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総合評価

2568件)
4.3
1226
786
367
54
6
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    辞書かと思う分厚さの大作。 登場人物の心情が一切描かれない、 あまりにも不気味な情景描写。 散りばめられる不穏な点と点。 読み終わった後、 1週間くらいぼーっとしてた気がする。 満足感と喪失感。

    3
    投稿日: 2024.03.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ああ面白かった、今読み終わったところで、ドキドキしている。 長くて少し疲れたけどそれだけの読み応えがあった。 ミステリーが読みたくて読み始めたけれども、読後、まるで雪穂と亮司という2人の人間の伝記のようだと思った。 雪穂は、良い家庭を持ち、経済的にも成功し「勝ち組」的な人生を歩むことで、最悪な記憶の纏わりつく自分の過去を葬り去ろうとしたのではないかと思う。 一方で亮司の目的はなんだったのだろうか。自分のため、雪穂の手助けとなるため、お金を稼いでいたことは間違いない。いや、もはや2人に他人という意識はなかったのかな。2人で1人であり、表裏一体。表舞台に立ち活躍するのは雪穂で、裏で暗躍するのは亮司。「自分たちを苦しめた過去を様々な方法で否定し、遠ざけること」これを、2人で役割分担しながら行っていて、そこに違った目的意識なんてなかったのかもしれない。 2人を苦しめた過去とは、いわゆる恋愛や性欲、お金である。2人はかつてこうしたものに利用され、その犠牲になった。だから今度は2人が利用する番になった。 しかし、作中では2人とも、自分たちの人生を誇らしくは思っていない。彼らはずっと白夜の中にいた。そんな中でふと現れる彼らの自虐的な本音には、なんともいえない気持ちになった。それでも彼らにとってお互いの存在は、夜を歩けるだけの光だったのだ。彼らは図書館で一体どんなふうに出会ったんだろう。地獄のような日々の中で、同志とも言える存在に出会えた彼らの静かな衝撃を思うと、胸が締め付けられるような気持ちにもなる。2人は出会ったせいで永遠の白夜を行くことになったが、2人の絆があまりにも哀しく、美しくて、こちらとしては、2人が出会ったことに感謝すらしてしまう。 さて、雪穂は本当に一成のことが好きだったんだろうか。亮司はひょっとすると、典子には少しだけ特別な感情を抱いていたのだろうか。明かされていないことの中にも推測できることがたくさんあって、まだ頭の中がぐるぐるしている。内容を思い出しながら、そういえばあれはどうだったんだろう…。と考え尽くすことにしよう。 私は生まれてこの方ずっと大阪に住んでいるので、大阪の街の雑然とした感じ、下町的な雰囲気が伝わってきて、その部分でも楽しめた。また時代背景も面白い。「石油危機〜バブル崩壊まで」みたいな、歴史の教科書の見出しにでもなりそうな時の流れをなぞった大阪をそのまま覗いているようで、そんな時にまだ生まれてもいない私には新鮮だった。 そして、この作品はかなり読者に親切な作りになっていると思えた。登場人物の誰より先に、読者が「これってもしかして…」と思える要素が多い。もしかして自分って鋭いのではと思えて気持ちがいいのも、この作品の面白い要素の一つなのかもしれない。 それにしてもR&Yはちょっとおもろい。表向きの店名の由来としてはそれっぽい理由を掲げているに違いない。

    2
    投稿日: 2024.03.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    暗めの話だけど展開が早くて一気読み 若干のネタバレあり↓ リョウの方はまだしも雪穂の方はお咎めなしのまま生きていくのかぁ... ってとこに若干のモヤり ここまで多くの人を不幸にしてきたんだからそれなりの償いがラストにあると思ったんだけどな 2人の主人公の心情が描かれないままラストを迎えてしまったのでこの2人目線での物語も読みたいと思った 没頭できる小説に会えるのうれちい

    2
    投稿日: 2024.03.23
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    東野圭吾さんの作品を初めてちゃんと読んだ。中心人物らの心情を一切書かず、行動のみの描写に終始した表現法でここまでの逼迫感と悲壮感は圧巻だった。面白い。

    4
    投稿日: 2024.03.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

     とある事件をきっかけに心を殺された少年と少女。時が経つにつれて彼らに関わったものが不可解な事件に巻き込まれていくが、二人を結ぶ点はどこにも見えない…という主人公二人の内面が全く描写されないノワール。太陽の下を歩くことが出来ず、白夜の道を歩むことしか出来なかった二人の半生は読んでいて胸を締め付けられた。個人的には雪穂は亮司を大切な存在として見ていたと思いたい。そうでなければあまりにも残酷すぎる…

    3
    投稿日: 2024.03.22
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    どんどん闇に落ちていく感覚があった。 主人公2人からの視点は最後までないが、 事件を調べるについてどんどん読み解かれていく2人の関係性や考え。

    1
    投稿日: 2024.03.21
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    出会えてよかった本。 最初はあまり進まなかったけど、途中から気になりすぎて後半は一気に読み終えた。 おすすめ!東野圭吾ならまずこれを読んだ方がいいんじゃないかとおもう!たぶん!!!

    2
    投稿日: 2024.03.21
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    東野圭吾さんを大好きになったきっかけの小説。 分厚い本だけどあっという間に読めた。 夢中になって読んだ。

    1
    投稿日: 2024.03.21
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    あまり手を出したことのない厚さの本でしたが、先が気になりすぎて読む手が止まらず、職場にも持って行き休憩時間、通勤中も読みふけり、一瞬で読み終わりました。

    18
    投稿日: 2024.03.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    短編集を繋ぎ合わせたようなつくりだと思ったら実際に短編集だったことを後から知った。各章で気になる終わり方をするので飽きることなく読み進めることができた。各章の語り手たちにいつどこで魔の手が近づいて不幸に陥るか分からない恐怖心と興味が止まらない。 亮司も雪穂もIQ高く、人の気持ちを理解することは出来るが共感することはほぼない所謂サイコパスのイメージ。発言した後頷く癖、知らぬうちにそれを共有し合っているのがどうしようもなく羨ましい。 雪穂が洋介から性的暴行を受けていたことはストーリーの中でも明らかになっているが、亮司も洋介(もしくは別の男性)から性的虐待を受けていたのではないか。きっと2人にとっては成人男性からの性的搾取が一番の拷問だからこそその手法を取ったのだろう。 ストーリーそのものはあからさまに伏線回収をするのではなく、文章の中に散りばめてくれているので、さもわたしが見つけたかのような達成感を得ることができた。 二人の心理を描かず周囲からの印象や実際に二人が取った行動だけで描くというのが今作の挑戦だったのだろう。その意味では大きく振り回され面白かった。 ただ、わたしがホワイダニットなのでどうしても雪穂と亮司の思考過程や価値観が気になって仕方ない。ふたりの外枠だけどんどん出来上がっていくのに中身が埋まっていかないもどかしさがむず痒かった。

    0
    投稿日: 2024.03.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ハゼ通り雪穂はラストリョウジを見捨てたのかな 根っからの冷徹残酷サイコパスな2人だと思ってたけど、素質はあったものの疑心暗鬼で普通の幸せでは満足出来ない寂しい道を行く2人をつくりあげたのは幼少期に劣悪な環境を強いた大人達だったんだ やっぱり子供の人格形成には家庭環境が9割(障害者は除く) 容姿端麗な2人が異性と、私も惚れさせて騙していく様が痛快でよかった! 所々2人の本音や過去が出たのかなと思える箇所はあったけど、それは第三者的に見ることは出来ても本人らから語られることがなかったから結局のところ登場人物と同じで分からない

    1
    投稿日: 2024.03.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ああ、終わった、、。という感情。 どう回収されていくのだろうと読み続けたが、こんなにやるせない気持ちで本を閉じたのは初めてかもしれない。

    1
    投稿日: 2024.03.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読み終えて、話の全体像がわかって、つながりが見えて、登場人物の心象などがわかって、圧巻の一言ですが、終始暗い話しで、読むのは結構な労力が必要でした。

    0
    投稿日: 2024.03.12
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    面白かった! これまでに読んだ多くの東野圭吾さんの小説とは異なり犯人を推理しながら読んでいく作品ではなく、一連の出来事の犯人が誰なのかという部分は早い段階で疑惑として、時にははっきりと様々な登場人物から20年に及ぶ様々な年代を通して語られるので、これまで推理小説で犯人を当てた憶えのない自分でも「あ、コレはこういうことだな」という具合に犯行の手口や犯人の目的が分かるのですが、犯人は何故そもそもこの様な生き方を選んだのかというところが最後まで語られないところにとても面白さを感じました。(また、その時代の雰囲気や実際の出来事についても語られていて勉強になります。) 読む前はこれほどの長編を通勤カバンに入れて毎日持ち歩けるのか、楽しく読み切れるか一抹の不安もありましたが、読んだ後の達成感と満足感は自分の好きな加賀恭一郎シリーズ並みにとても高い一冊でした! このあと同じくらいの長編作品の「幻夜」もストックしてあるので読むのが楽しみです。 最後に一言、人物名は伏せますが改めて感想を。 ○○怖ぃぃぃぃぃぃいい!!!

    1
    投稿日: 2024.03.08
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    長いお話だったけど、続きが気になってスラスラ読めた。伏線回収の書き方はすごいと思ったが、最後は悲しくてモヤモヤした終わりだった。

    1
    投稿日: 2024.02.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    すごい緻密に伏線が張り巡らされてた  ただ登場人物が多くて、一気読みできなかったため何度も前に戻って確認した  私的にはバットでもハッピーでもない終わりだったが、結局誰も救われなかったと思う 彼女たちの人生ってなんだったんだろうと思ってしまった

    5
    投稿日: 2024.02.25
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    長編小説。 最後が少しモヤモヤした。 雪穂の過去が壮絶だと思うが、行動がサイコパスでちょっとあまり共感はできなかった。

    1
    投稿日: 2024.02.20
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    分厚い本だけど続きが気になり夢中になって読める本。少しずつ繋がる点と点。ラストに明かされる事件の元になったであろう悲しい理由。 読み終えてすっきりはしない。 オイルショックの頃はパソコンのプログラムがカセットテープに録音されていたと知り衝撃でした。自分の生きていた時代ではないけど伝え聞いて来たその頃の情景が目に浮かびました。そして時代の変化を懐かしみ、いつの時代も激動している事を噛み締めました。

    2
    投稿日: 2024.02.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    連ドラは視聴済み(だけど記憶は曖昧)。 初めは本の厚みに怯んでいたけど、読み始めたらあっという間に物語の世界に入り込んでしまった。 家庭環境が悪かったゆえに罪を犯し、 その罪を隠すためにさらに罪を重ねていく悲しさ。 亮司は頭脳明晰さとコンピュータースキル、 雪穂は美貌と、亮司と同じく頭の良さで その辛い環境を歩んでいく強さがあった。 亮司と雪穂の心情が語られないことがさらに物語を良くしていて、 他人からは見えない絆を感じた。 (そして第三者目線で語られる数少ない心情の吐露が辛かった。 特に亮司の昼間を歩きたかったという言葉とか。) 裕福とはいえない子たちが図書館で仲良くなったのかと思うと、 やっぱり公立図書館って大切だよねとも思う。 オイルショックやバブルなど自分の知らない日本社会の描写も良かった。

    3
    投稿日: 2024.02.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    淡々とした文章が800ページ以上続くのに読む手が全く止まらなかった。 主人公2人の心情や直接の関係性は全く語られず、読み手の解釈に委ねられている。私は、2人の間に愛情はあったと思うが、それは男女の恋愛ではなく、もっと深い精神で繋がっているものだと感じた。ぱっと浮かんだのは「盟友」だが、やっぱりちょっと違う気がし、でも何というか…上手く言葉で言い表せない。 ラストの評価は割れそうだが、私はこれで良かったと思う。 ドラマは未視聴だが主人公2人が恋愛関係にあるとだけは聞いたことがあり、読了後「(私としては)そうじゃないじゃん」と調べてみたら、ドラマでは2人の関係性が原作よりも掘り下げられているとのこと(よく調べると恋愛というのとも違うようだが、互いに初恋ということは明示されているらしい)。でもそれも製作陣の解釈の一つなのだと思う。少し時間を空けて観てみたいと思った。 登場人物も多いがこんなに読みやすくまとめられているのは凄いの一言。

    3
    投稿日: 2024.02.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    第三者目線で物語が進んでいく 護るためにこうするしかなくて その秘密を護るためにまた嘘を重ねて罪を重ねて戻れなくなって感覚も訳が分からなくなって、 切なくてやるせないお話 白夜行という題名もすごく腑に落ちる 分厚いけどするする読める小説だった

    0
    投稿日: 2024.02.15
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    大阪で起きた質屋殺害事件から19年という年月を追った壮大なミステリ。雪穂と亮司のまわりには犯罪の匂いがぷんぷん。読み始めたらもう、引き込まれて読むのを止められませんでした。大人になってから雪穂と亮司が2人で会うシーンとかは描かれてはいないのですが、最後まで読むと「あーあの時のあれって」と思うことがたくさんあります。 とにかく2人とも恐ろしかったです。 雪穂のお店「R&Y」という店名が、2人を強く結びつけている証のような気がしています。

    94
    投稿日: 2024.02.15
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    あまりにも雪穂が美人だ美人だって描かれているもんだから、実写版のキャストが知りたくてそれだけ調べた結果、割と早い段階でまあまあなネタバレ喰らったので一生後悔すると思います、、笑 ですが、笹垣さんの焦らしが凄くてちょっっっとずつ真相が明かされるので最後の最後まで楽しめました。残酷で重たいお話ですね‥ 終わり方は先は想像に任せる感じだったので、少し腑に落ちない部分もありました。でも、色んな方が絶賛されている理由が分かりました。ページ数は多いものの、割とすぐに読めました。 東野圭吾さんファンになりそうです。

    3
    投稿日: 2024.02.11
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    読み返して伏線を理解したくなる。 新たな登場人物が出てくるたびに関係性を理解するのが大変に感じるが、関係性を理解出来ると面白い。 隙間時間に読み進めて、信号待ちでさえも読みたくなるほどでこの分厚さでもあっという間に読み終えた。 終盤で2人から真実が語られるかと思っていたが、こういう終わり方も良いのかもしれない。

    3
    投稿日: 2024.02.10
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    ・・・第一印象、「ぶ、分厚い~」学校の図書館でこの本を見つけた。最初は分厚さに圧倒されて読まなかったけど小説紹介クリエイターのけんごさんの読書が好きになったきっかけの本だったと知り、読むことにしました。そして、読んでみたら止まらないんです!ページをめくる手が。初の東野圭吾だったけど読めました。読んでみたら分かった。この本は物語の十九年を一気に詰め込んだから分厚いのだと。読み始める前は上下巻で分けたらいいのに...と思っていたけどこの本は一冊にまとめるべき本でした。おすすめです!

    60
    投稿日: 2024.02.04
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    厚さに満足しちゃう。 分厚いから読んでも読んでもまだまだ残りページがある。面白くない本なら苦痛だけどこの本は残りページが減ってきたら悲しかった。 19年をギュッとした。もっと分厚くてもよかった。 ハッピーエンドは無さそうなストーリー展開。 けっこう一気に読んじゃったね。 だいすきな内容じゃ無いけど、シンプルに星5の本。

    3
    投稿日: 2024.02.04
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    初の東野圭吾でした。なんとく敬遠していたけど、勧められて読んでみた。 分厚さに圧倒されたものの読み始めると面白くてどんどん進んでいく。2人の男女の物語を2人の心情は一切描写せず、行動のみの描写であるにも関わらず彼らの心情が痛いほどわかってしまう。 東野圭吾作品の傑作である理由にも納得です。

    2
    投稿日: 2024.02.03
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    電車で読んでるのに泣いてしまいそうになるぐらい世界観に没入できた。続きが気になって一気に読んだ記憶。

    2
    投稿日: 2024.02.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    非常に衝撃的な作品だった。読後もしばらく他に何も手をつけられなかった、というくらい衝撃だった。思うところは色々があり、まとまらないが、とりあえず備忘録として箇条書きで書いておく。思い出しがてら付け足そうと思う。雪穂と桐原の心情について、まだ理解できていない部分が多いが、続編と言われている『幻夜』を読めばわかるのだろうか。 [感想] ・雪穂と桐原の気持ちは一切描写されていない。それを取り囲む人間たちからしか予想することができない。読むにつれ、一連の事件が雪穂や桐原によるものであることに気がつき、だんだんと彼らに対する憎悪感で一杯になるが、読了後、自然と彼らの心情について想像を巡らすようになる。上手い構成にしたものだと思った。 ・改めて女は恐ろしいと思った。美しい美貌にこそ悪魔が宿っている。その美しく、洗練された所作や仕草は、自分の醜い本性を隠すための技であり、自己愛の裏返しである。そして、改めて男は情けないと思った。篠塚一成が雪穂に惑わされそうになるシーンがその情けなさを如実に物語っている。女にとっては自分を偽ることなど非常に容易い。理性を働かせて到達した結論も、その嘘によって簡単にひっくり返ってしまいそうになる。(これは自戒を込めて) [疑問点・自分なりの考察] ・美佳が犯された直後、雪穂が助けるふりをして現れるシーンは非常に吐き気がした。それにしても、この時美佳を犯したのは桐原なのだろうか?子供時代自分の好きだった女子を自分の父親に犯され、その父親を殺した桐原がである。自分がもっとも軽蔑していたはずの行為を桐原ができるというのだろうか。(桐原が確実に犯人のはずの、藤原や千都留のケースでは犯されていなかった) ・確かに雪穂には壮絶な過去があり、残忍非道な人間になりうるのは十分に理解できる。しかし、礼子の元で暮らしていたときに、少しでも人間の温かみに触れることが、それを理解することができなかったのだろうか。礼子を平気で「安楽死」させることができるという事実がすでに答えを物語っているのかもしれないが。 ・結局、雪穂が桐原のことを愛していたのか(愛とはまた別のものかもしれないが)、それともただ単に、桐原のこともただのコマとして見做していたのかが、わからないままだった。おそらく桐原の父に強姦されていた時点で、恋愛感情というものを失っているのだろう。桐原も旦那も結局自分が出世するためのコマとしか思えないわけだ。 ・雪穂がなぜ事業家としての成功を目指していたのかが分からなかったが、幼い頃のあの出来事で金しか信じることができなかったのだろうと理解した。 とりあえず、女は恐ろしい。

    1
    投稿日: 2024.01.31
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    とても好きな本。 置かれた環境から這い上がろうとする、自分の人生を思うがままに生きようとする雪穂に惹かれる。亮司と雪穂がどこかで深く繋がっていたことを願いたい。

    1
    投稿日: 2024.01.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読み切った後にため息が出た。 辛かった。特に桐原が。よく頑張ったね、って偉そうに褒めてあげたい。 ただただ護りたかっただけなんやろなーって。 でもやって良いこととあかんことはあると思うで? 全部知った上でもう一回読みたい。知ってても推測できることだからここってこうなんかな?って思うところいっぱい出てきそう。 最後がちょっと辛すぎるけど、でも素敵な終わり方やった。言葉で表せんけど雪穂にも色々な思いがあってのあの行動なんやろなって辛くなった。 一回諦めたのは内緒

    1
    投稿日: 2024.01.31
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    面白コメディーかと思うワードがいくつかあった。 多くのミステリーは→→⤴→⤴︎⤴︎⤴︎って感じに緩急があるけど、この作品は900弱ページの中でほとんど➚➚➚➚➚➚って感じ。爆発的に面白いとこがある訳でもないしつまんない訳でもなく、ずっとほんのり面白い。ハゼとエビ、濡れネズミ、単細胞。

    0
    投稿日: 2024.01.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    全てが繋がっていた… 原作を読んだ後にドラマなど観ると、違う視点から事件が描かれているのでオススメ。

    1
    投稿日: 2024.01.29
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    太陽のない世界。 光が無ければ霧すら見えない。 重い過去を背負い、たったひとつの微かな光だけで生きている雪穂と亮司ふたりの人生にはもうため息しかなく。 ふたりの主観は全く描かれていないのに、先の見えないトンネルと切なさだけは手に取るように感じられて心が痛かった。 最終章の笹垣刑事の執念と19年にも及ぶ読み手を飽きさせない展開は見事です。これは…名作。

    14
    投稿日: 2024.01.27
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    迷宮入り事件を追い続けた定年刑事、華麗なる転身劇を遂げた雪穂、彼女の手のひらに踊らされるように役者を演じ切った者たちの愛憎劇が堪らない。全てが明かされる終盤、笹垣刑事の十九年を締め括る衝撃の結末から目が離せない。登場人物達の軌跡を何度も辿りたくなる。読後は、『スゴイ』としか言えなかった。絶対に後悔しない800頁!

    3
    投稿日: 2024.01.25
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    映画も見たことがなかったので、本当にまっさらな状態から読み始め、一気に読み終えたあと長いため息が出た。 ちりばめられた伏線の緻密さは、さすがとしか言いようがない。 ミステリーの要素はもちろん、人物描写がいい。特に、亮司の人間らしさが見え隠れする感じが上手い。 長編ではあるけれど、物語にまだ靄がかかっている前半と、だんだんとそれが明らかになってくる後半とではスピード感がまるで違う。 白夜行というタイトルほど、この2人にしっくりくるものはないだろう。

    4
    投稿日: 2024.01.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    かなり前に読んだので、あらすじを忘れてしまい再読。 かなりの長編だけど、さすがという感じでどんどん読める。 2人のいきさつや動機がはっきり語られないところが逆にいいなと思った。

    11
    投稿日: 2024.01.19
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    10年ぶりくらいに再読。 うっすらと全体像が見えてから読むと、 初めて読んだときとはまた感覚が違った。 些細な出来事が繋がって、 後半のどんどん足場が崩れていくような感覚が ちょっと怖くなるくらい。 最後の方は一気読みしてしまった。

    3
    投稿日: 2024.01.17
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    オイルショックからバブル崩壊までの19年に渡るお話。時代描写に懐かしい気持ちにはなるものの、内容は、すごく重く、二人のモンスターが誕生した背景に貧困、家庭環境、純愛、逞しさ、などの条件を考えると、読み進めるほど悲しくなりました。

    4
    投稿日: 2024.01.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    白夜行 東野圭吾 ∞----------------------∞ 主人公なのに本人の主体での話がないので内心が全く分からず、次々展開していく周りの目線で彼らの様子が分かる。 そして雪穂と亮司の接点はほとんど描かれていなくて、2人が関わっていることを突き止める笹垣さんがすごい。19年追いかけてるけどまだ掴めない、と言いつつ粘りがあって応援したくなる。 雪穂の性格は酷いな。人をイラつかせつつ物分りの良さを見せるので、優しい人ならこちら側が悪いと思ってしまう。こういう人に接してたら鬱になりそう。そして自分に反発している人を手懐けるための手段が悪質すぎる。 亮司は雪穂と違って自分を偽って生きていて、白夜の中にいるというのはすごく分かった。 この2人は別々にいながらも、実は愛し合い、互いのために犯罪を起こしたり、好きでもない人と結婚したり、彼らの人生って苦しむためにあるのだろうか。 かと言って、2人が一緒のところを知られると過去の事件に結びついてしまう。 好き勝手やっているようで、雪穂にすら全く幸せを感じない。 大ボリュームで登場人物も多く大変だったけど、なんとか読めた。次は「幻夜」! 2024/01/14 読了

    4
    投稿日: 2024.01.14
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    東野圭吾作品の中で1番好きなのはこれ。最初に読んだのは学生の頃だったけど、それ以来、(こんな分厚い本なのに)2回くらいは読み返したんじゃないかと思う。主人公2人の主観は一切出てこない。各章ごとに語り手が違って、それぞれの語り手からみた2人(あるいは1人)の描写で物語が進んでいくのだけど、、構成やト書きが本当に秀逸。主役2人の主観が出てこないのに、2人の心情が痛いほど感じられるというか、想像できるというか、読んでてこっちまで苦しくなるような臨場感がある。幼少期のある事件をきっかけに、日向の道を歩けなくなってしまった2人の人生が切なすぎて、読むのやめたくなるけど一気読みしてしまうような本。この分厚さでありながら全く中弛みもないし、最後までページを捲る手が止まらない、まさに人生ベスト本です。

    6
    投稿日: 2024.01.13
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    「わたしの上には太陽なんかなかった。いつも夜。でも暗くはなかった。太陽に代わるものがあったから。太陽ほど明るくはないけれど、わたしには十分だった。わたしはその光によって、夜を昼と思って生きていくことができたの」 亮司が居なくなった世界で雪穂がどう生きるか気になった 幼少期を踏まえると悪だと言い切れず考えさせられる

    1
    投稿日: 2024.01.11
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    人に勧められて読んだ。長いけど、物語内の要所要所の出来事が関連性を持っていて、面白かった。何度も読み返しながら自分で推測しながら読んで、繋がりがわかった時はすっきりした。

    1
    投稿日: 2024.01.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    初東野圭吾作品、あまり読んでこなかったがミステリーってこんなに面白いのか… 驚いたのは、こんなに長い物語を読み終えても、雪穂と亮司がどんな人間であったのか謎に包まれたままであること。2人の周囲の人間がそうであったように、読者にとっても雪穂と亮司という人間がわからないまま終わっただろう。(2人の視点からは物語が描かれなかったのもあると思うが)。ただひとつわかるのは、雪穂にとって亮司は、亮司にとって雪穂は、生きていくための光であったこと。それが恋愛であったのか、過酷な人生を生きるために手を組む戦友のようなものだったのかまではわからないが…。 心が痛かったのは、性がお金になることや人の弱みにもなることを、2人が小学5年生で知ったということ。まだ子どもなのに…雪穂に至っては、親に利用され、その当事者であった。 2人が19年間で行ってきたことは悪である。しかし、そのはじまりのきっかけをつくったのは、紛れもない周囲の大人だ。……苦しい。

    3
    投稿日: 2024.01.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    850ページ超えの大作を冬休みに一気読み。 半分モヤモヤが残りつつ読み終えた。 最後の最後で物語の真実を知る。 敢えて二人の感情は書かれていないが、物語が進むごとに哀しさや虚しさが出てきてしまう。 要所要所で彼らはどう思っていたのだろうか。 ラストシーン雪穂はどんな気持ちで亮二のことを知らないふりをしたのか。 「あたしの上には太陽なんかなかった。でも暗くなかった。太陽に代わるものがあったから。」そうお互い思い合ってたのだろうと思う。 雪穂が幼少にされたものは信じられないものだが、その後の殺人や周りの女性を襲う手段をとっているのは恐ろしい。

    0
    投稿日: 2024.01.10
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    800ページ超えは躊躇するけど意外といける。物語全ての伏線が回収される訳でもないので多少物足りない。だが色んな話が最終的に一本になるのは読んでて気持ちが良い。物語の核となる人物2人の交わる描写がないまま終わるのが本当に気持ち悪いし最高に後味悪くて爽快。

    0
    投稿日: 2024.01.09
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    『1日のうちには太陽の出ている時と、沈んでいる時があるわよね。それと同じように、人生にも昼と夜がある。もちろん実際の太陽みたいに、定期的に日没と日の出が訪れるわけじゃない。人によっては、太陽がいっぱいの中を生き続けられる人がいる。ずっと真っ暗な深夜を生きていかなきゃならない人もいる。で、人は何を怖がるかというと、それまで出ていた太陽が沈んでしまうこと。自分が浴びている光が消えることを、すごく恐れてしまうわけ。』 19年と聞くとすごく長いように感じるが、あっという間に読み終わってしまった。亮司と雪穂が直接的に関わる描写がないにも関わらず、心の奥底では深く繋がっているということがヒシヒシと伝わってくる。結末は切なくて、なんでそうなった!!と思わずにはいられなかった。

    0
    投稿日: 2024.01.08
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    どうかな? ただ、間違いなく良い小説です。 ページが減っていく中で結果はどうなるのかと、グイグイ引き込まれた。最後の最後が少し物足りなかったかも? 映像化されている様なので、観てみようと思う。雪穂役は誰が演じてるのかしら?

    10
    投稿日: 2024.01.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    1973年のある事件とその被害者の息子と容疑者の娘の物語。 実際の社会状況や流行ったもの、スポーツだけでなく、インターネット関連の単語たち。東野圭吾さんの知識量恐るべし。 桐原亮司と唐沢雪穂を周囲の視点から描き、徐々に物語が絡んでいくのが面白かった。 あとがきにもあったが、2人の心理描写や視点がないのにもかかわらずなんとも言えない寂しさや苦しみを強く感じる。 最後の最後亮司は自殺をし雪穂はそれを見て「知らない」と語り去ってしまうのだが、読む人によって受け取り方はそれぞれだと思った。 亮司と雪穂は恋人と言うよりも強い絆を感じた。想いの強さは亮司の方がとも思ったけど、雪穂は亮司を太陽のように思っているし。 逆に情報や青酸カリを得るために栗原に近づいたものの彼女のお願いを聞いて大阪に一緒に行ったり、場所を紹介したのは同情よりも多少なりとは愛があったようにも思える。雪穂の方は夫のどちらも単なる金と情報のためだと思ってしまうが。 序盤の雪穂の鈴の音で不穏さを増していくのが良かった。 雪穂の魅力が恐ろしい。 大阪弁なので想像はしにくいが、ドラマの山田孝之さんと綾瀬はるかさんはぴったり。 登場人物一覧 ・笹垣潤三 刑事 妻に克子、克子の姪に織江がいる。 ・中塚 班長 ・松野秀臣 近畿医科大の教示。大阪府監察医。 ・古賀久志 若い刑事。 後に大阪府警の捜査一課長になる。 ・桐原洋介 質屋『きりはら』の主人。 ・桐原弥生子 桐原洋介の妻。 ・松浦勇 質屋『きりはら』の店長。 後に亮司の前に現れる。 ・桐原亮司 桐原夫妻の息子。 メモリックスの主任開発員として秋吉雄一になりすます。 ・西本文代 『きりはら』の名簿に名前が載っていた人物。 ガス中毒で死亡。恐らく自殺。 ・西本雪穂、唐沢雪穂 西本文代の娘。 ・木下弓枝 雪穂の同級生の母。 ・金村 前歯がかけている刑事。 ・寺崎忠夫 『アゲハ商事』として商品の販売を行う。 死亡。恐らく居眠り運転。 ・田川敏夫 『吉田ハイツ』の大家。田川不動産を経営。 ・西本秀夫 西本文代の夫。既に死亡。 ・秋吉雄一 雪穂を盗撮する。 メモリックスの主任開発員。 ・菊池文彦 雄一の友人。母子家庭で生活が苦しい。 弟が桐原洋介の死体の第一発見者。 ・川島江利子 雪穂の友人。 後に雪穂とは疎遠になり民雄と結婚。 ・唐沢礼子 西本秀夫の親戚で、雪穂を引き取る。 ・牟田俊之 雄一の同級生で、写真を買う。 ・藤村都子 雪穂の同級生。俊之が雄一に彼女の写真を求める。 ・園村友彦 亮司に金儲けの話に誘われる。 ・村下 友彦の同級生。友彦とともに亮司に金儲けの話に誘われる。 ・園村房子 友彦の母。 ・西口奈美江 和子に若い男の子とおしゃべりできるパーティーに誘われる。亮司に金儲けの話に誘われる。 刺殺により死亡。 ・川田和子 奈美江の職場の先輩。 ・花岡夕子 パーティー後に、友彦と関係を持った女性。 友彦とホテルにいた際に死亡。 ・森下 友彦の中学時代の同級生。 ・花岡郁雄 花岡夕子の夫。 ・中道正晴 雪穂に数学を教える。 ・美濃部 大学院生。 ・永田 第三研究室。 ・垣内 正晴のアイスホッケー部の同期。 ・内藤 アイスホッケー部の後輩。 ・篠塚一成 ダンス部の部長。 ・倉橋香苗 篠塚の恋人。 ・長山 ダンス部部員。 ・スズキ ヤクザ。 ・真壁幹夫 銀行員。刺殺され死亡。 ・榎本宏 紺色ジャケットを着た身体の大きなヤクザ。 ・高宮誠 東西電装東京本社特許ライセンス部社員。 ダンス部副部長。 ・三沢千都留 派遣社員。 ・上野朱美 派遣社員。 ・成田 東西電装東京本社特許ライセンス部の社員。 係長に昇進。 ・頼子、仁一郎、文子 誠の母と祖父と祖母。 ・中嶋弘恵 MUGENの社員。友彦の恋人。 ・金城 ヤクザ。 ・長坂 東西電装東京本社特許ライセンス部の課長。 ・山野 東西電装東京本社特許ライセンス部の社員。 ・田村紀子 アパレル店で共に働く雪穂の相棒。 ・ナツミちゃん、浜本夏美 アパレル店で働く社員。 ・今枝直己 東京総合リサーチという会社にいた。後に独立。 ・安西徹 メモリックスという会社の社長。 ・篠塚康晴 篠塚の従兄。 ・菅原絵里 直己の事務所の近くで働く女性。 ・元岡邦子 清華女子に通っていた。 ・益田均 今枝に事務所の資料を見せる。 ・栗原典子 薬剤師 ・篠塚総輔 篠塚康晴の父。社長。 ・篠塚繁之 篠塚一成の父。 ・広田淳子 恐らくアパレル店で働く社員。 ・藤井保 栗原が結婚情報サービス会社を通じてあった男性。 ・篠塚美佳 康晴の娘。 ・葛西妙子 家政婦。 ・篠塚優大 康晴の息子 ・菊池道広 桐原洋介の死体の第一発見者。 ・菱川朋子 美佳の中学時代の同級生。

    0
    投稿日: 2024.01.08
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    りょうじのゆきほへの愛情から罪に罪を重ねていく。りょうじは恐らく本当は優しいのだが、精神的に弱い部分があり、それを笹崎が理解している。

    1
    投稿日: 2024.01.06
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    長いけど割と読みやすい作品。解説にも書いてあったけど、主人公二人の感情を全く描写せずに周りの人間からの視点のみで物語が構成されているのに、読み進めれば読み進めるほど、二人の心の陰と物悲しさが伝わってくる。天才的すぎて意味わかんない。もちろんミステリーとしてのトリックもスケールが大きく緻密で完成度が高すぎる。いい本が読めました!

    12
    投稿日: 2024.01.04
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    文句なしに素晴らしい作品。人生3度目の読破です。かなりのボリュームですが、どれをとっても無駄がなく、濃度が高いです。もともと短編だったものを再編したと聞いて、納得。 面白いだけでなく、人間の"凄み"を強烈に感じる本作、年を重ねるごとに重みが増しています。 あとがきにもありますが、"ふたりの内面は一切描か"れていません。"彼らを取り巻く人間の視点を通してのみ描写され"ています。そしてそれは、かなり高度な技だそうです。素晴らしい!

    1
    投稿日: 2024.01.04
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    核心的な部分は全て推察させる、その想像の恐ろしさで鳥肌が立つ。 ここまで状況証拠が揃っていながら一度も直接的な接点、心理描写が描かれなかった雪穂と桐原、 雪穂の華々しく健気な昼を象徴する生活は桐原の暗い夜の上に成り立つ、白夜を連想させる。

    6
    投稿日: 2023.12.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    雪穂と亮二の物語。幼い頃に傷を負った子どもたち。雪穂の氷のような心は溶けることはあるのかな。亮二のことが許せなかったのか。 最後まで亮二を許せない雪穂の心情があまり捉えられなかった。一番のポイントなのに。 登場人物が多いが一人一人の描写がしっかりしている。 けど、日常にはなさそうな物語。 加賀刑事シリーズの方が、日常の些細な心の機微を描いていて好きです。

    0
    投稿日: 2023.12.23
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    ☆5.0 とにかくダークな世界観、後味も最悪だけど圧倒的に面白い。 雪穂と亮司の心情が最後まではっきり分からない。 ビジネスパートナーなのか、愛情なのか。 この二人のミステリアスな関係が一番の魅力だと思いました。

    0
    投稿日: 2023.12.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    前々から作品は知っていましたがちゃんと読んだのは初めてでした。 こんなに夢中になって読書をしたのは久しぶりでした。19年の長い年月の中で2人の少年少女が関わってきた人の目線から人物像を想像しながら読むのが面白かったです。 この先も自分の中に印象強く残っている作品だと思いました。

    1
    投稿日: 2023.12.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

     ある殺人事件の被害者の息子と容疑者の娘が主人公として物語は進んでいく。ただこの2人の視点では一切描かれることがなく、周りの人間の視点でのみ描かれているため、本人たちが何を想い、何を感じているのかは読者の想像に任せられる点がこの作品の大きな特徴である。  最終的に2人は共生関係にあったのかも、明記されることはなかったが、おそらく上記の事件の時から、哀しくも深い関係にあったと思う。  お互いの人生のために協力し合う関係は必ずしも平等ではなく、雪穂の人生は輝かしいものになり、亮司の人生は暗いものとなっている。  このことは亮司自身も気づいていて、「自分の人生は白夜行や」みたいなことを言っていた。それでも亮司が雪穂のために自分の手を汚し続けるところが哀しいところである。しかし、ラストの雪穂の反応を見ると結局は亮司も雪穂に利用されていただけなのかもしれないと思う。  850ページの非常に長い作品だったが、スラスラ読むことができ、東野圭吾の最高傑作と言われているのも納得の一冊でした。

    5
    投稿日: 2023.12.11
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    ドラマと並行して原作を読みました。 評判通りの面白さでページを捲る手が止まらず、夜更かししそうな日々が続きましたが、毎日の楽しみとして少しずつ大切に読みました。 ラスト100ページを切ると、物語の終盤を感じてきて、「明日からの私の楽しみは何なんだろう…」なんて考えるくらい。読んでる時間はなにもかも忘れられました。 800ページ以上ある作品ですが、また時間を作って読み返したい…そう思える数少ない本です。

    1
    投稿日: 2023.12.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    一見なんの関わりもないような登場人物が、進むにすれてどこがで必ず繋がっていて、伏線回収とか真相が明らかになっていく感じがミステリー小説っぽくて楽しかった。 最後あれで終わったのは一瞬え?ってなったけど謎な部分は読者の考察に任せる感じとか、その色んな考察を見る感じとかで読了後も楽しめる工夫がなされているのでさすがでした。 桐原が死んだときの「彼の人生を変えた鋏だ。」についてあまり深く考えてなかったけど、「図書館で雪穂とデートして切り絵を披露していた時に使っていた鋏」と「それを持っていたことによって親父殺しの凶器となり初めての殺人を犯してしまったこと」の2つの意味があると思うっていう考察を見て納得しまくった。 そして個人的に桐原亮司系キャラめっちゃ好きなんです やってることはだめだけど

    1
    投稿日: 2023.12.09
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    アプリ登録80作目にふさわしい小説。長かった。2人の奥底での繋がりが凄い。あれは子供にはトラウマになるだろうなと思う。どんなやりとりが行われたのだろう。どんな誓いがたてられたのだろう。壮絶さが伝わる読後感。

    23
    投稿日: 2023.12.09
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    私はこの頃の東野圭吾さん作品が好きです。 風と共に去りぬを思い起こす主人公。 ドロドロしてますが、純愛だな〜とも思い、 ドラマでは再現されなかった、シーン、詳細。 本からドラマ、ドラマから本、どちらから観ても良い作品です。

    1
    投稿日: 2023.12.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    記録用。 10歳の頃にドラマで見て、衝撃的な内容だったから犯人と動機だけは覚えてた。 本はそこは最後に明かされる形だったから、出来れば先に本から読みたかった。 大人になって読んだからまだ受け入れられたけど、本の方が更にきつかった。 2人の歪な関係。どこまでやっても傷は癒えることはなく、報われなかった過去を拭うために、今を自分にとって都合の良いものにするためにどんどん罪を重ねていく。 2段階のページ構成になっていて長かったけど、読み応えのある本だった。

    0
    投稿日: 2023.12.02
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    んんんんんん...桐原の「俺の人生は白夜行みたいなもんや」(?)って言ってたの、切ない。雪穂を守るために犯した罪を背負って、雪穂の人生が少しでも陽の当たるように見守って汚れ役を買って...それは雪穂もか。自分を守るために陽の当たる人生を歩くことを許されなくなった桐原を、自分の意思を犠牲にして助けて来たもんね。桐原は雪穂を守ったけど、それと同時に枷を背負わせたんだよなぁ。共依存じゃないけど、表裏一体で一心同体で...こういう関係大好き。もっと二人の関わりが見たかったし話してる描写が欲しかった。なかったからいいのか。淡々と二人の過ごした人生の片鱗が、彼らに関わった人物を通して描かれていたけど、二人はずっとお互いのために生きていて二人だった。二人でいた。世界でずっと、二人でいたんだなぁ、自分よりも相手を想った二人だった。 中弛み感もあったし、目を見張るような展開でもなかった。でもそれが、桐原と雪穂の孤独さを表してるみたいで、よかったのかな。 この小説、桐原と雪穂の心理描写や考えが一切書かれてない。すごい。

    2
    投稿日: 2023.12.02
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    東野さんの代表作。850ページ超の長さも気にならずに一気にその世界に入って読了。主人公二人の内面や心情は映し出されることなくただただ淡々と描写されていく。そのことがさらに想像を掻き立てられ、より悲哀や不穏さが際立っていく。最後、雪穂は何を感じ何を思ったのか、雪穂の深い胸の内は雪穂すらわからないのかもしれない。

    0
    投稿日: 2023.11.29
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    面白くて素晴らしい作品。 犯人は早々にわかるが、読んでいて飽きない。 飽きるどころか、ページをめくるごとにワクワク感がすごかった。 ぜひ、誰かにおすすめしたい。

    1
    投稿日: 2023.11.28
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    なんだこのおもしろさはーーー!! さすが東野圭吾!としか言えん!! 家族の本棚に十数年ずーーーーーっと納まっていた本です。笑 あるのは知っていましたが、実はワタクシ、東野圭吾さんの作品にはあまり興味がなく……すんません(^▽^;)笑 なぜなら『絶対おもしろいに決まってる』から笑 なので、小説は読まず、映画やドラマを観ていました。 それだけ安定感があるという事ですね。 読んだ事がない訳ではありません。 『手紙』『変身』は、読みました。 『手紙』では号泣し『変身』もとてもおもしろかった! 『白夜行』は、映画もドラマも観たことがありません。 先入観で「逃走系ラブストーリー」だと勝手に思い込んでいました笑 なんらかの障害で結ばれない2人が愛の逃避行を続けた末に死ぬとか。それ系かと笑笑 東野圭吾ナメすぎてた笑 なんせ恋愛悲劇モノは苦手でして…(-_-;) だがしかし!!! 全然そんな小説ではなかった笑 廃墟ビルで、桐原亮司の父が刺されるという殺人事件が起きる。 当時このビルで遊んでいた小学生が第一発見者。 容疑者はいるものの、これといった証拠はなく、事件は未解決で終わる。 容疑者の娘である西本雪穂は、とんでもない美少女。 周囲の目を惹く彼女の周りでは、不幸な出来事が相次ぐ。 時代は変わり少年達は成長していくが、どんな想いで生きてきて、どんな未来を望んだのだろう。 想像すると胸が苦しい……。 東野圭吾作品はメッセージ性が込められている。 親という存在の重要さが第一にあり、そう育ってしまった過程で今後の生き方に影響される。 後悔することばかりである(T-T) 事件の真相は複雑に入り組まれていて、後半で徐々に推理されていく様は読んでいて鳥肌が立つ。 では、あの時のあれは……と、疑問点はすべて回収され、腑に落ちる。 愛が全面に出されるが、それらをうまく操作する様が秀逸。 その中にさらなる愛が含まれている。 すべては愛のため。欲のため。 とても複雑なのに無理のないスマートな作品。 細部の気になる部分(おそらく、想像にお任せしても良い点)を、既読者と語り合いたくなる。 ホントよくできてる。 全く内容知らずに読んだので、もう感動しまくっていて、余韻が凄いです……(༎ຶ⌑༎ຶ)♡ 終わり方も、とにかく最高すぎる…!!

    32
    投稿日: 2023.11.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    登場人物の描き方が緻密で、人間ドラマ的な面白さは素晴らしかったです。 そしてあまりにも緻密に描かれているので、伏線はどれもわかりやすく、ほぼすべてが「やっぱり」という着地でした。 なのでミステリーとしてはう〜ん…でしたが、それでもなおおもしろいと感じられるストーリーでした!

    0
    投稿日: 2023.11.27
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    超面白かった。ストーリー展開が緻密に考えられていて、色んな布石が徐々に回収されていく感じ。でも全てがクリスタルクリアにならず読後にも想像する余白が残る感じ。作者殿がすごいんですね。

    3
    投稿日: 2023.11.24
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    いや、よくぞここまで話をつなげたなと。 結局雪穂と亮司が直接出会うことは無かったし、実際の犯行シーンも無いけれど、確実にそうでしょと思わせる構成力! 脱帽の一冊。 最後は悲しい幕切れ。 読み直すのは大変だけど、いつかまた読みたい。

    1
    投稿日: 2023.11.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    大好きな本ベスト3に入る白夜行。好きすぎて何度目?5回目くらいの読み直し。結末を知らずに読めた、初めて読んだ時の自分が羨ましい。記憶消して何も知らずにもう一度読みたい!と思うけど、知っててもなおおもしろいから本当にすごい。全部が裏と表で繋がってる感じが本当におもしろい。 最後亮二が死んだ時も知らない人のふりする雪穂が最後まで徹底した雪穂ぶりで本当に恐ろしい。 とても暗いのにきれい?な作品。 ドラマはなぜ1話目から犯人を明かしたのか。センスない。徐々に繋がりと最後に分かる事実というのが最高に重みがあって最高におもしろいのに。 配役も違う気がしてならない。

    2
    投稿日: 2023.11.22
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    自分の全てを命さえなげうって守る男 それを受け止める女 そうやって手に入れた華やかな世界 穏やかではないけれど生きてほしいと思った

    2
    投稿日: 2023.11.21
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    19年という長い期間の中で二人は正しい道に戻ることはできなかったのかと思う一方、生まれた時からこの人生が二人には決まっていたという感覚すら覚える。 家庭環境によって形成される人間性は、本人には抗う事ができないものなのではないかな。 「子供は親を選べない」というが、これはつまり人生を選べないという事だと思う。 本人たちは自分の意思で人生を決めていると思っていても、その根底には家庭環境によって形成された人間性が根深くあるのだろう。 こんな人生を歩まされた二人には同情するしかない。

    1
    投稿日: 2023.11.17
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    まず、とても読みやすかった。 ドラマ化しやすいタイプの構成で、でも19年という長い年月の裏の犯罪を感じられてとても楽しかった。 ネタバレは見ない方が良い。 私は笹岡さんが好きです。

    1
    投稿日: 2023.11.16
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    自分語りをするのではなく、周りの視点から焦点が絞られていく。誰が誰の弱みを握っているのかを知った今、初めから思い返すおもしろさがある。怖くて昼にしか読み進められなかった。

    2
    投稿日: 2023.11.14
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    ある男女の人生を追いながら、さらに時代の移り変わりも描いていく。 いやはや参った。これは図書館で借りるのではなく、買えばよかった。何度か読み直したいレベルの作品だ。 ミステリか云々かと言われるとそれよりもノワール要素が強い印象を受けた。何より彼らの人生を淡々と追いかけていくところはやはりノワールからの影響を強く感じる。800ページを超える分量なのに濃く、中弛みもしない。これはとんでもない作品である。

    3
    投稿日: 2023.11.13
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    800ページもあったけど、面白すぎて一瞬だった。 雪穂と亮司が子供から大人になるまでに、2人の周りでいろんな事件が起きる様子を描く。 本を半分読み終えたあたり(雪穂が大学生のとき)から、何が起こってるのか大体掴めてくる。 はっきりと書かれているわけじゃないのに、作者の思い通りに読者が点と点を繋いで、真相に気付かされるのがすごい。 犯人が分かってるのに飽きないのは、最後の最後に欠けていたピース、すなわち犯行の動機が分かるから。 最後に真相が全て分かった時はスッキリしたの同時に悲しくなって、鳥肌がたった。

    3
    投稿日: 2023.11.08
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    突き当たりの先には何か物凄く怖いものが待っている、という恐怖をおぼえながら道を進むような感覚で、1つ1つのページをめくっていた。 徐々に徐々に事件や雪穂、亮二の輪郭が浮かび上がってきて最後に1つのストーリーとして繋がる構成は、途中で飽きることなく、読み切ったところで改めて鳥肌が立った。

    9
    投稿日: 2023.11.07
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    理由は分からないが、これだけページ数が多く、登場人物も多く、全体的に暗い話なのに読む手が止まらなかった。 理由は分からない。

    3
    投稿日: 2023.11.04
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    東野さんの本を拝読すると、いつも物理の授業を思い出します。 時間に比例して加速度的に、ぐんぐん読むスピードが上がっていくのは、東野作品を読む時の症状です。 また、本が分厚い。 通勤カバンに入れて運ぶには重すぎました。 本作品は登場人物が桁外れに多く、相関図が欲しいなと何度も思いつつ読みました。 主人公は雪穂と亮二。時代が昭和で全体的に古めかしい、高校生がこんなこと言うか?という疑問は拭えませんが、この人物はどうなったんだろうなど少し読者に考える尤度を与えて、たぶんこうなったんだろうなと容易に想像できる優しさと物語全体で何が言いたいのかを考えさせる東野さんはすごいなぁと改めて実感しました。

    5
    投稿日: 2023.11.02
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    読み終えて、なるほど「白夜行」だったなぁと思った1冊。 被害者の息子と容疑者の娘の20年ほどの半生が、周囲の人々の視点から連鎖的に語られてゆく。 主人公となる2人の心理描写は一切なく、周囲の人々との会話や心情を中心に物語が進んでゆくがゆえに生まれるなんともいえない薄暗さ(はっきりしない感じ?)にたまらなく惹き付けられて、800ページ越えでありながら流れるように読了できる。 太陽はささないけれど、お互いでお互いを照らしあっているかのような道筋を歩んでゆく背中に読了後色々と考えさせられる。

    12
    投稿日: 2023.10.24
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    先に幻夜を読んでしまってからの白夜行でした。順番に読むのが1番だとは思いますが、幻夜との関連性を探しながら読むのはそれはそれで面白かったです。 物語は1つの事件を中心として登場人物の成長とともに進んでいくので、物語に厚みと奥深さを感じ実際に起こった事件のように思えました。 また、上手く言えないのですが、幻夜と同じような雰囲気が漂っていて、2つの物語は同じ世界の出来事なんだなという感じがしました。誰かこの気持ち言語化してくれないかな。 東野圭吾さんの最高傑作と挙げている方が多いように、とても面白かったです。特に、「幻夜」もそうでしたが、「白夜行」の意味がわかった時は痺れました。

    21
    投稿日: 2023.10.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    満を持して手に取った東野圭吾代表作。超長編作品にも関わらず全く飽きずにストレスなく最後まで読めた点、幼少期から大人になり社会人になる20年間を時系列に沿って描くというスケールの大きさは圧巻。ただし、登場人物が多いため関係性を整理するのが大変だった。 感動する作品ではない。常に登場人物の闇、不気味さを抱えたまま進み、最後もそのまま終わる。個人の問題や事件は解決はされない。心の救済もなく、心情の変化もなく一貫したテーマに終始する。その点で読後感は悪く、モヤモヤしたまま終わる感じ。おそらく人には勧めないだろうと感じたため星3つにとどめた。

    1
    投稿日: 2023.10.21
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    800頁を超える長編なのに、だれることなく飽きることなく読み進められた。 彼女がしくんだのでは?と言う事がはっきりと書かれているわけではないのに、事件の背後にはいつも彼女の気配がする。 警戒心を抱いた男性でさえ惹かれそうになる。まるで、彼女が魔女か女王蜂であるかのように。 想像力を掻き立てられる、余韻の残る読書体験だった。

    20
    投稿日: 2023.10.16
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    本のの魅力を教えてくれたお話。 ドラマを観てから読みました。 ドラマのファンでもありますが、 お話のつくりが違うだけで こんなに染みるものなのか 映像より活字のほうが こんなに鮮明で生々しく 心に訴えかけてくるものなのかと 気づいてしまった一冊です。 白夜行を読んでから 本が好きになり、 以降 映像は本を読んでから観るようになりました。

    1
    投稿日: 2023.10.11
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    1973年から1992年、二人の主人公の少年と少女が小学5年生から30才になるまでの19年の話。 時間をかけてパズルを解いていくような感覚で、読み進みました。 後半パズルの完成が見えてくると、人物像が勢いよく具体的にイメージされて一気に読み進め、全てのピースが治るべきところにきっちりと治ったラストに感心しました。 でも苦手なテーマだったのでつらすぎて再読はしません。

    2
    投稿日: 2023.10.09
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    あるビルで殺人事件が起こった その被害者の息子と容疑者かもしれない女の娘の20年間の人生を描いた話 なんといってもまずは桐原と雪穂の視点が最後まで描かれずにあくまでも群像劇で他者の視点が入れ替わり立ち替わりする中で映る二人を淡々と描いていた そうすることによってあのときに何を考えていてどう言う行動をしていたのかのネタバレや二人の不気味さを際立たせていた 二人の人生は一見すると全く繋がりがないように見えるが秘密の連絡手段で互いにエビとハゼのように共生関係をあの時からずっと結び続けいた 一番最後の推理で桐原が今までのシーンがずっと見守ってきて雪穂に何か厄介なことが起こったらいつでもそれを阻止していたことがわかったからこそあのラストは本当に悲しくなった 被害者の息子から加害者に加害者の娘から被害者に変わるっている 雪穂の話に映ると桐原の話が気になり出して桐原の話に映ると雪穂の話が気になり出すような状態でずっと読んでいた

    4
    投稿日: 2023.10.06
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    一つ一つの事件があるが、二人の内面は描かれない。老刑事の解釈として、隠れた細い糸がつながる。しかし、最後までそのとおりかはわからない。昼でも夜でもない、たそがれでもない。白夜。読者ももやっとした「白夜」状態で、さりげない伏線をつなげると、老刑事の推理に惹かれてしまう。構成の巧みさに感服。 p826「あたしの上には太陽なんかなかった。いつも夜。でも暗くはなかった。太陽に代わるものがあったから。・・あたしはその光によって、夜を昼と思って生きていくことができた。」 「はぜ」の望みをかなえる「えび」の密行か。えびの死後、はぜはどう生きるのだろうか。

    2
    投稿日: 2023.10.02
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    確か中学生くらいの時にドラマでやってて内容は何となく覚えてた。それでもどんどん読みたくなってページをめくっちゃう。暗い内容だしものすごく分厚いけどすぐ読んでしまった。 ドラマ見てなくて、全くの情報ゼロ状態で読んでみたかったな。

    3
    投稿日: 2023.09.30
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    2023.9.29 読了。 いやー、すごかった。 850ページを超える大作だけどずっとおもしろかった。ドラマを見たことがあったので違いを比較しながら読み進めるのも楽しかったけど、ドラマと小説は全然違っていた。小説では主人公の雪穂と亮司の会話は一切出てこず、2人が出会うシーンもなし。事実の描写や関係者の会話だけで物語が進んでいくのに、なんとなく背景が浮き出てくる。2人の心情は読者が想像するしかないのだけど、だからこそ色々な捉え方ができ、問題を提起しているように思う。 時間が起きてから20年と言う歳月が流れ、技術や文化の移り変わりも描写されているのに、雪穂と亮司、そして刑事笹垣の時は止まっているように感じた。 どうしてもドラマの2人に引っ張られる部分もあったので、ドラマを見ずに、原作を読んでみたかった。

    3
    投稿日: 2023.09.29
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    東野圭吾さんの大作。 20年以上前の作品だが作者の100を越える著書の中でこの作品を一位にあげる人が多いのが頷ける作品だと感じた。 とにかく850頁を越える膨大な作品で、その分内容が濃いのだが、主人公である雪穂と亮司の二人の本人達からの心情や心理描写はほぼほぼ無い。物語の進行中も二人の事実上の接点は見えるにせよその描写は一切無い。 事件や問題が存在し、それが他の登場人物の目線や推測からこの二人の人物像が作られている。あまり読んだことのない切り口の物語。なので読者も色々な解釈ができるし、それが物語と二人の人物像の奥深さになっている。 雪穂が襲われた美佳にしたように、幼なき亮司が幼き雪穂の心の解放をしたのだろうと推測できる。もっといえば雪穂は亮司にしか真の心を開けない。 元々二人は大人の被害者である。 そしてその二人の関係性は恋人でも友情でも信頼でもなく精神上の強力な依存になったのだろうと感じた。その過去のトラウマからの依存的な二人の関係は、年を重ねる毎に形を変えながら加速していくようにも見えた。 その精神的な依存が根本にあるから見境なく罪を重ねられる、演技もできる、嘘もつける、動揺もしない、揺るがない。 その過程を作品タイトル「白夜行」と平行させている作者のセンスが凄い。 場面場面で考察すればキリがないので省略するが、一場面で数通りかの心理が読み取れ、それが数パターンの推測に繋がる。どう読み取っていいのか?果たして自分の解釈があっているのかもわからない場面もある。 雪穂は悪女にも見えるが逆にも見える。 亮司も悪党にも見えるが逆にも見える。 凄く文学的で、かつ最高のミステリーだと感じた。何度も書かせてもらうが濃くて奥深い。

    117
    投稿日: 2023.09.26
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    登場人物が多く、また各章で場面がガラリと切り替わるため、登場人物とその出来事を記憶しておくのが大変だと思います。桐原亮治と雪穂が当初関係する事件から2人の成長して行く過程において、2人に関わる人物が次々と不幸になったり亡くなる展開においても、読み進めて行くうちに、その先が気になり没頭していました。本のタイトル「白夜行」が内容と非常に合っている思います。800ページ超の長編であることも見物の一つだと思います。私はドラマの方は視聴していなかったので、こちらも観てみたくなりました。

    5
    投稿日: 2023.09.22
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    白夜行、ずっと続く明るい夜というタイトルがぴったり。 ある殺人事件から19年間、その時少年少女だった男女の周りで殺人やレイプなどの事件が続く。しかし2人の関係性は見出せない。最初の事件が起きた1973年からその時々の流行や時代背景も織り交ぜつつ話が進む。 最初は本の分厚さに驚いたけど、続きが気になってどんどん読めてしまった。

    2
    投稿日: 2023.09.21
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    さすが超大作。最初は登場人物が多すぎて混乱したけどすべての事が一本の線で結び付いていく感覚がおもしろすぎて途中から手を止めることができず一気読み。

    9
    投稿日: 2023.09.21
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    主人公2人の心情が全く無いため、読者の思考が試されると言うか想像が膨らむと言うか。 19年のうちに様々な事件が起きているが徐々に結びつけられていくような主人公達の関係が面白い。 雪穂は野心家で冷酷な人物。一方リョウジは冷酷なように見えて仲間を思う心を持ち合わせており、最後も、、、、 コーヒー店?で〇〇を一瞬頭に浮かべながら…みたいな表現があった。一瞬という単語だけで、心ここに在らずと分かる。仮に〇〇を思いながら…だと全く異なる。

    5
    投稿日: 2023.09.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    こういう色の話は本当は好きではない。が、これだけ壮大でありながら、余白が存分で、この長さなのに、全く飽きさせない。 彼らの風景が描かれていないことで、余計に惹き込まれる。二度読みとかではなくて、何度も反芻する本だと思う。

    6
    投稿日: 2023.09.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    p436「俺の人生は、白夜の中を歩いているようなものやからな」 p826「あたしの上には太陽なんかなかった。いつも夜。でも暗くはなかった。太陽に代わるものがあったから。太陽ほど明るくはないけれど、あたしには十分だった。あたしはその光によって夜を昼と思って生きていくことができたの。わかるわね。あたしには最初から太陽なんかなかった。だから失う恐怖もないの」 2人の気持ちが語られることはなかったけれど何かしらの強い絆で結ばれていたのだと思う。 850ページもある超長編で400ページの半分まで読んでも亮司と雪穂は出会わなくていつで会うのかと思い読んでたからp784で語られる事件が起きた日に、二人には面識があったと分かった時は鳥肌が立った。 亮司の最後の死に方があの鋏って言うのも切ない。 雪穂はこれからどうやって生きていくのだろうか?

    3
    投稿日: 2023.09.08
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    文庫でも信じらんないくらい分厚い本 正直持ち運び重かった思い出が一番すごい 雪穂のようなミステリアスなダークキャラが好き 最後まで感情を見せなかったとこがいい

    1
    投稿日: 2023.09.02
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    長すぎ、、 ハマると沼りそうで傑作に思えることも不思議ではなかったけど、自分にとっては登場人物も多くて何回か読み返した。2人の20年を隈なく描いてる分、いらないかなと思う場面も多かった気がする 併読するかずっと迷いながらだらっと読んで完走 読んでよかったけどもうちょっとコンパクトに読みたい

    2
    投稿日: 2023.09.02
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    長いのにすぐ読み終わった。 2年ぶりの再読。初めて読んだ時は読書オタクになりたてだったからまだこの本の凄さを受け止めきれてなかったが、再読したら凄さに打ちのめされてしまった。被害者の息子と容疑者の娘。絶対繋がりなどなさそうに見える2人が十九年間エビとハゼのようにお互いを支えて生きてたのかな。2人のことは直接語られず、いつも第三者から語られてるのにこの満足感はなんだろう。完全に謎を解き明かすのではなく、ちょっとずつ遠くからヒントを与え続けて最後に謎の答えが語られるわけじゃないのに、わかってしまった時に心が抉られた。亮司は雪穂への償いだったのかな、、悲しくて2人のしてることは悪いのに最後には責めたくなくなってた。素晴らしい作品だ

    5
    投稿日: 2023.08.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    初めての東野圭吾だったが、読んだ文字が頭の中で勝手に映像に変換されていく感覚が心地よかった。 有名すぎて避けてたけど、やっぱり人気作者の人気作品って面白いんだなと実感。なんだかラストがあっけなかったけど、そこが良いのかなあとも思ったりして。あと探偵の今枝さんもどこかに埋まっているのかなぁと思うと悲しい…。桐原亮司好きです。

    4
    投稿日: 2023.08.29