
総合評価
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powered by ブクログ直木賞受賞作ということで、著者も、はじめてだが読んでみた。 連作短編集で、各章の終わりが中途半端であとは読者の想像で愉しむものかと思ったが、普通とは違い現代から過去へと流れていって、これは面白い。と思った。 ラブホテルという、ある意味世間から隔離された空間に、深みのある物語を嵌め込む技量を感じた。 まあ、評価は普通なんだけど。
16投稿日: 2025.11.20
powered by ブクログ全体的に寂れててジメッとした雰囲気が漂う ホテルにまつわる連作短編集 時系列が通常とは逆で、廃墟となったホテルローヤルから始まり、終盤はホテル開業前まで時間が遡って描かれていく。ギリギリの生活をしている登場人物ばかりで、非現実感やそういった世界の恐怖なども感じる。どこか物悲しさが漂うが、不思議と引き込まれる作品だった。
9投稿日: 2025.11.06
powered by ブクログ辛い。 この人の取り上げる人たちのギリギリ感はいつもきつい。 上手な分、目を背けたくなる。 「えっち屋」「バブルバス」で少し息ができる。
2投稿日: 2025.11.03
powered by ブクログ煙のような透明感があって、生臭いのにさっぱりしていて、 不思議な連作小説だった。 せんせぇ、という作品が一番好きかも。 でも、どの作品もみんな一生懸命生きている人ばかりで、泣ける。
1投稿日: 2025.10.17
powered by ブクログオーディブルで聴きました。 「ヒロイン」がとても良かったので期待して選びました。 暗くてみじめで少々エロいお話の数々。読後感も良くない。多少のハッピーはあるものの、アンハッピーが圧倒的に多い。現実ってそんなものなのか。。?私が無駄にポジティブなのか。 マウント取られている男に嫌と言えずにヌード写真を撮らせる女性。見かけが悪い故、檀家相手に売春することに納得している住職の妻(ってどんだけ設定が昭和エロいんだ)。。人生山あり谷ありかもしれないけれど、谷部分多すぎでは? 映画にもなってるけど、原作とはかなり違うっぽい。見てみようかな。 オーディブルのナレーションは極悪だったので、紙の本をお勧めします。
8投稿日: 2025.10.09
powered by ブクログたくさんの芸術家が影響を受けたと口にされているのので遅ればせながら。 すでに評価が確立された本に対していうのもあれだけど、面白かった。独特の世界観と呼ばれるものがなんなのかよくわかった。そして惹きつけられた。 行間から登場人物の人間味が感じられてとてもよかった。これを噂に違わず、というのだろう。
2投稿日: 2025.09.21
powered by ブクログホテルローヤルというタイトルで、背表紙にはその名前のラブホテルが舞台の小説だと書いているのに、最初の話でそのホテルが廃墟になってて、おぉ?と思った。 そしたら時間が逆行していった。
1投稿日: 2025.09.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ラブホテルが題材になっている短編小説。どの話にも繋がりがあって、読んでいくうちにその繋がりが見えて面白い。同じラブホテルを舞台にしているのに、その時代によって全く違った印象になっている。1つのところを舞台にしているけれど、物語は人の数だけあるんだなと思った。
0投稿日: 2025.09.05
powered by ブクログ連作短編集。饐えた匂いを味わさせようとした話と思う。中でも『本日開店』の奥さん、『星を見ていた』のおばさん、は性生活含め饐えた凄みを放出していると思う。
0投稿日: 2025.08.22
powered by ブクログ2013年上半期直木賞受賞作。 群像劇ではあるが、それぞれの関わりがもっとあれば良かったのに…と思う。
0投稿日: 2025.07.19
powered by ブクログ短編で読みやすいと思うのだけど、ラブホテルがテーマだからかなんとなく全体的に陰鬱な雰囲気があって(それが良さでもあるんだけど、私には合わず)、なかなか読む手が進まなかった。短編の構成はとても面白かったけど、物語が全体的にさらっとぼやっとしてて、行間を読む力が乏しいせいか物足りなさを感じた。直木賞という期待もあったせいかな。
10投稿日: 2025.07.15
powered by ブクログ7篇のショート短編集。 最初の話で、舞台であるホテルローヤルはすでに廃業し、廃墟となっていることが示される。時代が逆戻りする構成で、読み進むにつれて、ホテルローヤルに関わってきた人たちのドラマがひとつずつ語られる。 自分は一人旅が好きで、旅先ではよくホテルの廃墟を見てまわる。 当たり前だが、どの廃墟にも、人が住み、人が訪れ、毎日さまざまな出来事があったはず。今は誰もおらず、建物も朽ち果てている。そんな事を考えながら廃墟を見ると、何もかも終わってしまうのだなあ、でも、その時々でそれぞれの物語があったのだなあ、と考える。それぞれの物語の中では、それぞれの人が主人公だったのだろう。 この作品でも同じことを感じる。作者の目線はやさしく、普通の人たちの日常、あっという間に消えていってしまい、誰も覚えていることもないだろう日常を、丁寧にすくい取り、語っている。 最初は映画から見たのだが、(仕方ないことがが)、原作の深みには及ばなかった。 集英社文庫、218ページ。
6投稿日: 2025.07.09
powered by ブクログホテルローヤルというラブホテルを取り巻く人々のストーリー。それぞれが短編なので、読みやすいです。ストーリーを読み進めると過去にさかのぼっていくのが、面白かったです。 桜木紫乃さんの作品を初めて読んだのですが、空気感を描くのがとても上手な作家さんだなと思いました。
8投稿日: 2025.06.28
powered by ブクログ章ごとに時間が逆行してるのはなかなかおもしろい。最初では廃墟になってるラブホテルが、章を追うごとに「こんな過去もあったのね…」となり、もの悲しい気持ちになる。
0投稿日: 2025.05.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
野島とまりあの心中に気づいた瞬間の衝撃やばくて声出た、作中で特に誰かに酷いこともしていないむしろされた側であるただただ可哀想な二人だしまさか死ぬなんてと思ってしまって心中したという事実がまだ飲み込めなくて辛い、彼らにとって最後の三連休が良いものでありますようにと祈ることしかできない
0投稿日: 2025.05.19
powered by ブクログラブホテルを舞台に様々な背景の男女を描いたオムニバス作品。 章ごとに時間が逆行していく形式で、廃墟に至った経過が少しずつ明かされてくる作品。 1冊を通して”ホテル”という生き物の一生を見ているかのようだった。
0投稿日: 2025.05.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読後、がんばらなきゃなぁとしんみり思った。普通の時系列だったらやるせなさの方が大きいのだろう。どちらかと言うと物悲しいホテルの歩みだが、おめでたい空気で読み終えられた。 作中もっとも好きだった教師と女子高生が、ホテルで心中した2人だと気づいたときの悲しさよ。2人のその後がもう描かれないと悟らされたのは、本作の時系列が生んだ残酷さである。どうか釧路行きを選ばないでいてくれ。
1投稿日: 2025.04.29
powered by ブクログ場所から連想する下世話な感じはさほどないけれど、好奇心は刺激され続ける。その中で交錯する人間模様は構成の妙と文学的な余韻に満ちている。外堀を埋めてからの高校教師と生徒のエピソードには唸った。グイグイ読めました。
0投稿日: 2025.04.19
powered by ブクログ釧路湿原の近くにあるラブホテルを舞台にした男と女の話、7編を収録。ラブホテルの名は『ホテルローヤル』。時系列が逆になっているが、そのホテルを建てるところから、廃業し荒廃していくところまでが描かれ、ホテルが主人公のようだ。
30投稿日: 2025.04.17
powered by ブクログ身体を繋げる一時的な部屋。流れ着く人たち。起業の夢と経営の現実、そして成れの果て。何か熟成された渋い味わいを感じた。
1投稿日: 2025.04.15
powered by ブクログ桜木紫乃さんの作品は、北海道、特に道東の風景が頭に浮かんでくる描写に惹かれます。北の大地に慎ましくも力強く生きる人間模様を感じる。
1投稿日: 2025.04.15
powered by ブクログ湿原を見渡せる場所に位置するラブホテルが舞台の連作短編集。 どのストーリーも湿っぽくて、物悲しくて、趣深い。 廃墟になったホテルローヤルから、現役のホテルとして色んな人に利用されていた時代を経て、ホテルができた頃の話へと遡っていく。 たくさんの人が少しずつ関わって歴史って積み重ねられていくんだな。
11投稿日: 2025.04.13
powered by ブクログラブホテルを取り巻く7つの短編集。 作品を読んでいく中ではイマイチよく理解ができなかったけど、解説を読んで少し納得。 深読みしたい方におすすめかも。
0投稿日: 2025.03.13
powered by ブクログ直木賞受賞作。短編7つで構成されている、ラブホテル ローヤルに関連した人間関係が描かれているが、未来から過去に短編が構成される。あまり結論的なことがなく、ちょっとモヤモヤした。
0投稿日: 2025.03.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
シャッターチャンス 加賀屋美幸 短大を卒業してから十三年「スーパー・フレッシュマートしんとみ」の事務を執っている。貴史にヌード写真を撮らせて欲しいと頼まれ、断れず撮影に備えてダイエットしている。 木内貴史 「フレッシュマートしんとみ」の正社員。宅配運転手。美幸の中学の同級生。地元パルプ会社のアイスホッケー選手だったが、二十八で右膝靱帯を損傷して引退した。 本日開店 設楽幹子 「歓楽寺」の大黒。結婚前は看護助手をしていた。 中学卒業まで養護施設で育ち、その頃施設に来ていた初代住職と出会う。 佐野敏夫 幹子の夫が二代目住職を務める「歓楽寺」の檀家のひとり。父親の興した水産会社を五十歳で受け継いだ。 設楽西教 「歓楽寺」の二代目住職。幹子とは二十歳が離れている。 青山文治 青山建設社長。歓楽寺の檀家。幹子にホテルローヤル社長の死に際を語り、遺骨を預ける。 田中大吉 ホテルローヤルの社長。 えっち屋 田中雅代 二十九歳。ホテルローヤルの二代目社長。高校の卒業式翌日に母が駆け落ちしたため、家業を手伝うことになった。ホテルで心中事件があってから閑古鳥が鳴いており、廃業を決める。 田中大吉 それまでの家族と仕事を捨てて、身ごもった愛人とラブホテルを始めた。 宮川 十勝のアダルト玩具販売会社・豪島商会の営業。三十九歳。 バブルバス 本間恵 専業主婦。狭いアパートで子ども2人と舅の世話に明け暮れている。そろそろパートに出たいと考えている。 本間真一 恵の夫。大手家電量販店・イマダ電機のフロア主任。店舗の売り上げが悪く、左遷されそうになっている。 本間太一 恵と真一の長男。 せんせぇ 野島広之 木古内の高校の数学教師。自宅は札幌で単身赴任。妻の里沙とは上司である校長に紹介され結婚した。 野島里沙 広之の妻。高校時代の担任と二十年にわたり関係を続けている。 佐倉まりあ 野島が担任する二年A組の生徒。両親は駅前で「チェリー」という喫茶店を経営していた。父が弟の借金を被り、母親は弟と出ていき、父親も出ていった。 星を見ていた 山田ミコ ホテルローヤルの清掃婦。六十歳。生活のため、遅くまで働いている。子どもは三人いるが、みな中学を卒業してすぐに家を出た。 和歌子 ホテルローヤルの清掃婦。ミコをこの仕事に誘った。四十八歳。仕事は午後4時まで。 山田正太郎 ミコの夫。六十歳。漁師をしていたが、漁船員同士の喧嘩が元で、右脚の腱を痛めて船をお下りた。ここ十年はどこへも働きに出ていない。 田中るり子 ホテルローヤルの女将。大吉の後妻。ホテルに飲み物の補給にやって来るK珈琲の若い配達員と不倫している。 山田次郎 ミコの次男。二十二歳。中学卒業後家を出て、左官職人に弟子入りし自力で夜間高校を卒業したとミコに伝えていた。 ギフト 田中大吉 塗装業。四十二歳。同い年の女房、小学六年生になる息子がいる、るり子と不倫している。ラブホテルを経営したいと思っており、後にホテルローヤルを創業する。 るり子 中学卒業後、住み込みで団子屋で働いている。大吉のことを「おとうちゃん」と呼んでいる。 大吉の義父 娘が公務員との見合いを蹴って中卒の看板職人を選んだことを気に入らない。
1投稿日: 2025.02.27
powered by ブクログあまり感情移入できずに最後まで読みました。あるラブホテルを巡る短編集なんですが、どの短編も尻切れトンボみたいな終わり方をして、消化不良でした。私には理解できない内容でした。
1投稿日: 2025.02.16
powered by ブクログめっちゃいい。どこか哀れさを感じさせる色々な人々の悲しみや歓びが、人生そのものが、ホテルローヤルという場所で交錯する。美しい。
1投稿日: 2025.01.30
powered by ブクログ作者の人間臭い描写が好き 北で生きる人の寡黙さや内に秘めた感じが 同じく北で生きるものとして身近に思える それぞれの人にあるそれぞれの物語
20投稿日: 2025.01.12
powered by ブクログそれぞれが心の奥底に秘めた情念が行間からゆらゆら立ち昇ってくるような。 どの登場人物も多かれ少なかれ不器用な部分を持っていて、そこが良かった。 語弊を恐れずに言えば、ぱっと見はものすごく作り込まれた文章ではなく、さらっとナチュラルで読みやすい文章だと思う。 けれども噛み砕いていくとものすごく味わいがあって、厚みがある。文章の裏側に濃密な意味が込められているというか。 桜木さんの作品を読むのは初めてで、読むまでは男女の行為が全面に押し出された作風を想像していた。 けれど、その想像は良い意味で裏切られた。誰もが持つ人間としての寂しさ・哀しさを変に誇張したり矮小化したりせず、真正面から描き出している。その筆致に滲む淡い温もりは桜木さんの視線そのものだと感じた。
0投稿日: 2025.01.06
powered by ブクログ直木賞受賞作品。 過去へ遡りながら、ホテルローヤルを取り巻く人々の誰にも知られない人生のかけらたち。 最後まで読んだ後、再び初めに戻ると、ダイレクトではない人の感情表現が、より切なく深く感じました。
2投稿日: 2024.12.08
powered by ブクログ2024年12月1日、知恵袋でラブホテルを題材にした小説ないか?聞いたら、これ教えてもらった。直木賞もとってるみたいだし短編みたいだし読みやすそう。→図書館にあった。
0投稿日: 2024.12.01
powered by ブクログ直木賞受賞作品を読みたいと思い、図書館で見つけて借りました。 個別の物語だと思いましたが、ホテルローヤルを舞台に、時間軸が徐々に過去に遡る展開に徐々に引き込まれていく。 それぞれの物語が、繋がっているところもあり、個々の物語が途中で終わるが、想像力を膨らむ。 後から楽しく読めた。
1投稿日: 2024.11.17
powered by ブクログホテルローヤルで 非日常を求める男女や、その経営者、家族が出てくる7編の短編ストーリー ラブホテルが舞台なのが面白い 正欲って年齢を重ねても意外とあるもんなんだな それによって人生を狂わされるって やっぱり三大欲求って言われるだけあるよなとか お金が無いのは嫌だと思った バブルバス ほっこり 星を見ていた いいかミコ、何があっても働け。一生懸命に体動かしてる人間には誰も何も言わねえもんだ。聞きたくねえことには耳ふさげ。働いていればよく眠れるし、朝になりゃみんな忘れてる。
0投稿日: 2024.11.04
powered by ブクログ「ホテルローヤル」という街の外れに位置するラブホテル。 このラブホテルに出入りする人々のひとときを描いた物語です。 連続短編集なので、短編同士の繋がりが徐々に見えてきて後半から面白くなってきました。
0投稿日: 2024.09.27
powered by ブクログどの作品も鬱々としていて、どんよりした曇り空が広がっていて、薄暗く全体的に湿った空気が漂っていて、ああ夏の昼間に読むんじゃなかった。
1投稿日: 2024.08.28
powered by ブクログ2013上期・直木賞受賞作。道内在住の、作家さんの受賞を喜んで購入。ラブホテルの話ですが、当時中学生の娘さんと、よく作品の話をすると聞いて、羨ましく思いました。
4投稿日: 2024.08.24
powered by ブクログ勝手にミステリーと勘違い。どこでいつどう事件が起こる?かと思えば特になく、裏寂れたラブホテルが、哀しい。
3投稿日: 2024.08.22
powered by ブクログリアリティが痛い。郊外、やましさ、浄・不浄。確かにラブホって一番リアルな場所だなぁ。。。忘れがち、見ないようにしがちな場所だし、巧妙に誰も顔を合わせないでいいような作りになってるけど、そこにはちゃんと人がいるんだね。
11投稿日: 2024.08.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
釧路の湿原を見渡す高台に建つラブホテルを舞台にした話。 登場人物がだいたい生活に困窮していて、でも清らかな品がある。高校教師と女子高生はその後どうやって心中に至ったのかは気になる。星の話では、ある人の感想では思考を放棄している人間だとあったが、果たしてそうだろうか。何でも心の持ち様ではないのか。それで幸せに生きられるなら良いではないか。ただ、三人の子供たちが離れていってしまってるのを見ると、何か問題があったのかもしれないけど。
0投稿日: 2024.08.19
powered by ブクログ物語の順番が良かった。 自分は他人の人生に、他人は自分の人生に、大なり小なり影響する。 色んな人の人生があり、同じ場所でもそれぞれの物語がある。
0投稿日: 2024.08.18
powered by ブクログ北国のラブホテルの終わりから始まりまでの遡り連作短編集 以下、公式のあらすじ ----------------------- 北国の湿原を背にするラブホテル。生活に諦念や倦怠を感じる男と女は“非日常”を求めてその扉を開く―。恋人から投稿ヌード写真の撮影に誘われた女性事務員。貧乏寺の維持のために檀家たちと肌を重ねる住職の妻。アダルト玩具会社の社員とホテル経営者の娘。ささやかな昴揚の後、彼らは安らぎと寂しさを手に、部屋を出て行く。人生の一瞬の煌めきを鮮やかに描く全7編。第149回直木賞受賞作。 ----------------------- 収録は7編 ・シャッターチャンス 自称カメラマンを目指している男が同級生だった女性と廃墟のラブホテルでヌードの撮影をするお話 廃墟となったラブホテルのそれぞれの部屋の寂れ具合の違い これが後の伏線というか、前フリになっている そして、潰れる原因となった噂 ・本日開店 寺に嫁いだ元看護助手が、寺のために檀家に身を持って奉仕するお話 亡くなった父からその奉仕の恩恵を引き継いだ社長 他の檀家衆は老人ばかりの中、若い男に抱かれるお嫁さんの心情 そして旦那さんの想い ・えっち屋 ラブホテルの閉店の日、オーナーの娘の雅代とアダルトグッズの営業社員とのやりとり お互い、性にまつわる仕事をしていながら俯瞰的に見ている二人 そんな二人の逢瀬 ってか、営業社員の方の奥さんが結構ヤバ目な恐妻家 そこまで来ると、精神的に病んでるようにも思える そんな状態なのに、という背徳感が漂ってるけど、どこかカラッと乾いた雰囲気がある ・バブルバス 手違いで法要がキャンセルになった夫婦のお話 普段は切り詰める生活でお金に余裕がないし、二人の時間など確保できない夫婦 世間の夫婦ってどうしてるんですかね? ・せんせぇ 妻の不貞を知ってしまった数学教師と、親に捨てられた女子高生の道行き 二人のその後やホテルローヤルは出てこないけど ホテルが潰れる原因となったのは、この二人だろうなと思われる 映画だと女子高生が伊藤沙莉だったし、教師が岡山天音だっかたな 二人がホテルローヤルでどう過ごしたのかが描かれていたなぁ 多分この話が物語の根幹のような気がする 上司に勧められた奥さんが実は上司の愛人だったとか、キッついわー ・星を見ていた ホテルローヤルの古参従業員のお話 音信不通だった次男から手紙とお金が送られてくる しかし、その実態は…… ・ギフト ホテルローヤルの開店までの経緯 看板屋をやっている男、今の妻との不和、新たな女性との関係 しかしまぁ、その女性もどうなるかというのを読者は既に知っている もし、この短編集を時系列順に読んだら感想は変わるかもしれないですね ラブホテルという淫靡な想像をしてしまう場所なのに ここで描かれているのはそんな物語ではない 所々にラブホテル愛を感じる どうやら、著者もラブホテルを経営する両親の子らしい そしてそのホテルの名前がホテルローヤル だからこそ描けた話なのでしょうかね 映画だと波瑠がメガネ姿で雅代を演じていたのが印象的
7投稿日: 2024.08.09
powered by ブクログ★★★★☆以前に買って読まずにそのままにしていました。短編集で面白かったです。「星を見ていた」「バブルバス」が個人的に好きな物語でした。「星を見ていた」に出てくるミコさんが、母親から言われた言葉をずっと信じて生きていて、真面目で働き者、でも生活は苦しい。決して幸せそうに見えないけど、自分は幸せ者だと思って淡々と健気に生きている。母親の言葉を忘れずに守って生きている姿にせつなくなります。
5投稿日: 2024.07.14
powered by ブクログ日常を忘れ、非日常の中に身を置きたい瞬間は、誰しも持っているだろう。一人になった時、ふと、このまま別の世界に行けたら...考えては高揚し、やがてなだらかに現実へと戻っていく。 ホテルローヤルは、そんな非日常を演出してくれるのに、最適な場所。みんなの束の間のオアシスの誕生と衰退、そして消えた後に残ったものとは… 時系列を逆から描くことで、より日常を描くことに成功しているような気がする。 人生の葛藤や、一人一人の想いが共感できる。 なんとなく流れて流されて生きてきて、ふと立ち止まった時に、少しこの流れに逆らってみよう!などと思い、抵抗してみるが、やはり流れに身を任せ、日常に戻るしかない。これで良かったんだと思いたい。 そんな人生の大きな波の中の一部に、ホテルローヤルは溶け込みながらも、大事な役割を果たしている。そんな感想でした。
41投稿日: 2024.07.14
powered by ブクログ部分的には面白かったが、部分的には面白くなかったという印象。何も考えずに読む本としてはよかったかもしれません…(本当に書くべき感想が浮かばない)
0投稿日: 2024.07.14
powered by ブクログ男と女の粘着質な疾走感や絡み合いはなく、 ラブホテルしか行き場がない、 虚無感を抱えた人々がそれぞれひっそりと各物語に横たわっている。 全体的に救いはなく、どんより低空飛行。 終始寂れた空気を醸し出す。 構成が斬新で、 いろんな視点が描かれているにも関わらず 違和感なく各主人公の視点を持てる。 ラブホテル題材でこんな風に表現できるのか、、と感嘆。ラブホの見方が変わる。 でもめっちゃ面白かったか、と言われると、、、上手な作品、という感じ。いち感想です。
1投稿日: 2024.07.08
powered by ブクログ直木賞受賞作。 手に取ったこの本は、身近にいそうな、でも普段はあまり光の当たらない、せつない一場面を7つ切り取った小説でした。 直木賞受賞の理由は分からなかったけれど、解説を読みながら、この本を読んでみてよかったと、こういう本もあることを知れてよかったなと思いました。
0投稿日: 2024.05.16
powered by ブクログ釧路にある「ホテルローヤル」と言うラブホテルを共通のキーワードにした短編集。 時間軸が逆に作品が並べられている。 恋愛小説、でのお勧めと聞いて読んだのだけど、少なくとも自分の感覚では恋愛小説、では無いな。 一編は大して長く無いけど、各々の主人公の性格とか信条や生い立ち、が上手く描かれている。 直木賞受賞作らしいけど、私にはよく分かりません。
2投稿日: 2024.05.03
powered by ブクログシャッターチャンス 一話目にしてやや難解。気の進まないことをさせてきた彼に嫌気が…という単純な話でもないような気がする。 本日開店 そんなことが色々暗黙に、水面下のようで公然に行われるものなのか。妻の心理的な不貞に気づけるもんなのか。現実味を持ち出すのは野暮。 えっち屋 結局何一つ思うようにはいかなかった。空費したこれまでと今日の二つが天秤の両端に載っているように進む。 バブルバス 五十を越え、金も生活も思うように回らない家族。大きな声を出すことも、大きく体を広げることもままならない生活。5000円がくれる非日常。 5000円稼いでまたホテルに誘うなんて、スケベな意味でなくグッとくる言葉。 せんせぇ 設定がきつい。マンションに帰り着いたとこなんか吐きそう。でも主人公の諦観というか打ちひしがれた描写がとても美しいと感じた。美しいも違うか、経験はないけど共感する。自分がそうだったら、きっとこんなモノローグをすると思う。 星を見ていた 母の言葉はお守りではなくきっと呪縛。周りの人が、トラブルののちに優しくなることの意味に気づけないくらい、貧しさや忙しさの中で考えること判断することを止めて60年過ぎてきたのだろう。優しくする人に悪気も罪悪感もない。どう接したらいいか、腫れ物に触るようになってしまったのかもしれない。 ギフト 最後こそこの話。色んな人間模様を映してきたホテルの始まりも、色んな人間の喜怒哀楽を経ていた。でもこれまでの話から、オーナーもるり子も残念な終わりだったし、その娘も。この話に純愛やらを感じるよりは、運命や浅はかさの手のひらで踊っている人間を見ていた。 あとがき センセェ、関係ないやん!と思っていたけど、そうでしたか。そこでしたか。 男と女の、人間の、しんどさや悲壮をセックスを通して、あるいはセックスを通さずに描くセックスはここではどこまでも手段。悲しみや喜びを膨らますための道具。ラブホテルを題材としながら、過度に性的な描写もなく、なんとも文学的。
1投稿日: 2024.04.07
powered by ブクログ廃業から開業へと遡りながら人間ドラマを繰り広げていく。十人十色のラブホテルでのストーリー。結局は世の中は男と女ですな。
9投稿日: 2024.04.06
powered by ブクログホテルローヤルと言う名のラブホテルを軸に色々な人間模様が切り取られていく短編集 時間がどんどん遡っていく構成 なのですでに廃墟となっているローヤルから話が始まり、ホテルのたどる道のりを見てきたぶん、最後の章に夢を膨らまして経営していこうとする大吉とるり子に何とも言えない切なさを感じてしまいました。 ラブホテルが題材なだけに、男女の関係性や表面的な思いよりも、どこか後ろ暗い本音の部分が書かれています。 ハッピーエンドというよりも「人生の一部を覗き見た」そんな気持ちになりました
5投稿日: 2024.04.05
powered by ブクログ2024.3.29読了 8年ぶりくらいに読んだ。 桜木紫乃さんの作品は他に読んだことがないけれど、官能的で、諦観にあふれた文章を書くこの人は素晴らしい。 官能への感受性が高まっているのは、自分が10代の終わりから20代後半へと年齢を重ね、その分経験も重ねたからだろうか。 いくつかの文が10代のわたしの心を掴んで離さず、今日まで身体の一部として機能していた。 「バブルバス」の新婚旅行の描写でマスターベーションができないか本気で試みたことは忘れていなかった。 「えっち屋」の『客は日が高くても夜を求めてここにくる。』 あ、と思った。ラブホテルで朝を迎えたとき、塞がれた窓の扉の隙間から漏れる朝日を見ながらいつも「夜だ」と思う。ときどきは声に出す。 どこかで読んだ文章だと思っていたが、こんなところにあったとは。僥倖。
1投稿日: 2024.03.30
powered by ブクログ時系列バラバラだし、短編ごとに人物も違うがホテルローヤルで繋がる。 ラブホテル特有のねちっこさは無く、かといって爽快感はほぼない。 ホテルローヤルの歴史(というほど壮大な歴史ではないけど)が何だか切ない物語でした。
1投稿日: 2024.03.02
powered by ブクログ北海道の湿原を見下ろす場所にある ラブホテル「ホテルローヤル」 物語はこのホテルを舞台にした下記7つの短編集 「シャッターチャンス」 「本日開店」 「えっち屋」 「バブルバス」 「せんせぇ」 「星を見ていた」 「ギフト」 各章の主人公はホテルの利用者だったり、従業員や出入りの業者、さらにホテルの経営者とその家族だったりする。 特徴的なのは、時間を巻き戻す形で章が進み、時には登場人物同士の繋がりに気付かされ、時間と空間の立体感が徐々に鮮明に見えて来るところだと思う。 桜木紫乃さんの作品は『俺と師匠とブルーボーイとストリッパー』に続き2作目 本作とは系統は異なるが、やはり北海道の釧路を舞台として、そこで生活を築く人々を描く点は共通していて、同じ温度感と哀歓が溢れていた。 なかでも「星を見ていた」は印象的だった。 ホテルローヤルの掃除婦である60歳のミコが歩んで来た半世紀以上の年月が哀愁を誘い、何度も胸が張り裂けそうになった。彼女にとって、母親が残してくれた言葉の数々は、信念となる一方、呪縛に近いものだったのかもしれない。 「ラブホテル」という秘め事の巣窟の様な場所を物語の舞台に選んでいるからこそ、様々な角度で人々の現実を直視された作風だった。 男女のドラマティックでエロティックな内容ではなく、もっとリアルで生々しくて生活感すら感じる。 そして、どの話も湿っぽくて悲しくて、寂しくて切ない。でも、そんな姿をみせられるのも、お日様に蓋をしてくれるホテルローヤルのお陰なのだろう。 そう思うと、沢山のドラマが生まれては消える非日常的な「ラブホテル」という日本の文化が、外国人に大ウケするのも納得だ。 やはり日本文化は素晴らしい! って、最後そこ?笑
31投稿日: 2024.02.15
powered by ブクログ第149回直木賞受賞作。 北国の湿原にあるラブホテルを舞台にした、7編からなる連作短編集。 時間軸が現在から過去へと遡っていくストーリー。それぞれの登場人物が微妙にリンクしているところは面白い。 ラブホテルという非日常的な場所から生まれる物語は寂しさもあれば安らぎもある。
40投稿日: 2024.02.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
釧路の湿原にあるラブホテル『ローヤル』が舞台の短編連作。 末は廃墟となるホテルの、開店までの過去をたどっていくような構成が良い。 非日常であるラブホテルが舞台だけど、重苦しさを抱えつつ生きる人々の、日々の生活の生々しさが迫ってくるようだった。
1投稿日: 2024.02.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
直木賞作品。 ラブホテルを舞台に、妻のヌードを撮りたい人とか、檀家に体を売る人とか、経営者などの物語が繰り広げられる。
0投稿日: 2024.01.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
繋がっているようで、繋がっていないようで、繋がっている作品。 映画とセットで観ると、あーこのシーンこんなイメージなのか!となって好き。 映画だけ観るとよく分からないのでは、、?というシーンもあったり… ラブホテルを中心にいろんな物語が繰り広げられてて、人の人生は拠点は同じでもそれぞれなのだな、と改めて感じたり。
0投稿日: 2024.01.15
powered by ブクログ物語は廃墟となったラブホテルから始まる。「ホテルローヤル」という煌びやかなタイトルとは打って変わって、しんみりと暗い印象の物語。 この物語は「ホテルローヤル」というラブホテルを中心に7つの短編による連作短編集である。 ラブホテルという世間から隔別されたような空間。男と女が本性を出す場。そこには世間の表に出てこないような話がいくつもある。 廃墟の撮影に使う人から、客としての男女、出入り業者から、ホテルオーナーまで。 そんな世間から隠れてしまっている人たちにスポットライトを当て、その現実をまじまじと見せつける。 別に幸せな話ではない。むしろみんな不幸せなのかもしれない。 そんな目を瞑っていたリアルな部分を少しずつ裸にしていく。 人間の嫌な部分を淡々と描き、それを救うことも捨てることもない。そのリアルさと感情の変化の少なさが逆に読みやすい。 ラブホテルという場所が、ラブを作り出す場所だったら良いのに。
11投稿日: 2024.01.15
powered by ブクログ桜木紫乃さん2冊目。直木賞を受賞した代表作を読みたくて購入。 家業のラブホテルであるホテルローヤルの仕事を高校生の頃から手伝っていた、という経歴からホテルローヤルに関わる人々の生態が事細かに綴られている。 7つの短編がホテルの廃墟から始まり、ホテルが作られる時期まで遡っていくという逆回しの展開。 廃墟のラブホテルの艶めかしいシーツの跡がある部屋で、彼女のヌード写真を撮る彼氏。挫折した彼の狂気的な撮影動機となった部屋は、そのホテルを廃業しようとした娘が、大人の玩具の営業と関係しようとして果たせなかった跡。廃業の原因ともなった女子高生と教師の心中は、後の短編に経緯が綴られる。 苦しい経営のお寺の奥さんが、お布施として檀家の 人達と関係を持つ話しは切ない。ホテルの従業員の奥さんは、どうしようもない家庭を耐えることで生きている。 暗く悲しい内容が殆どだが、淡々と、そして詳細に描かれている。ラブホテルを通して人間の本性が剥き出しとなる様が生々しい。
62投稿日: 2024.01.08
powered by ブクログ2023/1/1 短編集で読んだ「星を見ていた」がすごく好きで、元になったこちらを。 連作短編になっていて、鬱々と物悲しくもあり、なんだか胸がすくような気もする。 心中した女子高生と教師は、愛憎のもつれかと思っていたけれど、希望を失った二人だったのかしら。
0投稿日: 2024.01.01
powered by ブクログ一つの建物を巡り色んな人の 色んな人生の一場面に触れれた。 辛く思い現実が多く描かれていたが 短編集で読みやすかった。
0投稿日: 2023.12.28
powered by ブクログ友人からの紹介本。タイトルからは全然想像と違って、人間の生々しい暗いお話だった。表紙からはその情景が窺える。場を変えると赤裸々な部分が恥ずかしげもなく語れる。
2投稿日: 2023.12.04
powered by ブクログ連作短編集は好きですね。それぞれ時代や舞台はバラバラなれど、釧路湿原のラブホテルを共通項に繋がっている。前の話の登場人物が現れたりするものとても良い。時系列に沿ってないのに、読み進めるごとに全容がわかってくるし、登場人物も愛おしい。良い。
2投稿日: 2023.10.02
powered by ブクログ韓国の翻訳家クォン・ナミさんの「ひとりだから楽しい仕事: 日本と韓国、ふたつの言語を生きる」で言及されていて、すごくおもしろそうだったので、読んでみた。 いや、しかし、哀しく哀れで悲哀にみちた話ばかりで(もうね、「哀」の字しか出てきません)、なんだか身につまされてしまった。 若く希望とエネルギーに満ち溢れていたお年頃に読めば楽しめたかもしれないけど、もはや人生も終盤にさしかかっている身としては、読んでいて切ないったらなかった。 登場人物たちみんな、もっと幸せになっていいのに、って、そればっかり思って。 私にとってはラブホという場所は、ちょっぴり気恥ずかしく、ちょっぴりわくわくな、楽しい思い出しかないからなぁ。たとえ老朽化して見た目が物悲しくても、一緒に行く相手もやることもゴージャスなホテルでも同じだし。 この本も、そういう笑える系かと思っていましたよ。 でも、短編だけど全然ワンパターンじゃなくて、感情移入したくなくてもついしちゃうくらい、うまい作家だなーと感心した。 すぐ忘れたいけど。全編哀し過ぎます。
6投稿日: 2023.09.10
powered by ブクログ「寒い地域の出身のアーティストは内向的な曲を作る傾向にある」というのをどこかで読んだ事があるが、文章にも当てはまるのではないかと思った。 澄み切った冷たい空気と、しんしんと降る雪と、灰色の空が全て染み込んだみたいな、仄暗い寂しい感じがずっと横たわっていて、ずっと乾いている。子を授かった場面でさえも。 舞台ゆえなのか、作者の作風なのか?性的な描写も多いのだけれど、どれも泣いてしまいそうなほど虚しかった。 ストーリーひとつひとつを噛み締めるというよりは、雰囲気に浸る作品。今回初の桜木紫乃作品だったこともあり、今度他の作品も読んでみたいと思った。
1投稿日: 2023.08.31
powered by ブクログ釧路に行って、本書と著者がおすすめされていたので読んでみた。霧がかかる夏でも涼しい地に合った波長の話たち。短編チェーンストーリーで読みやすい。 ホテルローヤルの廃墟となった今から遡る時間。それぞれ何か悲壮感漂う話だった。廃墟となってしまっているけれど、それまでに紡いできた人たちの思いや生活が見えると寂しい気持ちになった。
4投稿日: 2023.07.18
powered by ブクログ物語の舞台だけ見て「男女の愛憎渦巻く感じの小説かな?」と勝手に思っていたんだけど、想像に反してほんの少しの優しさと乾いた寂しさが後を引く綺麗な物語だった。 ホテルローヤルの末路を知ってしまっているから、最終話『ギフト』のきらきらした希望がせつない。道化を見ているような気分にさせられてしまう。箱入りのオレンジの名前を知った瞬間に、思わず「うっ」と呻きたくなるような苦しさが全身を駆け巡った。
1投稿日: 2023.07.10
powered by ブクログ2023.7.2 読了。 北国の湿原にある部屋数6部屋の小さなラブホテル「ホテルローヤル」を舞台に描かれる7作の連作短編集。 生きているとキラキラと輝いている時間と波が引いていき独り残されたように寂しく消えていく時間を一編一編に綴らているような作品だった。 ラブホテルが舞台だからといってどの作品も恋愛主軸でないところも良かったし、どの短編の主人公にも哀しみがあり、しかし諦観しているような印象もあった。 一番心に残ったのが「星を見ていた」だった。 人を憎まず、恵まれない環境で一生懸命に働いても自分の求める「成功」や「幸せ」に辿り着くのは簡単ではないことを思い知らせて、それでもほんの少し優しいことの積み重ねも人生にはあるような、そんな雰囲気を漂わせる一編だった。
3投稿日: 2023.07.02
powered by ブクログ今は廃墟になったホテルが舞台の様々な人間模様を描いた作品である。 連作短編集で、細かな描写はとても良いです。 星を見ていたがとても良かったです。 内容(「BOOK」データベースより) 北国の湿原を背にするラブホテル。生活に諦念や倦怠を感じる男と女は“非日常”を求めてその扉を開く―。恋人から投稿ヌード写真の撮影に誘われた女性事務員。貧乏寺の維持のために檀家たちと肌を重ねる住職の妻。アダルト玩具会社の社員とホテル経営者の娘。ささやかな昴揚の後、彼らは安らぎと寂しさを手に、部屋を出て行く。人生の一瞬の煌めきを鮮やかに描く全7編。第149回直木賞受賞作。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 桜木/紫乃 1965年北海道生まれ。2002年「雪虫」で第82回オール讀物新人賞を受賞。07年同作を収録した単行本『氷平線』でデビュー。13年『ラブレス』で第19回島清恋愛文学賞、同年『ホテルローヤル』で第149回直木賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
2投稿日: 2023.06.25
powered by ブクログ北海道釧路の女性作家。直木賞受賞作品。 ラブホテルの末路から始まり、段々と過去に遡って書かれている。 夢を持って始めたホテルだが、徐々に暗雲が立ち込め、やがて朽ち果てていく。そこに何人もの人の生き様、寂しさが漂う。 全7話で書かれている。別々の人間、時代も違うのに、物悲しさ、優しさは共通。このうち「せんせぇ」だけがホテルと関係ないと思っていたが、最後に向かうのが釧路。泊まったのはホテルローヤルかもしれない。納得出来る作品。
2投稿日: 2023.05.18
powered by ブクログ北海道出身の女流作家、というのは知っていました。ラブホテルを舞台にした、本作「ホテルローヤル」が直木賞を獲ったのも。 ペンネームが「桜木紫乃」というところ、が印象に残っていました。私が女流作家だったとして、この名前をペンネームに選ぶだろうか…はっきりした顔立ちのポートレートも相まって、「何かを感じて」ずっとこの本を読まずに来ました。 本作は、ホテルローヤルを舞台にした、そのかかわりのある人たちが織りなす物語。 読み進めると、最小限の表現ながら抒情的な文章が続きます。あとで知りましたが、桜木さん、詩人としても著作がある方。言葉の感覚が鋭いのでしょう。 文章のうまい作家はいろいろ知っていますが、この方の文章はまた格別… 私も北海道在住で釧路は親戚もいますし、仕事で何度も訪れています。そんなことで湿原の中の高台に建つ、ホテルローヤル、すっと想像できました。 きっと、このような読後感を持ち、桜木さんの文章にからめとられるという予感がしていたのでしょう。 予感、的中。
1投稿日: 2023.05.14
powered by ブクログTwitterのお題箱で以前オススメされていたのをきっかけに読んだ。「ホテルローヤル」というラブホテルに関連した7つの短編が収録された直木賞受賞作品だ。話はすべてそれぞれ1つの話として楽しめるのだが、構成としては最初の「シャッターチャンス」から最後の「ギフト」まで現在から過去の話に戻っていく形式になっていてそこが面白く、よりラブホテルというものの切なさを感じるように描かれている。簡単なネタバレになってしまうが、1つ目の話では完全に廃墟と化した北海道の湿原に建つラブホテルが、最後の話ではホテルのオーナーがどんな思いや夢を持ってラブホテルを建てたのかはじまりの話が描かれるのが胸を締め付けられる気持ちになる。どんなものでも終わりというものが必ず存在する。その美しさ、悲しさを感じる作品だった。 今まで考えたことがなかったが、ラブホテルは悲しい場所なのかもしれないと思った。大体の場合、カップルであればお互いの家どちらかで行為をすればいいし、夫婦なら子どもや同居親などの問題がなければ自宅でできる。家でできないとか非日常な刺激が欲しいだとか泊まる宿や終電がなく仕方なくとか、何か事情がある人たちが利用者のほとんどだと思う。事情を抱えた人間がたった数時間セックスをするためだけの止まり木のような場所だ。私は刹那的なものに魅力を感じるためそんなラブホテルをテーマにしたこの小説がかなり好みだった。 解説のこの一文がこの作品やラブホテルのことを端的に表現している。 "いったんはひとつになった男女が、ことが終わると、また離れ離れになってゆく。その虚しさ、寂しさ。"
0投稿日: 2023.04.29
powered by ブクログラブホテルを舞台に人々の生き様を綴るこの7編は何とも言えない、人間の我と欲、生活そのものが繊細に描かれた心情は面白い。タマに重々しく感じる数編もあるが、「喜びと苦労・苦痛」は誰もが経験したい、経験するであろう事なのだと感じる。
7投稿日: 2023.04.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
日常と非日常の中間に存在しているようなラブホテルを舞台に、現在から過去へ進んでいく物語は斬新だった。 ラブホにやってくる一組一組にそれぞれの人生と物語がある。その一部を切り取ってくれた作品。
3投稿日: 2023.04.16
powered by ブクログ北海道の作家さんだし、直木賞取った小説だしと読み始め、じつは過去に一度挫折している。こんなに救いのない、厳しい現実を突きつけられて、どう楽しめというのか。しかし、デビュー作から読み始め、ようやくここまできて読んだら震えるほど衝撃だった。 廃墟になったホテルから始まり、最後は幸せに満ち溢れたホテルローヤルの始まりの話。こんな残酷な構成があるだろうか。その中にはさらに残酷な現実が隠れている。 「ホテルローヤル」はそれぞれの短編が関連を持って描かれるというテクニックで、人をなお絶望の淵に突き落とすが、初期の作品は短編がそれぞれ独立しているので、それだけでも衝撃が和らぐ(とでも言わないと、やはりそれぞれが厳しすぎる現実) それでも経験したことがない、いやできないし、したくないが、色々な人生に寄り添う作家の目と、それを表現するテクニックを楽しむことができる。 まずはエッセイ「おばんでございます」からがいいかな。趣味に圧倒されるけど。
2投稿日: 2023.04.07
powered by ブクログ直木賞を取った作品が文庫本になってたので読んでみた。 桜木紫乃って作家さんは初めてだと思う。 現在は潰れてしまってるラブホテルに関わる人達の物語が一章毎になっていて、特に主人公はない。 寝る前に1章ずつ読んでると1周間で読んでしまえる。 で、テーマがラブホテルなもんだから非常に退廃的で内容が暗く、生きてくことが辛くなるような内容。 片田舎に潰れてしまったラブホテルを実際見ることがよく有るよね。 だからそれをイメージしてくれればいい。 この物語では、先生と女子高生の心中が原因で経営が成り立たなくなった。 その原因を作った二人の物語や、廃墟化したホテルを写真のロケにするカップルとか、そこに務める掃除のおばさんとか、そもそもこのホテルを建築した経営者の話とか。 ラブホテルって、どんどん改装しなければならず、普通にお客が入ってても借金地獄から抜けられないらしい。 そんな暮らしに追われる人々の話。 最初はつまらない小説だなぁと思ったけど、読み終えると、その退廃的な読了感がしみじみする。 流石に直木賞・・・とは思わないけど、なかなかいい感じでした。 かなり好き嫌いが別れるとは思うけどね。 辛くて暗くなるので万人受けはしないだろうけど、日本人独特な暗さとか悲しさとか、昔は「泥の河」なんて小説・映画が有ったけど、その現代版かなぁと思う。 そういうのが好きな方にはお薦め。
0投稿日: 2023.03.30
powered by ブクログ図書館の本棚に直木賞受賞作品として置かれていたこと、何となく表紙に惹かれるものがあったためどんなお話かも知らずに読み始めた本。 目次を見て短編集か〜と思って、最初の1話を読み終わった後は「どうしてこれが直木賞をとったんだろう?」って思った(超失礼)。 で2話目でようやく「前話で出てきた何気ない場所や登場人物にスポットライトを当てていく短編集」ということに気づいた(最終話から読んだらまた捉え方が変わってきそう)。 日常で目に映る光景や出来事が自分にとっては些細なものであったとしても、その背景には様々な人の葛藤があるんだということをこの小説を通して感じた。 決してハッピーエンドというわけでは無いし、側から見たら苦労してると感じる登場人物ばかりだけれど、とても引き込まれる。 人は誰でも、たとえ幸せに見えたとしても、抱えている闇があるのかもしれないと思った。
1投稿日: 2023.03.29
powered by ブクログ北海道のラブホテルを舞台にに、ちょっと人生につまづいた人たちを描く。 連作短編なんで、登場人物が少しずつ繋がってたりして、読み進めるほどに引き込まれた。 「せんせぇ」と「星を見ていた」がせつなくてホロっとした。
0投稿日: 2023.03.21
powered by ブクログ釧路の湿原脇の国道から細い道へ入り、ホテルローヤルを舞台にした短編集。暗い日常から少し遠ざかり数時間を描いたバブルバスがよかった。2人を取り囲む日常は目を伏せたくなるけれども、最後に信号の向こうでパート募集してるの、と前向きな言葉を並べたところが温かくなった。
0投稿日: 2023.03.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ラブホテルローヤルが舞台の作品。全七編の短編集。共通して舞台はローヤル。一話で廃墟と化したローヤルが舞台となり、時間をどんどん遡っていく。七話には幸せだった頃の開業者大吉が主人公となり、衰退していくローヤルの姿を逆の時系列で表していっている。それぞれがローヤルに関わるまでの経緯、時間軸、取り巻く環境などは異なるが、それもまた面白味である。開業者大吉の娘やローヤルで働いていたパートの女性、ローヤルで心中したと思われる教師と女子高生。ローヤルに携わる思いに違いはあれど、共通の舞台で広げられる世界に魅力がある。 一言で表すと明るいとはいえぬ作品であるが、すべてを語りつくさぬ書き口が魅力的。
0投稿日: 2023.02.24
powered by ブクログ映画を先に鑑賞してからの原作。時を遡っていくスタイルなのは面白かった!釧路の景色がありありと浮かぶのがやはり桜木紫乃作品だなぁ。
0投稿日: 2023.02.14
powered by ブクログ現在から過去に遡っていく構成でなんとも寂しい世界を作り出している作品。全体的に暗く物悲しい雰囲気を醸し出していて、さらに人物たちも金銭的に問題を抱える日陰を生きる人々だ。だから余計に暗い。だが、その中でも懸命に生きていて、悲観するだけではなく、楽しんだり喜んだりする。悲しい未来を知っている読者は寂しさは感じたとしても、あえて明るい未来を予感していた過去へ遡ることで、意外にも、後味の悪さを残さない、そんな不思議な小説だった。
0投稿日: 2023.02.09
powered by ブクログ文章を目で追うのをやめられず。寂しいとかつらいとか、まあ生きてりゃなんとかなるだろうとか、そういう世界にたっぷり浸かっていた。ある人生の、ワンシーンを見ている感覚で。
0投稿日: 2022.12.30
powered by ブクログあんまり好みではなかったけど、「星を見ていた」が泣けた。真面目にやってれば不幸にはならないという世界に生きていると信じたい。
4投稿日: 2022.12.29
powered by ブクログ149回 2013上 直木賞受賞 ホテルローヤルにまつわる人々を収めた短編集 廃墟となった建物にヌード撮影に来た男女 昔そこで男に騙され有り金を盗まれた貧乏寺の妻 出入りしているアダルトグッズの営業担当 浮いたお布施で2時間の休憩に来た熟年夫婦 行き場を失いホテルで心中した高校教師と生徒 清掃係として働く60歳の従業員 ホテルローヤルの経営者 ホテルローヤルの現在から過去に遡りながら、彼らの人生を描写している 後ろ暗くも快楽を与えてくれるラブホテルを舞台に展開される物語に出てくる人物達の生き様は、至極真面目でひたむきで自分に与えられた責務を全うしているものばかり
1投稿日: 2022.12.25
powered by ブクログずっと積読でしたが、早く読めば良かったなぁと後悔。全編に渡る暗い雰囲気が好みでした。読み進めていくほど、時代は遡り…徐々に繋がる人間関係。最後にまた最初から読むと切なかったです。
2投稿日: 2022.12.12
powered by ブクログ先に映画を見ていたけど、小説から読んで映画見た方が面白かったかもしれないと思うくらいには小説めちゃくちゃ面白かったー! 私の男みたいに逆から始まって、始まりで終わるタイプの小説はめちゃくちゃ面白い! 先生と女子高生の話が好きでした◎
1投稿日: 2022.12.02
powered by ブクログ釧路湿原を見下す高台にある「ホテルローヤル」を舞台に、安らぎと寂しさを紛らわす男と女、寄る辺なき人間たちの人生の一瞬の煌めきを、7編の連作短編を通して切々と描いた直木賞受賞作。 周囲を草に覆われ廃墟となったラブホテル(部屋数6室)「ホテルローヤル」の錆びれた看板の風景から始まる物語は、ヌード写真の撮影に誘われた女性事務員、貧乏寺の維持のため檀家と密事を重ねる住職の妻、ホームレス女子高性と担任教師との心中事件、ホテル廃業をきめた経営者の娘とアダルト玩具店の社員など、人生の哀感ただよう心にしみる物語。
10投稿日: 2022.11.25
powered by ブクログ解説に書かれていた言葉を借りるみたいになるのが嫌だけど、作者の登場人物に対する優しさを節々から感じることが出来た。 夫のために体を売ったり、浮気をしたり、店を潰したり、自分の息子がとんでもないことをしでかしたり。多くの人から後ろ指をさされそうな話達を、この作者の人は暖かく、優しく書いているような気がした。 読むのにかかった時間は2時間。ちょうどラブホテルでの休憩時間。色んな人の様々な後ろめたい気持ちを、まるでこの本の中だけに閉じ込めたような小説だった。 読んだ後に残るじんわりとした寂しさは好きじゃないが、なんとなく、安らいだ気がした。
4投稿日: 2022.11.23
powered by ブクログ※ 第149回直木賞受賞作 ・シャッターチャンス ・本日開店 ・えっち屋 ・バブルバス ・せんせぇ ・星を見ていた ・ギフト 北国のラブホテル『ホテルローヤル』 を舞台にした、登場人物たちの色々な人生を 描いた物語。 非日常を求めて訪れる男女。 廃墟ホテルに足を踏み入れるカップル。 倒産したホテルの経営者と従業員。 離別と出発。 全体を覆う閉塞感は寒色のイメージさせます。
10投稿日: 2022.11.18
powered by ブクログラブホテルを、恋人のために釧路の湿原が見渡せるところに建てたい男、恋人、そして娘 そしてラブホテル閉める娘とリース商品の営業の話 廃墟となったホテルに来て撮影するカップル を時代が戻るように描かれた話 『えっち屋』だけ★★★★ これが1番面白かったです このホテルで生まれ、家業であるラブホを手伝いついにホテルを閉めることにした日、リース品のアダルトグッズ(通称えっち屋)の営業が引き取りにくる。その2人の会話が面白い。 このあと車であちこち行きながら住みたい場所を探すという主人公 もともと市役所で勤めていた生真面目で、妻にスマホを全て見せるというえっち屋の営業 映画化されたけどこの営業が誰か気になる 主人公 波瑠 えっち屋 松山ケンイチ なんかぴったりな気がする。
1投稿日: 2022.11.11
powered by ブクログホテルローヤルというラブホテルにまつわる連作短編。 短編は、現代から過去に向かって並べられており、読み進めていくと「あの時の人が、この人…?」と少しずつ、つながっていく。 ラブホテルというのは、基本的にはあってもなくてもいい場所だと思ってる。 でも、そんなホテルに救われる市井の人がいると思うと、捨てたもんじゃない。 たくさん働いて、でもお金がなくて、生活は苦しい。 そんな人にとってささやかな幸せで、贅沢な時間が、ラブホテルなのかもしれない。 「バブルバス」の主人公は、地方で暮らす人の生活や空気感がありありと書かれていた。 スーパーでパートの仕事をして月五万円くらいにはなるというのがやたらと現実的で、泣けた。 大吉が義父に言われた「幸せなんて過去形でナンボだろう」という言葉も、良いこと言うね。 肝心の大吉には響かなかったんだろうが…。 こんなら大吉が経営者で、娘の雅代が29歳になるまでよくローヤルもったよなぁ。
4投稿日: 2022.11.04
powered by ブクログ2021.12 図書館借本 * 過去に遡っていく順番になっているのが新鮮だった。 直木賞作品でめちゃくちゃ面白いかと言われるとハテナだけど、登場人物たちの日常の一辺と考えるとそんなドラマが起こるものでもないよなと。 周りにはいなかったけど、ラブホの娘・息子っていう境遇になる子たちって大変なんだろうな。 「せんせぇ」の2人は心中するんだろうけど、そこまでの物語も読みたかった。
0投稿日: 2022.11.04
powered by ブクログ佐藤寛太さん 推薦本 重い けど、短編が全てホテルローヤルで繋がってること、時系列が遡っていき、あの人の話だ!と分かり面白かった こんな人達いるんだろうか いたんだろうか 陰鬱な物語から何をえるのか
0投稿日: 2022.10.24
powered by ブクログホテルを通したそれぞれの人たちの物語を、時系列を逆にして伝えていくという方法は面白い。はじめにホテルの未来を知っているからこその切なさがある。 衰退していく日本の地方で、決して裕福と言えないないがひたむきに生きている人たちに寄り添う作者の優しさ、温かさを感じた。
0投稿日: 2022.10.03
powered by ブクログ北海道のラブホテルを舞台にした短編集。 正直、期待外れでした。どれもどこかで読んだような印象。 着眼点(?)は悪くないのですが、著者の体感が伴っていないような、薄っぺらい感じを受けました。 唯一、「星を見ていた」で泣きました。 邪気がないということはやはり美しいと思います。
2投稿日: 2022.09.30
powered by ブクログラブホテルを舞台にさまざまな人生が交錯する物語。 廃墟となってしまったなれのはてから始まり、最後はホテルを経営することになったオーナーの話で終わる。 最初にオーナーの最期を知ってしまったから、最後の物語を読んで余計に悲しさが募った。 おそらくこのオーナーのおじさんも、自分が亡きあとホテルがこんな末路を迎えることになるなんて夢にも思わなかっただろうな。
2投稿日: 2022.09.29
powered by ブクログ著者の実家がラブホテルを経営していた、と言うのを聞いて興味を持った。直木賞を取ったらしいが特に面白味は感じられなかった。
1投稿日: 2022.09.27
powered by ブクログホテルローヤルを舞台にした短編集。潰れたあとのホテルからホテル開業を夢見ている時代に遡っている。こんな使い方あるんだという位に幅が広い。人の数だけ人生がある感じ。
0投稿日: 2022.09.23
powered by ブクログ一昔前の話だと錯覚してしまうくらい、性のあり方や女性への扱いが今と異なっていて、気持ちの整理が難しい‥ 女性としてというのは置いておいて、1人の人間としてどんなときも愚痴を言わずひたむきに取り組む姿は、苦しい時に自分を助けてくれるんだなと思った。
0投稿日: 2022.09.18
