
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ミステリは疲れるのであまり読まない。でも図書館で見かけたときにタイトルと表紙にギョッとして借りることにした。 語り手が主人公のミステリは信用してないし、犯人を当てようと思って読むこともあまりしないのだけど、これはなかなかずるい。分からないままのことが多い。でもなぜか満たされている。 リオンの言葉の意味や主人公が本当はどう思っているのか、自分の想像でしかないけど、それが合っているのか知りたい。 ↓妄想込みの大ネタバレ。 序盤からずっと萩尾望都さんの「残酷な神が支配する」をイメージして読み進めてしまったので、こんな想像を膨らませてしまう。 リオンはずっと伯父から性的虐待を受けていたのではないか。 大学へ入って主人公と過ごした半年間は虐待から逃れられた素晴らしい日々。 主人公が自分に惹かれていることを感じるが、なぜか伯父のように自分を苦しめたりはしない。 そんな主人公のことをリオンは無償の愛を注いでくれる神のように思ったのではないか。 その後、伯父に再び虐待を受けたとき、リオンから主人公への手紙の返信を盗んだ犯人が現れ、殺してくれたのではないか。 リオンは神様が殺してくれたと感じたのではないか。 そしてリオンは自分にできるお礼として体を差し出したのではないか。 警察から逃げ出したリオンだけども、生き抜くには自分の美しさと体を使うしかなかったのではないか。 その度に現れる神様がだんだん恐ろしくなっただろう。 犯人は、最初は本当に嫉妬からリオンに近づき、たまたまあまりの酷い虐待を目撃して殺したのかもしれない。でも殺人を繰り返したのは、リオンを再び抱きたい欲望を抑えきれなかったためではないか。 仕事と偽りどこまでもリオンを追いかけ続ける主人公も欲望を我慢し続けただけで、リオンを自分のものにしたいという根っこの気持ちは同じなのでは? 主人公は本当に最後まで犯人に気づいてなかったのか? 犯人がリオンに纏わる全ての人を殺し、犯人自身もなくなったおかげで、本当にこれからリオンを自分一人のものにできるのだから。 なんて、思ったり。 そう思うと、書くところと書かないところが絶妙だったのかも。
8投稿日: 2025.04.14
powered by ブクログ読み終わって話の全容が分かった時に、各登場人物の立場でその時々の気持ちを想像して、心がキュッてなりました。
0投稿日: 2024.12.12
powered by ブクログただひとりの恐ろしい美貌を持った青年と、それゆえに狂気に転じていくミステリーに惹き込まれ、一気に読んでしまった。受け入れられないようなラストにまた驚き。自分の内側の感情がひどく掻き乱される一作。
0投稿日: 2024.09.29
powered by ブクログちょっと・・いや、かなり久々の森ミステリ読了。 パリの女優殺害を発端に欧州、台湾、日本へと舞台を移す連続殺人の顛末を、事件の重要参考人である妖艶な男性モデルを追うインターポール職員の視点で描いています。 ミステリとしてはまずまず(ちょっとズルい感じもするけど)ですが・・・ 外国人を主人公にしているからか、いかにも「海外文学の翻訳」的な文体で書かれているのが・・どーも馴染めませんでした。ちと残念・・・
3投稿日: 2024.03.24
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文章は相変わらずとても綺麗。 森博嗣さんの作品としては、いつもと雰囲気違うなーという印象。 叙述トリック系は基本好きなんですが、この感じはあまり好みではなかったです。 手記形式なので、真相がほぼ読み手の想像になってしまうので、楽しいところもあるけどモヤモヤも結構残ったままです、、、
0投稿日: 2024.03.12
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サロメの引用、一度全部読んで味が深まるの辛くて心がずっと嵐 全部「人」の話だったよ〜〜〜 信頼できない語り手、良い〜と思いながら読み進めていた。 レナルドのみたい世界の話と信じたい世界の話、あまりにも、だからから「原罪」で「犠牲」なんだろうな…… レナルドとミシェルによって狂わされたリオン、レナルドはミシェルの事を恐ろしいほど美しい、って言っていたが、もしかしたらレナルドたちも相当に美しかったのでは? レナルドやミシェルの身体的描写って殆どなくって(それはレナルドの主観によって描かれたものであるから)、作中、レナルドに非好意的だった人たちは、かつてのレナルドと同じように、美しすぎるものを恐れて遠ざけた、或いは嫌厭することで自分を守っていたとも捉えられるんじゃないか。 日本でレナルドが記者会見に出席するってかなり得意だと思うし(インターポールであることを省いても)、それは事件に関して詳細を突っ込まれるより、レナルドに興味が行けば〜っていう打算もあったんじゃないか。通訳してくれた警官さん、最後の通訳適当にごまかした気配あったから(私の主観かも) リオンは神様じゃなくて消費される偶像 ミシェルは神様(レナルド)を騙った人 レナルドは全ての元凶とも言えるので原罪? でも周囲の彼ら・彼女らを消費し続けていたかつての大人たちもまた原罪だって言えるのではないか? 双子の片割れが死んだことによって自由を得る双子の構図〜………完璧では神様のままなので、ミシェルは自分を殺すことで自分で作り上げた神様を地に落としたのかもしれない。 (私はこんなになってしまったのに、お前だけが崇拝され、愛されるのは許せない、?) 愛っていうか 恋っていうか 信仰だったのかも レナルド、打算と妥協で会話してるところとか、ちょいちょい保身してるところとか、角が立たないように会話する癖があった気がする。 それが余計に、言い切らない煮えきらないことで、周囲の人間が「想像する余地・空白」が出来てしまって、狂っていってしまったのでは? 自分でも似たようなニュアンスのこと言ってたけど、二兎追っていたのでは?どちらも捨てきれない だからハッキリさせられない。ミシェルにリオンの事を教えたのは、優越感もあったのでは? (僕は彼と同室である)という優越感。他者とは違い彼と特別な関係(を望んでない、稀有な存在)だという自負。 リオンの事をめちゃくちゃ褒めそやす描写がある割に、仲がいいことを否定する、興味があることも否定する。(美しいことは認めるが、誰が見てもそうですよね?って話を若干そらす) 特別な彼(リオン)を特別視していない自分が特別 う゛ーーーーーッ苦、よかった。面白かったです。
0投稿日: 2024.02.20
powered by ブクログ一人称の手記の物語から想像する 恐ろしい程の美しさと存在 執着や愛情 囚われた心 思いを言葉にしていたら 語られない空白と深層への想像には 限界があって 自分の凝り固まった概念が嫌になる 萩尾先生の解説も秀逸
2投稿日: 2024.02.17
powered by ブクログ岡山の旅先で見つけて、森博嗣、こんな海外小説風なミステリィもかくのか!ってなりました。 なかなか特殊な設定でしたよね(おぼえてない トリック的には、ああこのパターンかとなってしまったが、そもそもの設定が面白いので読む手が止まらなかったですね。
0投稿日: 2023.01.14
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Wシリーズの小休止のつもりで手に取ったが、読み始めたら最後ページを繰る手を止められなかった。 主人公の手記のような体裁で始まったこの本、登場人物ひとりひとりにそこはかとない濁りを感じて「黒幕はこの人?いや、この人?」と推理しながら読んでいく。 懺悔パートに入ってやっぱりこの人か…と落胆しそうになったのも束の間、奥にある真実を知って「えぇ!?」と声に出してしまった。いやー、気づかなかった…!真実を知ってから思い返すと、確かに言葉の端々に違和感あったな…とは感じるものの、いや、まさか、そんな斜め上を…。 同性愛、血縁者との愛、血の繋がらない家族間の愛、それに対する倫理観と時代錯誤性、宗教観。 DNAのサンプルの根源について考え出したら、それこそ性別があべこべ、さまざまな関係がひっくり返って混乱する。性別の先入観に囚われてるのかと頭を抱えつつも、いや、生物学的に考えたら…とぐるぐるしてしまう。 海外の人はすぐ神の名を出すけど、日常的に神を持たない日本人には感覚が難しい。 結局は誰が誰を、どういう意味で愛していたのか、掴むことができなかった。 ーー真実というよりも、真実の上部の本当に綺麗な上澄みだけを掬い取ったものだと思う。 手記に書かれた最後の言葉、これを見て掴むことは諦めた。 主人公が隠したのなら、書けなかったのならもう分からない。 越えてはいけないラインがあって、たまたまそれを越えなかっただけ。そうであると、たまたま育てられただけ。 読書後よく思う。人はいつもギリギリで均衡を保ってるだけで、それはいつでも簡単に崩れる。 自分は、運が良かっただけなのかもって。 なんかでも、結局主人公が一番世の中の目を、性別を、気にしてるんだよね ーー皆さんは、ゴーストを待っているのですか?
1投稿日: 2022.04.02
powered by ブクログ翻訳小説を読んでいるような感覚になった。 登場人物のキャラクタ、トリック、すべて計算されて書かれたものだろうなと思う。 自分が2021年に読んだ小説がこの1冊だけということに驚いた。
0投稿日: 2022.01.01
powered by ブクログシリーズものではないため読み逃していた作品。この結末はアンフェアだと感じる人がいるかもしれない。自分の場合は、この人物が犯人というパターンもあるかも?と可能性の一つとして思った瞬間もあったが、それとはまったく別のレベルの真相に翻弄されるのを楽しんだ。実は、文章を追っていくだけで既に読書体験のかなりの部分で満足したと感じるほど、森博嗣の文体・表現が好きなので、ストーリーも面白いとなれば得した気分。どの作品も両面でクオリティが高いけれど。
0投稿日: 2021.06.18
powered by ブクログおもしろかった。複雑なようでシンプルで。映画では表現できない結末。本ならではの驚きを与えてくれた。他の著者の本も読んでみたいと思う。
1投稿日: 2021.01.30
powered by ブクログカタカナ名には苦戦するんだけど(汗)凄く読みやすい文章でした!そういうオチだとは想像出来てたけど、それがアノ人とは思わなくてビックリしました。初☆作家さん。スラスラ読めて全体的に綺麗な文体って感じでした。女性のように綺麗な男性の周辺で起きる殺人事件。怪しすぎるくらいに妖しい彼に気を取られてたので、犯人の存在に全く気付きませんでした(笑)他の作品も読んでみたいです。
0投稿日: 2019.01.20
powered by ブクログ仏、伊、独、日の四ヶ国を股に掛ける連続殺人事件にその存在を残す美貌の青年・リオンを元ルームメイトの主人公が追いかけるミステリー。紀行小説さながらに舞台を移しては、忙しなく展開する構成に反し、描写もストーリーも淡々と進むのに、演劇的な印象を強く受けるのが何とも不思議。怪しいと睨んでいた人物が正に犯人だったが、そのトリックには思わず(一瞬)頭がフリーズ。このミスリード誘導の為にしては随分複雑な人物相関図だった様な気もする。解説を書く漫画家・萩尾望都さんの解釈が示す様に、往年の少女漫画をイメージする作品だった。
0投稿日: 2018.09.23
powered by ブクログシリーズの登場人物達もないし、未来や架空の世界にぐいぐい引き込んでいく訳でもなく、淡々としている印象。森博嗣の独特な濃密さはあまり感じられなかった。とはいえ、無駄のない精緻な文章だと思う。 終幕の急展開には息を飲んだが、正直、何が犯罪の原因だったのか、消化不足に終わった。 「レナルド・アンペールが殺した」というリオンの供述に対し、そのレナルドなら犯人の可能性に思い至って良いんじゃないだろうか。その点、ちょっと不満が残った。犯人の犯行時の行動も特に主人公レナルドから記されてないので、その点も物足りない。 まあ、ミステリーを書こうとした訳じゃないんだろうな。 解説の萩尾望都からこの作品の倒錯的な裏側を知らされ、頭がクラクラした。 この作品を味わうには、当方の想像力が不足していたということなんだろう。
0投稿日: 2018.04.27
powered by ブクログミステリーとしても、耽美小説としても、物足りない感じがする。 殺人事件が国をまたぎ、移動しすぎたせいだろうか? 人物像も客観的すぎて、主人公や美貌の青年もあまり魅力的に描かれていなかった。ストーリーは惹かれるのに勿体ない。
0投稿日: 2017.10.09
powered by ブクログなんだか不思議な感じのする本。 主人公はフランス人なんだけど、無国籍な雰囲気が漂う。それが大きなスパイスになっているような気がします。殺人事件なのに穏やかな雰囲気で進んでいく物語も最後のどんでん返しには、驚かされ引き込まれました。
0投稿日: 2017.06.19ロードムービーのような美しいサスペンス
久しぶりの森博嗣作品。淡々と描写され、淡々と進むストーリーが、ロードムービーのようでもあって美しい。登場人物が外国人なので、モノクロの描写も似合うと思ったし、思い描くシーンはリオン以外はほぼモノトーンの映像。ラスト数ページの展開がスリリングであるのに、どこか詩的な印象を受けたのは聴いてた音楽からかな。ゴリラズの新作の音楽がなぜか本とマッチしていた。衝撃のラストは賛否両論あるかもしれないが、個人的に好き。久しぶりに衝撃を受けた。
1投稿日: 2017.05.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
【あらすじ】 パリで連続殺人事件が起こった。その発端となった女優殺害事件の現場で、両手を縛られて拘束されていたのは、重要参考人のリオン。彼は「神が殺した」とだけ証言するが、結局真犯人の手がかりは掴めないままだった。やがて起こった次の事件でも、ピアニストが絞殺された現場にはリオンがいた。たったひとつのヒントは、彼の異様なまでの美しさだけ。舞台はフランクフルトから東京へ移り、インターポールによる捜査が始まる。 【感想】
0投稿日: 2017.05.12このオチは…ダメ
なんともスケールの大きな話でありました。フランス、イタリア、ドイツ、台湾そして日本。 ひとりの美しい男を巡って、警察が、マフィアが振り回されます。 でも、このオチはいけません。私が許せない禁じ手のひとつなんですよ。 うわわ、どういうこと??と盛り上がった気持ちを一撃で吹き飛ばす感じとでも言いますか。 どんなに素晴らしく見えるトリックも、これ使われちゃうとね…。元も子もないんですよ。 てか、最後の最後まで語り手のバックグラウンドをどこの警察も知らなかった?そして当の本人さえその「可能性」に思い至らなかった? ウッカリ集団か! 私にとってはタイトル落ちでした。
7投稿日: 2017.05.06
powered by ブクログいつも騙される。珍しく展開の少ない物語だと思うと、最後に騙される。小説でしか描けない、その王道のさらに上をいく。森博嗣には、常に驚かされる。
1投稿日: 2017.02.28
powered by ブクログ女にしては美しすぎる、美貌の青年をめぐる一連の事件。下手すると昼メロになりそうな愛憎劇だけど語りは淡々としていて熱は低い。最後に驚いて、主人公が語ったことや語らなかったことを後からあれこれ考えるのも楽しいです。面白かった!
0投稿日: 2017.02.09隠れた衝撃作!!
本作はインターポールのレナルドが、連続殺人事件の目撃者である旧友リオンに「犯人はレナルドだ」と思われるような証言をされ、 容疑者になるというよりは職業のこともあり、一緒に捜査をしていくという話です。 主人公はインターポールとは言え事務官なので、刑事ものという雰囲気はありませんし、アクション的な要素もなくかなり淡々とした話です。 舞台の多くはヨーロッパで、なんだかお洒落です。雰囲気はスカイ・クロラシリーズに近いかもしれません。 お洒落なんだけど不思議な話でそれだけで楽しめると思っていたら、結構しっかりとしたミステリーでした。 結末があまりに衝撃的すぎて受け入れがたいのですが、よく考えてみると推理可能とも言えると思います。 著者の他の作品だと「すべてがFになる」がミステリーとして有名ですが、こちらの方がミステリーの王道に近いかもしれません。 賛否両論あるかもしれませんが、是非多くの人に読んでいただきたいです! あ、LGBTの要素があるので苦手な人は注意かもしれません・・・。
12投稿日: 2017.01.26
powered by ブクログすごい!すべてがFになると同じぐらいの衝撃を受けた! 真相の一言が出たとき、すぐには全てを理解できなかったが、徐々に真実の糸が繋がっていった。 思い返せばいたるところに伏線が…。 子供がいらないってそういうことだったのか、まだ籍を入れていないってなるほど〜。似た者同士ってまさに…‼︎などなど。 リオンの心理は謎めいたものがあったが、森博嗣ワールドということで。 著者の新ジャンル開拓という感じ。
0投稿日: 2017.01.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ノン・シリーズ、初長編森作品。まず装丁に目を奪われ、文体も流れるようで大変読みやすい。主人公・レナルドとそのパートナー・ミシェルの性別も文章の通りだと思い、解説を読んで『あっ!?』と・・(^^; 愛と美についての物語でした!
0投稿日: 2016.10.15
powered by ブクログインターポールで働く主人公のレナルド・アンペールのもとにフランスの刑事がやってくる。 殺人現場で両手を縛られた状態で発見された重要参考人リオンが「神様が殺した」、「神様の名前はレナルド・アンペールだ」と証言したと聞かされる。 リオンは男性ながら女性以上に完璧で美しい容姿をしている。 レナルドとリオンは大学時代に半年間だけ寮が一緒だっただけで特別親しい訳では無い。 リオンの妄言だろうか。 手がかりの無いままミラノで絞殺事件が発生。またしても現場にはリオンが拘束された状態で発見された。 異常に美しいリオンを中心に起こる殺人の犯人は誰なのか。 そんなお話。 * 簡単にいうと、女性にしては美しすぎる男性のリオンに心を奪われた人達の愛憎劇なんだけど、読み終わるとそれ以上の示唆を含む考えさせられる内容でした。 (ネタバレしないために深くは言うまい。) * 途中まで単なる推理もので退屈だったけど、まさかの叙述トリックでした。 毎度毎度、予想外のトリックで楽しませてくれる森先生。 叙述トリックも出来るとは… * 読んでてゾクゾクしました。 これだから読書は辞められない。 * ちなみに、幻冬舎文庫のカバー外した表紙が無条件で好き。
0投稿日: 2016.09.24
powered by ブクログ誰がなにを思い、どんなトリックが隠されているのか、どんな結末を迎えるのか、最後まで引き込まれて、あれ、あれれ、やられた。。。って感じ。 そんな森氏が好きなんだな。
0投稿日: 2016.08.12
powered by ブクログタイトルの奇抜さと、表紙の美しさに魅かれて衝動買い! 森博嗣さんの本は、「すべたがFになる」シリーズを途中まで読んでますが、このシリーズ以外は初めてでした。 海外が舞台なので登場人物の名前がカタカナ。しかも様々な国を渡り歩くので舞台も混乱し、必死で読みました(笑)・・・そういえば暫く日本のものばかり読んでたな私。 主人公の語りでつづられていくので、主人公目線のため、彼が知らないことは、わからない。描かれない。 これは、もやもやしたりイライラしたりするんだけど、そこが面白い。主人公になったつもりで謎ときをすることになるので、感情移入もしてしまう。 ユニセックスで美しすぎるリオンの周りで起こる連続殺人事件に、学生時代たった半年ルームメイトとして過ごした主人公が巻きこまれ関わっていくことになる。 多少の矛盾や無理くり感も無きにしも非ずだけれど、いいと思う。ミステリーとして十分楽しめたから。 ラストは少し切ない。 でも、このどんでん返しと裏切りは、なかなか面白かった。 ただし、好き嫌いは分かれるかもしれない。 私は好き。。。
0投稿日: 2016.07.02
powered by ブクログ森作品はあらかた読んでいる方ですが、『これって森作品?』としばしば確認したくなるほど、新鮮な感じがしました。 美少年が登場するあたり、普段は森作品に関心が無い方でも、つい手に取ってしまうのではなかろうか。 私はちょっと理解力に劣るので、事件の顛末に関しては、萩尾先生の解説まで読んで、更に要所要所を読み返して、ようやく消化できたという鈍感さでしたが、本編は兎に角夢中になってあっという間に読み終えてしまったのでした。 レナルドとリオン。 彼らはその後、どうなってしまうのでしょう。 森先生がこの作品をどう評価しているのかも気になります。
0投稿日: 2016.06.24
powered by ブクログ衝撃的な容姿の美しさをもつ男性が、主人公の後輩として登場する。フランスーイタリアードイツー日本と4か国でおこる殺人事件に、美しい後輩がからんでいることを知った主人公は、ほっとけずに謎を究明していく話。 異常に美しい男の子とか、インターポールに勤めている主人公とか、現場の手掛かりが全くないとか、現実離れした要素が多くてこのままふわふわした感じのまま終わるんじゃないかと思ったが、結末で納得できたかなという感じ。 このタイプの森ワールドも好きで楽しめるが、マジメおもしろい言葉の会話がもっととびだしてほしかったかも。
0投稿日: 2016.06.24
powered by ブクログトリック自体はあまり好きなものじゃなかったけど、この小説は、それ以外の部分に魅力があったように思う。 人と人との不思議なやりとりが不気味かつ綺麗だった。
0投稿日: 2016.06.23
powered by ブクログうーん…。 タイトルに惹かれたんだけど、 そこまで謎めいた感じがなかった…かな、私は。 トリックがなぁ。
0投稿日: 2016.06.17
powered by ブクログフランスから始まり、イタリア、ドイツ、日本へと国境を越えて続いていく一連の殺人の影には常に彼がいた。 ぞっとするほど美しくて、特別なリオン・シャレット。 彼は犯人を見たと言う。 「神様が殺した」と。 あっち側とこっち側とを隔てる境界。 神が創った、隣り合う二人を引き裂くライン。
0投稿日: 2016.05.27
powered by ブクログ帯の「こんな森博嗣が読みたかった!」という惹句。おいおいまるで他の作品は読みたくなかった内容みたいじゃないかと思いつつ、読み始めたらもうホモ。びっくりするくらいホモォ。でも最後まで読んだらまさに「これが読みたかった!」ってなった。編集さんすごいや。解説が萩尾望都なのもジャスト。
0投稿日: 2016.05.20
powered by ブクログ私にとって、久々の森作品。 シリーズものでないミステリだし、 外国が舞台で主人公が外国人の小説を読むのも、 そう言えば久しぶりだ。 内容は...かなり複雑な、こった作りになってる。 登場人物も多いし、当たり前だが外人名前だし、 気合いを入れてないと誰が誰か見失う(^ ^; 様々な国にまたがり、殺人事件がいくつか起こる。 その全ての現場に、主人公の学生時代のルームメイトで、 ものっっそい美少年だった男がいた、という展開。 しかし、その美少年は犯人ではなく、 意外にも「主人公がやった」と証言して、 否応もなく事件に巻き込まれる主人公。 何とも不思議な空気が流れる文体で、 緊迫したシーンでは改行を多用する森氏らしい面も。 地の文がわりとゆったりしたテンポなので、 いざという時のドキドキ感はハンパない(^ ^ ミステリ好きは皆そうだと思いますが、 途中で「もしや、こいつが犯人では」とか 「あ、これはこういう『意外な展開』かな」とか 予言者となりつつ読み進めるようになる。 当然、その予想は当たったり外れたりして、 外れると「見事などんでん返し」などと言って 喜ぶのがミステリ読みだったりするのですが... この作品は、途中で「もしや」と思った予想が 「全部当たっている」というウルトラC(^ ^; 矛盾しているものも含めて、全部(^ ^; しかもなお、たたみかけるように襲ってくる、 私の予想の斜め上を轟音で飛び去るような展開(^ ^; かなり「反則」に近い叙述トリックではありますが、 あ、そう言えばあの違和感の正体はこれだったか、 と後から気づくように伏線はきちんと張られている。 文庫版は、萩尾望都氏の解説が秀逸。 ネタバレしてるので、必ず読後に見ること。 「あ、そういう意味もあったのか」と気づき、 すぐ再読したくなること請け合いです(^ ^
2投稿日: 2016.05.18
powered by ブクログほぼラストに判明する「まさかの設定」でびっくりした。 リオンとアンペールの過去の記憶の食い違いは、そこからきていたのか。
0投稿日: 2016.05.18
powered by ブクログ近年とみに話題に出るようになったLGBTに対する回答の一つして,美しき世界を構築する.漫画では昔から題材にされるテーマなので目新しさは感じないが,ミステリィという日常を前提とした世界で成り立つ程度には普通のことでしょ?という提示と受け取る.萩尾望都女史が解説を寄せる点も計算ずくに感じさせる,完成された一冊の本である.
0投稿日: 2016.05.16
powered by ブクログ『女性にしては美しすぎる』 テーマはaime。主な舞台が日本でも米国でもなく、フランスなのが珍しいなと思ったけど、そういう理由だったとは。該理由により舞台にはなり得なかったドイツや日本の警察官とのやり取りが醸し出す空気もまた趣深い。「美しさ」と「狂気」というのは、どうしてこうもシンクロナイズするのだろう。しかも、その「狂気」が冷静で、かつ無自覚であればあるほどに、その「美しさ」を際立たせる。まさに、小説にしては美しすぎる。
1投稿日: 2016.05.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
Dieu aime Lion はフランス語で、英訳すると God loves Lion となります。一体どの God のことをさしているのでしょう……。
0投稿日: 2016.05.13
powered by ブクログ気付いたら引き込まれてしまっていた、とても現実らしいのにどこか幻想の中のような物語。男と女と、男と、どちらでもない人。 萩尾望都の解説がとても分かりやすくて良かった。自分で読んでいただけなら、ただの幻想的な推理小説で終わってしまっただろう。 「神様はリオンを愛する」。神様はだれ?
0投稿日: 2016.05.08
powered by ブクログ普段、外国人がメインの小説は読まないのだけど、森博嗣という事で購入。 人気のシリーズものとは違う少し変わった雰囲気のミステリ。
0投稿日: 2016.04.26
powered by ブクログ※ネタバレ含みます!! 久々に森博嗣さんを読んで面白いなと思えた作品。ふおおおなるほどそうくるかなるほど愛ゆえなのね!!!ってなります。正直ミシェルのことが謎すぎて読後にふおおおお!ってなるんだけど 所詮人間他人のことなんて理解仕切れないんだし、これくらいふわふわさせたほうがよかったのかもしれない。神が殺してくれる。まさにそんな感じ。
0投稿日: 2016.04.24
