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父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。―――1万年前から現代まですべてを紐解く「資本主義」全からくり
父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。―――1万年前から現代まですべてを紐解く「資本主義」全からくり
ヤニス・バルファキス、関美和/ダイヤモンド社
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総合評価

384件)
3.8
92
143
98
21
4
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    2025/10/08 著者の意図「君には今の怒りをそのまま持ち続けて欲しい。でも、賢く戦略的に怒り続けて欲しい気が熟したら、その時に必要な行動をとって欲しい。この世界を本当に構成で理にかなったあるべき姿にするために」 交換価値と経験価値p50 交換価値は、お金と商品の交換 経験価値は、本人の意思と経験との交換(献血を無料でやることや、溺れている人を助けること) そこにお金が発生すると、経験と交換を嫌がる人がいる →感謝の意を伝えるときに、対価が必要でない時がある p124 狩人のジレンマールソーの寓話? 集団で狩りが必要な鹿と、個人で狩りが可能なうさぎ 鹿を狩ることで、数日間は仲間内で全員助かるが、彼なければ手ぶらで帰ることになる。うさぎであれば、その日のご飯にはありつけるが、毎日からなくてはならない。 狩人はもし鹿を狩ることができなければ手ぶらで帰ってしまう心配と、目の前のうさぎを狩らないように意識を作ることのジレンマに駆られる →自分とチームを信じることが大切、信じさせることが大切 労働力と賃金 賃金が2割下がることにより、経営者は給料2割安く払うことで助かる面がある。そこで浮いた2割の金額で新しい労働者を雇うことができ、生産性を上げることができる。しかし、世の中の労働者が2割給料が削減されると、購買力も低下する。そこで、自分が売っているものを労働者が買えなくなることを懸念すると、新しい従業員は雇えなくなる。 経済において、集団が全員楽観的であれば、楽観的が事実になる。全員が悲観的であれば、悲観的なものが事実となる。 →実際の事実よりも、みんなの感情や思いが事実となる 支配者だけが国を支配する権利を持っているように振る舞うと、庶民は支配者が権力を維持することができる。その物語や理想感、宗教を作り込むことが大事。 →洗脳、まずは価値観のラベリングをしてから行うと測りにくいのかな?

    1
    投稿日: 2025.10.04
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    2度読んだ 1度目は高校3年生のとき。 2度目は大学2年生のとき。 これを読んで市場社会への疑念を培った。 当たり前と受け入れていた社会の歪み。

    0
    投稿日: 2025.09.12
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    映画「マトリックス」のたとえ話はままあるが、 映画を観ていない人は分からないかもしれないと感じた。 「エピローグ」の中に、とても考えさせられる文章があった。

    0
    投稿日: 2025.08.16
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    経済とは市場とは何かをイメージしやすい様に 映画や日常を喩えに書いてある。 原始的というか、ややこしい経済や市場に対する考え方に対して、概念的というか骨組み的な感じで書いてある。 わかりやすい例もあったが、思想的なところでイメージし辛く感じるところもあった。

    7
    投稿日: 2025.08.15
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    投稿した順序が逆になったが、同著者の「テクノ封建制」からの流れで手に取った。気づきようもなく経済市場にどっぷりと浸かった生活を送り「交換価値」としての地球破壊に加担させられている、また生活するために一部の金持ちに搾取されている、そんなそんな構造が垣間見える一冊となった。

    0
    投稿日: 2025.08.13
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    タイトル通り、10代の娘に話す口調で書かれていて、経済を映画や神話を例を挙げながら語っているので、わかりやすい。経済学の見方も180度変わった。こういう話を10代の時に聞きたかったし、今の若者にも読んでほしい。

    0
    投稿日: 2025.08.09
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    たとえ話を多く用いて、経済とは、市場とは何かを解説してくれる本。 生き残るために必死になった結果、余剰を生み、その余剰が生み出したものが必死にならなかったものを淘汰する。この結果は環境が生み出したものであり、それ以外に差はない。 すべての民主化か商品化か、それしか選択肢はないのだろうか。

    0
    投稿日: 2025.07.21
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    この方は、ギリシャの財政再建で奮闘した「黒い匣」を書いた方です。 黒い方は難しかったですが、この白いのはタイトル通り分かりやすかったです。 経済は「余剰」があるから出てきた、だそうです。「余剰」を持つことで周りへの影響力、つまり権力が産まれ、権力を維持するために競争が産まれ…と膨らんでいった結果、全てが金銭のやり取りの対象になる今に至る、とざっくり言うとこんな感じです。 お金の発明も、集団思い込みに近い、信頼を全員が持っているから、あのペラッペラな紙に価値が出るわけで(偽札防止技術、とかまで価値に入れるともしかすると妥当な価値かもしれませんが、原材料費で考えれば一万円札作るのに一万円はかからない)。 最近はそのペラッペラな紙すら無くて大丈夫な、データ上の数字だけで経済が回ってますしね。 で、更に経済は借金から始まるというのもなるほどと思いました。 そのお金を貸してくれるのは銀行ですが、銀行はどこからお金を持ってくるかというと、何もないどこかそのへんから。 データ上でちゃちゃっと貸す相手の口座に現金が出れば貸し出し完了なので、まあそうなりますよね。 これがちゃんと回収できるかどうかは、借りるときの予想が当たるかどうか。この予想というのは、皆がお金の流れをどのように信じて行動したか、です。 うーん、バブルの頃と今と、正も負もスパイラルがイメージしやすいですね。 どっちにせよ、権力持つと人間はろくなことをしない生き物かもしれません。 経済の話なのに何故か感想がこうなる

    0
    投稿日: 2025.06.15
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    経済について分かりやすい言葉、ナラティブに乗せて解説。未来へ想いを託す語り口が良かった。決して偉ぶらず、分かりやすい。市場民主化できるかな

    0
    投稿日: 2025.05.14
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    通信大学の単位を取るために、勉強していてその中で読みました 最初は少し難しかったので。2回読みました 2回目になると理解出来てきた ストーリー仕立てなので、 飽きずに最後まで読めた

    34
    投稿日: 2025.04.26
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    経済の基礎の基礎が分かってなくても、例え話な分かりやすくて理解できることが多かった。 ニュースで聞く経済用語や政策の意図が少し分かった気がする!ニュースを追ってたまに読み返して、理解を深めたいと思った。

    3
    投稿日: 2025.04.19
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    経済の基本的なことが平易に書かれていて、専門用語も少なくわかりやすい。例え話が多く、時折説明が回りくどいと感じる部分もあったが、全体的に理解しやすい内容だったと思います。

    10
    投稿日: 2025.04.15
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    京大卒で現ケンブリッジ大で研究者をしている友達の、お父さんおすすめの1冊。 鉄銃病原菌のジャレドダイヤモンドの話を友達としていて、この本が出てきて読んでみた。 上手くまとめられているけど、後半読みずらい。 途中で挫折しそうになった。。

    2
    投稿日: 2025.04.08
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    交換価値と経験価値の違いが興味深かった。コスパやタイパといった言葉からも、「交換価値」をいかに高めるかといった雰囲気が現代には充満していると思う。本書は経済がいかに人間臭い学問かを教えてくれる。

    2
    投稿日: 2025.04.06
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    とても分かりやすく、難しい専門用語ほとんどなしで説明してあります。そして、この本が書かれてから6年近くたった今、その予想が当たっているのを目の当たりにできます。中高生に是非お勧めしたいです。

    2
    投稿日: 2025.03.28
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    様々な例え話や神話を使って経済を分かりやすく伝えようとしているのはわかるが、余計に遠回りになっていることもあって、あまりピンとこないところも多かった。

    1
    投稿日: 2025.03.16
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    交換価値の視点だけで世界を見ようとする経済学全般、そして特に新自由主義。それに対して、様々な喩えや思考実験でもって批判を展開していく。排出権取引もまた大気を市場経済に取り込もうとする企みである等、なるほどの指摘が多数。締めくくりの文章も素晴らしい。ただこの一見易しそうな文章を理解するには、やはり経済、特に貨幣や金融に関する基本的な知識やイメージを持っていないと苦しいのではないかと思った。

    2
    投稿日: 2025.03.13
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    経済の入門書的な立ち位置としても使える一書。数年前に買って、最近もポップや帯や平積みされていたから、「よっしゃ読み切るぞ!」と決意して残り100ページくらいを読めた。マルクス経済のエッセンスも入ってるので、バランスが取れていると思う。 元国の大臣だったこともあり、話がリアル。歴史から現代まで、誰に対しての本(今回は娘)なのかが明確になっていると書くべきことも明確になり面白くなるだろうなと、物作りのコンセプトの大事さを学ぶ。

    11
    投稿日: 2025.02.03
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    経済学の諸概念を難しいデータなどを使わずに説明した1冊。 「誰もが経済についてしっかり意見を言える」という「経済の民主化」を筆者が大切にしていることに首肯した。 所々、「根拠は?」と疑ってしまう部分があるので、この本をきっかけにさらに経済学を勉強したくなった。

    2
    投稿日: 2025.01.19
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    資本主義経済の成り立ちについて、原子の時代から今までの流れをとても平易な形で記されており、読んでいてすっと入ってきた 特に印象に残った話は ・グローバル貿易で、羊を飼うために農奴が追いやられたことで、労働市場が形成された ・産業革命がイギリスで起こった理由として、軍隊が弱く貿易に頼るしかなかった・農奴の立ち退きを支援する王家があった・土地の所有権が一定規模で集約されていた ・分配が生産に先立つことにより、借金が生産プロセスに欠かせない一部になり、利益を追求するようになった あたり

    2
    投稿日: 2025.01.05
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    経済の誕生から現在の流れまで、色々な表現で教えてくれる本だと思う。特に収容所のタバコの話なんかはすごくわかりやすかった。実際に働いてお金を稼ぐ事がどういう事なのかをもう一度考えるいいきっかけの本だと思うので、是非おすすめしたい一冊。

    2
    投稿日: 2025.01.03
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    序盤にあった、なぜヨーロッパからオーストラリアへと侵攻し逆は起きなかったのか、と論じていたところが面白かった。 (このような話を主に扱う関連図書を見つけて読みたい) ギリシャ神話やマトリックスなど色々な物語などが例に使われているものの、その作品を知らずに理解しにくかった点もしばしば。

    7
    投稿日: 2024.12.31
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    面白かった。 「なぜ格差が存在するのか」という問いから始まり、経済史や金融の役割などの話を分かりやすい言葉で説明してくれた。進んでいくと、人としての在り方のような話になり、興味深かった。 市場社会は人間の欲望を永遠に生み出す、という文があり「足るを知る」という言葉を思い出した。

    5
    投稿日: 2024.12.18
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    めちゃ面白く、ためになる。一気に読める。格差は余剰から生まれた。余剰が結局経済を生み出す。 映画「マトリックス」の引用が良い。人工的に与えられる幸せで人間を満足するのか?という問い。 「満足した豚であるより不満足な人間である方がよい。満足した愚者であるより不満足なソクラテスである方がよい。そして愚者や豚の意見がこれと違っていても、それは彼らがこの問題を自分の立場からしか見ていないからである」 ジョン・スチュワート・ミル まぁつまり、自分の頭でちゃんと考えろって事。 「市場社会は見事な機械や莫大な富をつくりだすと同時に、信じられないほどの貧困と山ほどの借金を生み出す。それだけではない。市場社会は人間の欲望を永遠に生み出し続ける。」 そして今の世界を変える事を考えていけという事。企業の経営者や為政者が言う事なんてしょせん自分達の都合のいい事を庶民に伝え、庶民をコントロールしようとしているだけ。まぁその通りですね。

    3
    投稿日: 2024.11.15
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    難しい経済用語などはなく、一気に読めました。 仮想通貨や環境問題まで論じているのも面白いところです。たとえにマトリックスなどなるほどと思いました。 ★NHK「100分de名著forティーンズ」で「ただのお金の話ではない」と話題沸騰! ★NHK「理想的本箱 君だけのブックガイド」で絶賛! ★「朝日新聞」(梶山寿子氏評)にて 「とんでもなくわかりやすいだけでなく、とんでもなくおもしろい」 「知的好奇心を刺激するドラマチックな展開に、ぐいぐい引き込まれる」 「一冊で仮想通貨や公的債務の是非、環境問題まで網羅しているのも驚き」と絶賛! ★年間ベスト海外ノンフィクション(Apple Books) ★23万部突破! 読売新聞、毎日新聞、東京新聞、中日新聞、産経新聞、週刊文春、週刊朝日、 HONZ、NIKKEI STYLE他、絶賛・紹介続々! ★世界的ベストセラー! 25ヵ国で続々刊行! ★世界ってこういうものだったのか! ★「経済を知る」とはこれほど面白いことだったのか! ◎世界はどんな「仕組み」で動いているのか ◎なぜ一部の人たちだけに「富」が集中するのか ◎「経済危機」の裏に隠れているものは何か 「資本」や「資本主義」という言葉を 使わずに経済を語ったら、 とんでもなく本質がわかるようになった! 経済の本なのに「一気に読める」 「ページをめくる手が止まらない」と大反響! 読み終えた瞬間、世界が180度変わって見える! ★元財務大臣の父が、十代の娘に向けて、 シンプルで、心に響く言葉で本質を語り、 世界中で支持されている、 究極の「経済×文明論」! 小説、映画から、ギリシャ神話まで、 古今東西の知を総動員! もっともシンプルで、もっとも伝わる言葉で、 「世界」と「経済」の本質を捉えた書! ・なぜ、こんなに「格差」があるのか ・自分のことすら「市場価格」で測ってしまう ・すべての富は「借金」から生まれる ・「金融」の仕組みのウラ側とは ・「終わりの予感」が経済を崩壊させる これからの時代を生きていくために、 もっとも大切な「知識・考え方・価値観」を 一気に詰め込んだ、驚くべき一冊。

    16
    投稿日: 2024.11.04
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    この本は、経済学について知識がない状態でも面白く読むことができますが、マトリックスを見たことがない場合は、まずはマトリックスを観ることをおすすめします。 経済学は、公式のある神学である。 確かに、誰も真に経済のことを分かっている人はいないのに、全員がそれがルールだと信じ、そして振り回されていること。そして、一部の人種が、その状態を悪用しているという状況は、それに近いのかもと思いました。

    3
    投稿日: 2024.08.31
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    ちょっとだけ経済のことがわかった気がする。 土地や気候によって技術の発達スピードが変わってくる話や、自動化すればするほどモノを買える人が少なくなる流れなど、世の中の仕組みがほんの少しだけわかった。 狩人のジレンマの話も面白い。たしかに裏切ってうさぎを狩ってしまう人はいそう。

    3
    投稿日: 2024.08.29
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    作者の主張としては、「持続的な格差の少ない社会を目指すには今の資本主義に対して、経済リテラシーの高い民主主義」ということだと思う。 資本主義を市場社会と表現して、市場の成り立ちや特性について語っている。交換価値と経験価値という表現は、印象に残った。なんでも交換価値にしてしまう市場社会(≒評価経済社会@岡田斗司夫)の波は、プライベートを切り売りしていいねやフォロワーを稼ぐ現代の特性を上手く捉えている。経験価値については、貨幣価値や取引という概念から外れ、人の関係の下に成り立つ一種の関係性である。作者は、とある日の会食時の知り合いの船乗りから潜水して錨を直して欲しいという経験を元に、いい思い出として語っている。 価値の関係性から、労働問題にまで及ぶ。労働市場と狩人のジレンマ。皆が信頼し合って、大きな獲物を狩りに行くということは、持続的な格差の少ない社会という獲物を狩るためには、信頼し合うべきということも作者は主張しているのかもしれない。

    2
    投稿日: 2024.07.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    SFに影響を受けた著者のSFチックな経済本。数式は出てこない。数式アレルギー、SF好きの僕にはピッタリ。どこまでが現実でどこからがファンタジーなのか。経済はファンタジーなのでは?哲学的な要素もあり、興味深く、考えさせられる。 以下、ネタバレ。お気に入りの箇所。 「経済について語るとはつまり、余剰によって社会に生まれる、債務と通貨と信用と国家の複雑な関係について語ることだ」 「本物の幸福を味わえる可能性のある人生とは、何者かになるプロセスだ。ギリシャ人はそれをエウダイモニアと呼ぶ。「花開く」という意味だ」

    2
    投稿日: 2024.06.08
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    意外な切り口で描かれる経済の話。本書は網羅的では無いので、経済を網羅的に知りたければ、長沼伸一郎の「現代経済学の直観的方法」をオススメする。

    6
    投稿日: 2024.06.07
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    知識とかじゃない本当の理解のための経済の本。 今回は図書館で借りた為ひと通り流し読みで泣く泣く返却となってしまったが、ぜひ購入して読み深めたい本です。 たまたま我が家の高校生が授業範囲との事で、経済の話で盛り上がるという異例の事態(笑笑)

    11
    投稿日: 2024.05.19
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    どうやって銀行はお金を生み出しているのか? 自動化が進んでいるのに、どうして生活や仕事が楽にならないのか? など、今までなんとなくしかわかっていなかったことがわかるようになった。 経済は市場に参加している人の気分や気持ちで変わってしまう。 自分も振り回されずに、しっかり自分で考えていきたい。

    2
    投稿日: 2024.05.10
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    経済の諸問題について、馴染みやすい語り口で書かれた一般書です。 面白く読み通すことができました。 全てのものが商品化していくことで社会が大きく変化していったことや、商品価値が経験価値に勝るようになったことで環境問題が起こったことなどが印象的でした。 次は、より体系的な本を読んで、知識を固めていきたいと思います。

    2
    投稿日: 2024.03.06
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    父が娘に語る、というタイトルにもある通り、経済の成り立ちや事象について平易な言葉で語られている。マトリックスなどの映画に例えて説明する形もわかりやすかった。(映画を知っていることが前提だが)

    2
    投稿日: 2024.03.03
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    おもしろくて一気読みしてしまいました。 「私が絶対に嫌だし恐ろしいのは、気づかないうちに誰かにあやつられ、意のままに動かされてしまうことだ。」 「経済のような大切なことを経済学者にまかせておいてはいけないのだ。」 . 知ってよかったです。 知って意識して行動するのと、何も考えず行動するのは、全然違うから。

    2
    投稿日: 2024.02.27
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    題名通りとんでもなくわかりやすかった。 質問を出してたとえ話で答えていく形式。 特に、テクノロジーが発達して仕事が自動化するほど逆に経済が苦しくなる矛盾 仮想通貨が上手く成り立たない話 経済と宗教の関係 政治が経済に重要な役割を持っていること 漁師が魚を採りすぎてしまう話 など なるほどなあと思った。 翻訳もわかりやすくサクサク読めた。 年内再読予定。

    9
    投稿日: 2024.01.09
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    市場、環境、いずれも経済と政治が絡み合う。価値=「市場価値」vs「経験価値」それは人間が利益を追求するようになった世界から始まり、競争により多くの格差を生むようになった。また、現実には「作物を収穫する能力があるのに、飢えた人たちに配分することができない社会」を作り出した、と言う。社会は「余剰」を作り出し市場を独占、あり余った分は廃棄処分するというシステムに変え市場統制をしている、と言う。今後社会はAIロボットとの共存を余儀なくされるが人間の暮らす場所はあっても、工場など生産場所の仕事は失くなる。人間はただ単に消費する生物化し、物事は一才AIロボット(独裁者のように)が仕切る可能性も高く、人間との格差が生まれるだろう。更に追求すると「人間の求める幸せとは何か」、ここにある「無知は幸せ」になるのだろうか。

    14
    投稿日: 2023.12.22
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    分かりやすくするために、専門用語を避けたとある。しかし、そのために回りくどく、却って分かりづらくなってるように感じた。 自分はミーハーなので、ブレイディみかことか佐藤優とか絶賛!という煽り文句に踊らされてしまったが、そこまでいい本とも思えなかった。 読みづらさはあったが4日間くらいで読めた。理解できたかというと、疑問が残る。アマゾンレビューが参考になった。

    2
    投稿日: 2023.11.25
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    経済学者、元ギリシャ財務大臣が、お金とは何か、資本主義とは何かを平易な言葉で本質に迫る本。 わかったようでまだ理解しきれない。自分の言葉語れるようにもう一度読んでみよう。、

    2
    投稿日: 2023.10.22
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    資本主義は「市場社会」,資本は「機械」や「生産手段」と呼んで,経済を語る本。 経済学者による経済学が,経済という実態に役立たないのは,人間心理を考慮できないことによるものだからだろう。この本にはないが「セーの法則」なるものが経済学の前提となっているが,これは粗く言えば「供給量はいずれ需要量に合致する」というものだ。つまり「作った分,いずれは必ず売り切れる」ということ。は? 間違った前提に立てば,そこから作られる理論は現実離れしていて当然だと考えられる。 ***** 経済学者だけに経済をまかせておいてはいけないと思っていた。(p.1)  経済学を教える者として,若い人たちにわかる言葉で経済を説明できなければ教師として失格だとつねづね思ってきた。そしてもうひとつ,経済学を教える中でさらに強く感じてきたことがある。それは,「経済モデルが科学的になればなるほど,目の前にあるリアルな経済から離れていく」ということだ。  物理学や工学といった自然科学の世界では,理論が科学的に洗練されればされるほど,自然の働きがよりわかりやすく目の前にさらされていくものだ。しかし,経済学はどうも反対らしい。(p.2)  誰もが経済についてしっかりと意見を言えることこそ,いい社会の必須条件であり,真の民主主義の前提条件だ。(p.2) 専門家に経済をゆだねることは,自分にとって大切な判断をすべて他人にまかせてしまうことにほかならない。(p.3)  みんなが貝殻(通貨)を信用して,貝殻に価値を認めるようになるには,とても力のある誰かや何かが支払いを保証してくれることを,全員が認識していなければならなかった。たとえば昔なら神託を受けた支配者や,高貴な血筋の王様や,そのあとになると国家や政府が保証してくれることが必要だった。(p.32)  経済について語るとはつまり,余剰によって社会に生まれる,債務と通貨と信用と国家の複雑な関係について語ることだ。  この複雑な関係をひもといていくと,余剰がなければ国家はそもそも存在しなかったことがはっきりとわかってくる。(p.33)  君には,いまの怒りをそのまま持ち続けてほしい。でも賢く,戦略的に怒り続けてほしい。そして,機が熟したらそのときに,必要な行動をとってほしい。この世界を本当に公正で理にかなった,あるべき姿にするために。(pp.43-44)  値段のつかないものや,売り物でないものは価値がないと思われ,逆に値段のつくものは人の欲しがるものだとされる。  だがそれは間違いだ。いい例が血液市場だろう。多くの国では,人々は無償で献血している。誰かの命を救いたいという善意から,献血するのだ。では,献血におカネを支払ったらどうなる?  答えはもうわかるだろう。献血が有償の国では,無償の国よりもはるかに血液が集まりにくい。おカネにつられる献血者は少なく,逆におカネを支払うと善意の献血者はあまり来なくなる。  グッズ[goods]と商品[comodity]の違いがわからない人は,どうしておカネを支払うと献血者が減るのかを理解できない。おカネを受け取りたくないから献血しない人がいることが,わからないのだ。(pp.49-50) 「皮肉屋とは,すべてのものの値段を知っているが,どんなものの価値も知らない人間」だとオスカー・ワイルドは書いた。  現代社会はわれわれを皮肉屋にしてしまう。世の中のすべてを交換価値でしか測れない経済学者こそ,まさに皮肉屋だ。彼らは経験の価値を軽んじ,あらゆるものは市場の基準で判断されると思っている。(p.50)

    2
    投稿日: 2023.10.09
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    数字を使った難しい話じゃなく、よりシンプルにお金という存在がこの世界に生まれた瞬間から、それによって人の行動が操作され、またその人の行動によって、経済が動くという流れが面白い例を交えながら誰でもわかるように書いてあった。 楽しみながら読める経済の本

    2
    投稿日: 2023.10.08
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    知っているつもりだったことをさらに平易にわかりやすく教えてもらって、経済についての問題点(特に資本主義経済)がわかりました。普段聴いている融資、債券、インフレなどそう言われてみればそういうことか、と納得しながら読みました。さらにこの本では説明するだけではなく、先にも書いたように問題点も指摘しており、私たちがこれからどうしたら良いかきめていく必要性について述べています。知らないふりはできないんだな。生きている限り経済問題からは抜けられないということか。

    4
    投稿日: 2023.09.23
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    娘に小説のように経済を語るけれども、その内容に引き込まれた。歴史の中で経済が成り立っていくのがよく分かる。戦争と同じで、経済でも人間は何度も同じ過ちをすると確信する。もう一度読みたい。

    1
    投稿日: 2023.08.13
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    ◆農作物の余剰が、人類を永遠に変えるような、偉大な制度を生み出した。 Ex. 文字、債務、通貨、国家、官僚制、軍隊、宗教… →農耕が発達しなかった社会(南アフリカ)では、文字が発達しなかった ◆何も持たない人を見ると、同情してそんな状況に怒りを感じるけれど、自分たちの豊かさが、彼らから何かを奪った結果かもしれないとは思わない。 ◆産業革命によるグローバル化は、「偉大なる矛盾」を生み出した。「思いもよらないほどの富」と「言葉にできないほどの苦痛」が共存する世界ができあがったのだ。 ◆市場の参加者はみな悪い予言を自ら実現しがちなのだ。

    0
    投稿日: 2023.08.01
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    経済学部出身ですが、大学時代にまともに勉強しなかったので、 大人になってから色々と疑問が出てきたことにスッとではないですが、 読み手に考えるように一歩ずつ誘導しながら、 答えを教えてくれる本でした。 最後は自身の生業をこき下ろし、 ※厳密には、世間一般の経済学者は嘘ばかりついて、 政治的に関与しているか、 または、ハリボテの経済理論を展開して、 一般社会に全く役に立っていないという、 事態に陥ってしまっていることを憂いでいるという意味です※ 娘に語るというよりも、 世界全体に便利になっていく世の中の代償について警鐘でもなく、 周りの出来事で違和感を感じる場合は、 そのまま受け入れずに考えて欲しいと願いが込められた内容となっています。 筆者自身が違和感を覚える出来事があり、 現在の職業に辿り着いた理由も書かれています。 私の個人的な意見としましては、 欲望を満足させることと本物の幸せの違いについて筆者なりの見解は興味深かったです。 無知は幸せという前提で、 本物の幸せには無知と正反対の何かが必要だと説きます。 本物の幸せを味わえるようになる人生とは、 何者かになるプロセスではないかと、 その人自身の人生が少しずつ花開いていくというプロセスの中で、 性格、思考、好み、欲望といったものは常に変化していくと述べられています。 では、なぜ変化していくのかというと、 それは衝突があるからと結論付けています。 全ての望みを一度に叶えてくれる世界は存在し得ないので、 人は人格形成がなされ、 自身と葛藤を重ねることで考える力が生まれると推察しています。 制約=嫌だという感情が、 自身の動機を自問させてくれる契機となり、 その結果、自分自身を助けてくれることで、 本物の幸せが手に入るのではないかと書かれています。 満足という言葉は一見美しく聞こえますが、 経済学者のヤニス・バルファキスさんからは、 奴隷になることと等しく、 反対に不満といえば、ネガティブなイメージを抱きますが、それは、私達を自由にしてくれるのではと書かれています。 私なりにまとめると、 人や世界と衝突することが、幸福への切符を手に入れた瞬間と言えるのではないかと思います。 ただ、最後のページで、人は自身や世界を俯瞰してこそ、 創造性や人との絆といった 人間らしい生活ができるとし、 環境破壊など地球を守る姿勢を維持できると 書かれてあるが、 それは反対に言うと、 どの社会に属そうが、どんな国に生まれようが、 常に自立した考えを持ち、 一見すると属している社会や国がありながらも、 常に懐疑の目で自身を見続けるという、 かなりハードルが高いことが書かれています。 人や世界との衝突が幸福への入口になることは理解できますが、 常に自身や社会のあり方に疑問を抱きながら生きていくという状態は家族や友人の健全な支えや国という大きな後ろ盾がなければなし得ないことなので、 やはりギリシャ危機の際に財務大臣をされていた経験をお持ちの方の内容で、マクロ的な目線が壮大でした。 一日本人の平凡な私からすると、 とてもハードな状況だと感じました。

    1
    投稿日: 2023.07.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    シンプルに面白かった。 著者自身の娘さんにあてて書いたとあるよう、経済学の本を読んでるとは思わないくらい読みやすかった。 『読みやすい=核心に触れない、あやふやに理論を書いて終わっていく。』ではなかった。 しっかりと著者がこういう考えを持っている。という一貫した内容でした。

    3
    投稿日: 2023.06.10
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    知人からオススメされて手に取った本。学部自体に経済学や倫理学を学んでいたので比較的理解できたし、面白く読ませてもらった。 ただ、経済学って何?という方が最初に手に取るには、難しいかもしれない。

    3
    投稿日: 2023.04.30
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    あまり頭に入ってこなかった。目次を読み返して、ワードを拾っておこう。 言語と余剰から経済が生まれた。市場社会、利益と借金、銀行と国の関係、交換価値

    2
    投稿日: 2023.04.22
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    高校の社会の授業はもう、これわかるように解説するだけでいいのでは?と思うぐらい基礎的な、そもそも論の難しい部分をわかりやすく書いてくれている。 現代に近づくに連れて、答えはないとなるがそれも個人的には良いと思う。

    1
    投稿日: 2023.04.06
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    経済のことを学ぶ入門書として手に取りました。物語調で一見わかりやすそうですが、回りくどい表現が多く読みづらく感じました。

    2
    投稿日: 2023.03.23
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    なんかわかりやすかったけど、詳しい話はあんまり覚えていない。サピエンス全史とか銃・病原菌・鉄も一緒に読むとなかなかいいかもね。

    0
    投稿日: 2023.03.23
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    なぜイギリスがオーストラリアの先住民アボリジニを侵略し、アボリジニがイギリスを侵略しなかったのか?という問から始まるこの本。そんなんたまたまとちゃうん?と思っていたら大間違い。それにはきちんとした答えがあるんです。この本は、例えば鹿狩りや収容所内を例に挙げながら、すごく分かりやすく、中央銀行の役割を始め、経済のことが説明されています。それもそのはず。著者はギリシアの経済危機のときの財務大臣を務めた方。あまり構えずに読めて良かったです。

    1
    投稿日: 2023.03.22
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    比喩的な表現が多く分かりにく。 手っ取り早く経済のことを知るのには不向き。 物語として読むには面白いと感じた。 ブレードランナーを見たくなった。

    0
    投稿日: 2023.03.21
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    まーーーーじで面白い。鳥肌が立ちまくりだった 【一章】 なぜ格差があるのだろうか? なぜイギリスがアボリジニを侵略したのか?なぜ逆の立場ではなかったのだろうか? 答えは余剰にある。 余剰があるから 文字:余剰を記録するため 債務:支配者からの農耕の労働者への収穫期の支払いメモ 通貨:支払いメモを使った売買 国家・官僚:支配者による支払いメモの担保 軍隊:支配者の権威維持 宗教:洗脳による支配階級の維持 が生まれた。 この余剰は農耕から始まった。魚や肉、果実は保存できず、農耕による米や穀物が余剰を生み出した。 ではなぜ余剰が生まれたか?→食うに困っていたから。つまりヨーロッパの人数に対する土地の広さと気候が農耕を必要にさせ、経済を作り上げたのだ。逆に言えばアボリジニ達の場所は自然の恵みが豊かだったから余剰を溜め込む必要がなかった。そうした結果、アボリジニとイギリス人の勝敗は決したのである。(農耕技術からさまざなテクノロジーもうまれたしね) 以上は地域”間”の格差の原因である。では地域”内”の格差はなぜ生まれるのか? それはさっきの中にある。支払いメモの担保と余剰の蓄積(軍隊の守護)のためには支配者が必要で、この支配者が余剰を独り占めできるようになり、さらにはそれを宗教によって当たり前であると思い込ませるのである(金のある人は金を稼ぎやすい。1億を元手にさらに1億稼ぐのと、0から1億稼ぐのでは難易度が全く異なるだろう)。そうして格差は生まれ、続いていく。 【二章】 交換価値(市場で売れる商品の価値)と経験価値がある 昔は「市場のある社会(経験価値の存在がメインで少し交換価値の存在もある)」でそこからいつの間にか「市場社会(交換価値がメインの社会)」になった。 なぜだろうか?これは生産の三要素の商品化から見てとれる。 生産の三要素とは 1.生産手段 2.土地 3.労働者 である。昔はそれぞれ労働者は主人に支えるのが当たり前だったし、領主は先祖代々続く土地を売ろうなんて思いやしなかった。生産手段となる材料や道具は自分の土地で収穫できた食べ物との交換で、市場とよべるものではなかった(交換レートの比較なんてなく、家族間での協力のようなもの)。 しかし、グローバル貿易によって羊毛を売り捌いて莫大な利益を得る商人をみて、領主も考え方を変えた。つまり領主も穀物から羊毛を生産することに変えたのである。そのために今までの農奴を全員解雇した結果、「なんでもするから飯をくれないか」と町中で元農奴が労働力を売りに食い扶持を探し出したのである(労働力の商品化)。そして、領主は自分の土地の面倒を見切れないため、他人に土地を貸して羊毛の生産をさせることにした(土地の商品化)。そして、作られた羊毛はグローバル貿易によって様々な道具などと交換された(手段の商品化)。  こうして市場社会へと変化していったのである。 さらにここから、商品化された労働力によって産業革命が起こり、雇用主は莫大な利益を生み、労働者は汗水垂らして働くことになった。その結果、一章で農業革命によって生まれた格差は産業革命によってものすごい規模に拡大したのである。 このようにして「市場のある社会」から「市場社会」に変わったことで金が手段から目的に変わった。これは次章で話すが、借金によって人間が利益を追求するようになったからである。 【三章】 借金について なぜ人は利益を追求するようになったのか?それは借金を返すため。 領主が農奴を追い出して羊を飼い始めた後、土地を借りて羊の世話をする起業家達は餌代、土地代などでまず初めに借金をしないといけなかった(借金は恐ろしい者でもあり、同時に社会の潤滑油なのである)。そして借りた後も競争に負ければ人生が破滅してしまう。そのためにより安く雇い、より高く売り、産業革命の際にはさらに借金をしてでもテクノロジーを買わなければいけなかった。これらの根本は借金による破滅の恐怖にあり、そのために利益を追求するようになったのである。 生産の三要素が商品化し、借金の概念が生まれ、た結果、労働者は買い叩かれ起業家は倒産の危機に怯える一方で、金を貸す側であった富める者たちはさらに富を拡大した。格差が広がったのである。さらにこの格差は産業革命によって同様の理由で広がり、農業革命時代に生まれた格差は凄まじい広さになった。 【四章】 ・銀行の役割について 銀行は人に金を貸す。それによって借り手がうまくいけば儲かるし好景気になる。さらに言えばこの時の債権を他人に売れば銀行はリスクを負わずにすむ。反面、大金を貸しすぎて借金を返せなくなれば回収できないし、これが沢山起こると不景気になり、銀行も倒産する。これは中央銀行が銀行に貸して窓口を開かせることで解決する。こうして、銀行が金を貸すことで景気が良くなる→貸しすぎて経済が破綻しかける→中央銀行が貸してリセットし、降り出しへ戻る。 中央銀行の貸し出しでもどうにもならなくなりそうな時は債務帳消しにすることで、”完全に”全てをリセットする。 ・国債について 国民から集めた税金が、国民のために使う税金より少ない事がおこる。このとき、その差はどうやって埋まるのか?この差を埋めるのが国が中央銀行に借りる借金、つまり国債である。こうして発行された国債は債権として販売されるのだが、これにはいくつかのメリットがある。まず、みんな税金を払うことを嫌がるが、この国債を買って貰えば税金とは別なもう一つの手段として、国家運営の費用を集めることができるのである。また、銀行が預金者への預金の引き落としにも現金が割りとして有効(円が破綻するときと国債が破綻するときはほぼ同じだから?)。 【五章】 ・「商品」の価格と「労働力」の価格(鳥肌ポイント) 失業者に対し、トマトが死ぬほど安ければ買ってもらえるように賃金を選ばなければ仕事はあるはずだ。という失業否定派の人たちがいる、これは正しいのだろうか? ここには重要なポイントがある。 トマトの場合、その購買はトマトを食べた時の感動という経験価値がいくらの交換価値で手に入るか、ということで決まる。 しかし、「労働力」の場合その購買は(冷蔵庫工場の場合)①その人を雇ったときに追加で生産され、売れていく冷蔵庫の数と、②その人を雇ったときにかかる賃金などのコスト、の二要素のの総和によって決まる。では、このとき労働組合のリーダーが失業否定派の理屈に納得して労働者みんなの賃金が安くなったとき、雇用主は②のコストが抑えられるからと大喜びで雇うだろうか?雇用主の立場に立って考えてみよう。ここでポイントなのは①の要素である。みんなの賃金が下がったならば、みんなお金がないせいで冷蔵庫は買わなくなり、①のメリット面も大幅に下がることを危惧して雇用を取りやめるだろう。労働力の雇用は雇用主たちの楽観、悲観によっても変わるのである。 この話のポイントは二つある 一つ目は 「商品」の場合メリットはほぼ固定 「労働力」の場合メリットは流動的(楽観・悲観) であるところにある。 二つ目は 景気はは雇用主らの楽観・悲観によってかわるという事である。社会全体として楽観的ならばみんな景気が良くなるし、悲観的であればその逆である。(これは囚人のジレンマと全く同じ話である!) ・借金の価格 借金の価格は「金利」である。金利が安ければみんな借りるし、高ければ借りない。果たしてそうだろうか?これも先の労働力と同じ話である。金利を安くする事で経営者たちはたくさん借りて経済を回すか?答えはノーであり、低金利と聞いてみなが悲観的になればむしろ逆に不景気になってしまうのである。これも囚人のジレンマとおなじである。 【六章】 機械化が進むとどうなるか? 機械化によって製造コストが下がる →周りもコストが下がるため価格も下がる →雇用が減っているため需要も減り、価格がさらに落ちる →結果としてコスト>価格になり、会社が回らなくなる →借金を返せなくなり倒産し、不景気になる →競合の倒産によって価格が上がる&失業者増加によって人件費が機械コストより安くなるため、雇用が増加する →また景気が回復していく なんでも機械化が進めばいいというものでもない。雇用が減ると需要も減るため、景気が悪くなりうるのである。雇用主の機械化促進vs労働者の抵抗の構図は市場崩壊のバランスを保っているのである。 (AIに仕事が奪われると叫ばれているのはこの危険性があるからかもしれない) この問題への新たな解決例として、機械の民主化 もある 例:あるテクノロジーの利益の一割ファンドに入れてみんなに分配する。そしたら機械に労働者が仕事奪われて経済が止まったりしない 【七章】 《この章は何度か読み返すこと!》 ・収容所内での通貨の流通 収容所ではタバコが通貨の代わりになった。タバコは「長持ちし」「持ち運びやすく」「みんながその価値を共有していた」からである。このタバコは消費の量や差し入れの量によって価値が変化した。 実際には収容所内ではタバコの借金によって企業により新しく価値が生まれたりなどしないし、マネーサプライ(通貨供給量)を管理する中央銀行はいない点で実際の社会とは異なる。通貨の供給量は赤十字によって決められ、赤十字は通貨の供給において非常に中立だった。しかし、現実には銀行や国により決まるため、完全な中立とはならず、どうしても国家や政治、権力者によって支配されてしまう。   ・完全に公平なビットコイン それに対し、誰にも支配されず全く公平な通貨がビットコインである。 これまで中央権力が台帳をもっていたところが、みんなで台帳を持つことにしたビットコインは全員が台帳を持つ事で解決した。  しかし、ビットコインにもいくつかのリスクがある。 ①詐欺や盗難に対し国家や法律が守ってくれない。 ②総量が決まっているため、デフレによる経済危機が起こりかねない ③危機が起こり倒産が相次いだ時、ビットコインは誰も管理ができないので四章のように通貨の流通量を増やすことによる回復ができない 【八章】 市場社会(資本主義)のデメリット、行き着く先 なぜ資本主義において人間は環境を滅ぼしてしまうのか? 森林などの自然環境は経験価値はあっても交換価値がない。そして環境が破壊されたときの後始末の時には交換価値が生まれる。破壊するほど交換価値がでてくるのである。ではどうしたらいいのか? 全ての経験価値を交換価値に変える、つまり商品化してしまえばいい。・・・? 環境も資源もなにもかもを、最も効率的に管理できる人が所有すれば自分の資産であるそれらを守ろうとするだろう。漁師たちが魚をとりすぎて絶滅させてしまうならそれを管理する人がいれば、そのひとは自分の財産を長く続けるために取りすぎさせないだろう。大気汚染も、排出権を作ればコストのためにそれを減らそうとするだろう。 しかし、市場は国や政府、つまり権力者の影響を受けてしまう。  もう一つの手段は全てを民主化することだ。 つまり環境も土地も原料も機械も全て民主化すれば良い。 著者は商品化では権力者が全てを決めるため結局は自分の利益を損なわない範囲で、困難は人に押し付けて環境保全を進めてしまうため(それで真っ当に進むかも怪しいところである)、民主化を推している   【エピローグ】 昔、権力者は自分が余剰を管理することを宗教によって正当化してきた。 今も実は同じ構図であり、民衆に資本主義を信じさせることで自分の権力を正当化している。テレビに出てる経済学者は聖職者であり、それを見た民衆は経済学はむずいから任せておこう、となり奴隷となるのである。経済学なんて太古の占い師と大差なく、予言に失敗してはそれを不完全な理論であたかも説明する。別に正解でもないし、完璧なんて不可能なのに。経済学はただの数学と公式のある神学であり、これを科学と呼ぶのは星占い師がパソコンを使うから天文学者と同じというのに等しい。 それを宗教的に受け入れないために、一歩引いた目線で物事を見つめ直し(内在的突破)、みなが経済についてよく知るべきだよね

    5
    投稿日: 2023.03.10
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    職場のチームメンバーから強く勧められて購入。 「父が娘に語る~」というタイトルも、娘を持つ親として興味をそそられた。 著者のヤニス・バルファキス氏は、ギリシャの経済危機時に財務大臣を務めたことで有名になったが、財務大臣というお堅いイメージの役職とは裏腹に、容姿も含めた型破りな言行がメディア受けしたという側面もあるのかもしれない。 本書は、多くの書評でも言及されているように、分かりやすさを徹底的に追及することを意識しているため、文字通り父親が娘に語り掛けるような口調で述べられており、数式や図表も一切出てこない。 しかしだからといって、内容そのものが薄いというわけでは決してない。 本書のスタイルは、経済学そのものの入門書というよりも、人類社会が生み出した資本主義社会の歩みや考え方を、経済の側面から解説したものだといえる。 「なぜ格差があるのか?」という子供でも抱く初歩的かつ回答困難な問いから始まり、通貨・市場・宗教・金融の機能や役割まで考察を広げつつ、よく知られた文学作品や映画作品を巧みに喩えながら資本主義経済の核心に迫っている論調は読み手を飽きさせない。 さらに、インターネットやデジタル化の普及がもたらす機械化・自動化と労働市場との関係や、捕虜収容所で流通するタバコと通貨との関係の解説は、巷に蔓延る経済入門書やビジネス書にはない秀逸な視点であり、(自分もそうであったが)古典的なミクロ・マクロ経済学から学び始めた者こそ、本書を読了することで経済の違った側面に出会えるのではないだろうか。 個人的には、全体的な読み易さもさることながら、ジャレド・ダイヤモンドの『銃・病原菌・鉄』を過去に読んでいたので、理解がより深まった。 ちなみに、本書の紹介者が、映画『ブレードランナー』が本書に扱われていると教えてくれたので、読む前に永らく観たいと思っていた本作をあえて観てから読んだところ、やはり理解が深まった。 つまり本書は、経済に関する学問的な下地がなくても、資本主義経済の本質を理解する(少なくともそのきっかけを得る)ことができる稀有な作品だといえよう。 好むと好まざるとに関わらず、民主主義と資本主義が渦巻く社会で生きていかなければならない者としては、経済という切り口で、「幸せとは何か?」という根源的な問いを再考させてくれる良書である。

    1
    投稿日: 2023.03.03
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    わかりやすい、ようでよくわからなかった、が正直な感想。 経済の仕組み、ポイントポイントで理解できたが、例えが多すぎて何かよくわからない部分も正直あった。 改めて読んでみたいと思う。

    3
    投稿日: 2023.02.26
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    本の帯にあるように異様に面白い。一気読みできる経済の本。 なぜ格差があるのか、資本主義における借金・銀行(金融)の話や、政策に対する予測に基づく反応により政策が効かない話等、急所を突く語りがすばらしい。

    1
    投稿日: 2023.02.24
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    経済について学ぶ必要があり、しばらく前に購入し途中まで読み進めたところで止まっていたため、せっかくの機会だと思い読み通した。 仕事柄、「利益の追求」に関しては思うところが多かったが、第3章には「そもそもなぜ利益を追求しなければならないのか?」の答えがあった。 「経済の先行き」について描かれた第5章では、経済といえば理論や公式、数値にデータなどの堅いイメージを持っていたが、それが覆された。 人がやることなんだなと思い、経済がより身近なものに感じられた。 第7章の「収容所の経済」からは、「通貨」や「金利」といった要素を分かりやすく学ぶことができた。 恥ずかしながら経済に関してまともに勉強をしてこなかったため、随所で立ち止まりながらの読書だったが、総じて楽しみながら読み進められた。

    1
    投稿日: 2023.02.21
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    自分の経済のことを誰かに任せてしまうのは、占い師に自分の運命を任せるようなもの、みたいな説明が面白かったです。 あと市場主義の反対が「民主主義」て訳なのかそう書いてあるのか知りませんがいいですね。社会主義でもない。

    1
    投稿日: 2023.02.20
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    多くの経済学の本で最もわかりやすい本である。これを読んだら一般の経済評論家の話は誰も聞かなくなるどころか、金融機関や証券会社のアナリストがいう意見について、判断がつくであろう。  つまり経済のフェイクに対応する本である。卒論と関係なく、経済を知るための常識のような本になる。

    3
    投稿日: 2023.02.12
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    最初は、「銃・病原菌・鉄」で聞いたような話 後半に行くに従って怪しくなってきて、 なんだかよくわからない これだったら、図とか入った初心者用の わかりやすい経済の本があるでしょ 知らんけど…(関西おばちゃん風)

    3
    投稿日: 2023.02.05
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    専門用語はほとんど使われておらず、とても分かりやすかった! 鹿の狩りの例えや、ビットコインの話なども面白かった。 食料となるものが豊富じゃなかったからこそ、農耕がうまれ、農耕がうまれたからこそ余剰が出来た。 経済学の入門本としておすすめです。

    5
    投稿日: 2023.01.26
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    読みやすい。 ・アボリジニがイギリスを侵略したのではなく、イギリス人がアボリジニを侵略する事になったのはなぜか ・機械は生産はするが、消費はしない ・人は地球のウイルス なるほど、、と思わされることがたくさん書かれている。 マトリックス見てみたくなった。

    1
    投稿日: 2023.01.22
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    とても面白かった。経済について、娘に語る口調のため難解すぎることなく、またストーリー性もあって、どんどん読み進めてしまった。この人の他の著作も是非読んでみたいと思う満足感だった。

    1
    投稿日: 2023.01.19
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    分かりやすく市場社会(資本主義を著者が言い換えた造語)の成り立ちと不可能を解説した書。市場社会はこのまま進むと崩壊するという説。 興味深い例えとして「経済学は占いと同じであり、科学的ではない。」がある。経済学が生まれた背景には、権力者の支配根拠を示すためであるという。権力者は昔、宗教によって「神から選ばれた」として人々を支配していた。それが産業革命で科学の力が証明され、宗教の力か後ろに下がったため、新たな支配根拠が必要だった。そこで生まれたのが経済学だ。経済学は、数字や表を使っていかにも科学に見えるように装っているため、現代において「科学的な学問」と錯覚させる効果を狙っている。つまり経済学は権力者が民衆を制御するための装置。 そこで著者は一貫して「経済学者だけに経済を任せてはいけない」と主張している。本書が書かれた背景もこれを根拠とする。

    1
    投稿日: 2022.12.30
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    無駄に大仰なタイトルと表紙のセンスの悪さで引いてしまうけど、内容は分かりやすくて興味深い話ばかりだった。 強制収容所でタバコが通貨代わりになってる話が特に面白い。

    1
    投稿日: 2022.12.28
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    「この世の中には有り余るほどのおカネを持った人がいる一方で,何も持たない人がいるのはなぜだろう?」 言語と余剰 交換価値と経験価値 市場と市場社会 利益と借金 金融の黒魔術 銀行は,お金を「どこからともなく。魔法のようにパッと出す。」 林を燃やして山火事を防ぐ 「公的債務は良くも悪くも,市場社会という機械を動かしている「機械の中の幽霊」」である。 労働市場とマネー・マーケット ハチの巣の中に交換価値は存在しない ∵価値を評価する者がいない。 「私たちの孫の代になれば,金銭を貯め込む習慣はある種の病気だと思われるようになるだろう。金銭に執着することは,どちらかといえば犯罪に近く,精神病のようにみなされるだろう」(ケインズ) 「マネーサプライを調整することで,バブルと債務と経済成長の行き過ぎを防ぎ,同時にデフレと景気後退を退治できる。マネーサプライへの介入は,あらゆる層の人々に影響する。金持ちや権力者も,貧しく弱い人たちも,異なる形で影響を受けるが,その影響が衡平になることは決してない。  通貨が政治と切り離せないことを認めたら,われわれにできることはひとつしかない。通貨を民主化することだ。ひとり一票のみを通して,通貨を管理する力を人々の手に与えるしかない。」 「節度のある者は詩人になり,節度のない者はイディオテスになる。」(古代ギリシャのことわざ) 「すべてを民主化しろ」VS「全てを商品化しろ」 「本物の幸福を味わえる可能性のある人生とは,何者かになるプロセスだ。ギリシャ人はそれをエウダイモニアと呼ぶ。「花開く」という意味だ。」 経済学は「公式のある神学」 「経済学者も星占い師みたいに科学者のふりをし続けても良いのかもしれない。だが,経済学者はどちらかというと科学者ではなく,どれほど賢く理性的であっても人生の意味を確実に知ることはできない哲学者のようなものだと認めた方がいいのでは?」 「十分に長いテコと足場を我に与えよ。されば地球をも動かさん。」(アルキメデス) ★参考文献 ロバート・ハイルブローナー『入門 経済思想史-世俗の思想家たち』(ちくま学芸文庫) マーガレット・アトウッド『負債と報いー豊かさの影』(岩波書店)

    1
    投稿日: 2022.12.09
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    訳本は基本的に好きでないけどこの本はよかった。 ギリシャ神話やSFが、出てくるのが面白い。 何度も読みたい。 作者にも興味が湧いた。子供にも読ませたい。英語でも読みたい。 日本人は、貧困を本人のせいにしがちらしい。パックンが言ってた。格差は知能とは全く関係ない。 収容所の経済の話で、ヤニスさんのパパの、収容所ではタバコを分け合っていた、という、話がいちばんキタ。経済が成り立つって冷徹な一面もある。 自分の欲望を実現する仮想現実があったら、わたしは入りたいと思ってしまう。それは、満足な豚で自分のことしか考えていないかららしい。自分の欲は変わっていく。蝶のように、追えば捕まらず、追いかけなくなると肩に止まっているもの。 遠くを見よ、これはアランの幸福論でも言っていた。 そして、またしても、出てくるブレイディみかこさん。いったい何者なのか。

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    投稿日: 2022.12.04
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    経済について分かりやすく例え話を豊富に示しながら語ってくれています。難しいと思った部分もありますが、エピローグに含まれた熱い気持ちは、全ての若者たちに伝えたいものでした。

    1
    投稿日: 2022.11.30
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    なぜ世の中はこんなに格差があるのか。さらにひねって、どうしてオーストラリアを侵略したのはイギリス人だったのか。どうして逆(アボリジニがイギリスを侵略)じゃなかったのか。 その理由には賢さや残忍さの違いは入り込まない。余剰が生まれてこなかったからである。一万年前に遡り、文字、通貨、国家、軍隊、宗教、市場社会から金融、機械(マトリックスの世界が出てくるのが面白い)、新しい通貨などに至るまでを娘に語るように説明していく。 まさに経済学の解説書とは正反対の経済の本。 未来には「すべてを民主化しろ」という主張と「すべてを商品化しろ」という正反対の主張が衝突する時代がやってくる。 338冊目読了。

    4
    投稿日: 2022.11.23
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    普段なら手に取らない類ですが、仕事上、読んでおいた方がいいかな程度で買ったこちらの1冊。読みやすかったし、分かりやすかった。 やっぱり外の世界や全く違う文化を感じてこそ、自分や自分の周りのことをより一層理解できるんだと思う。外に飛び出したい理由はまさにそこなんだよな。 「私たちは探検をやめることはない  そしてすべての探検の終わりに  出発した場所にたどりつく  そのときはじめてその場所を知る」

    1
    投稿日: 2022.11.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    結構前だったかに発売されて話題になっていたと記憶。経済に関する本は時々ランダムに読んでいるが、理解できているとは我ながら思えないので購入。最初の方はやや乱暴なロジックだなぁと感じながら読んでいたが、平坦な言葉で書かれているのでかなりわかりやすいし、原文を読んだわけではないが、訳者も非常に素晴らしい仕事をしたように思える。 途中から経済の話のみならず、政治、環境、地球の未来へとつながっていく。タイトル通り、若い人たちに読んでもらうべき本のように思える。 それでもところどころすっと言葉が入ってきて理解に至らないのは、自分の頭の出来の問題か。。 特に最初の方は少々乱暴なロジックで進むような感触を受けたが、後半というか最終章ではかなり哲学的な方向へ舵を切ってくる。でも特に若者に対しては非常にいい示唆ではないのか・・と思う。自分自身が何も出来ていないことを恥じつつ、何かをやらねばならないという気持ちを思い出させてくれる。 P.28 狩りや漁や、自然の木の実や野菜の収穫は余剰を生み出さないということ。狩人や漁師がどんなに達人でも、余剰は生まれない。とうもろこしや米や麦のような保存できる穀物と違って、うさぎや魚やバナナはすぐに腐ってしまうからだ。 次に、農作物の余剰が、人類を営々んに変えるような、偉大な制度を生み出したということ。それが、文字、債務、通貨、国家、官僚制、軍隊、宗教といったものだ。テクノロジーも、最初の生物化学兵器を使った戦争もまた、もとをたどると余剰から生まれている。 P.43 人間は、自分が何かを持っていると、それを当然の権利だと思ってしまう。何も持たない人を見ると、同情してそんな状況に怒りを感じるけど、自分たちの豊かさが、彼らから何かを奪った結果かもしれないとは思わない。 貧しい人がいる一方で、金持ちや権力者(といってもだいたい同じ人たち)が、自分たちがもっと豊かになるのは当然だし必要なことだと信じ込むのは、そんな心理が働くからだ。 しかし、金持ちを責めても仕方がない。人は誰でも、自分に都合のいいことを、当たり前で正しいと思ってしまう物だ。 それでも、君には格差が当たり前だと思ってほしくない。 いま、十代の君は格差があることに腹を立てている。もし、ひどい格差があっても仕方ないとあきらめてしまいそうになったら、思い出してほしい。どこから格差がはじまったのかということを。 赤ちゃんはみんな裸で生まれてくる。高価なベビー服を着せられる赤ちゃんがいる一方で、お腹を空かせ、すべてを奪われ、惨めに生きるしかない赤ちゃんもいる。それは赤ちゃんのせいではなく、社会のせいだ。 君には、いまの怒りをそのまま持ち続けてほしい。でも賢く、戦略的に怒りを続けてほしい。そして、気が熟したらそのときに、必要な行動をとってほしい。この世界を本当に公正で理にかなった、あるべき姿にするために。 P.49 値段のつかないものや、売り物ではないものは価値がないと思われ、逆に値段のつくものは人の欲しがるものだとされる。 だがそれは勘違いだ、いい例が血液市場だろう。多くの国では、人々は無償で献血している。誰かの命を救いたいという善意から、献血するのだ。では、献血におカネを支払ったらどうなる? 答えはわかるだろう。献血が有償の国では、無償の国よりはるかに血液が集まりにくい。おカネにつられる献血者は少なく、逆におカネを支払うと善意の献血者はあまり来なくなる。(中略)献血者は人助けと思って献血する。だがそれに値段がつくと、人助けではなく商売になってしまう。ちょっとばかりおカネをもらっても、気持ちの埋め合わせにはならない。(中略) 「皮肉屋とは、すべてのものの値段を知っているが、どんなものの価値も知らない人間」だとオスカー・ワイルドは書いた。 P.89 現代の経済は、生き物の生態系と同じで、循環しなければ崩壊してしまう。 動物と植物が酸素と二酸化炭素を循環させているように、労働者は稼いだ賃金を店で使い、企業を売上から従業員の給料を支払ってお互いに生き延びている。 この循環が止まると、生き物の生態系で言う「砂漠化」を招くことになる。すなわち、経済は危機に陥り、とてつもない貧困や窮状がもたらされる。 P.104 メソポタミア時代の支配者は、貝殻に刻む数字を勝手に決めて、いくらでも好きなだけ貝殻を与えることができた。中央銀行がやっていることと、そう違わない。 当時もいまも重要なのは、貝殻に刻まれた数字や、刻座残高の数字を、人々が信用できるかどうかだ。 P.129(経済の将来予測について) 集団全体が楽観的なら、楽観的な憶測が現実になる。集団全体が悲観的なら、悲観的な憶測が現実になる。全員がそのことを意識すればするほど、予想した未来が現実になる可能性は高まっていく。 P.148 人間がテクノロジー置き換えられるたびに、繊維なり自動車なりの製造コストが少しずつ下がり、遷移業界や自動車業界の競争が激しくなるにつれ、価格も下がっていく。(中略)「自動化」でコストが下がる。次に、コストは下がっても、製造企業同士の過酷な「競争」によって価格はそのコストをそれほど上マラなくなる。すると利益は最低限にとどまる。 最後に、工場で働くロボットは製造に役立っても、製品を買ってはくれない。すると「需要」が下がる。 マルクスによると、これらの3つの力によって、価格はやがて、製造コストやそのほかすべての費用を賄えない水準にまで押し下げられる。 P.152 ラッダイトと呼ばれるイギリスの労働者の集団が、木綿工場や羊毛工場で蒸気機関に仕事を奪われたことに抗議して、機械を破壊しはじめた。 ラッダイトは歴史の中で最も誤解されている集団だ。彼らは機械を破壊したが、抗議の対象は機械ではない。ひと握りの人たちだけが機械を所有していることに抗議したのだ。彼らは、テクノロジーではなく社会の仕組みに反旗を翻した。 P.177(リチャード・ラダフォードの刑務所の中でみた経済学から) タバコは収容所でいちばんよく売れる嗜好品だった。喫煙者、すなわちニコチン中毒者は、たばこを手に入れるために悪魔にも魂を売り渡さんばかりだった。(中略)非喫煙者にとってタバコは何の経験価値もないが、大きな交換価値があった。タバコは喫煙者にとっては経験価値があり、非喫煙者にとっては交換価値があったため、全員がタバコを欲しがるようになった。 あっという間にタバコは収容所内の物質の相対価格、つまり交換価値を測る単位になった。なぜタバコだったのだろう?何が通貨になるかは半分偶然で決まり、半分はそのものの性質によって決まる。 通貨は腐らず長持ちするものでなければならない。魚やパンは通貨にならない。持ち運びが簡単で、ポケットに入るくらいのものが理想だ。簡単に小分けにできるもののほうがいい。そして、その魅力がコミュニティ内の全員にむらなく共有されるものでなければならない。 P.181 ある晩、連合軍が、収容所の近くの地域を爆撃した。次第に爆撃が近づき、収容所の中にも爆弾が落ち始めた。捕虜たちは生きて朝を迎えらえかビクビクしながら夜を過ごした。 翌日、タバコの交換価値が急上昇した。あたりに爆弾が落ち、不安に苛まれていた捕虜たちが、夜通しずっとタバコを吸い続けていたからだ。翌朝、タバコの送料は他のものにくらべて劇的に減っていた。以前ならタバコ5本で板チョコ1枚と交換だったのに、タバコ1本で板チョコ1枚と交換できるようになった。 つまり、爆撃が「デフレ」を引き起こしたのだ。 P.214(オスカー・ワイルドのコメント) 『社会主義の問題は、話が進まないこと』 P.229 欲望を満足させることと、本物の幸せはどこが違うのだろう? 誰でも自分の欲が満たされればもちろん、幸せになる。少なくとも、しばらくのあいだはそうだ。それはいいことだ。だが、イギリス人哲学者で政治経済学者でもあるジョン・ステュワート・ミルが1863年に言ったように「満足したブタより不満な人間のほうがいい。満足なばかりより不満なソクラテスのほうがいい。もしブタなりばかりがそう思わないとしたら、それは彼らには自分のことしか見えていないからだ」。 P.230 幸せ探しは、金鉱を掘り当てるのとは違う。金は、われわれが何者かということとは関係なく存在する。われわれが金を掘る過程で何者になるかも関係ない。(中略)本物の幸福を味わえる可能性のある人生とは、何者かになるプロセスだ。ギリシャ人はそれをエウダイモニアと呼ぶ。「花開く」という意味だ。 P.234 「支配者たちはどうやって、自分たちのいいように余剰を手に入れながら、庶民に反乱を起こさせずに、権力を維持していたのだろう?」(中略) 私の答えは、「支配者だけが国を支配する権利を持っていると、庶民に固く信じさせればいい」だった。(中略)すべての支配者はその支配を正当化するようなイデオロギーが必要になる。ひとつの筋書きをつくって基本的な倫理観を刷り込み、それに反対する人は罰せられると思わせるのだ。 宗教は数世紀にわたってそんな筋書きを語り、まことしやかな迷信で支配者の力を支え、少数支配を正当化してきた。そして支配者による暴力や略奪を、神が与える自然の秩序として許してきた。 P.238(経済学は「公式のある神学」) 物理学では、予測が正しかったかどうかを自然界が公平に判断してくれる。経済学は公平な判断の対象にならない。化学実験とは違って、実験室で経済状況を完全にコントロールして正当性を証明することはできないからだ。 P.240 さて、コスタスのHALPEVAMが与えてくれる夢の世界を拒否した君は、これからどうする?ショッピングモールの安っぽい刺激で満足するだろうか?現状に対して反乱を起こすだろうか?それとも、この不完全な世界で自分だけの情熱を見つけるだろうか?君は自分で道を探すしかない。(中略)アルキメデスは、離れて見ると、何事も不可能ではないといった。「十分に長いテコと足場を我に与えよ。されば地球をも動かさん」 人を支配sるうには、物語や迷信に人間を閉じ込めて、その外を見せないようにすればいい。だが一歩か二歩下がって、外側からその世界を見てみると、どれほどそこが不完全でばかばかしいかがわかる。 遠くから俯瞰してみる視点を持っている限り、君は現実と関わりを持ち続けられる。一方、すっかり内側に入ってしまうと、アルキメデスの視点でものを見られなくなってしまう。(中略)市場社会の求めに応じて行動するか、あるいは頑なにあるべき社会の姿を求めて行動するか、つまり、アルキメデスのように社会の規範や決まりごとから一歩外に出て世界を見ることができるかどうかが、決定的な違いになる。

    2
    投稿日: 2022.11.06
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    経済の仕組みが平易な言葉や物事で説明されている。全体としては感覚的には何となくわかるけど、読みにくかった。翻訳だからなのか、私の理解力の問題か…

    0
    投稿日: 2022.10.22
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    ギリシャ神話が多く、なじめない。 マトリックスの世界が出てきたのは、興味深い。 交換価値と体験価値 はじめに借金ありきで、利子の経済となってしまった。 貧富の格差は益々拡大していく。 で、結局どうすればいいかは解答していない、残念

    1
    投稿日: 2022.10.20
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    古代からの歴史を振り返って経済をわかりやすく解説する本は、他にも目にすることはあるが、本書が際立っているのは、現代の閉塞感のある状況(資本主義の行き詰まり、温暖化、貧困など)に、解決に向けた方向性の提言を行っていることだと思う。市場に委ねるか、民主主義で解決するか、著者であれば民主主義に委ねることを選択すると。市場に委ねると、一部の金持ちに有利な選択がなされるが、民主主義を徹底すれば貧困にあえぎ、温暖化の影響をもろに受けている人々に選択権を与えることができるから。精神を開放するためにも自立した考えを持つよう努力を続けることが重要とも説く。 こういう強いリーダーが経済危機時のギリシャで財務大臣をやっていたのか!

    3
    投稿日: 2022.10.19
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    専門用語を使わず経済について語ってくれるのでとてもわかりやすい。 (農産物の余剰によって、文字が生まれ、債務と国家が生まれた。それらによる経済からテクノロジーと軍隊が生まれた) 歴史の流れが見えてくるようだ。 (市場社会に変わったことで、おカネが手段から目的になった) 利益から富が蓄積される様がお風呂に例えられ理解しやすかった。 農業革命が産んだ格差が、産業革命でより拡大し、いつしか交換価値が経験価値を上回り、個人の利益ばかりが優先されるようになった。 第8章、筆者は「交換価値をすべてに優先させる社会は、環境保護をとんでもなく軽視するようになる」と警鐘を鳴らす。 君たち自身もよく考えてみなさいと・・

    4
    投稿日: 2022.10.07
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    経済の話と聞いて少し身構えていたが、内容はくだけた話であるため読みやすいと思う。銀行がお金をパッと増やすなど、使用される表現方法は直感的で分かりやすいと感じた。また『満足な豚より不満足なソクラテス』という言葉を当書で知り、自身を振り返る契機にもなれた。全体を通して興味深いと感じ、読み終えた後はマトリックス(映画)を久しぶりにもう一度見直したくなった(笑)

    1
    投稿日: 2022.10.02
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    本のコンセプトも良いし、世の中の経済・社会について平易に解説されており、特に貨幣・通貨の仕組みを第二次世界大戦の収容所でタバコが交換の媒介になったという話も分かりやすかったのだが、自分の子供に勧めるかというと、全体的に著者の価値観を押し付ける感じで、積極的に子供に読んで欲しいと思うほどでも無い。 ただし、世の中にどうして格差が生まれるのかなど、大人でも答えにくいことが、上手く説明されていると思う。

    1
    投稿日: 2022.09.17
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    ギリシャ危機の際に財務大臣であった経済学者の著者が、現在の資本主義(市場経済)の仕組みや問題点を、歴史的な説明や映画なども引用しながら、娘に語りかけるというスタイルでとても分かりやすく説明してくれます。経済学の専門書を読むよりは遥かに分かりやすいとは思うけど、ある程度は経済学に関心があって知識がないと、やはり理解は難しいのではないかと思う。逆に言うと、個別のことはある程度は知識があるが、資本主義や金融などについて全体としては何だか良く分からないという人が読むのには最適だと感じた。 農業が始まり余剰が生まれたことが全ての始まりであること、銀行は何もないところからお金を作り出せるということ、それは未来からの前借りであること、貨幣は借用書であること、その借金が経済を動かすこと、などなど。著者はどちらかというとリベラルな思想なんだとは思う。現代の種々の問題も、資本主義の修正で何とかしのげるのかどうかについてはおそらく著者は懐疑的なんだと思うが、はっきりとした結論は書かれていない。

    1
    投稿日: 2022.09.06
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    経済学とは何かということを数式を使わずに、平易な言葉で語っているので、かなり経済の理解が進んだと思う。収容所内のタバコ経済の例がかなり腑に落ちた。

    0
    投稿日: 2022.09.06
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    経済と政治がどの様に関わりあっているか、また、それらが不可分であることが、人間性というフィルターを通じて理解出来る良書です。 宗教戦争を経て、利息を取ることに対する罪悪感がなくなった事で、金利を決められる金融機関の力が非常に大きくなったなど、長い人類史を俯瞰しながら、経済の本質を詳にしてくれます。

    1
    投稿日: 2022.09.05
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    現代経済を批判的な視点で、専門用語を使わず小説やSF映画の引用でやさしく説明されていた。 専門用語がほぼ出てこないので、これで経済について少しでも理解できたのかわからないぐらいだった。 別の経済学の本などを読む時に参考にして、いつか再読した時により深く読めればいいと思う。

    1
    投稿日: 2022.08.30
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    結局なにが一番いいたかったんだろう、と読後にしばらく考えた。自分の娘に経済の話をわかりやすく語りたかったから手にした本のはずだった。今、あまり希望のある話はできそうにないが、今ある環境や経済の仕組みを当たり前のものと受け取らず、ゼロベースで考えるのは若い世代のほうが得意そうだ。何が大事なのか、一緒に考えていくのが良いのだろう。

    1
    投稿日: 2022.08.30
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    著者はギリシャの金融危機時の財務大臣の経歴を持つ経済学者だけあって、金融困窮時の問題点に特に詳しい。タイトル通り素人にも分かりやすく説明できるよう、難しい言葉は使わずに読み易くなっている。初心者でも楽しめる内容である。

    1
    投稿日: 2022.08.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    すごく読みやすくて、面白かった。「子供のために」語るという視点によって、誰が読んでも理解しやすく、わかりやすく書かれているのがよかった。※100分で名著forティーンズのための予習で読んだ本。

    1
    投稿日: 2022.08.15
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    イノベーションについてのコメントが面白い。資本主義は多くの人々を養うために存在せず、利益の増殖を求める。

    0
    投稿日: 2022.08.08
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    このところ経済(学)についての本をよんでいて、これもその一つ。著者はギリシャの金融危機の際にギリシャの財務大臣を務め、現在は大学で経済学を教えている人。 彼が自身の娘に経済学を平明に教えることを意図して書かれた本。この本のもっとも言いたいことは何かを十分に把握できたかははなはだ疑問だが、(市場)経済というものは生産物に余剰、つまり食べ物であればその日、その年だべられる分より多くのものが集積されそれらを貸し借りすることで始まったということらしい。そしてその余剰の貸し借りを記録する手段、すなわち文字が誕生したこともその原因ということだ。 なるほど、つまり農業の生産革命みたいなものとその生産物の余剰を記録する手段‐文字革命?が市場経済の成り立ちには必要不可欠だったと。 そして生産物の余剰とそれを記録する手段が発生したことにより、記録=すなわち貨幣の基礎のようなものが余剰を交換する手段になった。と理解した。 あとは私には難しい話が出てくるが割と理解しやすい表現で書かれてる。その中には以前読んだ「アメリカの高校生が学んでいる経済の教室」という本とも重なる部分もあったが、少しずつ解釈が違うところが見受けられる。 例えば中央銀行は基本政府とは独立とさらっと説明されていたところが、通貨が債務と税金に深く関連している以上、独立ではありえないとか。 また、現代の資本主義と民主主義は対立するものと解釈しているとみられるところが特に後半随所にみられる。確かに資本主義は所得格差を生む一方、民主主義はみな平等というところに力点がおかれるので(と私は思う)、対立すると考えるのは理解できる。 他にも産業革命以後、機械(テクノロジーー)が発明されてためそれが進化することにより人が機械に隷属する可能性等も映画マトリクスやブレードランナーを引き合いに出しわかりやすく説明されている。 まとまりのないレビューになってしまったが、総じてわかりやすく書かれている。良書だと思う。再読したい。

    2
    投稿日: 2022.08.07
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    所感はタイトルと内容のミスマッチだろうか。 タイトルを読んでもっともっと簡単な内容だと思っていたがなんだか普通に難しいというか分かりづらかった。 娘が1番最初に感じた疑問、「なぜ格差があるのだろうか?」に対して始まる。 格差の始まりは約1万年前の農耕技術の発展から出た「余剰」であった。 その余剰からの流れは確かにその通りで非常に分かりやすかった。 さらにイノベーションのジレンマのようなものを感じた。 機械やAIによって24時間働いて製品やサービスを提供できるようになった今、人々の生活は楽になっただろうか? そのような状態で捻出された製品やサービスはコモディティ化されるため価値が下がっていき企業間の価格競争になっていく。 そうすることで商品サービスの価格が下がり、労働者の賃金も下がっていく。 結果、機械やAIを導入するための資金よりも労働者を雇った方が安くなる。ただ機械やAIは消費をしないため労働者は安い賃金でも働かざるをえなくなっていった。 技術進歩の目指す先は人々の幸せであるはずなのに、それを進めることが幸せではなく不幸に近づいていく人たちもいる。 それが今の格差の広がりであり、資本家はより裕福に、労働者はより貧乏になっていく。労働者から見ると技術の進歩はジレンマに感じるのではないかと思った。 ==== ジャンル:政治・経済 出版社:ダイヤモンド社 定価:1,650円(税込) 出版日:2019年03月06日 ==== ヤニス・バルファキス(Yanis Varoufakis) 1961年アテネ生まれ。2015年、ギリシャの経済危機時に財務大臣を務め、EUから財政緊縮策を迫られるなか大幅な債務帳消しを主張し、世界的な話題となった。長年イギリス、オーストラリア、アメリカで経済学を教え、現在はアテネ大学で経済学教授を務めている。著書には本書の他に、EU経済の問題を指摘した『わたしたちを救う経済学』(Pヴァイン)や「史上最良の政治的回想録の1つ」(ガーディアン紙)と評された『黒い匣 密室の権力者たちが狂わせる世界の運命』(明石書店)など、数々の世界的ベストセラーを持つ。2016年にはDiEM25(「欧州に民主主義を」運動2025)を共同で設立し、その理念を世界中に訴えている。 ==== flier要約 https://www.flierinc.com/summary/3086

    2
    投稿日: 2022.08.01
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    経済学をわかりやすく解説する本は数あれど、本作は一線を画していましたね。 「父が娘に語る」とあるように、優しく語りかけるような文体は、どこまでも読み手に寄り添っています。 なぜ格差がうまれるのか?銀行はどうやってお金を動かしてるのか? そんな堅苦しく難しい話を、寝物語のように柔らかく説明してくれるので、とても理解できます。 また文章が詩的で情緒があるため、エッセイのような感覚で、気軽に読めるのも良いですね。  

    2
    投稿日: 2022.07.22
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    極論が多いし思ってたよりも浅い。ディストピア映画の見過ぎか… 「本物の専門家など存在しないし、経済のような大切なことを経済学者にまかせておいてはいけないのだ」っていうのはほんと

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    投稿日: 2022.07.18
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    人類の歴史を経済的な観点から振り返る一冊。 大きな転換期は、あらゆる本で指摘しているとおり、農業革命と産業革命である。 そして、交換価値が経験価値を打ちまかしたことにより、あらゆるモノ、ヒト、経験が交換価値を持つようになってしまったと解く。 市場ある社会が市場社会になってしまった。 つまり市場と共存していた社会が市場そのものになってしまった。 もっと平たく言うとお金で手に入らないものはない社会である。 そして、現在の交換価値だけではなく未来の交換価値さえも市場に出回ってしまったことで、経済はより複雑になり、後戻りのできない状態になってしまった。 その正体が借金である。 未来のお金をタイムスリップで引っ張ってきているのが借金だから、現在価値のマネーと、取引上のマネーには乖離がある。 この歪みが露見するのが所謂金融危機である。 満足な豚より不満な人間がいい。 満足なバカより不満なソクラテスがいい。 という一文には私も同意。

    1
    投稿日: 2022.07.13
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    図書館の返却日になってしまい9割読んで返却。再度借りるつもり。 んーどうだろう? 例えが個人的にはピンとこないのもあったりしてスッキリはしない箇所もあったけど。 経済は良くも悪しくも、人々の感情によって左右されるのというのが心底恐いと思った。そうすると今急激に円安に進んでるのも危ないよね。人の様々な思惑が動きそう、、日本円だけ持っててもダメだこりゃ。 今の世界が1部の富裕層に牛耳られているのも理解出来て絶望感しかない。 本自体は2013年に書かれているようなので10年も前だけどそんな時からビットコインってあったっけ?と思いつつ仮想通貨の概念自体は新しくないということも記載されてます。 図書館にて

    0
    投稿日: 2022.07.10
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    経済学の本にもかかわらず、市場経済に批判的なのがおもしろい。国家、権力者、労働者、機械、格差、環境問題といったテーマが登場するので、人間のwell-beingを扱う大きな意味の経済学とでも言ったらいいだろうか。 農耕によって余剰が生まれ、農民が共有倉庫に預けた穀物の量を記録するために文字を用いた。労働者が畑で働いた時間を穀物の量に換算し、主人が貝殻に刻んで渡した。借用証書としての貝殻の価値を保証するために、支配者や王や国家が必要だった。 イギリスでは、土地の所有権が集中していたため、少数の領主が同意すれば一斉に農奴を追い出すことができた。また、農奴が立ち退きに抵抗すれば、国王は領主を助けるために強力な軍隊を差し向けることができた。グローバル貿易が生まれ、囲い込みが行われたことによって封建社会から市場社会に変わると、生産の3要素である労働者、生産手段、土地はいずれも商品となった。農奴たちは自由にはなったが、工場で長時間働くようになり、格差が拡大した。元農奴が領主から土地を借りて羊毛や作物の生産を管理するようになり、借金や利益の概念が生まれた。 製造工程の機械化によって労働力が締め出しが進むと、需要が下がるので経済の循環が止まる。労働者が機械化に抵抗して賃上げを要求することによって、経済危機を避けることができる。経営者が労働者を完全にロボットに置き換えて利益と力を独占すると、巨大テクノロジー企業の経営陣が社会を支配することになると著者は予想する。著者は、経済危機を避けるために企業が所有する機械によって得られる恩恵の一部をすべての人に分配するアイデアをあげる。それによって、すべての人が機械の主人になることができると言う。 すべての人が地球の資源に責任を持ち、社会に欠かせないものと考えるようにする方法として、土地や原料や機械の所有権を地域や組合や国家に移して民主的に管理する方法が考えられる。他に、交換価値がない資源に交換価値を与えるために、市場で売り出して管理者を決める方法もあり、排出権取引として、すでに実践されている。民主化では一人一人に一票が与えられるが、市場では富の多寡によって異なってしまうとの指摘は重要だと思った。通貨、労働力、機械、環境の管理を市場に任せることは最悪だと著者は主張する。 市場社会は人々の欲を満たすことを目的とするが、富をつくり出すと同時に貧困も生み出す。そして、人間の欲望を永遠に生み出し続ける。ショッピングモールは人の心を麻痺させて、欲望を芽生えさせ、必要のないものや買うつもりのなかったものを買わせてしまう。経済学は、産業革命をもたらした科学の出現によって存在感を失った宗教に代わって現れた、市場社会のためのイデオロギーとの見解はおもしろい。 我々が市場経済をあたりまえだと思っているのは、宗教のようなものだと理解した。 エコノミスト・インテリジェンス・ユニットによると、日本の民主主義指数は先進国の中では22位。労働者の自己決定権が保証されている度合いを調査した経済民主主義指数は、OECD加盟国32か国中29位。

    1
    投稿日: 2022.06.27
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    「経済」と聞くと、市場だの金融だの債務だのという言葉が踊る、そろばんを弾いたり電卓を叩いたりの、無味乾燥で小難しい印象。しかしこの本では、ギリシャ神話や映画を例に出すことによって、経済の枠組みがとても詩的に語られる。経済と共に、人間の根源的な特質を考えさせる。 「格差はどうして生じるのか」という娘の問いに答えようと口火が切られる。そして著者は、経済学者だけが「経済」を語るのはよくないと再三強調する。経済の専門家に「経済」を語らせたままにしておくと、ろくなことにならないということ、それがよくわかっただけでも、私は読んでよかった。 難解な言葉が一切ない。単刀直入で、煙に巻くところがない。だけど含蓄に富んでいる。アダム・スミスやケインズの論よりも先に知っておきたいこと。「なぜ格差は生まれるか」と訊かれたら、答えるのは難しいけれど前よりは考えることができる。

    12
    投稿日: 2022.06.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    社会通念は、いつの時代も有権威者の都合によって作られる。それを正当化するためのものが宗教であったり、現代では経済学だったり。経済学は占いのようなもの、とは確かに言い得て妙なのかもしれない。 このまま経済学が社会通念の中心であり続けるのか、あるいは新たな思想が生まれてくるのか…今の金持ちが金持ちである限りは、変わらないのかもしれない。それこそ、機械が人間の上に立つまで?

    0
    投稿日: 2022.06.23
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    分かりやすいけど難しかった。 結局、自分で積極的に考えること、適切なタイミングで行動を起こすべきであること、を改めて確認することができた。

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    投稿日: 2022.06.15
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    難しい言葉を使わずに経済について語っている本。 経済はよくわからないと思っていたけど、この本を読んでもっとしっかり勉強したいと思った。 "専門家に経済を委ねることは、自分にとって大切な判断をすべて他人に任せてしまうこと" 私たちにできることは"投票""買い物"

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    投稿日: 2022.06.06
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    ポランニーの大転換やグレーバーの負債論の内容を平易にしたような内容で、貨幣と市場経済の成り立ちの歴史的・文化的な背景が主題。ただ、最後にビットコインを引き合いに出して貨幣の民主化の話をするのは現代の経済学者ならではの視点だと感じる。 著者のバルファキスは英国エセックス大学で博士号を取得した経済学者だ。 長らくアテネ大学で教鞭をとっていたが、2015年のギリシア債務危機時に半年ほど財務大臣をつとめている。 ここから先はタイトルと帯への批判。 ダイヤモンド社の邦訳本はなぜここまでダサくて下品なタイトルにされてしまうのだろう 英訳のタイトルは"Talking my daughter about economy" 「父が娘に語る経済の話」これだけで十分興味を惹くタイトルではないか。 邦訳ではこれに「美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすいという」言葉がたされている。 このうち、美しく壮大だというのは同意する だが、しょせん単行本で200ページ強の本である。内容は深くはない。 「とんでもなくわかりやすい」かどうかは人によると思うが、貨幣と資本主義の歴史に関して述べている本では大著の「負債論」や「大転換」と比べれば平易に書かれているのは確かだ。 なお、帯に元外務省主任分析官で評論家の佐藤優が「金融工学の真髄、格差問題の本質がこの本を読めばよくわかる」という言葉を寄せているが、本書で金融工学に言及されているのは2008年の金融危機のくだりで証券化のことが少し書かれている程度だ。 はたして金融工学の真髄とは?佐藤優は外交や紛争の話はさすがと感じるのだが、ファイナンスに詳しいわけではないだろう。 上記の弁はただ金融工学という言葉を使いたいだけの浅薄な印象を受けた。商学部の1年生か。

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    投稿日: 2022.05.26
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    レビューとタイトルでかなり期待していたため、そのせいか、面白くなかった。また、おそらく私がこの本の対象ではなかったらしい。経済に詳しい人、経済学の本を何冊か読んだ人には不要だと思う。 侵略者が毛布に天然痘のウイルスをすり込んでアメリカ先住民にプレゼントしたという話は、ほぅと思った。 経済学者は科学者ではない、は確かにそうで一般人は経済学者に期待しすぎるだなと思った。 エピローグと訳者あとがきが一番面白かった

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    投稿日: 2022.04.21
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    経済のお話しが寓話のように語られてとても分かりやすかった。作者自身に答えはあるものの、どちらがいいかは未来を生きる君が決めていい、と語りかけられたのが、経済に関心を持つきっかけになった。 「どちらを取るかは君が決めていい。ふたつの主張の衝突が、私がいなくなったずっと後の未来を決めることになる。未来に参加したいなら、このことについて君自身が意見を持ち、どちらがいいかをきちんと主張しなくちゃならない」

    1
    投稿日: 2022.04.19