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透明な夜の香り
透明な夜の香り
千早茜/集英社
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総合評価

452件)
4.2
174
184
70
8
0
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    どんな香りも記憶に永遠に残る それはどんだけ残酷な香りでも… だから、過去を振り返ってしまう こともあるだろう。。。 それでも、命ある限り時には その香りから縛れないように 進まないといけないと思いました。

    14
    投稿日: 2025.06.04
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    あらすじに惹かれて衝動買いしました。世界観がジブリっぽくてとても好きで、朝に何度も繰り返し読んでいます。綺麗な香りや悲しい香りを想像しながら読むのが楽しくて夢中になりました

    2
    投稿日: 2025.06.01
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    嗅げば募る場合もあります。 それが強い欲望であれば、あるだけ。 抑止力にはならない可能性もあるんですよ」

    0
    投稿日: 2025.05.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    書き出しも好き。 一香ちゃんと、紺色の声の朔さんとの出会い。 にくめない、新城もか…。 公園でよく目にしていた可愛いモッコウバラの漢字『木香薔薇』が出てきて、俄然好きプラス。クリムゾンスカイ。 音がなかった。 音を感じるコトができてから、加速して。 支給されるお化粧系のモノ。 そして、美味しそうな手作りモノ。 苺とミントのスープ。ミントの種類。 薔薇のジャム。烏龍茶と金木犀の花のジュレ。 ケチャップも作ってた。 源さんの手が入る素敵な庭、森⁉︎ トマトが一年草ではない? ジュニパーベリーなやバスオイル 匂いのお話 なんといっても嘘の匂い 〜香りは永遠に記憶される〜 〜香りは再起動のスイッチ〜 盲目の老婆ミツコさん 〜新しいものは面白いじゃない〜 木場刑事と蝶の匂い 執着と愛着

    1
    投稿日: 2025.05.25
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    装丁が好みでジャケット買いした作品。静かで丁寧な描写が印象的だった。 香水好きなこともあり、文字から匂い立つような印象を受けた。ラストが安直じゃない点もよかった。 一香の料理スキルが高すぎることに違和感を覚えた。いくらレシピがあるとはいえ、ハーブをふんだんに使用し、扱いが難しい鋳物鍋を使って料理するなんて、相当のスキルが必要なのでは…

    3
    投稿日: 2025.05.24
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    【5.0】どこか別の場所に行ける気がする素敵な本 とても綺麗な文章と時々ある重たい内容だ。言葉にも重みがあり全体としてまとまっている このタイトルがピッタリだと思います。

    0
    投稿日: 2025.05.23
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    空気中に漂える本 生き物に対して大胆で繊細な表現。嗅覚について特異的に表現する物語だが、他の感覚について厳かにせずここまで色彩や温度感を大切にし表現しているのが好き。 満員電車で読んだからなのか、視覚が本に奪われているはずなのに、嗅覚が冴えさまざまな香りをキャッチしてしまう。 見え過ぎるということは、無意識のうちに人を傷つける。自覚がないからこそ、加減もわからない。ただ事実を述べただけなのに完全に悪と捉えられる。 心の開き方は、言葉選びに多いに出る。2人の掛け合いが肌に馴染む。 「香りは脳の海馬に直接届いて、永遠に記憶される」私が昔欲しかった匂い付きのシールも、共に育った愛犬も、お婆ちゃん家の匂いも永遠に忘れないでおけるんだと思うと心が躍った。 きっと人の美しさもこうだって形があるんだろう。朔が連ねる言葉を美しく感じる。大きく定義するのではなく、ただ寄り添うような。全てが温かい温度を感じるわけではないが、冷たいわけじゃない。 会いたくないけど会いたくなる物語。読むたびに温度感が変わる気もするけれど、嚥下スピードは変わらずいられる。吸い込めるだけ吸い込んでください。

    1
    投稿日: 2025.05.23
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    2025.5.22 数年前に購入し、これまで2度序盤で読み止めてしまっていたが、3度目の正直で読んでみると意外とスルスル読めた。 物語に温度があるとしたら、その温度感がとても心地よく、静かで、美しい話だった。 -----メモ ★×1 好きじゃない ★×2 あまり好きじゃない ★×3 まあまあ ★×4 結構好き ★×5 大好き

    0
    投稿日: 2025.05.22
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    一度目よりも二度目に読んだときのほうがグッと惹かれました。 私は千早先生の「淡々と」した文章表現が好きなのですが、今作の主人公はその文章にピッタリとはまっていました。 主人公が特殊な空間で、特殊な空間なりの日常を丁寧に粛々と過ごしていく姿は、ザワザワした心をリセットしてくれました。 もちろんそれだけじゃない、優しさや正しさを追求しない千早先生ワールドもあり、楽しめました。 私にとって本作は、面白くて興奮して一気読みしたくなる作品というよりは、人生のそばに静かに寄り添ってくれてふとした時に立ち寄れるそんな作品だと思います。

    4
    投稿日: 2025.05.22
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    私の心の中の森はどんな香りがするんだろう 私の海馬にはどんな香りたちが閉じ込められているんだろうか ずっと優婉な日差しの中にいるような本だった 私のスイッチとなる香りはもう5年同じ 私はこの本をラブストーリーとしてカテゴライズしたい

    0
    投稿日: 2025.05.21
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    穏やかで、穏やかすぎて読んでると眠たくなった、、、感情移入はしにくいかなぁ 情景の描写が丁寧。ただ、シンプルに自分の知識不足だけどハーブとか匂いに詳しくなくてあまりイメージがわかなかった。

    0
    投稿日: 2025.05.15
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    匂いをテーマにした物語 朔さんの静かだけど深い何かを感じさせる人柄に引き込まれた 嗅覚が優れ過ぎてるってどんな感覚なんだろうか 千早さんの作品はこれで2作品目だけど、どちらも言葉が綺麗で色や香りが浮かんでくる様だった

    1
    投稿日: 2025.04.27
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    「逃げてはいけない、なんて道理を聞かなくてもいいよ。そんなのは、人を殺す正義だ」朔さんの言葉に救われる人がたくさんいると思う。 とても大好きな本に出会えた。花と草木と食べ物と記憶の匂い。夜の香り。自分の思い出の香りも思い出した。 紺色の声の朔さんがあまりにも魅力的。暗い部屋で静かにお酒を飲みながら話をする二人が美しくて美しくて。朔さんと一香ちゃんの言葉に表せないような素敵な関係性。 源さんのあったかさも新城の軽やかさも全部魅力的。私も森の中を抜けてあのお屋敷にいきたい。

    0
    投稿日: 2025.04.26
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    調香師のお家に家政婦に行くようになった一香。自分の五感と感情をフルに使って香りを操る朔。ミステリアスな感じがまたいい雰囲気と情景が出てる。私も嗅覚が利くのですごくわかる部分もあった。

    11
    投稿日: 2025.04.20
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    朔が好き。 あーでも、会ったら臭いとか、、、、 違う、 なんか臭う。くらいの感じで言われそうだからやだなー。

    0
    投稿日: 2025.04.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    名前だけ見てふわふわとした幸せな感じの話なのかとか思ってたけど結構残酷な重さのある話だった。後半の朔さんと一香の友情以上愛情未満の感じのなんともムズムズするような感じとても追い討ちで喰らった、、人は五感では嗅覚である香りや匂いを1番最後に忘れるそうですが、その嗅覚を研ぎ澄まされた朔さんの「忘れたくないのに忘れてしまう」の逆「忘れたくても忘れることができない」もまた辛いんだなと思いました。色々、その辺は切なくなったなぁ、、続編も、気になるので読みたいなぁ〜

    0
    投稿日: 2025.04.16
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    香りの描写が本当にリアルで、読んでたら五感が刺激される本でした。千早茜さんの本は出てくるご飯も本当に美味しそうでそこもやっぱり魅力的です。朔さんと一香が穏やかだからか、辛かったり苦悩もあるはずの人生に触れる小説だけど、終始穏やかな気持ちで読めました。

    7
    投稿日: 2025.04.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自然体の文章なのにめっちゃおしゃれ… 自分の感情と色と匂い 心のなかには森があるんですよ。 奥深くに隠すうちに自分も道に迷ってしまうんです。

    0
    投稿日: 2025.04.13
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    容易に綺麗な映像が脳内上映されるような文章で、終始ジ○リ作品を観ているような気持ちで読み終えた。 朝のシーンには今から始まる一日のワクワク感、夜のシーンにはひとりぼっちの寂しさと分かりたい相手のことを分かれない切なさが温度になって伝わってきた。お料理のシーンも香りのシーンも読んでいて楽しかった。

    0
    投稿日: 2025.04.12
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    文章が綺麗。 日本語ってこんなにも匂いを表現できる文章なんだって思った。 文章から匂いが伝わってくるような感じで読んでてとても気持ちのいい感情だった。

    12
    投稿日: 2025.04.12
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    まず内容云々以前に、文章がとてつもなく美しく、それだけで読むのが止められなくなるほど。 物語に登場するありとあらゆる香り。目には見えない香りを文字で表す、その表現力が本当に素晴らしかった。

    0
    投稿日: 2025.04.06
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    儚くて、危うい美しさをはらんだピュアなラブストーリー。 不思議な引力に吸い込まれたように、物語に惹き込まれて目が離せなかった。春に差す優しい光のように、儚くて美しいお話。 心が浄われるような読書体験。できるならもっとずっと、この物語の世界に浸っていたい。 出会えて良かったと心から思える一冊。 「永遠」という言葉の美しさと残酷さに思いを馳せてみるけれど、永遠を体験したことのない私は変わらない幸せを求めてしまう。

    25
    投稿日: 2025.04.02
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    とても美しい文章で静かな落ち着いた雰囲気を終始感じました。 香りの描写が多く、今までにない読書体験でした!朔や新城、源さんと魅力的な登場人物ばかり 一香の過去に触れる章や朔の幼少期の話、朔の人並み外れた嗅覚をもつ苦悩など胸が苦しくなるような話もありましたが、ラストはステキでした 続編も読んでみたい

    1
    投稿日: 2025.04.01
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    千早茜さんの作品を読むのは初めて! ずっと気になっていた作品が文庫本になっていたので読んでみることに。 言葉遣いがとても丁寧で、うっとりしてしまうほど美しい文章が癖になります。色々な香りをとても丁寧に表現していて、なんて素敵な文章なんだ!と頁をめくる手が止まりませんでした。爽やかなハーブの香り、綺麗な花の香り、時々「ウッ」となりそうな嫌な香りの表現まで。本当にその香りがするかのような、リアルな表現がとても素晴らしい。 調香師という職業も初めて聞きました。嘘の匂いがする、そんなこと言われたらドキッとしてしまうだろうな。読み終わった後の余韻がすごかった。 続編もあるみたいなので、それも読んでみたい。

    1
    投稿日: 2025.03.31
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    初、千早茜さん なんだか文章があまり頭に入ってこなくて、、なかなか進まなかった、、なんでだろう 香りとか、お花とか詳しくないからあまり想像できなかったのかな? 香りをつくる調香師 はじめて調香師というものを知った ほんとに嗅ぐだけで全てわかってしまうようなひとがいるのかな? 感情まで分かられてしまうのは怖いけれども 一香が、紺色の声、灰色の目、など色で例えるのが印象的だった 一香は兄を見捨ててしまったこと、朔は子供時代に親に捨てたられた過去、、ふたりとも抱えているものがあり、似たような雰囲気があるのかな 朔は、一香が変わってしまうのが怖くて手放してしまった、でも最後は変わってしまうかもしれないけれど、変化を受け入れる強さも必要なんだなあ 続編があるみたいなので、それも読みたい

    1
    投稿日: 2025.03.23
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    千早さんの作品は、神様の暇つぶしに続いて2作目。 この方の言葉遣い、表現が上品でロマンティックで大好きです。 嗅覚で世界を感じる朔さんに対し、紺色の声、灰色の目という風に一般的な五感を持った一香が色で朔さんを表現するのが印象的でした。 私の香りを探したくなりました。

    1
    投稿日: 2025.03.22
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    再読。 美しく丁寧な文章から、香りが漂ってくるような読書経験をした。 もう忘れていたと思っていた記憶が、匂いによって一瞬で呼び起こされるような経験を誰しもしたことがあると思う。人間の脳の海馬に記憶されているらしい。 朔さんのような特性を持っていたらすごく生きづらいんだろうな。 いい匂いだけでなく、負の匂いも嗅ぎ取ってしまうから。

    2
    投稿日: 2025.03.15
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    静かな空気が流れる中に様々な香りの描写があって、想像しながら読んだ。 嫌悪感がある匂いの描写を読んで「ウッ」となったり、ハーブなどの匂いの描写で爽やかな気持ちになったりした。 あとは、小川洋子さんの解説はやっぱり好きだと思った。

    1
    投稿日: 2025.03.14
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    調香師という職業に興味があって読んでみた。面白い。現実ここまで香りに敏感だと、嗅覚過敏?みたいなものだろうか。人と違うということは孤独だし、理解されにくい。続編もあるなら読みたい。

    0
    投稿日: 2025.03.14
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    私にも香りの経験があって、何年も経ったのに、ずっと忘れていたのに、その香りを嗅いでしまった時に全ての記憶が呼び起こされました。写真や物よりも香りは強い影響力があると思います。朔さんが本当にいたら、私も作って欲しい香りがあるけれど、それを手にしたら藤崎さんのようになってしまうのではないか、と思ってしまったり。

    1
    投稿日: 2025.03.12
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    読み終わるまで眠りたくないという小説に出会えたことが久々で、それがとても嬉しかった。天才とは孤独である、この一文の重みは最初から最後まで物語のベースにあるけれど、彼を真の孤独な男にしておかないことに千早さんへの信頼がうまれ、安心しながら読むことができました。続作があると聞き、とても嬉しいです。今日買ってきます。今すぐにでも読み始めたいくらい素敵な本に出会うことができました。

    0
    投稿日: 2025.03.11
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    ファンタジー感はあったけど、読んでる中で映像が頭に浮かんできてスラスラ読めた ありえない設定ではあるけど、人の感情の動きには現実味があって結構好きだった

    0
    投稿日: 2025.03.09
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    ⬛︎「香り」による、読む知覚体験 仕事を辞め引きこもっていた主人公・一香が、調香師の家へ家政婦として雇われ、不思議な出会いや出来事を重ねながら、社会復帰していくまでを描いた話です。 作中、調香師・小川朔の声を「紺色の声」と表現する一香。作風も「紺色」という表現が似合うような、どこか仄暗く静か。心の揺れといった機微には繊細に、物語は進行していきます。 調香師の朔さんは、匂いで世界を見る人。他人の体調や感情も匂いで繊細にキャッチします。彼の感じる「匂い」の世界は非常に高度で、その表現に自分の五感を集中させてイメージするも、やはり理解には及ばなくて。誰も理解できない孤独を感じてしまいました。 そんな人間離れした「獣」と表現される彼が、一香と過ごすうちに人間らしい感情を覚え変化していく様子もグッときました。(美容師とのシーンや、髪の匂いを嗅ぐシーンとか) 新城や源さんが作中登場すると雰囲気が明るくなって、なんだか安心感を覚えました。笑 雑に人を振り回していそうな第一印象だった新城が、実は朔さんに振り回されていたり。ギャップのあるバディ感が面白かったです。 洋館での食事や暮らしの描写も素敵でした。洋館の森のような匂いをイメージしては、ファンタジーな雰囲気に心が躍りました。 ー ただ、一香が仕事を辞めるきっかけとなった自殺した兄との関わりと、その過去はもう少し深掘りしてほしかったかな、というのが本音です。 兄との思い出があまりに「悪い思い出」しか書かれておらず、一香が兄を見捨てた罪悪感に、なかなか共感できなかった。 どんな理由あれ、自分に暴力を振るった男ですよ。他人なら見捨てて当然で、それが「家族だから」という理由だけで許されないのかと。ひどい呪縛だと思いました。

    4
    投稿日: 2025.03.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    綺麗で繊細でファンタジーっぽい不思議な雰囲気もあって素敵な作品でした。この雰囲気をずっと文章で表現できるのが本当に凄い。

    0
    投稿日: 2025.03.08
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    某香水の小説を彷彿とさせるような危うさもあって面白かった。 自分が食いしん坊なので食べ物の描写に気を取られた、、、美味しそう、、、

    0
    投稿日: 2025.03.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    嗅覚を刺激する本でした。それでいて文字と文章の羅列が美しい作品でした。実写化するなら朔さんは横浜流星さんがいいな。

    0
    投稿日: 2025.03.06
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    繊細な登場人物と世界観がほんとうによかった。 香りとかってなかなか意識したことは無いけど、過去を思い出すような香りが少なくとも誰かしら感じた事はあるはず。わたしも人から薄らかに香りを感じる時があってその人のことを薄らかに思い出す時がある。 調香師として物語を持ってきて朔さんが天才がかっているが故の孤独だったり過去の記憶だったりとかがあって、それを乗り越えて主人公に心が開いてゆく。 朔さんが最後人間らしい感情というか、そんなものを持った時に思った気持ちとかが可愛らしいなあと思いました。小川洋子さんの解説もよかったです。千早茜さんの作品、かなり興味があるから他の本も読んでみようかな

    17
    投稿日: 2025.03.04
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    透明な風が走馬灯のように季節という名の記憶を運んでくる。 「あの時と同じ風だ」 「この匂い知ってる」 自分の声を辿ると、「香り」が記憶の扉を開けていたことに気づく。 五感をベン図にして、重なり合っているところを人の見抜く力としてくり抜くと、たぶんバランスが大事になってくるんだと思う。 多すぎず、少なすぎず、ほどほどに。 そこに記憶が混ざってグラデーションのように心の形が変化する。 幻想的な洋館と掬えないような空気を纏わせた朔や地と陽に繋ぎとめられた人間臭さを漂わせている新城、源さんたちと関わる中でまっさらなところに香色で線を描くようにしっかりとした足取りで歩いていく一香。 全てが美しかった。 「確かにあるのに、名前がつかないと、ないことになる。」香りは変わらないのに味が違うと感じた朔の気持ちと一香がつけた名前は同じなのだろうか。

    0
    投稿日: 2025.03.01
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    終盤、好きすぎる。深い海をゆっくり漂っているような雰囲気を纏った朔さんが、人間らしさを出して過去をひとつ乗り越えた気がして、距離感が縮まったような縮まっていないような、ぎこちなく見えるけど2人にしかわからない何かがあるような。泡の中に包まれている感覚で最終章を読み進めた。 随所に散りばめられた庭のハーブや季節の移ろい、各々が抱える秘密、微かな変化が一つひとつ静かに優しく、温かい言葉で紡がれて。完全に心奪われた。

    1
    投稿日: 2025.02.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    調香師のもとで家事手伝いのアルバイトとして働き始める主人公:一香。調香師がつくる香りとは。その香りがもたらすものとは。一香の抱える闇も次第に明らかになっていく。 この作品、すごい。 何度も何度も、本の匂いを嗅ぎました笑 香りの表現がリアルで、本当にその香りが本からしてくるような気がしたんです。 不思議ですね。 読んだだけなのに、体はその匂いを覚えていて、まるで香ったかのよう。 圧倒的な世界観に浸れて、ここちよい。 しかし、その奥に潜む闇にも気付かされる。 そんな一冊でした。 ちなみに千早茜さんの作品は初めてでした。 他にも読んでみたいなあ。 みなさんおススメがありましたら教えてください^^

    2
    投稿日: 2025.02.27
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    文庫本での再読。 やはり美しさの中に暗さと深さがあるお話。天才ゆえの孤独と弊害、朔さんが穏やかに過ごせるように願ってしまいます。

    6
    投稿日: 2025.02.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    千早茜さんの本は、「ひきなみ」に次いで2冊目。 まだ2冊しか千早さんの作品には触れていないんだけど、「ひきなみ」・「透明な夜の香り」、いずれも主人公が、、、めちゃくちゃ傷を負っている、傷ついている状態で、痛くて、本当に辛い。 最後には雲の切れ間から日が差す感じで、最後の最後まで暗いまんまで、傷が化膿しまくって見てられないってことはないんだけど、自分的には精神状態がいいときに読まないと、引きずり込まれちゃう。 「透明な夜の香り」は、元書店員で傷を持った一香が、人並外れた嗅覚を持つ調香師の小川朔のもとへアルバイトの面接に行くところから始まる。 香りってすごい。 自分も特定の香りを嗅ぐと、何年も眠っていたはずなのに、あの日のあの瞬間に感じたことが、異常な寝起きの良さで、やたらと鮮明によみがえってくる。 そこには辛い記憶があることがわかっているので、その香りは嗅がないようにしている。 けど、朔さんはずーっと香りを覚えているから、辛い記憶が、ずーっとクリアに思い出されてるんだろうな。 それってなんて罰ゲーム?状態。。。 ずっと音が鳴っていてうるさいように、ずっといろんな香りがしていてうるさいっていうのも、わかる気がする。 たくさんの情報が否応なし入ってくる状態だもんね。 一香ちゃんの香りがうるさくないっていうのも、感覚だけどわかるなあ。 気に入った髪の毛の女の子を誘拐した変態美容師と朔さんは違うけど、いうて紙一重なのかもしれない。 愛着と執着の違いかなあ。 本作は続編もあるみたいなので(続編は一香ちゃんは出てこないのかな?)、それも読んでみたい。 透明な夜っていうのは、一香のお兄さんが亡くなった日のことなのかな。

    10
    投稿日: 2025.02.25
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    本をめくるたびに、深夜に冷蔵庫を開けた時の、想像よりも冷たさを帯びた空気が雪崩れこむあの感覚がした。朔の持つそれに引っ張られないためだろうか、心なしかいつもより本との距離は一歩だけ遠い。 だけど千早先生、最後の十ページは雪解けのようでした。あのまま終わりを迎えていたら、私はきっと小瓶に閉じ込められたまま永遠に戻ってこれなかったと思います。ありがとうございます、あのシーンを作って下さって。

    0
    投稿日: 2025.02.25
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    書店員をやめて、この不思議な調香師のもとで働くことになった一香は、ある不穏な匂いを持っていた。朔自身も自分の能力ゆえの苦しい過去を持っていた。 なんとも不思議な世界の中に引き込まれる小説だった。 朔の屋敷はまるで別世界で、さながらファンタジーを思わせるのに、一歩外に出れば殺人や嫉妬など人間の欲望が渦巻く世界が描かれる。どちらの世界もリアルを感じさせるのが、さすがだと思った。 覚え書きに、あらすじを簡単にまとめようと思ったが、たとえば紅茶を淹れる、朔のレシピに従って料理を作るなどのエピソードのディティールにも、大切なことが含まれすぎていて、簡単にはまとめられなかった。それだけでも繊細で、綿密に構成された小説だということが理解できた。

    13
    投稿日: 2025.02.10
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    ガラス細工のように繊細で美しい。本から匂いが漂ってきそうな描写。どの匂いも惹かれるけれど、食べ物の描写でお腹が空くわ。 解説を読んで、安易に恋愛ものとして読んでしまいくっつけとか思ってスミマセンと反省。

    1
    投稿日: 2025.02.07
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    ナツイチのYouTubeで、山下大輝さんが朗読していて 気になる…と思って購入しました。 アスパラガスを焼いて食べた後の濃い緑の味。 紺色の声、ハーブやスパイス、料理、飲み物、依頼人がお願いした秘密を抱えた香り、本当に匂いがしてきそうでゾクゾクしました。 読み終わってしまったのが、なんだか少し寂しい。

    8
    投稿日: 2025.02.02
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    極上の言葉を浴びた 「あなたがいなくなってから紅茶の味が違う。香りは変わらないのに」って朔さんからの最大の愛情なんじゃないかと思う。 心に残る1冊になった。

    7
    投稿日: 2025.02.02
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    こんなに早く続きを読みたくて、でも読み終わってしまうことが受け入れがたい作品ははじめてでした。淡々としてるんだけどそれがとても静かで優しく感じたな。あと朔さんの不安定さがとても美しかった。 私は朔さんが綾野剛で新城が北村一輝で脳内再生されてました…異論は認めます。

    1
    投稿日: 2025.01.31
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    初めて千早茜さんの本を読みました。 文章がとても綺麗で、嗅覚や視覚の描写が素晴らしくて素敵な本です。 繊細な一香と朔さん、2人を見守る周りの人たちの優しさ。 悲しくて辛い経験をした2人だけどきっとこれから優しい世界で生きていけるんじゃないかなと思えるラストでした。 続編も楽しみです。

    3
    投稿日: 2025.01.30
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    はぁ〜〜…面白かった!(感嘆) 千早茜の物語はどれも繊細で精巧な印象があるけど、この物語は特にそうだなと この本を読んでいた間は鼻をスンスンさせて周りの匂いに意識を向けることが増えたよね きっと私だけじゃないじゃないと思う!笑 あと、自分の雰囲気だけじゃなくて、自分の精神的に求めるものを満たしてくれるような香水が欲しくなった もっと日頃から身にまとう香りに気を配ってこだわりたくなっちゃったよ 少し前に読んだ『ガーデン』でも匂いの描写が多かったので、千早さんは匂いに何か特別な思い入れがあるのかな?なんて思ったりしました 苺とミントのスープや、ドライハーブが混ぜられているケチャップとか料理の描写もおしゃれかつ心くすぐるものばかりで千早茜の食エッセイが早く読みたい… でも続編の『赤い月の香り』も気になるし、忙しいですハッピーです

    45
    投稿日: 2025.01.30
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    また素敵な本に出会ってしまった… 空の色や人の感情、風の香り、それらがとても綺麗な言葉で表現されている。読者それぞれが自分の中で香りを想像しながら読み進められる、それはきっと唯一無二で素敵なもの。 雨上がりの匂いや、冬の凛とした香り、普段からそういった物に気づくタイプの人が読んだら、とても読み応えのある、心に残る作品になると思う。 この本を読んで、自分も香りや色や雰囲気を、様々な言葉を使って表現したいと思った。香りの表現に色を使ったり、色の表現に香りを使ったり、日本語の綺麗さを再認識するきっかけにもなった。 物語自体も若干のミステリー要素があり、依頼者や朔たちの抱えるものが紐解かれていく様がとても読み応えがあった。 早速次作を買いに行く笑

    3
    投稿日: 2025.01.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ひとつひとつの描写が丁寧で、なかでもどこか行動に冷たさを感じる朔さんの、話し方が穏やかなところが良かった。 物語を通してずっと洋館の森の香りが想像できるようで香り立つような本だった。 一香さんを遠ざけた理由が不器用で人間らしさを感じる。 2人のこれからに余韻が残る終わり方も好き。 あと食べ物が美味しそうで作ってみたくなる。

    2
    投稿日: 2025.01.29
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    「さんかく」の時も思ったけど千早茜さんの文章、好きだ〜。 文章の至るところからいい匂いがしてきそうな本だった。もっと一香や朔さん、新城や源さんを見ていたい… とおもったら続編もあるみたいなので読もう〜

    1
    投稿日: 2025.01.28
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    ハーブやお料理の描写がとても丁寧で、自分も一緒に洋館で過ごしているような気持ちになった。どんどん読み進めていける読みやすさもあり、キャラクター達の変化も面白かった。

    1
    投稿日: 2025.01.25
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    何度も何度も繰り返し読みたくなるような本だった。 香りの表現がとても綺麗で香りを想像しながら読むと心地よかった。 香水集めが趣味な自分は知っている香料も多く、より想像しやすかったので香水好きな人にはたまらない本だなぁ…と思った。 静かで美しい、でもどこか寂しくて暗い、まさに夜を連想させる物語。

    1
    投稿日: 2025.01.24
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    静かながら進んでいく物語。 主人公の兄の描写について、生々しくずっしりとのしかかってくる部分がある。読了後数日経っても残っている、というか鮮明にイメージしてしまう。今の私にはちょっとヘビーな描写だったかもしれない。本の感想はそのときの精神状態にも左右されるよなあ、とつくづく思ったのでした。 終盤の展開の続きが気になって気になってしょうがない。続編の文庫化待ちです!

    1
    投稿日: 2025.01.24
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    静かで文章から香りがするような本でした 登場人物たちのキャラクターがしっかり描かれているのにそれぞれに謎な部分があって、もっと知りたいと思えてくるようなお話 香りってとてもエロティックなんだと改めて思った作品でした

    1
    投稿日: 2025.01.20
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    古い洋館に住む人並外れた嗅覚を持つ調香師と、その洋館で家事手伝いとして働き始めた女性が主人公の香りにまつわる物語。 読み始めてすぐに「これは宝物になる本だ」と思った。情景が思い浮かぶだけでなく、嗅いだことさえない匂いまで香ってくるような不思議な感覚。美しく繊細な文章から感じる、静けさと薄暗い影に、読んでいる間ずっと胸の奥が締め付けられている様だった。しかしそれが不思議と心地よく、素晴らしい読書体験だった。 続編も気になるけれど、もうしばらく「透明な夜の香り」に浸っていたい。

    2
    投稿日: 2025.01.19
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    千早さんの美しい言葉で紡がれる、様々な香りの表現は読んでいて心が踊ったし 香りにまつわる知識も得られてとても良かった。 少しファンタジーみというか、都合の良さみたいなものを感じて、そこが個人的に腑に落ちなくて好みではなかったけど 全体的には面白く読めた。対になっている『赤い月の香り』も読む!

    1
    投稿日: 2025.01.18
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    救いはどこだ?!と途中で投げ出したくなるような痛みを抱えた人達の織り成す物語。投げ出さずに済んだのは筆圧を極力感じさせない静かな文体のせいなのか。

    1
    投稿日: 2025.01.18
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    素人目線ではありますが、情景描写と心理描写が繊細で本当に素晴らしかったです。世界って、もしかしてすごく綺麗なの?と思わず、自分が見ている世界を疑ってしまいました。 また、男女の恋愛が苦手な私としては、二人の間に恋愛感情が芽生えるなら読むのを辞めようと、正直なところ、あまり期待せずに読み始めました。読み終わり、二人の間にかけがえのない感情が芽生えているのは感じましたが、恋愛小説と一括りには出来ない‎作品だなと思いました。 気に入ったので、続編の「赤い月の香り」も読みたいなと思います。

    1
    投稿日: 2025.01.17
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    匂いに共感できるところが多くて、この匂いを言葉にするのすごっ!!!って思いました。読んでで楽しかったです。

    1
    投稿日: 2025.01.12
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    とっても優しく寄り添ってくれるような、ハーブやオーガニックの香り立つ小説。しっとりしていて、静かなで清々しい空気がずっと流れているような。 朔さん好きだけど、私は結構新城も好き。 いいなぁ。朔さんに香水作ってもらいたい。 私のことを見てほしい、って思ってしまう。 この前、探偵ナイトスクープの2024総集編みたいなのを見ていたら、目隠しをして匂いだけで友だちの誰が前を通ったか当てる小学生が出てきて、 嗅覚の超人的な人は本当にいるんだなぁと思った。 その子も、体調によって匂いは変わるって言ってたし、 違う世界を生きているんだろうなぁ…

    15
    投稿日: 2025.01.09
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    並外れた嗅覚を持つ調香師のお話です。 すごくダークな要素もありつつ 文体がカラッとしてて、淡々と静かで、 読むたびに香りが立ち込めるようななんか不思議な読書体験でした………。 バッドでも底抜けハッピーでもないんだけど 尾を引く読了感…………めちゃくちゃ好きだ! 朔さんと一香の行く末が知りたすぎると思ったら続編があると知って今すぐ読みたくなったよ、、、 千早茜さん、今回初読みでした! もっと他の作品も読みたい。

    1
    投稿日: 2025.01.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    すみませんめちゃくちゃ萌えました…。一香と朔の関係に…。 食べ物の描写が素敵だった。薄切りトーストにアスパラと目玉焼きに焼きトマト、近いうちに作って食べる!

    1
    投稿日: 2025.01.07
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    めくるごとに、ページから香りや匂いが立ちのぼっててくるようなお話。 ハーブやスパイス、草花の香りでいっぱいなのに、深呼吸できない。海や土の深いところにいるような閉塞感がずっとまとわりついてくるような読後感。 静かに展開されていく一香の日々の続きも気になり、物語の世界に深く入る読書の時間、十分に楽しめました。

    1
    投稿日: 2025.01.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    書庫らでん こういう機会で紹介されなかったら 出会えなかった作品 とても面白い作品でした 自分だけでは知れない作品に 読みながら、昔読んだ井上夢人の「オルファクトグラム」を思い出しました。 かの作品は嗅覚の世界を持っている側が語り手なので匂いの描写は全く違います 同じような能力を持っているのに キャラクタは全く違うのに 語り手もテーマも違うのに 全く別なイメージなのに なぜか想い出してしまう自分が面白い 読んだ本同士が自分の中で繋がっていくのが面白いです 本作品は嗅覚の世界を持ってない側が語り手 見えている行動とそこにある想像とで埋めながら物語は進んでいく 感じる世界を言葉に 形ないものを言葉に 乗り越えたもの 乗り越えてないもの 忘れていたのに 忘れていいない 匂いは永遠 匂いの記憶と想い出は永遠 言語化は難しいのに あの時に感じたことのある匂いを感じる時 一瞬で思い出す

    1
    投稿日: 2024.12.30
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    文章、登場人物、物語、表紙全てが繊細かつ美しくて読んでて心地よかった。 季節の変わり目の風の匂いや線香の匂いとかを嗅ぐとその時の記憶が押寄せるように思い出せるから 「香りは脳の海馬に直接届いて、永遠に記憶される」というのも本当なんだろうなと思う。 全体的に暗く冷たい世界観だが読後は爽やかで余韻に浸れる1冊

    4
    投稿日: 2024.12.26
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    繊細で静かなお話だった。 朔の、香りに敏感すぎる感じが面白かったし、一香が静かな生活を通して心を取り戻していくのもよかった。

    1
    投稿日: 2024.12.24
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    朔の香り(改題) 調香師の元で働く事になった女性のお話 以下、公式のあらすじ --------------------- 香りは、永遠に記憶される。きみの命が終わるまで。 元・書店員の一香がはじめた新しいアルバイトは、古い洋館の家事手伝い。 その洋館では、調香師の小川朔が、オーダーメイドで客の望む「香り」を作る仕事をしていた。人並み外れた嗅覚を持つ朔のもとには、誰にも言えない秘密を抱えた女性や、失踪した娘の手がかりを求める親など、事情を抱えた依頼人が次々訪れる。一香は朔の近くにいるうちに、彼の天才であるがゆえの「孤独」に気づきはじめていた――。 「香り」にまつわる新たな知覚の扉が開く、ドラマティックな長編小説。 --------------------- 所々に漂う蠱惑的な雰囲気 恐らく、「空気」というのは雰囲気を表す言葉になったように、香りってその場の状態を方向づける役割ってあるのでしょうね 調香師で、異常な程の嗅覚を持つ朔さんを筆頭に個性的な登場人物たち 本物の探偵の新城 庭の面倒を見ている源さん 一香の住んでるアパートの大家さん 書店の元同僚のさつきちゃん 警察官の木場 本当の探偵が出てくるのにミステリではない不思議 まぁ、犯罪もあるし日常の謎ではあるんだけどね 恋愛ではないけど特別な関係性でもあり、調香の依頼という日常の謎もあり それでいて傷ついた人の快復を描いたヒューマンドラマでもありという様々な要素を含むなぁ 香りに関するあれこれに関しては「探偵ナイトスクープ」の依頼で時々山本香料が出てくる旅にちょっとした知識を得られる あと、世の中には嗅覚が犬並みに鋭い人もいるようで 芸能人だったらジミー大西、あとナイトスクープに出てたのは友達を臭いで判別できる女の子とか フィクションだったらデカワンコとかね なので、朔さんみたいな人がいてもおかしくはないかなとは思ってしまう 香りと記憶についての色々 「香りは脳の海馬に直接届いて、永遠に記憶される」 「人が懐かしい香りに出会う時素直に感情が表情に出てしまう。」 「香りは再起動のスイッチ。ショックやストレスを受けてフリーズ状態に陥った脳は、香りで目を覚ますことができる」 まぁ、香りで記憶が思い出される経験はある それがどんな記憶であれね 朔さんの場合は、似たような香りでも正確に嗅ぎ分けるので、まったく同じ香りでなければ記憶をふと思い出すことはないのではなかろうか? 朔さんの臭いに関する生き辛さ 「嘘は臭う」 「匂いがうるさい」 「感情の浮き沈みが人より少ないから体臭がうるさくない」 一般的には臭いと言われる匂いが嫌なわけではないようだ ホームレスよりも、ストレス系の臭いが苦手なのでしょうねぇ 人は嘘を付くときに体温が上がったり発汗したりするというし、そんな匂いを嗅ぎ分けているんんだろうけど、普通の汗とかとどう区別してるのでしょうね? あと、タバコの匂いでも、それが信頼しているひとの臭いなら別という解釈も納得 匂いの好悪なんてその人の経験によって変わってくるんだろうな それこそ、国によって好まれる香りの種類が違うようにね 朔さんのデリカシーのない発言も、本人にとっては気遣うところではないという認識なのかな 目に見える事をそのまま言ってるようなもので 朔さんは、嘘も即座に見抜くし、指摘することはあっるけど、依頼された香りを作るのは、その先にどうなるか予想できても作ってしまう 何と言うか、そのスタンスに笑うセールスマンみたいなちょっとしたブラックさも感じる そう言えば、ミツコという香水が出てきてた 特定の人ではなく漠然としたアジアンなイメージのネーミングらしい この香水は「CAT'S EYE」のミツコさんが付けてるという設定があったなぁ あと、モンシロチョウの翅はレモンの香りとあったけど、本当だろうか? 子供の頃はモンシロチョウを捕まえた事があるけど、匂いを嗅ぐような事まではしなかったので、よくわからん 香りに関する物語ではあるけど、食べ物に関する描写も興味を惹かれる 苺とミントのスープ、薔薇のジャム、烏龍茶と金木犀のジュレなんかは食べてみたいし 卵焼きと塩豚のスライス、胡瓜と茄子の浅漬け、塩結びといった普通のご飯の描写もとても美味しそうに感じる そして考えてみると、朔さんの内面の深いところが伺えるエピソード 過去には、コインロッカーに入れられた子供の通報を次々としていたので、警察から怪しまれたというアレ 多分生きているうちに気づいているだろうに、亡くなってから通報するのは…… 生き残ったとしても、親に捨てられた子になってしまうから、なのだろうか それを考えると、朔さんが自身をそんな風に思っているのでは?と邪推してしまう 一番はっとさせられたのが「執着と愛着」の違い 確かに、違いは何かと聞かれると答えに窮する 自らの欲望が主体なのが執着だとしても、愛欲なんて言葉もあるわけで 愛情というのも一種の欲望なのではなかろうか? 「言葉の意味を越えて、嗅覚が際立つという稀有な体験をさせてくれる小説である。」と小川洋子がこの小説を評しているように、確かに読んでいて何らかの匂いを感じるシーンがいくつもあった 香りで記憶を思い出すように、想像から香りを思い出すというケースもあるのだなと実感した あと、続編があるようだけど、まだ文庫化してないようで 文庫化したら読むかな

    4
    投稿日: 2024.12.19
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    私には正直合わなかった作品でした。 独特なテーマと魅力的な表現が特徴の作品ですが、個人的には期待外れでした。 初めの二話で挫折しそうになりながらも、最終話だけは読んでみようと決心をしました。 しかし、全体を通じて私には良い印象を持てませんでした。 まず、作品における匂いの描写は非常に丁寧で、作者はその繊細さを巧みに表現していますが、個人的にはその感覚を理解しきれずに戸惑いを感じました。 匂いは五感の中でも抽象的なものであり、一人ひとりの感じ方が異なるため、描写が遠くに感じられました。 特に、匂いに関する記述が繰り返されるうちに、それが私の理解を超える存在と化し、物語に入り込むことが難しくなりました。 さらに、物語全般にドラマティックな展開が欲しかったというのも、大きな不満点の一つです。 キャラクターたちの内面や背景は描かれていますが、彼らの成長や葛藤が感情移入を引き起こすほどの深みを持っておらず、行動や選択が理解しにくくなっていました。 そのため、物語のクライマックスで盛り上がりを感じることができず、期待していた感動やサスペンスがほとんど得られませんでした。 最終話では、一部のキャラクターの変化を見られましたが、それでも全体を通じて期待していたドラマティックな要素には至らず、残念な気持ちが強まりました。 匂いとそれにまつわるストーリーが、私にとっては捉えきれない謎で終わってしまったこの作品には、もっと感受性や匂いについての理解を深める必要があることを実感しました。 私にとっては、刺激的な展開を期待していた分、物足りなさが際立ちました。 ♪

    3
    投稿日: 2024.12.18
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    わたしははじめましての千早茜さん。 表紙のデザイン、タイトル、香りにまつわるドラマティックな小説に惹かれて購入。 世界観に惹き込まれてしまった。薄暗く重たい話も多かったけれども、綺麗な美しさを感じた。 終始、洋館での暮らしの様子は、丁寧でいい香りのする暮らしを感じる表現。デパコスの香水の香りではなくて、無色透明より澄み切った碧色を思い浮かべる「香り」を個人的に感じた。 登場人物の人間関係も、べたべたではなく気持ちの良い関係性。恋愛感情がちらつきはしたが、恋愛小説ではない。わたしには気持ち良かった。 忘れられない記憶には香りもついてくる。わたしは人の香りに敏感なので、香りが苦手な人は人としても苦手。「わかるわかる」と思う表現も多く、世界観にどっぷりでした。他の方もいってるとおり、この人のイメージはあの俳優さんだ〜って思いながら読んでしまった。

    2
    投稿日: 2024.12.15
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    終始、物静かな物語だった。心の闇を抱えながらも荒ぶることなく淡々と話が進む。一香は、話には載らなかったけど共感覚の持ち主か?

    1
    投稿日: 2024.12.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    暗めの話も多かったけど、 お話一つ一つは短くて読みやすかった 一香ちゃんが出ていく時の 源さんとの会話のシーンで泣きそうになった 読後の余韻がすごい

    2
    投稿日: 2024.12.10
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    香りは透明で見えない。そして、「夜」のように、ダークな雰囲気の物語。透明や夜の闇というものは、視界が制限される環境であり、嗅覚をとても強調する小説。この作品では料理も沢山登場するのだが、まずは嗅覚で読者に訴えかけ、その後に味覚を想像させられる。嗅覚だけで世の中が全て見えてしまう、天才的な能力を持つ調香師が登場する。 幼い頃の壮絶な体験ですら「匂い」として永久に記憶されるという。調香師は膨大な記憶の引き出しから、香りをいつでも自由自在に再現ことが出来るため、「永久」にいつでも触れている。嗅覚だけで世の中や人の心の中までもが見えるようになってしまっている。ここまでの能力があると、余計なモノまで嗅ぎ付け、知ってしまったため、人生に対するある種の「諦め」が感じられる。「噓の匂い」という言葉に驚かされた。 主人公は、調香師のもとで家政婦として雇われるのだが、調香師や庭師のアドバイスを受けながら、厳選された材料で体に良い料理を日々作っている。とても丁寧な暮らしだが、過去の心の傷を抱えており、感情として表に出さない。冷静で言葉が少ない調香師とある意味では似ており、中途半端な距離感の理解者同士として、不気味なモードが漂っている。暗鬱で不気味なモードの中、淡々と物語が進んでいくが、最後にこの関係性がどう変化するのか、楽しみながら読み進めることができる。

    29
    投稿日: 2024.12.08
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    登場人物も話の展開もちゃんと面白いけれど、こういう読後感を得るために自分は小説読んでるわけではないんだな、と思いました。 毒にも薬にもならない感じ。

    1
    投稿日: 2024.12.08
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    孤高の天才の孤独を思うと胸が痛いのだけど、その朔さんの不安定さがすごく綺麗だった…… まさにに「透明」で、表紙の通りひんやりと美しい雰囲気の物語。 またここに逃げ込みたくなる時がありそうだなぁ。

    7
    投稿日: 2024.12.04
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    「しろがねの葉」で千早茜さんを知り、もう1冊と思ってえらんだ作品。 人並み外れた嗅覚を武器に香りを作る主人公と友人である探偵、そこに勤めることになった女性のおりなす物語。綺麗な作品でしたね!

    1
    投稿日: 2024.12.03
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    香りがテーマということに惹きつけられて購入。 香りがテーマではあるけれど、一香が物事を色で捉えているのが印象深かったです。 香りの表現が多彩で、お洒落で美しくて。 ファンタジーな要素は全くないのに、 何故か現実世界を忘れて香りの世界に迷い込んでしまうような魅力を持った作品でした。

    1
    投稿日: 2024.11.28
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    本から香りがするようなそんな素敵な錯覚をさせてくれる こんなにも静寂で香りのする物語を書けるのは凄いな、と 読み心地がとても良い

    1
    投稿日: 2024.11.26
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    ストーリー的には、星であらわすと2〜3くらいだけども、香りや食べ物の描写が千早茜さんはやはり素敵すぎてまたもう一度読みたい本!!!

    1
    投稿日: 2024.11.25
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    とりあえずとても好みの本だった。 本当に香ってきそうな言葉の選びとテンポが心地よかった。 田舎の冬の外の空気は透明な夜の香りだと個人的に思いながらこの本を手に取った。それが私が幼い頃から自然と嗅いできた馴染みのある香りだからかな、と読み終わった今は思う。 私も香りというか、匂いに敏感な方だけど朔さんはその想像を遥かに超える嗅覚を持っていた。 香りで人の考えやその人の持つ気持ちを捉えていたけれど、みんな少なからずそれが香りで無かったとしても雰囲気や言動で感じ取ることはあるだろうなーと思う。 香りは永遠に記憶される、でもそれを自分から思い起こすことが出来るかどうか、はまた別。香りに限らず記憶全てがそうだろうけど、それくらいがちょうど良かったりもする。 私も健康的な食事と生活習慣で、香りを感じる余裕のある生活をしたいと思いながら、深夜に読み終わりました...

    1
    投稿日: 2024.11.23
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    ページを捲るたびに様々な香りがしてくるような物語でした。 ゆっくりとした丁寧な日常、でも深い深い深海にいるかのような静かな時を過ごせた気がしました。 とても面白かったです。

    1
    投稿日: 2024.11.21
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    幻想的な雰囲気ただよう世界観が素敵だった。 香りと記憶は密接に関わっているから、人の欲にも訴えかけるような所も面白かったです!

    1
    投稿日: 2024.11.21
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    嘘の匂いを嫌う彼と、嘘をつく気力のない彼女。二人がどうなっていくのか、残酷な未来を想像していたが、彼がとても寂しいのだということを、私は忘れていたのかもしれない。食べることが好きで、まだまだ濃い味にひかれてしまうから、小説の中の食事は新城という登場人物と同じように、うまく味わえないかも。私は鼻に自信がないので、彼の元へは行かないだろう。

    1
    投稿日: 2024.11.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    兄からの最後のSOSを無視してしまったことへの良心の呵責に耐え切れず、廃人の様な生活をしていた主人公、若宮一香。彼女が天才的な嗅覚を持つ調香師小川朔の下で働きながら、様々な経験を経て人間的に成長していく物語。 秘密を共有することで相手との変わらない関係を望んでいた朔が、一香からゆくゆく厭わしく思われることを恐れ、悩んだ末に彼女を開放する場面の情景描写が生々しく印象的だった。と同時に、朔の心理変容やこの行動の理由が最後に明らかになるところも引き込まれた。母親に拒絶された過去を持つ彼は何よりも相手が変わることを恐れ、不変の関係に縋ろうとしたのだと思う。それ故に、彼女に嫌われる前に彼女を「変え」てしまうことでその可能性を潰すこと以外に彼には選択肢がなかったことが不憫だった。 さりげなく、朔に突き放された後一香が強く生きていこうと「変化」しているところが逞しいと感じた。 全体的に五感に働きかける繊細な描写が多く、引き込まれる作品。読了後の余韻が凄い。

    1
    投稿日: 2024.11.17
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    依頼人の悩みや願望を匂いによって解決する。天才調香師であり特異な嗅覚をもつ小川朔によって体調や嘘でさえも見破り時に事件さえも解決してしまう。しかし朔には壮絶な過去があり嗅覚と共に苦しみも背負って生きている。 文章から匂いを連想させる手腕と人間の抱える闇を少しずつ取り払っていくストーリーに引き込まれていきました。 五感で味わう小説に満足できました。

    1
    投稿日: 2024.11.17
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    千早茜さん、初めて読む作家さんでした。 美しさの中に陰陽が混在する素敵な言葉の数々に魅了されました。 内容も香りごとに分かれているが、全てに繋がりを感じられる、まさに香水でした。

    1
    投稿日: 2024.11.16
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    【あらすじ】 兄の死により心を塞いでいた一香は、古い洋館のアルバイトを始める。 雇い主の小川朔は天才的な嗅覚を持つ調香師だった。特異な能力を持っているが故にこだわりの激しい彼に合わせて働く一香。 彼の仕事は客の望む「香り」をどんな種類でも作り出すことだった。 彼の下には風変わりな依頼が次々と届けられる。 【感想】 体臭、花、部屋、様々な香りへの描写が作中でされる(主に小川朔によって) 面白いのが、情緒的な言及だけでなく具体的な香りの成分について、細かく述べられていることだ。 曖昧模糊とした何となく美しい香りの話しではなく、具体的で論理的、ダーティーな部分もしっかりと描かれている所が素晴らしい!!

    1
    投稿日: 2024.11.13
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    初めて読む作家さんでした。 ちょっとしたグロさも感じつつ 独特の空気感のある作品で、好きなかんじでした。 香りの表現や食べ物の描写なども好き。 窓から差し込む光が感じられるかんじ。 源じいさん良いなー。

    1
    投稿日: 2024.11.11
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    2024.11.11 読了 初めての千早茜作品。 うっとりするような綺麗な文章で、物語がすっと入ってくる。小説を読んでこんなに香りを感じたのは初めてだ。千早さんの色での表現が好きだった。 恋愛ぽく終わるのかなぁと思いきや、そんな感じでもないあの終わり方がしっくり来た。大満足♬✧*。

    2
    投稿日: 2024.11.11
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    友達と「もしもドラマ化したら推しに演じて欲しいあらすじだね!」と勝手に盛り上がり勝手に(?)読むことに決めた本作。この勘は正しく、読み終わった今も「もしもドラマ化したら推しに演じて欲しい」と思えた魅力あふれる作品でした。朔の不思議なのに放っておけない魅力が特にツボです。もっと彼のことが知りたくなりました。 続編もあるとのことなので読もうと思います。

    1
    投稿日: 2024.11.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読後、なんとも形容し難い感情になりました。 文章から様々な香りが漂ってきたり、出てくる料理も美味しそうで、想像するとお腹が鳴りました。(笑) どちらかというと嗅覚には自信が無いので気にしたことがなかったけど、自分からはどんな香りがして、自分はどんな香りの記憶を瓶に閉じ込めているのか、香りに大して興味を持ちました。 また源さんがとても好きだったので、別れを告げるシーンでは思わず泣いてしまいました(笑) ラストでふたりの間に芽生えた感情はどういったものなのかわからないけど、明記しないところも好きでした。

    1
    投稿日: 2024.11.06
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    香りのお話は心地よい世界観で、 読みながらふわっと世界が香ってくる感覚になる珍しい物語でした。 香り以外の描写で灰色の目、紺色の声など五感で感じられるような描写が散りばめられてるのが好き。 日常生活よりもっともっと深い層で生活してるみたいな感覚になれる本でした。

    1
    投稿日: 2024.11.03
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    特殊な能力を持つ人の館に、家政婦として通うことになった一香。 そこは、静かで清潔で植物に満ちた空間。 そこで、丁寧な生活をすることで、心かパンクしてしまった一香が癒されていく。 世界観作りが上手いなと思った。 けれど、没入感はそこまでないのが残念。 いろんなことを盛り込み過ぎているのかもしれない。 ただ、この作者の他の作品も読んでみたいと思った。

    10
    投稿日: 2024.11.02
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     最初の鬱屈としていた頃から、どんどん前向きになり、純粋に望みに寄り添える、そんな彼女が羨ましくなった。  記憶の中の匂いはふとした時に香ってきて、良くも悪くも影響を与える。本当にそうだなぁといくつか思い浮かべた。  登場人物の行動や心理、それぞれにハッとさせられ、自分もあらゆる立場でこの洋館に足を運んでいる気分になる。最後の展開が落ち着いてよかった。  読みやすいし、登場人物にも愛情が湧く。自分の匂いが知りたくなったし、香水や匂いというものに興味が湧いた。 記憶って本当に厄介だなぁ。

    2
    投稿日: 2024.10.31
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    この作者の方の言葉の使い方に本当に毎回脱帽する 恋愛っぽい雰囲気を出しておきながら結末が恋愛小説にならないのもなんかいい サロンドパルファム行けなかったのより一層悔しくなるくらい香りに満たされた話だった!߹ - ߹

    1
    投稿日: 2024.10.24
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    洋館に住む調香師と、そこへ勤めることになった主人公。おとぎ話みたいな世界観に、仄暗いスパイスがちょっぴり効いているかんじ。キャラクターが立っているお話は読んでいて楽しいね。テレビドラマを見るみたいに、あっというまに読み終わってしまった。朔と一香の距離感がすきだったから、読了後はなんとなく名残惜しかった。もうすこし、その続きを見たかったなあって。あとは、お料理の描写が想像以上に細かくて、なんだかすごくお腹が空いてしまった。よく焼いたアスパラガスを目玉焼きといっしょに食べたいなあ。

    1
    投稿日: 2024.10.23
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    夏の集英社文庫の特集で、声優による朗読の前半が公開されており、聞いたら後半も気になり購入。 全体通して色彩感が豊かだと感じた。香りが物語のキーワードだが、それを色で表現しているような…。大体主人公目線で話が進んでいく。微細な香りの違いを感じているのは、主人公ではなく、その雇い主だから、読者と香りの仲介を主人公がいつの間にかしてくれている感じもした。すごく五感が研ぎ澄まされる一冊。 久しぶりにぐいぐい読まされて、気持ち良かった。ラストの2人の関係が、あとひと押し、と思うくらいのところで、終わるのもまた余韻があって好き。

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    投稿日: 2024.10.21
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    ずっと読みたかった千早さんの作品の一冊目。 ごく細かな情景描写が丁寧に盛り込まれた素敵な物語。心情の微かな変化や朔さんにしか分からないくらいの香りと同じような、小さなささくれを私もきっと見逃して生きている。秘密をまるでそこにある香りのようにそっと漂わせてくれる。

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    投稿日: 2024.10.12