
総合評価
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powered by ブクログ同シリーズ『検事の本懐』読了後、こちらを読みました。 物語は、法廷シーンと過去シーンが交差しながら進んでいきます。 読み終わったとき「この作品にはこのタイトルしかないな!」と思ってしまうくらい、最後の最後までおもしろい作品でした。 佐方弁護士のブレない姿勢がカッコよくて、エピローグでは涙が出そうになりました。 主人公・佐方の検事時代のエピソードを知った上で読んだことで、より佐方の魅力を感じられました。
7投稿日: 2023.05.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ホテルの一室で刺殺事件が起きた。 痴情のもつれが原因だと思われ、被告人の有罪は濃厚だった。 事件の裏に隠された真実とは? 「法より人間をみろ」 面白かった。そしてミスリードが上手い。 ネタバレなく感想を書くことはなかなか難しい…。 高瀬夫婦の心情を思うと辛い。 息子が交通事故で亡くなり、法が裁いてくれると思いきや加害者はのうのうと生きている。 その状態を考えただけで、重く苦しい。 美津子に病魔が迫っていたのも、残酷 神様はいないんだなと思う瞬間。 光治は絶望感でいっぱいだっただろう。 途中私の理解力が悪いのか?と思ったけど 作者の上手いミスリードにまんまと引っかかっていた。 読み落としたのかと思いきやそもそも描かれていなかった。 気付いた時、そういうことか…!と私の頭の悪さじゃなく一安心した。笑 警察関係者が事件を起こすと揉み消されるなんて噂があるけど、 きっと今作のように揉み消された事件は多くあるんだろう。 丸山のように色んな事情があって丸め込まれるなんて、ザラだと思う。 きっといつの時代になっても変わらない。 そうじゃない世の中になればいいけど。
4投稿日: 2023.05.18
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柚月さんの本は悪いやつがとことん悪くしっかり裁かれるところが好きで、この本は飲酒運転の死亡事故をもみ消した権力者がどう成敗されるのかが楽しみで読んだ。 飲酒事故についても今後裁判になりそうな終わり方ときっちり社会的制裁を受けそうなラストは、非常に現実的で納得できた。丸山など、権力によって信念を曲げられた人々にも救いがありよかった。 ミスリードもあり推理小説としても楽しめた。
6投稿日: 2023.05.10
powered by ブクログ面白かった。 そしてとても切なく辛かった。 正しく罪を裁く。 まさにその通りになったけど、色々と出会うタイミングなどが変わっていたらどうなっていたんだろうか、と本当に切なくなった。 でも、弁護人が佐方貞人でよかったとも思えるほどスッキリもした。 刑事ドラマが好きすぎて、なんとなくの話しの予想は出来たけれど、最後の最後での伏線回収や罪が暴かれていく流れは本当に面白かった。 シリーズものなので次の話も読みたい。 次はどんな風に暴いていくのか。佐方貞人に会いたい!
11投稿日: 2023.05.10
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島津のような人にギャフンと言わせたい。美津子の復讐計画はうまくいったが、有罪にはできず、島津がギャフンと言ったかどうか。法では完全に悪を裁けない問題が残ったまま終わってしまい、もやもやが残る。でも、そこに現実味があったりする。
2投稿日: 2023.05.09
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高瀬夫婦が事件当時に佐方に出会えてたら…とか考えてしまう(それじゃ話おわるやつ笑)とても悲しいお話。 もれなく泣きました。
1投稿日: 2023.05.07
powered by ブクログ法曹ミステリー、って言えばいいのかな? 知らずに読んだけれど、弁護士/検察官・佐方シリーズなのだとのこと。佐方は、タバコ臭そうなおっさん弁護士。元々は検察側だったらしく、無愛想だけど、人間をきちんと見て、真実を突き止め、真っ当に裁くことを信条にしている。 痴情のもつれからのホテルで刺殺事件。 いっけん、明白そうな事件なのに、実は複雑な事実が絡まっていて、裁判を通じて少しずつ少しずつ全体像が明らかになっていく。 読者としては、明確に書かれていること、と、書かれていたと思い込まされていること、に翻弄されて、楽しかった。 佐方シリーズ、読み進めてみよう。 (あれ?でも、なんでこの本を読もうと思ったのか忘れちゃった。図書館に予約を入れたのはいつだっけ?何きっかけだっけ?でも、ま、また新しい読み物を見つけることができてよかった)
9投稿日: 2023.04.29
powered by ブクログAudible読了です。 一人っ子との死別。これは人の親にとってこれ以上ない悲しいお話です。そこに配偶者の死も重なる。悲劇すぎる。その悲劇がどうやって救われる話になるのか。読み応えがありました。 本筋とは脱線しますが、私は警官の丸山が警察内部の組織悪と戦っているモノノフなのかと期待していました。だからこそ警察署で暴れる父・光治を力ずくでもなだめた、そうであってほしかった。というか柚月作品はそういう方向性なのかと思ってました。 超キレキレのヤメ検弁護士佐方さんは他作品でも出ていらっしゃるんですね。泥臭い捜査を微塵も感じさせないスマートな反証に惚れました。登場作品も読んでみようと思います。
5投稿日: 2023.04.26
powered by ブクログ可哀想だが、そこまでの関係性作りしていくのしんどそうってことで、現実味たんねえなっておもってしもた。
2投稿日: 2023.04.25
powered by ブクログ真相に迫る面白さというより、事件に隠された背景や経緯に感情移入させられるような、そんな面白さのある作品で引き込まれた!
6投稿日: 2023.04.15
powered by ブクログ一気に読んだ。 最初、ちょいちょい場面が変わるので、これはなんぞや?とおもっていたら。。。 その伏線の回収方法がすごかった!! うすうす、一部は感じていたが、まさかな。。 切ないな。。。
4投稿日: 2023.04.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
被告人や被害者を終盤まで明かさずミスリードさせる書き方に、そのまま乗っていた。間違えて読んでいた。 開業の内科医である高瀬。妻と子どもと幸せな暮らしだったのに、子どもが交通事故で亡くなる。その事故は警察が被疑者とグルになり、もみ消された。そして被疑者はその後ものうのうと楽しく生きていた。 7年後、ホテルで殺人事件が起こる。その事件の被疑者は無実を訴える。その弁護をヤメ検の佐方が担当。 佐方は殺人事件と7年前の交通死亡事故との関連に気付き、深掘りしたところ、証人を見つける。 その証人が証言するには、過去の罪を告白しなければならない。 「一度目は過ちだが、二度目はその人間の生き方」 今回、証言しなければ、二度目の過ちを犯すことになる、という説得に折れて証人として立つ。 自分への戒めとして覚えておきたい言葉だと思った。 佐方の真実を追い求める姿がとても好きだ。
2投稿日: 2023.03.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2023.3.20 読了 ミスリードを狙った仕掛けがあちこちに見えてたので意外な展開ではなかったけど読み応えは十分だったし丸山が証人に立ったところは予想外でへぇ!となった。 最後は佐方の弁護によって殺人事件も7年前の危険運転致死事件もまっとうに裁かれることになって読み手としてはスカッとしつつも高瀬光治が最後の証人として7年前の事故をまっとうに裁くことよりも妻が命をかけた復讐計画を成し遂げる方を選んだところに彼の気持ちの救われなさを感じて胸が痛んだ。 この先彼がまっとうに救われればいいなと思う。
1投稿日: 2023.03.20
powered by ブクログほとんど罪を認めていたのに、突然無罪を主張。勝ち目のない弁護に臨む理由が面白そう、というのが面白い。 最後のどんでん返しが興味深かった。
1投稿日: 2023.02.11
powered by ブクログ最後ボロボロ泣いてしまった…いや、途中からずっと何度も泣いていた。 なんて悲しくて苦しくて切ない話なんだろう。 子どもを理不尽に殺されてしまった夫婦の話だった。 しかも、殺人犯は公安のお偉いさんだったせいで、警察ぐるみで事件を隠蔽されてしまったという 悲劇。 夫婦の慟哭は計り知れない…読んでいて本当に悲しかった。 ラストは胸が震えるほど良かった。泣けた…本当に泣けた…素晴らしい作品だった。
1投稿日: 2023.02.10
powered by ブクログ最後まで面白く読めました。やはり、勧善懲悪なところが読んでいて気持ちがいい。続編もあるみたいなので、読んでいきたいです。
1投稿日: 2023.01.03
powered by ブクログ面白かった。 最後まで誰が殺したのかわからなかった。 そこも含め楽しめた。 シリーズ化されているなら読みたい。
0投稿日: 2022.12.26
powered by ブクログちょっと内容に無理があるかな。 過去の事故の因果関係に警察も検察も気づかずに進んだり、自分で刺したナイフに解剖医も分からないというのは・・・ 全体的に都合が良すぎるところが多かったかな。 島津もすごい腹立つし、線香もあげにこなあ腐った奴ならもっと悪く描いてくれて、最後きつく懲らしめないと腑に落ちないかな。
1投稿日: 2022.12.17
powered by ブクログあー、私はリーガルミステリが好きだなと再認識した作品でした。 リーガルミステリは最後の逆転劇が見どころだけど「それだけじゃない」がどう配置されてるかが本当の読みどころ。 まさかエピローグでウルウルするとは思わなかった…スタバで涙堪えることになるとは。
4投稿日: 2022.12.06
powered by ブクログ中盤あたりからの描写で、話の展開は予想できるところはあるけど、それでも引き込まれた。 事件に至るまでの命がけの覚悟に説得力があった。 肉を切らせて骨を断ったら自分の骨も断たれたような話でした。
1投稿日: 2022.12.05
powered by ブクログこれはすごい、パズルのピースが最後まできっちりはめられていく展開は圧巻だった。 関係者の誰1人に無駄がなく、また、全員の思いあふれる事件だったことが伺われる。 ストーリーに関して言うと、とても複雑で難しいテーマで自分の倫理観を問われるお話。 誰しも正しい罪で正しく裁かれるべきだ、ということは言うまでもなく当たり前のことで誰もがわかっていること。だけど報われない誰かのやり切れなさを知ってしまうと、悪い人にはそれに見合う制裁が下ってほしいし、苦しんでどうしようもなかった人はどうやってその気持ちを晴らせばいいのかやり場が見つからない。 その両者が満たされない場合なんて現実にはきっとたくさんあって、自分が当事者になったら「正しさ」なんてどうでも良くなっちゃうだろうと思う。結局正義なんて人の気持ちに左右される脆弱なものなのなのだと思った。 夫妻の思い合う気持ちや葛藤はとても心に残ったし、涙した。 悲しくてやりきれず鬱々とする前半から、驚きの連続で読む手を止められないラストスパートはまさしく脱帽で、人に勧めたいと思う一冊だった。
1投稿日: 2022.11.12
powered by ブクログ自動車事故と犯人を罪に落とし入れようとする被害者の父と母の復讐の物語、途中まで殺されたのは島津の方と思っていたが、全く想像外の展開だった。スピード感もあり息子を亡くした美津子の気持ちも痛いほどに感じた。先週、息子に子供(椎凪)が産まれた。悲惨な事故に遭わないように健やかに育つように祈るばかりです。
0投稿日: 2022.10.31
powered by ブクログ率直にとても良かった。 恋愛感や友情よりも人間の絆で1番強いものは何か、って聞かれたら間違いなく同志。 同じ目的を持つ同士の絆が1番強い。 この高瀬さんご夫婦は何よりも強い絆で結ばれる人と出会えて幸せだと思う。
5投稿日: 2022.10.11
powered by ブクログわたし的に「★6」と書きたいくらいよかった。 佐方が弁護するのはホテルの一室で起きた刺殺事件の被告人である。 物的証拠・状況証拠共に、被告人の有罪はほぼ間違いないとみられているが、無罪を主張している。 裁判の様子と、それに至った背景の出来事が交互に描かれている。 なんの予備知識(あらすじやクチコミ)を入れずに読んだ…というのもあり、見事な作品だった。 途中で「あ!え?そういうこと?」と驚き、最初のページに戻って読み直すくらいの衝撃があり、そこから怒涛の展開だった。 自分も子どもがいる親として感情移入しまくりで辛さが倍増。 大切な夫婦間の愛や悲しみが自分のことように感じ取れて居た堪れない気持ちに。 ストーリーとして読み応えのあるお話でした。
2投稿日: 2022.10.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
裁判が題材の小説は苦手だったが、この作品は凄く読みやすかった。 こいつ犯人だな〜という思い込みは怖いなって思った。 最後は他殺と見せかけた自殺って事かな? 自殺だけど他殺と見せかけて相手の罪を背負わせるって事かな? 面白すぎて一気に読めた!
4投稿日: 2022.10.03
powered by ブクログ面白く読めました。 ただこういう本にありがちな、 「なぜ専門家でもらないあなたがその真実に辿り着けるの?」感があり、それだけでモヤモヤ…
1投稿日: 2022.09.23
powered by ブクログ読みたかった本の隣にあったので、手に取りました。 読んだことのない作家さんでしたが、新規開拓を兼ねて購入。 ありふれた裁判ものが、どう後半化けるのかを楽しみに読み進めました。 そうきたか、という展開でしたが凝りすぎることもなく、素直に面白く読めました。
2投稿日: 2022.09.19
powered by ブクログ光治に感情移入をしてしまい、一気に読み進めることができました。罪は真っ当に裁かれなければならないとわたしも強く思います。
2投稿日: 2022.09.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
なんとなく被告と被害者が逆なのかなとは思ってた。1回も名前出てこなかったし。7年前の罪が暴かれたのは良かったけど、なんか夫婦が可哀想で…。なんかうーんと思ってしまった。
1投稿日: 2022.08.28
powered by ブクログ柚木裕子先生は「盤上の向日葵」から二冊目。今回も嗚咽し泣きながら読みました。前半から夫婦の覚悟と絶望に胸が苦しくて苦しくて、結局その苦しさを抱えたまま読み終えました。救いのない話の中で奥さまが幸せだったと感じていたなら、同時に旦那様の幸せも考えて欲しかったと思います。
0投稿日: 2022.08.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
法廷もの 検事をやめた弁護士佐方 将来を期待される女性検事の真生 2人は筒井の元部下と現在の部下が法廷で戦う 事件はホテルで起きた男女間でのいざこざ。被害者は胸を1突きで死亡。この事件の背景には7年前の事件が関係していた
0投稿日: 2022.08.13
powered by ブクログ検事シリーズ、一冊目。 なかなか読みすすめるのにつらいところがあった。 全てを公にするのが正ではないという着地点があり、いつもながら素晴らしい終わり方でした。
1投稿日: 2022.08.03やるせない事件
裁判と当該事件のきっかけとなった7年前の事件から今回の事件までが並行して綴られる。 事件のことは分かっているはずだったのに、意外な被告人が明らかになると、何ともやるせない気持ちで一杯になる。 ただ、結末は悪が裁かれる形になって、読後感は良かった。
0投稿日: 2022.07.31
powered by ブクログ今回は検事と弁護士の目線から「正義」を軸としたストーリー。これまで読んできたような「推理小説」とは一線を画すような、一義的/一面的でない人間心理の奥深さがあった。「法よりも人間を見ろ。」という言葉が出るが、人間の感情の機微に触れると、理性では消化できない思いが生まれるのもまた事実。しかしながら「まっとうに裁く」という主人公佐方のスタンスが物語にどう作用していくのかも見もの。
1投稿日: 2022.07.26
powered by ブクログ自転車に乗っていた10歳の男の子が飲酒運転の男によって轢き殺された その男は不起訴処分を受ける 真実を暴こうとする両親だったが叶わず息子を失った悲しみの中、一人の男と出会ってしまう。息子を殺したあの男に 夫婦は自分達の生を賭けて復讐を計画する 犯人だと確信を持って論告する検察、圧倒的に不利な状況の中、ある男を証人として出廷させた弁護人 無罪か有罪か 予想だにしなかった展開に驚愕しながら読み進めるスピードはMAXとなり手が止まらない 私たちは同志よ この言葉には二人の覚悟がひしひしと感じられた 最後の証人の意味 完成度の高さは流石 違う作品も読みたくなるそんな一冊
9投稿日: 2022.07.18
powered by ブクログ切ない。描写も展開も見事。ただ、感情移入しすぎると、たぶん一番の見所のどんでん返しで、「えー(そっち)」ってなる。
0投稿日: 2022.07.16
powered by ブクログ私の理解とは異なり、被告と被害者が逆転しており、思考錯誤に落ち入ってしまいました。気持ち良くやられたと言う感じです。また、誇り高く、誠実で、潔い佐方弁護士の魅力が満載であり、シリーズの次小説「検事の本懐」、「検事の死命」が楽しみです。
0投稿日: 2022.07.15
powered by ブクログ「ほっこりミステリー」の中の柚月裕子さんのお話がいいなーと思って、 手帳の読みたい本リストのとこに「柚月裕子 佐方貞人シリーズ」と殴り書きしてた自分にぐっじょぶ。 読んでてハラハラしてどうしようもなくて「結末読んで安心してから読もう」ってのを我慢した自分にぐっじょぶ。 解説も良かった! ハラハラドキドキするだけではなくて、気持ち的に救われる部分があるところが素敵。 真実を追い求めてるだけじゃなくて、それに加えて根っこの部分が温かくしてしっかりしてる佐方さんが素敵。最近また「どうせ小狡い人が上手くやっていくんだ」とクサクサしてたので、この本に出会えてよかった。 このシリーズもっと読んでみようと思う。 そんな本がいっぱい。 幸せなことだ。
1投稿日: 2022.07.12
powered by ブクログドラマ化もされている検事・佐方貞人シリーズの第1弾。時系列的には佐方が検事を辞めて弁護士に転身した後の事件が描かれているので、かなり後ろの作品になるのかもしれない。 途中までは事件の被告人も被害者も名前が伏せられており、公判の流れの中に過去の話も登場することから、勝手に想像して読んでしまうが、思わぬ展開が待っている。罪人に裁きを与えることの難しさ、人間を見ることがいかに大切かを実感できる作品。
0投稿日: 2022.07.06
powered by ブクログ題名通り、最後の証人がキーとなる法廷ミステリであり、一部叙述トリックも含んでいてかなり面白かった。「狐狼の血」とは全く異なりバイオレンス色は皆無。 解説にあるようにオジサンを描く方が味が出る作家さんだなと思う。
7投稿日: 2022.06.20
powered by ブクログ心の奥底を見る眼。 法を犯すのは人間。法より人間を見ろ。 水面に見えるものだけが全てではない。 水面下に隠れている本質を想像する力を養っていきたいと思った。 面白かった。 柚月裕子さん、はまりそう。
5投稿日: 2022.06.17
powered by ブクログ★5カッコイイ! 男が惚れちゃう男、弁護士佐方貞人がスゴイ ど真ん中法廷ミステリーの傑作 #最後の証人 ヤメ検弁護士の主人公は、刑事弁護の依頼を受ける。ホテルでの殺害事件で証拠も決定的にもかかわらず、依頼者は無罪を訴えているのだ。相まみえる女性検事は大変優秀と評判、勝てる見込みはあるのか。 一方、かつて自動車死亡事故によって大切な少年を亡くしてしまった夫婦がいた… 見事な法廷ミステリーですね。こりゃ面白いです。 途中何度も読み返し、どうも違和感を覚えるなぁと思ってましたが、こうなりますか。終盤もやもやが綺麗に晴れ、ストレートに解決に導くストーリーは圧巻でした。 全部読んでみれば比較的シンプルなお話なんですが、さすがの柚月裕子さん、構成力、文章力は半端なく抜群ですね。ウマい! そしていつもの通り男性を描くのがお上手。 一見さえないが、温情で切れ者。表には出さないが正義を胸に秘めた、シブイ弁護士。カッコイイ!惚れる、惚れちゃう。男が男に惚れるとはこのこと。 全登場人物がイキイキとしすぎ! 弁護士、検事、夫婦、刑事、容疑者、その他関係者すべてにおいて、情念と人間性が手に取るようにわかる。むしろ顔すら思い浮かんじゃう。わざとらしくなく会話や行動の中で、それと伝わってきます。 特にある二人の覚悟を決めた時の描写ですよ。それぞれ、魂の叫びが聞こえてきました。スゴかった… お話としては、切ないですね。 自分自身にもふと起こりえる話で、子供をもつ親としては、自分ならどうするのか考えさせられました。方法は違うでしょうが、同様のことをするんだろうな。 本作は、基本書ですか?というほどガチンコ法廷ミステリーの傑作です。ミステリー好きで未読の方はとりあえず読めという作品、おすすめですっ
55投稿日: 2022.06.04
powered by ブクログリーガルミステリー。弁護士・佐方貞人は逆転無罪を勝ち取れるのか?面白かった。勧善懲悪で、読後感も良かった。
12投稿日: 2022.06.01
powered by ブクログ7年前の小学生死亡交通事故 が原因で起きる 殺人事件の裁判の小説 出てくる弁護士や証人等が 真っ直ぐで正義感が強く 真の善人なのがよかった 小学生の事故での 悔しさや無念さで いたたまれない気持ちになるが 最後の裁判での結果にホッとした 悪い奴が裁かれるところ が気持ちよかった 読んだ後少し元気が出ます
3投稿日: 2022.05.28
powered by ブクログ2022.5.24読了 3.0 リ-ガルミステリー。 ありきたりなストーリーかと思いきや、最後にどんでん返しがありまんまと騙された。 ハ-ドボイルド系が好きな人におすすめなのかな。
4投稿日: 2022.05.26
powered by ブクログ良かった〜 最初から最後までほとんど一気読み! もしかして…そうなの〜⁈と思いながらも、最後はちゃんと納得して読了 久しぶりにスッキリした読後感
4投稿日: 2022.05.25
powered by ブクログ読み出して、ドラマの場面が浮かび あゝ、なんか知ってる と思うた。 ミステリーとしても 物語りとしても とても完成度が高く 読み応えのある内容でした さすが
4投稿日: 2022.05.11
powered by ブクログみなさんの評価も気になり、はじめて柚月さんの本を読みました。 執念という言葉に惑わされました 後半の展開は心臓バクバク 涙がうるんできたり 本当意表を突かれました。裁判シリーズということで難しい用語が出てくるのでは、と不安でしたが、とても読みやすかったです。
12投稿日: 2022.05.09
powered by ブクログそう来たかー!いつも裏切られる。そして期待以上。佐方さんに引き込まれた。ほぼ佐方シリーズ読んでしまったので次回作、楽しみにしてます。
1投稿日: 2022.05.05
powered by ブクログ佐方貞人シリーズ1作目 検事を辞して弁護士に転身した佐方貞人が、ホテルの密室で起きた刺殺事件における有罪濃厚な被告人の弁護人として、法廷において事件の裏に隠された真相を手繰り寄せつつ、7年前に起きたある交通事故との関連を明らかにするリーガルサスペンス。 ブクログの他の方の本棚で本シリーズの作品をよく見かけるので、試しにシリーズ1冊目を手に取ってみた。 読み終えると、「試しに」等という軽い気持ちで読み始めたことを強く反省した。 手に汗握る法廷劇において魅力的な主人公が活躍する、とても面白い作品であり、一気に読み切ってしまった。 また、読み切るとともに、私の胸の中に佐方貞人という新しいヒーローが誕生した。 佐方貞人は、裁くべき真の罪を明らかにする痛快さ、罪を犯した者に正しく罪を償わせる厳格さ、そして人間の悲しみと過ちを悔いる心に寄り添う優しさを感じさせる魅力溢れるキャラクターだった。 その魅力のせいか、終盤における小阪事務員の佐方貞人に関するセリフに共感し、思わず涙ぐんでしまった。 本シリーズについて調べてみたところ、何れの作品もブクログでの評価が高いようなので、期待を胸に他の作品も読んでみようと思う。
12投稿日: 2022.04.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
途中まで、被疑者とされているのは奥さんだと思っていたがまさかの島津でびっくり。最後の最後まで予想ができず、とても面白かった。
0投稿日: 2022.04.19
powered by ブクログ面白かった 自分好みのヒューマンミステリー 切ないエンディング ストーリとしては、 交通事故で息子を亡くした夫婦。 しかし、事故の加害者は飲酒運転・信号無視ながらも起訴されることもなく、事故はなかったことに.. そして、7年経ったところで、偶然、その事故の加害者を見つけます。さらに加害者はその事故をもみ消した意識もあり.. 夫婦はその加害者に復讐を考えます。 そして、起きたホテルでの刺殺事件。 被告人は状況証拠から明らかに有罪が濃厚。 しかし、そんな状態で佐方は弁護を引き受けます。 佐方と若手検事の真生の法廷での対決となります。 夫婦の復讐への想いと法廷での立証が交互に語られていきます。 そして、明らかになる真相 我々読者にはミスリードを誘う展開で、最後の最後はとても切ない。 こうしたヒューマンドラマはとても好き。 お勧め
36投稿日: 2022.04.10もしあの証人が公判に出てこなかったら、彼は今でもほくそ笑む?
ラストにおいて犯人は、社会的制裁という最も避けたかった状況に追い込まれ、これまで人生において積み上げてきたもの全てをなくし、読者はスッキリしますが、哀しさは後を引きます。 最後まで読者を引っ張り、あ~そういう事だったんだ!という物語の巧みな構成は、流石の力量であります。ちょっとズルイ感じがしないでもありませんけどね。あまり詳しく書くと、これから読む人にネタバレとなってしまいますがねぇ。と言うのも、公判において、依頼者つまり容疑者の供述は小説の中では出てきません。依頼者は最後まで無実を主張してますけど、では誰が殺したのかは語っていないんですよね。 もし私が容疑者だったら、一緒になることを拒否されて女性は自暴自棄の末に自殺を図ったのだ、仰天して私はそこから逃げたのだ、と最初から供述すれば、このような公判にならなかったと思うのですが。。。ヘンかな? とは言え、そんなことに気がついたのは最後まで読んでからのことです。そもそも物語の発端になったのは、少年の交通事故死。これが隠蔽されたことが問題です。公安委員は非常勤の特別公務員だといいます。彼らが上級国民にあたるかどうかは知りませんが、結局、権力者と呼ばれる人は持ちつ持たれつなんですかね。今ならば、ネットで暴くという方法もあるかもしれませんけどね。 私は交通事故について、常々思うことがあります。車を運転する人は、一度や二度ヒヤッとしたりドキッとしたりした経験があると思います。自動車運転過失致死傷罪、危険運転致死傷罪とかありますよね。それらの刑が一般的な感覚よりも、重いのか軽いのか、どう思うかは人それぞれかもしれません。でも、こと飲酒運転については、運転した時点で、確信犯的殺人未遂だと思うのですが、どうでしょうか。シラフで運転したって、時々、ぶつけたりこすったりするのですから、酒飲んでまともに運転できるはずがありませんよね。
0投稿日: 2022.03.30
powered by ブクログ個人的にかなり好みのテイストだった。硬派ながら信念を持った人たちが活躍する物語は好きだ。女性でこの系統を書ける柚月さんは貴重だと思う。内容としてはヤメ検の弁護士、佐方が罪の本質を見抜いていくというもの。構成として公判中の視点と事件関係者の視点の2つからなり、これが上手い。事件関係者に対し感情移入出来るように仕掛けてある。タイトルの通り「最後の証人」が鍵を握るのだが、登場してからが特に面白い。物語の全貌が一気に見えると同時に佐方の凄さも押し寄せてくる感覚になる。自分がこの事件の関係者になったらどうするだろうか。多分、犯人のような行動はとらないであろう。難しい問題ではあるし、許せない気持ちも分かるが違う道もあったのではないかと思う。テーマの暗い話ではあるがラストでの「まっとうに救われるべき」というセリフに犯人も読者である私も救われた気がした。
6投稿日: 2022.03.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
交通事故で息子を亡くした両親が無罪になった加害者を巻き込んで殺人事件を企む。 ストーリーはありきたりでしたが、奥さんや旦那さんの描写は引き込まれるものがありました。
0投稿日: 2022.03.08
powered by ブクログ最初に感じていた違和感が段々と解きほぐされていった展開に読む手も止まらない感じでした。最後の最後…なんとも切なかった。 法と生きてる人間。紙面の物だけでは真実の裁きは導けない。 シリーズの他の本も読んでみたくなった一冊でした。
3投稿日: 2022.03.07
powered by ブクログやられました。そっちか。という率直な感想でした。確認できる事実から推定できる背景の内側を絞り込む主人公の緻密な確認が真実に届く過程はお見事である。その側近と対戦相手の気丈な女性が更には緊迫感を醸し出す環境も読者への緊張感をもたらせてくれる。終盤ある二人のうなずきは過ちを認め報いる覚悟を訴えるには十分すぎる仕草だった。
4投稿日: 2022.03.05
powered by ブクログ人を殺めた人でも裁かれずに普通に生きてる事例が多くあるっていうのは何となく聞いたことはあったけど、実際の被害者の気持ちを考えたら辛くて、復讐したい気持ちが痛いほど伝わってきた。
0投稿日: 2022.02.27
powered by ブクログ前半を読んで想像していた展開と後半が違い、飽きずに読み切ることができた。 解説で、柚月さんのことを動機を書く作家だと評していて、もしこの家族の立場になったら自分も必然的に罪を犯すかもしれないと考えさせられた。
2投稿日: 2022.02.18
powered by ブクログ人は、選ばなかったもうひとつの人生に、 常に嫉妬して生きていく生き物だ。 P186 16項参照 柚月裕子の作品、初読了。 犯罪を犯した後の公判の描写と事件前の描写が 交互に描かれている作品であり、 犯罪を犯した側の詳しい情報がバンバン 描かれている為、この本を読み進めながら このまま終わるのかと心配になっていたのですが 後半は驚きの連続だった。。。 事件被害者の心情がリアルに描かれており、 これぞリーガル・ミステリーの醍醐味だなと思った。 現段階でこの“佐方貞人シリーズ”は第四弾まで 発売されてるので読み続けていきたい作品になった。
17投稿日: 2022.01.30
powered by ブクログ2022.01.26 読了 正義は人の数だけあって正解なんてない。そのために法がある。 罪は平等に裁かなければない。しかし平等に救わなければならない。 読み終わった時、やるせない気持ちになりましたがこれでよかったと思います。 裁判に詳しくないので読むのに時間がかかりましたがすごく面白かったです。
6投稿日: 2022.01.26
powered by ブクログ一つの裁判について2つの視点から進む話。 テンポよくすらすらと読み進められた。 人におすすめするほどではないので星3つ
1投稿日: 2022.01.10
powered by ブクログ登場人物が少ないので読みやすかった。 作者のトリックが色々散りばめられてるかな。 大筋の流れは予想付いたけど、タイトルの最後の証人は予想外だった。 面白い
4投稿日: 2022.01.08
powered by ブクログせつない物語。大逆転でスッキリする法廷ものを想定して読み始めたがそんな気楽なエンタメ小説とは違った。今野敏が後書きで動機を書く作家と評しているがまさにその通りで、だからこそ読みごたえのある小説になっているのだろう。 ちなみに今野敏が柚月裕子を自分と似た作家と評してもいるが、うーん、そこは違うのでは…今野敏のほうがもっとお気楽に読めるよ。(それはそれで好きなのだが)
1投稿日: 2021.12.26
powered by ブクログ7年前に交通事故で息子を無くし事故を隠蔽された警察検察に不信感から自らの手で復讐しようとする夫婦。妻は末期のガン。 復讐相手を不倫関係に見せかけ殺させるように見せ自殺をする。 被告人として復讐相手の裁判が行われ、シナリオ通りに犯人に仕向けられていく。 それを弁護士で元検事が無罪であることを証明していく。また7年前の事件が根幹にあり隠蔽されたことも公にする。 復讐相手は無罪に夫は捕まり一旦は報われないが、7年前の事故のやり直しで。。。きっと良い方向に 序盤は時間が行ったり来たりするので、何の話?って分からなくなる。複数回読む気が無ければ、人物に着目して多分こういう順序かと想像力を働かせよう。 この作家は、人物の感情表現が上手い。
1投稿日: 2021.12.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
初の佐方貞人シリーズ、読了。 一気読み。 そして公判三日目スタート直後にいきなりやられた。 公判二日目まで被告人を完全に真逆に思い込んで読み進めていました、、、。 とても面白かった。
13投稿日: 2021.11.18
powered by ブクログ何も悪くない人が悲しんで救われない話を何の為に書くのか。小説でまでわざわざ理不尽な現実を見たくない。
0投稿日: 2021.11.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
表現と展開がとても心地よいです。 また、中盤まで誰が裁かれているのか分からないのも良かったです。 重い過去を背負う人物を描きながらも、未来への希望を抱くことができるラストでした。
7投稿日: 2021.11.10
powered by ブクログ愛する一人息子を突然の事故で失った夫婦。 事故を起こした加害者は不起訴になった。 それから7年後に起こった殺人事件。 それを担当するのは、検事を辞めて弁護士になった佐方だった。 佐方が弁護を引き受けた理由は「面白くなりそう」だから。 その意味は… 私の読んだ柚月作品で、一番面白かったかも。 2021.11.4
2投稿日: 2021.11.04
powered by ブクログ佐方シリーズ"検事の信義"文庫化につき 間が空いた事もあり再読。 柚月裕子さんは、慈雨を読みファンに(^ ^) 坂田シリーズを一気買いの一気読みでした。 300ページ程のいわゆる法廷物ですが… 素晴らしい!私の好きなものがぎゅっと詰まってる! やる気みなぎる暑苦しさナシ どんでん返しアリ 何より事件そのものではなく、動機に重きを置いてのストーリー_φ(・_・ 良き本、良き作家に出会えました*\(^o^)/*
12投稿日: 2021.11.01
powered by ブクログお見事!! としか言いようが無いほどの法廷ミステリー小説である。 どれくらい素晴らしいかと言うとネタバレになってしまうのでそれは本小説の最後、何故か学習院大フランス語圏文化学科中条先生?の解説を読むと良く分かる。 とにかく、隠蔽捜査の竜崎伸也と争うくらい法に携わる者の矜持が感じられ、物語の結末とは別に爽快である。佐方貞人にはまった。
2投稿日: 2021.10.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
罪を犯した者は真実を述べなければならない 初めて柚月裕子さんの作品を読みました。すごく良かった! 犯人側と法廷の証言がテンポ良く切り替わるのがドラマティックで読むのが止まらなくなりました。 倒叙モノ好き! 最後の真犯人はさすがに途中で分かってしまいましたが、最後のと夫の証言でグッと深みが出ました。 読了感スッキリです。 検察側が罪人にならなくて良かった。。。
2投稿日: 2021.10.02
powered by ブクログ母から借りた本 母から回ってくる本はチョイスを疑う本もあるから初めての作家さんを読む時はドキドキするけど、柚月裕子さんは抜群の安心感があります ・ 元検事の弁護士、佐方の元に殺人事件の弁護依頼が舞い込む ホテルの一室で男女の痴情のもつれから起きた刺殺事件だった 状況証拠から被告人の有罪は濃厚と思われていた しかし、単純な痴情のもつれからくる事件ではなく、7年前に起きたある交通事故との関連が明らかになっていく ・ 被告人をずっと「被告人」と表現していて名前を表記していなかったので、ミスリードを誘っているのだろうな…と思っていたら、やっぱり!! 柚月裕子さんだからそう簡単な展開ではないと思ってたんだよねー ・ 罪が正しく裁かれないことへの怒り、虚無感… それが子供が犠牲になったなら尚のこと 正に命をかけた復讐に共感する部分も多かった 願いは果たされた… と思っていいんだよね
5投稿日: 2021.09.22
powered by ブクログ不倫の縺れからの殺人事件かと思いきや、深く悲しい過去の話しであった。 物語は、公判初日、二日目と進むのだが、話しの展開は過去と現在を行ったり来たりと時空に頭が反応し、冴えながら読むことができた。この先を期待するドキドキ感がたまらない。 佐方もいい。それにしても、柚月裕子はいい男を描くのが本当に上手いな。
5投稿日: 2021.09.07
powered by ブクログ登場人物達の抱える黒い闇が重く悲しい話でした。罪が正しく裁かれることの大切さと、国民を守る警察が真っ当な組織である根底が揺るぐ恐ろしさを感じました。ずっと高瀬夫妻側で読み進めていきました。佐方弁護士の手腕ぶりの詳細がなかったので、佐方弁護士にフォーカスした話も読んでみたいです。
24投稿日: 2021.09.05
powered by ブクログ面白くて一気に読んでしまった。巨悪で成り立つ社会から、一方的に犠牲者に仕立て上げられた小学生が辛い。立ち向かう親も薄汚い悪の組織にはなす術もなく、悲劇は深まるばかり。この国の正義は一民間人に頼るしかないのだろうか。公判最終日の証人の証言に涙。このシリーズも次に行きます。
7投稿日: 2021.08.23
powered by ブクログなんでこのボリュームの話がそれほど分厚くもない文庫本一冊に収まっているのかが不思議でならないくらい、濃厚で山谷の大きな話だった。 心が折れそうになるくらい不条理な前半の展開がきれいに全部拭われていく後半最後。爽快でした。 でも犠牲はあって。でも犠牲があることで現実味が増して、ますます引き込まれる一因なのだろうなと思います。 削られるんだけど癖になるなあ柚月さん。
5投稿日: 2021.08.19
powered by ブクログ検察官を辞めて、弁護士になった佐方貞人が請け負ったのは、ホテルの密室で男女の痴情のもつれが引き起こした刺殺事件。 様々な仕掛けがあり、最後まで夢中になって一気読み。 動機に重きを置いているというか、読んでいて関係者の心情がひしひしと伝わってきてやり切れなさもあり、苦しい。最後は涙が浮かんできて読了。 そしてしばらく考えさせられる。 やっぱり、柚月さんの小説好きだなぁ。
13投稿日: 2021.08.15
powered by ブクログ表現、展開がとても巧み。 途中「展開が読めた」と思い、でもまあ最後、どうラストに持っていくのかと読み進めたが、「読めた」と思っていたのはほんの一部。 巨悪と小悪、ともに許すまじとする佐方の信念と行動に惹きつけられる。
5投稿日: 2021.08.06
powered by ブクログ★3 異なる時間軸の場面が同時並行で進み、これが重なる時、思わず、「あれっ!」。やるね。ただ、こういうシリアスなストーリーは個人的には苦手です。
3投稿日: 2021.07.20
powered by ブクログこれ!めっちゃ面白い! なるほど、そう来るか〜! こんな奴、有罪でええやん!っと思ってまう人であっても、真実に忠実に、真相を! でも、やはり、碌なことしてないから、色々ある。 そもそも、この事件にしても、起こるべくして起こってるんやし。 まぁ、警察組織もやけど… 主人公で、弁護士の佐方さんは、昔はともかく今はうだつの上がらん感じやけど、腕は確かってとこが良い。 敏腕弁護士に見えんとこが。意外性って言うんですか。 これシリーズ化してる。 面白いし読も! …既に、もう2冊あるという^^; でも、時系列的には、これが後になるんやな…
45投稿日: 2021.07.12
powered by ブクログ自分の気持ちに正直に生きることは尊いけれど、それが必ずしもたくさんの人に認められる結果を生むわけではなく、誰かの正義は誰かにとって不利益をもたらすこともある。 柚月さんの本には、人生とは?というような重々しいテーマが根底にはあるように感じられる。 次々と進む展開に、途切れさせることができず、最後まで手を止めずに読み切りたくなる本。
9投稿日: 2021.07.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
期待していた分、こんなもんかというオチでざんねんだった。 トリックは裁判2日目あたりでわかった。出てくる証人も消去法でしかないし。 飲酒運転のくだりは良かったな。ああこうやって調べればいいのかと勉強になる。 裁判1日目からどうも被告人とかで固有名詞が出てこないなと気になってた。回りくどいというか。2日目でわざと隠してるんだなとわかった。 2時間サスペンスドラマとしてなら良い作品だと思う。 裁判は罪人を裁くよりも、真実を明るみに出すというスタンス。まあその真実も、今の日本の法律に照らしてなんだよなあと思うし、そこから漏れた人間は救済されないのもはがゆいし。 人間ドラマパートはちっとも響かなくて早く犯行のやり方について説明してくれの気分だった。人間ドラマパートの出来がほんと2時間サスペンス。読みやすいけどね。 佐方のことも真生のことも好きになれないし、あの夫婦のことも好きになれないしでキャラへの共感が生まれず辛かった。もうダメかもしれないな。 なんでダメだったんだろう。見飽きてるのかもしれない。そうはならんやろっていう感覚がぬぐえなかった。
1投稿日: 2021.06.30
powered by ブクログ今月9冊目 ★★★ 面白かった。シリーズ1作目。 裁判系でこうなるかって展開。 すぐ読んでしまった。
4投稿日: 2021.06.18
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どなたかの本棚で見つけて図書館予約 あまりミステリーを読まないのです 人が死ぬのは好きじゃないから(笑 よかったぁ 被害者と加害者! うわあ シリーズになっているのですね 犯罪が犯罪を生む 人を裁くことのなんと難しく恐ろしいこと この著者の他の作品も読んでみようと思う 遅すぎるかな ≪ 七年の 怨念込めた このナイフ ≫
17投稿日: 2021.06.14
powered by ブクログあーこの感じはなんかあるんだろうなと思わせる展開の良し悪しは人によって分かれると思う。わたしはどちらかと言うと苦手。あと、女性作家にしては、わたしには女性があんまり魅力的に見えないのも残念。
2投稿日: 2021.06.01
powered by ブクログ孤狼の血シリーズが面白かったので、佐方貞人シリーズも読み始めた。 やはり、中年男性描写の渋さが光る。ストーリーもシンプルながら引きこまれる内容で、非常に満足感のある作品だった。 本シリーズも続けて読んでいきたい。
4投稿日: 2021.06.01
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プロローグは今まさに殺人がおこなわれようとしている場面。次章からはその殺人に至るまでの過程と法廷のシーン。ないアタマで真相について推理しながら読んでいたのに、そっちか! 最初からまちごうてるやん私。(^^; 中山七里の『能面検事』の「検察は被疑者に罪を与える機関ではない」という一文を思い出し、罪を与える気バリバリの庄司検察官のことが好きになれません。罪はその罪で裁かれなければならないという佐方弁護士の持論に、能面検事との共通点が見られます。 現実には、被告人が否認して、責任を転嫁して、その罪で裁けないこともある。そんなときには、どんな形でもいいから相手に天罰を下してほしいと思ってしまう。
4投稿日: 2021.05.09
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★特長 7年前の犯人不起訴交通事故がきっかけに起こった殺人(?)事件 殺人事件の裁判の進行の合間に、主な登場人物のキャラクターの背景となるエピソード紹介 徐々に明らかになっていく事件の真相 タイトル通り主人公佐方弁護士以外の誰もが予想し得なかった「最後の証人」の登場により、被告人の有罪が妥当と思われた裁判の判決日に大逆転。 さらに明らかになる事件の真相。 幸せな家庭に起きた悲劇 親子夫婦の深い悲しみ 不可解な不起訴 更なる夫婦の悲しみ 妻を襲う不治の病 自分の命と引き換えに亡き息子の無実をはらす決意 佐方弁護士の正すべき罪は正しく裁く姿勢 ★感想 夫婦愛、親子愛に感動 自分の身を挺して息子の復讐を決意する夫婦の心に涙 権力者の犯罪隠蔽に対する憤り 佐方弁護士の信念を貫く姿勢に感動 長さが丁度良かった。 結末が素晴らしかった。 ★魅力 幸せな家庭に訪れたとんでもない不幸 夫婦は同志として立ち上がる 冒頭にメインの復讐殺人事件のシーン 最初に持ったイメージがあとで大きく覆される 公判が進むにつれて謎が解けていくが、大方予想通りだったのが、判決日に現れた「最後の証人」により、この事件の原因となった事件の真相も明らかになる。 ★おすすめの人 大方の予想を覆す逆転劇の好きな方 真実を掘り下げるのが好きな方 ★その他 「結果ではなく理由を明らかにする」ことが大事 その犯罪の裏には何があったのか? そうすることにより、更生につながる。
7投稿日: 2021.05.01
powered by ブクログ久しぶりに読み返しました。改めて、よく出来てるし、面白い。 初読の時は佐方さんに惚れたけど、これは、小坂さん主役にしたら映える気がする。 罪は真っ当に裁かれるべき。そうであるべきだけど、現実は難しい。嘘をついてでも、悪人を陥れたい気持ちはわからなくない。そんな複雑な感情をそれぞれの登場人物に投影して、よく描けている作品。 柚月作品は真面目で重いから読むと疲れてしまうけど。時々は読み返してみようと思いました。
5投稿日: 2021.02.25
powered by ブクログ面白かった。泣いた。 裁判ものはあまり読んだことがないのですが、良かった。 ミステリーを読み慣れてる人は最後の証人が誰か想像出来るのかもしれないが、私は途中判明した事実に驚きつつ、予想も外れて読了しました。 心情がとても丁寧に描写されており、あっという間にのめり込んだ作品でした。
4投稿日: 2021.02.21
powered by ブクログホテルの密室で男女の痴情のもつれが引き起こした刺殺事件。検事を辞して弁護士に転身した佐方貞人が弁護を引き受けます。 状況証拠からいくと、被告人は有罪が濃厚。被告人の弁護を引き受けた佐方は、その背景と動機に迫ります。 家族を崩壊させる悲惨な出来事。正義とはなんなのか、復讐で人は救われるのか。。。 ラストで感情が溢れます。 …そういうことだったのか。 真実に少し救われ、でも切ない。 そんなお話です。 柚月裕子さん、ファンになりました
2投稿日: 2021.02.21
powered by ブクログ痴情のもつれが引き起こしたホテルの一室での殺人事件の裁判。そこから遡って流れる時間。 誰が誰を殺し、守るか。肉体だけではない。むしろプライド。 人間の最後のプライドを血まみれになって自ずから捨てるか、傷だらけになっても死守したはずが他者に無残に折られるか。 とても読み易く展開自体は読めるものだけれど、そこに流れる呼吸に同調するように没頭できる。 読み終えて一つため息をつくようなドラマ感が素晴らしかった。 今野敏氏の解説がとても明快で、柚月氏の他の作品にも大いにそそられた。
2投稿日: 2021.02.17
powered by ブクログ柚月裕子の小説ってなんかすごく読みやすい。 最近途中まで読んで断念することが多かったから、すごく救われた。 なんとなくオチはわかっていたとはいえ、それでも予想を上回る執念と覚悟の強さに夢中になって読んだ。日曜に夜更かししてしまった。 佐竹が全然しゃべらないまま法廷が進んでいって、なんだこれと思ったら、 最後に怒涛の展開。しびれました。かっこよすぎる。 罪を犯した人が平等に裁かれる世の中になってほしいな。
4投稿日: 2021.02.15
powered by ブクログ初、左方シリーズ。 順番間違えたか。検事の方が先? 面白かったですね。 これは叙述トリックと呼べるのか解りませんが、早々とわかってしまい、衝撃度は低い。やっっぱりね、とゆうカンジです。 裁判ものの醍醐味であるラストの大逆転を期待して読み進み、期待通りの展開。 けれど、最後の証人には驚かされたです。 登場人物の心理描写が丁寧で、感情移入してしまいます。特に高瀬夫婦……。 切ない。
2投稿日: 2021.02.11
powered by ブクログ1日で読破。 裁判モノはいくつも読んできたけどこれは傑作。 タネが大事なので細かいことは言えないが、お勧めしたい一冊といって間違いない。 個人的には検察側の罪人と同じくらい好き。
2投稿日: 2021.01.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
元検事の弁護士、佐方貞人と検事の庄司真生の法廷での戦い。状況証拠で固められた被告人を被害者との過去の関係を振り返りながら果たそう無罪にしようとする物語。 現在行われている公判と、過去の高瀬夫妻の出来事が交互に描かれていて、文中で先に証言されたことが後に高瀬夫妻に起こるなどと小さな答え合わせが頻繁に行われていて読んでいて飽きず、すぐに読み進められた。 プロローグで殺人の場面が描かれるが、被害者と被告人がどちらともとれるような文章で始まる。自分で予想しながら読み進めていくのが楽しく、タイトルにもなっている最後の証人が出たときに高瀬光治や美津子の気持ちを想像し、うれしいような悲しいような複雑な気分になった。正しい罪で裁くことができて結果的には良かったのかもしれないが、そのために命を懸けた妻の気持ちはどうなるのだろうと思ってしまった。 筒井の口癖であり、作中でも真生に言っていた「法より人を見ろ」という言葉が最後に佐方の口から出てきて、彼の心のどこかではまだ筒井のことを尊敬しているのかなと想像してうるっときた。 読んでいくうちに高瀬の妻・美津子のイメージが大きく変わり、最初は悪い印象だったが最後には「私、幸せよ」といったあたりでとてもやさしい人であるように思えた。 「正しい罪で裁く」ということがメインテーマだと感じた。佐方に関してはそこに人一倍執着しているように感じた。別の作品ではこの思想に至った原因が描かれているかもしれないので読んでみたいと思った。
4投稿日: 2021.01.26
powered by ブクログタイトルにある「最後の証人」が誰か分かった時、そしてその人が語る内容の重さにやられました。 正直、少し遠回しすぎる書き方に若干展開が読めてしまう場面もありました。 が、それでも真実が分かった時、思わず涙してしまいました。 罪人が裁かれることはもちろん大事なことだけれど、罪人が正しく裁かれることが何よりも大切なこと。 そしてその結果、被害者たちの思いもきちんと正しく晴らされてほしい。 この作品がシリーズであることを読後に知りましたが、ぜひ他作品も読んでみたい。
9投稿日: 2021.01.10
powered by ブクログ読み応えのある小説でした。タイトルにもある「最後の証人」が誰なのか。この物語の中で誰がその役を担うのかを考えて読むのが特に面白かったです。本作では主人公・佐方貞人は検事ではなく弁護士になっています。「検事の本懐」とは異なる立場ではあるものの、事件ではなく人を見るというスタンスは変わらず渋い存在感を感じました。 □面白かった点 ・人間の内面描写や揺れ動く感情が伝わってくる点。いい意味で人間臭さを感じられます。 ・組織の中にいる人の正義とその組織のギャップがある場合の葛藤ややるせなさ。そこからどう行動するかを考えさせられた点。 ・事件や法廷の場面で終盤まで誰が被害者で誰が被告人なのか明記しないことで、先を読むわくわくがあった点。 柚木裕子作品は三作品目でしたが、本作は特に家族を亡くした父・母の復讐がテーマとして描かれています。そのため、自分事として考えさせられる点も多く特に印象に残った一冊でした。佐方貞人シリーズの一つとしてだけでなく、柚木裕子作品の一本目としてもお勧めの一冊です。
2投稿日: 2021.01.10
powered by ブクログう!佐方が出てきたが、何故か弁護士になっていた。しまった!検事の信義が先だった。 でも、図書館の予約順が127番目では、仕方ない。 検事の信義の内容が予測できそうなのが残念だ。 物語は、後輩検事 庄司真生と佐方弁護士のやりとりだが、少し真生の詰めが甘いのが気になる。それと、佐方のドンデン返しが一寸乱暴。 ても、佐方が最も憎む人間の弁護をしつつ、過去の犯罪を暴く佐方の真骨頂だ。 まあまあかなと思う。 高瀬広治、美津子負債額にとってラスとは良かったと思いたい。
2投稿日: 2021.01.08
