
総合評価
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powered by ブクログ自分のやりたいことに一心で、恋人や友達を傷つけ、自分も傷つく。だめな人、と思う反面純粋で、自分で火を消せない、それでも素直に相手へ気持ちを伝える、という、見ていて苦しくなる本。いつも内面を曝け出すような又吉直樹の本がいい。
1投稿日: 2022.03.15
powered by ブクログ自分を見ているかのよう、主人公への共感。 多くのひとには理解し難いのかもしれないけど、自己中に生きたらこうなるんじゃないの?と思った。 個人的に感じたこと 主人公が本当に欲しいのは、底抜けの寛容さではない。サキみたいな菩薩のような人はたまにいる。 でも、共感や認めるだけでは軌道修正が効かない。サキの前で寝ずにゲームをするのも、叱ってほしいから。見守りではなく、懸命に、何やってんだよ!と衝突したかった。 ぶつかる事を避ける気持ちもよく分かるが、 勇気をださないといけませんね。
1投稿日: 2022.03.09
powered by ブクログ小説が読みたくなり、又吉さんを思い出し久しぶりに読んでみた。 無口で、話下手な主人公の心の中の語りで物語は進んでいくが、心の中は饒舌で、話下手の心の内を代弁してくれているようで、書き留めておきたくなった言葉がたくさんあった。 「頭のなかで構成され熟成され審査を受けて、結局空気に触れることのない言葉と、生まれた瞬間空気に触れる言葉がある」 何か話したい、何か話さなければ、と思っているとき、頭の中では言葉は紡ぎだされ、でもこれを言ってはいけない、こんなことを言いたいのではない、こういったらどう思われるかな、などと考えて、結局何も言えないということがよくある。 又吉さんの文章は、私の琴線に何度も触れ、何度も涙してしまった。
0投稿日: 2022.01.31
powered by ブクログお互いが支えで、必要だったのに 深くなりすぎると共依存になってしまうのか。 桜を見に行く道中で永田がずっとひとりで話す場面が大好き。何回も読んで毎回胸を痛めている。
0投稿日: 2022.01.28
powered by ブクログすごい切ない恋愛小説。主人公を全部受け入れちゃう沙希は本当に神。2人がふざけ合うシーンにホッとした。演劇やってる人ってどこか世間と離れてるイメージ。『火花』もそうだが、又吉氏はぐちゃぐちゃになってる心理をカッコ悪いところ含めて、むしろ自分でも認めたくないくらいのカッコ悪いところを丁寧に描写するなと思う。
1投稿日: 2022.01.27
powered by ブクログつまようじ、若しくは竹串でもいい。 それを縦に細く細くどんどん割いていって、残った糸のように薄くしなやかで…そんな芯みたいな作品でした。 「劇場」という作品は、作者が恋愛がわからない人間が書いた恋愛小説と帯で書いている。 又吉先生にとって恋愛とは?と問うた作品ではなく、それ以上の何か、単語で表すことができない表現が難しい諸々を書き込んだ、そうそれが私の辞書にある純文学だ。 支え合うかと思えば、依存してすり減って消耗して、自転車で2人乗りして泣いて、相手がいるからこそ理想通りの片側通行ではいかない。 胸に感情が渦巻く、さすが又吉先生。
2投稿日: 2022.01.15
powered by ブクログ正直途中まではもう見たくないと思ってしまってた。けど、途中までの話があったからこそ最後に心にじわーっときた。苦手になると思ったけどならなかった。「梨のあるところが1番安全です。」がお気に入り。
0投稿日: 2022.01.10
powered by ブクログ読むのがしんどかった。 そう思うのは、自分にも思いあたる負の感情が多かったからなのかもしれない。 そういうえぐりとった描写はすごいけど。
0投稿日: 2022.01.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
沙希が優しすぎる…。自分の心を犯してまで永田を肯定する感じがなんとも言えない。 永田にもっと早く気づいて欲しい。気づいた頃にはすでに時遅し。
3投稿日: 2021.12.18
powered by ブクログ沙紀と永田の関係が羨ましくなったり、病的に思えたり。 あと、「ここがいちばん安全です」はなかなかエモい台詞だなと。 沙紀、いい女だなと。 それだけに、永田の鬱屈した気持ちが沙紀に八つ当たりする度に、「このモラハラ男が!!!!」と言ってしまいたくなるのを、終始こらえながら読んでた。 永田ってあれ、思春期なの? 演劇好きなのはすげえから、そのまま大人になりな。 どうでもいいけどスコア0.1刻みで付けれないものかね。 今んところ読んだ本、全部星4だよ。一緒だよ。 スコアつけてる意味感じないよ。 お金ないよ。 現場からは以上です。
4投稿日: 2021.12.02
powered by ブクログ個人的には火花より好き 少女漫画みたいにドキドキする恋愛小説も好きだし恋愛小説ってそういうものかと思ってたけど愛情表現を使わずにここまで感情移入できるの本当にすごい、 芸人又吉が書いたからって侮っていて申し訳なくなった 言葉一つ一つが選び抜かれてる感じがするから全部見落とさないように読もうと思って読むのが大変で時間かかってしまったけど時間をかけて読んで良かったと思った 今まで伏線があったり、展開が読めなくてどんどんページが進む小説こそ面白いと思っていたけど、じっくり読む小説も良いって気づけた、ありがとう又吉
4投稿日: 2021.11.25
powered by ブクログ主人公のメンタル負のループ感、きっと経験してるんだろうなと思うと少し救われる気持ちになりました。偏屈なので火花より読みにくいけど最終的には愛おしさが残る人物でした。
1投稿日: 2021.11.20
powered by ブクログとても苦しくて一気に読むことができず、数ページ読んではやめてを繰り返しながら読みました。 主人公は世間一般的には完全にクズなんだけど、演劇界においてこういう人間は日常的にいて、変に美しい話にしないことでリアルを感じました。 誰かに認めてほしくて堪らないのに自ら寄り添うことをせず、自分の存在や才能に周りから近付いてくるのを待つ主人公にイライラしつつも強い共感を覚える自分に驚きました。 彼らの未来が明るいことを、こんな時代もあったねと笑い飛ばせる日が来ることを真剣に願います。
1投稿日: 2021.11.17
powered by ブクログ永田の台詞とビジュアルのイメージが完全に又吉そのものとしてよんでしまった 永田の苦悩と自分勝手さは昔の自分に当てはまるところも少しあってイライラするし共感もある。
0投稿日: 2021.10.14
powered by ブクログ自分の過去の恋愛を重ねて永田と紗希にイライラしながら読んだ。 もし当時の自分が読んだら、きっとめちゃくちゃ感情移入してグッときたと思うけど、今となっては当時の自分の痛さを思い出してイテテテテだった。 小説を読んだ後に映画も観たけれど、ラストは映画の方が好きだった!
0投稿日: 2021.09.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「火花」が面白かったので他の作品も読んでみたくなり手に取った。 恋愛もの。 演劇界でくすぶってる主人公という、舞台設定が火花と近すぎるのが残念だった。 違う世界観の話が見てみたい。 永田の人間としての劣等感がすさまじくて読むのがつらかった…。 沙希はとても良い子のようだけど主体性がないように感じてそれもつらかった。 沙希が大学時代、同級生にもらった原付を永田が壊してしまった後少し不登校になってしまったりしたから元々メンタルにくるタイプなのかもしれないな。 永田は怒りすぎたけど、沙希が永田のことをまわりに話しすぎることがこういう結果になっちゃったのかなとも思う。 永田も成長しなすぎること、協調性のなさも大問題なんだけど…。最初からやばい男なのわかってるからな…。 青山は何だったんだろう。 相棒である野原よりも存在感を出してきて、永田と本音でやり合えるという貴重な存在なんだよね。 本当は青山は永田に気があったんじゃないだろうか、とも思う。
0投稿日: 2021.09.24
powered by ブクログ一行目を読んですぐ、一瞬で惹き込まれ絶対好きだと感じた。あとがきにもこの冒頭のことを筆者自身が記しているが読み終えてからも改めてこの冒頭がかなり秀逸に感じた。 若い男女が出会い、間もなく共に暮らし始める。 時の移り変わり、時代の変化とともに初めはくすぐったい煌めきのように思われた二人の関係にもよくある話だか影が差し、変化していく。 あるタイミングから一気にストーリーは加速し、どんどん先に読み進めたい気持ちと裏腹に、この物語がまだまだ終わって欲しくないという祈るような気持ちに変わる。 全く別の性格を持つそれぞれの究極の純粋さが二人を追い詰め、まるで追い越して行くような描写はいかにもドロドロしているのに鮮やかに胸に迫り、あまりにも不器用な、それでいて必死な愛情に切なく涙がでる。 .・━━━━━━━━━━━━ ━━━━━━ 以下ほんのりネタバレかも。 愛憎や嫉妬や焦りといった感情の表現が生々しくひりひりする。 野原や青山の言うことなんて本当にもっともで共感しかないんだけど全然それに気づかない永田のクセ強さはなかなか。 沙希ちゃんの優しさは宇宙規模。 永田のクズさはそれを凌駕する。 中途半端な知識で武装してむちゃくちゃ言って後で後悔するもそんなに沙希ちゃん以外は誰もダメージ受けないくらいのクズ。 バーの棚に並ぶ酒の名前から、ズブロッカは、ブラックブッシュは、ラフロイグは、ジョニーウォーカーは、とそれぞれを殺し屋に例えどんな殺し方をするかのシーンで、沙希ちゃんが1番強そうなお酒を伝えたところ好き。 永田と青山のメールでの喧嘩はなかなか面白い。 ずっと映画を見たいと思っていた矢先に、公開時に、コロナが重なりました。 けどこれは観ないといけないな。
10投稿日: 2021.09.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
演劇の隅の重く淀んだ人間の感情をこんなにうまく捉えているなんてすごい。又吉直樹さんのラストの長セリフはいつも泣かされるわん。
1投稿日: 2021.09.23
powered by ブクログここで終わるんだ、というラストシーンがとてもよかった。この後の2人をずっと想像してしまう。 2人の戯れてるところや意味のない会話がとてもよかった。 お互い好きなのに大人になるにつれ噛み合わなくなっていくのが切なく痛い。
1投稿日: 2021.09.20
powered by ブクログ汚れたコンバースのスニーカー、又吉はこれ好きやなと思った。同時に火花の映画も見たからハッてなった。 んーなんで沙希が永田さんを好きになったのか全然わからない。永田が怒りや嫉妬を表現するために人を罵倒してる時に言ってることも理解できない。そんな私は一般人なんやろうな。懸命に笑かそうとしてくれる所がいいのかな? 最後、それぞれが明るい未来になりそうでなにより。
1投稿日: 2021.09.12
powered by ブクログその気持ちを言葉に出せば関係は幾分でも良くなるのに、と思う独白のシーンがとても多い。でも、主人公は決して言葉に出さない。 ああ、この後どうなるんだと思うシーンもとても多い。でも、どうにもならないままあっさりと次の場面に移ってしまう。 そんな消化不良を何度も何度も積み重ねて読み進めていくことは、物語と一緒に10年弱を過ごすように長く感じた。 そして、そこからのラストの台詞。 その後ふたりがどう進むかは分からないけど、ようやく伝わった、繋がった、というほんの少しの爽快感。 それで全てが報われたような気持ちになった。
1投稿日: 2021.09.09
powered by ブクログ映画を見た感想 永田がやること全部酷い。だが、本当は沙希ちゃんのことがなによりも好きなんだと節々でわかる。 途中で「27歳だよ?」と沙希ちゃんは言っていたが、高校を卒業して上京してすぐに付き合ってるってことは、10年くらい一緒にいて、それでも最後の最後まで”沙希ちゃん、沙希ちゃん”って呼ぶのが良かった。大事なんだなって。 普通の人は何年かしたら倦怠期とかあって、相手のこと空気みたいになって、感情が沸かなくなる。それが人間だと思うけど、10年も一緒にいて、それで沙希ちゃんにカットモデル頼んだ人に殴り込みに行くぐらい腹を立ててくれる永田って、実は誰よりも愛情あるんだろうなと思う。その後沙希ちゃんが彼氏を作って結婚したとしても、その人は10年経ったらそこまでの愛は無いと思う。沙希ちゃんはその時永田のことを思い出すよね。思い出して好きだったな〜って。でも沙希ちゃんは結婚してる人をほっといてまで永田のためには走らないと思う。ただただ思い出の中の永田を褒めて、愛でると思う。でもなんとなく後悔はしなさそう。そこが、永田に振り回されて辛い思いばっかりしてきた(本人はそうは思ってない)沙希ちゃんが報われる部分じゃなかろうか。 途中で沙希ちゃんが、「私、自分のこと褒められたことないんだよ?」って言ってたけど、そのあと永田はどんな反応したっけ?覚えてない、、シーン変わったっけ。 でも永田って、しまった!と思ったらそこで行動できるのはいいと思った。(桜見に行くシーン) プライド高い永田が沙希ちゃんが働く居酒屋に沙希ちゃんを探しに行って、そこにいるみんなから「あいつが沙希ちゃんのクソひも野郎かみたいな目で見られても、ちゃんと沙希ちゃんを店長から引き戻して。 ヘタレだったらあそこでしょげて家に帰って酒飲みそう。でもあそこでわざわざ家の前行って。いい感じになってるぽい店長の家に1人で行ってもしかしたらかもしれないのに、そこで自転車のベル鳴らして。 でもそのあと何にも言わないんだよね。今まではほかの男と出かけることや、ほかの演劇の人を褒めるようなこと言うと激怒してたのに。もうなにかを悟ったのかな。 ほんとに自分が悪いと思ったのかな。でもなんかちがう気する。⇦本読んで考えよう 最初の、やましい事があるとブロックを持って帰ってたのがやけに印象に残った。 あれはなんなんだろう。自分でブロックを見て戒めるため?単に悪いことをして沙希ちゃんをその分楽しませなきゃいけないから?、いやでもそれなら普通においしいもの買って帰ればいい。美味しいもの買ったら怪しまれるから?でも沙希ちゃんは気付いても、追及してこないよね。いやちがうな、永田は普通のことはしたくないのかな。悪いことをしたけど、自分の戒めにもなるし、普通じゃなく沙希ちゃんが笑ってくれる方法を道端でブロックを見つけた時に思ったのかも知れない。 演劇して酒に溺れたとき沙希ちゃんの顔が見たくなって、沙希ちゃんちに行く場面、手繋ぐシーン可愛かったな。手繋ぐの恥ずかしいってどんだけなんだ。さすがに体の関係ないわけないのに。もしかしたら自分から愛情表現全般したことないのかもしれない。
1投稿日: 2021.08.27
powered by ブクログ久々の恋愛小説であったが、コテコテの恋愛小説と言うよりは、ダークな部分が多い恋愛小説だった 主人公のプライドの高さに反比例して実力が伴っていない感じが見ててイライラしてしまった(笑) こう言う人って居るよなぁ、と言う感想 あと、こう言うダメな人ってモテるよなぁとも思った 起承転結があまり無いので、ダラダラ読みたい時に良いなと思った
1投稿日: 2021.08.24
powered by ブクログ読後の第一印象。又吉直樹さんの優しさが仄かに丸くあたたかい、そんな小説だなと感じました。 最後、明るい未来を語る永くんの姿に裏切られた。ありきたりだけど、君がそれをするのが自然に見えるなんて、と思わされた。「人生」はいつだって、それぞれが描いた夢の脚本であるのかもしれないと思ったと同時に、永田自身はそんな綺麗なものじゃないと思っているからこそ夢を綴りながら幕を引いたようにも見えて。うわ、感想むず。 「人生」は陽だまりのような夢に生かされるけれど、いつだって渇いていて切ないのかなと感じた。 夢は綺麗じゃない。血反吐のような汚物でもある。 救われたくて、灰色に暗くて大きい空に、奇をてらったように、でも結局周りと同じように手を伸ばす。汚れた地べたが悪くないと下を向いて気付いたのは自分だけだと、たった独り反駁したい気持ちも、燻ってなおそこにいる。 燻る自分こそが「人間」の面白さなのだなと、醜い恥ずかしいものに息を吹き込んであげている気がして、ちょっぴり爽快でした。
1投稿日: 2021.08.21
powered by ブクログやりたいこと・できること・気分次第な弱さ・自信の表裏・自虐の鎧・足元の覚束なさ、一生懸命な若さがぎゅっと詰まっていて、痛々しさを思い出させる。 結局、ひとりで立つには幼い。 互いに支えられている事を認められない。 だから、若さは深く残る。 もう同じようには生きられないから、 気持ちをぐちゃぐちゃにさせながら読んだ。
3投稿日: 2021.08.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「火花」が芥川賞をとったときに、批評で、「芸人を題材にしているうちはまだダメで、そこからまた幅を広げなくちゃ」というようなことを言っている人がいて、読んだ私も、まぁそうだな、と思っていた。 本作もけっこう売れてるみたいだったので、どう変わったのかなーと思って手に取ってみました。 確かに登場人物は芸人じゃなくなったけど、小説の世界観は「火花」とほとんど変わらないような気がした。今回の登場人物たちは脚本家(?)やら演劇関係者で、東京の片隅で自由業をしている、という意味では芸人と設定が一緒だし。主人公の危うさも、「火花」に出てくる先輩と共通している。 決して強い人間ではないのに、自分の世界を確立しようともがき苦しんだり、大切な人を想いつつ右往左往する主人公。純粋で滑稽で、とても文学的でした。
1投稿日: 2021.07.31
powered by ブクログ#読了 2021.7.28 又吉さんが太宰治の人間失格が大好きという話は有名だと思うけど、まさに現代版人間失格。ダメンズな永田と明るく許容的な沙希。脳内で終始、又吉さんの声で読み上げられてたw 「火花」より先に書き始めていたということで、本当の最初の小説。だからなのか、意図的なのか、火花よりも文章がどうも純文学感があって最初はなかなか読み進められず、実は2年前に一度断念したw お芝居の世界というのは、現代においてある意味では1番閉鎖的な世界なのかもしれないと思った。一昔前まで閉鎖的な世界だと思われていたオタク文化もインターネットと親和性があり、オープンなネットの中で情報開示や交流が盛んだし、古い文化が残る教育機関、医療機関、建築業界なんかも、生きるのに必要なものや大きなお金が絡むものに対して、ネット記者の目は鋭い。最近では閉鎖的でもいられない業界だ。一方でお芝居の世界というのは、(あくまで私見だけど)ずーっとそこにあるけど、興味の無い人には興味の無い世界、正解の無い世界、表現方法が多様な世界、そして漫画やゲームと違い3次元のものであるためネットで本物が流れない世界。(オンライン配信もあるけど、やはり劇団のお芝居は舞台を見に行かなければ!)だからこそ、一見時代錯誤のような大庭葉蔵(人間失格)に似た環境が永田にはあるのだろうなと思った。お芝居の世界じゃなかったら、いい意味でも悪い意味でもいわゆる「社会」に触れて、お金とか恋愛とかいろんな価値観も変わったのかなと思う。それが一概にいいこととも思わないけど、永田も沙希も両想いなのに一緒にいられないのは悲しいよ。東京での生活をできなくするほど沙希に甘え続ける永田も、自分が潰れるほど過度に甘やかす愛し方しかできない沙希も、哀しいよ。 それにしてもやっぱり永田はずるい。「迷惑かけてる。俺のせいでお前も苦しいよな。でも、その罪悪感で俺も苦しいんだ。」ってずるいよね。いや、内省的な苦しみってすごく分かるよ。私もそのタイプだから。でもだからといって、人を苦しめることが許容される免罪符にはならない。「私、ズケズケもの言っちゃう性格なんだよねー!」って言う人と一緒。だから人を傷付けていいのかい?分かってるなら治すか、傷付けないよう離れるかしろよって。内省的な苦しみを理由に人を傷付けたり搾取し続ける人って、要は自分が一番大事なんだよね。自分なんか…。とか自分はどうしようもないやつで情けない、とか言って、心の底では自分を許してるんだよね。このままの自分を受け入れてくれる人に甘えてるんだよね。 …はー…自分に言ってるみたい… そして、一方で私は昔、沙希のような愛し方しかできずに最初と2番目の彼氏とは、私が潰れて爆発して終わったのよなぁ。。 本気で自分を変えたいって思って、意識的に努力で変えれた人ってどれくらいいるんだろうね。 ◆内容(BOOK データベースより) 演劇を通して世界に立ち向かう永田と、その恋人の沙希。夢を抱いてやってきた東京で、ふたりは出会った―。『火花』より先に書き始めていた又吉直樹の作家としての原点にして、書かずにはいられなかった、たったひとつの不器用な恋。夢と現実のはざまにもがきながら、かけがえのない大切な誰かを想う、切なくも胸にせまる恋愛小説。
2投稿日: 2021.07.31
powered by ブクログ* 「靴、同じやな」 * 「第2図書館補佐」で又吉さんの文章に触れて読みたくなったので購入。その中で又吉さんの実体験の話に似た場面がこの劇場でも出てきて、普段の体験や思考を落とし込んでいるのかなと思った。 . おばあちゃんかわいいのくだり好き .
1投稿日: 2021.06.16
powered by ブクログ悲しすぎて頁をめくれない。 さきはやさしくてかわいいのにかわいそう、永田は自己中すぎるけどうまくいかなくてイライラするのも少しわかる。 青山とのメールのケンカはレベル高い。
3投稿日: 2021.06.05
powered by ブクログたくさんの又吉の言葉が心に重くのしかかってきて、現実の生活と溶け込んで夢見こごちになる。 悲劇でも喜劇でも何でもない、劇場という名の現実。
0投稿日: 2021.05.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
主人公の永田は、演出家をしていることもあり、普通の言動を嫌う。焼きもちをやいていても、素直に出さずに彼女に当たってしまい、結局いつも最後は彼女が折れる。 夢を持って上京したキラキラしたさきちゃんが主人公によって曇っていってしまうのは、読んでいて辛かった。そんな状況では長続きする訳もなく… 永田にさきちゃんは、言いたいことを言えないし、言い合いのできる青山さんのようなタイプとくっついたら、うまく行くんだろうなと推測。 途中、永田のダメンズぶりに苛立ちましたが、ラストでちょっとホッとしました。 互いに別々の道を選び、何年か後に永田は演出家として成功し、さきちゃんは幸せな家庭を築き、陰ながら永田の活躍を応援してる…とそんなふうに結末の先を勝手に想像してます。
4投稿日: 2021.04.13
powered by ブクログ個人的な感想を言えば『火花』より面白かった。永田役が山崎賢人なのが解せないが映画がより楽しみになった。しかし、永田はイラつかせるね。沙希ちゃんがかわいそう。
3投稿日: 2021.03.29
powered by ブクログ主人公の、傷つかないために傷つけちゃう感じとか、自分で自分のことめんどいなーって思う感じ、すごいわかる
5投稿日: 2021.03.18
powered by ブクログ全てに納得がいかなくて、負けて、うまくいかなくて、だけどほとんど生きる糧にしている僅かな光を持つ人は、普段忘れるようにしている劣等感と焦燥感に追い越されてしまうと、どこまでも醜くなってしまう。そのやりきれなさが手にとるように伝わってきて心が痛んだ。私も、自分を保つために大切な誰かを深く傷つけていないだろうか。 夢を一度でも抱いた人なら誰しも、触れられたくない、けれど気付いてほしかったこの痛みに胸を打たれると思う。
2投稿日: 2021.03.12
powered by ブクログ気分を害する小説だった。 それは、彼女を苦しめる主人公が自分に思えて仕方がなかったからだ。 会いたい人に会いに行く。簡単なことだが、交際中ほどそれは出来ない。 いや、出来なくはないのだけれど、しないのだ。 しない理由はいくら考えても分からない。 ただ、あとに残るのは、会いたいという気持ちだけ。矛盾しているね、、恋愛は難しいものだ。
0投稿日: 2021.03.06
powered by ブクログ作者は「恋愛小説と呼べるものになっているかすらもわかりません」と仰っていますが、これは紛れもなく恋愛小説。 不器用なふたりの "どうしようもない時間" がどうしようもなく愛おしい。 又吉さんの文は初めてだったのですが、言葉にならない感情が言葉になっていて、感動した部分がいくつかありました。
0投稿日: 2021.03.03
powered by ブクログ最後の最後まで主人公、そしてなによりヒロインに感情移入できなかった。 火花がとてもよかっただけにめちゃくちゃ残念。 終始ひとりよがりの主人公が個人的に嫌いで、キャラとして成長していないのはまあ一読者の主観であって作品の軸ではないからどーでもいいんだけど、ヒロインが主人公を好きになる要素が皆無かつ、あったとしてもそれがあまりに謎すぎて、作者が動かしてる感がすごかった。 プロットありきの作品っていうのはダメ。作者の筆の任せるままに描いてキャラが死んでる。ヒロインの顔が見えない作品なのに、ひたすら主人公がその顔の見えない神に巣くってもらっている(かのように見える)のがダメだった。なんとか最後まで読み切った、って感じ。 あと付き合った流れとか二人の夜の描写が皆無だったのはマジで納得いってない。少なくとも男女関係がある以上、こういう作品はその二つのシーンにかなり作品の深淵を覗けるはずなのに一切描かれていない。露骨な性描写がないことを評価してる声がちらほらア〇ゾンレビューであったけど、個人的にはどんなに気持ち悪こそあれ、絶対に欠けてはいけないシーンだし、作者が逃げてるように見える。不必要だと思ったのならあまりに傲慢。読者にそれを想像させるにはあまりに不親切すぎるし、それが作者の意図だとしたら繰り返しになるけど、独りよがりだと思う。
0投稿日: 2021.03.02
powered by ブクログ高2の自分にはちょっと難しかった。 主人公の男性にイライラした。 けどセンスのある表現だなって思うところが多かった。
0投稿日: 2021.02.17
powered by ブクログ切ないなかにもユーモアがあって、不器用ななかにもあたたかさがあって。葛藤とか焦燥とか甘えとか、人間らしい温度が伝わってきた。
0投稿日: 2021.02.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
自意識過剰で自分勝手な小さな劇団の脚本家と、まるで天使のようなサキちゃんの物語 サキちゃんの優しさを無下にし続ける主人公の考えには共感できず。
0投稿日: 2021.02.02
powered by ブクログこの本は、theヒモ男の描写が細かく書かれていて、非常にイライラする内容だった。 さきちゃんが良い子すぎるのに、対してこのダメ男はどの面下げて一緒にいるんやと腹立たしくなるシーンが多くて、疲れた。 audibleで聞いたから、その音声も絶妙に気持ち悪くて 最後まで1ミリも良い印象を持てなかった。 性格がウンコすぎて怯えた。 こんな人が世の中に存在しているのか? 絶対関わりたくないw 環境てほんまに大事やなと改めて思った! もうこの本を読むことは今後もないだろう! 非常に不快な本でした。
0投稿日: 2021.01.30
powered by ブクログ『火花』より又吉の作品であることに納得出来た気がする。永田の不器用さが身に沁みる。感情を表に出すのが苦手だから、面と向かって素直に態度や言葉に出来ないから、でも常に様々なことを考えて身構えて生きてるから。頭の中では思いや言葉が溢れているのに、口から出てくるのは小石のようにちっぽけで、しかもスカスカで。便秘もちの人の苦しみってこんな感じなのかな。
4投稿日: 2021.01.28
powered by ブクログAudibleで聴いた。細かい言い回しと描写が絶妙ではあるが、主人公が変わり者かつ最低すぎて、途中イライラした。
0投稿日: 2021.01.28
powered by ブクログ会話中にクスッと笑わしてくれるセンスはさすが。主役の男性にひたすらとイライラさせられる内容なのだが、自分も側から見たらこんなもんなのかもしれないと思わせられる。彼女のサキのキャラクターも献身的すぎて怖いくらいだが、実際にこういう女性意外といるよなという絶妙さ。
0投稿日: 2021.01.23
powered by ブクログ文豪のサッカーチームの実況で笑いが堪えきれなかった!! 主人公は最低だ。こんな面倒くさいタイプ大嫌い。もしリアルで遭遇しちゃったら、全力で逃げよう。距離があれば適度に仲良く出来るからね。完全排除ではなく、部分的に受容してみる。そんな人間関係のヒントが得られた気がする。
0投稿日: 2021.01.23
powered by ブクログ本当によかったー。 泣いたり大笑いしたり胸が苦しくなったり、本を読んで心が動いたのは久しぶりだった。 永田は少し異常だけど、自意識過剰さからくるこの不器用さ、身勝手さは少し理解できた。
1投稿日: 2021.01.20
powered by ブクログ狂気的になる可能性は誰でも秘めてて、とても恐ろしいと思っていたけど、救いだと受け取る人もいるわけで。結局受け取り手次第なんよね世の中。 とりあえず永田カスすぎる。
0投稿日: 2021.01.19
powered by ブクログ火花は読んでいなく、たまたまこちらから読んだ。 正直、終始つまらなかった。 自分の頭の中だけでごちゃごちゃ考えて、動けない若者の話。自分の事を高尚な存在と勘違いしている感じももやもやする。恋愛小説としても最後までずっとありがちな流れでつまらなかった。芸人の書いた小説だと思えば星2つ。
1投稿日: 2021.01.16
powered by ブクログAudibleにて。 下北沢のくすぶりカス男の視点による、優しい彼女との出会いから別れまでの長い時間の物語。 僕という一人称視点で語られる主人公は、大阪出身の脚本家。物語前半ではたいした稼ぎもなく、彼女のアパートにヒモとして転がりこむ。クズでしかない彼のことを、彼女は「才能がある」と心酔してくれる。時間の経過とともに彼らの関係も変わっていくが、最後まで「僕」はジコチュウの行動が続く。 しかし、オーディブルの関西弁ナレーションのリアリティあってか、すっかり「僕」に感情移入した。だが、彼女の視点の言葉は、あくまで「僕」が聞いた言葉であって、「俺の才能についてきてくれるサイコーの彼女を失った僕」の自己憐憫物語だった。
6投稿日: 2021.01.16
powered by ブクログAudible で拝聴。 さきちゃんが優しすぎる。自分を犠牲にして相手を受け入れてしまうタイプの優しさ。自分をどんどん消していってしまうタイプの優しさ。 そしてそれを分かりつつ甘えてしまう主人公。 主人公は自分や他者の心の状態を繊細に描写していて、それが面白い。 最後が心に沁みる
0投稿日: 2021.01.16
powered by ブクログaudibleにて 人間臭い、なんかもどかしいというか 嫌な後味って訳でもないんだけど燻るナニかが残る 互いに取っての とまり木だった って事かな ナレーションが僕には合わないかな
0投稿日: 2021.01.11
powered by ブクログ目が痛いので、初Audibleで聴了。 初又吉作品。ちゃんとしてるんだ、と改めて認識。 遠い昔を思い出す、もがいてたなぁ、懐かしい気持ちになった。
0投稿日: 2021.01.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
この本は…なんなんだ?ムカつく、マヂでムカつくだけの男だ。面倒臭い、自己中な男の話し。沙希ちゃんみたいな女の子、ないないないないない!いないよ、いないいない!こんな女がいたらいいなぁ〜みたいな男の妄想でしょう???太宰治の人間失格を読んだ後の不快な感じ。最後の最後で夢語られてもはぁ?って思う。さきちゃんは偉いよ。私なら話の途中で今更何言ってんだよ!って頭ど突いてるね。ってか、とっくに別れてる。ってか、あ〜不愉快。ココまで不愉快にさせてくれたので★3つです。本当は儘ならない人間の心理とか、葛藤や、嫉妬とか、そう言う事も読み取れる本なんだろうけど、もう、男がダメ過ぎてそれどころじゃ無かった。 でも、そうね。永田くんはこの後はもしかしたら成長して変われるのかも。沙希ちゃんはもっと優しくて良い男を見つけて幸せになるんだよ〜。
0投稿日: 2021.01.06
powered by ブクログ劇作家としての活動にも、沙希との恋愛にも、永田は本当の意味では向きあえていなかったのでは、と感じた。うまくいっていないという現実から隠れるために、深く考えている「フリ」をしているように見えた。好きだからこそ、本気だからこそ、現実を直視するのはこわい。それでもまぶたをあげて、今の風景を見て、本当に向きあうべきことと向きあわないと、自分の人生にはなっていかないのだな。とても考えさせられました。
1投稿日: 2020.12.29
powered by ブクログ人の可能性は平気で蹂躙じゅうりんするくせに 表現に携わる者は一人残らず自己顕示欲の塊やねん あと演劇って一般論が介入出来ないとこやと思ってるから もっと感情が様式を薙倒すような強靭なものを作りたい 沙希の起用に関しては決して急場凌ぎではなかった 一九六〇年代後半にジャマイカからサウスブロンクスへの移民が多くいて その渦に個々の喜びや痛みをぶつけ起爆し続けているジャンルだからこそ、際限なく裾野を拡げることに成功しているのだと思う。 そもそもの力が強いから、理屈やスタイルで武装化する必要がないのだ。 自分の行いによってのみ前向きな変化の可能性があるという健やかさで生きていけないものか 自分に与えられた権利は自ら行動できるという一点のみだ。自分の表現を自由に追求できることこそが僕の人生に与えられた価値であると信じてみることにした。 どの時代にも平均値や中央値だけでは見えてこない存在が必ずいる
0投稿日: 2020.12.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
演劇や人の性にして自分を正当化し 演劇のことを考えているという体で 自分の欲求のためだけに行動し 挙句に大切な人を不幸にする 永田は自分に酔っているだけの最低な人間です 2人が楽しいときはこちらも楽しいし 永田が意味不明なときはイライラするし 自らの感情の起伏が激しく面白かった 演劇をやっていたこともあり 情景が思い浮かべやすかったのも良かった
0投稿日: 2020.11.26
powered by ブクログ本書を原作とした映画が映画版読書会の課題映画であるため、参考になるかと購入。最初の一行目から嫌な予感がするも、とりあえず頑張って最後まで読んだ。恋愛小説であり、出会いのシーンから描かれているものの、その場面からして不自然でエキセントリックなものになっており、全く楽しめない。終始笑えないすべってるコントを読んでいるようであり、伝えたいこともわからなくはないが、あまりにも陳腐でつまらない。なぜ流行っているのか、よくわからなかった。ちなみに映画の方もつまらない内容で、終わりまで見るのが苦痛だった。
0投稿日: 2020.11.02
powered by ブクログうーーん。読了後、なんとも言葉にしがたい気持ちになった。だけどそれは、絶望や悲しみ、作品に対する嫌悪感からではなくて、生きるってこういうことなのかもな、という一種の納得感があったからだと思う。 永田の見え方によって、この作品の評価は分かれるだろう。ただのクソ男だ、と言われたら反論できないけれど、私は永田にも沙希にも共感してしまう部分がところどころあった。 久しぶりに強く心に響く作品に出会った。
1投稿日: 2020.10.28
powered by ブクログ正直がっかり。 ホントに純文学が好きな人が、いっぱい本を読んでその詰め込まれた知識のまま書いたような印象。 この手の小説を評価する人って、ホントの純文学好きなのか僕には理解に苦しむ。 まず、物語の内容自体が全く面白くない。 後、何の意味も持たない情景・行動の長々とした描写の多さ、こじゃれた会話がとても不快に感じる。 とりあえず情景や想いを事細かく書けば純文学っぽくなると思ってるように感じる。(加藤シゲアキなんかもそんな感じ) これなら、劇団ひとりの方がはるかに才能に満ち溢れている!
0投稿日: 2020.10.22
powered by ブクログラストシーンが切なく悲しかった。 著者は演劇に詳しいのかと思ったが、演劇関係者に取材を重ねて執筆していた事が後からわかった。
0投稿日: 2020.10.10
powered by ブクログたった233ページなのにとても長く感じました。つまらないわけではなく、内容が重厚だからです。主人公の心情がとても丁寧に描かれており、他の登場人物の行動も繊細に表現されています。すごく立体的に情景が思い浮かびました。 主人公の気持ちや行動には、共感する部分もあるし、全く分からない部分もあります。しかし、その立体的な表現力によって、何故か最終的には主人公と自分の気持ちがリンクしてしまう。 そして、咲希との関係性が少しずつ変わっていく中で、様々な感情が沸き起こります。ここまで心を揺さぶられることは、最近なかなか無かったので貴重な経験になりました。
8投稿日: 2020.10.03
powered by ブクログ『火花』同様、大事なものが壊れていく過程が描かれている。前作はエンタメとしても完成度が高かったが、こちらはよりテーマと直接的に向き合っている。そのぶん逃げ場がない。ある意味で読む人を選ぶ。映画を観てから読んだので悲しいお話だということは了解していたが、それでも読みすすめるのがつらくなるような箇所がしばしばだった。言葉でソリッドに心情をえぐり取っていく、小説ならではのヒリヒリ感。『火花』での芥川賞受賞は、又吉直樹さんの知名度ありきだったと思うが、趣向が違う本作によって著者の創作に対する真摯さを認識した。
3投稿日: 2020.09.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
(大学4年生) Youtubeの広告でこの作品を知ったのですが、やさぐれた山崎賢人さんの色気に完敗し、小説ではなく映画を視聴することにしました。 又吉さんの作品に初めて触れたのですが、確か彼は太宰治を傾倒していましたよね。 太宰治の『惜別』より 人間の生活の苦しみは、愛の表現の困難に尽きる。この表現の拙さが人間の不幸の源泉なのではあるまいか。 まさにこの一節に、私がこの作品を見て感じたことが表現されているなと思います。 永田は、「一般人・常識人」をうまく演じられない、自分の感情に素直に生きたい人なのだと思いました。 でも、大切な沙希を前にすると素直に感情を表現できなくなってしまう。虚勢を張ってしまう。 酷い言葉を発したり、物に当たったり。 沙希はどうしようもない彼に嫌な顔を見せず、明るく笑顔で振る舞い、気を遣っていた。 沙希も沙希で、永田に伝えたい気持ちを笑顔で隠して、我慢ができなくなって次第に壊れていってしまったのだと思う。 別れ際にお互いの心の内をやっと伝え合う。 私も彼と別れ話の最中に「もっとお互いこうやって話しておけばよかったね」なんて言われました。 ほんとに、「一番会いたい人に会いに行く こんな当たり前のことがなんでできなかったんだろう」 愛の表現って、難しい。
6投稿日: 2020.09.14
powered by ブクログ初又吉直樹さん。 色眼鏡はよくないが、お笑い芸人だからか、どうしても食指が動かない作家さんだった。 この本は、うちの奥さんが映画化につられて購入したものの、文体があわなくて挫折して転がっていたのを居間で拾ったので読んでみた。 劇団を主宰する永田と青森から上京した大学生沙希の恋愛を描いた小説。 主人公の永田ははっきり言ってクズ。これだけクズな主人公も珍しい。クズっぷりを正当化して、あるいは、虚勢を張って、どんどんややこしくなった感じ。しかもヒモだ。ずっと感情移入できずに読み進める。 永田の劇団は全くパッとしないが、何故か沙希は永田の才能を信じている。大学卒業後はしっかりと 働いて永田を養う。永田はめんどくさい人間だし、腹立たしいくらい自分本位なのに、沙希はよくこんな奴に寄り添おうと頑張るなぁ。そんなに耐えてばかりで沙希は大丈夫かな?と心配していたら、やっぱりどんどんどんどんおかしくなっていく。 ぼろぼろになりながらも、なぜ沙希は永田と一緒にいたのか?それは沙希が東京という夢を諦めたくなかったからだ。沙希は女優になる夢を抱いて上京したが挫折。そんな折、永田に出会った。女優は諦めたが、永田を愛し応援すれば夢をあきらめずにすむ。東京に居続ける理由になる。 だから、沙希が東京を去ることを決めたということは、永田を見限ったということ。永田と復縁することは永遠にありえない。永田は気づいていたのか、気づいていないのかわからないが、二人の将来を一人で話し続ける…このシーンがたまらなく哀しい。 泣いた。 最後の最後ではじめて永田に感情移入する。 クズなんだけど、よく考えると同じようなクズさは自分も持っている。もちろん程度の差はあるけれど。 この小説は、同棲する男女を描いた小説なのに性描写が一切ない。少し不自然とも思ったが、又吉さんの意地でも性愛は書かない、という強い意志を感じた。 冒頭の30ページくらい、永田と沙希の出会いの場面は非常に文学的でとっつきづらい。 それを乗り越えると格段に読みやすくなるので諦めてはだめです。 読み終えての又吉さんの小説の感想は、けっこう好き。 芥川賞受賞「火花」作も読んでみたい、と思った。
39投稿日: 2020.08.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
主人公が根暗なので終始暗い気持ちになる。 ただ恋人が明るく救いだが途中で鬱になり転落していくのも、悲しい。 特に前半の情景描写が本当に巧み。 前半と後半のストーリーというかテンポというか温度感が違うなと思っていたら2年以上かけて長く書いた作品らしい。 なんとなく納得した。
0投稿日: 2020.08.23
powered by ブクログ『火花』に続き、又吉作品二作目。これがやっぱ純文学だよなぁ、と。永田のことを思うと、苦しいったらないよ……前作より先に描き始めたのだから、又吉が最初に描きたかった(エッセィとかは出してますが)のは恐らくこちらだった筈…しかし、読者の私ですら、苦しいのだから著者自身の苦悩と言ったら想像を絶する——そのため、一度挫折(?)したのでしょう。そして前作を描き終え、作品との適切な距離を掴んだことにより、漸く執筆に取り掛かれたのだ。永田が他人と比べ、如何に自分が劣っているか卑下している所とか本当に嫌になる(褒め言葉)。特に胸に刺さったシーンは、元劇団員だった青山とのメールでのやりとりは何もそこまで——似たような経験を持つ身としては胃が痛かった…。友人との距離感って難しいよね……後半に行けば行くほど、永田と沙希の関係が崩壊していき読んでいる方としてもしんどかった…。心にグサっと来るし、読後感は決して良くはないけれど良い作品。わたしは割と好きなタイプでした。星三つ半。
1投稿日: 2020.08.22
powered by ブクログ初の又吉作品として読ませていただきました。 終盤を除いて主人公がとてつもなくダメな人だという印象だった。沙希ちゃんが主人公のどこに惹かれたのかが正直分からなかった。 中々共感できる部分も少なく、考えさせられるような作品でもなかったと感じました。
0投稿日: 2020.08.20
powered by ブクログ又吉作品の主人公はほんと人間臭くて好き。 映画はまだ見てませんが松岡茉優はピッタリかなと。 山崎賢人は色気を消し切れたらすごく合いそう。
0投稿日: 2020.08.19
powered by ブクログ永田の態度に最初は呆れていたが、悪びれないというより悪気がない彼の姿を見て、結局永田が悪いのではなくただ永田が世の中にただ適していないだけかもしれないと考えた。 最後まで永田のことを芯まで好きになることはできなかったが、彼のような思考をすることが自分も度々あるので嫌いにもなれなかった。 でも沙季ちゃんはすごく優しい子で、それに対しての永田の対応に一々胸が苦しくなった。自分の心はずっと沙季ちゃんの味方だった。 自転車のシーン。永田が語り続けるシーンで胸が熱くなった。セリフの最後の「俺、ずっと1人で喋ってるけど大丈夫?神様、後ろ乗ってますか?」が印象的だった。 映画が公開されているので観てみようかなと思う、また違った解釈ができるかもしれないから。
1投稿日: 2020.08.17
powered by ブクログ映画からの文庫 細かい描写と共に映画のシーンが細かく浮かんできました。個人的には映画より先に小説読むほうがよかったのかな、って思いました
0投稿日: 2020.08.11
powered by ブクログ読み始めたときは主人公がヤバい人にしか思えませんでしたが、だんだん共感できる部分が増えてきました。 うじうじしたところ、自分は変えられないのに他者に多くを求めるところ、取り繕うところ、肝心なことから逃げるところ...大小あれど、こんな人間の、どうしようもないなという部分、誰にでもあるなあと思わせてくれます。 ヒロインと主人公の立場が逆転してから時の流れが早くて、最後まであっという間に読みました。 共依存したダメダメな二人としてネタにすることもできそうなモチーフをすごく繊細な、人間の内面を見つめ直せるような作品に仕上がっていて、読んで良かったです。 この人なんなんだろ...と敬遠したくなるような人にもこういう内面があるのかも、と思えるようになり、想像力を豊かにさせてくれました。 又吉さんの作品は初めて読みましたが、他の本も読んでみたくなりました。
4投稿日: 2020.08.04
powered by ブクログ映画化という事で初の又吉氏作品。 永田はなんか全体的にめんどくさいな。これは恋愛といえるのかな?離れそうになったら繋ぎ止めて…沙希の事を思ってるとか全然感じられない。 サッカーゲーム選手の設定が色んな作家でそこは想像してたら笑えたけど。
0投稿日: 2020.07.29
powered by ブクログ読み終わった日は適当。 たぶん、それくらいだったはず。 火花に続いての2作目。 火花より読みやすい文章ではあったけど、読むのが本当につらかった。 普通に心をえぐってくる作品。 劇団を立ち上げた永田が、謎のナンパをしてであった沙希と恋人となり、もがき苦しみながら劇団を続けていく物語。 無理やりこじつけるのであれば、自分もモノづくり寄りの仕事をしているから多少共感できる部分はある。 しかし、本質はそこではない。 おそらくは間違った純粋さゆえの過ち。 はたから見ればどう考えてもダメなんだけど、自分の考えが固まってしまっている以上、自分の正義から逸脱する行為は許せないし、今更、沙希との関係性も直せない 。 肌感覚としてはわかっているのに、理性(おおむね、自分のわがまま)が、信念を曲げることを許さない。 若かりし頃、感じていたあの感覚を思い起こさせる文章で、読んでいてつらかった。 しかし、面白かった。 実写版になるらしいが、たぶん見ない。 この手の作品は映像→マンガ→原作だとダメージはないんだけど、原作から進んでいくと、読み手の中でイメージが出来上がってしまっているので、受け入れないんだよねぇ。 小さい自分を見つけるが、結構そういうもんだと思う。
0投稿日: 2020.07.28
powered by ブクログ演劇を突き詰めようとしすぎるあまりに、私生活はヒモ同然になる永田に腹が立ってくる。しかし沙希の優しすぎる性格に読者もつけ込まれ流ような感覚に陥る。要は私も永田のように依存していたのだと思う。
0投稿日: 2020.07.25
powered by ブクログ読み終わってから、永田と沙希のお互いを想いすぎる気持ちがとっても切なくて涙が止まらない。 彼らの共に歩んだ数年間が無駄じゃないといいなぁ。
4投稿日: 2020.07.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
主人公の考えに共感できるものは少なかった。演劇への熱意は強くて深い考えが垣間見えるのに対して、日常での短絡的な行動やクズで我儘な発想が不思議でした。それが逆に人間味なのかなって思ったけど理解はし難かったです。青山とのメールや鯉に向けて手を擦る描写は面白くて好きでした。
0投稿日: 2020.07.14
powered by ブクログ始めての又吉作品読了。『火花』に興味があったが、入った店の本棚になかったから、こっちを読んだ。読んでしばらくは虚無的な話なのかな、と思いつつ、最後は結末があり、物語としてまとめている。 物語として閉じられていても、良い小説ではなかったと思う。静かな話ゆえに求められる、文章そのものや表現の深みがないため、主人公の永田による一人称で進む話は、例えば日記のような印象を受ける。内面を深堀しようとして上滑りしているような。どんな生活をしてきても、本が好きでも、どんな生い立ちであろうと、いかに言葉で表現できるかが小説家とを分ける境界になると思う。その意味ではネタを書いている芸人さんの範疇なのかな、と。著者名が無くても読まれたのだろうか。買った人は率直に作品を面白いと思えたのだろうか。 次の作品を手に取りたいとは思わなかった。
0投稿日: 2020.06.21
powered by ブクログ嫉妬という感情は何のために人間に備わっているのだろう。なにかしらの自己防衛出動として機能するこがあるのだろうか。嫉妬によって焦燥に駆られた人間の活発な行動を促すためだろうか、それなら人生のほとんどのことは思い通りにならないのだから、その感情が嫉妬ではなく諦観のようなものであったなら人生はもっと有意義なものになるのではないか。
0投稿日: 2020.05.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
又吉の作品で映画化されるから読んでみた。文章の表現が独特で勉強になった。主人公の永田には共感できるところがあまりなく、沙希が凄い可哀想な印象をもったけど、最後の方のあなたは何も変わってない、勝手に年をとって焦って変わったのはわたしの方だからってセリフが印象に残った。 相手に変わってほしいと願う気持ちも分かるし、自分自身を受け入れて当然と思う気持ちも何となく共感できた。 お互い思いあってはいたんだろうけど、日常によくある出来事なのかなと思った。
1投稿日: 2020.05.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
自意識とプライドがぶつかり合って自分をコントロールできなくなり周りを振り回す主人公 主人公に嫌悪感を感じながらも同情してしまう 2人の感情のすれ違いだったり好きだからこその嫉妬や焦りが生々しくて見てられなかった 大切な人をずっと大切にして2人で一緒に幸せになるって簡単そうだけど難しい 男女2人に焦点を当てた小説ってほぼ確実に性行為のシーンがあるけどこの話には全くなくて 唯一のラブシーン?が夜寝る前に手を繋ぐシーンなんだけどそのシーンがどうしようもなく好き
0投稿日: 2020.05.20
powered by ブクログ又吉さんの作品は話題すぎて正直読むのを躊躇っていたので今回初めて読んだ。初めは核心の周りをうろうろしてるような文章で、文体が独特かなと思っていたけれど、読み進めていくと読みやすく、とにかく面白かった。又吉さんすごい。ここ最近読んだ中で一番面白い。 演劇が題材だが、内容は純愛小説。 誰もが自分の恋愛に置き換えて読んでしまうのではないかと思うようなリアリティ。言葉にできなかった不器用な気持ちたちをちゃんと掬い上げて、描写しているのがすごい。登場人物たちの剥き出しの気持ちが活字でそのまま伝わってくる、だからこそ胸を抉られるし、救われる。ものすごい人間味が描かれてるなと思った。 永田はクズだなーと思うし、どうしようもなく不器用な二人だけど、だからこそ愛おしい。あんな恋愛、もう二度とできないなあって、、、!文中に沢山出てくる二人のアホな会話がほんとに切なくて、面白くて、愛しくて、、 永田が哲学的で時々ロマンティックなのは、又吉さんの人間性なのかな、すごく好きな言葉が沢山見つかった。色んな気持ちにさせてくれる本。
12投稿日: 2020.05.20
powered by ブクログ読みはじめは、取っつきにくい文章で、完読できるのか不安でした。取り立てて、事件があるわけでもなく、でも日常でもない。未熟な脚本家と純真な彼女との日々。表現のしかたがうまくて うなってしまいます。永田と又吉さんがシンクロしてしまう(笑) 永田と沙希はどうなるのかな。
5投稿日: 2020.05.19
powered by ブクログ緩やかで心地よい感じのスピード感が 文章全体にあるので、読みやすい。 劇団の中の世界は よく知らないけど 充分楽しめる。
0投稿日: 2020.05.10
powered by ブクログ主人公の永田は劇団を立ち上げた。脚本家の彼は前衛的なもの一般的でない演出を好む。奇をてらい過ぎて劇団の売り上げはイマイチ。 そんな彼に運命の女神 沙季 と出会う。物語はそこから転がっていく。 永田の考えには付いていけない(あくまでも私生活)そこから離れられない沙季が可愛そうでしょうがない。 とても切ない物語です。 気持ちが只々落ち込んだ人は、同じ下北沢を舞台にした劇団員達のサクセスストーリーを描いた石田衣良さんの下北サンデーズでお口直しをしてみてはどうでしょうか?
2投稿日: 2020.04.30
powered by ブクログこれこそ生きる意味 読む前から、世界が一変した 胸を掴まされ、切なくなり、自分でもわからない感情になる 小説の全て 言葉を尽してもこれを表現なんてできない ありえない この作品に出会えたこともこの作品がこうしてあることも
0投稿日: 2020.04.30
powered by ブクログthe 太宰って感じの厳かな作品で読むのに疲れた、、 でもその分、一文一文、一言一句、全てが練られてて流し読みをしたくてもさせない素晴らしい文章でした。
0投稿日: 2020.04.30
powered by ブクログ前半は主人公永田の自意識の高さが気持ち悪すぎてイライラしたが、最後の締めくくりはカタルシスがあり良かった
0投稿日: 2020.04.25
powered by ブクログ自分以上に自分を信じてくれる存在。 夢を追う若者にとって、理解を示してくれる人がどれだけ救いになるかを、考えさせられる。 しかし寄り添うことは良いことだけでなく、 つねに重圧を掛け合っていて、 相手を思いすぎるがために、均衡は崩れていく。 永田と沙季。二人はそのバランスを戻そうと、会話する。その会話がまっすぐで、よそよそしくて不器用で、それがとても切ない気持ちになる。 それぞれの人間が同じ展開を願えば、その展開は数秒後に実現するだろう。だけど、現実ではみんなそれぞれ、自意識しか働かせていない。 だからこそ、嫉妬が生まれるし、優しさが人を救う。 身の周りの人や出来事を、全員全部「やさしいととらえた人が唯一優しい」。
5投稿日: 2020.04.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
主人公の自意識過剰で卑屈な所が自分に似ていたので、クズっぷりを見て尚更腹が立った バイク乗ってる時にさきちゃんを無視してる所とか、最低なんだけど共感してしまった 個人的に、この小説の続きがあるなら永田は暫くしたらまた同じ態度とってしまうと思う 笑
0投稿日: 2020.04.06
powered by ブクログテンポよく読み進められる火花とは違い、登場人物の顔が浮かばず心理描写も独特なので読むのに少し時間がかかりました。夢を追いかける男性とそれを支える結婚適齢期の女性というよくある設定ですが、例に漏れず彼女が魅力的で見習いたいところがたくさんありました。
0投稿日: 2020.04.05
powered by ブクログ永田なんでこんなにひねくれてるんだ〜って思ったり なんでサキはこんなに優しすぎるの?!と思ったり 今の27の自分なら絶対にうまく対処できるなぁとか客観的に読み進めつつ でも好きだけどそれを上手く表現できなかったり相手に愛してもらえなくて辛かったり自暴自棄になったり 誰もがもしかしたら一度は経験したことあるこの感覚を すごく巧みに描いていたなと思いました。難しかったけど、、最後は切ない!
0投稿日: 2020.03.30
powered by ブクログ又吉が下記途中で『火花』にうつったり一年では書ききれないと感じたのと同じように、私も途中で別の本読んだり読んでも数頁しか進まなかったりして、決して長くない本だけど時間をかけて読んだ。 だって冒頭が「まぶたは薄い皮膚でしかないはずなのに、風景が透けて見えたことはまだない」ですよ。どう考えたって主人公難しそうなやつじゃんね。 はぁ?と思う言動もあったけど、ラストはなんだか泣けたよ。
0投稿日: 2020.03.29
powered by ブクログあとがきで、作者である又吉が、「恋愛小説と呼べるものになっているかすらわからない」と心配していたが、ちゃんとした恋愛小説だと思う。 確かに本書には「好き」とか「愛してる」と言った言葉も無ければ、キスシーンや性的描写もない。 もっと言えば告白なんてしていないから、いつから付き合っているのかも分からないし、別れ話もしていないから、別れたかどうかも分からない。 でも、それは日本人特有の雰囲気やニュアンスと言った形で、この二人は好きあってるんだなとわかる。 ただ、この恋は、沙希を破滅に追い込んだものに間違いはない。 永田のエゴイズム、演劇に没頭するあまりに沙希の些細なサインを見逃している。 というより、わかっているのに敢えて無視をしていた、がが正しい。 沙希の純粋さや、永田を愛してるという不確実な確実の自信から、沙希を蔑ろにした。 その罪は重い。 また永田の自己に対するプライドの高さ、その癖に大したものを生み出せない所、それを演劇という表現の世界に関わっていることを縦に芸術肌だと安易に逃げている所、それが無性に腹が立つと同時に、自分もだと分かっていた。 そしてその自己は青山とのメールのやりとりで爆発する。 このシーンを読んでいる時、自分が普段考えていること(永田程難しくは考えていないが)が重なっていた部分もあったこともあり、青山からの反論メールで私の心は滅多刺しになった。 きっと永田も滅多刺しになっているはずなのに、相手の反論が怖くて次々にメールを送っては一方的に傷つけずにはいられないところが、また自分と重なった。 そうして、相手から何も返信が来なくなると、自分の送った内容の怖さに後悔するのだ。 この心情、読者への滅多刺し(私だけじゃないはず!)は、朝井リョウの『何者』以来のショックだった。 自分を擁護するつもりは無いが、永田は確かに自分勝手なところばかりだが、結局のところ、不器用なんだと思う。 それが後半に良く描かれている。 そして、気づいた時には遅い。 でもお互いに確信的なことは何も言わない、と言うより言えない。 ただ、沙希の微笑みだけが嬉しくって虚しかった。 人間らしい滑稽さに泣ける、素晴らしい作品だと思います!
7投稿日: 2020.03.26
powered by ブクログ最後のシーンめっちゃ震えた 周りの評価はうるせえなあってなるけど それが全てだよなあとも思った 一気に読めばよかったかな 時間開けて少しずつ読んだ 表現ってなんでもできるな 映画見て復習して、 もっかい読みたいと思います。
0投稿日: 2020.03.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
昨夜読了。俺、この方の作品、好きです。他の作品にも興味が湧きました。映画、みたいな。と思って何となく手にしたのですが、小説のままがいいかな。映画はきっと悲しすぎる。主人公と沙希とのやりとりが中心ではありますが、青山(だったかな?)との長ぁいやりとりのシーンも印象的でした。東京初心者?の私には、羽根木公園とか下北沢とか出てくるだけで、ズキュンときます。やっぱ、映画見よう。
0投稿日: 2020.03.21
powered by ブクログ胸が苦しくなるようなストーリー展開。火花で漫才中に思いの丈を伝えていたように、非日常で日常の思いを伝える場面にグッとくる。
0投稿日: 2020.03.18
powered by ブクログ又吉直樹の、人間の、特に泥臭くてどこか醜い人間の、機微の描写の仕方が好きだ。 自分が悪いと分かっていながら、言うべきではないことを言ってしまったり、思いとは異なる態度をとってしまう永田に、物凄い共感を覚えた。同時に、そういう人間を客観的に見て、やはり素直に人と接したいという思いが強くなった。 自分に優しく接してくれる人のその優しさに甘え、その人たちを毒してしまわないよう、自戒を込めて感想とする。
0投稿日: 2020.03.18
powered by ブクログ主人公の自己中心さに腹が立つ。恋愛は相手がいるものだから、相手のことも考えなくちゃ、わかろうとすることから始めなくちゃダメだよね。読んでてイライラした作品でした。こういう不器用な部分を描きたかったのかなぁ。
0投稿日: 2020.03.13
powered by ブクログ2020/2/23 火花に続く二作目は高校卒業して上京し、演劇の世界を突き詰めたいと上京してくる永田と、その彼女の沙希や、永田が所属していた劇団員のメンバーを主とする話。 永田が完全に沙希のヒモで、なかなかのクズだなーという印象に対して沙希が仏なのか!?と思うくらいいい人すぎる。 この永田のどうしようもないヒモな感じは、やっぱり太宰治の小説から影響を受けているのだろうか…? 日常に対する永田の着眼点や言い回しはすごくユニークで、沙希とのやりとりものほほんとしてるカンは出てるけど、後半で青山にはかなり痛いところをつかれたんじゃないかなーという展開です。 劇団員という世界に身を投じている人たちの立場から描かれているので、演者や脚本の観点や、劇団を取り巻く事情だったり普段は中々見聞きすることのない世界を舞台とした小説を読むことができました。
3投稿日: 2020.02.23
powered by ブクログ高校卒業後、同級生と上京して劇団を立上げた永田は酷評を受ける。 劇団員にも見放される。 コミュニケーション能力も低い。 自分の才能にも期待できない。 孤独を感じる東京で出会ったのが大学生の沙希だった。 この東京で唯一、自分の才能を信じてくれる。 しかし、その性格ゆえに意味もなく当たり散らしてしまう。 なんとも評価しづらい作品だ。 「火花」の先輩のように、自分の理想があり、徹底的に追及しながらも、その理想にたどり着けない。 火花は、その先輩を客観的な視点から見ている分、物語が分かりやすかった。 本作は、その先輩の主観的な視点から語られているようで、感情移入がしにくい。 それは違うぞ、と。 主人公の足掻くさまは真に迫っているのだが、その足掻きが間違っているから、主人公にイライラする。 不器用な男の恋物語だが、その一点にしかたどり着かない結末が見える。
0投稿日: 2020.02.16
