
総合評価
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powered by ブクログ地方のラブホテルが舞台の短編集。 他人と他人が体をつなげる場所で、心までつながる瞬間が描かれる。 といってもエロい話じゃないよ。
0投稿日: 2016.07.25救われない話です
一軒のラブホテルに関わる人々のそれぞれの物語が綴られた連作短編集。んー、これで直木賞受賞作かぁ。ちょっと物足りない感があるなぁ。決して結末を描ききらず、他の作品から顛末を推測させるという手法?は面白いとは思うが、なんか不幸な人ばっかりでかえって不自然な感じ。
0投稿日: 2016.07.21
powered by ブクログ釧路湿原のラブホテルが舞台の連作短編集。 最初の物語が時間軸の一番最後。 ひととおり全部読んでから2回目は逆の順番に読めば人物同士の繋がりをより良く理解できました。 特に『せんせえ』の2人の結末が哀しすぎる。釧路行きの切符を2人分買って行き着いた先があのホテルで……。 全体的に薄暗く物悲しい雰囲気。 でも読後感は悪くない。
0投稿日: 2016.07.11
powered by ブクログ北海道の湿原を背にするラブホテルで、非日常の時を求める男女を描く連作小説。第149回直木賞受賞作。 廃墟化した現在から遡り、儚い希望に溢れるオーナーの開業に終わるという構成が巧い。形あるものはいつか壊れる。それは無形の人間の愛も同じなのだろうか。ラブホテルという日本独自の空間で、多くの愛が生まれ棄てられてきた。満ち溢れる愛を感じるか、虚無感しか感じないか。読み手のこのときの心の状態が左右しそう。
0投稿日: 2016.07.07
powered by ブクログ北海道の湿原に立つラブホテルが舞台の連作短編集。 当然セックスが描かれているのですが、それは美しくもエロティックでもなく、田舎町のくすんだ日常の欲望であり、物悲しい。 無理やり文学的解釈をすることは不可能ではないものの、それは本心ではなくあくまで無理やりであり、何故この作品が直木賞を受賞することができたのか理解し苦しみます。
0投稿日: 2016.06.24
powered by ブクログ2016.05.09 釧路湿原のそばにあるラブホテルが舞台にした短編集。 どれも少しもの悲しい。 ヌード撮影のカップル 貧乏寺の住職の妻 アダルトグッズ販売員とホテルオーナーの娘 生活に追われる主婦 清掃員 オーナー
0投稿日: 2016.05.10
powered by ブクログ直木賞受賞作。 釧路湿原を背にした高台に建つラブホテル、ホテルローヤルを舞台にした7編からなる短編集である。 寂しげな場所に建つホテルで繰り広げられる、寂しげな人々の物語。瞬間的にはどこか楽しげでユーモラスな顔をみせながらも、全体的にはやはりしんみりと物寂しさをにじませる。それぞれの短編のなかではその物寂しさを消化しきれずに、彼らのその後を追ってみたい気持ちになる。
1投稿日: 2016.05.04
powered by ブクログ釧路湿原のそばにあるラブホテル ホテルローヤルにまつわる短編集。現在から過去へ遡っていきながら数々の男女の物語で構成される。 基本的に哀しい話ばかり。今は廃墟となったホテルを知っているからこそ、過去にそこに関わった人たちの絶望 喜び 後悔や希望など様々な想いが行き着く先にある切なさを感じてしまう。
0投稿日: 2016.04.29
powered by ブクログまあ今の時代だからそんなでもないのかもしれないけど、昭和の人間にとってはこう、やっぱりちょっと後ろめたいような、そんな場所がテーマの作品が堂々と賞をとったのは、なんだか衝撃だったので、いつか読んでみようと思ってようやく読んだ次第。
0投稿日: 2016.04.16
powered by ブクログ文庫になってからと思っていたら時間がたってしまい、今回読んでみた。 1つのラブホテルを軸に時系列が未来から過去へ続く物語。 自分の読む前のイメージと違っていたが、性に関するものを隠すことなく、心の薄暗い部分も相まって、なんとも印象的な内容だった。 ラブホテルに限らず、サラリーマン以外の生き方を選べるのってなんかすごく感じる。 うまくいくかどうかは、運と実力だけど、自分は選ぶことすらできないなぁと思う。 少なくとも家族を守れる今の仕事を全うしようかな。 たまぁにディズニーランドに連れてくくらいで(笑)
0投稿日: 2016.04.12
powered by ブクログ可もなく不可もなく。 目新しくもないし、どこかで読んだり観たことがありそうな……。 読みやすいけれど、これがこの著者の特長!っていうものがない気がする。 再読はない。
0投稿日: 2016.04.06
powered by ブクログ超大作「満州国演義」の合間の息抜きに、直木賞受賞作ということで手にとってみました。 桜木紫乃さんは初見の作家です。 釧路湿原を望む高台に建つラブホ「ホテルローヤル」。 そこに関わる、あるいはそこを舞台とした連作短編集です。 いずれの短編も女と男の関わり、性を描いた作品で、どこか切なくもの哀しい雰囲気があり、かといって絶望的な訳ではなくどこかおかしみもあり、人情もの的な味わいと後味でした。 どの作品も女性の繊細さを感じました。 一番印象に残ったのは「星を見ていた」ですかね。
0投稿日: 2016.03.31
powered by ブクログ直木賞ということもあり、読んでみた。 少し風合いが他の直木賞作品とは違う。 切なさが迫る作品だった。
0投稿日: 2016.03.30
powered by ブクログ内容(「BOOK」データベースより) 北国の湿原を背にするラブホテル。生活に諦念や倦怠を感じる男と女は“非日常”を求めてその扉を開く―。恋人から投稿ヌード写真の撮影に誘われた女性事務員。貧乏寺の維持のために檀家たちと肌を重ねる住職の妻。アダルト玩具会社の社員とホテル経営者の娘。ささやかな昴揚の後、彼らは安らぎと寂しさを手に、部屋を出て行く。人生の一瞬の煌めきを鮮やかに描く全7編。第149回直木賞受賞作。 平成28年3月26日~30日
0投稿日: 2016.03.30
powered by ブクログ連作。それぞれの話が切なくて感情がダイレクトに心に沁みた。突飛な話はないけれど、表現の仕方がわかりやすくて素晴らしかった。全部読んでから「シャッターチャンス」を再読すると、また違った世界観を楽しめた 。
0投稿日: 2016.03.25
powered by ブクログ直木賞受賞作。 表紙から想像できたものの、暗い。 読みやすい文書でどんどん読み進められるのだけど、なんかそういうもんかねえ、という感じ。
0投稿日: 2016.03.22
powered by ブクログ[身体重ねた向こう側]町外れにポツンと存在するラブホテルの「ホテルローヤル」を舞台として繰り広げられる人々の生き様を綴った作品。恋人からヌード写真の撮影を求められた女性の内なる心を描いた「シャッター」など全7編を収録。著者は、本作品で第149回直木賞に輝いた桜木紫乃。 エロスを通してその先に別個の物語を見ている人間たちが、ときに読者の意表を突く心理風景とともに描写されています。個人的には「普通であること」を見とおそうとした女性を記した「えっち屋」がお気に入り。男性と女性でずいぶんと読後感が違う作品かもしれません。 どの物語にも切なさが漂うのですが、それがすれすれのところで諦念を引き起こすところまで行かないところも特徴的。「せんせぇ」等はその最たるものだと思うのですが、読後の寂寥感が本書の表紙とよく合っているなと思ったことを覚えています。 〜こんな顔をいつか見たことがあった。記憶の底に訊ねてみる。ホテルローヤルから姿を消した、あの男の笑い顔に似ていた。どんなことも愛のせいにできる顔だ。〜 「ホテルローヤル」って惹かれるタイトルだと思います☆5つ
0投稿日: 2016.03.16
powered by ブクログなんか不思議な哀愁が漂う作品。 びっくりした。物語が逆順になっていたとは。 たくさんの人の思いが交錯していて、ただのホテルなのに。
0投稿日: 2016.03.13ラブホテルを取り巻く人間模様
寂れて、今はなきラブホテルローヤルに関係した人々の生き様をそれぞれの視点から描いています。 登場人物、それぞれいい男、いい女ではなく、どちらかと言えば下層階級。うら寂しい人生を歩んでいる。 そんな彼らをホテルはじっと見ているような描き方でしょうかね。 時期が異なるそれぞれの短編集を一冊にまとめたものなので、読みやすい。 題名から察する性の描写も期待したほどはない。それがかえって生々しくなくて良いのかもしれない。
0投稿日: 2016.03.08
powered by ブクログ先日の釧路出張の際に携行した本。 桜木紫乃『ホテルローヤル』(集英社文庫)読了。 7編の短編のチェーンストーリー。2013年上半期直木賞受賞作。 川本三郎氏が「解説」に書いているように、ラブホテルを舞台に据えていること、金額を具体的に示していることに特徴があります。 川本氏によればラブホテルっていうのは日本にしかないそうです。「客は日が高くても夜を求めてここに来る」場所[「エッチ屋」p.71]。このフレーズ、何度か使われていますがいいえて妙です。秘め事が繰り返される場所を舞台にする、それを女性作家が描く。悪くない。 そして金額の明示。たとえば生活にゆとりがない主婦が法事のために住職に渡そうと思っていた「5,000円」。住職のダブルブッキングで渡しそびれた5,000円を、一家の5日分の食費になる、家族4人で中華料理店に行けばひとり1,200円の定食が食べられる、1ヵ月分の電気代になると表現されます[「バブルバス」pp.99-100]。実にリアル。 『そんなこと、あるかな』と思わないでもない話もあるが、それが小説でしょう。 ラブホテルが舞台ですが淫靡な内容の小説ではなく、話はホテルにかかわる様々な人物の生活のありよう。釧路湿原近くで営業しているホテルにかかわる人間模様が描かれます。視点が面白い。独立した短編ではあってもそこで描かれる人物がどこかでつながっている。読後、井上ひさし『12人の手紙』を思い出しました。 小生が乗車した特急列車は、釧路に近づくにつれ深い霧の中を走りました。 『この近くにホテルローヤルがあったのかな』と車窓から霧を眺めておりました。
0投稿日: 2016.02.14
powered by ブクログあら。みんなの評価は低いのか。 モヤモヤした気持ちで一息に読み終えた今日。 遡っていく物語。少しずつ絡み合いが増してゆく物語。 連作短篇集としてはかなりレベルは高いと思う。 黙々と働くお母さんの話、そのまたお母さんからの教訓が好き。
0投稿日: 2016.02.13
powered by ブクログ北海道釧路湿原に建つ、ホテルローヤルを舞台に、人々の暮らしぶりが語られる短編集だ。 作品は廃墟となったホテルローヤルを舞台に語られ始める。 2作目、3作目とホテルローヤルが廃墟になるに至った理由や、そこに働く人、利用する人の切なさや哀しみが丁寧に書かれている。 連作となった短編は、1話読み終わるたびに前話の謎解きのような構成で、読み始めると止まらない。 この作品は是非皆さんに読んでほしい。人におすすめできる1冊です。
0投稿日: 2016.02.07
powered by ブクログホテルローヤルに関わる短編7篇が微妙に絡み合い時を遡って書かれている作品。 女性からの視点で逃れられない弱さや同情ややるせなさ、人間模様がうまく捉えられて面白かったです。もっとエロいと期待したがそうでもなかった。直木賞受賞作です。
0投稿日: 2016.02.02
powered by ブクログ北海道釧路湿原に佇むラブホテル「ホテルローヤル」。 経営者、従業員、利用者などの物語りが、時を遡って綴られる連作短編。 暗〜いw どれも薄っぺらい人生ばかり。 「ラブホテル」というツールで集約されているので、さらに荒廃感が増す。 上手い。 近年、直木賞、芥川賞、本屋大賞と境い目がよくわかりませんが、本作はとても直木賞っぽいっスねw ※直木賞のイメージには個人差がありますw 通勤電車で読むには周囲に気を配らなくてはいけない、かなり勇気のいる作品でしたw
0投稿日: 2016.01.28
powered by ブクログ初、桜木さんです。それぞれ別の話かと思いきや大筋は逆時系列で通ってる。読み進めていくにつれてハマっていきました。
0投稿日: 2016.01.27
powered by ブクログ章ごとに独立してるかのようで、実は繋がりがあって、読めば読むほど面白みが増してきます。また時系列も過去に遡りながら描いているため、後半になるほど、物語の奥へ奥へと引き込まれます。一章、一章の長さが適当で、非常に読みやすいところもオススメです。 Jan.10, 2016
0投稿日: 2016.01.23
powered by ブクログ一旦は通り過ぎたものの、見かける度に気になってたので購入。読みはじめたら、ぐわーっと一気読み。表紙のような、グレーがかった内容。どの章も鮮やかさとかがなく、そこがまさに北海道?寒くてすさんだ?過疎?らしさかな。グレー、マット、ザラザラ感。
0投稿日: 2016.01.22
powered by ブクログ★3.5。 文章が上手い、何か一昔前の作家みたい。 根拠は無いが若い女性作家かと思っていたのだけれども、意外と言っては失礼か、当方より年上なのね。確かに若人には出せない味かもしれない。いい加減な感想ですな、我ながら。 ともかくラブホという社会の「端」にある場所を軸にした人生の悲哀というか現実というか、久方ぶりに心地よい読書感を感じた次第。直木賞って言われれば得心できる作品ですなぁ。
0投稿日: 2016.01.16
powered by ブクログ賞を取った時から読みたいと思っていてやっと読めた本。 ただ想像とだいぶ違う話であまり好きになれず、最後の話がいちばんしっくりこなかった。
0投稿日: 2016.01.13
powered by ブクログ妻から読んでみる?と渡されて感想を聞かれたのだが・・・確かに、物語の舞台になっている釧路のうらぶれたもの悲しさには強烈なインパクトがある。だが「それだけでは終わらないそれぞれの物語の主役が新たな世界の旅立ちを決断する話でもあるよね」と言ったところで彼女は背中を向けていた(笑
0投稿日: 2016.01.02
powered by ブクログ大吉と歳の離れた妻・るり子、その子供の雅代がホテルローヤルを経営する。 ホテルの開店前から廃業後まで、順不同で7つの短編で構成。 道東の寂しさ、景気の衰退とラブホテルの後ろめたさが上手く折り重なってる。桜木紫乃さんの真骨頂。 ・シャッターチャンス 廃墟となったホテルで写真撮影。 ・本日開店 坊主の嫁と檀家。 ・えっち屋 ホテルの閉店日。雅代と玩具屋。 ・バブルバス 家電量販店で働く夫とその妻。 ・せんせぇ 教師と女子高生。舞台は函館~札幌。 ローヤルは出てこないけど、 「えっち屋」の過去話につながる。 ・星を見ていた ホテルで働くパートが主人公。 ・ギフト 大吉がホテルを建てることを決め、 るり子が身ごもり前妻と別れるまで。
3投稿日: 2015.12.31
powered by ブクログ最初に入っている話を読んだ時には、うぐっ、っとなった。いや、いるだろう、こういうやつ。周りが見えてなくて自分しか見えてないやつ。いや、言うほどひどいやつじゃないけど、でもあれ、もしかして自分もこういう時ないのか?と妙な不安感を煽らずにはいられない。 そういうやつらが出てくる話と、なんだかそういうやつらに振り回されつつも、しっかりというか、違う意味で周りを見ずに、無視して暮らしていく人たちが出てくる話があるわけで。このアップダウンの激しさが、なんというか、きつくて、疲れる。こういう話は嫌いじゃないんだけどもなぁ。
0投稿日: 2015.12.30
powered by ブクログなんとなく物足りないような、それでいて本質を付いているような。 人生の結果は進んでみなきゃわからないのね。
0投稿日: 2015.12.27
powered by ブクログラブホテルが舞台。短編になっている。それぞれが繋がっている。人間の虚しさがすごく伝わってくる作品だった。
0投稿日: 2015.12.27
powered by ブクログ文章は読みやすく分かりやすい。筋はありそうで現実にはない話をまとめている。作者の職人芸を読むかんじ。
0投稿日: 2015.12.24
powered by ブクログ職場の人にもらって読んだ。 とてもリアルでいて、切ない。 テレビ番組「72時間」や、「家、ついて行ってイイですか?」に通じる、それぞれの人生の苦しみを感じた。 それでも、生きていくのが人なんだね。
3投稿日: 2015.12.24
powered by ブクログ北国のラブホテルの話。 直木賞受賞作。 ということで手に取ってみた。 あまり表立って書かれないラブホテルに関わる人達は とても人間らしく迷い悩んで生きていた。 田舎じゃなかったら全く別の話になってただろうな。
0投稿日: 2015.12.20
powered by ブクログラブホテルを巡る、「誰か」の物語。 廃墟となった北海道のラブホテルで、恋人の求めに応じてヌード写真を撮ることになった女性の話からスタートする短編集。どの話にも件のラブホテル、ホテルローヤルが登場する。そして時間は遡り、前の話に出てきた人が語り手になって登場する。第149回直木賞受賞作。 ラブホテルは、生活の中でアンタッチャブルな存在である。そこにあるのに、まるで存在していないかのように、無視しようとする。でも、大体どこの街にもあるのだ。それは存在するのに、他人からは注意を払われない、「誰か」のようだ。そんな「誰か」が語るホテルローヤル。それはどこかにあるけれど、自分は知らない人の人生。 乾いた話が多いが、著者のまなざしは優しい。
1投稿日: 2015.12.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
本来は怪奇や幻想や耽美が好きなのだが、 アサダジロウミヤモトテルイジュウインシズカなどとも通じそうなこの作風にぐっと惹かれたのは、退廃があるから。 ひとつひとつの話に人の「ぬくみ」があるが、 心地よさと嫌悪を同時に感じさせる「ぬくみ」。 腐臭を伴う「ぬくみ」。 貧乏人や山師だが決して特別ではない人々が、ラブホテルという日常/非日常の場で、とてもありふれたことをするだけ。 そこにいやおうなくドラマが生まれてしまうのは、作者の着眼点の素晴らしさだ。 桜庭一樹「私の男」と似た構成だが、より群像劇の色を強めるための構成。 読後、つい遡って読んでしまった。 心に残るフレーズも多々。 「自分しかこの体を守れない」 「僕はこの十年、男も女も、体を使って遊ばなきゃいけないときがあると思いながら仕事をしてきました」 「いっぺん、思いっきり声を出せるところでやりたいの」 「せんせぇ、かわいそう」 「誰も恨まずに生きてけや」 「ちかちかと、涙でにじんでいる」 第149回直木賞受賞作 ・シャッターチャンス ・本日開店 ・えっち屋 ・バブルバス ・せんせぇ ・星を見ていた ・ギフト
0投稿日: 2015.11.29
powered by ブクログ第149回直木賞受賞作。 ホテルローヤルというラブホテルを取り巻く時代と人を書いた短編7作品。 廃墟と化したラブホテルに出向くカップルの話から始まり、時代を遡ってホテルができる話まで。 オーナー、娘、客、従業員、それぞれの切なく懸命に生きている人生が興味深かったです。
0投稿日: 2015.11.29やっと読みました。
タイトルは本書を読み終える時間のことではなく、著者と同じ街に住み、直木賞を受賞した時から読もう読もうと思っていて、という意味です。 7つのエピソードが「ホテルローヤル」を通して描かれ、エピソードの時間軸はホテルローヤルの死(廃墟化=現在)から誕生(建設=過去)に向かって進んで行きます。 本書の色合いは釧路の夏の海霧の如く、深く暗く「生=性=優しさ」を見せてくれます。(結構好き嫌いの出る本ではないかと思います) 「性」に翻弄される「生」、そこに有る「優しさ」は何時まで続くのか・・・・ 私の描くラブホのイメージと違うのは都市部と郡部の違いだからかなぁ(笑) 1番の違いは、本エピソードにも書かれている、人口減のせいでしょうね。 北海道の郡部に向かって走ると、結構ホテルローヤル(名前は違うが 笑)が道端に見受けられます。 自分の周りのラブホに照らして見るのも面白いかと思います。 桜木さんの違う作品も読んでみたいと思います。
4投稿日: 2015.11.23
powered by ブクログ1つ目の短編を読み終わった後は、正直、 「おいおい、これ大丈夫かよ、、」と思ったが、 なんとなくコクのある短編も多くて、 夜更けのヒマな時間に読むにはちょうどよかった。 喫茶店で珈琲飲むみたいな感覚。 一番印象に残ったのは「星を見ていた」かなあ。
0投稿日: 2015.11.14
powered by ブクログ連鎖している短編集。 なんか生々しくて リアルで切なくて でも、どこか温かい。 面白かった(^-^)/
0投稿日: 2015.11.12
powered by ブクログラブホテルを舞台に7つの短編が現在から過去にさかのぼっていく構成が面白く、読み終えたら今度は反対から読みたくなってしまった。 一編一編の情景をしっかり思い浮かべることが出来、物語に入り込んでいった。『ギフト』の中にある『幸せなんて過去形で語ってナンボ。これから先のことは、口に出さずに黙々と行動で証明するしかないんだよ』というセリフが素晴らしい。
1投稿日: 2015.10.29
powered by ブクログ第149回直木賞受賞作。 ・シャッターチャンス ・本日開店 ・えっち屋 ・バブルバス ・せんせぇ ・星を見ていた ・ギフト 7編。 北の大地のさびれたラブホテルを舞台に繰り広げられる物語。それぞれの話が薄くつながっている感じがいいのかもしれない。 今となっては、この手の手法は、いろいろな作品で採られているので、特に目新しさは感じない。 そこそこ、楽しめる旅のお供くらいでしょうか?
0投稿日: 2015.10.28
powered by ブクログ裏寂しい北海道のラブホが舞台となれば、人には知られたくないこと、人にはいえないことがたくさんたくさん・・・ 固くふさいだ唇の裏側まで、ざらついたものは体中に充満していて、他人のことも、自分のことすら、ホントのところ何もわかっていない、と思ってしまう。 一番好きな章は、 ラブホテルの掃除のおばさんのところ。 これほど邪気のない女性が、激しい疑問に慟哭する場面は胸に突き刺さる。そこだけが好きだった。
0投稿日: 2015.10.25
powered by ブクログ面白かった…とは言い難い。 しかしながら、繋がってるし、素晴らしいほどわかりやすいストーリーだった。 最後には、もっと色々なこのホテルローヤルに纏わるストーリーを読んでみたいと思ってしまった。
0投稿日: 2015.10.15
powered by ブクログ切なさにまみれながら読了。 普段何の気なしに使っている「切ない」という言葉が信じられないくらい陳腐に感じる。 また、各章で繋がりを見せるほそーい糸が心地好いスパイスになり、より切なさが強調される。 性別、年代、職業、家族構成…など、様々な境遇の人物が登場し、それぞれが現実味を感じさせるものだから、共感を得る読み手の幅も広いのでは。 切ないのに充足感を、そして切ないからこそ前向きになろうと思わせてくれる素敵な本だった。
0投稿日: 2015.10.14
powered by ブクログ北国の湿原を背にするホテルローヤルを想像して見ると、それは外国の田舎町のモーテルを彷彿とさせ、ラブホテルなのだけれど煌びやかな印象が一切無い。うらびれた寂れたそのホテルには、生きる事に何処か違和感を覚えている人々が集うー 違和感を覚えていながらも、それに対峙せずにやり過ごす生き方もあれば、真正面から受け止め抗う生き方もあり、どちらが幸せなのだろうかと考えさせられた。どちらが正しいかは客観的に見て明らかな場合もあるけれど、どちらが幸せなのかは当事者にしか計り知れない。けれど「せんせぇ」の二人がホテルローヤルが店を閉めるきっかけとなった心中事件のカップルだったと気付いた瞬間、胸の奥底に違和感を覚えずにはいられなかった。
0投稿日: 2015.10.11
powered by ブクログ北海道のホテルローヤルというラブホテルを舞台にしたオムニバスドラマ。1本目の物語はピンと来なかったが、徐々に時代がさかのぼり、様々なドラマが展開され、物語が交錯していく。新潟も雪国ではあるが、本州と物理的に繋がっていない北の大地の物悲しさはまた別なのだろうと想像する。巻末へ向かっていくにつれ、切なさが増してくる。切ないが、女性作家ならではの優しい文体が心地よい。全部読み終え、解説を読みまたホロリとさせられた。
0投稿日: 2015.10.11
powered by ブクログ道東の湿原に建つラブホテルをめぐる短編集。直木賞受賞作ということもあっていつか読みたいと思っていたところ、ふとしたきっかけで手に取った。けど、つまんなかったな…。 ホテルの建設前、営業中、代替わり、閉店、廃墟になあってからといった時の切片を時系列を乱して並べる手法も今となってはありきたりだし、そこを除けばエピソードもありきたり。登場人物たちは誰もが幼稚過ぎて感情移入できない。
0投稿日: 2015.10.10
powered by ブクログ北海道の湿原を見てきたところで、タイミングよく雰囲気が汲み取れた。 シチュエーションも悲しさも寂しさも結構良かったと思う。
0投稿日: 2015.10.05
powered by ブクログ2015年10月1日〜2015年10月14日 薄かったから早く読み終わった。 だが、さすが直木賞を取るだけあって日本語が難しい。何度も何度も漢字や言葉をしらべ、そこから情景、心情を想像した。 すると、わたしの中のホテルローヤルが出来上がるのだ。 ラブホテルが舞台なのだが、行くことさえも隠されがちであるため、中で起きていることに一人一人の隠し事を持ちながら、隠したいところで欲求を満たす。 そんなところは、虚しさや寂しさが溢れている。 わたしだって、辛い現実や寂しい日々から逃れるために隠れて隠れごとをする。 未来から過去に遡るのは面白いが、希望や明るさが一切なくなってしまうので読んだ後このもやもやをどう解消しようか迷った。 だが、解説を読むことでしっかり納得することができる。 セックスのあとの、虚しさ。 あれは一体なんなんだろ。人といるときではなく、終わったときの虚しさ。 わたしが、気に入ったのは「バブルバス」。
0投稿日: 2015.10.01
powered by ブクログ7つの短編集ですが、 一話毎完結ではなく、 互いになんらかの繋がりがあり、 読み直すと更に楽しめる作品です。 時制のトリックも斬新。 最大の魅力は、多くを語らないにも関わらず、キャラクターの背景や思いが濃く浮き出してくる表現と、脆く崩れ落ちても尚強く優しく生きていく登場人物達のリアリティ。 明るいストーリーではないですが、読み終えると不思議と安堵や穏やかさを感じる作品でした。
1投稿日: 2015.09.29
powered by ブクログうまく書いている風でそうでもない。 ラブホテルを題材にしているけど、そんなに深い話にはならない。 途中でこの本捨てて向田邦子を読みたくなった。
0投稿日: 2015.09.28
powered by ブクログあるホテルを舞台にした短編集。過去から現在まで、時間は巻き戻されたり、進んだり。登場する人物がどことなくつながってる話もある。ラブホテルが舞台だから、男女のどろどろした情景が中心だろうと思っていたが、そんな脂ぎった話はなく、どことなく寂しい雰囲気が全編通して感じられた。夢に破れた人々、それでも淡々と毎日の仕事をこなす。生きていく、ってなんだろう?
0投稿日: 2015.09.27
powered by ブクログ第149回直木賞受賞の短編連作集、初めての桜木紫乃。 廃墟となったラブホテルでヌード撮影をする男女から始まり、営業中だった頃の利用客、オーナーの娘、清掃員らのエピソード、さらにはラブホテル経営を決意するオーナーの話まで、時代を遡って連作短編集の形で書き連ねています。 直木賞受賞作で以前から読みたかったのですが・・・ちょっと物足りない??あっさり読め過ぎでちょっと拍子抜け(^_^;) 軽い読み物が欲しい時にはイイ感じでしょうか??
0投稿日: 2015.09.27
powered by ブクログ直木賞受賞ということで、気になっておりようやく読めました。 時間が遡っていく構成はたしかに良かったですが、正直それほど素晴らしい作品とは思えませんでした。
1投稿日: 2015.09.22
powered by ブクログ直木賞か~。この作者の作品に触れるのが初めてだからいかんのだけど、やっぱりこれも、授賞のタイミングがズレてるのかな?これが最高傑作だったら、他の作品は自分には不要なものだろうし、他に良いものがあるのなら、そっちを読みたかった、って感じ。ラブホを主軸に、そこに関わる人々を時間軸に据えた短編集。確かにラブホを舞台に、ってのは斬新かもしらんけど、その必然性がいまひとつピンとこず。
0投稿日: 2015.09.17
powered by ブクログ最初読み始めた時は、「なんだこりゃ」という内容でしたが、短編2編目、3編目と続くに従い、微妙に物語が交錯してゆく。完全に交わることのない全7編を淡々と書き記すこの作家はすごいと思います。 内容的には幾分疑問の余地もあるのですが、 その文章・構成等なかなかの作品だと思います。 もう一回読むと全貌がわかるかな~?
0投稿日: 2015.09.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
北海道の湿原にあるラブホテル「ホテルローヤル」が舞台。 オーナー、オーナー夫人、その娘の周りに連なる人々の短編集。 時系列が逆になっているので、荒廃したホテルから始まり、ホテルを激変させた心中事件をはさみ、希望に満ち溢れたホテル建設へと話が戻っていく。 その流れが悲しい。 「せんせぇ」が好きかな。 心中事件の真相がこれだと悲しすぎる。 どうせなら、愛し合って死んでてほしかった。 やるせない。
0投稿日: 2015.09.07
powered by ブクログ辛い運命を受け入れながら地道に生きる人達の、悲しいけれど力強い話だ。親子の関係が敵対しているものが多く、親子も分かり合えないことがわかり、少し楽になる。セックスは大きなポイントになる。普段は語れないんだけど、ここで書いてくれたから、確認できる。
0投稿日: 2015.09.06
powered by ブクログ面白いか面白くないかというと、面白くはない。ただ、さすが直木賞というか、普段なら決してスポットライトの当たらない場所や人の、独特の寂れた雰囲気や虚しい勢いを、温度も湿度も感じさせずに書いている。 その着眼点や、切り取り方が秀逸で、唸らされるところはある。 まさに自分とは縁のない世界を垣間見ているかのよう。 物悲しい雰囲気は終始漂っているが、物語の中に生きている人は、ちゃんと、熱を持って、それぞれの人生をそれぞれに生きている。
0投稿日: 2015.09.02
powered by ブクログうーん… もう少し年を重ねるか、もう少し若ければ、もっと思うことが多かったのかなと思える作品でした。
0投稿日: 2015.08.26
powered by ブクログ北の果てのラブホテルを舞台にした連作短編集。実に直木賞受賞作らしい、大人向けというか年配向けの作品に仕上がっている。7本の短編の中では「星を見ていた」が一番切なくて印象に残ったが、他の話も哀愁漂う人々の様子がとてもうまく描かれている。割ととんでもない設定の話もあるのだが、全編を通して読むと不思議と違和感を感じないところも雰囲気をもっているというか美点だと思う。
0投稿日: 2015.08.23
powered by ブクログなんとも不思議な・・・。 章ごとに登場人物が代わりながらもホテルローヤルからは離れないという・・・。どこか薄暗さがあるけれども、埃っぽい爽やかさがある。そんな印象でした。 表面上はみなにこやかだけれども、必ずすぐそばには影があって。全てを語ってはくれないから、考える余地がある。なんとも不思議な物語です。 好きなフレーズが多くて、非常に楽しめました!!
0投稿日: 2015.08.23
powered by ブクログ短編集で、複数の物語に登場するキーパーソンがいる。個人的に好きな群像劇に近い。 北海道郊外にあるラブホテルが舞台なので、当然セックスが描かれる。でも、描かれるのは廃れていく街と、そこで実直に暮らす人々の姿だ。 廃墟となったホテルを舞台にした話から始まり、これからホテルを建てる男の話で終わる。廃墟となる未来、バラバラになる家族を知っているだけに切なさが増す。こんな表現方法もあるのかと驚いた。ただ、一つ一つの話は好き嫌いが分かれるものもある気がする。個人的に好きになれない話もいくつかあった。
0投稿日: 2015.08.22
powered by ブクログ一つのホテルを舞台にした物語が現在から過去への流れで描かれている短編集。 それぞれの人間模様、光り輝く瞬間が丁寧に、しかし、せつなく描かれていて、一つの大きなドラマとして楽しむことができます。
0投稿日: 2015.08.19Heavy
読み終えた後、軽い本だというレビューを読んで驚きました。 やはり、人間の感性は人それぞれなんだな、と。 連作短編ですが、私にはとてもヘビーで、一気には読めませんでした。 同じく北海道出身、芥川賞候補に何度も上りながら叶わず、41歳で自害した佐藤康志に共通する、 底辺で必死に生きる人間への暖かい目を感じました。北海道の風土のなせる技、でしょうか。 生と性、決して切り離すことの出来ない人間の性(さが)に真正面からぶつかっている、とても 真摯で重い小説と感じました。 感じ方は、それぞれの人生の重さ、かもしれません。 おっと、重いから良いわけでは決してありませんが。 大人のあなたは、一度読んでみて損は無いと思います。こういう世界もあるでしょう。
2投稿日: 2015.08.19
powered by ブクログ桜木紫乃さんの本。初読。ラブホテルを舞台とした短編集。時系列にそれぞれの短編が繋がってる。生活の中での一コマの感覚を捉えている。 好きなのは「 バブルバス」と「星を見ていた」 「バブルバス」は貧乏ながらも一生懸命生きている家族のお母さんがラブホテルでの少しの時間に幸せを感じているのが素敵。どこか後ろめたいラブホテルという中にも役に立つという真正面から光が当たる物語でもある。 「星を見ていた」は周りの人の言うことを気にせずマイペースで自分の思い通りに健気に生きるお母さんが愛おしい。恨まない、よく働く、お父ちゃんが求めてきたら拒否しない。母の教えを従順に守って生きている夫婦は貧乏だけど幸せそうに見えて羨ましい。
0投稿日: 2015.08.16
powered by ブクログホテルローヤルを中心にした人間模様を描いた小説。 郊外に立つ煌びやかなラブホテル。 人間がしっかり描かれていて、男も女も醜い部分も描かれていて。 短編7編を読んで、モヤっと。
0投稿日: 2015.08.11アタリ
「ワン・モア」が心にしみ入る良い作品だったので、本作を手にとった。 読み始めは、期待値が高かった分ハズレだったかなというのが正直なところだ。全体的に暗い話ばかりだが、真っ暗ではなく仄かな安堵感がある。 現在から過去へ遡り話が綴られているが、読み進むほど面白い。 女性の強さ・潔さ・かすかな希望もあり、次作も読みたいと思う作家であることに変わりない。
0投稿日: 2015.08.11
powered by ブクログラブホテルという特異な空間で紡ぎだされる人間模様。時間をさかのぼっていくようなストーリーの構成が面白いです。
0投稿日: 2015.08.09
powered by ブクログこの作者の小説を初めて読んだけど、全体的に面白かった。読みやすかった。 とくに、本日開店、バブルバス、星を見ていた、の3つは好きだった。 生活感のある性描写って、エロス、リアリティ、滑稽、悲哀、いろいろ味わい深さがあって好き。
0投稿日: 2015.08.09ホテルローヤルを読んで
お気に入りになった音楽と読書が趣味の人のブログを読んでいると、ホテルローヤルの感想が載ってました。 それを読んで 私も早速読みたくなり、徒歩5分の図書館に借りに行きました。 検索すると、何と!予約者263人。一様予約したけど 何か月先になるやら・・・。 家に帰り ソニーから電子書籍券¥1000が送られてきていたのを思い出し、これを使って購入してみました。 だが、ダウンロードが出来ない。 ソニーに電話で問い合わせると、他の方法でのダウンロードを親切に教えて頂き 読むことが出来ました。 北海道出身の桜木さんが書いた 直木賞受賞作のこの本は、同じく北海道に長く住んでいた私にはとても身近に感じられ、時間を忘れて 一気に読み切りました。 ふ~ん、面白かったが感想。 今は首都圏に住んでおり、時々飛行機で女満別空港に向かう時、良く釧路湿原が眼下に見えました。読み終えた時 あの景色の中に本当にホテルローヤルがあったのだろうか、なんて思いが駆け巡りました。 しかし ここ2~3年乗った飛行機は釧路湿原の上空を通らず 残念です。
1投稿日: 2015.08.08
powered by ブクログ街の外れの高台にあるうらびれたラブホテルの盛衰を舞台に繰り広げられる短編集。ラブホテルを経営する夢を語る男と年の離れた愛人の物語。ラブホテルの清掃婦として一生懸命働き、親孝行な子どもを育ててきたつもりが悲哀を味わうことになる女の物語等。女子高生から60歳の初老女性までどの時代の心理にもピタッと寄り添える筆力はさすがであり、相変わらずのそこはかとない寂しさが全篇に流れている。
0投稿日: 2015.08.06
powered by ブクログラブホテルを舞台に7編の短編。 過去に戻っていくっていう、珍しい感じだった。 一気読みしちゃったwおもしろかった〜⭐︎
0投稿日: 2015.08.03
powered by ブクログ上手い。 人間、男と女、世間と個人、それぞれを飾らない言葉で書き綴ってるいる。心の裡を語っている。 それぞれの短編が時や背景が違うものの、微妙に絡み合っている所が面白い。 味がある文章、味がある作品だ。
0投稿日: 2015.08.03
powered by ブクログ読了。この本は本当に直木賞の名に値する、良本だと感じた。それ以外に感想が出ない。 人の生き様が本当に細かく書き込まれていて、色濃い、という単語がぴったり。
0投稿日: 2015.07.30
powered by ブクログ直木賞。暗い…とおもいながら読み進めて、読み終わったあともなんだかすごく悲しい気分にさせられた。連作短編集で、救いがあるように見える結末でも(ほとんど救いがないけど)良かったねなんてとても安心できない。ずっしりと重い寂しさが残る。
0投稿日: 2015.07.30
powered by ブクログ2015.07.30 人は夢や希望だけでは生きていけない。恋や愛でお腹を満たすこともできない。日常というものが厳しい状況であるとき、人は優しさを失いはじめる。生きていくということは、それだけで大変なことであることをあらためて知る。 本作はホテルローヤルを中心に現在から過去に物語が展開する。短編連作であり、事情や立場の異なる登場人物が日常の厳しさに耐えたり諦めたりしながら毎日を過ごしている。共通しているのは経済的な悩み、家族の問題、が解決する手立てもないまま存在し続けるという点である。 人の幸せは物質的な豊かさで計れるものではない。しかし日常を生きることに苦しい状態ではそんなことも言っていられない。懸命に生きるということについて、優しさについて思いを馳せることができた一作である。
0投稿日: 2015.07.30
powered by ブクログこれはラブホテルを描いた小説でもなく、そこに舞台を借りた人間観察の物語でもないと思う。 そうして、そう感じるのは私がもしかしたら大阪という、経済的には比較的恵まれた土地に暮らすからではないかと気づいた。 ここに描かれているホテルローヤルは、私が知るラブホテルとはまるっきり違う。現在のラブホテルは恐ろしく快適で、ラブホテルというカテゴライズを外しさえすれば、そのへんのビジネスホテルよりもくつろいで過ごせる。今の若者たちは、私のこの言葉に同意してくれると思う。 …そう、描かれているのは私が子供の頃、アメリカの真似でどんどん建てられ、すぐに飽きられて潰れていった…モーテルと呼ばれた過去の遺物の姿に近い。 かつて観光地に向かう国道沿いには、ある程度の間隔を空けて、きらびやかにネオンを明滅させて、1階のガレージと2階の部屋がセットになったモーテルが何軒もあった。 私が成長し、親と観光地に旅行に出かけることもなくなり始めたのとほぼ同じペースで、モーテルの外観は薄汚れ、ネオンランプのところどころが切れたまま放置され、やがてガレージ周りの鉄骨が錆びだらけになって…人の気配を失っていった。 だから最初は「これはその頃…昭和後期の物語なんだ」と思っていた。 しかし。 私は、言葉も文化も、関東や関西を中心に生まれたものがどんどん周囲に広がり、長い歳月をかけて、地方へと伝播してゆくものであることを、知識としても経験としても理解している。そのことをふと、思い出した。 しばらく前に、夕張はもはや無理ではないか…と、北海道事情に詳しい人から聞いた。 息子はそれを聞き、第二、第三の夕張が北海道にはできているらしい…と教えてくれた。 ホテルローヤルは大阪人の私には時代錯誤の幻影で、描かれる人たちも私の生活圏では聞いたこともないような苦悩と不幸に塗れているが。 これが…昭和30年代から50年代くらいまでの話でなかったとしたら。 これが…北海道の今、釧路の現実だとしたら。 ホテルローヤルが、まだ湿原にその廃墟をさらしているのだとしたら。 なんとも言えない気持ちで、とうとう最後まで読んでしまった。自分の記憶や現状認識とはあまりに異なる設定に、途中で嫌気がさしたのに。
0投稿日: 2015.07.26
powered by ブクログずっと気になっていた直木賞作品が文庫になっていたので購入。 どのお話も、虚しくて悲しいんだけど、終わりには少しだけ希望が見えて少し救われた。その後が気になるお話が多かったけど、それが持ち味なんだと思います。 ラブホテルを舞台に、境遇はちがうのだけど、身近で、リアルで、かっこつけてない、ありのままの人間、をうつしだしたお話ばかりでした。
0投稿日: 2015.07.26
powered by ブクログ衰退していく街の一軒のラブホテルが取り巻く非日常を求める話。経済成長期における街を発展させる方法として、官能的な部分は効率が良い、しかし、街の発展に寄与する力が強い反面、老朽化してしまうと廃墟化されるケースが多い。技術も資本もいらず、簡単に儲けることができるという点では、(語弊があるかもしれないが)現在のコンビニや簡単なマッサージ店に似ている部分がある。本編では、創業者からその娘、パート、客の話が書かれているが、それぞれ闇を抱えている。その後ろめたい気持ちをラブホテルでなら、発散することが出来る気もする。求めるのは日常では得ることができない体験だからだ。また、その後ろめたい気持ちがスリルを生む。本編に登場する人物、同調することができた。
0投稿日: 2015.07.26
powered by ブクログ直木賞受賞作。北海道釧路のラブホテルを舞台にした連作短編。時代の流れが逆になって話が進んでゆく。 やはり、冒険小説のような一気読みとはいかない作品。一話一話、心の休憩を取りながら、読み終えた。
0投稿日: 2015.07.25ホテルローヤル
とっても軽く読める本です。飽きずに楽しめました。でも最後の終わり方が続きを連想させそうで、、兎に角ちょっとした時間にスラスラ読めるのが良い方にはオススメ。
1投稿日: 2015.07.22
powered by ブクログ一日で読み終わった。 なかなか読みやすいです。 ホテルローヤルというラブホテルに関わった人々の短編物語です。 初めての作家さんでしたが、他の作品も読んでみたくなりました。 とにかく、読みやすくてサクサク読めます。 ラブホテルが題材だけど、ドロドロはしてません。 面白かったです。
1投稿日: 2015.07.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
桜木紫乃さんが直木賞を受賞された作品。記者会見が印象的で、独特のオーラがあって不思議な人だなあと思っていた。それ以来気になっていた一冊、なかなか手にする機会がなくようやく手元にやってきた! ラブホテルが舞台というか、それを取り巻く登場人物それぞれの日常を描いた作品であり、性的な雰囲気ではないのが、他には無い構成で面白いといえば面白い。でも、どうしても1話1話を深く読み込むことができなくて、しっくりこないまま読み終わってしまったのが残念。『シャッターチャンス』『本日開店』『えっち屋』『バブルバス』『せんせぇ』『星を見ていた』『ギフト』という短編の中で、『バブルバス』が面白かったかな。
0投稿日: 2015.07.17
powered by ブクログ気になってた本。 文庫本になったので購入。 ラブホテルを舞台にしたお話。 連作短編集。 現在から過去のストーリーなんだけど、 ん〜楽しさの欠片は無く、虚しい?切ない?寂しい?気持ちが凹む。 ただ、文章表現は上手だと思う。 '15.07.15読書完了
0投稿日: 2015.07.15
powered by ブクログ2013年上半期の直木賞受賞作。 う~ん、全編突き刺すうらぶれた感が何とも言えないですなぁ…。安っぽくて、饐えた生活臭漂う、いじましくて、やるせない物語の数々。 ホテル・ローヤルというラブホテルを舞台にあるいは遠景に世の中の底辺の人たちを描いて、突き放すでも包み込むでもなく、淡々とそこに生きる様を映し出す。 作者の実家がラブホらしいけど、なるほど、色んな人を見てきたんだろうね。しんしんと深まる夜の中でこころ虚ろに沈み込む、清掃のおばちゃんの話が泣かせる。 誰も悪くないのにこの国がこういう格差社会になってしまった現実を哀しみ、だけども、それでも、生きているって、それだけでとてもえらいことだ。
1投稿日: 2015.07.14
powered by ブクログ釧路の丘の上に立つラブホテル、「ホテルローヤル」を舞台とした短編集です。穏やかなような、もの悲しいような話が続きます。短編は時間をさかのぼるように配置されています。ラブホテルを舞台にすることで、人の裏側を描こうとしているのかもしれません。ホテルの経営者やその子供、従業員や客などが主人公となります。ラブホテルに現れる人にはそれぞれ事情があるということでしょうか。
0投稿日: 2015.07.14
powered by ブクログ作者の家業でもあるラブホテルを軸に据えた連作短編。すでに廃業し、建物が廃墟となったホテルローヤルが舞台の「シャッターチャンス」から、四十過ぎの看板屋がラブホテルを開業しようとする「ギフト」まで、過去に遡る7編。 ―― http://bookmeter.com/cmt/48631473
0投稿日: 2015.07.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ノーマークの作家さんでした。 第149回直木賞受賞作で、知ってはいましたが、最近の直木賞は、私の読みたい本がなく、「直木賞受賞作品なんだ…」くらい。 数年前まで、直木賞受賞作品は読んでましたよ(^_^) ただね、面白いなって作品には、出会いが少なくなった。 集英社文庫の夏のフェアーが、本屋さんに平積みになって、なんとなくパラッと2 3ページ読んで、時間つぶしに読んだ。 桜木紫乃さんの世界にドップリ。 仕事の休憩が待ち遠しいくて、ドンドン桜木紫乃さんの世界に入り込んだ。 何もかも幸せな主人公ばかりではないけど、桜木紫乃さんの人に寄り添う優しさがジワっと広がり、小さな幸せがいかに大切かがシミジミ伝わる作品でした。
0投稿日: 2015.07.09
powered by ブクログ登場人物の様々な人生が交錯するホテルローヤル。舞台が北海道の衰退していく町である。町とそこに住む人々の生活がクロスして、何とも物悲しい。
0投稿日: 2015.07.04
powered by ブクログうーーん ラブホテルを舞台ですが、ちょっと関連性が。 川本三郎さんの解説で、理解できたところがあり、もう一度読みたい気になりました でも、これが直木賞?
0投稿日: 2015.07.04
powered by ブクログ直木賞受賞の連作短編集。そして、デビュー以来、ずっと読み続けて来た桜木紫乃の作品である。それだけに期待は高かったのだが、肩透かしを食らったような感じだった。 これまで桜木紫乃の作品の多くを読んで来たが、どうにもすっきりしない消化不良気味の読後感だった。ホテルローヤルという名前のラブホテルを巡り、現在から過去に遡る形で短編が綴られるのだが、読者の想像力に頼るところが多く、一つ一つの短編が明確に完結している訳でもなく、短編同士の関連性も希薄な事が原因だろうか。 『シャッターチャンス』『本日開店』『えっち屋』『バブルバス』『せんせぇ』『星を見ていた』『ギフト』の7編を収録。
8投稿日: 2015.06.27
powered by ブクログすごいよかった。 人の目を避け、昼間に蓋をし夜を求める部屋。 ラブホテルは日本文化ってもっとよく考えたい 社会の片隅に生きる人間模様を丁寧に描いていた。桜木紫乃さんの他の作品も読みたいと思った。 ちょっと「深夜食堂」のような雰囲気を感じ取った。それぞれ事情を抱えてると言うか。 男の虚勢の夢と孤独な男女の感情だけの結びつきみたいなところが。 なんだかなぁ、生きるって、セックスって切ないなぁ。
0投稿日: 2015.06.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ホテルローヤルというラブホテルに関わった人たちの人生を短編7編でその人生と関わり合ったそれぞれの男と女の生き様を書いた小説。 どちらかというとずんとした重たい話ばかりで、あまり明るい気持ちになれる小説ではない。 それぞれが同じホテルに関わった時代をオムニバス形式で描かれた内容で読みやすいのだが、元気になれる本ではない。
0投稿日: 2015.06.20
