Reader Store
山女日記
山女日記
湊かなえ/幻冬舎
作品詳細ページへ戻る

総合評価

363件)
3.8
66
148
115
8
3
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    いつかやってみたいことのひとつ、山登り。この本を読んだら、さらにその思いが強くなりました。短編集だけど同じ登場人物が出てきたりして、読んでいて繋がりを楽しめました。

    13
    投稿日: 2024.02.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    本の説明に親近感が湧いて読み始めました まさかこんな山登りに興味が湧くとは思わなかった 今は寒いから、春夏あたりワークマンで靴と雨具買って子どもと登山してみよう 登場人物はみんな自分に似てる部分があって、みんな心の中はこんなもんかぁって安心できた みんな何かしらつっかかりがあっても向き合って乗り越える 私も登山で見たことのない景色が見てみたい、スッキリした気分味わってみたいなぁ、怪我と熊が怖いけど

    2
    投稿日: 2024.01.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    山の会の知人の勧めで読んだ。確かに面白い。 妙高山、火打山、槍ヶ岳、利尻山、白馬岳、金時山、トンガリロといろいろな山を登りながら、人生を見つめて悩んでいる様子が心に残る。私も行ってみたい。

    2
    投稿日: 2024.01.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    この本大好きです。 様々な女性が出てきて、私とはタイプが違うのに何故か共感してしまいます。 私にとっては悩んだり落ち込んだ時に読む本です。

    4
    投稿日: 2024.01.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    山登りしながら考える、散歩しながら考える。内面と情景が見事に組み合わさって大きく深呼吸した感じになりました。

    42
    投稿日: 2023.12.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    母性を読んですごい怖くて苦手だった湊かなえさん作品…この作品で湊かなえさんなファンになりました!これはとても素敵な作品…すごく楽しかった久しぶり一気読みしました

    8
    投稿日: 2023.12.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    それぞれの悩みを抱えた女性たちが山登りを通じて、自分なりの希望を見つけていく連作短編集。 読了後は、山っていいなぁと思った。日常では見えてこないものも、山からは見えてきたり、悩みやモヤモヤも大きな山が包み込んでくれたり。特に山に興味があるわけではなかったけれど、面白かった。 audible

    5
    投稿日: 2023.11.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    山が大好きな私にとって、色々な思いを 抱きながら登山する女性達の話は、 山に行きたいという心をくすぐられ、 さっそく近場の山に行ってきてしまう 程の影響力であった。 妊娠出産を経て、山はご無沙汰に なっていたが山活を再開するきっかけに なってくれた作品であり、このタイミングで 手にとれたことに感謝する。 妙高山 火打山 槍ヶ岳 利尻山 白馬岳 金時山 トンガリロ 近場ではないためにどこも訪れたことの ない山だが、近場で体力を試しながら 今後訪れてみたいと感じた山々である。

    1
    投稿日: 2023.10.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    短編集と思っていなくて、ずっと山登ってるおばさん部活的なお話だと思っていた。 読んでる見ると「○○山」とタイトルの話がいくつも入っている短編だった。それぞれの山とそこに登る様々な事情の人間のドラマや心情の変化が丁寧に描かれている。 「A山」での主人公が、「B山」で脇役として出てきたり、「C山」の主人公の同僚が「D山」の主人公として出てきたりそういう物語のクロスがとても面白い。 短編ではありつつ、それぞれの話が繋がっており、ある話では姉と妹で登っていたのが、ある話では姉と妹と姉の子供と登っていたり、山を経るごとの心境の変化や関係性の変化がまた次の物語へと繋がっている。 私はこういうオムニバスだけど、同じ人物がまた登場してその人物の物語の続きが垣間見える作品が大好きなのでとても楽しめた。湊かなえさんは山が本当に好きなんだろうなと思って、ふと私も登山がしたくなったもの。 私的には姉と妹が登山する話と、会社のちょっと仲が微妙な同僚同士で登山する話が特に好きです。

    1
    投稿日: 2023.10.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    KIKIさんのあとがき。「苦があるから楽がある」というワードが印象に残っています。登山と日々の生活や人生を重ねるという安直な考えかもしれませんが、そのように受け入れました。そういえば、ラグビー日本代表もワールドカップへ臨む姿勢としてエベレスト登頂と重ねていたなぁ…

    1
    投稿日: 2023.10.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    山登りに興味がないので、いまいちストーリーにや登場人物にも興味が湧かなかった 山登りから、登場人物の人生までが描かれて、それが多視点から描かれ 短編だけど、登場人物がどこか、つながっていて 小説としては文句なしに面白いと思うのだけど、私の好みの問題

    1
    投稿日: 2023.09.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    内容を全く知らず、読んでなかった湊さんの作品と思って手に取った作品。 勝手にタイトルや装丁からイヤミスを想像していたら、なるほど。ほっこり系でしした。 人物を徐々に色濃くしていくのが本当に上手な作家さん。 色々な登場人物が出てくるけど、 その人たちが色濃くなるたび、 読者も自分自身を見つめてしまう 不思議な仕掛けを感じました。 登山っていう、私にとって未知な世界が知れたのも 良かったです。 山に登って自分自身を見つめ直す。 まだ登山に魅力を感じるに至っていないけど そんな経験をいつかしてみたいなと思わせてくれる作品でした。

    2
    投稿日: 2023.09.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    湊かなえさんらしくはないけど、ほっこりする内容で面白かったです。 白馬岳の、 ママに意地悪言うな!独身のくせに。パパの悪口も言うな! ってところが好きです。

    0
    投稿日: 2023.09.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    まだ行ったことのない山ばかりだったけど、ここに登場する山女たちはみんなどの山にもいそうな人たちで、読んでいて楽しかった、本当に山に登った気分になれた⛰️ みんないろんな思いを抱えて生きている。 本の中で大好きな言葉を見つけた。 「人は大なり小なり荷物を背負って生きている。傍からみれば降ろしてしまえばいいのにと思うものでも、その人にとってはかけがえのないものだったりする。だから模索する。」 自分の尺度で他人を図ってしまうことや、求められていない評価や意見をしてしまったりすることがあるけど、それはあくまでも「自分の尺度」であって、その人の考えの奥までは計り知れない。だからこそいろんな考えを許容できる人間になりたい。

    1
    投稿日: 2023.08.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人それぞれ色々な事を抱えて生きているけれど、山へ行くことで人生がまた色々な方向へ進むのだなあと思った。 山は良いなあ。

    3
    投稿日: 2023.08.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「山ガール」というワードが流行ったころに出た本でしょうか。 こちらは「山ガール」ではなく、「山女」。 その題名の通り、様々な人生の悩みを抱えた女性たちが登場します。 結婚生活に疑問を持つ主婦、バブル期を引きずった婚活女性、ギクシャクする姉妹・・誰かしらにはわかるわかる!と共感できます。 彼女たちは、考えるために山を登る。そして頂上に着いたときに、答えは見つかるのか? 登山未経験者でも読み終えた後に爽やかな達成感を感じられる作品です。 ミステリーではない湊かなえさん(物語の終わり辺り)が好きな人におすすめ。

    2
    投稿日: 2023.08.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    '23年7月23日、Amazon audibleで、聴き終えました。久しぶりの、湊かなえさんの小説。 タイトルや紹介文から、「山に登って何かの答えを導き出す、女性達の話」と思って…よくある登山小説?と思いましたが…そこは湊かなえさん、一味違いました。 まあでも、基本はそうなんだろうけど、なんというか、登山にあまり興味がなくても、しっかり楽しめました。さすがです!連作なのも、素敵です!

    11
    投稿日: 2023.07.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    あなたは『山ガール』と呼ばれたことがありますか? 国土の約75%を占めると言われる『山』。全国各地、どこに出かけても私たちが『山』を見ないことはありません。圧倒的な広さを誇る関東平野にあってさえ遠くに富士山をはじめとした山々の姿を見ることができます。 では、この国にはいったい幾つの山があるのでしょうか?「日本山名総覧」という書籍によると、国内の山の総数はなんと16,667もあるのだそうです。都道府県平均で354にもなるという『山』の数。私たち日本人の暮らしには『山』は切っても切れないものなのだと思います。 そして、”人は、なぜ山に登るのか?”と言われる通り、そこに『山』がある限り、そんな『山』の頂へと登ってみたいと思う人は後をたちません。昨今の『登山ブーム』によって『山』へとさらに多くの人たちが向かうようにもなりました。それは、年齢、性別に関係はありません。『山』に登りたいと思う人に条件などないからです。それは、『若い女性』にも言えることです。2009年頃から使われ出した『山ガール』という言葉。『山ガールが集うウェブサイト』も隆盛を極めるなど『山』へ向かう『若い女性』は増え続けているようです。 さて、ここに、そんな『山ガール』たちが『山』へ向かう姿を取り上げた物語があります。八つの短編、八人の女性たちがそれぞれの理由で、それぞれの『山』へと歩みを進める姿を描くこの作品。そんな女性たちが『山』を登る中に、己と向き合っていく姿を描くこの作品。そしてそれは、そんな『山』と向き合う時間のその先に、本来の輝きを取り戻していく女性たちの姿を見る物語です。 『午後一一時、新宿駅バスターミナルに集合。ここから夜行バスで長野駅に向かう…まだ、誰も来ていない。いつものことだ』と思うのは主人公の江藤律子。『数メートル先にいるおばさんたちのグループ』を見て『あの人たちも山に向かうのだろう。「山ガール」とは言えそうにないけれど』と思う江藤。しかし『さ来月には三〇歳になるわたしも、他人のことは言えた立場ではなない』と思いもする江藤は、『今回の登山のために、リュックも靴も…全部新品、有名メーカーのもので揃え』ました。勤務先の『丸福デパート、初夏の催しは「アウトドアフェア」』という中に『ダナーの登山靴に』『うっかりひと目ぼれしてしまった江藤は、『登山靴であるということを深く考えないまま、買うことを決め』ました。そんな中に、『江藤さんも登山するの?』と『一つ年上の牧野しのぶ』に声をかけられ、登山が趣味という牧野にさまざまに指南を受け、『同じフロアの同期三人で山に行くことにな』ります。『せっかくなら「日本百名山」に行きたい』という江藤の希望もあって『新潟県にある「妙高山」と「火打山」を続けて登る、縦走』をすることになった三人。そして、決まった予定の一方で『山に登って価値観が変わるのだとしたら、それに結論を委ねてみたい』と江藤は『結婚をするか否か』というその思いを胸にする中に『同じデパートに勤務している』婚約中の野村堅太郎と彼の田舎へ挨拶に行った時のことを振り返ります。温かく江藤を迎えてくれた彼の両親に安堵する中、『二階をね、リフォームしようと思うの』と母親が語り出し『作り笑い』をしてその場をやり過ごした江藤は、『帰りの新幹線』で堅太郎を問い詰めます。『いずれは、帰ろうかな、って思ってる』と語る堅太郎に『それって、詐欺じゃん』と詰め寄る江藤。そんな江藤に、堅太郎は『俺、長男だし…何か、間違ってるかな』と語ります。『山に登ったくらいで、人生の決断を下すことができるのだろうか』と思う一方で、『人生は長い。結婚相手は堅太郎でなくてもいいはずだ』とも思う江藤。そこに、『おまたせ、りっちゃん』と芝田由美が『売り場に立つのと同じメイク』、『普通の運動靴』で現れました。『完全に山を舐めている』と思う江藤は、『どうして、舞子は由美なんか誘ったのだろう』と思います。しかし『あとは、舞子か』と見回す江藤に『舞ちゃん、行けなくなったんだって…熱が出たみたい』と、由美がケータイを見せてきます。『なんで、わたしには連絡してこないんだろう』と言うと、『りっちゃんに怒られるからじゃない?』と返す由美。『文句の一つは返すだろうけど、それを由美に言われるのは癪にさわる』と思う江藤は、由美のことを『あんたはわたしが最も軽蔑するようなことをしている人間』だと思います。そして『このままこの場で解散しようか』と迷いますが、『山小屋の予約も入れているし…』という現状を踏まえ、『じゃあ、行こっか』と由美に声をかけ、バスへと乗り込みます。『ダナーの靴を履くために山に登る。それでいいではないか』と思い直す江藤。そんな江藤が由美と登る『妙高山』への『登山』の中で『ゴール』という言葉の意味を考えていく物語が始まりました…という最初の短編〈妙高山〉。登山の雰囲気感満載の物語の中に、江藤のこれまでとこれからの人生を浮かび上がらせる好編でした。 “真面目に、正直に、懸命に生きてきた。なのに、なぜ?誰にも言えない思いを抱え、山を登る彼女たちは、やがて自分なりの小さな光を見いだしていく。新しい景色が背中を押してくれる、感動の連作長篇”と内容紹介にうたわれるこの作品。2014年に単行本として刊行されたものに、山と渓谷社が発行している登山専門誌「山と渓谷」に掲載された短編を追加した構成となっています。「山女日記」という書名に「山と渓谷」という専門書の登場となるこの作品はもう直球ど真ん中の登山小説です。”人は、なぜ山に登るのか?”といった哲学的な言い方をされることもある通り、『登山』は単なるスポーツや趣味という次元を超えて何かしら人を惹きつけるものがあるように思います。中高年を中心とした登山ブーム、そして『山ガール』といった言葉の登場もあって、社会的にも独自の立ち位置を得ているようにも思える『登山』。〈妙高山〉、〈火打山〉、そして〈槍ヶ岳〉…といった『山』の名前を短編タイトルに冠した八つの短編が連作短編を構成するこの作品では、『登山』をする女性主人公たちがそれぞれの短編に主人公として登場し、『山』へと向かう姿が描かれていきます。私もかつて『山』へと向かった過去があります。『登山』と書かないのはそんな大それた『山』に登る前にさまざまな事情から足を遠ざけざるを得なかった過去があるからですが、そんな私でも冒頭から気持ちが昂ってくるのを抑えられなくなるくらいに、この作品は『山』の魅力に満ち溢れています。 そんな作品の魅力はどこからどうご紹介して良いものやらかなり迷いますが、やはり『登山』という側面を外して先に行くわけにはまいりません。”大学生のときにサイクリング同好会の仲間と山に登るようになって、社会人になってもしばらく一緒に登っていた”とおっしゃる湊かなえさん。そんな湊さんは、結婚を機に『山』を離れたものの、『山』への思いが捨てられない中に”幻冬舎の編集さんが「一緒に登りましょう」”と声をかけてくれたことをきっかけに再び『山』へと向かい、この作品執筆へと至ったことをインタビューで話されています。八つの短編には、主人公たちが『山』へ向かう姿が記され、リアルな『山』が語られていきます。では、四つ目の短編〈利尻山〉からそんな『山』へ向かう主人公たちの姿を見てみましょう。 ・『登山口までは十五分。その間に、朝食用のおにぎりを食べておかなければならない。かぶりつくと、ひと口目から昆布の歯ごたえを十分に感じた。さすが利尻昆布の産地だ』。 → 『利尻山』に登られた方はそうはいないと思いますが、一方で高級食材で有名な『利尻昆布』は誰もが知るところです。縁のないはずの土地がこの表現で一気に身近に感じられます。 ↓ ・『利尻山の標高は一七二一メートル。利尻富士とも呼ばれる、均整のとれた美しい姿をしているのに、今は厚い雲に覆われて、山頂どころかすそ野までその姿を隠している』。 → この短編で『登山』することになる姉妹は家族の『イベントでは必ず雨が降る』という『ジンクス』を抱えています。これをどう作品に絡めていくのか、このあたりにも期待が湧きます。 ↓ ・『利尻山の登山コースは二種類、上級者向けの沓形コースと中級者向けの鴛泊コースがある。車は鴛泊コースの登山口、北麓野営場に到着した。雨はやや小ぶりになったように感じるけれど、他の登山客の姿はない』。 → 一般者向けの小説として書くなら『上級者向け』、『中級者向け』という記述まではいらないと思いますが、『山』を愛する方の読書を意図する湊さんの細やかさをこんなところにも感じます。 ↓ ・『登山口が二合目というのはどうなのだろう。富士山だって五合目まで車で行けるのに。標高二一〇メートル。あと、約一五〇〇メートルを日帰りで登り下りしなければならないとは』 → ハイキングとは違う『登山』を強く感じさせる表現だと思います。上記した通り『厚い雲に覆われて』という山行にさらに不安を掻き立てます。 ↓ ・『水場があり、姉はそこで靴裏をごしごしとこすりつけて洗い出した…外来種を山に持ち込まないためだ。他にも、利尻山にはここ特有のルールがある。1、携帯トイレを使う。2、ストックにキャップをつける。3、植物の上に座らない、踏み込まない』 → これは、『利尻山』へ実際に訪れたからこそのリアルな表現だと思います。大自然と共存する中の『登山』を感じさせます。 ↓ ・『森林限界を超えているので、白いガス以外に視界を遮るものはない。道もごろごろとした岩が階段状になった登りやすそうなものになっている…晴れていたら、どんなにすがすがしい景色が広がっていたことか』。 → 高度が上がってきたことを『森林限界』という言葉で表す湊さん。一方で、『必ず雨が降る』という家族の『ジンクス』を背負いながらの『登山』は、なかなか美しく晴れ渡った清々しい景色を見せてはくれません。この先、どんな行程が待ち受けているのか、これから読まれる方には主人公の『登山』の行く末に是非期待いただきたいと思います。 そんなこの作品では、上記した三つの山と〈利尻山〉の他にも〈白馬岳〉、〈金時山〉と国内の山々を舞台にした物語が描かれていきますが、アクセントとして海外の山がひとつだけ登場します。それがニュージーランドにある〈トンガリロ〉です。『ウェリントンから乗った長距離バスは、終点のロトルアまで二時間以上も残したところで、私と吉田くんの二人だけになってしまった』、と始まる物語は、読者にえっ?という思いを抱かせます。『登山』がお好きという方でも、海外の『山』に登られた方はグッと数が少なくなるのではないかと思います。国内の『山』とはまた違う、現地の人たちも登場する中に国際色を感じる物語、海外の『山』が描かれるこの短編にも是非ご期待ください。 しかし、人が『山』へと向かう姿をリアルに取り上げたこの作品は、決して『登山』のガイドブックというわけではありません。あくまで湊さんの小説です。湊さんというと”イヤミス”という言葉が同義語のように思い浮かびます。私は湊さんの作品は大好きですが、一方で”イヤミス”は大嫌いです。お金を払って嫌な思いなどしたくはありません。そんな私が湊さんの小説に求めるものは小説への真摯なまでの向き合い方、エッセイ「山猫珈琲」にもお書きになられている通り、漢字かな使いに至るまで読者を向いた細やかな気配りの先にある上質な心地良い読書の時間です。できれば、そこから”イヤミス”要素を取り除いていただければというのが私の常日頃の願いで、だからこそ私の好きな湊さんの作品は「絶唱」、「ブロードキャスト」、そして「花の鎖」といった”イヤミス”とは無縁の作品群になります。そして、この「山女日記」は”イヤミス無縁”の作品群に属するものです。物語には、それぞれに主人公の女性が登場します。三つの短編からご紹介しましょう。 ・〈妙高山〉: 主人公・江藤律子は、結婚の挨拶に訪れた彼の田舎で、彼がやがては実家に帰るつもりであることを知り『詐欺だ』と感じます。そんな江藤は『山に登って価値観が変わるのだとしたら』『結婚するか否か』という自身への問いに答えを出したいという思いの先に〈妙高山〉へと向かいます。しかし、同行する由美が隠すある秘密を知る江藤はそんな由美を不快に思います。 ・〈火打山〉: 主人公・美津子は『バブルの雰囲気が』残っていると言われる四〇代の今を、『結婚しなくていい。子どもが欲しいとも思わない』という中に生きています。その一方で『お見合いパーティに』参加したところ、神崎という男性と出会い、彼の趣味である『登山』に同行することになりました。しかし、そんな美津子は何かしらの思いを胸に秘めていることを匂わせます。 ・〈金時山〉: 主人公・梅本舞子は、劇団の『下っ端団員』をしながらアルバイトで生計を立てている大輔に連れられ箱根へと向かいます。『好きな人』ではあるものの『結婚は考えていない。彼の夢や将来を背負える自信がない』と思う舞子。当初、『富士山』行きを希望するも、『別の山に』と大輔に否定されて向かう箱根。そんな行き先の『登山』に待つものは…。 このように、この作品では全ての短編に何かしらの事ごとに思い悩む女性主人公が登場します。 『山は考え事をするのにちょうどいい』。 そんな風に言われる通り、『登山』は『自分の世界に入り込む』時間ができることで、自分自身に向き合うには格好の時間とも言えます。この作品では、上記したようにそれぞれに悩みを抱えつつ『山』へと向かう主人公の姿が描かれていきます。そして、この作品が凄いと思うのは、八つの短編が見事なくらいの強い結びつきを見せてくれるところです。あまり書きすぎるとこれから読まれる方の楽しみを奪いかねないので最小限にしたいと思いますが、一例として冒頭の短編〈妙高山〉の主人公・江藤律子について簡単に触れてみます。 ・〈妙高山〉: 『結婚するか否か』に悩む律子 ・〈火打山〉: (背景として登場)火打山山頂で『日本海側に向かって』『○○○○○○〜』と叫ぶ様子が描かれる ・〈金時山〉: (背景として登場)律子のその後が描かれる これはほんの一例です。ある短編で主人公を務めた人物が他の短編で背景として登場するだけでなく、ある短編で脇役だった人物でさえ、巧みに他の短編に予想外な形で登場します。そう、この作品は思わず相関図を書きたくなるくらいに八つの短編が強固な結びつきを見せていきます。そして、そのベースには、『山』があり、そこには”イヤミス”とは無縁の清々しいまでの読後感の物語が待っていました。 『私は単純に山の景色が好きなのだ。この山はどんな姿を見せてくれるのだろう、頂上からはどんな景色が見えるのだろう』。 『山』へと向かう女性主人公たちの姿を追った八つの短編からなるこの作品。そこには、それぞれの事ごとに思い悩む日々を送る女性たちの姿がありました。一度は聞いたことがある有名な山々の登場に、自然と胸が流行るのを感じるこの作品。短編間を巧みに繋いでいく人の関係性の奇跡に心昂るこの作品。 “私でも行けそうかなと思えるような、もっと山に親しめるようなものがあってもいいんじゃないかなと思”った、とこの作品執筆のきっかけを語る湊さん。そんな湊さんの『山』への深い愛情を強く感じる傑作だと思いました。

    193
    投稿日: 2023.07.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    山登りをする女性たちのはなし 登山したことないけど、山に登りたくなる りっちゃんとゆみが山頂から叫ぶところがなんだかおもしろかった!

    2
    投稿日: 2023.07.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「山女日記」の続編。 いろいろな人生や思いをリュックに詰め、 山の頂上を目指す、それぞれの感動を、 疑似体験しているような読後感。

    3
    投稿日: 2023.07.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    "人生は山登り"を表した1冊のような感じがした。それぞれの悩みが、よくありそうな、みんな抱えていそうな悩み達でとても共感するところがあった。好きなフレーズは 「人は大なり小なり荷物を背負っている。ただ、その荷物は傍から見れば降ろしえしまえばいいのにと思うものでも、その人にとっては大切なものだったりする。むしろ、かけがえのないものだからこそ降ろすことができない。だから、模索する。それを背負ったまま生きていく方法を。」 女たちが山を降りる時、自分なりの答えを出して降りているところが良かった。

    0
    投稿日: 2023.06.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    ドラマ少しだけ視聴後に読了。登場人物は柚月さんしか知らなかった。七花と希美の話が好き。お姉さんは少し希美を縛りすぎ、、。本当に立派な人とは自分がダメな時に頼れる人って台詞がかっこいい。ただあんまりお姉さんには届いていないのがなんかなあ。

    0
    投稿日: 2023.06.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    姉への劣等感、自分に対するイメージとの葛藤、婚約相手の親との同居、叶った恋、叶わなかった恋。丸福デパートのアウトドアフェアを中心に、様々な事情を抱えた女性達がそれぞれに山を目指す。山と向き合い、過去、未来と向き合いながら現在を模索する女性たちを描いた登山短編集。 久しぶりの現代物・恋愛物の作品であり、初めての登山小説だった。それぞれの女性たちが抱える問題がとても生々しく、彼女たちの置かれた状況が登り坂のように息苦しい。頂上に着いたから、下山したからってそんな綺麗に心が片付くものでもないよと登山をする身としては思うのだけど、短編の登場人物同士が微妙に絡み合う作品の中で幸せそうな「その後」を知れるとやはり嬉しくなった。

    1
    投稿日: 2023.06.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    作中に出てくる山、白馬岳、赤岳に登ったことがあったのでより楽しめたかも。やたら辛い場面に必ず出くわす登山、山行の先の満足感、達成感から人生までも変わって行くきっかけにもなることは実際にあると思う。続編となる作品もあるそうなのでそちらも読みたい。 いつものイヤミス作品的な登山の話しかと思いきや、それとは全く異なる、山に今すぐ行きたく、戻りたくなるような短編集がそれぞれ少しずつ関わり合う、ちょっと素敵な話しでした。

    0
    投稿日: 2023.06.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    大きな事件はないな 大なり小なり皆んな悩みを抱えていて 山がそんな人達を優しく迎え 人は山で自分自身に向き合っていく過程が心地よかった 山に登ってみたくなった

    0
    投稿日: 2023.05.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    登山をする女性たちを描く。 それぞれ山を登る理由があり、それぞれが悩みを抱きながら山行に臨んでいる。 捻くれた女性が多いようにも感じたが、あるあるなんだろうとも思う。それはきっと男である私の考えが至らないだけなんだ。 孤独を強がりでやり過ごし、抱える劣等感は誰かのせい。そうやって生きていくのか。楽しいことがないわけじゃない。それも別に悪くない。 誰かの人生を垣間見たような気分。 男性こそ読めばいい。 読了

    29
    投稿日: 2023.05.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    女ってめんどくせーー!って思いつつも、「そうそう。そうなのよ」、と膝を打ちながら聴いた。さすが、秦かなえ。微妙な女のマウント合戦をよく書いてる。読後感は良くて清々しい気持ちになった。山は年に1回くらい登れればいいけど、もう少し走ろうかと思った。私の山はご近所探索ランニングだな。

    1
    投稿日: 2023.05.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    山ガールじゃないけど、山登りをしてきた者として読みたかった本・・・。 題ごとに主人公が代わり完結するのだけれど、それぞれが繋がっていて話が途切れない。 山に行きたくなる理由は人それぞれだろうけど、雄大な自然の中を黙々と歩くと、日々の生活で忘れていた人に対する優しさを取り戻させてくれることが一番の理由じゃないかと思う。「山女日記」を読んでそう確信した。(o^^o)

    0
    投稿日: 2023.04.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    登山を通して自分自身と向き合う女性たちのお話です。 湊かなえさんってこんな作品もあったのですね。 イメージが変わりました。 雨の日でも一緒にいたい相手って確かに貴重で、大切な存在なのだなと思いました。 心が雨の時もまたしかりですね。 I have never tried to climb the mountain, but there may be an amazing landscape. That is a treat for everyone who didn't give up climbing.

    3
    投稿日: 2023.04.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    山を題材に様々な人たちの心の内を描いた連作短編集で、どの話を読んでも登山を通して、人としての成長を遂げたり、新しい人間関係が始まったりと山に登ってみたくなる本でした。山ガールではなく、山女という表現が面白い。ガールだけでなく、広く山を楽しむ女性を描いていて読んでいて楽しかった。

    0
    投稿日: 2023.04.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    それぞれの登場人物の悩みは、必ずしもキレイなものではなく、人間の醜さが表れたようなものもあるけど、それも含めて共感性は高く、また、それが登山によって改められていく点に関しても、自然の中を歩くということをしたことのある私にとってはとても共感できるものだった。

    1
    投稿日: 2023.04.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    イヤミスの女王として知られる湊かなえさんの作品の数々。しかし、この「山女日記」においてはそういった要素はなく、様々な悩みを抱えた女性達が山に登る連作短編編集であった。私は湊かなえさんのイヤミス作品が大好きであるため、少し物足りないようにも感じたが、腹のそこに貯まった悩みや思いを山に登ることで、吐き出したり、ぶつかったり、自分を見つめ直したりする様子が鮮明に書かれており、山の力を強く感じました。登場人物の心理描写と広大な自然の描写の相乗効果は圧巻でした。単純な私は、山に登ってみたいと思いましたw

    1
    投稿日: 2023.03.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    『湊かなえ』と言えばミステリー作家と連想しますが、この作品は全く違いました。 私事で昨年引越しの為、断捨離をしてしまい途中までしか読みませんでしたが、心に残ることを感想にしようと思いました。 登山を主体とした作品でした。山の名前毎に主人公が変わるのですが、どの話も登山の魅力や困難さ、服装、ルート作成、登山に当たっての食料品などが描かれていました。 女性が主人公で仕事や私生活などの悩みを女性作家ならではの観点で見つめて物語を描かれている印象を強く感じました。 私は登山は学生の頃の校外学習などの一旦でしか登山はした事がありません。その時は登りは良くも下山はとても怖くてという悲惨な記憶しかありません。 この作品の主人公達は、登山により悩みや人生の転機の答えを出して、心を軽くしているような感じー爽快感ーなどを感じているように思えました。 山の数だけ、自然の数だけ、人生ー生き方ーがあるのだと感じた一冊でした。 最後に著者の湊かなえさん、最後まで読了出来ずに申し訳ありません。

    24
    投稿日: 2023.03.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    山登り=人生 人は「楽」のみ求めてしまう。だが人生というのは、「苦」があるからこそ「楽」があるのではないのか。どんなに凄い人でも、「苦」は、経験している。山登りでは、頂の風景を目にすることができるのは、険しい道を登ってきた人しか経験することができない。「苦」があるから「楽」がある。「苦」を忘れてはいけない。

    1
    投稿日: 2023.03.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2023(R5)2.13-3.3 4月から異動となり、いよいよ管理職になります。今勤めている部署に来てから、管理職の様子や言動やその意図についてあれこれ考えるようになりました。 そんな中、ちょっと気付いたことがあります。 「管理職には登山好きが比較的多い。」ということ。 もしかしたら、登山をしながら自己見つめをしたり、歩きながらいろいろアイデアを考えたりしているのだろうか。逆にあれこれ考えず無心になるために登山をしているのだろうか。 いずれにしても、自分や自分をとりまくものを見つめるのに登山はもってこいなのかもしれません。 そんなことを考えているさ中に手に取ったのが本書。 ちょっと“ビンゴ”な気分になりました。 本書も登山を通して自分を見つめ、登山を通して自分を変えていく女性たちの物語。 本格的な登山とまではいかなくても、ちょっと長い距離を歩いてみたくなりました。

    10
    投稿日: 2023.03.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ・山に登ってみたくなった ・出てくる登場人物に共感できる部分たくさんあった。みんな幸せになって欲しいなと思った ・ヤマフェス行ってみたいな ・個人的には木村さんと一緒に山登りしてるクールな元山岳部の人の話が面白かった。木村さんキャラ濃すぎ。無理やりお礼言わされてるのが面白い

    0
    投稿日: 2023.02.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2021/05/26 #山女日記 #湊かなえ 《感想》 いま、湊かなえ作品全制覇を目指して 着々と読んでおります。笑 後もう少し! 湊さんの中では、結構明るめな内容です。 内容ごとの主人公達が山を登頂することによって、 良い方向に向かって歩みます。 湊かなえさん、山登り好きなのかな? って思うほど山道の風景が想像できる言葉使いで、 読見終わった後には私も山に登りたい気持ちになってました。 凄いなぁ表現力。実際見た事ないと書けないよ、、、。 主人公達の中にも山に興味がない人もいたのですが、 登りきると皆んな山を好きになっているんですよ。 題名の山女日記というサイトがあるらしく、 それも主人公達を結びつけるキーとなるのです。 最後は、ほぉおおー! となる集結です!笑 #book #小説 #登山 #帽子 #良い本には良い名言 # 余裕を持てないのは未熟である証拠 #雨が降っても一緒に居たいと思える事を誇りに思う #ゴールを達成した人の後少しは当てにならない #賽の河原 #ここが本当の正念場 #百名山 #ニュージーランド #トンガリロ #ルートバーントレッキング

    1
    投稿日: 2023.02.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    湊かなえさん2作目。女性たちの悩みがリアルでよかった。山の風景描写は緻密で実際に登山したくなりました。

    0
    投稿日: 2023.02.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読みやすくて一気読みしてしまった。湊かなえなのに人が死なない平和な小説。登山小説ではあるけど、人の悩みや人生観を解きほぐしていく過程を登山とともに描いていく、読後感も山頂の空気の様に爽やかであった。ただ悲しいことに作中の山はどれも行ったことが無い。山に登りたくなる。

    2
    投稿日: 2023.01.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    一言で言うと“ 登山がしたくなる本 ” です。 正直、こちらを読む前までは登山に全く興味はありませんでした。必需品揃えるのも大変そうだし、暑いし寒いし疲れそうだし… そんなマイナスなイメージしかなかった登山ですが、登山の魅力がたっぷり詰まったこの本を読むだけで変わります、マジで。 もちろん、湊さんの他作品同様に、 登場人物の葛藤なども丁寧に描かれているので、共感したり考えさせられたりもあるんですが、なんと言っても本作の魅力は山!登山!! 読んでいるだけで一緒に登ってるかのようなリアル感!疲れながらも必死に登り続け、登頂したシーンなんかは読んでるだけで不思議と達成感が。 読み終えたあとは フランスパンとチョコとコーヒーを持って登山!!(……する自分を妄想して楽しんでいます)

    1
    投稿日: 2023.01.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    だいぶ前に録画だけして見ていなかった「山女日記3」のドラマを見て、山への憧れが再燃。原作が湊かなえというのが、そういうイメージがあまりなかったので意外だな…と思った。 原作本を読んでみようと思い手に取ったら、これは話によって主人公が色々とかわる形式だった。 ドラマの主人公のことをいいな、と思っていたからかもしれないけど、出てくる人物像がなんというか…少し極端というかキャラがつけられすぎているような気もした。 一人の人間のストーリーと山との関わりの話を期待していたのかもしれない。 最後に出てきたニュージーランドのトンガリロはいつか行ってみたい。

    4
    投稿日: 2022.12.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    湊かなえさんの小説は何だか暗いイメージがあっだけどこれは楽しかった。最初の登場人物が何人かいてそこからオムニバス形式で読み進める。別々の山でそれぞれの登場人物が、色んな場面、いろんな立場ないろんな過去を背負いながら山頂を目指す。 確かに目指すのは山の頂。でも本当に得たものが他にある気がしてくる。「山ガール」ではなく、「山女」としている意味がわかってくる。解説のKIKIさんも書いていたけど、下手な山歩きのガイドブックより情景が浮かんでくる。★4つなのは、主人公があまりにも自虐的な感じだったので。でもこれが湊さんの手法なのかな?私も山初心者だけど色んなところに行ってみたくなった。で、テントの中でこの本読もうかな?

    0
    投稿日: 2022.12.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    山登りを趣味にできたら楽しいだろうなー!屋久杉へトライした身からすると1日でもへとへとだったのに、2日以上かけて登山できる人たちを尊敬するし、羨ましい‥でも山登りに一緒に行ける友達ってなかなかいないのかも。隣にいてくれる人を大事にしようと思えた。

    1
    投稿日: 2022.11.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    山登る女の人にうってつけの一作。登んなくても、人生の悩みは共通するところもあるから、共感できるし、楽しめると思う。 私の場合、何か悩みを解決するために登山はしないけど、登った時には元気と次に登る山の活力をもらえる。そういった立場にある人たちにも救いを与える。山ってやはり偉大だな、山行きたいなと思わせられるそんな一作。

    1
    投稿日: 2022.11.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    一人で山に登るのか、誰かと一緒に山に登るか。登山の方法と登る人の心の持ちようによって、登山の楽しみ方や感じる内容もも変わってくるのだなと読みながら想像できて楽しかったです。 山女日記を半分ほど読んだところで地元の1.200メートル級の山を高校時代の先輩と一緒に登ってきましたが、勾配もきつくなかなか大変でした。 山女日記では景色の情景や登山の大変さも描かれていましたが、楽しみも苦しみも大切に味わいながら登れたように思います。 人との関わりや非日常を大切にしたいと思わせてくれる小説でした。

    5
    投稿日: 2022.11.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    過酷な山岳小説は大好きだか、自分もそろそろ山に登ってみたいと考え、動機付けも含めて手に取る。普通の人が登る登山だけど情報量があり、手に届く山岳でもあることから、読んでいてより登山を経ているように感じる。 連作短編は気軽に読め、立場の相違などで登場人物をより深く感じるところがよいと感じました。 自己の人生を深く考えるような機会でもあり、山そのものを楽しむ機会でもあり、そんた登山に自分も望みたい想いに駆られました。

    2
    投稿日: 2022.11.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    純粋に面白かったー。山ガールと括られつつも、山に向かう女性たち。男も女も山に目覚めるのは社会人になっていろいろ見えてからなのかな。実際に高尾山の次に富士山クリアしてそれから、がない自分も、山に登りたくなってきた!!

    0
    投稿日: 2022.11.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    山登りする女性たちの連作集。 妙高山、火打山、槍ヶ岳、利尻山、白馬岳、金時山、そして日本を飛び出して、ニュージーランドのトンガリロ…。 結婚や恋愛に悩むOL達、 婚活で出会った男性と山を共に登る中年女性、 山で出会った老夫婦に両親の姿を重ねる女性、家族の問題を抱え、心の内を探り合う姉妹達、 劇団員で餃子店アルバイトの彼氏と登る金時山、 ニューカレドニアに異動になった女子とアウトドア好きの男子、遠距離恋愛中のカップルのニュージーランドトレッキング、 山で出来た、ひと回り下の山友達… この作品はずっと気になっていました! 湊かなえと言えば、イヤミスの女王で知られているけど、山登りも趣味としている。 山登りしながら心に抱えた葛藤と向き合う人々や、山で出会う人たちとの対話が描かれている。 私は山登りはしないし、アウトドアではないけれど、自分も山登りしているような清々しい気持ちになれた。 実写もあるようなので、観てみたいな。

    0
    投稿日: 2022.10.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    湊かなえのまた違ったテイストの小説。 イヤミス作品と比較すると爽やか。山に登ってみたくなるし、私はいちご大福も食べたくなった。 出てくる女性がどこかひねくれてて、そんな捉え方しなくてもいいじゃないかとは思ったものの、読み進めることで曖昧だった事実が分かってくるから読むことを止められない。この点はやっぱり湊かなえらしい描き方だと感じました。 山に登るっていいな、私も登りたいなと思う小説でした。

    1
    投稿日: 2022.10.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    おもしろそう!!という期待値が高すぎたかな。最初の数ページはよかったんだけどな。湊かなえとの相性が悪いのかもしれない。

    0
    投稿日: 2022.10.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    湊かなえさんの作品は人間がこわい系が多くて好きだったが、これはこれでとても面白かった。読んでて元気が出た。こんな本も書くんだ…と新鮮な気持ち。

    0
    投稿日: 2022.10.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    山に登りたくなるから読んでみて、とずっと母から薦められていたので読んだ。 湊かなえは「なんでこういう話思いつくんだろう…」 というダークな話が多いけど、これは違うし誰も死なないっ!笑 むしろ心が温まり、登場人物の背中がポンっと押される話ばかりなので、こちらも悪い気にはならない。 比較的インドアだけど、山登りに挑戦してみたいなぁと思った。

    4
    投稿日: 2022.09.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    初めて読んだ湊かなえさんの作品(この作品から読むのは珍しいかな?)。読後は心のモヤモヤを登場人物と一緒に山頂へ置いてきたかのような感じがした。私のモヤモヤとは何だったのか、また山へ行ってみたい気がする。登山ルートや高山植物など、検索しながら読むのもオススメです。

    0
    投稿日: 2022.09.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ・目的地は過去の中にあるかもしれません(火打山) ・余裕がないのは、未熟である証拠だ(檜ヶ岳) ・私には思い描いている絵がない。だから、どんな絵を完成させても何か違うと感じてしまう(金時山) ・感動は気持ちの余裕の上に成り立っている(トンガリロ) ・人は大なり小なり荷物を背負っている。ただ、その荷物は傍から見れば降ろしてしまえばいいと思うものでも、その人にとっては大切なものだったりする。中略-互いの荷物を自分の解釈でしか捉えることができなかった(トンガリロ)

    0
    投稿日: 2022.09.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「晴れた日は誰と一緒でも楽しいんだよね。でも………」 「雨が降っても一緒にいたいと思える人であることを、誇りに思う。」 「こんなところで驚いている場合ではありませんよ、とつい口にしたくなってしまう。だが、それは映画のストーリーを先に行ったしまうのと同じだ」 「つい数時間前には顔も知らなかった人が、長年の友達のように感じるのも、きっと山のマジックなのだろうと思う。」 「山で過ごす時間は深く心に残る、ということだ。少し贔屓目かもしれないけど、街で過ごす時間よりも色が濃くなる」 「非日常の風景の中にいた自分が“何を考えていたか”という思考の痕跡が、しっかりと根を張っているから、山の記憶が鮮やかなのでは、と私は思っている」 「山頂へ至る道中の思考を全て書き出してみたら、私なんかの記憶でも、かろうじて短い物語になる気がする」 「私を含めた後者の人たちは、「楽」も「苦」も含めた印象的な経験をしており、そして多少のトラブルやアクシデントを含めて、物語にしてしまうのだと思う。」 私は山に登る。そしてその時の気持ちを全て文章に残し、映像はYouTubeに残している。私の中の山での記憶が特別で、大切なものだと思っているからだ。後書きで「山での出来事を物語にしてしまう」という記述があるが、私もそうだ。物語なんて大それたものではないのかもしれないが、私の中では、やはり物語になっているのだと思う。 私の山の物語の主人公は、時折自分ではなかったりする。自分が発した言葉より、一緒に行った友達が発した言葉の方がよく覚えているのだ。それは自分が山から帰って、記録をつけているときに実感する。同じパーティで山に登ればどんな人でも友達のように感じるのに、街でその人に会うと少し気まずい。山に一緒にいる間は、私はその人に興味を持って仕方ないのだ。山に物語を感じているから、そう思うのかもしれない。 先日白馬乗鞍岳に登った時は、雨だった。それはそうで、雨ということを知った上で、雨でも楽しめるところに登ろう、という計画だったのだ。普段、私は誰と登ってもおしゃべりになり、同行者と喋り倒すのだが、今回ばかりはそうはいかなかった。雨で会話ができないのだ。自然と黙々と登ることになり、雨の音で視野は狭まっていく。利尻山に登る姉妹のように、ぐるぐると脈のように思考を巡らせた。そこで普段考えないようなことまで考え、日常で感じていた(とも気づいていなかったような)ことに対し、さまざまな結論を出した。着地点は全て、優しいものだったように思う。まさに、山女日記の登場人物だ。 山小屋もいい。当たり前だが電波が届かない。スマホがさわれない中でやることといえば、読書かおしゃべり。スケッチをする人もいるらしい。素敵じゃないか。この不便さ、街では体験できない。不自由の自由だ。 私は、山に登って動画編集をして、「アウトドアとインドアのバランスが自分にはちょうどいい趣味〜」くらいに感じていたが、もっと深く、山と繋がっているように感じた。山で私は、物語を作っているのだ。自分や友達が、主人公の。

    3
    投稿日: 2022.08.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    登場人物達の考え方が捻くれていて感情移入できない、という友人の言葉通りというのが最初の印象。私自身は登山時に物思いに耽ることなんてなかったものだから、そんなの危ないじゃん。と簡単に片付けてしまいそうだったのだが、この本を知った直後の1泊2日の雨登山では思考が湧いてきて、いつもと少し違う、特別な山行になった。 下山後に改めて読んでみると、物語の見方がガラッと変わって、とても新鮮だった。 登山は人生に似ている。山もあれば谷もあるし、晴れる時もあれば雨の時もある。それを再認識することができた本だったように思う。 --- 妙高山 「どこがゴールかなんてわからない。何がゴールかなんて分からない。結婚するか否か、そういうことではないはずだ。」 ▶︎結婚について悩んでいたこともあり、ハッとさせられたフレーズ。 山頂がゴールかもしれないし、山小屋でビールを飲むことがゴールなのかもしれない。「ゴール」がどこなのか、「ゴール」とはどういうことなのか。それはその時々の心模様や一緒にいる相手によって違うのだ。 それは山に登るか登らないかの問題ではなく、山に登ったからこそ感じられること。 結婚に当てはめて考えてみたけれど、残念ながら今の私にはシンプルな答えを導き出すことはできなかった。まだビジョンは見えてこない。(同棲もしてないのだから、仕方ないことだとは思うけれど。)もう少し時間が必要なのかも。 火打山 「目的地は過去の中にある」 ▶︎私にとっての目的地はどこなのだろう。後悔していることはあるけど、過去ではなく未来の中にありそうな気がする。「その山に、一緒に登っていいですか?」って、、!今まで聞いたプロポーズの中で1番シンプルで気が利いてて自然なセリフ!笑 素敵です、神崎さん。 利尻山 「雨が降っても一緒にいたいと思える人であることを、誇りに思う。」 ▶︎雨の白馬乗鞍岳を下りた時、一緒に歩いた友人に対して感じたことそのもの。友人だったからあの雨登山は特別だったのだと思う。忘れられない山になった。 後書き 「山で過ごす時間は深くこころに残る」 「街で過ごす時間よりも色が濃くなる」 ▶︎私は記憶力がなく、昔の出来事はほぼ覚えていないのだが、山での景色や体験したことは案外深く覚えている。(ルートとか標高は忘れる)山に登ることで自分の物語を作っている、というkikiさんの解釈がすごくしっくり来て、登山が持つ可能性や意義等、山に対する向き合い方が自分の中で大きく変わったような気がする。なんの気なく読み始めたこの本だったが、こんな気づきがあるとは思いもよらなかった。人生、いつどこで何が起きるか分からない。きっかけや縁は大切にしていきたいな、

    1
    投稿日: 2022.08.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    湊かなえ作品だけど、湊かなえっぽくないなって思った。 他の作品は人間の醜さを感じる粘度の高いストーリーが多いけど、これは一つ一つを心の宝箱に閉じ込めたくなるような物語。 私は作品に影響されやすいから、今すっごく山に登りたい笑。

    4
    投稿日: 2022.08.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    なんだか手厳しい女性が沢山で、ちょっと面倒くさい人が多いしよくこれで落ち着くところにいけるなとあまり好きになれないタイプの女性が多かった。けど現実はきっとこんな感じに面倒くさくて、そんな中で何かを見つけてその道を選んで進んでいくのだろう。 うん、本当に面倒くさい。(笑)

    12
    投稿日: 2022.08.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ゆるく連鎖した世界で山に登る女性たちを描いている。 ひとりひとりのキャラが丁寧に描写されていて、オンナの嫌な部分もカワイイ部分も上手。 トンガリロの章は、過去と現在の部分の入れ替わりがやや判別するのに時間がかかり、読みにくく感じた。

    1
    投稿日: 2022.08.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    連作長編となっている為、別のストーリーに他の作品の主人公がチラッと登場してくるのが面白い。 山に行きたくさせてくれる。私が登山にハマったきっかけと言える本。

    0
    投稿日: 2022.07.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    短篇だけど、所々で登場人物がかぶる。この構想が面白かったです。何かにメモしながらでないと登場人物はなかなか覚えられませんが。私も登山好きなので、これを読んでやりたくなりました。

    1
    投稿日: 2022.07.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    湊かなえさんのイヤミスが好きなのですが、この本はそことは別の本でした。とにかく山に登りたくなる。何かしらの悩みや怒り不満不安を抱えた女性たちが山と対峙する中でその想いを昇華させる話。彼女たちの心情だけでなく、山の描写も鮮やかで、普段旅のエッセイも好きな自分には大好物な本でした。登場人物が多く、時に物語の中で交差するので時折誰が誰かわからなくなることだけが少し煩わしかったです。迫る夏への期待が膨らむこの時期に読めてよかったな。今年の夏は山に挑戦したみたい。

    0
    投稿日: 2022.07.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    それぞれの話が繋がっていくのはとてもおもしろかった。ただ、もともとカタカナが苦手な自分には最後の方の海外編はちょっと難しく感じた。それ以外はとても読みやすく、次にどう繋がるか展開が楽しみで、読み終わった後は結末を知った上でもう一回読みたいと思える本でした。

    1
    投稿日: 2022.07.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    様々な悩みを抱える女性が主人公のお話。 1話1話オムニバス形式になっているが、全てのお話の登場人物が、誰かしらほかのお話の登場人物と繋がっているので、一気見がオススメ。 大人になってすっかりインドア派になった私だけど、小学生の頃は毎年家族で登山をしていたことを思い出した。 主人と娘達を連れて、今年辺り手頃な山から登ってみようかなと思った。でも1人でも登ってみたいかも。そんな気持ちになった1冊。

    0
    投稿日: 2022.06.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ❇︎ 湊かなえさんはイヤミスの印象がとても強かった のですが、山に登ることを軸にして自分の人生と 向き合う等身大の女性の姿が鮮やかで印象的でした。 一人ひとりの女性が、悩みながらも前を向いて 進む様子は力強くて清々しく、こんなふうに 前を向いて進んで行きたいと思わせてくれました。 続編とぜひ読みたいです。

    13
    投稿日: 2022.06.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    登山の風景描写が綺麗で繊細で、まるで自分が歩いているかのような気分になれた。 山の前ではみんな素直になれるんだなぁ... 自然って偉大。

    1
    投稿日: 2022.06.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    山に登る。同僚と、恋人と姉妹と、ツアーで。短編が少しずつ繋がっていく。知っているようで知らない者通しが、山を通じて心を開いていく。不倫だの離婚だのバブルからの転職だの それぞれが抱えている重い気持ちを山が静かに流していく。黙々とただひたすら目標に向かって歩いていく。自分が無になる瞬間かもしれない。毎回変わる主人公たちが、少し光指すほうへ歩いていく姿が頼もしい。

    3
    投稿日: 2022.06.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    一時流行った山ガールを想像しながら題名を見ていた。山女と山ガールって、何が違うのだろう。山姥との違いは明確であるが・・・。 どちらかと言うと山女の方は本格的な登山家をイメージしてしまう。それだと、この作品の題名は山ガール日記ではないだろうか? ひとつひとつの山の風景が瞼に浮かんでくる描写は素晴らしい。そして登っている人たちの気持ちの変化や内面の顕在化をうまく表現した作品である。 山に登ることで人生の決断をする者、本当の目的は過去の中にあると気づく者、格好つける必要はない、本気で楽しむことだと気づく者、ひとりであろうが家族であろうが、居心地が良いところに居られる事が幸せだと気づく者、目的と手段が違う事に気づく者、自分の生き方を見つめ直し、なりたい自分を見つめ直す者、それぞれの変化を持ってトンガリロに臨む。 山を登る事で、大自然の中で人の本心をうまく表している作品である。そして、登場した人物たちはかつては山ガールだったが、全員山女になっていた。

    6
    投稿日: 2022.05.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    湊さんの本は毒が強すぎて苦手なのだけれど、ドラマが面白かったので母に貸してもらった。どの登場人物も、共感できるところもあり、私たちと同じような欠点や悩みもあり、女の人生を感じられるいい短編集だった。山の経験はそこまでないのだけれど、ちょっと登りにいきたくなるような素敵な本だった。

    2
    投稿日: 2022.05.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    面白かったです。 山登りという非日常の経験は、現実の生活で抱えた大なり小なり、様々な悩みに対しての気づき、を貰って帰ってくるという事なのかな。

    1
    投稿日: 2022.05.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    登山をしつつ、自分の持つ問題に向き合っていく。完全な解決には至らない、ハッピーエンドとは限らないけど、前向きになっていく登場人物の気持ちを一緒に追っていけた。単なる登山だけでない、でも、登山の描写もリアルで自分も行ってみたくなった。

    0
    投稿日: 2022.05.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    文庫本なので八編なる短篇小説 女性的な本でありながら作者が山好きと 読めば直ぐに解る本。 全体的に良く纏まってました。

    2
    投稿日: 2022.04.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    湊さんはイヤミスでちょっと苦手な作家さんだったけど、これはすごい読みやすかった! 登山を通して人生の悩みとか迷いを吹っ切れる女性の短編集でした。 私も登山したい!とまでは思わなかったけど、自然っていいなぁって思った。 病んだら自然に触れようと思う笑。 湊さんのイヤミス以外の作品他にも読んでみたいなぁ。

    3
    投稿日: 2022.04.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    audibleにて拝聴。 するすると続きを辿ってしまう、聴き心地のいい物語でした。 登山というものをした事が無かったけど、なんだか挑戦してみたくなるような、ミーハー心をくすぐられた笑 登山の良さを伝えたい。けど、その感動を伝えようとしても、「感動」というのは心に余裕がないと味わえない体験。無理に誰かに教えずに、自分で味わえばいい。といった感じの内容(どこの章でかは忘れた…)が心に残った。 その通りだよなぁ…登山に限らず、好きな映画や趣味、その良さを人に熱弁する事なんかよりも、自分自身が心の底から楽しめればそれで十分なんだ。 1番印象に残っているのは、トンガリロの章。 トラッキングのツアーに1人で参加している立花が、その道中で15年前に当時の彼氏と歩いた記憶を一緒に思い出していく。 記憶と共に山を歩いてる姿が印象的だった。 山ではなくても、私もそういうことあるなぁ…などと懐かしく思ったり…

    1
    投稿日: 2022.04.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    山に登ってみたい! と思わせる1冊。 無心で、自分自身に向き合えるんだろうな 最後の話、「カラフェスに行こう」は 今の自分に答えをくれるお話でした〜〜。 全部で8編、どれもが繋がってて面白かった。

    2
    投稿日: 2022.03.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    若い頃、登山にはまっていた私。 山に登っているときは、自然と頭の中に浮かび上がってくるのは、その時に心の大半を占めている問題、自分の足で一歩一歩進んでいると、人生だって、、自分の足で進んで行かなければならないものだと…まっすぐ向き合わなければならないような気がしてくる。 この下りは、あのころの記憶を呼び起こし、本当に共感できた。

    6
    投稿日: 2022.03.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    山に登ると、自分に向き合えて、人のことも分かるのかなと思いました。山に行きたくなりました。山に登るときは、練乳を持っていきたいと思いました。火打山のお話が一番おもしろかったです。

    2
    投稿日: 2022.03.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    登山したくなった。 今月やっと今年初の登山ができるから楽しみ。 山女日記ってやまっぷみたいな感じなのかな。 私も百名山制覇したい。

    2
    投稿日: 2022.03.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    山の天気はおすそ分け。山の神か晴れ女なのかは判らないが、たどり着いた先でのご褒美。 元気をもらいに登ってみるか。

    2
    投稿日: 2022.03.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    特別何が良いって訳でもない。8つの物語が一つの本にぎゅっと詰まっている。 私も登山を趣味としているので、あえて今回の読書を山用語で例えるのであれば「縦走」。 急な展開(上り/下り坂)があるわけでもないけど、「こういう本もたまには良いのかも」と思えた。

    3
    投稿日: 2022.02.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    湊かなえさんの文章は読みやすくて分かりやすくて本当に好きです。 山を登る中でいくつもの人間模様があって面白かった。女性向けの本

    2
    投稿日: 2022.02.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    湊かなえさんの本でまだ読んだことがなかったので読みました。山女日記に出てくるような山の景色を見てみたいと思った。この本をきっかけに初登山に挑戦します。

    2
    投稿日: 2022.02.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    もともと山が好きで読んでみる事に。 山へ登る人たちは悩みを抱えていたり抱えていなかったり。 それでも山は同じように接してくれる。 もう一度登ってみたい、そんな気にさせるお話。

    2
    投稿日: 2022.01.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    それぞれに悩みや葛藤を抱えた女性たちが、山に登ることを通じて何かしらの希望や癒しを得るという話の連作短編集。 女性ならではの"あるある"や自然の美しさ、荘厳さには共感したりうっとりしたりしたけれど、山に登ると急に視界が開けて希望を見出せるなんてことは私にはほぼないので、若干ご都合主義だな~とテンションが下がってしまいました。 でも、山に行きたいとは思わせてくれるお話。 面白かったです。 何も考えずにただひたすら足を前に踏み出して山頂に辿り着いて、しんどいけどやっぱり登山っていいなと笑いたい。 このご時世でなかなか難しいですが、また何の気兼ねもなく登山できる日がくるのを心待ちにしています。

    6
    投稿日: 2022.01.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ドラマでも放送された山女日記。山ガール。登場人物は何度もくりかえし出てくるが、湊さんの殺人のシーンが描かれない小説ということであるが、人間の模様がリアルに書かれていた。

    6
    投稿日: 2022.01.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    山に登ると無心になれる。子どもの頃は登山なんか大嫌いだったのに、大人になって山の疲労感と爽快感は何物にも代え難いと気づいてしまった。とはいえ私は日帰り専門のにわかライト山女。本書は山の情景や良さが伝わってきてかなり面白かった。山好きな人はもちろん、そうでもない人でもそれなりに楽しめそうな絶妙な塩梅の連作短編集。登山のみならず女性の悩みや生き方にスポットを当てているので共感しやすいのだろう。『火打山』と『トンガリロ』が特に好み。全体的に爽やかな内容だが、所々イラッ!とくる人もいてそこは湊さんらしかった。

    2
    投稿日: 2022.01.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    心に何かを抱えた女性が山に登り、自分自身と向き合う短編集のような作品で、それぞれの人が少しずつ繋がりが見えて、読みながら楽しめる。 この作品を読むと、初心者の自分でも山に登ってみたいと思う。 緑や花や空や風を見たり感じたりしたくなる。 山の作品でも、樋口明雄さんの作品を読むと、山の厳しさに怖れを感じ、憧れつつも踏み出す前の躊躇いが大きくなる。 いつか、挑戦できるかな…。

    10
    投稿日: 2022.01.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    図書館。続編が出たと聞いたので、再読。 全く内容を覚えていなかったので、新鮮ではあったけれど、読み進めていくうちに、ああ前も後半になればなるほど興味が薄れていたんだった、と思い出した。 七花ちゃんの話が一番良かった。

    2
    投稿日: 2022.01.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    今年の締めくぐりは、今年に相応しい一冊でした。 とはいえしばらく読んでいたが、私として不覚なこと、最後の二章を残して本をどこかに無くしてしまった。仕方なくもう一度購入し、なかなか寝付かずの晩にやっと読み終えた。 湊かなえは「いやミスの女王」と言われるほど、後味の悪いストーリーをよく書いている作家として巷でも評判だが、この一冊は、山登りだけのことがあって、何とも爽やかな一冊でした。人はなぜ山を登ると聞けば、我が山友の言葉を借りて「そこに山があるから」と座布団3枚を差し上げたいくらいの名言で答えよう。山を登りながら自省したり、または心のもやを晴らすために、あるいはただそこに山があるだけ。 山女日記は山を登る女達の連作長編。本作に出てきた山たちに、私が実際に登ったことがあるのは金時山だけ。あれは山登りを始めたばかりの時、登山靴以外のものは全て代打品だった。だけど山頂で見た富士山、それはそれは素晴らしい景色でした。途中で何度もバランスを崩して転んだけど、山頂の景色ももちろん、下山後の達成感も、全ていい思い出になった。 山登りは、人生そのもの。 山女日記の彼女達は順風満帆な人生ではなく、そこに躓きだったり、考えが袋小路に迷い込んだりしていた。誠実に、真面目に生きてきたけど、人生はそんなはずじゃなかったのに、迷い込んでいるうちに、自分を見失っていた時に山に向かう。いろんな選択肢の中に、占いでもカウンセリングでもなく、山を登るというのは意味があると思います。まだ山登りの経験が浅い私が語れる事でもないが、途中の道が険しくても、必ずゴールがあることが、山登りの魅力だと思う。 さて、人生のゴールは? 多分今までは、自分にとても高い理想を設定していた。毎日「まだ足りない」という焦燥感に駆られ、自分にも周りの人にもイライラしていた。そのゴールはいつ達成出来る?と分からず、ただ時間が過ぎていく。山を登るようになってから分かった事:毎日、小さくても確実に達成できるゴールの方が、もしかしてもっと生きやくすなるんじゃないかと思うようになりました。山女達が山頂見た風景や感じたこと、それは過去を悔やむことでも、未来を見据えることでも、山登りの過程に意味があって、そのゴールは山頂ではなく、下山後の現実人生にあるじゃないかと思います。

    2
    投稿日: 2022.01.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    本を頂いたので初めて湊かなえさんの作品を読みました。湊かなえさんといえばミステリーの印象が強かったのですがとても読みやすく、登山の魅力と女性ならではの悩みを描いていてます。登山に必要なものや知識も自然と得られました。 ちょうど自身もライフステージが変わりつつある時期なのか悶々としており読み終わった頃には登山に挑戦してみたくなりました。

    2
    投稿日: 2022.01.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    正義感が強い人が苦手なので、それぞれの章の登場人物にイライラしながら読むことが結構多かった。特に山に興味があるわけでもないし、スリルがある物語が好みなので☆3。

    2
    投稿日: 2022.01.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ミステリーじゃないの??. イヤミスじゃない湊さんを初めて読みました. 面白かった. 登山には全く興味がないんだけど. これを読んでみても登ろう!とは思わないけど. でも 登る人の気持ちがなんとなくわかった. ハイキングくらいなら行ってみたいかも.

    2
    投稿日: 2022.01.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    それぞれ主人公がいる各短編が、また別の短編に少しずつ絡まり、それぞれ主人公の思いが、登山を通して気持ちに整理をつけていくような物語。 まだまだ、派生的に登場してきた人物の物語も読んでみたくなる。

    2
    投稿日: 2022.01.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    山は全てを癒してくれる。人が登るのは待っていてくれる。 山ガールが一般代名詞となった近年。 山に登ることでちっぽけな悩みや葛藤を一瞬で解決する女性たちが主役の連作小説。 何より構成が見事。脇役かと思われた人物が次の作で主役となり、全作が繋がり持ち大円団へと向かう。 構成力と各登場人物の造形力がさすがこの作家と思わされる。おそらく実際に山経験も豊富かと。 筆者のパワーに驚かされます。

    2
    投稿日: 2021.12.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    短編に出てくる少女から淑女までの思考心情がすべから、自分自身や周りにいるいるーっ!て感じで、中でも 私の場合、自分の嫌な一面を的確に描かれてていると感じる短編があり、その図星感で少し気分が暗くなってしまった。それくらい、心情描写が繊細でリアル。だから、嫌ミスが書けるのよね。湊かなえすごい。人が人を思う気持ちで物語を作り上げてる。

    2
    投稿日: 2021.12.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    湊かなえさんは普段あまり読まないけれど、これは読みやすいと勧められ購入。 確かに、苦手なスッキリしない終わりという感じでもなく読みやすい。 けど、次どうなるのかというワクワク感もなく読み進めていったら終わってしまった、そんな感じ。 言葉遣いなのかな、『ムカつく』とか『デブ』とか、そういった言葉の使い方に引っかかり、やっぱりあまり好きではないと思ってしまった。 登山に対するイメージは良く、自分もいつかそういう趣味が持てたら良いなと思えて、そこは良かった。

    3
    投稿日: 2021.12.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    様々な思い、葛藤、悩みを抱えた人が山で自分の気持ちと向き合う物語。 それぞれの主人公に共感する部分、自分と似ている部分を感じた。 例えば、捨て去れない華やかな過去を持ったアラフォー女性。 私も学生の時は楽しかったなと過去ばかり見ていて、なんだか今は昔と比べて少なくなったように思って虚しく感じる部分がある。 でもそれって過去ばかり見てても何も変わらない。 大切なのは今何するか。 この女性もラストに過去ばかり見るのではなく、新たな出会いを掴もうとしていた姿がとても印象的であった。 また実家で農家を手伝いながら、翻訳の仕事をする独身女性。 定職についていないこと、独身であることを姉に見下されているように感じており、山でそのことについて戒められるように思っていた。 前半はなんだか怪訝な雰囲気な姉妹である。 でも後半で実は姉はそんなことを思っておらず、離婚を切り出されて自分の中で悩み、考えながら登山していたのだ。 こういった自分で自分のどっかよくないと思っている部分があるから、他人がそう思ってると勘違いすることって往々にして私もあると思う。 実際は他人はそんなこと思っていないのに。 また姉は一見医者と結婚して裕福で幸せそうなんだけど、実は離婚の危機にあったりと、側から見て幸せそうでも、実は辛いこと、悩んでいることなんて誰にだってある。 私はそういった他人の氷山の一角に過ぎない羨ましいと思う部分だけ見て、自分と比べて自己嫌悪になっていた時がある。 他人と比較なんてうまくいかない。 商品の売り上げのような事実に基づいた比較なんて人同士はできっこない。 人は感情が入るし、当たり前にたくさんの側面がある。 無理無理、比較なんていつも間違ったもの。 そう思う。他人と比較せず、私は私の人生を生き、私の人生の主人公で行く。

    2
    投稿日: 2021.12.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    単行本は読んでいるので文庫で再読。 登山はしないので、登場人物が登った山や見た景色をお裾分けしてもらえるのは有難い。 山にいる間は自分自身に向き合うことになるから、気持ちの変化とか気づきとかいろいろあって、それが結果的に彼女たちの背中を押すことになる。その一連の流れがすごくいい。 続編にはその後の律子や希美たちが出てくるのか楽しみ。

    2
    投稿日: 2021.12.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    山登りをしたい 年を重ねていくと今まであまり心を惹かれなかったものに急に掴まれることがある 感動は気持ちの余裕の上に成り立っている、本当にそうだな 今は訪れることが難しくなってしまったけど、遥か彼方の国の素晴らしい景色でも、自分の心身が健やかで楽しむ余裕がないと毒にも薬にも、何にもならない そういう意味では急にひとりでも山の世界へと飛び込みたい、と思ってしまった今の自分の環境はとても幸せかも 本の世界はいつだって自分を待っててくれる まだまだ、どこにだって行ける

    3
    投稿日: 2021.11.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    私も山登りするので、彼女たちの山に登るときの気持ちがとても良く分かりました。 でも、幸い私は彼女たちほど、複雑な事情は抱えてないので、山に登るときの私の頭の中はもっと単純。頂上で食べるカップヌードルを思いながら登るだけf^^*)

    2
    投稿日: 2021.11.28