったのか。その隣にいたといふ、神のことも聖母のことも知らぬ幼い男の子がなぜ、羔として屠られなければならなかったのか。そして、私の祈りは、私が日々鐘を鳴らして導いた人々の無数の祈りは、一体何だったのか。
0投稿日: 2025.09.07
powered by ブクログ難しかった…。 けれど最後の最後、やっと慣れてきたタイミングで本のタイトルの短編をじっくり読んで楽しむことができました!
0投稿日: 2025.09.05
powered by ブクログ巻末の参考文献を見る限り資料に基づき緻密な小説を書くという印象。 でもパンチが足りないと言うかグイグイと引き込まれるような作品は無かった。 どれも及第点っぽい短編集。
0投稿日: 2025.09.05
powered by ブクログ短編集とは知らずに読み始めました。 どの作品も情景が頭に浮かんできます。 こんなことは初めてで、気持ちよく物語に没入できました。 時間も、あることについて切り取っている感じで、ダラダラしていないのも良かったです。 最後の作品は続きが読みたいなあと思いました。
9投稿日: 2025.09.05
powered by ブクログ五つの物語の短編集でしたが、この物語の舞台が全て都会ではないところが魅力的です。山口県の萩から渡る離島であったり、原爆が落ちた長崎だったり、北海道のアイヌの言い伝えの残る道東の何処かだったり、高知で海亀が産卵に来る南端の浜だった。全て作者の創作の地名なのだが、記述が具体的で、きっと何度も実際のその地方への旅をされたのだろうと思う。科学者であり理科系の作家さんらしい。私は北海道の「星隕つ駅逓」が一番好きになった。主人公の父親が同世代で元気を取り戻すところが良かった。隕石の事や、海亀の生態を知る事が出来面白かった。他の本もまた読んでみたい。
13投稿日: 2025.09.03
powered by ブクログ安定の伊与原新ワールド! 5編の短編、心に傷を持つ人が 人と出会い、科学的事象に出合い、 再生へと舵を切り始める瞬間を描く。 テーマとなる事象は多岐にわたり、 伊与原新さんの専門分野以外のことも出てくる。例えば、ウミガメとか陶芸とか。 舞台となる土地も北海道から四国山陰地方まで様々。地域の事、方言などもしっかり 学ばれたのが良くわかる。 ちょっと、家族のことが心配で 気持ちがふわふわと落ちつかず なかなか本の世界に没入できないでいる私。 だから ガツンと「この人のこの台詞に グッときた!」「涙腺崩壊」みたいにはならず。気持ちが引き寄せられて苦しくなるようなこともなく。 そんな私でも 優しさで溢れた世界へ連れてってくれて、知らない科学の知識を教えてくれて、 やっぱり伊与原新さん、好きだ。 そして、藍を継ぐ海 というタイトルが好きだ。 改題前は遠い遠い海から、だったんだって!藍を継ぐ海は 愛を継ぐ海とかけてあるのかな? そして、愛って、近くで与えなくても大丈夫なのかも?信じていれば、自然と相手を支えることができるのかも? 私ももっと子供を信じてあげれば良いのかな?そしたら、自分自身にも愛情を感じられるのかな?ん?まずは自分を信じて愛することが先か。そしたら 目の前の子供達をもっと深く愛せるのか。 物理的な距離感ではなくて、心の距離が大切だな。 そんことを教えてくれた本でした。
22投稿日: 2025.09.02
powered by ブクログ普段なかなか着目することのないようなものがテーマになった短編集5編。 それぞれの話にドラマがあって知識のないことは勉強にもなった。 個人的にはオオカミ犬の話とウミガメの話が好きでした。
14投稿日: 2025.09.02
powered by ブクログ5編の短編集。 物語の舞台となっているそれぞれの地域の描写がとても丁寧に語られています。どの作品も「科学」を基軸に「時間」について考えさせられました。
16投稿日: 2025.08.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
著者作品は三作目。 いつもながらの短編集だが、ついに直木賞を受賞した本作。 でも、いつものながらに、登場人物に悪人はいない。これも著者の持ち味か。だからこそ、安心して読める。 表題作から読んだ。 四国は徳島の、ウミガメの産卵地を舞台にした少女の物語だ。著者お得意の地球惑星科学の知見は、生まれたばかりの子ガメが遥かカリフォルニア沖の餌が豊富な海域を目指せるのも、母浜回帰を果たすのも、地磁気を頼りに方位を感応しているとう話あたりに活かされているか。そのほかにも子ガメの放流会といったかつては心温まる個体数保護のための活動が今では、やってはいけない行為とされているなど、生物学的な知見による最新事情も知ることができる。科学に根ざした筆致は相変わらず面白い。 その他の4篇も、萩焼をモチーフにした「夢化けの島」は、地質学の話と茶器の歴史が絡む、生物学や進化や種の存続の話にまつわる「狼犬ダイアリー」は我が故郷奈良の山間部でのお話で面白かった。長崎を舞台にした「祈りの破片」は原爆のお話。戦後80年の今年に読むにはふさわしい内容。放射線や爆発の熱線で建造物がどのような影響を受けるかの研究は、これも著者の得意分野に近い話なのかもしれない。そして「星隕つ駅逓」は隕石のお話で、これも地球惑星科学の知見が活かされてるのではと拝察する。北海道の遠軽を舞台に、アイヌとの関りにも触れる。 本書に収められた5編はどれも地方の風習、文化、自然にまつわるお話だ。過去作も、西に東にひろく地域をまたがっていたかもしれないが(上手に関西弁を操る登場人物がいたことは覚えている。著者は関西人だ)、本書は特に地域をまんべんなく北から南、東、西と描き分けていると感じ、バリエーションが豊かと感じた。方言も使い分けている。 そんなバラエティに富む短編集だが、共通しているのは表題ともなった作品のタイトルにある「継ぐ」という言葉だろう。 萩焼の物語は、先祖代々の作陶の技、気構えを今の若者が取り戻そうとする。ニホンオオカミの血が、今もまだ脈々と日本犬、あるいは狼との交配を果たした狼犬の中に残るとして物語を紡ぐ。原爆投下後の長崎市の惨状を後世に語り継がんとした努力と、隠れキリシタンの頃から繋がるキリスト教の伝統にも触れる。入植者とアイヌの交流の歴史、日本の逓信制度の歴史も語り継がんと北海道に隕ちた隕石にちなんだ地名がアイヌ語で残されているという謎解きを展開。年々、ウミガメの回帰が減り、出産地の砂浜が減少している近年の日本の沿岸開発ではあるが、遠い将来、また以前のような美しい砂浜が戻るのではと未来へと思いを繋いでいく。 どの物語にも「継ぐ」の思いが込められていると感じた。 著者は、どこからこうした個々の物語の着想を得るのだろう。科学的知見か、あるいは地方行脚の賜物か? 萩のジオパークに行ってみて萩焼を特徴づけている見島土の存在を知ったのか、地質学者の研究を元に長崎の原爆にまつわる物語を紡いだのか、北海道の過去の逓信制度と遠軽隕石の展示パネルの「ノチウナイ」の意味(アイヌ語で「星の川」)、どちらを知ったのが先だったのか? それらを、どう有機的につなげ、科学の知見を加えた物語として昇華させていくのか、著者の構成力の巧みさに感心しながら読み終えた。 長編は書かないのだろうか。いや、このスタイルをどこまでも貫き通しても良いのかもしれない。面白い。
2投稿日: 2025.08.29
powered by ブクログウミガメの産卵といえば日和佐。以前に徳島に住んでいたことがあって行ったこともあるが、姫が浦はどこだろうと思ったら架空の土地だとか。でもこんな場所にこんな物語があっても不思議はないリアルな風景が見えるタイトルの小説。 藍を継ぐ海という話だけでなく、5つの短編はそれぞれにその地にあったらいいなの話を、そこの景色の中でそこに住む人たちの生活や姿を見せながら大事なものを教えてくれるようなストーリーばかりだ。 殊更に伊予原氏の小説は科学の知識のことが取り上げられるようだけれども、どのストーリーの中心には土地と人と景色がある。それを丁寧に書くために少し地学や宇宙の知識を使っているというところ。話の組み立て、展開、登場人物、どれを取っても、きちんと見つめてその姿を描いていると思わせる傑作ばかり。本当に心に響く小説を書く人だと思う。
23投稿日: 2025.08.28
powered by ブクログ科学の描写が深まるほど、人の温かさが現れるのは初めての感覚! 難しい内容もわかりやすくて、もっといろんなことを知りたくなる。長崎の話と隕石の話が特に好き。
12投稿日: 2025.08.28
powered by ブクログ直木賞受賞作。科学ってこんなに身の回りにあるんだということを感じる本。長崎の原爆についてのお話「祈りの破片」が印象的だった。優しい文調でつづられていて心に沁みた。
3投稿日: 2025.08.26
powered by ブクログ夢化けの島 狼犬ダイアリー 祈りの破片 星隕つ駅逓 藍を継ぐ海 の5本立て作品。 藍を継ぐ海が直木賞受賞とのこと。 藍を継ぐ海が改名前の遠い遠い海から、だったら受賞してたかしらん、なんて考えてしまった。 名前って大事。 感想としては、フィクションといいながらもしっかりとした事実の裏付けの土台があるのでどの話も全てストーリーにおいてしっくり来る。違和感を感じるとしたら人物描写のほう。 博士課程を取った人の小説はかくもファクトに基づいて作られるのかと思いました。こういう自然科学的ベースを持った人の小説は今の日本においてめちゃくちゃ貴重なのは間違いない。 たくさん色々な分野について書いてほしいです。
3投稿日: 2025.08.24
powered by ブクログ陶芸や狼、岩石、隕石、ウミガメを題材とした短編集。各題材について自然科学系の専門性も反映した書き振りが斬新に感じた。同著者の長編作品も読んでみたくなる一冊だった。
1投稿日: 2025.08.18
powered by ブクログ「藍を継ぐ海」の表題作他4つの中篇小説からなるこの本。どの作品も科学や自然の詳細な知識を織り混ぜながら、普遍的な人類の成長や社会の通念に対して疑問や課題を登場人物に投影させ、読者に新たな気付きや将来への希望や作者のメッセージを抱かせることが自然で見事でした。読後は、夜明けの砂浜の波打ち際にいる気持ちになりました。
1投稿日: 2025.08.18
powered by ブクログ読み始めは今までの作品とは違う?と引っかかりがとてもあったが、やはり読み終えて満足! 知らない分野、知識が盛り沢山で、どれも独語があたたかい気持ちになるのがやはりこの作者の良きところ 5つの短編、 萩焼と見島の土、吉野村の日本狼と犬の話、長崎の空き家問題から原爆の瓦礫、北海道の駅逓、隕石と地名、アイヌと郵便の話、徳島県姫ヶ浦の海亀の産卵、 どれをとっても科学につながる地質や動物、岩石、隕石などなどとても興味深い。 作者の思惑通りに、科学に興味を持ってしまう! 小学生や中学生など早い段階でこの本に出会うといいかも。5つ、どれもよかったなぁ〜 夢化けの島 一楽、二萩、三唐津 長州藩の藩祖、毛利輝元が朝鮮半島から連れてきた陶工に窯を開かせたのが始まり 侘び茶のために生まれた焼き物、土味を活かした特徴 枇杷釉で仕上げた、枇杷色の茶碗が代名詞 主原料は大道土、山口県南部、防府市台道周辺で採れる白色粘土 次は、金峰土みたけつち、萩市東方金峰で採取、白 粘り気がなく単独では原土にならず、耐火性を高めるために混ぜて使用 最後、見島土、赤い粘土、器に味を与える、侘びた土味を表現 開祖は李赤光/りしゃっこう、弟の李敬りけいと共に秀吉の朝鮮出兵時に日本に連れてこられた 『萩の七化け』使っていくうちに茶碗の色合いが変わっていくこと、貫入という釉薬のヒビから茶が器に染み込み、様々な風情が化けて味わいが増す 毛利藩、御用窯の一つ、坂窯、三輪窯、林窯 狼犬ダイアリー 奈良の東海吉野村はニホンオオカミが命じ時代、最後に捕獲された場所 全ての犬の祖先は、タイリクオオカミ ユーラシア大陸のどこかで一部のオオカミが家畜化され、世界に犬という亜種で広まる。 人間の狩を手伝いながら家畜になっていった 『送り狼』ニホンオオカミは、自分の縄張りに侵入してきたものを追跡して監視する習性からの言葉、現代の意味とは本来違う 星隕つ駅逓/ほしおつえきてい 石質隕石には、コンドリュールという球状の粒が含まれ、数ミリ以下、隕石の母体であ?小惑星が成長する前、太陽系が生まれた46億年前に形成されたと考えられている、つまり、隕石は原子太陽系の情報を保持している 藍を継ぐ海 徳島県では藍染が盛ん、「阿波藍」タデアイという植物から作る染料、蒅/すくもの産地は吉野川流域で、阿須町にも工房あり 親潮は栄養分が多い、プランクトンが多く、潮の色は緑、茶色。黒潮は栄養が少ない分、透明度が高い青黒く見える ハイダ族、カナダの西岸、ハイダ・グワイ「人々の島」という意味、トーテムポールの本番
4投稿日: 2025.08.17
powered by ブクログタイトルの短編を含んだ短編集。原爆でなくなった長崎の教会の話、隕石の話、ウミガメの話など、色んな角度から科学?理科?って面白いなぁと思えた本。1番始めの萩焼のお話は高校の時に地学が面白いと思った気持ちを思い出した。どれも心が温かくなるお話だった。
1投稿日: 2025.08.14
powered by ブクログ祈りの破片がよかった 陶芸や隕石など史学っぽさや科学の話が沢山出てきてわくわくした 私も隕石拾ってみたいしニホンオオカミにうっかり出会ったりしたい 最終話は物語感強めだがタイトルお気に入り⭐︎ 黒潮は栄養が少なく、藍色に見える 人間らしい内面だけでなく科学や自然が織り込まれていて、楽しく読み進められるタイプの描かれ方 またいつか読みたい!
1投稿日: 2025.08.13
powered by ブクログ普段、短編集はあまり読まないのですが、居住地のお隣りが物語の舞台になっているということで興味を持ち、手に取りました。 山口県 萩焼 奈良県 狼犬 長崎県 原爆 北海道 隕石 徳島県 ウミガメ どの作品も、その土地の昔からのいわれや歴史が描かれていて、ちょっぴり「知ることが出来たぞ」気分になれました。 そして、作品ごとの科学的題材についても詳しく書かれていて、どちらのこともとても奥が深いことを知れました。 そして作品は、綺麗で優しくて、読んだあと笑顔になって勇気をくれるストーリーでした。 良かったです。
30投稿日: 2025.08.13
powered by ブクログ5つの短編集。 図書館で予約していて、ようやく順番が回ってきた。あまり期待していたものではなかったが、一昨日の8/9に3つ目の「祈りの破片」を偶然読んだことに驚いた。そういった意味では忘れらない作品となった。
10投稿日: 2025.08.11
powered by ブクログ短編集。どの作品も明日に向って踏み出す力強い一歩を感じることができた。特に、戦後80年の今、「祈りの破片」を読むことができたのは、何か意味があるのではないかと考えたり、戦争と平和について考えたり、いつも以上にゆっくり丁寧に読むことができた気がする。
15投稿日: 2025.08.10
powered by ブクログ直木賞受賞作ではなかったか? あんまりおもしろくない。 この著者は、デビュー作の『お台場アイランドベイビー』が秀逸。
0投稿日: 2025.08.08
powered by ブクログ第172回直木賞受賞。短編集。 「八月の銀の雪」もそうだけど、、短編はあまり合わず。 「宙わたる教室」が好きだっただけに。 でも、いつか「月まで3キロ」も挑戦してみたい。。
0投稿日: 2025.08.06
powered by ブクログ科学の視点⁉︎学べたし、興味持てました‼︎ 一話目 夢化けの島 タイトルが、なんともですが。 すぐに引き込まれまして。 見島の成り立ち、マグマ、溶岩、ピクライト質玄武岩…。 と、萩焼の林窯…。すでに、ロマン。 もっと、読みたい、続くと思っていたら…。 短編集だと気がつきました。 二話目 狼犬ダイアリー このタイトルにも、チトついていけない… 狼混と、紀州犬。患畜。 三話目 祈りの破片 このタイトルは、まぁまあか、と。 泣く。「えすか家」長崎の空き家町営住宅での… 被爆した瓦礫の収集その意味。 〜この小さな生命でさへ、熱線に焼かれる刹那、ここに自らの影を残したのだ。〜 四話目 星隕つ駅逓 このタイトルはいい。書き出しも好き。 北海道遠軽野地内。アイヌ、開拓団、駅逓、郵便局。 〜入植者はアイヌの知恵を借りて生き延びたんだ〜 〜アイヌ語で『ノチウ』は『星』、『ナイ』は『カワ』だ〜 五話目 藍を継ぐ海 このタイトルは好き。待ってましたの最終話。 黒潮のこと 濃い濃い藍色の大きい大きい川。 徳島 姫ケ浦 アカウミガメ ボディピット、ヘッドスターティング、地磁気。 『母浜回帰』 ALTの先生 ビーチコーミング、ハイダ族。 〜サケが森を作る〜 テーマは伝わりますが。もっと、もっとと、思ってしまいました。 身近かな岩や、原住民、ウミガメに興味あったので。 ちょっと刺激されまして、扉開いた感じ。
7投稿日: 2025.08.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
第172回直木賞受賞。 歴史や文化や科学、、、、そういう人類と地球の相互関係を描いてるお話は、なんというか切なくて、その切なさがたまらなく良い。 胸の奥がきゅーっとなる。 特に最後の話『藍を継ぐ海』素晴らしく響いた。 ウミガメを待ち続けるのは自分じゃなくても良い。 みんな好きな場所で生きたら良い。 直木賞って感じのする小説。 短編連作で読みやすいし、かつ読みごたえあった。
0投稿日: 2025.08.03
powered by ブクログ直木賞受賞作。科学をベースとした物語ということと、各地の方言のため、ちょっと読み進めにくいかな?と思う部分もあった。 大切な何かを受け継ぐ人々の5篇の物語で、特に「祈りの破片」「狼犬ダイアリー」が良かった。 祈りの破片は、地質学者の活動に着想を得たものがベースになっているようで、原爆投下直後の広島でたった一人、瓦や岩石などの被爆資料の収集、調査を始めた方がいることに驚いた。
16投稿日: 2025.08.02
powered by ブクログゆっくり、ほっこり、ふわーのしながら読みたい短編5編 伝わるかな? 科学的な側面から、さまざまな事柄に対して登場人物が思い悩み解決していく。 へーそうなんだぁ、っ感じの知識が詰まってる。科学的知識が増えていく。 ワクワク、続きが気になる!というタイプの話では無く、ふむふむと読み進める感じでした。 原爆の話はいつでも泣けてくる。
5投稿日: 2025.08.01
powered by ブクログ科学のトッピクスをベースに、ええ話を集めた短編集だ。面白く読めるが、ええ話過ぎてちょっと物足りない。 ただ、それぞれのお話の舞台に行きたいという衝動がムクムク生まれる。特に萩焼にかかる物語、『夢化けの島』の舞台、見島にはいってみたい。旅心をくすぐる一冊だった。
0投稿日: 2025.08.01
powered by ブクログ「藍を継ぐ海」(伊与原新)を読んだ。 どれもこれも泣きそうなくらい素晴らしい五つの物語が詰まった珠玉の短編集。 どの物語も読後感が素晴らしくかつ余韻が深く濃いのだよ。 どう物語を閉じるかのそのバランス感覚が素晴らしいんだと思う。 そこで終わるのではなくてその先の物語の続きが読者の頭の中に広がって行くんだな。 専門は地球惑星物理学という理学博士って、もう天は二物も三物も与えちゃってどうしてくれんだよ。 素敵な本に出会えたなって素直にそう思えるよ。
11投稿日: 2025.07.31
powered by ブクログ短編5話。それぞれ別の、自然科学のトピックを物語の題材に据えています。 なので毎話、何らかの専門知識を持って何かに打ち込んでいる、という魅力的な人物が登場するし、ただの小説としての面白みだけでなく、知らなかった知識を知るという楽しみもありました。
0投稿日: 2025.07.31
powered by ブクログ静かに流れていくような展開の短編集。 陶芸だったり、狼だったりのモチーフから広がる繋がりや風景がなんともいえず良かった。
16投稿日: 2025.07.30
powered by ブクログ遠い古来から引き継がれたもの、そして引き継がれていくもの。その土地、土地にある古い歴史というか守られてきたもの。全体的にそういう厳かな、静かな壮大なものを感じることができた。
19投稿日: 2025.07.30
powered by ブクログ伊与原新さんの作品を初めて拝聴。 5篇からなるお話で、陶器、狼、岩石、隕石、海亀がそれぞれてーまとなり、各編の悩みを持つ主人公がそれぞれのテーマのモノを通じて悩みが解決していく。 どのモノも細かな情報が盛り込まれており、普通に勉強になる。 話の展開自体はさほど心に迫ることはなかったが、しんみり、ほっこりするような結末で、ゆっくり夜に読むと良さそうな短編。
15投稿日: 2025.07.29
powered by ブクログオーディブルで拝聴 日本各地の田舎を舞台にした短編集。 特に山口の萩焼の話と奈良のニホンオオカミの話が良かった。行ってみたくなる。 本を買って活字で読みたくなった。
1投稿日: 2025.07.28
powered by ブクログ直木賞の表題作を含む五つの物語。各物語に或る場所とモチーフがある。登場人物の物語もあるが、それが霞むほど場所とモチーフの記述が充実してる。"取材"と言うより"研究"に近い。"研究小説"と呼べそうだ。
1投稿日: 2025.07.27
powered by ブクログ直木賞受賞作品。理系の部門からの短編小説。「宙わたる教室」からの筆者ファン。天文に限らず幅広いテーマ。 地学と萩焼、ニホンオオカミ、原爆、隕石、ウミガメ。5つの短編いずれも仄かな感動がある。
1投稿日: 2025.07.26
powered by ブクログ「祈りの破片」に涙した。「星隕つ駅逓」にも通じることだけど、金になるどころか出費がかさむけれど、好きでやらずにはいられない人たちの情熱に圧倒される。知恵や知識のある人たちが、今後のためになにかデータを残さなければいけないと、誰に頼まれるでもなく自発的に動き出す。こういう積み重ねが今に繋がっているのかと思うと畏敬の念を抱かずにはいられない。 「狼犬ダイアリー」の送り狼の本当の意味を知り、ほほぅとなった。
5投稿日: 2025.07.26
powered by ブクログ伊坂幸太郎さんの『パズルと天気』に続き、短編集をチョイス。何気に伊与原新さんは初読み。 何作かあると、評価しにくいのも、パズル〜の通りだが、なんとなく全作通して、やや印象に欠けるというか、薄味なような気もする。 さすがに直木賞作品だけに、選考員の選評を読めば、理解できていない良さは分かると思いきや、絶賛寄りなものが目立ち、これが合わないということか、、と深く思い知らされる。そんな中でも、浅田次郎さんの選評が一番自分の感想に近く感じたので、抜粋させていただく。 「受賞については異論がない。しかし読みおえてみると、公式通りに書かれた同工異曲のように思えた。それこそ海や空のように自由な物語を、わざわざ小さな箱に入れて並べたような気がしたのである。文学の使命は真理の探求ではない。百人百様の海や空を書くことである。」 次回は、別の長編作品にトライしよう。 ★3.0
152投稿日: 2025.07.26
powered by ブクログ著者の専門知識をベースにしたリアリティが素晴らしかったです。個人的には夢化けの島がいちばんのお気に入りです。
45投稿日: 2025.07.25
powered by ブクログ短編集は苦手だけど、どれもほっこり系のいいハナシだった。 しかし、特にこれといった事件もなく、オチらしきオチもまたしかり。 そういうはっきりしたものを読みたい方にはお勧めできない。 旅っぽい感じなので、旅行先なんかで読むにはいいかも。
2投稿日: 2025.07.24
powered by ブクログ読書備忘録932号。 ★★★☆。 「宙わたる教室」が良かったのでちょっと期待してしまった分辛口評価になったか・・・。 短編集。それぞれの物語は長編にするには弱いので短編が最適だと思うのですが、その分心打つ、とまではいかなかった。 【夢化けの島】 主人公、久保歩美。大学の地質学助教。 山口県萩の見島という島の地質調査をコツコツと進める。ほんとうにコツコツと。 大学教授からは、「あまりにもコツコツ過ぎる。もっと派手な研究テーマに変えて予算を取って来い!」と。 そんな苦しい歩美は見島で謎の男に出会う。 萩焼の今は無き家の末裔・・・。幻の萩焼の窯を探して。 ゆっくりゆっくり焼く萩焼と、自分のコツコツ研究を重ねて、自らの道しるべとする。 【狼犬ダイアリー】 主人公、フリーランスのWebデザイナー、まひろ。 人間関係などで病んで奈良の山奥、東吉野に。 フリーランスと言えば聞こえが良いが、何も実績がない。 とある深夜、オオカミの遠吠えが? オオカミ⇒犬⇒オオカミ犬? ペットの犬が孤高のオオカミ犬に? 社員のWebデザイナーがフリーランスに。 負け犬からの脱却の道しるべとする。 【祈りの破片】 主人公、長崎県彼杵地方の長与町職員、小寺。 地方公務員の仕事。マニュアルのない仕事にうんざり。 いわゆる空き家問題。処理はそう簡単ではない。 自治体の権限で取り壊すにはいくつものハードルがある。 とある空き家。 空き家の中には溶けた食器とか、破片とか。 長崎の原爆投下の遺物か?当時残留放射線の影響も分からない中、手探りで遺物収集した人物がいた。 空き家には物語があった。手探りで丁寧な仕事が求められる。 自分の仕事はそれをマニュアルにすればいいのだと、道しるべとする。 【星隕つ駅逓】 北海道旭川の片田舎、遠軽。 郵便局職員の信吾。妻の涼子は身重で旅館のバイト。 遠軽に隕石が落下したとの情報。 日本流星ネットワークの北海道支部長が落下した隕石を探しに涼子の働く旅館に。 話は変わって、涼子の父が働く郵便局が閉鎖に。めっきり元気を無くす父。荒廃していく実家と父。 そんな時、涼子は隕石を見つける!発見された隕石の名前には郵便局の名前が付くという都市伝説? 父に元気になってもらうために取った涼子の行動は。 ホッコリ。 【藍を継ぐ海】 四国姫ヶ浦。アカウミガメの産卵地。 主人公の沙月。じいちゃんと暮らす。 姉の未月とは父親が違う。 母親は沙月が生まれてすぐ自分たちを捨てて東京へ。そして自殺。 ウミガメが地磁気で方向を間違えない、故郷を間違えない、途方もない年月を掛けて大洋を渡る。 おいていかれた子亀と自分を重ねて。 どれもこれもジジイの心には響き具合が弱く微妙。 まあ、それも良し。
57投稿日: 2025.07.23
powered by ブクログ短編の全てがニッチよりの内容で、ゆえに引き込まれるものがなく、特段の印象残らずに読了してしまった。タイトルになってる短編だけでもと最後まで期待を持っていたが。狼の話、隕石の話、カメの話、、等。強いて言えば隕石かな。
1投稿日: 2025.07.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
佳作五篇を収めた短編集。良心的ないい話ばかりである。科学・歴史・地誌などの事実に取材し、それを軸に物語を紡いでいる。どのテーマも作者の内奥に由来しないゆえに、啓蒙的で説明が主になり、行儀の良い予定調和な小品ばかりという印象を抱いた。その中で、心に残ったのは「祈りの破片」という長崎の原爆がテーマの作品だった。 本書全体では、ヤングアダルトの課題読書になら推したい本である。
2投稿日: 2025.07.23
powered by ブクログ直木賞作品と聞き、あらすじも何も知らずに図書館で予約したものが半年でようやく回ってきた。(ちなみについ最近発表された芥川賞・直木賞に至っては該当作品がなかったとのこと…!ということは、賞に選ばれたこの本はよほど良い作品だということだろう) 筆者さんにピンとこなかったのだが、『宙わたる教室』の方だと分かり、面白さを確約されたようなワクワク感を抱きながら読んだ。 複雑な感情を抱き、ちょっぴりくすぶっている主人公が、自然豊かな田舎町である出来事に出合い、向き合ううちに前に進む勇気を得る短編集。 主人公が前を向くシーンで、私も元気を分けてもらえた気がした。 狼犬ダイヤリーのタイトルの意味が分かったとき、ああ、いいなあと思った。 彼女がいまの私にいちばん似ている気がしたし、最後の文章は私がいまいちばん欲しい言葉だったかもしれない。 「もちろん、こんな自分がたくましいオオカミに生まれ変われるわけはない。かといって、会社の犬に戻って群れの中で競い合ったり、飼い主のご機嫌をうかがったりして生きるつもりもない。 ではどうするか。わたしはここで、狼混として生きてみることにしたのだ。 ひ弱で日和な狼混で構わない。一人でいたいとき、いるしかないときは、孤高のオオカミに。そして、寂しくなったり、何かに行き詰まったりしたときは、従順な犬になる。鼻を鳴らして誰かに甘え、頼るのだ。そんな風に都合よく思い込めばいいと思うと、何だかとても楽になった。」 完璧に強くならなくてもいいのだ。 わたしも狼混でありたい。
5投稿日: 2025.07.23
powered by ブクログaudibleで聴終。作者の大学時代の専攻は地球惑星物理学だったそうだけど、なんかのインタビューでその関係で地質学をかなりやったと語っていた。この5つの短編集には、地質学の専門知識を存分に活かした物語が3つ展開する。最終章では地球物理学さえ関係する。しかし勿論、科学の専門知識は物語の導入部に過ぎない。過ぎないけれども、物語の核心を支えている。 「夢化けの島」 幻の萩焼を保証する見島の赤土を探している男が登場する。土じゃないだろ?昔の焼き物を知るためには、先ずは窯の跡を見つけて、破片を見つける方が先だろ?とずっと突っ込んでいたら、最後に男は採土跡の隣に窯跡を見つけ、そこで幻の破片を見つける。知ってたんかよ。 大学のサークル合宿の帰りに、萩で買った500円の萩焼コーヒーカップを、15年間使い回して「七化け(色合いの変化)」させたな、と懐かしく思い出した。 「狼犬ダイアリー」 吉野の山奥。えっ?もしかしたら日本オオカミの生き残りが出てきた?という話。確かにこういうこともあり得るかもしれない。 「祈りの破片」 長崎の被爆瓦礫の話。どんなかたちにせよ、「遺物」は多くのことを語る。 「星隕つ駅逓」 北海道。隕石とは「隕(お)つ石」という意味だったのか。とても暖かいラスト。 「藍を継ぐ海」 卵を人口孵化させてウミガメの放流会をすることが、今では最もやってはいけないモノなっているとは知らなかった。ウミガメの磁場感知能力が壊れるからなのだそうだ。徳島の海岸。 科学は嘘をつかない 科学は永遠を見つめる 人間は嘘をつく 人間は価値を創造する
172投稿日: 2025.07.23
powered by ブクログそれぞれの作品がきらりと光る、珠玉の短編集。さすが直木賞受賞作です。科学的知識に基づく話の組み立て方から、やはり理系の経歴の著者は詰めに隙がないと感じました。方言の使い方とか、地方の伝承話とか、とにかく圧倒された。あと書きにあるように、地道にその道の権威に裏どりをして書いているんですね。すべての作品の完成度が高く、とても満足ゆく読書経験でした。
3投稿日: 2025.07.22
powered by ブクログそれぞれの短編のテーマが好みにあいました。知識がなくても読みやすいです。 各編のタイトルの付け方が素敵だなぁと感じました。
2投稿日: 2025.07.20
powered by ブクログ郷土の歴史に神秘が詰まっていて面白かった。一見冴えない主人公たちが、地域の謎に魅了され、人としても何かを振り切って進んでいく姿に勇気をもらえた。
9投稿日: 2025.07.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
伊予原新さんの評判の良い本だったので予約してオーディブルで出てすぐに聞いた。 それぞれはよい。特に1話、最終話が良かった。 でも★3つなのは、私が短編があまり好きでないことなので気にしないでください。
5投稿日: 2025.07.19
powered by ブクログ独特な生き方をする5篇からなる短編集。 決して苦手な文章ではないのだけど、ただの相性なのか、理由はよく分からないのだけど、肌に合わず、物語が全然私の中に入ってこなくて、ただすり抜けていくだけで、最後まで心に留まるところがなかった。
4投稿日: 2025.07.18
powered by ブクログ短編集だけどそれぞれのテーマが独特かつあまりメジャーじゃない分野で面白い。目の付け所がいかにも理系。専門的過ぎない専門性とリアリティのさじ加減が絶妙で、ちゃんと人間ドラマにつながっている。 読んでる途中で「え?そうなの?」と思って調べてみたこと(隕石の名前について)があったんだけど、それはデマって書いてあって、「おいおいデマらしいじゃん。この話大丈夫?」と思ったらちゃんとその後デマって流れになってて面白かった。泣けるしね。 それぞれの話が完全に独立してるのがちょっと残念。
3投稿日: 2025.07.16
