
総合評価
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powered by ブクログ「悪いことをしたら反省させる」というのは、当たり前のことのように思いますが、犯罪者には、それが難しいという根本的な問題があるのだとよくわかりました。 自分の感覚や考え方を、他の人も持っていると考えがちですが、みんな違って当たり前なんですね。 教育等の現場で苦労されてきた著者の経験を踏まえた見解が書かれており、とても勉強になりました。 ぜひぜひ読んでみてください
18投稿日: 2021.03.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
境界知能の人々は生きづらさを感じてはいるものの、世間から知的障害とは認知されず、また自身は健常であるという自負がある故に病院には出向かない。出向いても障害か健常かの二択においては障害とは言い切れないため「知的障害ではない」というラベルを貼られ何の療法も受けない。 境界知能の犯罪者は、境界知能であることを犯罪を犯した後に初めて知るというパターンが多いそう。 知的障害かどうかを知る手段として、IQを計測するなどがあるが、障害と健常の二択になっているのが問題だと感じた。自閉症などでもそうであるように症状はスペクトラムであるため、各グレードにおけるアプローチが必要であると感じた。 境界知能の人々は認知機能などが健常者よりも低い場合が多いため、「反省」をすることすら難しい(というよりも何が悪かったのかもわからない)。つまり反省を促し社会復帰を試みる前に、認知機能や健常者が基本的に持つ能力をまず獲得する必要がある。過去の療法では、土台(認知機能等)がぐらついているのにも関わらず、一般論をぶつけていたため上滑りしてしまい、当の本人は何も得られない分からないという状況を生み出していたという。 ニュースで伝えられる重犯罪において、なぜするのか理解できないような事件が多々あります。 この本を読んで、そのような「理解できない世界」が存在するというのを改めて知ることができました。
1投稿日: 2021.03.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
良書。 今まで知らなかった、誤解していた。少年犯罪者について。 病気、障害なら仕方ない。本人が悪いわけではない。 世の中には、子供に限らず本人が悪いわけではないのに問題行動を起こす事があるのだろう。こうあるべきで思い込みで対応しないことだ。
1投稿日: 2021.03.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
認知の歪みが非行に繋がるのは予想外でした。 けど、読めば読むほどに納得…たしかに、と思えることの連続でした。 彼らの困りに気付き、問題の根本的解決を考えることの大切さを改めて確認することができました。
0投稿日: 2021.03.19
powered by ブクログもともと、犯罪者の心理や行動に関して興味を持っていたのでこの本を手にとった。精神科医の先生だからこその視点で見抜けた非行少年らの抱える問題。IQが70以下でなくてもどこかの脳機能分野で劣っている場合で、知的障害の可能性があったり、脳腫瘍疾患者は犯罪を起こしやすいデータなど、一般的には知らない様な事も経験を通じてディテールが書かれており、知って良かった。犯罪を起こす事は絶対に許し難いけど、そんな知的障害をもつ犯罪者に少し同情した。脳の機能は自分ではコントロールできないし、それに気づくまたは気づかれるのはまた難しい話。自分が子供をもった時少しでもそういった知的障害が見えたり可能性を感じたら、この事を思い出して丁寧に対処しようと思えた。
0投稿日: 2021.03.17
powered by ブクログ普段全く本を読まない私でもすんなり読める本でした。 多少難しい言葉が出ますが、かなり分かりやすく書かれていました。 中々減らない少年達の非行行為に対して新たな視点で考えることができ、小学校時代あまり勉強が得意ではなかった私も作中に出でくる少年達の心情に少なからず共感できる部分もありました。 原因のほとんどを知能低さや障害と判断してしまうのは極端すぎるかなぁと思う部分も少々ありましたが、充分に少年達を救う新たな認識を広めてくれる本だと思いました。 ありがとうございました。
0投稿日: 2021.03.14
powered by ブクログ常人と非行少年。 二限的に捉えるのはナンセンスだと思った。 認知能力や、思考方法、感情のコントロールに、運動神経。 各個人に得手不得手があり、そうしたグラデーションの中に人間がある。 本の最後に、書いてあったことが心に残った。 彼・彼女らが少年院や刑務所にいるときに、かかる税金が300万円。矯正されれば納税額が100万円。 この400万円に「これは私たちの問題だ」と痛感させられた。それがこの本の最も優れた部分だと思う。
0投稿日: 2021.03.13
powered by ブクログすごく目新しいことが書いてあるわけではありませんが、これからの社会に必要な視点を分かりやすく、切実に描いており、考えさせられます。
0投稿日: 2021.03.11
powered by ブクログタイトルが気になり手に取った一冊。 専門的な話もあるものの、具体例を交えながら平易な言葉で記載されているので、新書の中ではかなり読みやすいと思う。 犯罪を犯した少年の中には、自己の罪を反省し、更生する力がない「反省以前の問題」である状態の者がいるという事実は、そこで紹介されているエピソードも含め、とても衝撃的であった。 余談だが、本書の中に、偶然にも最近読んでいる「楯岡絵麻シリーズ」で目にした“大脳辺縁系”や“扁桃体”などの単語が出てきた。とっつきにくさを感じる単語のはずだが、楯岡絵麻シリーズのおかげでそれらがどういうモノかがよくわかり、スムーズに読み進めることができた。
1投稿日: 2021.03.10
powered by ブクログいわゆる「底辺校」と呼ばれる普通高校には、こういう子がたくさんいます。 「怠け」「集中力不足」などと自己責任のように切って捨てなければ、社会の中でもっと輝ける可能性のあった子たち。 親や社会がこういう問題にもっと気付き、早期に手立てをうてるようになるよう祈ります。この本は、その助けになる本です。
2投稿日: 2021.03.10
powered by ブクログ初めて発達、知的障害について学ぶ本となった。子供や親、学校に対する国の支援が更に必要ではないかと思った。
2投稿日: 2021.03.10
powered by ブクログハンディのある子供たちに早い段階で支援につなげることの大切さ、大人たちが知識を持ち理解を深めることの大切さを感じる本でした。そして、大人へのサポートも子供たちを守るためにも重要であると感じます。
1投稿日: 2021.03.09
powered by ブクログどうしてあの人はそんなことするんだろう…と日常の中で疑問に感じることは よくあるが、発達障害やいわゆるグレーゾーンの人たちには行動の先に待っていることが想像できないということを知った。話してもしょうがないと諦めの気持ちがどんな人と話していても思うようになってしまった。
0投稿日: 2021.03.09
powered by ブクログカズレーザーさんが推薦してた本。 最初30ページ読んだだけで何故か涙が出てくるような、なんとも言えない感情が渦巻いた衝撃があった。 何十年も少年たちと向き合ってきた著者でさえ、未だ対処策は最終章の薄いページのみ、本当に数えられるほどなんだなぁと、奥の深さと難しさを感じる。 こんな世界もあるんだなぁ、、 子どもが生まれたら、沢山の愛を持ってコミュニケーションを沢山取って見守っていきたいと思う。
6投稿日: 2021.03.09
powered by ブクログ凶悪犯罪が起きる。被害者への同情。犯人が捕まる。人物像がわかる。「恐ろしい、近付きたくない」、厳罰を求める人々。育った環境の報道。搔き立てられる好奇心。しかし、被害者は浮かばれない。本当に守りたい人がいるのならば、事件が起きなかったことを願うだろう。加害者はケーキを3等分することができなかったかもしれない。「自分はやさしい」「自分にいいところはない」、不適切な自己評価。褒めてもらえなかった、あるいはやみくもに褒められただけかもしれない。もう少し早く、後少し寄り添い適正な指導・教育が受けられていれば・・。
2投稿日: 2021.03.09
powered by ブクログ非行少年たちの早期救命が世の中にとっては必要なことであるじゃないか。 障害を早期にみつけ適切な治療を行えば未来は明るいかもしれない。 コグトレ研究会。
1投稿日: 2021.03.08
powered by ブクログ良書であると思う。著者の掲げる教育問題が近い将来に解決されることを切に願う。結局、世の中は負の連鎖が多くあり、教育は世界を平和的に構成させる上で最も必要な要素なのだと痛感する。また、そこに非常に根本から切り込んでおり、感銘する。
1投稿日: 2021.03.07
powered by ブクログ[墨田区図書館] 何かで知って、そのインパクトのある題名から読みたいなと予約していた本。約1年かけてやっと順番がきて読めた。てっきりハードカバーのやや厚い本かと思っていたので、新潮新書の手のひらサイズの薄い本だった時には驚いた。そして登録しようとして、この本?がマンガ化されているのにも驚いた。 予約した際には、「ケーキを切ることが出来ない」というのは、「円の等分分割ができない」ほどに算数ができない(知力が低い)、~ほどに家族内でそのような経験がない、~ほどに人とそのような関わりをした経験がない、など、いわば家庭環境とそれに関連して生じた学歴の低さ的なことが"非行"にも関連している、ということを、実施経験?調査?から語った本かと思っていたが、実際の内容は違っていた。 ただ、内容に対する感想や想い以前に読んでいて思ったのは、「この本の題名を考えたのは著者自身なのかどうか」ということ。(笑)この本が多少自分の思っていた内容とその方向性も違っていた裏切られ感も手伝っているのも否定できないが、この題名がこの本の成功の一因だと思う!けれども表題に関する話はさほど出てこない、第二章にいくつかの事例が紹介されているだけ。 この本では、加害者となってしまった社会的被害者に対して、現在の日本の学校教育や不適応者への支援方法、さらには矯正施設や病院の抱える「穴」の指摘や、そうなってしまう子全てが"被害者"というわけではないにせよ、脳障害なども含め、そうなってしまう要因もあるということを紹介していた。 最終的には、複数の職を跨いでまでこの少年たちに寄り添おうとした筆者は、現状打破を考え、何らかの解決策を訴えているのだろうが、本書においては多少の嘆きや提案はあったとしても、そこまで明確なものは感じなかった。いわば"紹介"に殉じた感がある。 個人的には、P.54からの内容がまず心をついた。そして特にP.61からの"怒り"に関する記述が興味深かった。息子が幼児期にすぐにキレて手が出てしまう事には手を焼いた。そもそも怒りを感じなければ我慢しなくていいのに、どうして怒りを感じてしまうのだろう、と。その部分はどうしても改善できず、怒りをどう流すか、我慢すべきか、その点において諭しつつ、眠る際に前頭葉が育てば、と額の上をただたださすっていたことを思い出した。 ・想像力が弱ければ努力できない ・悪いことをしても反省できない(認知機能が弱い子は、強制教育を行っても積み重ねが出来ない) ・【感情統制の弱さ】感情を統制できないと認知機能も働かない ・"怒り"の背景を知らねばならない あとはP.161からのコグトレに関する説明。"認知能力"の向上をうたっていたので、恐らくコグニッショントレーニングの略と思われたが、その内容はいわゆる幼児教育において「勉強の前段階」として行われるものに相似していた。そういう意味では、やはり幼児教育というものは、(正しく行われれば)"勉強"に対してだけでなく、様々な面で基礎となる部分を培う事のできる良いものなんだろうと再認識させられた。これまでは、「字を書けるようにするために」まず鉛筆を握りましょう、まっすぐな線がかけるように、にょろにょろの線がかけるように、様々な形を認識できるように、と、「勉強」という最終目標のために行うものと思っていたが、確かに人の気持ちを理解して、少し先の未来を想像して、今の自分の気持ちを理解して、という「気持ち」に関する分野でも、結局はそれらを認知することが出来なければできないものなわけで、、、、、、 この本で紹介されたことは、違った角度でほぼしっていたものばかりと言えたが、逆に言えば、この筆者の角度で一律的にとらえたことはなかった、さほど目新しいことがない反面、目からうろこ的な感じ。 関係書も数冊読んでみよう。あと、コグトレももう少し具体的に知っておこう。
0投稿日: 2021.03.06
powered by ブクログ児童精神科医である著者が精神科病院や医療少年院での勤務をもとに 犯罪を犯す少年たちの根本的な能力を解いていく。 更生カリキュラムが通常の知的能力があること前提であるので、繰り返し犯罪を起こしてしまうのも納得がいく。 本を読んでいて一番驚いたことは、知的障害者の定義が変更されていたことだ。 「IQ85未満→70未満」へ。全体の16%→2%に対象者が激減。 IQ100を切っているとなかなか社会生活につらさを感じるのに、支援が受けられない残りの14%の人たちはどうなるのか。 勉強ができない、忘れ物が多い、相手のいうことが理解できない・・・そしていじめられる。 IQの低さだけの問題ではないのだろうけれど、生きづらい世の中 根本的な問題で困っている少年たちの未来はどうなっていくのだろうか。 暴力行為や殺人など犯罪を犯した少年たちのほとんどが(自分は優しい)と答えているのが悲しかった。 根本的な改善案の提示は難しいところだが、周囲にいる困っている子どもたちを理解するにはいい本だと思う。
1投稿日: 2021.03.06
powered by ブクログ思い返せば小中時代に、わざと人を怒らせるためにやってるんかな?ってうっすら思ってしまうような言動をしていた人がいたことを思い出しました。この本を読んで、その人なりに一生懸命、もしくは普通にやっていただけやったんやなと遅ればせながら気づき、自分の思考を反省しました。
0投稿日: 2021.03.03
powered by ブクログ2020年 1冊目 『ケーキの切れない非行少年たち』 少年院が対象。非行少年は見る、聞く力などの認知機能が低く見えない障害を抱えていることが多くそれゆえに小中でイジメを受け非行にはしってしまう。 認知機能を鍛えるメソッドと集団生活を通して自己への気づき、それに伴う自己評価向上を図ってる。
0投稿日: 2021.03.01
powered by ブクログ小さい頃に発達障害と気づかれなかった子供たちが犯罪を犯してしまう。教育は子供について理解して気づいてあげることが大事で、間違った教育がさらに発達障害の子供たちに悪影響を及ぼす。 この本を読んで、学校の先生はただ教育するだけでは絶対ダメだと思ったし、我が子のように生徒と向き合ってあげるべきだと思った。
0投稿日: 2021.03.01
powered by ブクログ興味深い。 人に対して無意識のうちに自分自身の正解に当てはめてしまってはいないか、考えさせられます。
0投稿日: 2021.02.28
powered by ブクログ心理の視点から教育を学び、 福祉と教育と心理と全てが 子どもたちを作るのだと 教えてもらいました。 教育の敗北と捉えるか、 まだ救える救うべきところは救うと捉えるか 何度も読んで読んで向き合いたいです。
0投稿日: 2021.02.28
powered by ブクログ著者の認知機能強化トレーニングの宣伝が主な目的の本なのかな?とも思えました。 医者としての目線で、犯罪を犯した少年たちの認知機能(記憶、知覚、注意、言語理解、判断・推論といったいくつか要素がの含まれた知的機能のこと)が低く、また、いじめを受けていたケースが多いことなどを実例を挙げて説明しています。 フムフム、と読み進められます。 うちの子が小さいころに発達相談を本格的にした経緯があります。 今、中学1年生で、成績はクラスで上位の方なのですが、先ほど本に載っているりんごのテストをしたら、なんと解けませんでした!!! こんな近くに実例がいるなんて(笑) 早速トレーニングをやってみます。 本の話とは離れてしまうのですが… 親にとって自分の子供の発達障害や知的障害の話はとてもデリケートで、必死な問題です。 幼稚園の先生などに「発達の相談を市にした方がいいかも…」と言われたら、スルーするか、傷つくかのどちらかだと思います。 この本のトレーニングをするのもいいとは思いますが、一番重要なことは発達相談などを通じて行政に繋ぐことだと私は思います。 辛い事実を受け止めなくてはいけないかもしれないし、思い過ごしかもしれない。 でも子供に関わる人が増えるということは、その子の幸せや成長を願う人が増えるということだと私は信じたいです。
9投稿日: 2021.02.26
powered by ブクログ「犯罪者を納税者に変えて、社会を豊かにすることが本著の目的」に違和感。著者の本音でないような、どこか他人事なような…専門書という枠から出て、多くの人に手に取ってほしいからかもしれないが、それにしたって少し無理のある意味づけに思った。 内容はというと、前半は興味深かったものの、後半に向けて興味深さが尻すぼみになってしい、出オチ感が否めない。 教育関係者でないからか、それともちょっと期待値が高すぎたのか…。
0投稿日: 2021.02.26
powered by ブクログ認知能力が低いことによって、自尊心の低下、被害妄想、先を見据える能力の無さから犯罪につながってしまう少年たちの事実を知ることができた。また、認知能力の低い彼らを助ける場所が、学校にも病院にもないという現実を知り、日本の教育の実態に失望した。もっと周知されてほしい。
0投稿日: 2021.02.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
宮口幸治の"ケーキの切れない非行少年たち"読了。 "推し燃ゆ"を読んで、発達障害に関する理解を深めたいと思っていたし、前々から読んでみたかったため借りた。発達障害というより知的障害についての本だった。 印象に残っているのは非行少年の8割が「自分は優しい人間だ」というという話。よく、非行少年の特徴として"自尊感情が低い"ことが挙げられるがそれは間違いだと分かった。多くの人が自尊感情が低くても社会生活を送ることができる。問題は"自尊感情が現実と乖離している"こと。優しい人間だと自分を称するのもその乖離のせい。 知的障害の方が日本には108万人もいる。軽度の知的障害であっても、IQに反映されず、自衛隊で働くことも大型車両の免許もとれる。問題を起こさないと知的障害であることが分からないらしい。怖いと思った。また、自分でも普通であると示そうとし、必要な支援を拒否する人が多いそうだ。たしかに今まで普通に生きてきたのに、自分が知的障害だ、支援をしよう、といきなり言われたら拒否する気がする。 早いうちから知的障害であることを知っていたら素直に支援も受けられるだろうな、早めの発見が大事。早めの発見と考えると1番近いのは教育の中で見つけることだ。今、褒める、話を聞いてあげる教育がよく謳われるがそれは非行少年にとって悪だ。問題の先送りになっている。 子供が少年院に行く=教育の敗北であるそう。でも、教師の負担大きすぎる気もする。どうすれば良いんだろう。 問題の重要性や現状についての理解は深まったが、具体的な解決策はあまり述べられてはいなかった。自分でも考えてみようと思う。
0投稿日: 2021.02.26
powered by ブクログ児童精神科医の宮口幸治(立命館大学産業社会学部教授)が医療少年院と女子少年院での勤務経験をもとに、知的障害手前の境界知能レベルにあたる人々への支援の必要性を書いた本。犯罪を犯した少年の中に境界知能の少年たちが多く、小学2年生ごろには勉強についていけなかったり、身体を使うことが苦手だったりして、イジメを受けていたらしいことが分かったという。そしてイジメを受ける側から、年齢を重ねるうちに犯罪者になっていたという。この本の良いところは、その子供たちに学ぶために必要な認知機能を高める適切な教育をしていれば犯罪者にはならなかったかもしれず、そのための取り組みの必要性と方法を示している点だ。境界知能以下にある人は人口の16%と推測されるという。16%というと35-40人のクラスで6人いる計算。その多くは、犯罪者になることなく生きているはずだが、相当しんどい生活を送っていると思われる。たしかに子供のうちから認知機能を高め、自ら学べる力をつける支援をすることは大事なことだと思う。
0投稿日: 2021.02.25
powered by ブクログ1章の最後に「ー犯罪者を納税者に変えて社会を豊かにすること、それが本書の目的です。」とあり、疑問を感じつつ読み進めました。 “はじめに”の「障害をもった子どもたちは本来、大切に守り育てないといけない存在です。」という部分に共感し読み始めましたが、その部分が著者の建て前だとすると、前述の1章終わりの文や7章で「犯罪者を減らすことが日本の国力を上げるために重要」という内容には著者の本音が現れていると思います。 ”ケーキの切れない非行少年たち”を社会のお荷物だと感じていなければこんな文を書かないのではないでしょうか。 他にもp8「女子少年院の実態も知っておきたいと思った」等、引っかかる言い回しがあり、症例や機能向上のトレーニング内容は興味深かったものの、彼らを観察、研究対象として切り離している感が拭えませんでした。
1投稿日: 2021.02.25
powered by ブクログ更生プログラムは、ボーダーラインの子どもには伝わりにくい。当たり前の事だと気が付かなくてはいけないのに、この本を読むまで気が付かなかったのが恥ずかしい。 小さい頃から療育を受けていれば、少しは楽に生きていけるのだろうか。そのためには福祉に見つけてもらわなくてはいけないのだろうか。そのためにはどうしたら良いのか考えたい。
0投稿日: 2021.02.20
powered by ブクログ【自分の持つ「常識」で物事を推し量ることは危険だ】 この本を読んで私が感じたメッセージ性。 ひとたびメディアで犯罪者を目にすると、どうして残虐な行為を平気で出来るのかという怒りが湧き上がってくる。自分の欲望や正義にしたがって法を犯すことは"普通"の感覚からすると考えられない。 しかし、本書を読み進めていくうちに、犯罪を犯す者の中には、認識力がそもそも欠落していることを知る。我々が通常、ホールケーキを3等分しろと言われたらピザをカットするように当たり前にカットできる。一方で認識力が欠落している者は、当たり前の3等分ができない。 筆者はこういった認識力の欠如は、人同士のコミュニケーションにおいて誤解を生み、自分が非難されたり、バカにされていると勘違いする要因にもなると述べている。 この本を読んで、得た感想は先述の通り。 著者のように少年院の子供たちに対してアプローチができるわけではないので、そういった事実を知ることができただけだった。
0投稿日: 2021.02.19
powered by ブクログ学習以前への心配りというのが、世の中全体的に為されていないのだと再認識した。これが決めつけになってやいないかが恐ろしくもあるが、軽度の知的障害に気がつくことができないことも、対処ができないのも、そうであると勝手に決めつけてしまうのも、いけないのだろうと考えると、大変難しくある。ただ、それを放置してはもっといけないのは確かである。その面でも全般的に認知機能を向上させるトレーニングを普及させていくのは、必要だと感じた。それは、学校では当然ではあるが、塾や家庭、世の中全体でそのような価値観が普及されていけば良いと思う。
0投稿日: 2021.02.18
powered by ブクログ自分が自治体の児童福祉に関する部署で仕事をしているので読んでみたけど、すごく勉強になった。 保護者がなかなか子どもの特性を受け入れられずに、例えば医療受診させたり検査を受けさせたりするのを拒むケースもよく見るけど、その子が本当に必要な支援を受けられるように環境を整えるためには、やっぱり早くから周りの大人が気づくこと、理解することが大事なんだな。 コグトレのことを知っていて、HRとかで実践してる学校はどれくらいあるんだろうか…
0投稿日: 2021.02.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読書メモ まくもにお勧めされて。以下自分なりの要約: 少年院の子ども達が犯罪を犯すのは、「認知機能の弱さ」と「不適切な自己評価」である。 Chap. 1 「反省以前」の子どもたち 見たものを書き写せないなど、少年院には認知力に欠けた子どもが沢山いる。これは何が悪いかを考えられないことに繫る。認知力の弱い子たちは「厄介な子」やただの悪ふざけとして片付けられ、認知力が問題の根と認識されることはない。 Chap. 2 「僕はやさしい人間です」と答える殺人少年 ケーキを適切に等分できない子どもたちは、客観的に物事を捉えられず、何が悪いのか、殺された側の気持ちを考える力が不足している。こういった認知力の無さは、反省や葛藤ができないこともそうだが、見通しが立てられないので思いつきで犯罪に手を染めてしまう。 Chap. 3 非行少年に共通する特徴 【認知機能の弱さ】周りの評価への誤解や勉強への苦手意識が生じる。それ以上に後先を考えられない。【感情統制の弱さ】怒りが誤った認識を生む。【融通の利かなさ】間違った解決案しか浮かばない。【不適切な自己評価】今の自分、変えたい自分の正しい在り方を知るべき。【身体的不器用】故意ではない失敗から劣等感を覚える。 Chap. 4 気付かれない子どもたち 少年院に共通の特徴であるサインが出ても、現場の支援側が見逃している、気付いても蔑ろにしている。どこからか知的障害かの閾値はIQによる定義がある。グレーゾーンである所謂「境界知能」の人達には共通の特徴が多いが、暮らしの中で気付かれることは少ないため、数字以上にハンデを持つ子どもが多い。 Chap. 5 忘れられた人々 「境界知能」の人々は病気と診断されずに、周りの支援が無いまま社会に出てしまう。社会で問題行動を起こし刑務所や少年院に入っても、刑務官が知的問題が無いと判断すれば不適切な指導を繰り返し、彼らの人生を台無しにしてしまう。 Chap. 6 褒める教育だけでは問題は解決しない 学校教育における「褒める」という支援は、表面上の解決であり問題の先延ばしにすぎない。学科教育に特化した現在の学校では、社会面における系統的な教育も必要である。 Chap. 7 ではどうすれば?1日5分で日本を変える 自己洞察し、内省できる認知力が必要。認知力が欠けた子どものために、1日5分で出来る「コグトレ」というゲーム感覚でできるトレーニングを教育に組み込むことを提案する。犯罪者を納税者に変えることは財政の観点からも重要であり、子ども達に最も身近な学校には、困っている子どもの早期発見が要求される。
0投稿日: 2021.02.17
powered by ブクログ児童精神科医による、知能指数の低い若者の特徴と問題点をまとめた本。著者は児童精神科医として長きにわたり発達障害、虐待、不登校などの問題ある子供たちを診るとともに、少年院での勤務も長く、発達障害や知的障害をもつ子供に関する知識、経験が豊富である。一般的に知能指数が低いと言われる認知機能の弱い子供たちの問題を、的確に指摘していると思う。知的障害と判定されるIQ70以下は行政がカバーしているが、境界知能と言われるIQ70~84でも社会生活にはかなりの困難が生じるにもかかわらず、一般人と同様に扱われるため、問題を起こしやすいと論じている。これら認知機能の弱い人に対しては、一般的な教育・指導では理解できないため、いま行っている方法とは違った教育が必要であることがよくわかった。東ロボくんを開発した新井紀子氏も強調している理解力、認知機能の向上の重要性を、別の視点から補完する内容と捉えた。 「基本的に「漢字は読めない」ことを前提に、少年院での教材には全てフリガナがついています。新聞にはフリガナがついていませんので、新聞を読めない少年たちも多く、自由時間に新聞を順に回して閲覧できる機会もあるのですが、少年たちが見ているのはもっぱら雑誌広告欄にある女性の写真ばかり、といった状況でした。少年院の中ではこういった少年たちに漢字ドリルや計算ドリルをさせているのですが、大体小学校低学年レベルからのスタートです」p36 「(10万円を用意するという課題)「(親族などに)借りたりする」という選択肢と、「盗む」という選択肢が普通に並んで出てくるのです。「盗む」などという選択をすると後が大変になるし、そもそもうまくいくとは限らない、と判断するのが普通の感覚でしょうが、そう考えられるのは先のことを見通す計画力があるからです。しかし先のことを考えて計画を立てる力、つまり実行機能が弱いと、より安易な方法である盗む、騙し取るといった方法を選択したりするのです。世の中には「どうしてそんな馬鹿なことをしたのか」と思わざるを得ないような事件が多いですが、そこにも、「後先を考える力の弱さ」が出ているのです」p37 「困っている子供に対してはまず、見る、聞くといった力に問題がないかを確認する必要があります」p53 「目標が立てられないと人は努力しなくなります。そうすると2つ困ったことが生じます。1つは、努力しないと成功体験や達成感が得られないため、いつまでも自信が持てず、自己評価が低い状態から抜け出せないことです。もう1つは、努力しないと、他人の努力が理解できないことです(非行少年はバイクを簡単に盗むが、所有者がどれだけ努力してそれを手に入れたかを考えない)」p54 「(他者との適切な関係性)相手から送られる様々なサインから「自分はこんな人間かもしれない」と少しずつ自分の姿に気づいていくのです」p77 「昔に比べ、第一次産業や第二次産業は激減し、人間関係が苦手だからといって人間関係に重きを置かない職業を選んではいられなくなりました。対人関係が苦手で、就活で何十社からも面接で落とされたりする学生はざらにいます。SNSの普及で、直接会話や電話をしなくても、指の動きだけで瞬時に相手と連絡が取れます。携帯電話がまだ普及していないその昔、相手の家に電話をかける時には、本人以外の家族が出ることが多くありましたので、それなりに電話をかける時間帯や言葉遣いなどの最低限の礼儀は心得ていなければなりませんでした。今ではそんな必要はなくなりました」p82 「(身体的不器用さ)身体的不器用さをもつ少年は、たいてい認知機能の弱さも伴っていました。認知機能の弱さがあると、サービス業に就くよりも建設現場で土木作業員といった肉体労働に就く傾向があります。しかし、身体の使い方が不器用であると、そういった肉体労働でも問題を起こして仕事が続かず、生活ができなくなるのです」p86 「(非行少年の保護者)その少年は、自分をイジメてきた相手を殺害してしまったのですが、保護者は息子の非を認めず、被害者遺族に対する謝罪や悔やみの言葉も全くありませんでした。逆に被害者遺族に怒りをぶつけ「息子をイジメたから悪いんだ」とすごんでいました。自分の息子が殺害を犯してすら、子供の問題を理解・受容しない保護者がいるくらいですから、子供の少々の問題だけでは危機感を抱かず聞く耳を持たない保護者がいても不思議ではありません」p96 「非行少年には、非行に理解のある会社などを探して仕事を紹介するのですが、たいていは1か月、長く続いても3か月くらいで仕事を辞めます。やる気はあるのですが、就労しても続けられないのです。認知機能の弱さ、対人スキルの乏しさ、身体的不器用さなどが原因となって、言われた仕事がうまくできない、覚えられない、職場の人間関係がうまくいかない、時間通りに仕事に行けない、などの問題を起こし、非行に理解はあっても発達障害や知的障害についての十分な知識がない雇用主から叱責を受け、嫌になって辞めてしまうのです」p97 「「知的障害はIQが70未満」という定義は、1970年代以降のものです。1950年代の一時期、「知的障害はIQ85未満とする」とされたことがありました。IQ70~84は、現在では「境界知能」と言われている範囲にあたります。この部分を含めると、知的障害と判定される人が全体の16%ぐらいになり、あまりに人数が多すぎるとの理由から、「IQ85未満」から「IQ70未満」に下げられた経緯があります。しかしIQ70~84の子供たちは依然として存在し、彼らは知的障害者と同じくしんどさを感じていて、支援を必要としているかもしれません(およそ14%いるものと推計)」p99 「クラスで下から5人(14%)は困っているにもかかわらず、病院に行って色々検査を受けても、IQ70以上あれば「知的に問題ありません。様子を見ましょう」と言われ、何らかの支援を受ける機会を逃しているのです。そもそも知的障害自体は病院の治療対象ではありませんので、軽度知的障害であっても気づかれる場合は少なく、診断がつくことも少ないのです」p100 「軽度の知的障害者でも陸上自衛隊に入隊したり、大型一種免許、特殊車両免許を取ったりすることは可能です。特に軽度の知的障害や境界知能の人たちは、周囲にほとんど気づかれることなく生活しています」p107 「IQ70未満(知的障害者):2%。IQ85未満:16%。IQ70~84(境界知能):14%」p107 「障害者は傷つきやすい存在です。成功体験が少ないために自信も持ちにくいのです」p114 「(少年鑑別所)「知的な問題がない」とされたら、何か問題を起こしたとき、健常少年と同じ厳しい処遇をされてしまいます。実際、そういった少年が何か問題を起こすと、「ずる賢い」「反抗的だ」「やる気がない」「演技している」といった、およそ非行の専門家とは思えないような発言をする法務教官もいたほどです」p118 「「ほめる」「話を聞いてあげる」は、その場を繕うのにはいいのですが、長い目で見た場合、根本的解決策ではないので逆に子供の問題を先送りにしているだけになってしまいます。例えば、勉強ができないことで自信をなくしイライラしている子供に対して、「走るのは速いよ」とほめたり、「勉強できなくてイライラしていたんだね」と話を聞いてあげたりしても、勉強できない事実は変わらないのです。根本的な解決策は、勉強への直接的な支援によって、勉強ができるようにすること以外ではありえません。小学校では、ほめることや話を聞いてあげることで、何とか乗り切れたかもしれません。しかし、中学校でうまくいかない、高校でもうまくいかない、社会ではさらにうまくいかないとなったときに、「誰もほめてくれない」「誰も話を聞いてくれない」といったところで、何の問題解決にもなりません」p123 「(学習面、身体(運動)面、社会(対人関係など)面の教育)今の学校教育には系統立てた社会面への教育というものが全くないのです」p127 「(認知機能の弱い子供たち)自分たちも「人に教えてみたい」「人から頼りにされたい」「人から認められたい」という気持ちを強く持っていることを知りました。そしてそれが自己評価の向上につながっていくのです」p156
3投稿日: 2021.02.16
powered by ブクログ少年院にいる少年ら、認知・非認知に課題があり、それが義務教育段階で適切な支援を受けることがなかった。彼らには幼少期の特徴に共通点がある。 こういった児童に必要な支援をしなかったために生じた悲劇であり、それは教育の敗北であるという。 こぐトレという、認知非認知の力のトレーニングがあり、それを元に支援する方法が例示されている。
0投稿日: 2021.02.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ちょっと衝撃的でした。 理解出来ないために犯行を犯す。 理解出来ない周りの大人達の対応。 事細かに時間を割けないからこそ、問題に直面している子供達が救えない。 そのサインが何を意味しているかも解らない大人達。 少年だけが悪いのか? 虐められた少年が悪いのか?(その後加害者となる事もある) 親も解らない、Dr.も解らない。 何処に救いを求めれば良い?? 大人は、親をも「育て方が悪い」と言う。 確かに状況下ではそういう人も居るだろう。 けれど。 親だって、ずっとその子を見ていられるわけじゃない。 考えさせられる。 子供が何処まで何を理解しているのか? 見極められるのが「少年院」という場所。 学校では時間がない。 家庭では核家族化で親が共働きだったりする。 子供は、何処に救いを求めてサインを出せば良い? 個人の自由は諸刃の刃。
0投稿日: 2021.02.12
powered by ブクログもっとこの子たちの存在が 教育現場で知られるべき。 手立てをされるべき。 時間をかけてあげるべき子がいるのに かけられない現状 その子の人生だけでなく 社会的にも 大きな損失になる。
0投稿日: 2021.02.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
正しく自己評価できることが大切 社会面 ▶︎これをやったらどうなるか?長期的な計画性 学習面 ▶︎見る、聞く、想像する力 身体面 ▶︎身体的不器用さ(力加減など) これら3方面から 子どもを理解、支援しなければならない。
0投稿日: 2021.02.10
powered by ブクログケーキを等分に切れないというタイトルに衝撃を受けました。しかしそれは障害によるものだということを本を通じて知りました。世界には障害と認知されていなくても障害を抱えている方がいらっしゃいます。そうした忘れられている障害者を認識し、良い方向へ導くことが社会の役目なのではないかと考えさせられました。
0投稿日: 2021.02.10
powered by ブクログ筆者の豊富な経験から、非行少年の心理の根底にあるのは認知力の低さであるとして、多くの実例をまとめた一冊。 非行少年に共通する特徴として、不適切な自己評価が挙げられている。「自己を適切に知るには、人との生活を通して他者とコミュニケーションを行う中で、適切にサインを出し合い、相手の反応を見ながら自己にフィードバックするという作業を数多くこなすことが必要」 非行少年に限らず、この作業を行わないでいて適切な自己評価を行えていない人も多いのでは。 学校教育での課題として次のように述べられている。「教科教育以外はないがしろにされている。子どもへの支援は学習面、身体面、社会面の3つ。先生に聞くと1番付けたい力は社会面。なのに、学校では社会面の系統だった支援がなされていない。」 学校現場の多忙化が叫ばれている昨今、業務内容の精選と平行し、スクールソーシャルワーカーなど福祉、医療の専門家との協働を一層推進してほしい。 2人の子どもを持つ親として次の言葉をより意識したい。 「子どもの心に扉があるとすれば、その取手は内側にしかついていない。」 「子どもの心の扉を開くには、子ども自身がハッとする気づきの体験が最も大切であり、我々大人の役割は、説教や叱責などによって無理やり扉を開けさせることではなく、子ども自身に出来るだけ多くの気付きの場を提供すること」 本人、親、学校、適切な支援を受ける・受けさせるために学ぶことは多い。
0投稿日: 2021.02.10
powered by ブクログいじめられた子たちが幼い子に性犯罪を起こす割合が多いことが衝撃。幼い子を持つ親として勘弁してくれと思うが、その加害者も診断がつかないため辛い生活をしている被害者でもある。そんな人たちを加害者にしないために、親が気付き、教育の場も変わっていかなければいけない。
2投稿日: 2021.02.09
powered by ブクログケーキを三等分に切り分けてくださいと言われ、帯にあるような切り分け方をする少年たち。 彼らは、認知機能が低い。といっても普通に勉強が出来たり、少し落ちこぼれていても傍から見たら、認知機能や知的レベルで劣っているというようには見えないという。 そんな彼らが、子どもから大人になる過程で周りについていけなくなり、落ちこぼれ、最悪の場合は犯罪を犯してしまう。 逆に、犯罪を犯してしまった少年の多くに認知機能に問題があることが多いようだ。 彼らのような人々を周りがサポートし、よりよい人生を送れるようにすることは大切だ。 本書には、教育の場で必要なサポートや医療少年院にいる少年たちの実態などを紹介している。 認知機能が低かったり、知能指数が低い(グレーゾーン)ということが原因で、犯罪を犯してしまうという内容には驚きを感じた。 彼らも苦しんでいると思うと切ない。 これは、国を挙げて対策をするべき事柄だ。
0投稿日: 2021.02.07
powered by ブクログ学校の現場には困っている子どもたちがいるにもかかわらず、助けてあげられない状況にある。この本を読んで得た知識を土台に目をかけてあげられたらいいと思う。
1投稿日: 2021.02.06
powered by ブクログ専門的な内容もあり簡単には読めなかった。 まずは「反省以前の問題」を抱えている子供がたくさんいるということを知れただけでもこの本を読んだ意味があったと思う。 もう一回じっくりと読みたい。
0投稿日: 2021.02.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
自尊感情が低い、というが大人でも自尊感情が高い人ばかりなのか。そうではなく、等身大の自己評価ができることが大切。 自己への気づきがあること。自己評価が向上すること。 学校現場に携わる者として、取り組みたい活動が多々あった。 コグトレの本、買おうかな。
1投稿日: 2021.02.04
powered by ブクログ少年犯罪と認知能力について。認知機能を高めるためにはどうするか具体的に書かれている。それぞれの子どもの認知的な苦手さをより細かくみて、そこに対するアプローチが必要なのだと感じる。 とても分かりやすく書かれていてスラスラ読めた。
1投稿日: 2021.02.04
powered by ブクログタイトルに惹かれて読み始めました。 正直なところ、自分が今いる世界とは全く関係のない分野であり、実際に出会ってこなかった方々の話しでした。 でも、実際に読んでみて驚きと悲しみとよくわからない感情が湧き出てきた、、 外国でもあるような事情が、日本でもあったんだと 自分が無知だったなと思い知らされました。 ダメなものはダメではなく、解決策を探していくことが大事と気付きました。 いつか、自分が大人になった時、しっかりと道を示せるような人になっていたいなと思った
0投稿日: 2021.02.03
powered by ブクログ講師時代に読んでおきたかった… 全てとは言わないけど、こういう子と接してきた。 この知識があればもう少し変わったかも。
4投稿日: 2021.01.31
powered by ブクログタイトルに興味を惹かれて購入。 精神科医で、医療少年院にも勤務経験のある作者が描くエッセイ。 非行少年の多くが、認知に歪みを抱えていることに気付く。タイトルの通り、「丸いケーキを3等分に切ってください」と問題を出すと等分にできないという。 彼らがどのように歪みを抱えているか、そしてどのように支援していくのかに焦点を当てたエッセイ。編集の問題か、言い回しがくどいところはあるが、問題を捉えるきっかけにはなると思う。
1投稿日: 2021.01.29
powered by ブクログこういう子は学校を覗けば普通にいっぱいいる。先生が子ども達をいかに導けるかが問題。別にケーキが切れないからって障がいでもなんでもない。苦手なことは誰にでもある。非行をすることでしか、自分の存在を確認できなかっただけ。
0投稿日: 2021.01.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
障害者を "可哀想"な人と表現するのはあまり好きではないけど 「自己肯定感を高めなきゃいけない」「寄り添う」 としか言えない支援者は違うと思う、というのは概ね同意した 支援の現場にいると、いわゆるボーダーの人とたくさん出会う 自分の職場は"障害者"とラベリングされなければ使えないけど、その前段階で困ってる人にはたくさん出会う そういう人たちが見落とされている現状、相談できる能力がある人たちしか機関に繋がりにくいというのは改善すべき点だと思う 自分の職場ではリファーしながらやるしかないというのが現状だけど、そこから少しずつ糸口を掴めればと思う
0投稿日: 2021.01.28
powered by ブクログ新書にしてはスラスラと読み進めることができた。 とある非行少年がみている世界が、びっくりするくらい、嘘だろ?と思えるくらい歪んで見えることを突き付けた一枚の絵は衝撃を受けた。これだけ歪んでみえたら、混乱するだろうと。非行に走るにいたる傾向が分かったし、飛行に走らせないための提案も書かれていてよかった。
0投稿日: 2021.01.28
powered by ブクログずっと読みたかったけど、何故かなかなか手に取れなかった本。 少年犯罪と知的能力の相関性。感じてはいたけど、この本を読んで納得した。青少年達の問題行動の奥には、様々な生きにくさが隠れてたのか…トレーニングでなんとかなる可能性があるのかと思ったら、少し救われた。 是非とも学校の先生に読んでもらいたい。
3投稿日: 2021.01.28
powered by ブクログ非行少年ではないけれど、どうしてうちの男どもは...と思うことがある。力加減がおかしくて物をよく壊したり、目の前で見せてることが真似できなかったり、直せそうなことを注意しても内容を吟味せずただキレるだけだったり...これを読んで納得させられた。こちらのアンガーマネージメントのためにも知るって大事。怒りがなくなるわけではないけど半減はする。そして関わりかたも。こちらに余裕があれば持っていき方も変わるかなぁ。
0投稿日: 2021.01.28
powered by ブクログ衝撃的なタイトルについ興味本位で読んでみたくなりました。そして、最後まで興味本位から抜けられなかった気がする。著者も、著者は医師だから当然なのかもしれないけど、少年たちを可哀想な人たち、という視点で見ている気がして、少し違和感があった。 犯罪者を納税者に変える、という考え方は、直接的すぎるかもしれないけど、適切に対応してもらえたら、犯罪者にならず、幸せに生きることができたのかもしれない。
0投稿日: 2021.01.25
powered by ブクログ平積みでよく見かけていたので気にはなっていました 認知の問題に欠陥があるのにケアに引っ掛からず、見捨てられ、いじめや虐待からストレスを抱えて非行に走る人が多い実態を解説している 自分の身の回りに該当するこどもはいなかったか いた時にどう救ってあげられるのか、考えさせられた
0投稿日: 2021.01.24
powered by ブクログ非行少年の話が中心であるが、低学力層における社会問題だけでなく、高学歴層も踏まえた、現代教育の考える力など育成にも応用が効く内容だと思う。現在の教育の主眼が、知識の注入ではなく、生きる力に代表される能力の育成だと考えたならば、作中でも出てきた認識能力の育成は高学力層、低学力層にかかわらず、子供たち全員に体系立てて育成するべきものである。 最近の子供たちは考える力がない、読解力がないなど、批判されるケースが少なくないが、なぜないのか、その力を育てるためにはどうしたらいいのかというヒントがこの本にはあると感じる。 とても勉強になる本であった。
0投稿日: 2021.01.23
powered by ブクログとても興味深い内容でした。 ただ自分が被害者になったら、と考えると怖いですね。 周囲に本で書かれているような人が存在するかもしれないと頭の片隅に置いてこれから過ごそうとおきます。 そしてちょっとこの人変だなぁと思っても、決めつけずに応対できる人になろうかな。 SSTとかで生きやすくなれば、当事者も部外者も少し楽になれるのかな。
0投稿日: 2021.01.23
powered by ブクログ困りごとのある子への対応として、良いところを見つけて褒める。よく話を聞いてあげる。は解決にならない。 どうしたら困らず過ごせるようになるのか。 子どもの心に扉があるとすれば、取手は内側にしか付いていない。 コグトレ。
0投稿日: 2021.01.21
powered by ブクログ題名と帯に興味をそそられて読んだ。 作中には何度か非行少年たちが受けたテストが出てきた。読んでいると彼らのようにテストの答えに困るであろう知人の顔が何度も浮かんだ。 行動パターンや育ってきた環境が本に出てくる非行少年の特徴とかなり似ていたからだ。失礼なことだとは思うが、もしかしたら診断を受けていないだけで知的障害や境界認知を抱えているのかもしれない。 今まではその知人に対して、まさに学校教育のようにご機嫌をとったり話を聞くだけ聞いて受け流したりしていた。 筆者が言うように根本的な問題解決を行わないと知人はいつまでも問題行動を起こし続けると思う。 私はその知人の問題行動によって被害を受けた側なので、支えようとは思わない。根気強く支えてくれる人が現れることを期待している。
1投稿日: 2021.01.19
powered by ブクログタイトルから、てっきり「ホールケーキを買って家族で誕生日やクリスマスを楽しむような経験をした事がない子供達」の話かと思ってしまった。 …全然違いました。 ネタバレになってしまうので、言いたい事を飲み込みますが、子供が非行にはしるのは家庭環境が起因しているのだなと改めて感じました。 でも難しい問題過ぎますね。
1投稿日: 2021.01.18
powered by ブクログ育ちのつまづきがいかに人生に影響を及ぼすか、子ども達の未来を描く力は、教育の方を味方につけなければいけない。発達のつまづきが、認知の歪みに、認知の歪みは、学業不振、学校からのリタイヤ、非行、犯罪、心身症、神経症、精神病。キリがない。どうか子ども達の未来を諦めないシステム作りと教育を
0投稿日: 2021.01.17
powered by ブクログ少年たちが非行に走ってしまうその背景に、知能の低さが原因の一つとしてある。著者が実際に彼らと関わり、支援を必要としているのに忘れられていることを強く説いた内容。学校教育における支援が必要だと。 これは、教育現場で働く者たちに対するメッセージだと受け取った。犯罪者を生まない社会を作るかどうかは教育者に委ねられていると。
0投稿日: 2021.01.16
powered by ブクログ2021年1冊目の本。 興味深くて読みやすい内容ではあったが、タイトルのつけ方が天才だと思った。 反省以前の少年たちが大勢存在していること、現状の教育現場の問題点、「子どもの心に扉があるとすれば、その取手は内側にしかついていない」論、、なるほどなと思った。
0投稿日: 2021.01.16
powered by ブクログ気になったところ覚書 褒める教育だけでは解決しない。 非行化を防ぐためにも、勉強の支援が大切。 自分の不適切なところを治したいときは、適切な自己評価がスタートになる。 札幌の地下鉄のホームの話、興味深かった。ホームに鏡を設置したら、飛び込み自殺が減った。自分の姿が見えることで、自己に注意が向いて自己規範が減ると思われるらしい。 自分が変わる動機付けは、自己への気づきと、自己評価の向上。
0投稿日: 2021.01.15
powered by ブクログ論文を読み終わったような気持ち。 発達障害とか知的障害の診断がついとってもついてなくても 子どもたちが適切な支えがあるような 教育体制になってほしい。 そのために私も勉強を続けていこうと思う。
1投稿日: 2021.01.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
・社会的に気づかれにくい障がい ・“普通”を押し付けることの暴力性 ・生きにくさの正体 完璧に普通な人なんていない。ほんの僅かでも普通からズレてる一面は、誰にでもあると思う。 そういう違和感をなんとなくでも感じたことがある人は、その違和感を決して忘れてはならない。 そして、そのような違和感を他人に抱かせてしまってはいけない。 そのズレが少数派であればあるほど、普通を押し付けられた時のストレスは大きくなると思う。 そのことを頭の片隅にでも置いておけば、 思いがけず1人の子どもを救うことがあるかもしれない。
0投稿日: 2021.01.13
powered by ブクログ話題の著書ということで購入。 「反省以前の子どもたち」というフレーズが印象的だった。知的障害を患っていれば、世の中が全て歪んで見える?と、いうことはこちらが何を伝えてもストレートには受け取れていないということだろう。そう考えると、恐ろしい。こちらのエゴになっているし、教育にならないね。 まずは、こういう可能性があることに触れられたことで、新しい視点を持てた。 「もしかしたら、この子は理解が追いついていないかもしれない」と考えることで、アプローチを変えることもできるだろう。 とにかく、明日から生徒と接する時は「もしかして」を頭に入れ、丁寧な対応をしていきたい。
0投稿日: 2021.01.13
powered by ブクログ一言で言うと、犯罪を繰り返す人は何かしら障害を持っているということ。 私は正直に長年そうだろうな〜とは、思ってました。 みんな凶悪犯罪者とか変わってる人を「普通じゃない」っていうけど、 普通じゃない、を具体的に言うと知的障害があるということ。だったんですよね。 恵まれている家庭に育った子は、早い段階で障害に気づいて病院に連れて行くけど、そうじゃない子は頭ごなしに怒られるだけでどんどん自尊心がなくなる。本人もとても生きづらかったと思います。 安直に「障害を持ってたって罪は軽くならない」レビューのなかに「病名つければ許されるのか」「なんでも病名つけやがって」とか、そういう感想を持ちそうだけど、 そうじゃなくて!!! まず幼少期に犯罪にまで至らない為のサポートが重要。 やってしまった人には再犯しないための適切なサポート(例としては衝動に負けない、未来を予測して動く力を身につける)が必要。 頭ごなしに、反省しろ〜とか厳しいことをやらせたって全くの無駄であると理解しました。
0投稿日: 2021.01.12
powered by ブクログ衝撃的、自分が無知すぎたし、"認知障害"を世の中で知られていない状況にも驚き。 支援を受けるべき人が、非行化してしまう状況が悲しすぎる。 認知障害は分かりにくいし、知ってる人がいないのが問題なので、もっとこの本が広まればいいな…。
0投稿日: 2021.01.11
powered by ブクログ内容は多くの人のレビューにあるのでいきなり感想など。 まず、認知の歪み、というものが門外漢からするとショッキング。 少年院の受刑者に、ちょっと複雑な模様を書き写させるとデタラメ。これに限らずそもそも、世の中の多くのことが歪んで見えているのかも、と。 想像力、例えば近い将来を予想する能力、の不足。短絡的な行動。ニアリーイコールとして共感の欠如。 そう言えばついこの間、「自分をコントロールする力 非認知スキルの心理学」を読んだばかり。 認知能力だけでは花は咲き切らない、非認知スキル、端的に言えば明日のために今我慢するスキルが問われる、というような話だった。 一方で、出発点の認知能力でハンデを追い、それが原因なのか結果なのか、想像力も足りない若者が一定数いる。 自分をコントロールすることでここまで来た、オレは努力した、タイプの人間はこういう入門書で基本的なところを理解しないと実情を知らないままになりそうだ。本書を読めば、苦労している子供達に対してもう少し援護射撃できることはありそうな気がするし、現にそれに粘り強く取り組んでいる人もいる。 少年院に収監されている若年犯罪者を納税者にする、というメッセージは、過剰な自己責任論者を正面から敵に回さず、かつ、愛のある姿勢で心打たれた。 私もこの辺ものを知らなすぎたようだ。
13投稿日: 2021.01.11
powered by ブクログ特別支援教育について理解を深めることは、現代の教師には必須だと思う。スポーツで、いくら技術を教えても、身体能力がそれに見合わなければ身につくはずがないのと一緒。実践的な取り組みをしてみたいが、学校教育の中にどう取り入れていくかが難しい。
0投稿日: 2021.01.11
powered by ブクログ分かりやすい文章ですらすら読めますが、内容は衝撃的。どうして短絡的に犯罪に手を染めてしまうのだろうかとニュースを観ていて思うことはあったが、選択肢を思い付くこと、罪を犯すことで自分がどうなるのかを想像すること自体ができないのだと知った。
0投稿日: 2021.01.10
powered by ブクログベストセラーという触れ込みを見て買ってみた。人の頭の中身って、そんなに簡単に客観的に見えて、分析できるものなの?とどうしても疑ってしまった。どんな迷惑行為にも、病名をつけて、正当化しているように感じてしまった。そして分析までは可能だが、解決策はない、ということか。
0投稿日: 2021.01.09
powered by ブクログずっと読もうと思って買っておいたので、やっと読めてよかった。子どもたちと接することが少ない人たちにはぜひ読んでもらいたい。読んだからといって、自分にできることは少ないが、理解することはできる。
3投稿日: 2021.01.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2021/01/07 読了 少年院などの非行少年達の抱えている 問題を取り上げた著書。 著者自身の勤務経験(精神病院や少年院)を 通して問題を描いているので、説得力がありました。 決して悪さを働きたいとは考えていない彼らが なぜ非行少年となってしまうのかを 彼らの考え方に基づき 非行をしてしまう原因を分かり易く分類しており、 その結果どう対処していくべきか、どう対処していたかを書いていました。 <感想> 私は本書を通じて 問題を整理し、解決に向き合うことの大切さ それを教える教育の大切さを認識し、 将来自分の子供はもちろん 現在の自分自身にも向き合うべき問題はないか、 あったら紐解いて対処しなければいけないと感じました。 元々、犯罪者は育った環境などによるものが大きいと 自覚しているつもりでしたが、本書を読んで まだ理解や共感が薄かったと感じました。 難しい問題を書いていますが、 そこまで暗く書かれておらず 文章の構成力や図解などにより非常にわかりやすく、 あまり活字が得意ではない私も時間をかけずに読み終えることが出来ました。
0投稿日: 2021.01.08
powered by ブクログ読みやすいが内容は衝撃的だ。 医療少年院には丸いケーキを三等分することも出来ず、犯罪を反省するだけの知的能力がない子が多い。 35人学級には境界知能IQ70-84の子どもは5人もいて、知的能力も身体能力も対人関係能力も劣るため、虐められ、非行に走りがちだが、知的障害児には当たらないので何ら特別な配慮はされない。 数多くの取りこぼされた子ども達が犯罪者になるのは悲し過ぎる! 筆者発案のコグトレが効果が出ているのが救いだ。
1投稿日: 2021.01.07
powered by ブクログ久々に衝撃を受けました。本書を読んで改めて幼少期、小学校低学年期の教育がいかに重要かがわかった。中高での救いはもはや手遅れ以外の何ものでもない。九九できん子が中学校の数学なんか苦痛でしかないやろうに。
0投稿日: 2021.01.05
powered by ブクログ丸いケーキを3人で平等に分けるにはどこに切れ目を入れたら良いか。彼らが入れた切れ目の絵を見て絶句した。幼児ではない少年らの絵だ。これを見たのがこの本を読むきっかけだった。 犯罪の加害者になってしまう少年たちには発達障害、知的障害が隠れているにもかかわらず、反抗的な態度、ヤル気のない様子、コミュニケーションも勉強も苦手でついていけずに周囲に馴染めず、蔑まれ、罰を与えられ、そうやって低い自尊感情しか持てず理解も配慮もされずに生きている。 本来なら守られて大切に育てられなければいけない少年たちが、障害を見つけられることなく反抗的な態度が治らないと精神科に連れて行かれ、飲まなくて良い薬を飲まされ依存症になっていく。 こんな現実を知り胸が痛くなった。私が胸を痛めたところで何も変わらないのだけど…。 「教育の敗北」 この本で一番印象に残った衝撃を受けた言葉だった。
0投稿日: 2021.01.05
powered by ブクログ非行には認知機能の弱さが関連している。最後に認知トレーニングの紹介がある。非行だけでなく発達の偏りがある子どもにも利用できる方法と感じた。
0投稿日: 2021.01.05
powered by ブクログ解決策として学校教育にそこまで求められても…。 世間一般の人が読むのに誤解を招きかねないというか…。 教育現場の人なら、この本に載ってるようなことは知っていると思う。教育に携わる人に知ってもらいたいなんて、感想が溢れてるけど、知らない人なんているのかね。
0投稿日: 2021.01.03
powered by ブクログこどもが少年院に入ってしまうということは教育の敗北、という言葉には納得。知らなかった発達障害・知的障害児を含め能力が低い子供の現状も知ることができた。 しかし、「認知能力や実行機能が低い子供だから犯罪に誘われたら断れる訳ない、その良し悪しも考えられる訳ない」と結論づける書き方は少し乱暴に感じた。
0投稿日: 2021.01.03
powered by ブクログ犯罪を犯してしまう子どもを誹謗中傷だけで終わらせる時代はもう終わったと思った。この著書はネットで匿名で書き込めるコメント欄でただ世間を嘆くだけの全ての大人に読んで欲しい。犯罪を肯定しているのではない。ただ、知る事は大切だと思う。
0投稿日: 2021.01.01
powered by ブクログ自分がなんで、、、と思っていること。ほんとにおかしいなぁと思っていたことに関して、おかしかったのは自分自身だったのかなということに気づけた。 学校が 教育では障害ばかりがフォーカスされ、知的障害はあまり重視されない。また、学校での褒める教育は問題の先送りであって、根本問題の解決を先送りしている、ということにとても共感した。計算、漢字ができない子にそれをひたすらやらせるのではなく、さらにその基礎となるコグトレをやることはとても重要性かあるり
0投稿日: 2021.01.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「AI vs 〜」と同じ類の話かと思ったら、本書はそもそもの「認知」にフォーカスを当てた話だった。だがこちらも、皆が当たりまえにできると私たちが思っていたことが、実は当たり前にできるものではないと気づかせてくれる本であるため、「AI vs 〜」を面白く読めた人にも是非お勧めしたい本である。 さすがに今までの人生で周りの子供たちの「認知機能」まで疑ったことはなかったので、本書の内容はかなり衝撃的だった。 「ケーキの切れない」子供は少年院に限らず、どこにでもいるだろう。ただ、少年院というそのような子供が集まりやすいところだからこそ、問題が明らかになったのかもしれない。 コグトレにより認知機能が向上するということだが、そこは実際にコグトレをやってみてのお楽しみということだろう。子供ができたら一緒にやってみたい。
4投稿日: 2020.12.31
powered by ブクログ子供に携わる仕事をしている人には読んでおいた方がいいと思う一冊。 読んでよかった。 反省の仕方がわからない子供たち、そのまま大人になる子供たち。 事件の見方が変わった、加害者がどうして加害者になったのかをみんなが知るべき
0投稿日: 2020.12.30
powered by ブクログ心理学分野の専門用語もたまに出てくるが全体として平易でさくさく読める。1時間ほどで読了 ・認知機能(見る力と聞く力) ・認知機能を補う想像力 ・遂行機能(実行機能とも 日常生活で問題が生じた際に、それを解決するために計画を立て、効果的に実行する能力) 等々に課題がある子どもへの支援が重要。 具体的には、 ・社会面(感情をコントロールできるようになることと社会性の獲得) ・学習面 ・身体面(身体的不器用さの低減) の3つからの支援が必要であり、社会面については学校で系統立てて教えるべき。学習面、身体面については著者が考案したコグトレが有効であろうという内容。 第4章、遂行機能や認知機能に課題がある子どもはどれだけいるのか?という問いから、軽度知的障害や境界知能に該当する子どもがどれだけいるかという話に移行しているが、そこの論理の流れが少し分からなかったので星マイナス。
0投稿日: 2020.12.30
powered by ブクログ書店でセンセーショナルな売り出しをされていたので立ち読みをしたら止まらなくなってしまって買って一気に読みました。 心理学を勉強しているので、時々読み返してモチベーションにしています。
0投稿日: 2020.12.29
powered by ブクログ話題になってるのは知ってたけど、ウチは幸い関係ないのかな、と思ってスルーしてた本。嫁さんからリクエストあって買ったんで、借りて読みました。 薄々聞いてたものの、読んでみるとスゴいなと思ったり、ただちょっと世界が遠過ぎてピンと来てなかったり。それはこっちの受け取り方の問題やけど。
0投稿日: 2020.12.29
powered by ブクログできない人には「そもそもの基礎的な読解力がない」という視点を与えてくれた本。 なぜ勉強ができる人とできない人、コミュニケーションを上手く取れる人と取れない人がいるのかと言うと読解力の欠如や認知の歪みによって世界が正しく見えていないということが原因ということらしい。クソリプや的はずれな批判をする人間は最初の時点でつまづいているという分析はストンと腹に落ちた。
1投稿日: 2020.12.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
知的・発達障害を持つ子達に関する書籍 小学校の早い段階で気づいて対応してあげられる環境が大切、もちろん言うが易しで、とても難しいことだとは思うが、、 教育者の皆さんには是非読んでみて欲しい本だと思った
0投稿日: 2020.12.27
powered by ブクログ非行少年達の実情を医療少年院に勤務した臨床心理士がまとめたもの。自分の全く知らない領域の内容であったせいか、これ本当なのか?と何度も確認しながら読み進めてしまった。世の中は本当に色んなことがある。残念ながら非行少年と呼ばれる様になってしまった少年たちが、少しでも社会生活で困らない様に改善される事を切に願う。
0投稿日: 2020.12.27
powered by ブクログとても勉強になりました。犯罪を犯す人の根幹に少し触れたような感じでした。人に関する仕事においては大変参考んなり、対応策を考える糧になると感じました。コグトレには興味津々です。
4投稿日: 2020.12.27
powered by ブクログ現場の状況が赤裸々に記されており衝撃的 100分de名著で取り上げられているディスタンクシオンでも語られるような教育と社会階級や格差の問題は知れば知るほど「じゃあどうする?」の壁があまりにも高く感じられ、無力感に絶望したくなってしまう
0投稿日: 2020.12.27
powered by ブクログ・丁寧な文体で読みやすかった。 ・心理学でしかも医療、教育、司法の3領域にまたがり、分野的にもちょうど良かった
0投稿日: 2020.12.25
powered by ブクログ流行っているので読んでみましたが、けっこう衝撃の内容でした。 平均して35人のクラスで下から5人が認知機能等に問題ありという統計。少年院ではこの割合がさらに50%ほどになるそうです。 ADHDとかだと薬が効きますが(私も飲んでました
0投稿日: 2020.12.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
何故少年達が犯罪を犯してしまうのか、また起こした理由や環境として何が考えられるのか、今まで自分が考えてきたものと異なる視点から見ることを気が付かされた。 少年達が社会復帰をし、より良く過ごせるためにも私たちが思いとして持っていられるものは何であるのか、実際に関わることの少ない職種や環境であったとしても、考えることのできる一冊であった。
0投稿日: 2020.12.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
<目次> 第1章 「反省以前」の子どもたち 第2章 「僕はやさしい人間です」と答える殺人少年 第3章 非行少年に共通する特徴 第4章 気づかれない子どもたち 第5章 忘れられた人々 第6章 褒める教育だけでは問題は解決しない 第7章 ではどうすれば?1日5分で日本を変える <内容> 近年目立ってきた「非行少年」(本当は目立ったわけではなく、ほかの犯罪が減って、報道されやすくなっただけかも?)。そこを行動面からスポットを当て、「非行少年」=障害のある少年(一部ね、一部)。治療すれば効果があることも示している。ケーキを3等分できない彼らは、小学校2年くらいから、生きづらい学園生活をおくって来たらしい。中学校になると顕著になり、できないことからやる気をなくし、作業の遅さゆえに、いじめられ、暴れて「非行少年のレッテルを貼られる。あとは悪循環。しかしこの本を読んでいても、現在の学校教育では、彼らを救うのはかなり難しいと感じた。
0投稿日: 2020.12.21
