
総合評価
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powered by ブクログ多様性がいかに重要で組織には必要かというのを興味深い事例を用いて紹介している。本書で紹介される本もまた面白そうである。
0投稿日: 2022.10.14
powered by ブクログ著者の前作が非常に良かったのでずっと読みたかったのですがやっと実現できた。内容は素晴らしく面白いに尽きます。多様性の重要性がよく伝わって来た。もう一度読みたい本。
1投稿日: 2022.10.03
powered by ブクログ多様性を獲得するための方策はわりと普通のことだったが、それを説明するための具体例が豊富で、いちいち腑に落ちる。多様な人材を揃えるだけでなく、個人個人が考えや意見を遠慮なく表現できる環境を整えるのが大事。
0投稿日: 2022.09.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
募集の段階では、多様だったメンバーも組織文化に同化し、適応することで多様性を失うこともある。 ヒエラルキーがものを言う環境では、多様な意見は表面化しづらい。また、不均衡なコミュニケーションによる会議でも多様性は発揮されづらい。一方で、ヒエラルキーがまったくないと、組織は方向性を失ってしまう。すなわち、多様性の発揮のためには、支配によるヒエラルキーではなく、尊敬を集める人物をリーダーとするヒエラルキーのもと、情報の共有が不可欠。 平均は代表ではない。平均値(標準化)は多様性(個人の特性)を覆い隠してしまうので、個別最適化の概念も重要である。 多様性を取り込むために、無意識のバイアスを取り除き、多様性のあるメンバー構成を行い、giveの概念を重要視することが有効である。
0投稿日: 2022.09.18
powered by ブクログ自分が考える組織への根本思想と共通する部分が多く、言語化された感覚が大きい。読んでよかった。 ■多様性が必要な理由 多様性がないエリートを集めた集団を作ると死角ができる。 CIAが3.11を防げなかったのは色入な要素があるが、多様性のないCIA組織にも課題があった。 白人のエリート階級が多く、イスラム文化を異文化として理解できない。 実は事件の5年も6年も前にビンラディンは声明映像を世界に発信している。ビンラディンが洞窟であごひげをはやしてキャンプスファイヤーの前で詩にした声明を出す映像を。 CIAはこれを重要視しなかった。自分はアメリカの脅威だと主張する人間は数多く、CIAのエリートから見ればビンラディンは現代文化とはど遠い男=脅威になりえないと過小評価していた。 一方でイスラム文化に詳しい人が同じ映像を見ると、洞窟も詩も宗教的に聖なる象徴であり、イスラム圏では多くの若者たちがこのメッセージに突き動かされた。そして実際に実行犯になる者たちも現れ始めた…。 これはCIAチームの同質性から異質なイスラム文脈の中でのメッセージの重要性に気がつけなかったことで起こった。 多様性がある組織であれば1つのものをチームで見て捉える視点が広がる。 ■多様性は意見が共有されて価値を発揮する 一方で視点が広がっても共有さらなければ意味がない。 アメリカでは機長が空中でトラブルを捉えて旋回飛行していた飛行機が燃料切れで墜落するという事故が起きている。 当然横にいる副操縦士は燃料の減少に気がついていた。が、伝えることで上官に対して「あなたに見えていないものがある」と指摘をしてしまうことになるのではと萎縮して結局伝えられずに燃料切れで墜落事故につながった。 普段の会議などでも権威に対して意見ができないという事態が起こることで多様性がある組織であっても、問題が共有されずに最悪の意思決定を招いてしまうこともある。 心理的安全性と言われるものなどの話に通じる話。 支配的なリーダーが上に立つとチームでの意見は共有されにくくなり、一方で尊敬を集めるタイプのリーダーが立つと意見が共有されやすくなる。 不況など不安定な状況では強いリーダーシップが求められやすくなる。支配型の社長が決断して意思決定していくべきだというか。これは人間が不安定な見えない状況を嫌い、支配的なリーダンによってピンが止められることで不安定の中に安定を作り出そうと求めるから。 ただ見通しが立たない状況だからこそ現場からも多様な意見が上がってきて死角が少ない状況を作ることも大事。ここが組織の失敗を生むポイントの一つでもある。 ■memo ・特定の分野だけ詳しくなってしまうと他に順応できない。イノベーションはアイデアの融合ポイントに生まれる。当事者でいながら第三者でもいること。ダーウィンは動物学、心理学、植物学、地質学の分野を横断した。 ・イノベーションは歴史上の偉人によってある日突然生み出されるのではなくネットワークの中で生み出される。複数の人間が考えたアイデアの交差点にいた人物がイノベーションを起こす。“女性“などは長らくアイデアを生み出すネットワークから阻害されていたが、人類の半分のネットワークから生み出されるアイデアが失われていたという観点では人類の損失を起こしていたともいえる。 ・学生数30,000人の大学と1,000人の大学。どちらのほうが多様性の豊富なコミュニティを作るか。答えは後者。前者は人数が多いので多様な人は集まるが、裏を返すと自分に近い人がいる確率も高い。結果的に同質的なコミュニティができやすい。
0投稿日: 2022.09.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
書店で目次見て興味持ち、購入。 多様性は大事、と言われるが具体的にどのような面で大事なのかを、様々な事例を通して伝えてくれる一冊だった。最初のCIAの話はわかりやすいが、ヒエラルキーの影響や平均など、一見関係あるのと思うことも。実は大いに関係ありと知ることができ、視点が広がった。
0投稿日: 2022.09.10
powered by ブクログ手に取った時は少しボリュームがあるなと思ったが、非常に読みやすくて興味深い内容ばかりで、サクサクと読み進めることができた。とても面白い。 多様性による視野の広さや進歩は感じていたけど、本書により画一的であることのリスクが今一度理解できたし、こんなにもデータで差が出るのかと驚いた。 特に仕事をしていくうえで、意識して多様な意見に耳を傾けたいし、似たような考えの持ち主との議論には注意が必要だと感じた。
0投稿日: 2022.09.05
powered by ブクログイエットアナザー多様性本。謝辞に出てくる「おすすめ本」の相当(7、8割?)がすでに翻訳出版されていることにちょっと驚いたり。 なんか読みにくいしそんなにおもしろくない。
0投稿日: 2022.09.02
powered by ブクログ1.関わる人の数と種類が増えたので読みたくなりました。 2.多様性とは「異なる視点を持った人々が集まり」を指してます。組織を形成するにあたり、多様性に広がりがあるほどパフォーマンスが上がっていくという結果も出ていることから、多様性の重要性について説いています。 ただ、多様性を維持することはとても難しく、組織で動く際は支配型になってしまいます。支配型はスピード感を持って1つの目標に向かっていけるという利点がありながら、モチベーションやパフォーマンスの低下に繋がります。これを防ぐためには尊敬型リーダーシップと使い分けていく必要があります。本書では、組織や日常生活で多様性についてあらゆる実験、ヒアリングを基にその重要性について説いています。 3.楽をしたい時ほど画一的な意見に走りたがるというのは人間の性なのかもしれないです。ただ、ほれによってメンバーの意見を聞かなくなる傾向があるため、心理的安全性は保ちづらいと思いました。組織を形成するにあたって1番大事なことは「居場所を実感してもらうこと」だと思ってます。それを感じることで自分が頑張れるようになっていくのだと思います。そのきっかけとして「自由な発言ができる場をつくる」ことが良いと思いました。
5投稿日: 2022.09.01
powered by ブクログ多様性の価値は、いろいろな見方や考え方が、交わることにより、実感へと。自分は未熟であると認識して、人と交わっていくこと、それが、新たな多くの可能性を広げてくれるのだろう。
92投稿日: 2022.08.17
powered by ブクログ9.11時のCIA ヒマラヤ登山隊 極右の家庭で育った青年の変化の話 ものすごくおもしろく、視野が広がり、考え方が変わる。 今後の人生において、読んでおいた方が良い本のうちの一冊
0投稿日: 2022.08.01
powered by ブクログよく耳にするようになった多様性という言葉。 漠然としたイメージはあるが本質とは、また多様性がもたらすものとは何かを意識して読んでみた。 以下、認知的多様性について。 多様性とは何か。 同じモノサシで測らない複数の視点。 様々な意見を述べる自由と受け入れる寛容さ。 盲目的にならないためのアラート機能。 多様性はなぜ必要か。 様々な視点や意見、情報が共有されてこそ重要な判断が下せる。 ヒエラルキーによるバイアスを排除し集合知を得る。 問題を問題として正しく認識するため。 どのように多様性を活かすか。 二項対立を避け真摯な議論の場とする。 他者の意見を尊重する懐の深さを持ってお互い価値を与えあえる関係を作る。 同質となることを避け第三者の目を取り入れる。 自分たちにとって異質なものを排除、攻撃するのではなく可能性として耳を傾け様々な視点から物事に接する意識が大切。 色々なものが混じってこそ強くなる。 日本人が一番苦手なことではないかとも思う。
0投稿日: 2022.07.30
powered by ブクログ多様性、私が関心を持っている分野である。多様性を欠いた組織の失敗、組織上のヒエラルキーの強さが多様性欠如の原因となる話、無意味な平均値の話など、多様性の欠如による失敗例とその対処を多数上げている。ざっくり言うとこの本は、多様性とはどういったことで、その多様性をどう扱うかという話だ。 ただ、多様性の問題だけではないと思うものもある。第1章、CIAが911を防げなかったのは画一的な人材採用によるものという話だ。1990年代の元捜査官の話では、CIAはプロテスタント系エリート白人男性ばかりだったとのこと。多様性が欠けていたというが、人種差別的優越感という切り口では書かれていないのが気になるところだ。その後採用したアフリカ系アメリカ人のイスラム教徒が経済部門からテロ部門への異動を志願し、成果を出しているという。採用された当人は、採用自体、人事担当者が黒人女性であったことも無関係ではないと言っている。但し、いまだに上級職の多様化は進んでいないとのこと。 振り返って日本では…多様性を受け入れるよりは多様性を失う方向に動いている話が多いのではないだろうか。大企業による学歴エリートの偏重とか。幅広く門戸を開いている会社もあるというが本当だろうか。首都圏ではお受験が盛んであるが、そういった環境で育った子が成人し役人や政治家になったとして、たとえば母子家庭の貧困問題を理解し解決につなげることができるのだろうか。 実例はすべてアメリカのものであるが、日本の身近なことでも当てはまる例はたくさんある。第5章で取り上げられているエコーチェンバー現象は、日本のあらゆる場所で見られるのではないかと思う。取り上げられている実例は、日本の宗教問題と重なる点が多い。また、第3章ではgoogleの失敗が実例として取り上げられているが、逆に、こういった大胆なチャレンジ自体が日本企業では無理だろうという内容だ。 読むべき価値は非常に大きい本だと思う。ただ、個人的には他の本などで読んだ類似例もいくつかあったため、☆ひとつ減とした。
0投稿日: 2022.07.26
powered by ブクログ認知的多様性を持たない集団には盲点が生まれ、それに気づくことができない。組織内のコミュニケーションが滞れば、多様な視点は共有できない。集団の様々な指標は平均値に正規分布するが、すべての値が同時に平均である人間はいない。 多様性は、情報革命時代になって重要性が増してきたように思っていたのですが、人類が進化に至るカギだったという論になるほどと思いました。
0投稿日: 2022.07.24
powered by ブクログ英『タイムズ』紙の第一級コラムニストの著作。 複数の視点で問題を解決する組織の話。原題は、Rebel Ideas なので、ちょっとニュアンスが異なるが、多様な思考ということが重要なのは、サブタイトルからわかる。 いろいろな読み方が考えられるが、イシューは下記のように整理。 「多様性」の理解: 本書の読了前後で「多様性」の認識は変わったか?どう変わったか?「多様性」はどう理解すべきか? * 特に、「多様性」の認識が変わってはいない。しかし、「人口統計学的多様性」と「認知的多様性」を区別し、後者を重要視する点は、以前からの自分の主張(もともと人によってメンタルモデルが異なるので世界の見方は想像以上に異なる)と重なるところがあり強く共感。 * 社会的な公平性や平等性のため「多様性」を担保することが必要という主張とは別に、画一的な組織では盲点が見抜けないというCIAのような問題が構造的に起きるリスクをいかに抑止するかという点で「多様性」を増すための異なる視点の確保自体が次に論点になるものと理解。 「多様性」の成功要件: 「多様性」があることで組織運営がうまくいくケース、うまくいかないケースは?うまくいかせるための要件は何か? * うまくいかないのは、「多様性」を画一化しようとして、個々の強みを殺すパターンか、「多様性」の好き勝手さをコントロールできずに協力よりは争いにつながるパターン。 * うまくいかせるには、多様性を「認知的な視点」にとどめ、MVVなどの価値観や思考、行動原則で「多様性」を束ねることに成功した場合。 といったん書いてから、改めて「コミュニティ論」として読むと深読みができることに気づく。 例えば、エコーチェンバー現象とフィルターバブルの違いは、まさにコミュニティがある種のストーリーにもとづいて動いていることの証左である。それがヘイトまでいくのか、その前で止まるのかは、「事実やデータから目をそむける」という状況が起きているかどうかによる。また、フィルターバブルとは異なり「信頼」によって、反対意見をも常に自分たちの信念強化のために活用できる。 こうした見方は、希望がもてる。
1投稿日: 2022.07.19
powered by ブクログこれからやりたいと思っていたことの裏付けとなる良本! 多様性が失われるリスクを事例とともに紹介されている。 ヒマラヤや航空機墜落事故における、リーダーとの関係性と組織構造にはとても驚かされたが、確かに自分も嫌な予感がしてもまぁいいかと上司に指摘せずに受け流すことがあるので、とても刺さった 他のメモ: ・優秀さと多様さは共存できる ・人は変われる:信頼とエコチェンバー現象からの解放 ・多様性のあるチームの方が結論に自信を持っている人は少ないが正答率は高い ・人間が他の猿類よりも繁栄できたのは集団知の共有による脳の肥大化 ・多様な価値観が共有されるチームであるためには、リーダーの振りまい方が極めて重要
1投稿日: 2022.07.05
powered by ブクログ様々な文献、ジャンルにわたり、多様性の有益さと画一であることの危険性を説く。とても面白い! 日本のような島国で正しく多様性が確立されるのはまだまだ先かも…と思いつつ…無意識のバイアスを持っていないか、画一な組織になっていないか、は省みていきたい。
0投稿日: 2022.06.27
powered by ブクログ読み始めるまでは、多様性なんてものは組織力向上のための1オプションであって、基本的には能力が高いものから選抜されるべきという本著にも述べられている「誤った方針」で物事を考えていた。多様性は視点の違いであり、同一の視点から物事を先入観をもって判断してしまうことを避けるための有効な手段だということは理解できた。以下に優れた製品でも、同一規格/要求によって製造されたものは致命的な問題を孕む可能性があるという基本的なことと、同じではないかと感じた。
0投稿日: 2022.06.27
powered by ブクログ非常に良かった。失敗の本質など組織論が好きな人にはおすすめ。以下、まとめ。 ❶画一的集団の死角 ①人間の記憶はいい加減なもので後知恵バイアスがかかることがある。当初想定していたことと違った事実が起こったにもかかわらず、あたかも始めから想定できていたかのように振る舞う。 ②CIAのような国家機密機関ですら多種多様な人材の採用をしていなかった時期があった。現在の社会問題は、数式のような明確な解答がある問題ばかりではないため、多種多様な視点から物事を見ることが大事である。 ❷クローン対反逆者 ①ひとり優秀な人間がいても、全ての物事に精通しているわけではない。『類は友を呼ぶ』という言葉があるが、意識していないと人は自分と似ている人を選ぶ習性があり、これだと多様性を確保することは難しい。場合によっては集団の無知に陥る可能性もある。画一化の盲点である。 ②集団には本質的に『クローン化』する傾向が備わっている。組織に入ると、その組織の論理に染まってしまうのだ。これは、日本の学校や会社組織においてもよくみられる現象であり、先のCIAの話も本質的に同じである。 ③少数派の意見は極めて大事である。たとえ、意見そのものが間違ったとしても、集団の発想を広げるきっかけになる。 ④多様性は高い集合知を生むが、それには根拠が必要だ。対処する問題と密接に関係し、かつ相乗効果を生み出す視点を持った人たちを見つけることがカギとなる。畑違いの人を単純に入れたり、人種や性別を分散するだけではダメである。 ❸不均衡なコミュニケーション ①ヒエラルキーにまつわる感情や言動は人間の頭や心の奥深くにプログラミングされ、我々はその存在に無意識でいる。これは、動物界でも人間界でも一緒である。 ②進化の過程においては、支配的なリーダーがいる集団の方が生存率が高い。 ③ヒエラルキーがモノを言う環境下では権威あるリーダーの存在は抑圧を招く。上司の意見が全てとなり、多様な意見は出てこない。その弊害が時として重大な事故を招くケースも存在する。 ④一般的に4人組のグループの場合、そのうち2人が会話の62%を占めるという。これが6人になると3人の会話が70%。この支配傾向は人数が多くなる程強まっていく。これは日常的に見られる現象で『不均衡なコミュニケーション問題』とよばれている。 ⑤ヒエラルキーの問題は実は株式市場にも関係している。発言力のある人間が発信した銘柄に群がる習性が見られるが(イナゴ)、これはバンドワゴン効果といわれるものである。決してこの集団は賢明というわけではない。 ⑥ヒエラルキーの問題は数多あるわけだが、だからといって組織においてヒエラルキーをなくすと、それはそれで組織に混乱が起き、責任の所在が曖昧になり、業務に支障をきたす事態となる。 ⑦ヒエラルキーの弊害を減少させる新たな形として、尊敬型リーダーというモデルが有効だと考える。これはいわば『周りに人が集まるリーダー』である。支配型のリーダーと違って、意見が言いやすく、自発的にリーダーのために働くことが特徴。 ⑧心理的安全性が高い環境が重要だ。これは他者の反応に怯えることなく、自分の意見を自由に言える環境を指す。 ⑨ある心理学の実験では、人は不確かな状況やコントロールできない状況を嫌うというデータがある。不確かな状況に直面すると、我々はある種の支配的なリーダーを支持して、秩序を取り戻そうとする傾向がある。いわば、自分の不安を他人の指導力で『埋め合わせ』するのだ。これを代償調整とよぶ。 ❹イノベーション ①イノベーションには2つのタイプがある。1つ目が『漸進的イノベーション』日進月歩で改良させる形のイノベーションであり、ダイソンの掃除機などが分かりやすい例である。2つ目が『融合のイノベーション』である。いわゆる『アイディアの掛け合わせ』である。スーツケースに車輪を付けてキャスターを発明するようなものが例にあたる。 ②インターネットの時代では、あらゆる情報が瞬時に行き渡り共有できるようになったため、融合のイノベーションが加速度的に起きる環境になっている。 ③我々には慣れ親しんだやり方をするバイアスがかかっている。バイアスが強ければ、それだけ新しい方法を試すことができなくなる。だからこそ、意識的に現状に疑問を投げかけることをしないといけない。 ④アイディアの概念として大事なのがアイディアは『収穫逓減の法則』に当てはまらないことだ。そして、共有される人が増えていくほど新たな可能性が広がっていく。これは『情報のスピルオーバー効果』と呼ばれるものだ。 ⑤イノベーションは単に個人の問題ではない。人々のつながりがカギとなる。 ⑥クールなテクノロジーを発明したいなら頭が切れることより社交的になった方がいい。 ❺エコーチェンバー現象 ①人は大きなコミュニティに属すると、より狭いネットワークを構築する傾向がある。皮肉な話だが、選択肢が多い分、自分と似通った思考を持った人間を選択してしまうのだ。ネットの世界でも見られる減少だが、同じ意見の者通しでのコミュニケーションが増えて、特定の信念が強化されることがままある。これをエコーチェンバー現象という。 ②この弊害がSNSのフィルタリングに現れる。ツイッターやインスタでは自分の好みに合わせて、いいねやリツイートを繰り返していく。それをアルゴリズムが解析して、クリックしやすい投稿を表示する。こうして、エコーチェンバー現象が強化されていく。 ③これが強過ぎると、自分の意見と反対意見が出ると十分な裏付けやロジックがあってもそれを拒絶し、より自分の意見に固執してしまうということが起こる。(バックファイア効果?) ④情報化社会の現代において信頼というのは重要な要素だ。膨大すぎる情報の取捨選択を日常的に行う中で取捨選択の基礎になるのが信頼である。 エコーチェンバー現象はこの信頼につけ込んで歪んだフィルターをかける。そして、反対する意見を徹底的に弾圧し、自らを正当化するのだ。 ⑤こうして情報のフィルターに信頼のフィルターを重ねれば、集団内には並外れた結束力が生まれる。 ❻平均値の落とし穴 ①今後は我々の生活のあらゆる分野で標準化から個人化への転換が起こるだろう。 ❼大局を見る ①天才族はネットワーク族より賢いがイノベーションを起こす率は低かった。イノベーションで重要なのが個人と集団の交流である。 ②与える人は多様性豊かなネットワークを構築できる。つまり、バラエティに富んだ友人がいて、視野の広い反逆者の意見を数多く得ることができる。
0投稿日: 2022.06.27
powered by ブクログ自分の性格・経験からして、組織の能力を引き出すことに長けていると思っているが、抜け落ちている点、さらに伸ばしていける点がないか確認すべく、本書を手に取った 読み終えて、本書とは直接関係ないが、個人的には、自分自身が反逆者になりきれてないという課題を強く感じた。心理的安全性は割と整備されていると思うので、自分の気持ち次第だよなー。 でも、対上司という人間関係ではなくて、組織・仕事に対する責任という視点でいけば、反逆者になれると思うので、そこの視点は意識していきたい。 コンサル時代は「顧客」という明確なServeすべき対象があったので、反逆者にもなりやすかった。 ただ、大きな組織の「経企」となると、マネジメント・従業員、事業部・管理部門、日本・海外、顧客・取引先・株主・地域社会など関係者が多い。 意識して「誰のためなのか」ということを考えないと、反逆者となる軸を取りづらいよなー 以下、気になったフレーズ ・個人個人の能力ばかりでなく、チームや集団全体を見る姿勢が欠かせない。それでこそ高い「集合知」を得られる。そこで重要なカギとなるのが、多様性だ ・多様な背景や経験を持つ人々の集団は、そうでない集団に比べて人間を深く理解する能力に長けているからだ。多角的な視点を備えていれば、それだけ盲点も小さく(あるいは少なく)なる ・集合知を得るには能力と多様性の両方が欠かせない ・順位制にまつわる感情や言動は人間の頭や心の奥深くにプログラミングされ、我々はその存在にほぼ気づかずに生きている。支配権を握った者は身振りや手振りが大きくなり、従属する者を威圧する。つまり恐怖で支配してまわりを動かそうとする。 ・情報カスケードの一例だ。2人以上の人が同じような答えを出すと、次の人には「そうなのかもしれない」という意識が働き、「右に倣え」とばかりに従い出す ・威圧や脅しではなく、まわりから尊敬を集めることによってリーダーの地位につく者がいるのだ。支配によって強制的に形作られたヒエラルキーとは違い、尊敬を集める人物をリーダーとするヒエラルキーは、矛盾がなく安定する ・「尊敬型のリーダーは共感力が高く、進んで情報を共有する」とメイナーは言う。「その結果、集合知の形成に拍車がかかる ・融合のイノベーションは、リドレーの言葉で言えば「アイデアのセックス」だ ・融合のイノベーションと多様性の関連はもう明らかだろう。融合はいわば「異種交配」であり、それまで関連のなかったアイデア同士を掛け合わせて、問題空間を広くカバーする手段だ。「反逆者の融合」と言っていいだろ ・融合が進化の原動力になりつつある現代において、重要な役割を果たすのは、従来の枠組みを飛び越えていける人々だ。異なる分野間の橋渡しができる人々、立ちはだかる壁を不変のもの、破壊不可能なものとは考えない人々が、未来への成長の扉を開いていく ・当事者でいながら、第三者でもいることが肝心なのだ。現状をしっかりと把握した上で、疑問を呈する。戦略的な反逆者でなくてはならない ・アイデアが共有されると、その可能性はただの足し算ではなく何倍にも膨れ上がる ・「エコーチェンバー現象」〔同じ意見の者同士で:コミュニケーションを繰り返し、特定の信念が強化される現象〕につながる。インターネットは、その多様性とは裏腹に、同じ思想を持つ画一的な集団が点々と存在する場となった ・多様性を見過ごせば、多様性のメリットは得られない。…有益な違いがあればなおさら、組織や社会がそれを考慮してしかるべきだ。そうした違いはむしろ称賛に値する。それなのに標準化されたコックピットのような1つの型に全員を押し込めてしまったら、平均値に惑わされてさまざまな違いを見過ごしていたら、せっかくの多様性を活かすことも、その恩恵を享受することもできない。 ・「精神的にしなやかな人」、あるいは「フットワークが軽い人」といったを示していると言っていいだろう。特定の枠組みから抜け出せる人、第三者のマインドセットを持っている人は、そうでない人に比べて生産的で満たされている ・柔軟なシステムは、組織や社会に進化をもたらす重要な要素の1つだ。一人ひとりが個性や強みを発揮できる――つまり多様性を存分に活かせる――環境があってこそ、イノベーションが生まれる
0投稿日: 2022.06.23
powered by ブクログ自分とは異なる価値観に触れることの大切さを説いている。自分の考え方に凝り固まっていると解決の糸口が見えてこない。1人で悩んでいて一向に進まない業務があっても、周りの者を巻き込むことにより数分で解決することなんでザラにある。自分の視点ばかりでなく、チームの視点も取り入れよう。
0投稿日: 2022.06.22
powered by ブクログ多様性の重要さを組織の事例も交え分かりやすく伝えくれる。多様性の真の効果を理解しないと、いくら多様性を叫んでも現状は変わらない。そこをいかにコンセンサスを取るかが、多様性の実践の肝のように感じます。 平均値の罠については改めての気づきもあった。世に言われてる事の多くは平均的なデータ(を恣意的に⁈)が素であり、個々人の多様性を考えるとそれらのデータやそれから出されるアイデア・商品にはほぼ意味がないと感じた。 多様性の活用と単なる平均は分けて理解し、前者となるよ意識しないといけない。 多様性を生かした行動をしていきたい。
0投稿日: 2022.06.20
powered by ブクログ・多様性のある社会が求められているが、多様性のある社会ってどんな社会なのか、多様性とはどういうことなのか、多様性がなぜ大切なのか。 ・実際に起きた事件や出来事を、多様性という視点で、なぜその事件が起きたのか、どうすればよかったのかを考えていくので、想像しやすくわかりやすかった。 ・色んな人の認識を知る、新たな視点に立つことは自然とできることもあれば、自分の中に経験があればあるほど受け入れ難いこともある。その中でキーポイントになるのが信頼関係。 ・多様性のない組織=画一的な組織は死角に気付くことができず、大きなミスを犯してしまう。 ・画一的な組織は、元からそうなってしまうこともあれば、徐々に画一的になってしまうこともある。 ・多様性のある社会とは、たださまざまな人種や性別の人がいればいいという問題ではない。 ・誰もが発言できる=多様性に繋がる(心理的安全性) ・社会的立場やバイアスを無くした状況から生まれる意見(黄金の沈黙) ・人類は多様性(ネットワーク)によって進化してきた。他者の意見を取り入れること。真似すること。
1投稿日: 2022.06.17
powered by ブクログ2022.6.14 読了 ・支配型ヒエラルキーと尊敬型ヒエラルキーの組織構造 ・アメリカでは移民が社会に大きな影響を与えている。ヘンリー・フォード、イーロン・マスク、ウォルト・ディズニー。純粋培養ではなく、社会の枠組みの認識そのものが重要 ・「クールなテクノロジーを発明したいなら、頭が切れるより社交的になった方が良い」 ・平均値は外れ値に適合していないため、誰にもそぐわない場合が発生する ・自身の知識や創造的なアイデアを共有しようという姿勢でいると、大きな見返りを得られる可能性が高い。なぜなら、周囲に多様な協力者がいることがチャンスをもたらす場合が多いから
1投稿日: 2022.06.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
CIAは国外からの脅威のために設立された機関。FBIは国内の治安維持。 後知恵バイアス=後から知っていたと評価すること。ニクソン大統領の国交回復など。同時テロはそうではない。 CIAの人材は、ほとんどが同じ特徴の人。同類性選好。採用の場面でよくみられる。 アリの巣は「創発システム」=個々の単純な和にはとどまらない組織。全体は部分の総和にまさる。 多様性には2種類ある=人口統計学的多様性と認知的多様性。考え方が異なる多様性。 アメリカ人は個人社会の傾向があり、日本人は相互依存的。モノに着目するか、背景に着目するかの違いがでる。 盲点は目に見えない。自分の枠組みから抜け出せない=プレゼントのリクエストリストをもらっても、リストになくても自分が気に入るものを無意識に送ろうとする。 ディスカッションで、気持ちよく話せるのは、画一的なグループ。自分たちの答えに自信を持っていた。盲点があることを気づかないまま。画一的な集団が陥りやすい危険。 9.11の要因は、ライバル意識からくる情報機関同士のコミュニケーション不足もある。しかし多様性の欠如が本質。集団で見ると盲点がある。 イギリスのサッカーチームに、他の競技の専門家が集められた理由は多様性。 多様性には、性、脳、人種などいろいろある。 居心地のよさが知の追求にもたらす危険性=イギリスの人頭税の失敗。個人は頭が良くても、集団としていい決定ができるわけではない。=画一化の罠。 銀行など伝統的な組織には、画一性の罠が潜む。 除雪計画を決めた男性議員は、女性の気持ちがわからなかった。=盲点。意地悪をしたのではなく、そもそも思いつかなかった。 エコノミストの予測は、一人よりも上位6名の平均のほうが当たる率が高い。みんなの意見は案外正しい。集団の各メンバーがそこそこの能力を備えていれば。 集合知=集団の知恵のほうが個人の知恵よりも平均すれば正しい。集合知には個人の多様性が必要。頭がいい人だけをそろえても画一的なら集合知は生まれない。 多様性はあるが無知な集団、ではなくそこそこ知識がある人の多様性のある集団。 ドイツのエニグマの解読作業には多様性が役に立った。 エベレスト登山=登山はVUCAな現場。volatile、uncertain、complex、ambiguous、不安定、不確か、複雑、曖昧。 ヒエラルキーが重要な現場では、権威あるリーダーに従う傾向がある。多様性は、リーダーのもとに集約されやすい。ヒエラルキーが悪いわけではないが、賢明な判断のためには、チームの視点が必要=多様性ある視点。 会議は、多様性が考慮されていなければ意味がない。情報は隠ぺいされれば正しい判断はできない。=情報カスケード=集団の判断が一方向に流れ込む現象 バンドワゴン効果(同調効果)も同じ現象。 組織のヒエラルキーと多様性は両立しないといわれてきた。ヒエラルキーには2種類ある。支配型ヒエラルキーと尊敬型ヒエラルキー。性格というよりテクニック。 ブレインライティング=なんでも書く。誰が書いたかはわからない。ブレインストーミングよりいい。 レイダリオのブリッジウォーター。徹底的な透明性の確保。建設的な批判や反論ができなくなることが怖い。 文化圏によるヒエラルキーの違い。 不確かな状況では、支配的なリーダーを支持しやすい。不安を他人の主導力で埋め合わせをする=代償調整。 19世紀後半の第2次産業革命=電気の革命。すぐには採用されなかった。蒸気機関のやり方しかしらなかったため。 スーツケースのキャスターは、最初は採用されなかった。 イノベーションは2種類ある。細かい前進と融合のイノベーション=アイデアのセックス。 世界的な起業家の共通点は移民または移民の子供。起業する確率は2倍。 熟練して深い知識があるからこそ、現状に囚われやすい。イノベーションが生まれにくい。 ノーベル賞受賞者は、楽器、絵を描く、演劇、ダンス、マジックなどをやっている。アイデアを融合するチャンスがある。専攻分野を取り換える、など。 無意識の初期設定から逃れる方法=前提逆転発想=レストランのメニューがない、など。 社交的な人ほどアイデアは出る。天才ひとりより効率がいい。 ルート128沿いの企業は自立型を選び秘密主義で、衰退した。シリコンバレーは、オープンな場がいくつもあった。=情報の水平伝搬。 他分野交流のカギは、ネットワーク理論。MITのビルディング20。=MITの子宮。 18世紀のスコットランド=大学が5つ、アダムスミス、ヒュームなど。非凡な才能が多かった、というよりも生まれた。 大きな大学のほうが多様性が高いが、グループは同質的になりがち。大きなコミュニティに属すると、画一的なグループを組んで狭いネットワークを構築する傾向がある。付き合う人数には制限がある。 交流イベントでも、知り合いとばかり話をする傾向がある。 インターネットで視野を広げる可能性もあるが、狭めている人も多い。フィルターバブルとエコーチェンバー現象。 平均のマジック=標準化を疑う。平均の体格の人はいない。 平均値は、適切に使えば複数の視点は意見を反映できる。不適切な場合は、平均を押し付ける結果になる。 食事は患者の多様性のために個人にカスタマイズする必要がある。 柔軟な仕組みが成功や勝利につながる。勤務時間も柔軟に設定することで多様性を確保できる、または多様性を潰さない方策になる。硬直したシステムの危険性は見過ごされがち。今まで以上に多様性に気を付ける必要がある。 オフィスを自分で飾ると生産性が上がる。自律性と個人的な好みが原因。 クローン錯誤=個人主義的なアプローチで、全体論を語ること。個人に焦点を当てている。個人がわかれば集団がわかる。 全体論の視点は、集団脳、集合知、心理的安全性、融合のイノベーション、ネットワーク理論、など。 ネアンデルタール人との違いは、社会性があったこと。イノベーションが失われず代々引き継がれる。 チンパンジーにはなぜ起こらないか=スタートアップ問題。そもそもある程度学習可能な脳がなければ、社会性があっても発展しない。ある程度の能力がありながら、社会性も持つこと。これが人類の成功の原因。 幼児は他の霊長類と比べて社会的学習能力がまさっている。 無意識のバイアスを取り除く=オーケストラは男性が多い。男性のほうが上手というバイアスがあった。=目隠しをする。 影の理事会=別の組織を立ち上げる。 与える人になる=ギバーはテイカーに比べて、最後は成長が早い=業務が高度化するにつれ、個人の能力よりもチームワークが大事になる。 社会における成功には、モチベーション、スキル、チャンス、のほかに他者との接し方=ギバーになる、が必要。
0投稿日: 2022.06.13
powered by ブクログ面倒くさいなだと思っても、自分の意見に都合のよい人を集めるのではなく、多くの意見を聞き、最適解を見つけ出すことが大事だと思った。特に、ゴリラ、チンパンジーとの脳の比較は面白かった。人付き合いは苦手であるが、自分の成長のためには他との関わりが必要である。
0投稿日: 2022.06.12
powered by ブクログタイトルにある多様性と言うものが、イノベーションや生産性に取って非常に大切だと、「科学的」とあるように、事例をもって解く。ダイバーシティの重要性が呼ばれる中、「何故?」の理解に役立つ良書だと感じた。 オリジナルは The power of diverse thinking 本文は以下の7つのパートで構成される。 1.画一的集団の死角 2万人に1人と言う合格率の時もあるCIA採用試験。そのような知の集まりが、なぜアメリカでの9.11同時多発テロを防ぐことが出来なかったのか。しかもオサマビンラディンが5年前にアメリカに対するジハードを宣言し、不穏な兆候も調べられていたのに。その背景には驚くほどの均一化された集団だったことが理由として挙げられるとする。人種や宗教の違いによる行動パターンを考えることが出来なかったのだ。画一的な集団では、不適切な判断であっても、周囲の同意を受けて自信を持つと言う「ミラーリング」が起きる。 2.クローン反逆者 同じ考え方に染まり、同調や肯定しかしなくなることをクローン化と呼び、逆に異論や意見を述べることを反逆者と呼ぶ。 物事を解決するには、多様な考えや経験が役立つし、人が多くても同質な人の集まりでは、解決出来ないばかりか、間違った方向に行くこともある。 1980年代末英国政府は逆進性で悪名高い「人頭税」の導入を行う。抗議デモが多発し略奪等も起こった。人頭税導入を行った責任者は超資産家で審議委員会のメンバーも似通った人々で、「税金を納めることが出来ないなら、家にある絵画を売ればいいじゃないか」等とも語ったと言う。 一方第二次世界大戦中、ドイツ軍の解読不能と言われたエニグマ(暗号)の解読のため実に多様な人材を集めた。文字列や単語から何かの関連性を見いだすような、水平思考を持ったクロスワードパズルコンテストの優秀者が、解読に導くことになる。 画一的な集団が抱える最も根深い問題は、本来見なければならないデータや訊かなければならない質問等を、自ら逃がしていることに気付いていないことにある。 また「能力主義」による採用基準は、組織のクローン化と言う潜在的な危険もはらむ。 3.不均衡なコミュニケーション ヒエラルキーは類人猿の時代から存在し、序列が定められた集団の中で生きるように設計されていると言う。進化の過程では、支配的なリーダーがいる集団の方が勝ち残る確率が高い。しかし集団から出る異議をリーダーが自分を脅かす脅威と捉えられる環境では、多様な意見が出なくなる。エベレストでの遭難事故、飛行機墜落事故の例は、リーダーの明らかに不適切な判断に対して、「経験者を積んだ人だから間違いはないはず」と言うバイアスと、同調が呼んだ結果だ。上旬に意見するより死を選ぶ等あり得ないと考えるだろうが、こうした行動は無意識のうちに起こると言う。どんな職業のどんな職場でも、部下は上司の機嫌を取ろうと意見やアイデアを持ち上げ、上司の真似さえしようとする。多様性はそうやって排除されていく。 データによると4人グループの場合、そのうちの2人が発話の62%を担う傾向があり、6人グループなら3人で70%。この傾向は集団が大きくなればなるほど強くなっていく。 同調傾向が現れるのは和を乱すことを嫌ってだが、同調の結果一方向に流れ出すと、何が起きても自分達の判断は正しいと信じ込むようになる。集団の失敗は、「会議をしたにも関わらず」ではなく「会議をしたからこそ」起こっているのだ。 リーダーは必要だが、力ではなく知恵を、威圧ではなく自由をもたらすリーダーが理想だ。 4.イノベーション 産業革命は、人類の社会的発展の突破口となった歴史的な出来事だが、19世紀 電気の分野で技術革新が進み、生産性が大幅に向上した第二次産業革命では、その直後の25年は発展するどころか多くの企業が破綻した。これは、それまでの蒸気機関の代替のように電動機を使用し、製造工程の合理化と言う重要なポイントを完全に見失っていたからだ。 イノベーションには特定の方向に向かって、徐々に前進する「漸進的イノベーション」と関連のない異分野のアイデアを融合する「融合のイノベーション」があると言う。 この章では後者にフォーカスし、異文化·異分野の融合の最たる移民やその子らによって、これまでどれだけイノベーションが起きているかを示す。 我々にとっても、新たな観点から見て疑問を挟む第三者のマインドセットを持つこと、問題の核となる前提条件を逆転させてアイデアを生み出す方法-例えばタクシー会社にはタクシーかない➡️Uber等-は訓練出来る。また社交的に色々な人とのコミュニケーションでヒントを得るのも良いだろう。 秘密主義や縦割りの弊害は大きい。 5.エコチェンバー現象 人類の創世記において集団脳が成長する上で最も大きな足かせとなったのは、狩猟生活だったため他の集団と交流出来ないと言う社会からの隔絶だった。農業革命が起きてからは、より近くに集まって暮らすようになったが、各集団とは物理的、心理的な壁が多くあった。 今のデジタル社会では簡単に一瞬で世界の誰とでも繋がることが出来る。しかし同じ意見の者同士がコミュニケーションを繰り返すと、特定の信念が強化される「エコチェンバー現象」に繋がり、これによって情報は集団間よりも集団内で共有され、現実が歪んで見えてくるようになる。 そして入ってくる情報にフィルターがかかるようになると洗脳状態だ。 エコチェンバーでは外部意見も入ってくるが、反対意見を聞けば聞くほど「弾圧」「陰謀」「フェイク」と主張し、自分達の信念を強める。これは自集団への信頼があるからで、「信頼は人を無防備にする」と言う諺に通じる。 6.平均化の落とし穴 1940年代、米空軍で飛行機事故が多発した。1977年米政府が「脂肪は体に悪く、食物繊維は体に良い」と発表し国民はそれに従ったが同時期から肥満者が増えた。2012年ダイエット炭酸飲料を勧めた結果、糖尿病患者が増えた。 これらはどれも平均化での落とし穴で、コックピット多くの人のは身体の10箇所の特徴を計測し平均化して設計されたが、実際3箇所ですら比較的緩く設定した許容値を満足できたのは、全パイロットの僅か3.5%に満たなかったと言う。対策は座席と操縦レバー等の調整可能化だ。 人間の代謝や栄養吸収も実は人各々で、腸内に約40兆個も存在する最大1000種類の細菌が、食物の消化や免疫システム等に大きく影響しており、その構成は人によって異なる。「標準的な」「誰にも当てはまる」食事療法が、いかに馬鹿げているかが分かるだろう。 多様性を認めて個人の自由度を広げる施策で、イノベーションに繋がるだろう。フィンランドでは教育においても柔軟性を持たせ、世界中屈指と言われるほどの成功を収めていると言う。 7.大局を見る 集団脳、集団知、心理的安全性、融合のイノベーション、ネットワーク理論のコンセプトは皆部分ではなく、全体から生まれている。現代社会において非常に重要なことばかりだ。今日の我々に差し迫る問題はあまりにも複雑で、個人の力では解決出来ない。必要なのは集団の力だ。 なぜこれ程までホモサピエンスは発展出来たのか? 我々の祖先はネアンデルタール人よりも、当初知能が低かったと考えられている。だが違うのは、より密につながり合った集団で生活し、社会性があったことだ。 集団の情報量が急速に増大した結果、その記憶や整理のために選択圧が働いて脳の容量が拡大したのであって、脳の拡大があったため知恵やアイデアが出てくるようになったのではないのだ。つまり人間の脳が大きいのは「結果」であって「原因」ではない。 2歳半の幼児と、同年齢のチンパンジーとオランウータンとで認知力を見る実験をしたところ、ほぼ同じレベルであることが分かった。但し社会的学習能力(他者の行動を模倣して学習する力)は人間か優れていた。9歳か10歳になれば、どんな年齢のどんな霊長類と比較しても認知力が高くなるのは、周りの大人から吸収する知恵の量が理由だ。 それを積み重ねていく能力こそが人類を特別な存在にしたのだ。社会性が人類に高度な知能をもたらしたのであり、決してその逆ではない。 大成功を収めている人は皆モチベーション、スキル、チャンスを持つと言われているが、プラスして他者との接し方もある。それは決してtakerではなくgiverだ。
0投稿日: 2022.06.09
powered by ブクログダイバーシティって、男性ばかりの組織に女性を入れれば済む話なの?とモヤモヤしていたのだけれど、この本でかなり納得することができた。
0投稿日: 2022.06.08
powered by ブクログ多様性の重要さが非常に良くわかる1冊。 ・優秀さと多様性は比例しない ・多様性があっても環境によっては無にしてしまう可能性がある(抑圧的なリーダーなど) ・多様性がないと先入観や偏見に気づくことすらできない ・個々で何もかもが異なるため、平均値や標準化を用いる場面は注意が必要 ・人は他者と交流し、知識を共有し合うことで進化を遂げた それぞれの章で、多くの事例をもとに様々な角度から、多様性の有用さについて述べられている。 社会に出ると色んな人がいるな、、と感じるけど、まさに「みんな違ってみんないい」ということだと思う。
0投稿日: 2022.06.04
powered by ブクログ多様性が大事とよく言われるし、 確かにそうだなとも感じる一方、 多様性豊かなコミュニティーに属していたとき、 その大変さを身にしみて感じたので、 この本を手に取ってみました。 この手のタイプの本は自分的にはちょっと苦手なんです。 洋書特有の実例がたくさん入っていて、 著者の結論が今一つ見えないまま、 ストーリーが展開されていくという。 まぁ、この本の場合は、 「多様性って大事だよ」というのが著者の結論なんだろうな、と 何となく想像できるんですが、それでも自分的には読みにくい。 (さっさと、結論を言えよと思ってしまう。) 冒頭、9.11を防げなかったCIAが多様性のなさが原因だと言っているんですが、 確かにそんな気もするが、他に原因がないのかと勘ぐってしまう。 本当に多様性だけで必要十分なの?と思っていたら、 ヒマラヤ登山の例が出てきて、 多様なチームでもコミュニケーションが硬直していて、 チームの多くが死んでしまうという…。 おいおい、多様性だけだと全然ダメじゃん、と突っ込みを入れたくなる。 多様性と多様なメンバーによる情報共有が車の両輪のように大切ってことかな!? そういう話なら、「サイロ・エフェクト」にも通ずるところがあるように感じる。 ※サイロ・エフェクト https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4167912899#comment D&Iという言葉があるように、 D(ダイバーシティ)が機能するためには、 I(インクルージョン)が重要になってくる。 この点を著者にはもっと深掘りして欲しかった。 (尊敬型のリーダーとチーム内の心理的安全性が ポイントになると少しは言及がある。) そして、もう一つ、実践が難しいと感じるのは、 多様性が良いといっても、チームの中に殺人者がいると困るように、 多様性の適切な範囲というものがある。 それがこの本では、長方形で表されている。 概念としては分かりやすいものの、 チームが直面する課題に対して、 どう長方形を定義するのかが実際にはとても難しい。 さらに、メンバーの対応可能な範囲が小円で表現されているのだが、 実際にこの円を各メンバーで書く(定義する)ことも難しい。 自分の得意分野や職業をタグ付けしていくしか、 現時点では方法がないように思うが、 それで本当に小円で表現できるんだろうか?、 個人的にはあまりイメージができなかった。。 とここまで比較的ネガティブな評価をしてしまったが、 後半に出てきた白人至上主義者の例はとても興味深かった。 食品をデータ化して、人によって影響度が異なるという意味で 多様性を取り上げた例も面白かった。 決して読むのがたやすい本ではないが、 腰を据えて読むと各々どこかに得るものはある本だと思う。 追記コメント 「「みんなの意見」は案外正しい」という本と合わせて読むと、 理解が深まってよいような気がします。 ※「みんなの意見」は案外正しい https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4042977014#comment
5投稿日: 2022.05.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
多様性の大事さをひたすら説いた本 似たような人ばかりではなくたまには違う人の話を聞いて刺激を受けないともったいないよなと思わさせた それと同時に文化の近い単一民族の日本はどうなっていくのか不安になった 1章 画一的集団の死角 タイトル通りの内容の実験データを示される 能力で選んだつもりでも、単純な能力(脚が速い)とかでなく、頭が良い(発想力、記憶力、理解力etc)とかで考えると同じ人種とかが集まってしまうのは、似たような人を集めてしまうから そしてそれに伴い、考え方の視野がどうしても狭くなる 個体差はあれど親しい文化圏や背景があると似た傾向はある (日本人とアメリカ人の視点の違いも説明してた) 2章 クローン対反逆者 単なる速さとかではなく、様々な要素が絡み合う場合は多様性は大事 優秀な個人の予測より、上位何人かの予測のほうが上回る 適当に違う人を集めても意味がない 枠組みの中から多様な人を選ぶ 多様性は見た目じゃない、見た目は違っても同じ授業を受けていたり背景が似てれば同じ意見になりやすい 3章 不均衡なコミュニケーション ヒエラルキー(支配型)だと重要な情報であっても進言されない。それの例を出される。そうするとひとりの意見になるので、いい考えにはならない。一人一人発言すると前の人に釣られる。それは集団の中で自分だけが違う意見を持っていないことを示すため。心理的安全性にも繫がる。共感的なリーダーが求められる。 4章 イノベーション アイデアは融合させてなんぼ 移民の人が賢いのは元々の文化と土地の文化をミックスしたり、違和感を覚えて変えていくから そうなると、情報を共有できる場があると有利 シリコンバレーとかは情報を惜しまず、他分野と交流することで色んなアイデアが出てきた 物を見るための多様性は大事ってこと 5章 エコーチェンバー効果 自分と意見の合う人とばかり意見交換をしてしまうこと その結果、同じ思想の言葉しか耳に入らなくなる 意外なのは人の人数の多い大学のネットワークのほうが自分と同じ意見の人を見つけやすいので幅が狭まる 分母が小さい方が少しの違いを受け入れるから許容する この章では白人至上主義から意見が変わった若者の話 たしかに反対派の意見があってもそれをフェイクニュースだと思ってしまえば触れてても響かない ちゃんと情報に触れているのに、触れていない状態になる 人間は信じたいものしか信じないから 6章 平均値の落とし穴 平均値をとったら誰にもぴったり合わないと言う話 当たり前ではあるけど、驚きはある 食事についても身体の反応は違う。一般的には悪いとされるものが合うこともある。 傾向はあるけど、細部では違ったりする。そのへんは実験してみないとわからないけど、ウェアラブル端末でどんどん測れるようなればにどんどん最適化されるかも 7章 大局を見る 頭がいいから繁栄したのではない。 集団で行動することで集合知を得られて知識を継承できた。 火の発明によって消化器官小さくなった。その結果、脳にエネルギーを使えるようになった。 人からの模倣能力の高さが人間とその他動物との大きな違い。幼児と類人猿では空間把握能力とかに差はないけど、模倣させると人間が圧倒的 無意識のバイアスはあるので、それを取り除けるかが多様性を保つ課題 カーテンで姿を見えないようにすることや若者が意見する影の理事会とかで意見を取り入れるとより良くなる 一人の天才より色んな意見がイノベーションを起こす
6投稿日: 2022.05.03
powered by ブクログイノベーションとは1人の天才が起こすのではなく、人々が自由に繋がり合える広範なネットワークが不可欠。 ギバーの方がテイカーよりも成功を収めやすい。 自身の知識やアイデアを人と共有しようという姿勢でいると、大きな見返りを得られる。 但し、搾取されていると感じたときにはコラボレーションを断ち切ることも時には必要。パートナーにタダ乗りされるリスクを減らす努力をする。
0投稿日: 2022.04.23
powered by ブクログ小難しそうな本だな、と思いつつ放置していました。けど、覚悟を決めて読んでみると、読める!面白い! 最初の話がまず衝撃的でした。多様性のかたまりのようなアメリカで、多様性がなくなったために、あんなことが起こったなんて…!! アメリカですら多様性がなくなっているのに、では日本は?イロイロと考えさせられる内容満載の書籍でした。
1投稿日: 2022.04.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
Irebel Ideasという英題、マシュー・サイド氏の著作。画一的な組織設計がいかにして欠陥をもたらし、凋落する複数の視点、ディスラプティブなアイデアが出せないか、という組織論を説いた良作。 9.11事件を未然に防げなかったのは、調査不足でもなく、ダイバーシティの欠如だった。オサマビンラディンが洞窟からメッセージを発しているのは、もはや前近代のどうしようもないところに追いやられているということではなく、神がかったイマジネーションを想起されせるイスラム教ならではのメッセージだったことなど、今から考えたらそうだった、気がつけたというバイアスを抜きにすると、多様性のない白人のみで構成されたCIAでは可能性に着目することはできなかったと結論づける。単純化された問題の場合は、つまり400Mリレーであれば、世界最速を4人揃えればいいかもしれないが、複雑化する問題には、知識、知能だけでなく、人種や言語の多様性だけでなく、考え方やバックグラウンド、教育なども含めた多様性が大事としている。ヒエラルキーバイアスにも触れており、トップが統率者であれば、その人が絶対的な答えを持っているという考え方で部下の人は、トップが間違っていたとしても進言することをやめてしまうというもの。(飛行機のパイロットが間違った判断をしても副操縦士が進言せず墜落した事例など) 尊敬型ヒエラルキー(周りが自由に尊敬し、リーダーとなっていき)と支配型ヒエラルキー(ゼロサムの世界、褒美、懲罰で支配)にも触れる。反逆者のアイデア(リーダーと反対意見となるかもしれないアイデア)を取り込むことができるのは尊敬型、決まったことをやるだけであれば支配型がやればいいが、複雑な問題を組織で解決するには尊敬型が優位だ。これをテクニックとすることにアメリカ的な考え方が加えられているが、おそらくこれもまた多様性を失った意見のように見える。尊敬型も支配型も、リーダが行う行動のパターンではなく、本源的な人間性の部分に由来するからだ。支配型のポリシーを持った優秀な判断者、能力者は、尊敬型を志向していたとしてもすぐに限界が来る。我慢ができないからだ。エスティーローダー、フォード、ディズニーなどの創業者は、移民だったという研究論文も興味深い。画一的な思考回路のアメリカで、それにブレイクスルーを打ち込んだのは、移民というある種の多様性だったからだ。そうすると、今のアメリカの強さは理解できるが、日本という国の強さ、民族多様化が進まない国の強さはわからない。日本の中でどういう多様性を持って発展したのか、それとも単一性が強みだったのか、これは答えが出ていない。前提を逆転させるのもいいアイデア思考法だ。タクシー会社の前提は、タクシーがある。だが、今はウーバーはタクシーを持たない、タクシー会社である。こうしたアイデアを、ネットワークすることが最も強い。知性よりもネットワーク、そしてそのネットワークをどのように発展させるか、これが次の課題だろう。 本論文の論点は非常に面白い、後半は、なぜできなかったかの検証になる。ルート128がシリコンバレーになぜなれなかったかなどなど。テイクアウェイは、やはりイノベーションは混ざり合うことで生まれるということ。意図的に、混じり合う、スティーブ・ジョブズもアップルも、MITラボもまた同様のコンセプトだ。組織、チームを次のレベルへ。そのヒントに満ち溢れている。
0投稿日: 2022.04.02
powered by ブクログ〜多様性の科学〜 -「多様性」って今じゃ当たり前に尊重されてるけど、実は昔から心理的に「多様性に基づく組織運営」って知らずと脳みそに埋め込まれてたんだなとこれを読んで思いました。 -組織運営ってすごい難しい。特に多様性が重視される昨今は。 -だけど戦略的に且つ、自分が今の組織になにが足りてなくてなにが必要かをしっかり理解することができていれば、様々な強みや弱みや考えを持つ人を入れることは絶対大事と学びました。 -会社とか学校とかそういう組織だけじゃなく、普段の人間関係とかからも活用できそうなことがたくさん書いてありました。 -個人的に刺さったのはGoogleが管理職を撤廃したことが大きな失敗に終わったこと。による、人間界のヒエラルキーの大切さ。 -是非、気になる人は手に取ってみてください!
0投稿日: 2022.03.19
powered by ブクログ「反逆者のアイデア」多様であるからこそ、さまざまな視点で物事をみて、良い解決方法が見えてくる。 いままで、多様性の重要性や、多様なメンバーだけど画一化してしまうことについて部分部分で理解はしていたけども、全体像を見させてもらえた感じです。 集合知、ヒエラルキー、エコーチャンバー現象、平均値の罠、ギバー、イノベーション、不均衡なコミュニケーション
0投稿日: 2022.03.11
powered by ブクログ多様性の重要性については、どうしても心理的あるいは情緒的側面から語られる印象があった(それ自体ももちろん重要な観点であるのは間違いないことは大前提としてあるが)。 この重要性をそれらの視点を除いた形で書いた本を他に見たことがない。様々なケーススタディーが語られているが、エピソードだけでなく実際の数値を用いて比較されており、とても面白かった。中でも血糖値とサッカーのイングランド代表のエピソードが個人的な関連もあって印象に残った。定期的に読み返したいと思った。 この本を読み終わって、コロナで様々な関わりが制限されているが、改めて人に会うことの重要性を感じた。と同時に、(特に小さな)子供たちへのこの状況下での成長への影響が心配になった。 ここからは本筋とはズレるのだが、この本を読んでいたタイミングで、Jリーガーの岩尾憲選手がこの本を最近のオススメ本として紹介していたのをたまたま見つけた(徳島時代からのファンなのでとてもうれしい)。 https://real-sports.jp/page/articles/629542701007635393
0投稿日: 2022.03.09
powered by ブクログ良本でした。 人は自分に近い人を取り巻きにして、自分と同じ意見に安心し、これで良いんだと自分自身を認め心の安定を図る。 心に負荷もなく過ごせるから。 でも、それだけでは思考停止するよという話。 苦手な人や、意見が合わない人の話をまとめるのは苦痛を伴うけれどもそれ以上の価値を生み出すんですよね。 自分は管理職でもあるので、自分よりも立場の下のひとが意見をどんどんいえる雰囲気を作らねばならないと感じます。 とにかくいろんな人へ意見を聞きに行こう。 会話をしよう。 そんなことを決意しました!
0投稿日: 2022.03.08
powered by ブクログ読書会にて読了。 多様性の使い所、多様な視点を集めるコツなど、多様性一括りに素晴らしい!ではなく、どう活用するかの観点を得られたことが収穫だった。 また、自分自身の中にも多様な視点を持つために、『あえて自分と距離をとってみる(概念的距離)』という方法があることは初めて知った。
0投稿日: 2022.03.04
powered by ブクログVUCAの時代と言われる今なぜ多様性が注目されているのかが分かる1冊。 紹介されている事例(なぜCIAは911を防げなかったか、平均値や標準化の弊害等)も興味深かった。 生きづらさを感じるときや解決できない問題にぶつかったときは、全く違う視点を持つ他者を頼ったり全く新しい分野に挑戦してみたり自分の個性を把握したりすることで乗り越えられるのかな、という学びがあった。
0投稿日: 2022.02.22
powered by ブクログ能力の高さと多様性は両立 一筋縄ではいかない問題を解決しようとする際には、正しい考え方ばかりでなく「違う」考え方をする人々と協力し合うことが欠かせない。複雑な物事を考えるときは、一歩後ろに下がって、それまでとは違う新たな視点からものを見る必要が 認知的多様 「盲点」も共通している可能性 何層にも折り重なった複雑な問題の解決には、何層もの視点が欠かせない。アメリカの偉大な心理学者フィリップ・E・テトロックはこう言った。「視点が多様化すればするほど、見つけられる有益な解決策の幅」 視点があるからこそ盲点がある。 2匹の若い魚が泳いでいると、向こうから年上の魚がやって来てこう言った。『やあ、おはよう。今日の水はどうだい?』2匹の若い魚はそのまま年上の魚とすれ違い、しばらく泳いだあと、顔を見合わせてこう言った。『水って 贈る側は 自分が それを受け取ったときにどう感じるかを想像する。だから無意識に自分が気に入るものを贈ろうとする。しかしそれは受け取る側が期待するプレゼントではない。好みが違う。それがほしかったら最初からリストに挙げていたはず しかしそうやって大勢の人々から話を聞く中でもっとも気になったのは、多様性の定義が人によって異なっていた点だ。一口に多様性と言っても、性の多様性、脳の多様性、人種の多様性など、人それぞれ別のことを考えているようだった。 集団には本質的に「クローン化」する傾向が備わって 多様な枠組みの集団は違う。なんでもオウム返しに同意し合うクローンの集まりではない。 有益な情報や視点の「共有」だ。これは多様性が大きな魔法の力を発揮する上で欠かせない。いくら個人が有益な情報を持っていても、それが表明され、共有されなければ、意味はない 登山はいわゆる「VUCA」(ブーカ)な環境で行う活動だ。つまり不安定(Volatile)で、不確か(Uncertain)で、複雑(Complex)で、曖昧(Ambiguous)な環境に登山家は常に置かれて 心理学者と人類学者の意見が合うことは少ないが、集団の秩序が「順位制」(メンバーの序列。ヒエラルキー)によって決まるという点については見解が一致 ヒエラルキーは意図的に形成する場合もあるが、人間はそもそもこういう生き物なの 図5はちょうどそんな様子を表している。本来は素晴らしく多様性豊かなチームで、問題空間を広くカバーしている。しかし支配的なリーダー(左隅の円)がいると、ほかのメンバーは本音を言えず、リーダーが聞きたがっていると思うことを発言する。あるいはリーダーの意見をオウム返しに唱える。反逆者のアイデアは出てこ 黄色のハイライト | 位置: 1,527 そのうちそれぞれの丸はリーダーの丸に重なっていく。考え方の枠組みはどんどん狭くなる。集団の認知力はリーダー1人の認知力と変わらなくなる。その結果が図6だ。反逆者の集団は――順位制の影響によって――クローン集団に転じ 反逆的なアイデアが示されない会議なんて壊滅的 会議を開くことそのものには当然意義がある。1人より大勢の知恵を絞り合うほうが――多様性が考慮されていれば――成果が しかしここで我々は、厳しい現実と向き合わなければならない。近年の研究に次ぐ研究によって明らかになっている通り、「会議は壊滅的 支配的な人間がリーダーになった場合はさらに抑圧が強まり、メンバーはリーダーの意見に無条件に賛同するように これは日常的に見られる傾向で、「不均衡なコミュニケーション問題」という名前も付いている。「面白いのは、自分ばかり話している人がその傾向にまったく気づいていないことです」とトンプソン教授は続ける。「彼らは『全員が平等に話している』『平等な会議だ』と言って譲りませ ほとんどの場合、集団の失敗は『会議をしたにもかかわらず』ではなく『会議をしたからこそ』起こって 集団にはリーダーが必要だ。リーダーが不在では、いさかいが収まらず、決断もなされない恐れがある。しかしリーダーが賢明な決断を下すには、その集団内で多様 視点が共有されていてこそだ。では組織は結局、「ヒエラルキーと情報共有」あるいは「決断力と多様性」のバランスをどう取ればいい ほかの生物と異なり、人間社会においては、ヒエラルキーの形は1つではない。2つ 人類学者は、従属者に服従を強制せず、自らの行動で尊敬を集めるリーダーを目撃していた。力を誇示するのではなく、知恵を示すリーダー。まわりを威圧して押さえ込むのではなく、自由をもたらすリーダーがすでに存在してい 第2のヒエラルキーはさまざまな国や文化や部族の中に存在 支配によるヒエラルキーと区別するため、「尊敬」による 尊敬型の集団の場合、リーダーの寛容な態度が従属者に次々とコピーされ、集団全体が協力的な体制を築いて 支配型も尊敬型もそれぞれに適した時と場所があります。賢明なリーダーはその両方を使い分けることができます。何か計画を実行するときに重要になるのは支配型。しかし新たな戦略を考えたり、将来を予測したり、あるいはイノベーションを起こそうというときは、多様な視点が欠かせません。そういう 支配型は大惨事を招き ブレインライティングで守るべきルールはたった1つだという。「誰のアイデアか」を明らかにしないこと 社員から反逆者のアイデアをできる限り引き出すこと。ダリオ自身の言葉で言えば、「徹底的な 経済状態がバラ色だった時代には、非ヒエラルキー型の教会の信者が増える傾向が見られた。しかし雇用不安の時代には、非ヒエラルキー型の教会からヒエラルキーが強固な教会への改宗者が 会長の口から出てきたのは「実用的でない」「不格好」という言葉だった。結局ブルームの案は、「誰が車輪付きのスーツケースなんてほしがるかね」と一笑に付され 19 世紀後半の第2次産業革命では、電気の分野で技術革新が進む。古い蒸気機関に代わって、もっと効率のいい電動機が登場した。すると生産性が大幅に高まり、社会には第2の発展の タイムラグがあったのだ。しばらく何も変化が起こらなかったのである。やっと上向きに発展し始めたのは、 25 年 スーツケースにキャスターを付ける案を一蹴したカバン会社と同様、アメリカの大企業の多くが従来の考え方から逃れられなかった。彼らは電動機を導入こそしたものの、それを1つ工場の真ん中に置いて、たんなる蒸気機関の代替品のようにして使っ 20 世紀に入って最初の 10 年間で、電力化の波は、アメリカの製造業界に大量絶滅とも言える惨事を招いた 融合のイノベーションは、リドレーの言葉で言えば「アイデアの 人は熟練して深い知識があるからこそ、現状にとらわれやすい。そのせいで、新たなテクノロジーによる進化の可能性に気づけなく 当事者でいながら、第三者でもいることが肝心 イノベーションは、一個人が舞台の中央に立てば起こるというものではない。人々がネットワークの中で複雑につながり合う中で、新たなアイデアや技術が生まれるの 知的創造力は人とのつながりの連鎖の中で強まり、そうした文化資本は世代から世代へと引き継がれて 「集団脳」(集団的知性)と呼ぶ。 イノベーションは従来、トーマス・カーライルが唱えたように、「偉人」――ほかの人間を凌ぐ偉大な思想家や天才発明家――の知力によって、あるいはそうした一個人の超人的な努力によって生まれると考えられてきた。つまり、先達の肩を 個人の洞察力、個人の才能によって新たな未来を開いたとされてきた。しかし我々は(中略)異議を唱えたい。そうした「個人」は集団脳の産物であり、それまでつながることのなかった数々のアイデアが連鎖した結果である 各島のテクノロジーの洗練度は、その島の人口密度および人々のつながり具合と強い相関関係にある つまり島内のネットワーク(集団脳)が大きければ大きいほど、アイデアの競合や融合が広範に起こり、情報の波及効果も大きくなっ ない。イノベーションはたんに個人の問題ではなく、人々のつながりが大きなカギと ヘンリック教授は次のように考えてみるといいと言う。たとえば、2つの部族が弓矢を発明すると仮定する。一方は大きな脳を持つ頭のいい「天才族」。もう一方は社交的な「ネットワーク族」。さて、頭のいい天才族は、1人で個人的に努力をして、1人で想像力を働かせ、人生を 10 回送るごとに1回大きなイノベーションを起こすとしよう。一方ネットワーク族は、1000回に1回のみだ。とすると、単純計算では、天才族はネットワーク族より100倍賢いことになる。 しかし、天才族は社交的ではない。自身のネットワークにはたった1人友人がいるだけだ。しかしネットワーク族は 10 人友人がいる。天才族より 10 倍社交的だ。ではここで、たとえば天才族もネットワーク族も全員が1人で弓矢を発明し、友人から意見を聞くとしよう。ただし友人1人につき、 50%の確率で学びが得られるとする。その場合、どちらの部族がイノベーションを多く起こすだろう? 実はこのシミュレーションの結果は我々の直観と相容れない。天才族の中でイノベーションを起こすのは、人口の 18%のみに のだ。1人で発明にたどり着くのはその半数。一方ネットワーク族は、 99・9%がイノベーションを起こす。1人で発明にたどり着くのは残りの0・1%のみ。しかしそのほかはみな友人から学び、改善のチャンスも得られ、さらにその知識をネットワークに還元できる 38。それがもたらす結果は明らかだ。これまでの実験データや歴史上の数々の実例を見てもわかる。次のヘンリック教授の言葉がその真実を突いて 「クールなテクノロジーを発明したいなら、頭が切れるより社交的になったほうがいい 閉ざされたネットワークが招くのは孤立だけではない。それまで以上に視野を狭めることにもなる。これは危険な連鎖だ。自分だけの枠組みの中に閉じこもれば閉じこもるほど、新たなチャンスを脅威とみなすように ものの見方が同じ人間同士の集まりは何かと気が楽 孤島化とはまるで逆の「明るく社交的な 56」環境ができ上がっていたという。社交クラブのような場所が当時いくつも建てられ、学者と商人が交流してい 多様性豊かな環境は、矛盾した現象ももたらす。インターネット上でも実社会でも同じことが起きる。世界が広がるほど、人々の視野が狭まっていくの 現代社会における特徴的な問題の1つ、「エコーチェンバー現象」〔同じ意見の者同士でコミュニケーションを繰り返し、特定の信念が強化される現象〕 に 情報は集団間より、むしろ集団「内」で共有さ エコーチェンバー現象とフィルターバブルの微妙な 集団の健全度をチェックする]簡単な方法がある。『信条に沿わない部外者に対し、その人の信頼度を貶める行為を積極的に行っているか?』と考えてみればいい。答えがイエスなら、その 有意義な話し合いをするには、まず、信頼の構築が欠かせ 大勢の人々がインターネットを使い視野を広げている一方、逆に狭めている 後者は自身の関心や偏見に合う情報ばかりを集めた「デイリー・ミー」(Daily Me)を作るのに 大事なのはまずその人から信じてもらうことです。本当に信頼関係を築けていたら、相手は話を聞いてくれます。頭から拒否したりし 今日の問題はそこにあります。政治団体の間ではすぐ中傷合戦が始まりますが、これは極右団体に限られた行為ではありません。(中略)そんな状態では話し合いなどほぼ不可能 人が議論をする際、優位に立とうとして、あるいは少なくとも相手を沈黙させようとして用いる論法 不信感は人から人へ伝染します。でも信頼も伝染することがあるんです」 ――――― *イェール大学の政治学者エレン・ランドモアは、著書『Democratic Reason: Politics, Collective Intelligence, and the Rule of the Many(民主主義論―政治、集合知、多数決の原理)』で、集合知の観点から民主主義の利点をダイナミックに論じた。 世界全体の肥満率は1980年と比較して2倍以上に高まり、2014年には、成人で 19 億人(世界人口の 39%)を超える人々がやや肥満、6億人が肥満となって 我々はGoogleの何百人もの社員に、仕事は形の変えられない彫刻ではなく、柔軟に組み替えられるブロックな 標準化されたコックピットと同じく柔軟性がない。 人間の多様性 という重要な要素を無視して 標準的な」「誰にでも当てはまる」食事療法が、いかにばかげているかがわかるだろ 問題はブラウザそのものではなく、それを選択した従業員の心理傾向の違い 人は自分独自の環境を作る権限を与えられると、他人が用意するよりほぼ必ずいい環境を作ります」 イノベーションを起こすには頭の良さよりも社交性がポイントになることについても考察した。 天才族はネットワーク族より賢いが、イノベーションを起こす率は低かった。イノベーションで重要なのは、個人と集団との交流だ。集団の中で個人の知恵やアイデアが積み重なれば、集合知が高まり、それと同時に自然淘汰のプロセスが進み始める。 こうした個人知から集合知への転換は、人類の歴史における主要な進化の1つだ。 我々人類の脳はたしかに大きい。しかし注目してほしいのは、知能の高さとの因果関係だ。人類の脳が大きいのは「結果」であって「原因」ではない。知恵やアイデアの蓄積が脳の拡大をもたらしたのであり、その逆ではないのだ。 因果関係の向きに注意してほしい。人類が長時間の持久力を得たのは、水を携帯するというテクノロジーが 先に 生まれたからだ。ヘンリックは言う。「複雑で特殊な、発汗による人類の体温調節機能は、(水源を見つけたあと)水筒に水を入れて携帯するという発見があって初めて進化した」 素晴らしく大きな脳を持つ人類の繁栄は、個々人の力よりも集団のつながり、そして集合知が軸となってもたらされた。 仕事や私生活に多様性を取り込むための3つのポイントを 無意識のバイアスを取り除くのは、公正な社会に向けての第一歩だ。同時に、集合知の高い社会に向けての第一歩でもある。 イリス・ボネットは著書『WORK DESIGN(ワークデザイン)―行動経済学でジェンダー格差を克服する』で、採用審査の客観性を高める方法を広範に取り上げている。 無意識のバイアスを取り除くのと、認知の多様性を最大限に広げるのとはまた 陰の理事会」(Shadow Board)だ。これは重要な戦略や決断について、若い社員が上層部に意見を言える場で、年功序列の壁を崩す意味合いが 物理学者のマックス・プランクはこう言った。「科学は葬式ごとに進歩する」〔古い世代や価値観が世を去ってやっと新たな理論が発展しはじめる 社会通念によれば、大成功を収めている人々はみな、モチベーション、スキル、チャンスの3つを持っているという。(中略)[しかし]実は4つ目の要素がある。他者との接し方だ。できる限り[自分のために]価値を得ようとするか、それとも他者に価値を与えようとするか(後略)。どうやらこの選択が、成功を収められるかどうかに圧倒的な影響をもたらすよう
0投稿日: 2022.02.21
powered by ブクログ【感想】 色々な人の意見を聞くことは意思決定の基本ではあるが、それゆえに難しい。議論に参加する人の人数が増えれば、単純に時間とコストが増大する。また、参加者が情報を完全に把握している「専門家」だとは限らない。その分野に関してはずぶの素人で、ただ「マイノリティとしての一票」を投じるためだけの頭数として議論に参加していることもある。果たして優れた意思決定とは多数決で決まるものなのか?であるならば、「多様な意見を反映している」と言えるのは何人以上の参加が必要なのか?そして、参加者に求められるリテラシーはどのレベル以上なら合格なのか? こう考えていくと、どんどん深みにハマっていく。そして、議論を散々尽くしたあげくに、ふとある考えがよぎってしまう。「そもそも色々な人々の意見など聞かず、最初からひと握りの天才だけに統治を任せればよいのでは?」 本書は、意思決定や組織構築を「画一性と多様性」の観点から論じるものだ。CIAが9.11テロを防げなかった理由、エベレスト登頂における事故の原因、均一なコミュニティが生む白人至上主義の罠、ダイエットが失敗する理由など、取り上げられるテーマは非常に幅広い。日常における選択から優秀な組織の構築論まで、問題解決における「多様性の大切さ」を、古今東西の具体的な事例を引き合いに出して説明していく。 本書の論旨は単純明快で、「すぐれた意思決定やイノベーションには多様性が必要」ということだ。 それは、画一的な組織では「盲点」が重なってしまうことにある。 例えばCIA。CIAは世界でも選りすぐりのトップエリートを採用しているが、他の組織に比べて職員の人種、民族性、性別、社会的な階級などが画一化されていた。白人、アングロサクソン系、中・上流階級の出身、リベラル・アーツ・カレッジの卒業生が大半を占め、非白人や女性はほぼいない。それはCIAの文化、つまり「能力の高さを多様性より優先すべき」という理念から生まれる結果だった。 一見、この理念には説得力がある。国防という特殊な仕事を遂行する企業にとっては、職員の基礎レベルを一定以上に保つ必要がある。多様性は言わば「能力主義」と両立しないものであり、採用面接の点数がボーダー以下の非白人を採る理由は存在しないように思える。 しかし、組織は個人ではなくチームで動く。チームの成績を最大化させるには、その人員を含めた全体のバランスを注視しなければならない。業務範囲が広範に渡れば渡るほど、全体のバランスを「能力」だけで取ろうとすると逆に不均衡が生まれてしまう。 ここで重要となるのが「さまざまな人」の力だ。人種や価値観の違いは、「正しいと思われる意見」で合意する前に、「違う意見」によって盲点を見つけることを促す。アメリカ出身の白人が考えるテロリストの姿よりも、イラン/トルコ系のイスラム教徒が考える主導者の姿のほうが、アルカイダやビンラディンの本質を正確に描ける。CIAに欠けていたのはまさにこの「人種・思想」の多様性であったのだ。 当然だが、「大学の入学試験やCIAの採用試験のように、一定の知能を備えていることが求められる分野でも、多様性に重きを置いていいのか?」という疑問は挙がるだろう。注意しておきたいが、筆者は決して能力主義を否定しているわけではない。能力があるのは前提であり、その中でなるべく多様性を保ちなさい、と本書では述べている。肌の色や性別が異なるからといって、認知的多様性が高まるわけではない。一定の知能がなければ集合知そのものが生まれないからだ。 だが、そのような回答にもさらに、「『能力が高くてかつ多様な集団』を実現するのは難しくないか?」という疑問が生まれると思う。例えば本書でも語られているカンザス大学では、アメリカ全土から来る優秀な学生と外国から来る留学生が一緒に学んでいる。一見「能力と多様性」を両立している理想的な大学に思えるが、筆者は「名門大学の優秀な学生ばかりの集団は同質性を生む」と厳しい意見を述べている。集団というのはそれ自体が成員を同質化させる方向に働くため、「能力が高くてかつ多様な集団」の実現は言うほど簡単にはいかない。 加えて、「門外漢のレベル(の低さ)をどの程度まで許すか?」という問題も浮上するだろう。いくら多様性が大切といっても、議論する分野に対して知識ゼロの者を加えては意味がない。本書の例では、イングランドのフットボールチームを立て直すためにラグビー代表や自転車競技のプロ、女性士官などを集めて戦略の策定を行った。また、エニグマを解読するために、数学者だけでなくクロスワードパズルが上手な人も募った。彼らはフットボールや暗号解読の分野から見れば「門外漢」だが、一応、議論ができないほど知識ゼロではない。 こうした素人集団をどのレベルまで許容するかによって、組織やプロジェクトの質が大きく左右されてしまう。それゆえに成員の選定については慎重を期すべきだが、丁寧に議論したところで、「ここまでならセーフ」という一定の区切りをつけるのは難しくないか、と思ってしまった。 ――――――――――――――――――――――――――――― 本全体の感想としては、「失敗の科学」と同じように、具体的なエピソードをもとに議論を展開しているため、読みやすく、お話として非常に面白い。一点気になったのは、本書の最後に述べられる「多様性を確保するためのポイント」が、「具体的にはどういう方法を使えばいいの?」という疑問に対して答えになっておらず、やや片手落ち、という印象がある。ただ、多様性にまつわる様々なケースを知れるという意味では大変有意であり、多くの示唆を得られる本であることは間違いない。オススメの一冊だ。 失敗の科学のレビュー https://booklog.jp/users/suibyoalche/archives/1/4799320238 ――――――――――――――――――――――――――――― 【まとめ】 1 人材の偏り CIAの採用試験は、合格者が2万人に1人という相当に難関なものであり、並外れた人材が採用されている。しかし、1947年から2001年まで、CIAの文化には一貫して著しい特徴があった。職員の人種、民族性、性別、社会的な階級などが(アメリカおよび世界のほかの機関に比べて)画一化されていたのだ。白人で、アングロサクソン系。中・上流階級の出身で、リベラル・アーツ・カレッジの卒業生であり、非白人や女性はほぼいなかった。これは「能力の高さを多様性より優先すべき」という理念から来る結果だった。 しかし、一筋縄ではいかない問題を解決しようとする際には、正解を導く考えばかりでなく、「違う」考え方をする人々と協力し合うことが欠かせない。重要なのは「多様性」である。 アメリカの経済学者チャド・スパーバーの調査によれば、司法業務、保健サービス業務、金融業務において、職員の人種的多様性が平均から1標準偏差上がっただけで、5%以上生産性が高まったという。またコンサルティング会社のマッキンゼーがドイツとイギリスの企業を対象に行った分析では、経営陣の人種および性別の多様性の豊かさが上位4分の1に入っている企業は、下位4分の1の企業に比べて自己資本利益率が66%も高いという結果が出た。 同じような人々の集団は「盲点」が共通しがちである。画一的な集団は重大な過ちを「話し合いによって共通の見解が得られた」という満足感で見過ごし、そのまま判断を下してしまう。 9.11のテロ攻撃による悲劇は、アルカイダによって繰り返されたテロの兆候をはっきりと問題視できていれば、本来なら回避可能だった。この点について、アメリカの情報機関に対する批判は正しい。しかし「CIAが危険な兆候を見逃したのが原因だ」と言うのはどうだろう?そうした批判は「後知恵バイアス」の影響に惑わされている。CIAにとって、危険な兆候は明らかではなかった。現在CIAを批判するいくつかの団体にとっても、当時はおそらくそうだっただろう。皮肉なことにそうした集団も画一的なのだから。多様性に富んだ集団なら、アルカイダのみならず世界中の脅威に対してもっと深い洞察力を発揮できただろう。考え方の枠組みや視点の違う人々が集まれば、物事を詳細かつ包括的に判断できる大きな力が生まれる。 CIAの職員は個人個人で見れば高い洞察力を備えているが、集団で見ると盲目だ。そしてそのパラドックスの中にこそ、多様性の大切さが浮かび上がってくる。 2 多様な枠組の集団 多様な枠組みの集団は、なんでもオウム返しに同意し合うクローンの集まりではなく、反逆者の集団だ。しかしただ無闇に反論するのではなく、問題空間の異なる場所から意見や知恵を出す。新たな観点に立ち、それまでとは違った角度から視野を広げてくれる。 それが高い集合知をもたらし、集団が頭数以上の力を発揮できるようになる。全体が部分の総和に勝るのだ。 こうした点から考えれば、チームで難問に挑む際にまずやるべきことは、問題そのものをさらに精査することではない。むしろ大事なのは、一歩下がってこう考えることだ。我々がカバーできていないのはどの分野か?無意識のうちに「目隠し」をして盲点を作ってしまっていないか?あるいは画一的な人間ばかりで問題空間の片隅に固まっていないか? これらの根本的な問題に対処しない限り、チームや組織は失敗のリスクを背負うことになる。 強調しておきたいのは、筆者は決して能力主義を否定しているではないということだ。要は、集合知を得るには能力と多様性の「両方」が欠かせないという話である。 例えば、人口統計学的多様性が高くても、認知的多様性にまったく影響を及ぼさない場合もある。スパーバーは前述の調査の中で、航空機部品や機械装置などの製造会社においては、職員の人種の多様性が生産性の向上にまったく寄与していなかったと報告している。これは、たとえば黒人であることと、エンジン部品のデザインを向上させることの間にそもそも関連性がないためだ。 肌の色や性別が異なるからといって、認知的多様性が高まるわけではない。たんにチェック項目の数を増やしたところで集合知は得られない。それに最初は多様性豊かな集団でも、そのうち集団の中の主流派や多数派に引っ張られて(同化して)結局みな画一的な考え方になってしまうことがある。 多様性は高い集合知を生む要因となるが、それには根拠が必要だ。対処する問題と密接に関連し、かつ相乗効果を生み出す視点を持った人々を見つけることが鍵になる。 3 ヒエラルキーによるコミュニケーション阻害 集合知には多様な視点や意見――反逆者のアイデア――が欠かせない。ところが集団の支配者が、「異議」を自分の地位に対する脅威ととらえる環境(あるいは実際にそれを威圧するような環境)では、多様な意見が出にくくなる。ヒエラルキーがコミュニケーションの邪魔をするのだ。 エラスムス・ロッテルダム大学経営大学院による研究では面白い結果が出ている。1972年以降に実施された300件超のピジネスプロジェクトを分析してみると、地位の高いリーダー(シニア・マネージャー)が率いるチームより、それほど高くないリーダー(ジュニア・マネージャー)が率いるチームのほうがプロジェクトの成功率が高かったのだ。 ヒエラルキーがものをいう環境下では、権威あるリーダーの存在は抑圧を招く。しかしそうした存在がいなければ、集団の意見が表明・共有されやすくなる。 このようなヒエラルキーによるコミュニケーション不足に伴う事故は、航空業界や医療業界など、あらゆる業界で発生している。 1人か2人の人間が主導権を撮ると、その集団(特に内向的なメンバー)の視点や意見は抑圧される。支配的な人間がリーダーになった場合はさらに抑圧が強まり、メンバーはリーダーの意見に無条件に賛同するようになる。反逆者のアイデアは表明されない。 トンプソン教授は言う。「データによれば、一般的に4人のグループの場合、そのうち2人が発話の62%を担う傾向があります。6人グループなら、3人で70%。この支配傾向は、集団が大きくなればなるほど強くなっていきます」。これは日常的に見られる傾向で、「不均衡なコミュニケーション間題」という名前も付いている。「面白いのは、自分ばかり話している人がその傾向にまったく気づいていないことです」とトンプソン教授は続ける。「彼らは 『全員が平等に話している』『平等な会議だ』と言って譲りません。原因は彼らの自己認識不足です。そのため人から指摘されると腹を立ててしまい、いざこざに発展することもよくあります」。 とはいっても、組織にはある程度のヒエラルキーは必要不可欠であり、管理職という存在を無くしてはチームはまとまらない。では、このヒエラルキーと多様性のバランスをどう取るべきなのか?鍵は、従来の「支配型ヒエラルキー」とは違うもう一つのヒエラルキー構造、「尊敬型ヒエラルキー」にある。 支配型のヒエラルキーでは、従属者は恐怖で支配された結果、リーダーを真似る(たとえば同じ意見を言う)。一方、尊敬型の集団は、「ロールモデル」であるリーダーに対し、自主的に敬意を抱いてその行動を真似る。つまり、尊敬型の集団の場合、リーダーの寛容な態度が従属者に次々とコピーされ、集団全体が協力的な体制を築いていく。リーダーの意見をオウム返しするのではなく、リーダーに進言する環境が生まれる。人を助けることで、相手ばかりでなく結局自分にもプラスになるという、いわゆる「ポジティブ・サム」的な環境が強化されるのだ。 4 イノベーション 現代におけるイノベーションの多くはまったく異質のコンセプト、技術、データなどを融合して生まれている。融合が進化の原動力になりつつある現代において、重要な役割を果たすのは、異なる分野間の橋渡しができる人々である。 イギリス人起業家キャサリン・ワインズはこの点をうまくまとめている。「問題の本質を見抜くには、当事者にとって当たり前になっている物事を第三者の視点で見つめ直さなければならない。新たな視点に立って取り組めば、チャンスや可能性が明確に見えてくる」。 イノベーションは個人からではなく、ネットワークで繋がった頭脳がもたらした集合知によって、連鎖的に引き起こされる。人々とのつながりが大きな鍵となるのだ。 しかし多様性豊かな環境は、矛盾した現象ももたらす。世界が広がるほど、人々の視野が狭まっていくのだ。多様な学生が集まる大規模なカンザス大学では、画一的なネットワークが生まれ、多様なビジネスマンが集まる交流イベントでは、顔見知りとばかり話す傾向が見られている。これは現代社会における特徴的な問題の1つ、「エコーチェンバー現象」につながる。エコーチェンバーの中では、外部の反対意見を排除せずに取り入れて、それを「自分を攻撃する悪意」と決めつけ、自説をますます強化させる。 インターネットはその多様性とは裏腹に、同じ思想を持つ画一的な集団が点々と存在する場となった。インターネットにおいては、利用者は自身の考えに合う情報の方を選択的に見ている率が平均して高かったものの、反対意見も目にしていた。興味深いのは、自分とは反対の意見を見たそのときに何が起こるかだ。普通に考えれば、たとえ正反対の意見でも、十分な裏付けや証拠を目にすれば、それまでの自分の意見を多少なりとも和らげるはずだ。しかし実際はまったく逆のことが起こる。以前にも増して自分の意見を極端に信じるようになるのだ。 5 多様性確保のために必要なこと 人類は、多様性という土台の上で、知能や身体を進化させて繁栄してきた。多様な知恵やアイデアの蓄積、集団の繋がりが人間を最強種にしてきたのだ。 以下は、仕事や私生活に多様性を取り込むための3つのポイントである。 ●無意識のバイアスを取り除く ●陰の理事会 →重要な戦略や決断について、若い社員が上層部に意見を言える場を作る ●与える姿勢 →自分の考えや知恵を相手と共有しようという心構えを持つ
26投稿日: 2022.02.17
powered by ブクログ失敗の科学は組織が失敗についてどう扱うかがひとつのテーマだったように思う 今回は組織の多様性について 問題をカバーできるように多様であること イノベーションには個人の能力より社交性(これは自分的にショック) 「創造とは融合である」 「クールなテクノロジーを発明したいのなら、頭が切れるより社交的になったほうがいい」 同じイノベーションが異なる人々によってほぼ同時期に起こる現象も説明できるのも面白い 支配型ヒエラルキーと尊敬型ヒエラルキーでは多様な意見を抑圧しないアイデアが紹介されている 会議の最初の30分を議題をまとめたメモ(箇条書きでなく文章化したもの6ページ!)を黙読するのに充てる「黄金の沈黙」 そののち地位の低い者から意見を言っていく アイデアを匿名でカードに書き出して壁に貼り投票する「ブレインライティング」 組織の話とは離れるが、平均値の落とし穴の例として出てくるダイエット法どころか血糖値を上げる下げる食べ物さえも人によって異なるのは衝撃 もともと入っていないブラウザを使っている従業員の顧客満足度が高く離職率も低いのも面白い 枠組みから抜け出せるマインドは才能だ
0投稿日: 2022.02.12
powered by ブクログ失敗は成長するチャンス。今更そんなこと当たり前な気がしますが、なぜそうできないのか、ロジカルに原因が記載されており、納得できました。 その先、どうやったら失敗を許容できる頭になるのか、そこを知りたかったのですが、それはあまり具体的に記載されてませんでした。失敗を許さなかった場合のマイナスを理解するのとで、失敗したを歓迎する頭に、意識に、「自らの意志でなる」必要がありそうでした。 とりあえず意識してみます!少しずつ、マージナルゲイン!
0投稿日: 2022.02.06
powered by ブクログついつい反対意見を脅威と捉え排除に走る自分だが、懐を深く受け入れて組織や社会を活性化する力として取り込めるか。私たちの企業だけでなく日本の社会がイノベーションを生み出すための基本動作を示してくれた一冊だ。
0投稿日: 2022.01.30
powered by ブクログこの本はどちらかというと、組織を作る人向けの本だと思います。 でもそうではない人でも、おもしろいと感じる内容になっていると思います。
0投稿日: 2022.01.26
powered by ブクログp132 今後は我々の生活のあらゆる領域で、標準化から個人化への転換が起こるだろう。 今の会社は何事にも標準化を叫んでいるが、限界もあると思っている。個人化によりコストがかさむのであろうが、これによりビジネスチャンスも生まれると思う。 CIA、エベレスト登山、ユナイテッド航空事故、白人至上主義者、ダイエット食事療法、、たくさんの事例があり面白かったし驚かされた。 もっと多くの人に読んでほしい。 自分がすぐ行動に移せるのは何か。 画一的な集団の中で意見をしてみること、女性ならではの視点、アイディアを融合させイノベーションを作ること、個人に沿った提案、教育、、、
0投稿日: 2022.01.23
powered by ブクログなぜ、組織における多様性が重要なのか知るため、読みました。組織の競争力は集合知に由来しており、先鋭化された画一的な集団では、集合知を発揮できません。しかし人間の性として、多様性を低減する方向に行動してしまうため、意識的に多様性の重要性に焦点を当てねばなりません。多様性は差別の問題や倫理的な話とされがちですが、イノベーションを起こし業績を上げる要因なのです。
0投稿日: 2022.01.23多様性万能論ではありません
多様性が集合知を高める。 しかし現在は、個々の多様性は考慮されず、あらゆるものが平準化・平均化され、利用されるツールやノウハウも標準化・画一化されている。 多様性を見過ごせば多様性のメリットはいかせない。 多様と言っても異なる違いがあることが前提となる。 ただそれって、凡人でも集まれば見落としや間違いを補え合えるという、"三人寄らば文殊の知恵"的平均化じゃないの? いや、「平均値が適切に利用されれば、複数の人々の視点や意見を活かせる。しかし不適切な場合は、複数の人々に平均的な答えを押し付けることにしかならない」 よくあるもう一つの誤解として、多様性を選ぶことが、フルに能力を発揮することを諦めることにつながるという考え。 しかし、個人知から集団知への転換が重要であることは、人類の歴史が証明しているる。 一人ひとりの知能ではネアンデルタール人に劣っていても、集団の中で知恵を積み重ね、融合のイノベーションを起こした。 人類の脳が大きいのは、結果であって原因ではない。 知恵の蓄積が脳の拡大をもたらした。 人類の繁栄は、知能の高さではなくアイデアの蓄積によっている。 独創性なんかよりも、社交性の方が、数段価値が高かかったわけだ。 偉大な発見や発明が、実は同時期に別々の場所に生まれることが多い理由もそこにある。 アイデアはつながって共有されて初めて波及効果が期待できる。 共有されたアイデアが新たなひらめきを生み、別のものと融合する機会も増える。 数々のアイデアが連鎖していくという集合脳の世界。 異なるレンズを通して見る。 視点があるからこそ盲点がある。 多様な視点で、自分の盲点に気づかせてくれる人が必要なのだろう。 とかくヒエラルキーと情報共有は対立していると考えられ、決断力と多様性のバランスをどう取るかが悩ましい問題のように捉えられているが、両者は共存できると説いている。 山登りのエキスパートであるポールのように「山では反論は一切認めない。判断の是非はあとでいくらでも話し合うが、山の上では受け付けない」という支配型リーダーは大惨事を招きやすい。 集団の中で尊敬を集め、一目置かれる尊敬型リーダーが、異なる視点を持つ人から幅広く意見を集約し、知恵を共有させれば可能なはずだと。 もちろんよく読めば必ずしも多様性バンザイと言っているわけではない。 人々は不確かな状況に陥ると、ある種の支配的リーダーを支持して、秩序を取り戻そうとする「代償調整」が働きやすい。 大戦前後の独裁国家や、恐慌期に隆盛する細かく秩序付けられたヒエラルキー宗派への改宗など、流されやすい。 多様な意見を集めたつもりが、同調圧力が生まれ付和雷同となって、会議をしたにもかかわらず失敗した原因は、会議をしたからこそ起こっていることもありうる。 平準化・標準化が本当に悪いことか? 確かに標準的なダイエット法や食事療法など、腸内細菌の構成は人それぞれなのに、バランスの良いとされる画一的な食事によって、数値は結構な乱高下を招いたりもしている。 同じものを食べても結果は異なるんだから、自分にあった食事を選ぶため、自らの体の特徴を知りモニタリングが欠かせないというのはそうだろう。 それでも平均値のマジックは絶大で、むしろ混迷する複雑な世界を生き抜くためには、それなしには生きられないと言うか、そんなことに労力や時間も費やしたくないというのが正直なところ。 それと日本人の合意形成は確かに決定や意見集約に時間かかるが、それぞれの言い分を表明しあい、最後には納得しあうという、宮本常一が評した寄り合いの文化は残す価値がないか? 「気の長い話だが、とにかく無理はしなかった。みんなが納得のいくまで話し合った。だから結論が出ると、それはキチンと守らねばならなかった。話といっても理屈を言うのではない。一つの事柄について自分の知っているかぎりの関係ある事柄をあげていくのである。話に花が咲くというのはこういうことなのだろう」 1996年に起きたエベレスト大量遭難事件のエピソードが出てくるが、人間の勇気・献身・絶望・後悔・決断・躊躇などすべて側面が詰まっていて、クラカワーの『空へ』を読んだ時の深い感動を思い出した。 あと面白かったは、規模の大きな大学と小規模な大学では、ネットワークを広げやすいのはどちらかという問い。 実は、学生数が少ない大学の方が、自分と異なるつながりが生まれやすいのだ。 インターネットも実社会と同様、世界が広がれば広がるほど、自分と似た人を見つけやすくなり、かえって人々の視野は狭まっているんだという指摘は深い。
0投稿日: 2022.01.16
powered by ブクログ( オンラインコミュニティ「Book Bar for Leaders」内で紹介 https://www.bizmentor.jp/bookbar ) 多様性があることのメリット、ないことのデメリット。 自分の中にも多様性を取り入れるにはどうすればよいか。 について、知りたい方向け。(長岡美恵)
0投稿日: 2022.01.14
powered by ブクログ様々なデータが引用されており、説得力があった。ただしフレーム化まではされていないので、情報が羅列されているレベル。
0投稿日: 2022.01.10
powered by ブクログ会社に色々な考えの人がいることや人間関係二悩んでいる人はぜひおすすめしたい本。多様性が大事だと良く言われてはいるけど、論理的に必要性が書かれてあり面白い本だった! 画一的な考えだと、すごく楽だし、ストレスフリーだが、それ以上の成長はなく、化学反応は生まれない。異なる人達と意見交換することはストレスはかかるが、そういった考えの衝突から新しいものが生まれること。またネットワーク、社交性が大切なことも最近の事例を踏まえながら分かりやすく書いてある本。 今、色々な組織で悩んでいるビジネスパーソンやマネージャー以上の人達にはぜひ一読することが大事なと思った
0投稿日: 2022.01.08
powered by ブクログ面白かった! 本当にいろいろな発見があった、いまの会社に必要そうなこととかも。 人間は、さまざまな知恵やアイデアを融合させて新しいイノベーションを起こす事で進化・成長してきた。その知恵やアイデアを融合させるためには、同じ意見の人たちだけでは無理で、色々な経験や背景を持った個人(つまり多様性のある複数の個人)が必要になる。だから、多様性は重要なものだとなる。また、多様性(異なる意見)が受け入れられる環境や、人間性が需要になる!
0投稿日: 2022.01.01
powered by ブクログ素晴らしい本。多様性がなぜ重要かという問いに答えがなかなか見つからなかったが、とうとうこの本が答えを出してくれた。科学的でありながら、極めて読みやすい。あまりに面白かったので2日で読めた。知らなかったエピソードがこれほど詰まっている本は近年稀。非常に有益だった。多様性に関心がなくても、単に面白い本を読みたければ是非お勧めしたい。
0投稿日: 2021.12.31
powered by ブクログレビューはブログにて https://ameblo.jp/w92-3/entry-12718627622.html
0投稿日: 2021.12.31
powered by ブクログチームで仕事をする上で多様性を持つ意味、有効性について、実例と理屈を織り交ぜて解説された本。 多様な考えはチームに混乱をもたらし、実際に効率を下げる。しかし、各自がもつ異なる長所を、チームの成果にまとめ上げることができれば、優秀で同質な集団では成し得ない、高いレベルの成果物を作ることができる、としている。 実務レベルでは、専門性の異なる友人を多く持ち、意見を伺い取り入れることが肝である。そのためには、社交性、与えるマインド、が重要と説いている。
0投稿日: 2021.12.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
なぜCIAは9.11テロを防止できなかったのか?事前にあらゆる情報があったにもかかわらず。 なぜサッカー英国代表チーム再建の為に起業家や陸軍士官が招集されたのか? なぜ第二次世界大戦中、会計事務所職員がナチスドイツの暗号解読の為に呼ばれたのか? なぜ登山史上極めて悪名高いエベレスト大量遭難事件は発生したのか?優秀な登山家に最高のガイドが付いていたにもかかわらず。 なぜユナイテッド航空173便は燃料切れで墜落したのか?航空機関士は残りの燃料が少ないのを知っていたのにもかかわらず。 これらの共通点は『多様性』と『ヒエラルキー』である。 『どれだけ優秀でも、同じ特徴の者ばかりを集めた多様性に欠けるチームでは、集合知を得られず高いパフォーマンスを発揮できない』 『たいていの会議は機能不全に陥っている。参加者の多くは発言をせず、地位の格差で方向性が決まる。みな自分の言いたいことを言わず、リーダーが聞きたいであろうことを言う。その結果、重要な情報を共有し損なう』 『問題は個々人の知性の高さではない。肝心なのは、集団の中で人々が自由人間意見を交換できるか、互いの反論を受け入れられるか、他者から学ぶことができるか、協力し合えるか、第三者の意見を聞き入れられるか、失敗や間違いを許容できるかだ。イノベーションはたった1人の天才が起こすわけではない。人々が自由につながり合える広範なネットワークが不可欠』 全てのビジネスマンに読んでもらいたい最高の一冊‼️
0投稿日: 2021.12.26
powered by ブクログ【星:4.0】 読む前に「生物多様性」の本かと勝手に勘違いしていたが、ダイバーシティなどの「組織の多様性」についての本だった。 実例をもとに組織にとって多様性が重要であることについて詳しく説明していてわかりやすい。 ただ、多様性のデメリットもあるかと思うが、その点についてはあまり触れておらずやや説得力に欠ける。
0投稿日: 2021.12.21
powered by ブクログ本論にはあんまり関係ないんだけど、平均がもたらす悪影響の中で触れられたGI値の分散のデカさに関する話は新鮮でとても驚いた。全体を通して無理のない話がほとんどで、途中だれたけど、良い内容だと思う。
0投稿日: 2021.12.14
powered by ブクログ多様性を故意に避けたため集合知を得ることができなかった失敗について、具体的な例とともに説明されている。 ただし、失敗するまでその多様性の排除について気づくことは難しいので、バイアスがある可能性があることを気づかせてくれるような内容でした。
0投稿日: 2021.12.14
powered by ブクログ多様性の大切さが、よく理解できた。 ただ、前作の失敗の科学の方がインパクトがあったので、やや物足りない。
0投稿日: 2021.12.01
powered by ブクログ「CIAが911を食い止められなかったのは、エージェントがWASP男性ばかりだったから」という仮説を発端に、組織における課題を多様性で解決できるという提案とエビデンス。 エコーチェンバーや平均値の落とし穴。 保守とリベラルの対立も、似た者同士による付き合いで強化されている。 似た者同士の付き合いは気楽だが、同じような考え方ばかりで視野が狭まる。 コンフォートゾーンを抜け出し、多様な刺激を受ける環境に身を置く必要性がある。 非コミュな天才一人ではイノベーションが行き詰まるが、他者とのコミュケーションによりそれは集合知として人々に行き渡る可能性が高まる。 平均値ではなくインクルーシブを重視することの大事さ。
0投稿日: 2021.11.16
powered by ブクログ一言に多様性と言っても色々あります。国籍、性差、宗教など。 この本ではヒエラルキーについてかかれていますが、ここが1番面白かったです。
0投稿日: 2021.11.15
powered by ブクログ多様性は大切とは心では感じていたけれど、エビデンスを持ってなぜ必要なのか教えてもらえた。 多様性に富んだ新入社員も、組織に馴染もうとして、その組織の慣例や文化にあわせるうちに多様性が失われたり、その組織の主流派に合わせてしまって多様性が失われることもある話も興味深かった。 また、単純なタスクほど同質性が高い方が効率的だが、複雑なタスクになればなるほど多様性が効果的になることも、言われてみれば納得。 あと、人は思った以上にヒエラルキーを意識しすぎて意見を言えなくなる性質を持っていることを、飛行機事故やエベレスト遭難事故のケースをもとに解説されていて、レクチャーでも使えそうな内容だった。
5投稿日: 2021.10.14
powered by ブクログ組織において多様性は重要である。 考え方の枠組みや視点の違う人々が集まれば、物事を詳細かつ包括的に判断できる大きな力が生まれる。 そのためには、誰もが自由に意見を出し合える環境が重要。
0投稿日: 2021.10.14
powered by ブクログ多様性とは現代社会にとって仕方なく必要なものではなく、多様性があるから発展できる、という事実 そして原題のrebel ideas[反抗的な考え]もやはり重要。反対意見を述べられることは、自分と違う考えを取り入れる素地を持っているということなのだ この多様性を主眼にして人間社会や人類史を論じた本書は、サピエンス全史や銃・病原菌・鉄などとも繋がる 多様性を活かすためのバイアスをどう取り除くのかを論じた名著だった
3投稿日: 2021.09.26
powered by ブクログ面白かったけど失敗の科学のほうがインパクトがあった。引用にされている本に既読のものが多かったのもあるけど。GI値が人によって大きく異なるというのは知らなかった。
1投稿日: 2021.09.24
powered by ブクログ『多様性の科学』 ○複雑な問題に対しては、同じ考えのトップ集団よりも多様性のあるチームの方が良い成果を生む ○能力に関係なく、異なる視点で「盲点」に気づかせてくれるだけでも多様性には価値がある 最近は「多様性が大切」ってよく聞くけど、なんで大切か改めて考えさせられました。 たった一つの「正解」がなくなってきた今の時代こそ、多様性が大きな武器になる。 この本にも書かれていましたが、多様性はもはやあった方がよいという「追加オプション」ではなく、必須の素材の一つだと捉える必要がありそうです。
2投稿日: 2021.08.23
powered by ブクログRangeとやや似ている内容もあった。 多様性、それを阻害していることによって起きた問題の事例、多様性によって生まれたイノベーションの事例などが紹介されている。 もう少し全体としてまとまりを持たせること、抽象化の余地はあったのではと思う。 読んでみても良いと思う。
0投稿日: 2021.08.23
powered by ブクログ大変引き込まれました。 一方で、途中、何の話しだったか見失う箇所もあり、何とか読み切った本。多様性や、チームに大変興味があるからこそ、興味深いし面白かったが、、、
0投稿日: 2021.08.13
powered by ブクログ多様性が組織を活性化させる わかってはいたが科学的な根拠を知ることができた いかに当たり前や同類を排除するかが大切である
0投稿日: 2021.08.10
powered by ブクログ不確実性の高い環境を生き抜くためにはなぜ「多様な意見」が必要なのか。また「多様な意見を許容し活かせる組織とそうでない組織があるのは何故なのかを、科学的な根拠に基づき説明した一冊。 著者は、画一的な価値観に基づく能力主義や、ヒエラルキーによる抑圧、同質的・排他的なアイデンティティが強化されるエコーチェンバー、さらには個の特徴を無視した平均化・標準化といった要因によって、多くの組織が「反逆者のアイディア」を許容することができなくなった結果、複雑な問題に対処するために不可欠な、多様な意見を包含した「集合知」の力を利用できなくなり、凋落していると指摘する。 誰もが多様性は重要だという認識を持ちながら、組織や社会の実態がそれに追いついているとは必ずしも言えない現状において、問題は多様な意見の必要性に対する理解よりも、それを阻むメカニズムにあるという点では、本書は多くの重要な示唆を提示している。一方で、今日の複雑化した経営環境においてリーダーが悩むのは、多様な意見を尊重すべき時と、他人から何を言われても自分の考えを貫くべき時を見極めることであり、その点についてはもう一歩踏み込んだ考察がほしかったように思う。
0投稿日: 2021.08.08
powered by ブクログ・読んだ理由 あらゆる組織で多様性が重要視されており、採用において女性の採用目標数が決められていたり、多様な大学からの採用枠が設けられていたりする。 このような措置が取られているのは、道徳的に正しいから、というのみなのだろうか? 組織が成長していく上で、個人の能力よりも多様性を重要視するのは合理的判断なのか疑問に思ったため、読んだ。
0投稿日: 2021.07.14
